特許第6671274号(P6671274)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671274
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】薄伝導性素子を有する化学装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 27/414 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   G01N27/414 301V
   G01N27/414 301P
   G01N27/414 301R
【請求項の数】18
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-500684(P2016-500684)
(86)(22)【出願日】2014年3月5日
(65)【公表番号】特表2016-510894(P2016-510894A)
(43)【公表日】2016年4月11日
(86)【国際出願番号】US2014020892
(87)【国際公開番号】WO2014149779
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2017年3月1日
(31)【優先権主張番号】61/790,866
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/868,942
(32)【優先日】2013年8月22日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502221282
【氏名又は名称】ライフ テクノロジーズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【弁理士】
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ファイフ,キース
(72)【発明者】
【氏名】オーウェンス,ジョーダン
(72)【発明者】
【氏名】リ,シフェン
(72)【発明者】
【氏名】バスティロ,ジェームズ
【審査官】 櫃本 研太郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2005/0230271(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0301398(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0185616(US,A1)
【文献】 特表2007−506085(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0045368(US,A1)
【文献】 特表2013−537635(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 27/414
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
化学装置であって、
互いに電気的に連結される複数の浮遊ゲート導体を備える浮遊ゲート構造体を含む、化学感応性電界効果トランジスタと、
前記複数の浮遊ゲート導体内の一番上の浮遊ゲート導体であるセンサプレートの上に重なり、かつセンサプレートビアを介して通信している伝導性素子であって、前記センサプレートよりも幅広く、かつ薄い、伝導性素子と、
前記伝導性素子の上面にまで延伸する開口部を画定する絶縁体材料と、を備える、前記化学装置。
【請求項2】
前記伝導性素子が、チタン、タンタル、窒化チタン、及びアルミニウム、ならびに/またはそれらの酸化物及び/もしくは混合物のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項3】
前記化学装置内の隣接する伝導性素子間の距離が、約0.18ミクロンである、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項4】
前記伝導性素子の厚さが、約0.1〜0.2ミクロンである、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項5】
前記複数の浮遊ゲート導体内の前記センサプレートが、前記複数の浮遊ゲート導体内の他の浮遊ゲート導体の厚さよりも大きい厚さを有する、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項6】
前記伝導性素子が、前記センサプレートを備える材料とは異なる材料を備える、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項7】
前記絶縁体材料の内面及び前記伝導性素子の前記上面が、前記化学装置のための反応領域の外面を画定する、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項8】
前記複数の浮遊ゲート導体が、アレイライン及びバスラインを含む層内にある、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項9】
前記化学感応性電界効果トランジスタを含むセンサ領域と、前記化学感応性電界効果トランジスタから信号を獲得するための周辺電気回路構成を含む周辺領域と、を含む、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項10】
前記伝導性素子が、前記センサ領域内のみにある伝導性層内にある、請求項9に記載の前記化学装置。
【請求項11】
前記伝導性素子が、前記周辺領域内ではない場所に材料を備える、請求項9に記載の前記化学装置。
【請求項12】
