【課題を解決するための手段】
【0034】
本発明は、1種又は複数のアクチニド(IV)からのウラン(VI)の除染を含む、使用済み核燃料を処理するための方法であって、前記除染が、ウラン(VI)及び1種又は複数のアクチニド(IV)が存在する、水と混和性でない有機相から、前記有機相と硝酸及びウラン(VI)よりもアクチニド(IV)を強く錯化する少なくとも1種の錯化剤を含む水性相とを接触させた後に前記有機相を前記水性相から分離することによって1種又は複数のアクチニド(IV)をストリッピングする少なくとも1つの操作を含み、前記少なくとも1種の錯化剤がジグリコールアミドであることを特徴とする、方法を提案する。
【0035】
したがって、本発明の方法は、水性相においてアクチニド(VI)よりもアクチニド(IV)をはるかに強く錯化して、アクチニド(IV)が有機相中にウラン(VI)と一緒に存在するとき、及びこの有機相をジグリコールアミドが見出される水性相と接触させるときに、アクチニド(IV)の有機相から水性相への選択的移動を可能にするというジグリコールアミドが有する能力を使用する。
【0036】
使用済み核燃料を処理する分野において普通であるように、ウラン(VI)及び1種又は複数のアクチニド(IV)が存在して、そこから後者がストリッピングされる有機相は、ウラン(VI)の少なくとも1種の抽出溶剤(好ましくはTBPである)を含み、その場合、後者が、典型的には、好ましくは30/70に等しい又は実質的に等しい体積比のドデカンタイプの有機希釈剤中の溶液であることは明らかである。
【0037】
ジグリコールアミドのアクチニド(VI)よりもアクチニド(IV)を優先的に錯化する能力はそれ自体既知である(Sasakiら、Analytical Sciences 2007、23(6)、727頁、以下、参考文献[3])ことは留意されるべきである。
【0038】
それに対して、完全に新規なことは、この能力が、使用済み核燃料を処理する方法の範囲内、特にPUREX及びCOEX(商標)法の第1の精製サイクルの範囲内で、アクチニド(IV)からウラン(VI)を除染するために利用されることであって、完全に予想外であり、そのことは、ウランを核分裂生成物(主としてルテニウム及びテクネチウム)から除染することが更に十分であるならば、これらの方法に含まれるウランの第2の精製サイクルを廃止できるような、アクチニド(IV)からのウランの除染レベルをもたらすという事実である。
【0039】
念のため、ジグリコールアミドは、以下の式(I)又は式(II)
R
1(R
2)N−C(O)−CH
2−O−CH
2−C(O)−N(R
3)R
4 (I)
R
1(R
2)N−C(O)−CH
2−O−CH
2−COOH (II)
(式中、R
1、R
2、R
3及びR
4は典型的にはアルキル基である)
の化合物である。
【0040】
本発明によれば、ジグリコールアミドは、R
1、R
2、R
3及びR
4が一緒に有する炭素原子の合計数が最大で12に等しい式(I)のジグリコールアミド、及びR
1及びR
2が一緒に有する炭素原子の数が最大で12に等しく、水性相で使用することができるような十分な親水性を示す式(II)のジグリコールアミドから好ましくは選択される。
【0041】
そのようなジグリコールアミドは、とりわけ、N,N,N’,N’−テトラメチルジグリコールアミド(又はTMDGA、これは、R
1=R
2=R
3=R
4=CH
3の式(I)に適合する)、N,N,N’,N’−テトラエチルジグリコールアミド(又はTEDGA、これは、R
1=R
2=R
3=R
4=C
2H
5の式(I)に適合する)、N,N,N’,N’−テトラプロピルジグリコールアミド(又はTPDGA、これは、式R
1=R
2=R
3=R
4=C
3H
7の式(I)に適合する)及びN,N−ジプロピルジグリコール酸(又はDPDGAc、これは、R
1=R
2=C
3H
7の式(II)に適合する)である。
【0042】
これらのジグリコールアミドの中で、TEDGA及びTPDGAは、アクチニド(IV)に対してTMDGA及びDPDGAcよりも高い錯化力を有することがわかっている。したがって、TEDGA及びTPDGAが優先され、TEDGAが特に最も好ましく、その理由は、これら2種のジグリコールアミドの中で、それが最も水溶性で、且つ使用済み核燃料の処理で従来最も使用されている抽出溶剤、即ちTBPで抽出されにくい方だからである。
【0043】
どのような場合でも、ジグリコールアミドは、水性相中に0.01から0.1mol/L及び、更に好ましくは0.02から0.05mol/Lの範囲の濃度で存在することが有利である。
【0044】
硝酸については、それは、この水性相中に0.2から3mol/L、及び更に好ましくは0.5から1.5mol/Lの量で存在することが好ましい。
【0045】
本発明の方法の好ましい態様(arrangement)によれば、1種又は複数のアクチニド(IV)からのウラン(VI)の除染は、1種又は複数のアクチニド(IV)のストリッピングから生じた水性相を、この水性相と、ウラン(VI)の抽出溶剤を含む有機相と接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより洗浄する操作を更に含む。
【0046】
1種又は複数のアクチニド(IV)のストリッピングから生じた水性相から、この1種又は複数のアクチニド(IV)と一緒にストリッピングされた可能性のあるウラン(VI)分画を除去するために意図されるこの洗浄操作は、好ましくは、TBPを抽出溶剤として含む有機相を使用して実施され、その場合に、後者は、典型的には、ドデカンタイプの有機希釈剤中の溶液で、好ましくは30/70に等しい又は実質的に等しい体積比で使用される。
