【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、リチウムイオンバッテリの電極に使用するのに適したリチウム含有粒子を形成するための方法を提供する。例えば、本発明は、有利なことには小さい粒径(例えばナノメートルサイズ範囲)、狭い粒径分布および高い結晶性を有する高品質チタン酸リチウム粒子を提供できる。本発明に従って調製されたリチウム含有粒子の使用は、特定の実施形態において、炭素系電極に比べて爆発および火災に関して良好な安全性、より長いバッテリ寿命ならびに短い充電時間を提供するバッテリ電極をもたらすことができる。
【0008】
1つの態様において、本発明は、バッテリの電極に使用するのに好適なリチウム含有粒子を調製するための方法を提供し、この方法は:
a)二酸化チタン前駆体粒子およびリチウム化合物の水溶液を含む混合物を形成する工程;および
b)リチウム挿入された二酸化チタン粒子を形成するために、密封された圧力容器において高温で前記混合物を加熱する工程を含み、ここで二酸化チタン粒子の平均一次粒径、粒径分布、平均粒子内細孔径、平均粒子間細孔径、細孔径分布および粒子形状からなる群から選択される少なくとも1つの粒径特徴は、前記加熱工程によって実質的に変化しない。
【0009】
通常、リチウム挿入された二酸化チタン粒子の平均一次粒径、平均粒子内細孔径および平均粒子間細孔径の少なくとも1つは、二酸化チタン前駆体粒子の同じサイズ特徴の約10%以内(例えば約5%以内)である。特定の有利な実施形態において、二酸化チタン前駆体粒子およびリチウム挿入された二酸化チタン粒子の両方は、以下の1つ以上によって特徴付けられる:約100nm未満の平均一次粒径;ほぼ球形の形状;メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;単分散粒径分布;および単分散粒子内細孔径分布。
【0010】
本発明に使用されるリチウム化合物は変動でき、例としては水酸化リチウム、酸化リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの組み合わせが挙げられる。高温は、通常、少なくとも約80℃であり、加熱工程の間の圧力は、通常、自己生成である。特定の実施形態において、混合物のpHは、約9より大きい。通常、加熱工程の間に混合物に適用される圧力は、少なくとも約20psigである。1つの実施形態において、混合物中のリチウム化合物の量は、二酸化チタン粒子の重量に基づいて、約2から約20重量%である。
【0011】
所望により、この方法はさらに、リチウム挿入された二酸化チタン粒子を焼成して、チタン酸リチウムスピネル粒子を形成する工程を含むことができる(例えば、焼成工程は、約650℃以下の温度において、リチウム挿入された二酸化チタン粒子を加熱する工程を含む。)。特定の実施形態において、チタン酸リチウムスピネル粒子は、以下の1つ以上によって特徴付けられる:約100nm未満の平均一次粒径;メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;単分散粒径分布;および単分散粒子内細孔径分布。有利なことには、チタン酸リチウムスピネル粒子の平均一次粒径、平均粒子内細孔径および平均粒子間細孔径の少なくとも1つは、二酸化チタン前駆体粒子の同じサイズ特徴の約10%以内である。
【0012】
別の実施形態において、本発明は、バッテリの電極に使用するのに好適なリチウム含有粒子を調製するための方法を提供し、この方法は:
a)二酸化チタン前駆体ナノ粒子およびリチウム化合物の水溶液を含む混合物を形成する工程;
b)リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子を形成するために、自己生成圧力にて密封された圧力容器において少なくとも約80℃の温度で少なくとも約2時間混合物を加熱する工程であって、ここで二酸化チタンナノ粒子の平均一次粒径、粒径分布、平均粒子内細孔径、平均粒子間細孔径、細孔径分布および粒子形状からなる群から選択される少なくとも1つの粒径特徴は、前記加熱工程によって実質的に変化しない工程;ならびに
c)場合により、リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子を焼成してチタン酸リチウムスピネルナノ粒子を形成する工程を含む。
【0013】
さらなる実施形態において、本発明は、バッテリの電極に使用するのに好適なリチウム含有粒子を調製するための方法を提供し、この方法が、
a)チタン塩および有機酸の水溶液を形成し、場合により二酸化チタンシード材料の存在下、高温にて前記水溶液を熱加水分解し、母液に二酸化チタン前駆体粒子を製造することによって二酸化チタン前駆体粒子を調製する工程;
b)得られた二酸化チタン前駆体粒子を前記母液から分離する工程;
c)場合により、分離された二酸化チタン前駆体粒子を乾燥する工程;
d)前記二酸化チタン前駆体粒子およびリチウム化合物の水溶液を含む混合物を形成する工程;