前記化学感応性電界効果トランジスタが、互いに電気的に連結され、かつ絶縁体層によって分離される複数の導体を備える浮遊ゲート構造体を含み、前記複数の導体内の一番上の導体がセンサプレートである、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項13】
前記絶縁体材料の第1の層が、窒化ケイ素であり、第2の層が、二酸化ケイ素及びオルトケイ酸テトラエチルのうちの少なくとも1つであり、前記第2の層が前記開口部の側壁を画定する、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項14】
前記化学感応性電界効果トランジスタと流体流動連通しており、かつシーケンシングのために検体を送達するように配置される微小流体構造体をさらに備える、請求項1に記載の前記化学装置。
【請求項15】
化学装置の製造方法であって、
互いに電気的に連結される複数の浮遊ゲート導体を備える浮遊ゲート構造体を含む、化学感応性電界効果トランジスタを形成することと、
前記複数の浮遊ゲート導体内の一番上の浮遊ゲート導体であるセンサプレートの上に重なり、かつセンサプレートビアを介して通信している伝導性素子を形成することであって、前記伝導性素子が前記センサプレートよりも幅広く、かつ薄く、形成することと、
前記伝導性素子の上面にまで延伸する開口部を画定する絶縁体材料を形成することと、を含む、前記製造方法。
【請求項16】
前記伝導性素子の前記上面が、前記化学装置のための反応領域の底面を画定する、請求項15に記載の化学装置の前記製造方法。
【請求項17】
前記絶縁体材料の内面及び前記伝導性素子の前記上面が、前記化学装置のための反応領域の外側境界を画定する、請求項15に記載の化学装置の前記製造方法。
【請求項18】
前記伝導性素子が、前記化学装置のセンサ領域内のみにある伝導性層内に形成される、請求項15に記載の化学装置の前記製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月22日出願の米国仮特許出願第61/868,942号、及び2013年3月15日出願の同第61/790,866号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体は参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、一般に、化学分析のためのセンサ、及びそのようなセンサの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な種類の化学装置が化学プロセスの検出に使用されてきた。1つの種類は、化学感応性電界効果トランジスタ(chemFET)である。chemFETは、チャネル領域によって分離されるソース及びドレイン、ならびにチャネル領域に連結される化学感応性区域を含む。chemFETの操作は、近くで発生する化学反応に起因する感応性区域における電荷の変化によって引き起こされる、チャネルコンダクタンスの変調に基づく。チャネルコンダクタンスの変調は、chemFETの閾値電圧を変化させ、この閾値電圧を測定して、化学反応の特徴を検出及び/または決定することができる。閾値電圧は、例えば、適切なバイアス電圧をソース及びドレインに印加すること、及びchemFETを通って流れる結果として生じる電流を測定することによって、測定され得る。別の例として、閾値電圧は、既知の電流をchemFETに流すこと、及びソースまたはドレインで結果として生じる電圧を測定することによって、測定され得る。
【0004】
イオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)は、感応性区域にイオン感応性層を含むchemFETの種類である。検体溶液中のイオンの存在は、検体溶液中に存在するイオンによって引き起こされる表面荷電基のプロトン化及び脱プロトン化に起因して、イオン感応性層と検体溶液との間の界面で表面電位を変更する。ISFETの感応性区域における表面電位の変化は、装置の閾値電圧に影響を与え、この閾値電圧を測定して、溶液内のイオンの存在及び/または濃度を示すことができる。ISFETのアレイは、反応中に存在する、生成される、または使用されるイオンの検出に基づいて、DNAシーケンシング反応などの化学反応を監視するために使用され得る。例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Rothbergらに対する米国特許第7,948,015号を参照されたい。より一般的には、chemFETの大きいアレイまたは他の種類の化学装置を利用して、様々なプロセスにおける様々な検体(例えば、水素イオン、他のイオン、化合物等)の静的及び/もしくは動的な量または濃度を検出及び測定してもよい。プロセスは、例えば、生物学的もしくは化学的反応、細胞もしくは組織培養、または神経活動、核酸シーケンシングを監視すること等であってもよい。
【0005】
大規模化学装置アレイの操作において生じる問題は、ノイズに対するセンサ出力信号の感受性である。具体的には、ノイズは、センサによって検知されている化学的及び/または生物学的プロセスの特徴を決定するために使用される下流信号処理の精度に影響を与える。そのため、低ノイズ化学装置を含む装置、及びそのような装置の製造方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