【0047】
1種又は複数のアクチニド(IV)をストリッピングするための、及びこのストリッピングから生じた水性相を洗浄するための操作により形成されるセットは、以下「α−錯化バリア」と称することにする。
【0048】
本発明によれば、1種又は複数のアクチニド(IV)は、好ましくは、ネプツニウム(IV)、プルトニウム(IV)及びトリウム(IV)から、より特定して、ネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)から選択される。
【0049】
本発明の方法の第1の好ましい実施形態によれば、1種又は複数のアクチニド(IV)からのウラン(VI)の除染は、ネプツニウム(IV)からのウラン(VI)の除染である。
【0050】
この第1の好ましい実施形態の第1の態様により、本発明の方法は、ウラン及びプルトニウムを分配する工程中にネプツニウム(IV)からウラン(VI)を除染するために、「α−錯化バリア」をPUREX法の第1の精製サイクルに導入した結果であり、その場合、本発明の方法は、好ましくは、
a) 使用済み核燃料の硝酸中への溶解から生じた水性相中に存在するウラン及びプルトニウムを、やはりこの相中に存在するアクチニド(III)及び核分裂生成物から除染するための工程であり、
a
1) 酸化状態VIにあるウラン及び酸化状態IVにあるプルトニウムを、水性相から、この水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより共抽出する少なくとも1つの操作、及び
a
2) a
1)から生じた有機相を洗浄して、この水性相から、前記有機相と、硝酸を含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりa
1)中に抽出された核分裂生成物の分画を除去するための少なくとも1つの操作
を含み、それにより、ウラン(VI)、プルトニウム(IV)及びネプツニウム(VI)を含む有機相が得られる工程と、
b) 工程a)から生じた有機相中に存在するウラン及びプルトニウムを、2つの水性相、ウラン及びネプツニウムから除染されたプルトニウムを含む第1の水性相、並びにプルトニウム及びネプツニウムから除染されたウランを含む第2の水性相に分配する工程であり、
b
1) 工程a)から生じた有機相中に存在するプルトニウムをストリッピングする操作であって、工程a)から生じた有機相と、硝酸、還元剤、例えば、プルトニウム(IV)をプルトニウム(III)に及びネプツニウム(VI)をネプツニウム(IV)に還元するがウラン(VI)を還元しない硝酸ウラニル、及び抗亜硝酸剤、例えば硝酸ヒドラジニウムを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより、プルトニウムを酸化状態IIIでストリッピングする操作、
b
2) b
1)から生じた有機相を洗浄して、この有機相から、b
1)の間にストリッピングされなかったプルトニウム分画を、前記有機相と、硝酸、プルトニウムをストリッピングするために使用されたものと同じ還元剤及び同じ抗亜硝酸剤を含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより除去する操作、
b
3) b
1)から生じた水性相を洗浄して、この水性相から、b
1)の間にストリッピングされたウラン(VI)及びネプツニウム(IV)分画を、前記水性相と有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより除去する操作、
b
4) ネプツニウム(IV)からのウラン(VI)の除染であって、b
2)から生じた有機相中に存在するネプツニウム(IV)を、この有機相と硝酸及びジグリコールアミドを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作、及びネプツニウム(IV)のストリッピング操作から生じた水性相を、この水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより洗浄する操作を含む除染、並びに
b
5) b
4)のネプツニウム(IV)のストリッピング操作から生じた有機相中に存在するウラン(VI)を、この有機相と、硝酸を含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作
を含む工程と
を含む。
【0051】
このようにして、ウラン及びネプツニウムから除染されたプルトニウム(III)を含み、b
3)から生じたものである第1の水性相が得られ、プルトニウム及びネプツニウムから除染されたウラン(VI)を含み、b
5)から生じたものである第2の水性相、及びネプツニウム(IV)を含み、b
4)から生じたものである第3の水性相が得られる。
【0052】
この第1の好ましい実施形態の別の態様によれば、本発明の方法は、ウラン及びプルトニウムの分配中にネプツニウム(IV)からウラン(VI)を除染するために、COEX(商標)法の第1の精製サイクルに「α−錯化バリア」を導入した結果であり、その場合、本発明の方法は、好ましくは、
a) 使用済み核燃料の硝酸中への溶解から生じた水性相中に存在するウラン及びプルトニウムを、やはりこの相中に存在するアクチニド(III)及び核分裂生成物から除染するための工程であり、先に記載した工程a)と同一であり、それと同様に、ウラン(VI)、プルトニウム(IV)及びネプツニウム(VI)を含む有機相を生ずる工程と、