e)リチウム挿入された二酸化チタン粒子を形成するために、自己生成圧力にて密封された圧力容器において少なくとも約80℃の温度で少なくとも約2時間、前記混合物を加熱する工程であって、ここで前駆体二酸化チタン前駆体粒子の平均一次粒径、粒径分布、平均粒子内細孔径、平均粒子間細孔径、細孔径分布および粒子形状からなる群から選択される少なくとも1つの粒径特徴は、前記加熱工程によって実質的に変化しない工程;ならびに
f)場合により、前記リチウム挿入された二酸化チタン粒子を焼成して、チタン酸リチウムスピネル粒子を形成する工程を含む。
【0014】
別の態様において、本発明は、第1の電極、第2の電極ならびに前記第1および第2電極の間に電解質を含むセパレータを含むバッテリ(例えばリチウムイオンバッテリ)を提供し、ここで前記第1および第2の電極のうち一方が、上述の方法のいずれかに従って製造されるリチウム挿入された二酸化チタン粒子またはチタン酸リチウムスピネル粒子を含む。
【0015】
さらに別の態様において、本発明は、第1の電極、第2の電極ならびに前記第1および第2電極の間に電解質を含むセパレータを含むバッテリ(例えばリチウムイオンバッテリ)を提供し、ここで前記第1および第2の電極のうち一方が、リチウム挿入された二酸化チタン粒子を含む。リチウム挿入された二酸化チタン粒子は、例えば以下の1つ以上によって特徴付けられる:約100nm未満の平均一次粒径;ほぼ球形の形状;メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;単分散粒径分布;および単分散粒子内細孔径分布。
【0016】
なおさらなる態様において、本発明は、リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子の総重量に基づいて約1から約12重量%のリチウムを含むリチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子を提供し、ここで前記リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子は、以下の1つ以上によって特徴付けられる:ほぼ球形の形状;メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;単分散粒径分布;および単分散粒子内細孔径分布。1つの実施形態において、リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子は、ほぼ球形の形状および単分散粒径分布によって特徴付けられ、ここでナノ粒子は、約80nm以下の平均一次粒径を有し、すべての粒子が平均一次粒径の約10%以内になる一次粒径を有するような粒径の単分散性を有する。
【0017】
なおさらに、本発明は、以下の1つ以上によって特徴付けられるチタン酸リチウムスピネルナノ粒子を提供する:メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;単分散粒径分布;および単分散粒子内細孔径分布。特定の実施形態において、チタン酸リチウムスピネルナノ粒子は、約80nm以下の平均粒径を有し、すべての粒子が平均一次粒径の約10%以内になる一次粒径を有するような粒径の単分散性を有する。こうしたチタン酸リチウムスピネルナノ粒子は、第1の電極、第2の電極ならびに前記第1および第2電極の間に電解質を含むセパレータを含むバッテリ(例えばリチウムイオンバッテリ)に使用でき、ここで前記第1および第2の電極のうち一方が、チタン酸リチウムスピネルナノ粒子を含む。
【0018】
本発明は、限定されないが、以下の実施形態を含む。
【0019】
実施形態1:以下を含む、バッテリの電極に使用するのに適したリチウム含有粒子を調製するための方法:
a)二酸化チタン前駆体粒子およびリチウム化合物の水溶液を含む混合物を形成する工程;および
b)リチウム挿入された二酸化チタン粒子を形成するために、密封された圧力容器において高温で混合物を加熱する工程を含み、ここで二酸化チタン粒子の平均一次粒径、粒径分布、平均粒子内細孔径、平均粒子間細孔径、細孔径分布および粒子形状からなる群から選択される少なくとも1つの粒径特徴は、前記加熱工程によって実質的に変化しない。
【0020】
実施形態2:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここでリチウム挿入された二酸化チタン粒子の平均一次粒径、平均粒子内細孔径および平均粒子間細孔径の少なくとも1つは、二酸化チタン前駆体粒子の同じサイズ特徴の約10%以内である方法。
【0021】
実施形態3:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここでリチウム挿入された二酸化チタン粒子の平均一次粒径、平均粒子内細孔径および平均粒子間細孔径の少なくとも1つは、二酸化チタン前駆体粒子の同じサイズ特徴の約5%以内である方法。
【0022】
実施形態4:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで二酸化チタン前駆体粒子およびリチウム挿入された二酸化チタン粒子の両方は、以下の1つ以上によって特徴付けられる方法:
a)約100nm未満の平均一次粒径;
b)ほぼ球形の形状;