例示的な一実施形態において、化学装置が記載される。本センサは、互いに電気的に連結される複数の浮遊ゲート導体を備える浮遊ゲート構造体を含む、化学感応性電界効果トランジスタを含む。伝導性素子が、複数の浮遊ゲート導体内の一番上の浮遊ゲート導体の上に重なり、かつそれと通信している。該伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体よりも幅広く、かつ薄くてもよい。本センサは、伝導性素子の上面にまで延伸する開口部を画定する絶縁体材料をさらに含む。例示的な実施形態に従って、本伝導性素子は、チタン、タンタル、窒化チタン、及びアルミニウム、ならびに/またはそれらの酸化物及び/もしくは混合物のうちの少なくとも1つを含み得る。別の実施形態に従って、化学装置内の隣接する伝導性素子間の距離は、約0.18ミクロンである。さらに別の実施形態において、伝導性素子の厚さは、約0.1〜0.2ミクロンである。一実施形態において、複数の浮遊ゲート導体内の一番上の浮遊ゲート導体は、複数の浮遊ゲート導体内の他の浮遊ゲート導体の厚さよりも大きい厚さを有し得る。別の実施形態において、伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体を備える材料とは異なる材料を備え得る。例示的な実施形態に従って、伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体を備える材料とは異なる材料を備え得る。別の実施形態に従って、絶縁体材料の内面及び伝導性素子の上面は、化学装置のための反応領域の外面を画定する。さらに別の実施形態において、複数の浮遊ゲート導体は、アレイライン及びバスラインをさらに含む層内にある。一実施形態において、本化学装置は、化学感応性電界効果トランジスタを含むセンサ領域と、化学感応性電界効果トランジスタから信号を獲得するための周辺電気回路構成を含む周辺領域とを含む。一実施形態において、伝導性素子は、センサ領域内のみにある伝導性層内にある。別の実施形態において、伝導性素子は、周辺領域内ではない場所に材料を備える。例示的な実施形態に従って、化学感応性電界効果トランジスタは、互いに電気的に連結され、かつ絶縁体層によって分離される複数の導体を備える浮遊ゲート構造体を含み、浮遊ゲート導体は、複数の導体内の一番上の導体であり得る。別の実施形態に従って、絶縁体材料の第1の層は、窒化ケイ素であり得、第2の層は、二酸化ケイ素及びオルトケイ酸テトラエチルのうちの少なくとも1つであり得、第2の層が開口部の側壁を画定する。一実施形態において、本化学装置は、化学感応性電界効果トランジスタと流体流動連通しており、かつシーケンシングのために検体を送達するように配置される、微小流体構造体をさらに備え得る。
【0007】
別の例示的な実施形態において、化学装置の製造方法が記載される。本方法は、互いに電気的に連結される複数の浮遊ゲート導体を備える浮遊ゲート構造体を含む、化学感応性電界効果トランジスタを形成すること含む。本方法は、複数の浮遊ゲート導体内の一番上の浮遊ゲート導体の上に重なり、かつそれと通信している伝導性素子を形成することをさらに含む。伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体よりも幅広く、かつ薄い。本方法は、伝導性素子の上面にまで延伸する開口部を画定する絶縁体材料を形成することをさらに含む。例示的な実施形態に従って、伝導性素子の上面は、化学センサのための反応領域の底面を画定する。別の実施形態に従って、絶縁体材料の内面及び伝導性素子の上面は、化学センサのための反応領域の外側境界を画定する。さらに別の実施形態において、伝導性素子は、化学装置のセンサ領域内のみにある伝導性層内に形成される。
【0008】
本明細書内に記載される本主題のもう1つの実装の特定の態様が、以下の図面及び説明において記載される。本主題の他の特徴、態様、及び利点は、説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】例示的な実施形態に従う核酸シーケンシングのためのシステムの構成要素のブロック図を例証する。
図2】例示的な実施形態に従う集積回路装置及びフローセルの一部分の横断面図を例証する。
図3】例示的な実施形態に従う代表的な化学装置及び対応する反応領域の横断面図を例証する。
図4】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図5】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図6】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図7】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図8】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図9】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図10】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図11】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図12】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図13】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図14】例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。
図15】例示的な実施形態に従う、例示的なセンサ領域及び例示的な周辺領域を含む例示的な化学装置のブロック図を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上に重なる、動作的に関連付けられた反応領域内で化学反応を検出するための、化学感応性電界効果トランジスタ(chemFET)などの低ノイズ化学装置を含む化学装置が、記載される。化学装置のセンサは、複数の浮遊ゲート導体の一番上の浮遊導体上に堆積される検知層を有する複数の浮遊ゲート導体を備え得る。しかしながら、出願者らは、検知専用である複数の浮遊ゲート導体の一番上の浮遊導体の上に追加層を追加することが、技術的課題及び追加層のコストを克服する利点を有することを発見している。例えば、出願者らは、本明細書に記載される化学装置における利点が、強化されたリソグラフィプロセスマージン(例えば、開口部の位置ずれ及び/または焼損を防ぐ)を提供すること、ならびに検知区域が一番上の浮遊ゲート導体の直接上にあった場合に可能であろう開口部よりも大きな開口部を絶縁体内に提供すること(例えば、開口部が大きいほどより多くの信号に対応することができる)を含むことを発見している。
