特許第6671301号(P6671301)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671301チアゾリジノン化合物並びに、精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症の治療におけるそれらの使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671301
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】チアゾリジノン化合物並びに、精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症の治療におけるそれらの使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 277/54 20060101AFI20200316BHJP
   A61K 31/426 20060101ALI20200316BHJP
   C07D 417/06 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 31/427 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 31/498 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 31/4439 20060101ALI20200316BHJP
   C07D 277/62 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20200316BHJP
   C07D 417/12 20060101ALI20200316BHJP
   C07D 417/14 20060101ALI20200316BHJP
   C07D 277/64 20060101ALI20200316BHJP
   C07D 277/68 20060101ALI20200316BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20200316BHJP
   A61P 25/18 20060101ALI20200316BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20200316BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   C07D277/54
   A61K31/426
   C07D417/06CSP
   A61K31/427
   A61K31/498
   A61K31/4439
   C07D277/62
   A61K31/428
   C07D417/12
   C07D417/14
   C07D277/64
   C07D277/68
   A61P29/00
   A61P25/18
   A61P25/00
   A61P43/00 111
【請求項の数】15
【全頁数】119
(21)【出願番号】特願2016-569730(P2016-569730)
(86)(22)【出願日】2015年5月28日
(65)【公表番号】特表2017-516795(P2017-516795A)
(43)【公表日】2017年6月22日
(86)【国際出願番号】EP2015061915
(87)【国際公開番号】WO2015181337
(87)【国際公開日】20151203
【審査請求日】2018年5月28日
(31)【優先権主張番号】14171024.4
(32)【優先日】2014年6月3日
(33)【優先権主張国】EP
(31)【優先権主張番号】14170449.4
(32)【優先日】2014年5月28日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】514232904
【氏名又は名称】ウニヴェルジテート ベルン
(74)【代理人】
【識別番号】100149032
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 敏明
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド,ジャン−ルイ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラッシ,シモン
(72)【発明者】
【氏名】ゲルトシュ,ジュルグ
【審査官】 伊佐地 公美
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2008/100977(WO,A2)
【文献】 特表2007−511563(JP,A)
【文献】 米国特許第02739888(US,A)
【文献】 NORMAN, D. D. et al.,Bioorganic & Medicinal Chemistry ,2013年,Vol. 21,pp. 5548-5560,Supporting Information
【文献】 BRINCAT, J. P. et al.,Journal of Medicinal Chemistry ,2011年,Vol. 54,pp. 354-365
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
A61P
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の一般式1を有する化合物。
【化1】
(式中、Rは一般式2e’からなり、
【化2】
DはC−Cアルキルであり、
又は一般式2eであり、
【化3】
T’は−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、又は−C(CHから選択され、かつ
のnは0、1、2又は3であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、
は、
− 置換された若しくは非置換のCシクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、又は
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−L−Arであり、
Lは、
− アルキル、アルケニル又はアルキニルであり、かつ
Arは、
− 置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、か

− 置換された若しくは非置換のアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリールから選択される。)
【請求項2】
下記の一般式1を有する化合物。
【化4】
(式中、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式6aであり、
【化5】
又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、
− 置換されたC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式6bであり、
【化6】
Mは、
− アルキル、
− アルケニル、又は
− アルキニルであり、かつ、
10のlは1、2又は3であり、かつ、
− それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−CN、−OR、又は−CHORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、非置換のC−C12アルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニルから選択され、かつ

− 置換された若しくは非置換のアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリールから選択され、かつ
は置換された若しくは非置換のシクロアルキルから選ばれる。)
【請求項3】

− 置換されたC−アリールから選択され、ここで、該Cアリールは式6bであり、
【化7】

10のlは1、2又は3であり、かつ、
− それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−CN又は−ORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、非置換のC−C12アルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニルから選択される
請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
下記の一般式1を有する化合物。
【化8】
(式中、R及びRは互いに独立して、
− 置換された若しくは非置換のアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリールから選択され、かつ
は、一般式2b’、2c’、2g’又は2h’からなり、
【化9】
ここで、DはC−Cアルキルであり、又は、Rは一般式2b、2c、2g又は2hからなり、
【化10】
T’は−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから選択され、かつ
− それぞれのT”は互いに独立して−CH又は=Nから選択され、
は−OH、−OCH、−OCHCH、−CH又はHから選択され、
のnは0、1、2又は3であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3、又は4であり、
− Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF、−CFである。)
【請求項5】
式2b又は2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、かつT”は−CH又は=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、
式2g又は2hに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、かつT”は−CH又は=Nから選択される
請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
下記の一般式1を有する化合物。
【化11】
(式中、R
− 置換された又は非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式6bであり、
【化12】
10のlは1、2、3、4又は5であり、かつ、
−それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、ここで、少なくとも一つのZ10は−(CHORであり、rは1、2、3から選択され、