b) 工程a)から生じた有機相中に存在するウラン及びプルトニウムを、2つの水性相、ネプツニウムから除染されたプルトニウム及びウランを含む第1の水性相及びプルトニウム及びネプツニウムから除染されたウランを含む第2の水性相に分配する工程であり、
b
1) 工程a)から生じた有機相中に存在するウランの分画及びプルトニウムをストリッピングする操作であって、工程a)から生じた有機相と、硝酸、還元剤、例えば、プルトニウム(IV)をプルトニウム(III)に及びネプツニウム(VI)をネプツニウム(IV)に還元するがウラン(VI)を還元しない硝酸ウラニル、及び抗亜硝酸剤、例えば硝酸ヒドラジニウムを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより、プルトニウムを酸化状態IIIでストリッピングする操作、
b
2) b
1)から生じた有機相を洗浄して、この有機相から、b
1)の間にストリッピングされなかったプルトニウム分画を、前記有機相と、硝酸、プルトニウムをストリッピング操作するために使用されたものと同じ還元剤及び同じ抗亜硝酸剤を含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより除去する操作、
b
3) b
1)から生じた水性相を洗浄して、この水性相から、b
1)の間にストリッピングされたネプツニウム(IV)分画を、この水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより除去する操作、
b
4) ネプツニウム(IV)からのウラン(VI)の除染であって、b
2)から生じた有機相中に存在するネプツニウム(IV)を、この有機相と硝酸及びジグリコールアミドを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作、及びネプツニウム(IV)のストリッピング操作から生じた水性相を、この水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより洗浄する操作を含む除染、並びに
b
5) b
4)のネプツニウム(IV)のストリッピング操作から生じた有機相中に存在するウランを、この有機相と、硝酸を含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作
を含む工程と
を含む。
【0053】
このようにして、ネプツニウムから除染されたプルトニウム(III)及びウラン(VI)を含み、b
3)から生じたものである第1の水性相が得られ、ネプツニウム及びプルトニウムから除染されたウラン(VI)を含み、b
5)から生じたものである第2の水性相、及びネプツニウム(IV)を含み、b
4)から生じたものである第3の水性相が得られる。
【0054】
本発明の方法の第2の好ましい実施形態によれば、1種又は複数のアクチニド(IV)からのウラン(VI)の除染は、ネプツニウム(IV)からのウラン(VI)の除染である。
【0055】
この第2の好ましい実施形態の第1の態様によれば、本発明の方法は、ウラン及びプルトニウムの分配中に、ネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)からウラン(VI)を除染するために、「α−錯化バリア」をPUREX法の第1の精製サイクルに導入した結果であり、その場合、本発明の方法は、好ましくは、
a) 使用済み核燃料の硝酸中への溶解から生じた水性相中に存在するウラン及びプルトニウムを、やはりこの相中に存在するアクチニド(III)及び核分裂生成物から除染するための工程であり、先に記載した工程a)と同一であり、それと同様に、ウラン(VI)、プルトニウム(IV)及びネプツニウム(VI)を含む有機相を生ずる工程と、
b) 工程a)から生じた有機相中に存在するウラン及びプルトニウムを、2つの水性相、ウラン及びネプツニウムから除染されたプルトニウムを含む第1の水性相、並びにプルトニウム及びネプツニウムから除染されたウランを含む第2の水性相に分配する工程であり、
b
1) 工程a)から生じた有機相中に存在するプルトニウムをストリッピングする操作であって、工程a)から生じた有機相と、硝酸、還元剤、例えば、プルトニウム(IV)をプルトニウム(III)に及びネプツニウム(VI)をネプツニウム(IV)に還元するがウラン(VI)を還元しない硝酸ウラニル、及び抗亜硝酸剤、例えば硝酸ヒドラジニウムを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより、プルトニウムを酸化状態IIIでストリッピングする操作、
b
2) b
1)から生じた水性相を洗浄して、この相から、b
1)の間にストリッピングされたウラン(VI)及びネプツニウム(IV)の分画を、この水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより除去する操作、
b
3) ネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)からのウラン(VI)の除染であって、b
1)から生じた有機相中に存在するネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)を、この有機相と、硝酸及びジグリコールアミドを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作、及びネプツニウム(IV)のストリッピング操作から生じた水性相を、この水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより洗浄する操作を含む除染、並びに