【0011】
本明細書内に記載される例示的な化学装置は、検知のための専用の層を備え得る検知表面積を有する。本明細書に記載される実施形態において、伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体の上に重なり、かつそれと通信している。一番上の浮遊ゲート導体は、化学装置にアクセスする/動力を供給するためのアレイライン(例えば、ワードライン及びビットライン等)及びバスラインを提供するために使用され得るため、一番上の浮遊ゲート導体は、好適な材料または材料の混合物、及びそのために十分な厚さでなければならない。伝導性素子は化学装置の基板上の異なる層内にあるため、伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート構造体の材料及び厚さから独立した専用検知表面積として機能し得る。例えば、伝導性素子は、検知表面積が比較的大きくあり得るように、一番上の浮遊ゲート導体よりも幅広くてもよい。例えば、伝導性素子は、検知表面積が検知のための増加した感応性を提供することができるように、一番上の浮遊ゲート導体よりも薄くてもよい。結果として、低ノイズ化学装置を、反応の特徴を正確に検出することができるように、高密度アレイで提供することができる。
【0012】
さらに、一番上の浮遊ゲート導体を、プロセス限界に追い込む必要はなく、隣接する浮遊ゲート導体は、高電流を通すために好適な厚さ(すなわち、低抵抗率)を有するべきであるが、隣接する浮遊ゲート導体間の間隔はプロセス設計ルールによって許可される最小間隔である必要はない。一番上の浮遊ゲート導体のために使用される材料(複数可)は、高電流に好適であるべきである。一番上の浮遊ゲート導体の上に重なり、かつそれと通信している伝導性素子を提供することは、伝導性素子が一番上の浮遊ゲート導体とは異なる層上にあるため、伝導性素子のための材料の選択により大きな自由を提供する。
【0013】
図1は、例示的な実施形態に従う核酸シーケンシングのためのシステムの構成要素のブロック図を例証する。本構成要素は、集積回路装置100上のフローセル101、基準電極108、シーケンシングのための複数の試薬114、弁閉鎖116、洗浄溶液110、弁112、フルイディクス制御器118、ライン120/122/126、通路104/109/111、廃棄物容器106、アレイ制御器124、及びユーザインターフェース128を含む。集積回路装置100は、本明細書に記載されるような化学装置を含むセンサアレイの上に重なるマイクロウェルアレイ107を含む。フローセル101は、入口102、出口103、及びマイクロウェルアレイ107にわたる試薬の流路を画定するフローチャンバ105を含む。基準電極108は、通路111の内腔に挿入される流体通路またはワイヤを有する同心円筒をはじめとする、任意の好適な種類または形状であり得る。試薬114は、ポンプ、ガス圧力、または他の好適な方法によって流体経路、弁、及びフローセル101を通って流され得、かつフローセル101の出口103を出た後、廃棄物容器106内に廃棄され得る。フルイディクス制御器118は、好適なソフトウェアを用いて、試薬114のための駆動力、ならびに弁112及び弁閉鎖116の操作を制御し得る。マイクロウェルアレイ107は、本明細書内ではマイクロウェルとも称される、本明細書内に記載されるような反応領域のアレイを含み、それは、センサアレイ内の対応する化学装置と動作的に関連付けられる。例えば、各反応領域は、検体またはその反応領域内の目的の反応特性を検知するために好適な化学装置に連結され得る。マイクロウェルアレイ107は、マイクロウェルアレイ107及びセンサアレイが単一の装置またはチップの一部であるように、集積回路装置100内に統合され得る。フローセル101は、マイクロウェルアレイ107にわたる試薬114の通路及び流量を制御するための様々な構成を有し得る。アレイ制御器124は、センサアレイの化学装置を読み込むために、バイアス電圧ならびにタイミング及び制御信号を集積回路装置100に提供する。アレイ制御器124はまた、基準バイアス電圧を基準電極108に提供して、マイクロウェルアレイ107にわたって流れる試薬114を付勢する。
【0014】
実験中、アレイ制御器124は、バス127を介してセンサアレイの化学装置から集積回路装置100上の出力ポートまで出力信号を収集し、かつ処理する。アレイ制御器124は、コンピュータ、または他のコンピューティング手段であり得る。アレイ制御器124は、データ及びソフトウェアアプリケーションの記憶のためのメモリ、データにアクセスし、アプリケーションを実行するためのプロセッサ、ならびに図1内のシステムの様々な構成要素との通信を促進する構成要素を含み得る。化学装置の出力信号の値は、マイクロウェルアレイ107内の対応する反応領域で起こる1つ以上の反応の物理的及び/または化学的パラメータを示す。例えば、例示的な実施形態において、出力信号の値は、全てが参照により本明細書に組み込まれる、2010年12月30日出願の米国仮特許出願第61/428,743号、及び2011年1月3日出願の同第61/429,328号に基づく2011年12月29日出願のRearickらの米国特許出願第13/339,846号、ならびに2010年12月29日出願の米国仮特許出願第61/428,097号に基づく2011年12月29日出願のHubbellの米国特許出願第13/339,753号に開示される技術を使用して処理され得る。ユーザインターフェース128は、フローセル101、及び集積回路装置100上のセンサアレイ内の化学装置から受信される出力信号に関する情報を表示し得る。ユーザインターフェース128はまた、機器の設定及び制御も表示し、ユーザが機器の設定及び制御を入力または設定することを可能にする。