c)メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;
d)単分散粒径分布;
e)二峰性粒径分布;および
f)単分散粒子内細孔径分布。
【0023】
実施形態5:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここでリチウム化合物が、水酸化リチウム、酸化リチウム、塩化リチウム、炭酸リチウム、酢酸リチウム、硝酸リチウムおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される方法。
【0024】
実施形態6:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで高温が、少なくとも約80℃であり、加熱工程中の圧力が自己生成である方法。
【0025】
実施形態7:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで混合物のpHが約9を超える方法。
【0026】
実施形態8:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで加熱工程中に混合物に適用される圧力が、少なくとも約20psigである方法。
【0027】
実施形態9:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで混合物中のリチウム化合物の量は、二酸化チタン粒子の重量に基づいて、約2から約20重量%である方法。
【0028】
実施形態10:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、リチウム挿入された二酸化チタン粒子を焼成して、チタン酸リチウムスピネル粒子を形成する工程をさらに含む方法。
【0029】
実施形態11:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで焼成工程が、リチウム挿入された二酸化チタン粒子を、約650℃以下の温度で加熱する工程を含む方法。
【0030】
実施形態12:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここでチタン酸リチウムスピネル粒子が以下の1つ以上によって特徴付けられる方法:
a)約100nm未満の平均一次粒径;
b)メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;
c)単分散粒径分布;
d)二峰性粒径分布;および
e)単分散粒子内細孔径分布。
【0031】
実施形態13:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここでチタン酸リチウムスピネル粒子の平均一次粒径、平均粒子内細孔径および平均粒子間細孔径の少なくとも1つは、二酸化チタン前駆体粒子の同じサイズ特徴の約10%以内である方法。
【0032】
実施形態14:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで
a)二酸化チタン前駆体ナノ粒子およびリチウム化合物の水溶液を含む混合物を形成する工程;
b)リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子を形成するために、自己生成圧力にて密封された圧力容器において少なくとも約80℃の温度で少なくとも約2時間混合物を加熱する工程であって、ここで二酸化チタンナノ粒子の平均一次粒径、粒径分布、平均粒子内細孔径、平均粒子間細孔径、細孔径分布および粒子形状からなる群から選択される少なくとも1つの粒径特徴は、前記加熱工程によって実質的に変化しない工程;ならびに
c)場合により、リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子を焼成してチタン酸リチウムスピネルナノ粒子を形成する工程を含む方法。
【0033】
実施形態15:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって、ここで二酸化チタン前駆体ナノ粒子、リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子およびチタン酸リチウムスピネルナノ粒子は、以下の1つ以上によって特徴付けられる方法:
a)メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;
b)単分散粒径分布;
c)二峰性粒径分布;および
d)単分散粒子内細孔径分布。
【0034】
実施形態16:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの方法であって:
a)チタン塩および有機酸の水溶液を形成し、場合により二酸化チタンシード材料の存在下、高温にて前記水溶液を熱加水分解し、母液に二酸化チタン前駆体粒子を製造することによって二酸化チタン前駆体粒子を調製する工程;
b)得られた二酸化チタン前駆体粒子を前記母液から分離する工程;
c)場合により、分離された二酸化チタン前駆体粒子を乾燥する工程;