b
4) b
3)のネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)のストリッピング操作から生じた有機相中に存在するウランを、この有機相と、硝酸を含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作
を含む工程と
を含む。
【0056】
このようにして、ウラン及びネプツニウムから除染されたプルトニウム(III)を含み、b
2)から生じたものである第1の水性相が得られ、ネプツニウム及びプルトニウムから除染されたウラン(VI)を含み、b
4)から生じたものである第2の水性相、並びにネプツニウム(IV)及びウラン(VI)から除染されたプルトニウム(IV)を含み、b
3)から生じたものである第3の水性相が得られる。
【0057】
この第2の好ましい実施形態の別の態様によれば、本発明の方法は、ウラン及びプルトニウムの分配中にネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)からウラン(VI)を除染するために、COEX(商標)法の第1の精製サイクルに「α−錯化バリア」を導入した結果であり、その場合、本発明の方法は、好ましくは、
a) 使用済み核燃料の硝酸中への溶解から生じた水性相中に存在するウラン及びプルトニウムを、やはりこの相中に存在するアクチニド(III)及び核分裂生成物から除染するための工程であり、先に記載した工程a)と同一であり、それと同様に、ウラン(VI)、プルトニウム(IV)及びネプツニウム(VI)を含む有機相を生ずる工程と、
b) 工程a)から生じた有機相中に存在するウラン及びプルトニウムを、2つの水性相、ネプツニウムから除染されたプルトニウム及びウランを含む第1の水性相及びネプツニウム及びプルトニウムから除染されたウランを含む第2の水性相に分配する工程であり、
b
1) 工程a)から生じた有機相中に存在するウランの分画及びプルトニウムをストリッピングする操作であって、工程a)から生じた有機相と、硝酸、還元剤、例えば、プルトニウム(VI)をプルトニウム(III)に及びネプツニウム(VI)をネプツニウム(IV)に還元するがウラン(VI)を還元しない硝酸ウラニル、及び抗亜硝酸剤、例えば硝酸ヒドラジニウムを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより、プルトニウムを酸化状態IIIでストリッピングする操作、
b
2) b
1)から生じた水性相を洗浄して、この水性相から、b
1)の間にストリッピングされたネプツニウム(IV)分画を、前記水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより除去する操作、
b
3) プツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)からのウラン(VI)の除染であり、b
1)から生じた有機相中に存在するネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)を、この有機相と、硝酸及びジグリコールアミドを含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作、及びネプツニウム(IV)のストリッピング操作から生じた水性相を、この水性相と、有機希釈剤中にTBPを含む有機相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することにより洗浄する操作を含む除染、並びに
b
4) b
3)のネプツニウム(IV)のストリッピング操作から生じた有機相中に存在するウランを、この有機相と、硝酸を含む水性相とを接触させた後に該有機相を該水性相から分離することによりストリッピングする操作
を含む工程と
を含む。
【0058】
このようにして、ネプツニウムから除染されたプルトニウム(III)及びウラン(VI)を含み、b
2)から生じたものである第1の水性相が得られ、ネプツニウム及びプルトニウムから除染されたウラン(VI)を含み、b
4)から生じたものである第2の水性相、並びにネプツニウム(IV)及びウラン(VI)から除染されたプルトニウム(IV)を含み、b
3)から生じたものである第3の水性相が得られる。
【0059】
全ての場合に、ネプツニウム(IV)をストリッピングするための又はネプツニウム(IV)及びプルトニウム(IV)をストリッピングするための操作は、好ましくは、0.2から3mol/Lの硝酸及び0.01から0.1mol/LのTEDGAを含む水溶液で実施される。
【0060】
更に、ウランをストリッピングする操作(即ち、本発明の第1の好ましい実施形態におけるb
5)、及び本発明の第2の好ましい実施形態におけるb
4)に対応する操作)は、好ましくは、0.005から0.05mol/Lの硝酸を含む水溶液で、45から55℃の温度で実施される。
【0061】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の方法の以下の例示的な実施形態並びにこの方法を検証することを可能にする実験的試験に関する追加の説明から明らかになるであろう。
【0062】
これらの実施例は、本発明の目的の例示としてのみ与えられ、決してこの目的の限定として解釈されるべきでないことは明らかである。