【0015】
例示的な実施形態において、実験中、フルイディクス制御器118は、個々の試薬114を規定の順序、規定の期間、規定の流量でフローセル101及び集積回路装置100へ送達することを制御し得る。アレイ制御器124は、試薬114の送達に応答して発生する化学反応を示す化学装置の出力信号を収集及び分析することができる。実験中、システムはまた、反応が起こり、既知の規定の温度で測定が行われるように、集積回路装置100の温度を監視及び制御し得る。システムは、操作中、多段階反応全体にわたって単一の流体または試薬を基準電極108に接触させるように構成され得る。弁112は、試薬114が流れている際にいかなる洗浄溶液110も通路109に流れ込むことを防ぐために閉鎖され得る。洗浄溶液の流動は止められ得るが、基準電極108と、通路109と、マイクロウェルアレイ107との間の絶え間ない流体、及び電気通信は依然として存在し得る。基準電極108と通路109及び111の合流点との間の距離は、通路109内を流れる、及びおそらくは通路111内に拡散する試薬が基準電極108に達する量がほとんどまたは全くないように、選択され得る。例示的な実施形態において、洗浄溶液110は、基準電極108と連続的に接触しているように選択され得、それは頻繁な洗浄工程を使用した多段階反応に特に有用である。
【0016】
図2は、集積回路装置100及びフローセル101の一部分の横断及び拡大図を例証する。操作中、フローセル101のフローチャンバ105は、マイクロウェルアレイ107内の反応領域の開口端を横切って送達された試薬の試薬流動208を閉じ込める。反応領域の量、形状、横縦比(底幅対ウェル深さ比など)、及び他の寸法特徴は、起こる反応の性質、ならびに試薬、副産物、または(もしあれば)利用される標識技術に基づいて選択され得る。センサアレイ205の化学装置は、マイクロウェルアレイ107における関連付けられる反応領域内の化学反応に応答して(及び出力信号を生成して)、検体または目的の反応特性を検出する。センサアレイ205の化学装置は、例えば、イオン高感度電界効果トランジスタ(ISFET)などの化学的高感度電界効果トランジスタ(chemFET)であり得る。実施形態において使用され得る化学装置及びアレイ構成の例は、それぞれが参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第2010/0300559号、同第2010/0197507号、同第2010/0301398号、同第2010/0300895号、同第2010/01307a43号、及び同第2009/0026082号、ならびに米国特許第7,575,865号に記載される。
【0017】
図3は、例示的な実施形態に従う2つの代表的な化学装置及びそれらの対応する反応領域の横断面図を例証する。図3では、数百万の化学装置を含むことができるセンサアレイのほんの一部分を表す2つの化学装置350、351が示される。化学装置350は、対応する反応領域301に連結され、化学装置351は、対応する反応領域302に連結される。化学装置350は、センサアレイ内の化学装置の代表である。例証される実施例において、化学装置350は、化学感応性電界効果トランジスタ(chemFET)、より具体的には、本実施例ではイオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET)である。化学装置350は、伝導性素子307によって反応領域301に連結されるセンサプレート320を有する浮遊ゲート構造体318を含む。図3に例証されるように、センサプレート320は、浮遊ゲート構造体318内の一番上の浮遊ゲート導体である。例証される実施例において、浮遊ゲート構造体318は、絶縁体材料319の層内に伝導性材料の複数のパターン層を含む。化学装置350はまた、半導体基板354内にソース領域321及びドレイン領域322も含む。ソース領域321及びドレイン領域322は、基板354の導電型とは異なる導電型を有するドープ半導体材料を備える。例えば、ソース領域321及びドレイン領域322は、ドープP型半導体材料を備え得、基板は、ドープN型半導体材料を備え得る。チャネル領域323は、ソース領域321とドレイン領域322とを分離する。浮遊ゲート構造体318は、チャネル領域323の上に重なり、かつゲート絶縁体352によって基板354から分離される。ゲート絶縁体352は、例えば、二酸化ケイ素であり得る。代替的に、他の絶縁体がゲート絶縁体352に使用され得る。
【0018】
図3に示されるように、絶縁体材料は、絶縁体材料の不在によって画定される開口部内にあり得る反応領域301を画定する。絶縁体材料303は、二酸化ケイ素もしくは窒化ケイ素、または任意の他の好適な材料もしくは材料の混合物など、材料の1つ以上の層を備え得る。開口部の寸法及びそれらの傾斜は、実装ごとに様々であってもよい。いくつかの実施形態において、開口部は、平面断面面積(A)をPiで除算した数の4倍の平方根(例えば、sqrt(4×A/π))として定義される、特徴的な直径を有することができ、それは3.5マイクロメートル以下、2.0マイクロメートル以下、1.6マイクロメートル以下、1.0マイクロメートル以下、0.8マイクロメートル以下、0.6マイクロメートル以下、0.4マイクロメートル以下、0.2マイクロメートル以下、または0.1マイクロメートル以下などの、5マイクロメートル以下である。
【0019】