d)前記二酸化チタン前駆体粒子およびリチウム化合物の水溶液を含む混合物を形成する工程;
e)リチウム挿入された二酸化チタン粒子を形成するために、自己生成圧力にて密封された圧力容器において少なくとも約80℃の温度で少なくとも約2時間、前記混合物を加熱する工程であって、ここで前駆体二酸化チタン前駆体粒子の平均一次粒径、粒径分布、平均粒子内細孔径、平均粒子間細孔径、細孔径分布および粒子形状からなる群から選択される少なくとも1つの粒径特徴は、前記加熱工程によって実質的に変化しない工程;ならびに
f)場合により、前記リチウム挿入された二酸化チタン粒子を焼成して、チタン酸リチウムスピネル粒子を形成する工程を含む方法。
【0035】
実施形態17:第1の電極、第2の電極ならびに前記第1および第2電極の間に電解質を含むセパレータを含むバッテリであって、ここで前記第1および第2の電極のうち一方が、本明細書に記載されるいずれかの方法(上記で記載されるいずれかの方法実施形態を含む。)に従って製造されるリチウム挿入された二酸化チタン粒子またはチタン酸リチウムスピネル粒子を含むバッテリ。
【0036】
実施形態18:以下を含むリチウムイオンバッテリの電極に使用するのに適したリチウム含有粒子:
a)以下の1つ以上によって特徴付けられる複数のリチウム挿入された二酸化チタン粒子:
i.約100nm未満の平均一次粒径;
ii.ほぼ球形の形状;
iii.メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;
iv.単分散粒径分布;
v.二峰性粒径分布;および
vi.単分散粒子内細孔径分布;または
b)以下の1つ以上によって特徴付けられる複数のチタン酸リチウムスピネルナノ粒子:
i.メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;
ii.単分散粒径分布;
iii.二峰性粒径分布;および
iv.単分散粒子内細孔径分布。
【0037】
実施形態19:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの粒子であって、ここでリチウム挿入された二酸化チタン粒子が、リチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子の総重量に基づいて約1から約12重量%のリチウムを含むナノ粒子の形態であり、およびリチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子が以下の1つ以上によって特徴付けられる粒子:
a)ほぼ球形の形状;
b)メソ細孔範囲の平均粒子内細孔径;
c)単分散粒径分布;
d)二峰性粒径分布;および
e)単分散粒子内細孔径分布。
【0038】
実施形態20:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの粒子であって、ここでリチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子は、ほぼ球形の形状および単分散粒径分布によって特徴付けられ、ここでナノ粒子は、約80nm以下の平均一次粒径を有し、およびすべての粒子が平均一次粒径の約10%以内になる一次粒径を有するような粒径の単分散性を有する粒子。
【0039】
実施形態21:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの粒子であって、ここでリチウム挿入された二酸化チタンナノ粒子が、実質的に
図6に示されるようなXRD回折パターンによって特徴付けられる。
【0040】
実施形態22:先行するまたは後続の実施形態のいずれかの粒子であって、ここでチタン酸リチウムスピネルナノ粒子は、約80nm以下の平均一次粒径を有し、およびすべての粒子が平均一次粒径の約10%以内になる一次粒径を有するような粒径の単分散性を有する粒子。
【0041】
実施形態23:第1の電極、第2の電極ならびに前記第1および第2電極の間に電解質を含むセパレータを含むバッテリであって、ここで前記第1および第2の電極のうち一方が、本明細書に記載されるいずれかのリチウム含有粒子(上記で記載されるいずれかの粒子実施形態を含む。)を含むバッテリ。
【0042】
開示のこれらおよび他の特徴、態様および利点は、以下で簡単に説明される添付の図面と共に、以下の詳細な説明を読むことによって明らかになる。本発明は、2、3、4またはこれ以上の上述の実施形態のいずれかの組み合わせならびにいずれか2、3、4またはこれ以上の本開示に記載される特徴または要素の組み合わせを含むが、こうした特徴または要素は、本明細書の特定の実施形態の説明において明示的に組み合わされているかどうかに拘わらない。本開示は、開示された発明のいずれかの分離可能な特徴または要素が、この種々の態様および実施形態のいずれかにおいて、文脈で明確に示されない限り組み合わせが可能であることを意図していると見なされるべきであるように、全体を通して読まれることが意図される。
【0043】
このようにして一般的な用語で本発明を記載したが、ここでは添付の図面(必ずしも正確な縮尺でない。)を参照する。