化学装置350は、複数の浮遊ゲート導体内の一番上の浮遊ゲート導体の上に重なり、かつそれと通信している伝導性素子307を含む。図3に例証されるように、伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体よりも幅広く、かつ薄い。例証される実施形態において、絶縁体材料は、伝導性素子の上面にまで延伸する開口部を画定する。伝導性素子307の上面307aは、化学装置のための反応領域の底面を画定する。別の見方をすると、伝導性素子307の上面307a、及び絶縁体材料1316の内面1316aの下部は、化学装置のための反応領域の底領域を画定する。伝導性素子307は、反応領域の幅W’よりも広い幅Wを有し得る。一実施形態に従って、化学装置内の隣接する伝導性素子間の距離333は、約0.18ミクロンである。別の実施形態に従って、伝導性素子の厚さ334は、約0.1〜0.2ミクロンである。一実施形態において、複数の浮遊ゲート導体内の一番上の浮遊ゲート導体は、複数の浮遊ゲート導体内の他の浮遊ゲート導体の厚さ335’よりも大きい厚さ335を有し得る。別の実施形態において、伝導性素子370は、一番上の浮遊ゲート導体を備える材料とは異なる材料を備え得る。
【0020】
伝導性素子307の上面307aは、化学装置350のための検知表面として機能する。本開示全体にわたって論じられるような伝導性素子は、製造プロセス中に使用される材料/エッチングの技術/作成プロセス等に応じて、様々な形状(幅、高さ等)で形成され得る。伝導性素子307は、特定のイオン(例えば、水素イオン)に対する感応性を促進するために様々な異なる材料のうちの1つ以上を備え得る。例示的な実施形態に従って、本伝導性素子は、チタン、タンタル、窒化チタン、及びアルミニウム、ならびに/またはそれらの酸化物及び/もしくは混合物のうちの少なくとも1つを含み得る。伝導性素子307は、化学装置350が、小さな検知表面に関連するノイズ問題を回避するために十分に大きな表面積を有することを可能にする。化学装置の平面面積を、反応領域301の幅(または直径)によって部分的に決定し、小さく作製することができ、高密度アレイを可能にする。加えて、反応領域301は、伝導性素子307の上面307a、及び絶縁体材料1316の内面1316aによって画定されるため、検知表面積は、反応領域301の深さ及び円周次第であり、比較的大きくてもよい。結果として、低ノイズ化学装置350、351を、反応の特徴を正確に検出することができるように、高密度アレイで提供することができる。
【0021】
本装置の製造及び/または操作中、伝導性素子307の材料の薄酸化物が上面307a上に成長し得、それは化学装置350のための検知材料(例えば、イオン感応性検知材料)として働く。例えば、一実施形態において、導電性素子は窒化チタンであり得、酸化チタンまたは酸窒化チタンは、製造中及び/または使用中の溶液への曝露中に上面307a上で成長し得る。酸化物が形成されるかどうかは、伝導性材料、実施される製造プロセス、及び装置が操作される条件次第である。例証される実施形態において、伝導性素子307は、材料の単一層として示される。より一般的には、導電性素子は、実装に応じて、金属もしくはセラミックス、または任意の他の好適な伝導性材料もしくは材料の混合物などの様々な導電性材料の1つ以上の層を備え得る。伝導性材料は、例えば、金属材料もしくはその合金であってもよく、またはセラミック材料、あるいはその組み合わせであってもよい。例示的な金属材料は、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、銀、金、プラチナ、ハフニウム、ランタン、タンタル、タングステン、イリジウム、ジルコニウム、パラジウム、またはそれらの組み合わせのうちの1つを含む。例示的なセラミック材料は、窒化チタン、窒化チタンアルミニウム、酸窒化チタン、窒化タンタル、またはそれらの組み合わせのうちの1つを含む。いくつかの代替的な実施形態において、追加の共形検知材料(示されていない)が、伝導性素子307の上面307a上に堆積される。検知材料は、特定のイオンに対する感応性を促進するために様々な異なる材料のうちの1つ以上を備え得る。例えば、窒化ケイ素または酸窒化ケイ素、ならびに酸化ケイ素、アルミニウムまたは酸化タンタルなどの酸化金属が、一般的に、水素イオンに対する感応性を提供する一方、バリノマイシンを含有するポリ塩化ビニルを含有する検知材料は、カリウムイオンに対する感応性を提供する。ナトリウム、銀、鉄、臭素、ヨウ素、カルシウム、及び硝酸塩などの他のイオンに対して感応する材料もまた、実装に応じて使用され得る。
【0022】
再度図3を参照すると、操作中、反応物、洗浄溶液、及び他の試薬は、拡散機構340によって、反応領域301内を、及びそこから外へ移動し得る。化学装置350は、伝導性素子307に近接する電荷324の量に応答する(及び伝導性素子の量に関する出力信号を生成する)。検体溶液中の電荷324の存在は、検体溶液中に存在するイオンによって引き起こされる表面荷電基のプロトン化及び脱プロトン化に起因して、検体溶液と伝導性素子307の上面307aとの間の界面で表面電位を変更する。電荷324の変化は、浮遊ゲート構造体318上の電圧の変化を引き起こし、それが今度は化学装置350のトランジスタの閾値電圧を変化させる。閾値電圧におけるこの変化は、ソース領域321とドレイン領域322との間のチャネル領域323内の電流を測定することによって測定することができる。結果として、化学装置350を直接使用して、ソース領域321もしくはドレイン領域322に連結されるアレイライン上に電流ベースの出力信号を提供するか、または非直接的に追加の電気回路構成を用いて電圧ベースの出力信号を提供することができる。
【0023】
図4〜14に関して下により詳細に記載されるように、伝導性素子307は、一番上の浮遊ゲート導体320の上に重なり、かつそれと通信している。伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体よりも幅広く、かつ薄い。電荷324は、反応領域301の底部近くでより高濃度であり得るため、いくつかの実施形態において、伝導性素子の寸法の変動は、電荷324に応答して検出される信号の振幅に重大な効果を与え得る。ある実施形態において、反応領域301内で実行される反応は、目的の検体の特徴または特性を識別または決定するための分析反応であり得る。そのような反応は、伝導性素子307に隣接する電荷の量に影響を与える副産物を直接または間接的に生成することができる。そのような副産物が少量で産生されるか、または急速に他の構成物質を崩壊する、もしくはそれと反応する場合、生成される出力信号を増加させるために、同じ検体の複数の複製が、反応領域301内で同時に分析され得る。ある実施形態において、検体の複数の複製は、反応領域301内への堆積前または後のいずれかに、固相支持体312に結合され得る。固相支持体312は、ミクロ粒子、ナノ粒子、ビーズ、ゲルを含む固体もしくは多孔質等であり得る。単純かつ容易な説明のため、固相支持体312は、本明細書内では粒子とも称される。固相支持体は、当業者によって理解されるように、様々なサイズであってよい。さらに、固体支持体は、様々な場所で開口部内に配置され得る。核酸検体では、複数の、接続された複製が、ローリングサークル増幅(RCA)、急激なRCA、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)または同様の技術によって作製され、固体支持体を必要とせずにアンプリコンを産生し得る。
【0024】
様々な例示的な実施形態において、本明細書に記載される方法、システム、及びコンピュータ可読媒体を有利に使用して、電子もしくは電荷ベースの核酸シーケンシングから獲得されるデータもしくは信号を処理及び/または分析してもよい。電子または電荷ベースのシーケンシング(pHベースのシーケンシングなど)において、ヌクレオチド取り込み事象は、ポリメラーゼ触媒ヌクレオチド伸長反応の自然の副産物として生成されるイオン(例えば、水素イオン)を検出することによって決定され得る。これは、試料またはテンプレート核酸をシーケンスするために使用され得、この試料またはテンプレート核酸は、目的の核酸配列の断片であり得、例えば、クローン集団として粒子、ミクロ粒子、ビーズ等などの固体支持体に直接的または非直接的に結合され得る。試料またはテンプレート核酸は、プライマー及びポリメラーゼに作動的に関連付けられ得、デオキシヌクレオシド三リン酸(「dNTP」)付加の繰り返される循環または「流動」(本明細書内ではヌクレオチド取り込みが生じ得る「ヌクレオチド流動」と称され得る)、及び洗浄に供され得る。プライマーは、テンプレート内の次の塩基を補足するdNTPが添加されるたびに、プライマーの3’末端をポリメラーゼによって延伸することができるように、試料またはテンプレートに焼鈍され得る。次いで、ヌクレオチド流動の既知の配列、及び各ヌクレオチド流動中のイオン濃度を示す化学装置の測定された出力信号に基づき、化学装置に連結される反応領域内に存在する試料核酸と関連付けられるヌクレオチド(複数可)の種類の同一性、配列、及び数を決定することができる。
【0025】
図4〜14は、例示的な実施形態に従う化学装置のアレイ及び対応するウェル構造体を形成するための製造プロセスにおける段階を例証する。図4は、化学装置350、351のための浮遊ゲート構造体(例えば、浮遊ゲート構造体318)を含む構造体400を例証する。構造体400は、ゲート絶縁体材料の層を半導体基板354上に堆積すること、及びポリシリコンの層(または他の導電性材料)をゲート絶縁体材料の層の上に堆積することによって形成することができる。次いで、ポリシリコンの層及び層ゲート絶縁体材料を、エッチマスクを使用してエッチングし、ゲート絶縁体素子(例えば、ゲート絶縁体352)、及び浮遊ゲート構造体の一番下の伝導性材料素子を形成することができる。イオン注入マスクの形成に続き、次いでイオン注入を実施し、化学装置のソース及びドレイン領域(例えば、ソース領域321及びドレイン領域322)を形成することができる。絶縁体材料319の第1の層を、一番下の伝導性材料素子の上に堆積することができる。次いで伝導性プラグを絶縁体材料319の第1の層内でエッチングされるビア内に形成し、浮遊ゲート構造体の一番下の伝導性材料素子に接触させることができる。次いで伝導性材料の層を絶縁体材料319の第1の層の上に堆積し、かつパターン形成して、伝導性プラグに電気的に接続される第2の伝導性材料素子を形成することができる。次いでこのプロセスを複数回繰り返し、図4に示される完全な浮遊ゲート構造体318を形成することができる。代替的に、他の及び/または追加の技術を実施して本構造体を形成してもよい。図4内の構造体400を形成することはまた、本明細書に記載される化学装置が実装される装置及びアレイ構成に応じて、化学装置を操作するために使用される、化学装置にアクセスするためのアレイライン(例えば、ワードライン、ビットライン等)、基板354内の追加のドープ領域、及び他の電気回路構成(例えば、電気回路構成にアクセスする、電気回路構成を付勢する等)などの追加の素子を形成することを含むこともできる。いくつかの実施形態において、本構造体の素子は、例えば、それぞれが上記参照によりそれらの全体が組み込まれた、米国特許出願第2010/0300559号、同第2010/0197507号、同第2010/0301398号、同第2010/0300895号、同第2010/013071a43号、及び同第2009/0026082号、ならびに米国特許第7,575,865号に記載される技術を使用して製造され得る。
【0026】
図5に例証される構造体500内に例証されるように、絶縁体材料503は、化学装置350の電界効果トランジスタのセンサプレート320上に形成され得る。次に、図6に例証されるように、図5内の構造体500の絶縁体材料503をエッチングして、化学装置350、351の浮遊ゲート構造体の上面にまで延伸する開口部618、620(ビアのため)を形成し、図6に例証される構造体600をもたらす。開口部618、620は、例えば、絶縁体材料503上にフォトレジストの層をパターン形成して、開口部618、620の位置を画定し、次いでパターン形成されたフォトレジストをエッチマスクとして使用して絶縁体材料503を異方性エッチングする、リソグラフィプロセスを使用して形成され得る。絶縁体材料503の異方性エッチングは、例えば、フッ素ベースの反応性イオンエッチング(RIE)プロセスなど、ドライエッチングであり得る。例証される実施形態において、開口部618、620は、距離630によって分離され、開口部618、620は、ビアのための好適な寸法である。例えば、分離距離630は、開口部618、620を形成するために使用されるプロセス(例えば、リソグラフィプロセス)のための最小形状であり得る。そのような場合、距離630は、幅620よりも著しく大きくてもよい。次に、伝導性材料704の層を図6に例証される構造体600上に堆積し、図7に例証される構造体700をもたらす。伝導性材料704は、伝導性ライナーと称され得る。伝導性材料704は、導電性材料の1つ以上の層を備え得る。例えば、伝導性材料704は、窒化チタンの層、またはチタンの層であり得る。代替的に、導電性素子に関して上に記載されるようなものなど、他の及び/または追加の伝導性材料を使用してもよい。加えて、伝導性材料の1つを超える層を堆積してもよい。伝導性材料704は、スパッタリング、反応性スパッタリング、原子層堆積(ALD)、低圧化学気相堆積(LPCVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、金属有機化学気相堆積(MOCVD)等などの、様々な技術を使用して堆積され得る。
【0027】
次に、タングステンなどの伝導性材料805の層を図7に例証される構造体700上に堆積し、図8に例証される構造体800をもたらす。伝導性材料805は、スパッタリング、反応性スパッタリング、原子層堆積(ALD)、低圧化学気相堆積(LPCVD)、プラズマ増強化学気相堆積(PECVD)、金属有機化学気相堆積(MOCVD)等、または任意の他の好適な技術などの、様々な技術を使用して堆積され得る。次に、伝導性材料704及び伝導性材料805を、化学的機械研磨(CMP)プロセスを使用して平面化し、例えば、図9に例証される構造体900をもたらす。任意の追加の工程として、ビアバリアライナー1006を、平面化した伝導性材料704及び伝導性材料805の上に形成し、図10に例証される構造体1000をもたらす。例えば、ビアバリアライナー1006は、窒化チタンであり得る。ビアバリアライナー1006が図11〜14内に例証されるが、ビアバリアライナー1006は任意である。
【0028】
次に、伝導性材料1107をビアバリアライナー1006上に形成し、図11に例証される構造体1100をもたらす。任意に、伝導性材料1107を、平面化した伝導性材料704及び伝導性材料805の上に直接形成してもよい。例えば、伝導性材料1107はタンタルであり得る。次に、伝導性材料1107をエッチングして、ビアバリアライナー1006にまで延伸する開口部1208、1210、1212を形成し、図12に例証される構造体1200をもたらす。開口部1208、1210、1212は、例えば、伝導性材料1107上にフォトレジストの層をパターン形成して、開口部1208、1210、1212の位置を画定し、次いでパターン形成されたフォトレジストをエッチマスクとして使用して絶縁体材料503を異方性エッチングする、リソグラフィプロセスを使用して形成され得る。伝導性材料1107の異方性エッチングは、例えば、フッ素ベースの反応性イオンエッチング(RIE)プロセスなど、ドライエッチングであり得る。例証される実施形態において、開口部1208、1210、1212は距離1230Lによって分離される。伝導性素子1107は、高さ1230Hを有する。伝導性素子1107の高さ1230Lは、センサプレート320の高さ320Lよりも大きい。伝導性素子1107の厚さ1230Hは、センサプレート320の厚さ320Hよりも小さい。伝導性材料1107内の伝導性材料素子間の間隔(すなわち、1220)は、センサプレート間の間隔(すなわち、1220’)よりも小さい。伝導性素子は、一番上の浮遊ゲート導体の直接上にある、及び/またはそれと一直線である必要はない。
【0029】
次に、絶縁体材料1316を図12に例証される構造体1200上に形成し得、図13に例証される構造体1300をもたらす。例えば、絶縁体材料1316は、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)、または二酸化ケイ素であり得る。次に、図13内の構造体1300の絶縁体材料1316をエッチングして、化学装置350、351の浮遊ゲート構造体の上面にまで延伸する開口部1418、1420を形成し、図14に例証される構造体1400をもたらす。
【0030】
図15は、ある実施形態に従う、例示的なセンサ領域及び例示的な周辺領域を含む例示的な化学装置のブロック図を例証する。化学装置1500は、化学感応性電界効果トランジスタを含むセンサ領域1501と、化学感応性電界効果トランジスタから信号を獲得するための周辺電気回路構成を含む周辺領域1503とを含み得る。一実施形態において、伝導性素子は、センサ領域1501内のみにある伝導性層内にある。別の実施形態において、伝導性素子は、周辺領域1503内ではない場所に材料を備える。図15に例証されるセンサ領域及び周辺領域は、形状もしくはサイズ、または場所、例えば、化学装置上、に関して制限するものではない。
【0031】
本発明は、上に詳述される好ましい実施形態及び実施例を参照して開示されるが、これらの実施例は、制限する意味ではなく例証する意味で意図されることを理解されたい。変形及び組み合わせが当業者には容易に想到されることが企図され、その変形及び組み合わせは、本発明の趣旨及び以下の特許請求の範囲の範囲内であるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15