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式4aであり、
【化13】
又は、
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式4bであり、
【化14】
Lは
− アルキル、
− アルケニル、又は
− アルキニルであり、
かつ
のoは0、1、2、3、4又は5であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、
及びR
− 置換された若しくは非置換のアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリールより選択される。)
【請求項7】
それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、−CHORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニルから選択される
請求項1、4又は5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】

− 置換された若しくは非置換のアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリールから選択される
請求項2又は4に記載の化合物。
【請求項9】

− 置換されたアルキル、アルケニル若しくはアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のC−アリール、又は
− 置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル若しくはアルキニルは式−L−Arであり、
Lは
− アルキル、
− アルケニル、又は
− アルキニルであり、かつ
Arは
− 置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールである
請求項1、2又は4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式4aであり、
【化15】
又は、
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式4bであり、
【化16】
Lは
− アルキル、
− アルケニル、又は
− アルキニルであり、かつ
のoは0、1、2、3、4又は5であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニルから選択され、rは1、2、3又は4である
請求項1、2、4又は6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
のoは0、1、2、3、4又は5であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、CHOR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニルから選択される
請求項10に記載の化合物。
【請求項12】

− 置換された若しくは非置換のアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリールから選択される
請求項1、4又は6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
が、
− 置換された若しくは非置換のC−C10−シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のC−アリール、
− 置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリール、又は
− 置換されたアルキル、アルケニル若しくはアルキニルより選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル若しくはアルキニルは式−D−Arであり、
Dは
− アルキル、
− アルケニル、又は
− アルキニルであり、かつ
Arは
− 置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールである
請求項1、4又は6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項14】

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式5aであり、
【化17】
又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式5bであり、
【化18】
Dは
− アルキル、
− アルケニル、又は
− アルキニルであり、かつ
のpは0、1、2、3、4又は5であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、−CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニルから選択され、rは1、2、3又は4である
請求項1、4又は6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項15】
薬剤として、又は精神疾患若しくは神経疾患及び炎症の治療に使用するための請求項1〜14のいずれか一項に記載の化合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアナンダミドの細胞内取り込み阻害剤として作用するチアゾリジノン誘導体群並びに、精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症の治療におけるそれらの使用に関する。
【0002】
内在性カンナビノイドシステム(ECS)は、内在性カンナビノイド(ECs)の合成、輸送及び分解に関連する現行の及び潜在的な他のいくつかの生理的標的と同様に、アラキドン酸由来の脂質である内在性カンナビノイド(ECs)とGタンパク質複合型カンナビノイド受容体CB1及びCB2とを有する脂質シグナル伝達システムである。主なECsは2−アラキドノイルグリセロール(2−AG)とN−アラキドノイルエタノールアミド(AEA:アナンダミド)であり、それらはCB1受容体を介した逆行性シグナル伝達によりシナプス伝達を調節し、そしてCB1とCB2の両方の受容体を介して強力な免疫調節効果を発揮する。ECSは炎症、苦痛、精神疾患、代謝再プログラミングを含む生理的で病態生理学的な状態に関与している。ECSは中枢神経系(CNS)において、急性興奮毒性に対してそれに応答する保護システム(on−demand protection system)を働かせる(Marsicanoら,2003,Science,302,84−8.)。
【0003】
ECS中の治療戦略には、ECの細胞膜輸送の阻害だけでなく、カンナビノイド受容体のアゴニスト及びアンタゴニストの使用、脂肪酸アミド加水分解酵素(FAAH)とモノアシルグリセロールリパーゼ(MAGL)といったECsを分解する加水分解酵素の阻害がある。これまでにECを輸送するための膜タンパク質は同定されてはいないが、数連の証拠により膜と細胞質の両方の標的に、促進性の膜輸送が関与していることが示唆されている(Chiccaら,2012,JBiolChem.287,36944−67;FowlerCJ.,2013,FEBSJ.,280:1895−904)。細胞膜を横切るAEAの移動は、FAAHによる細胞内のAEAの急速な加水分解によって増加する濃度勾配に影響を受ける。それゆえに、内側のAEAの濃度勾配を作り出すことで起こるAEAの細胞取り込みでは、FAAHは鍵となる役割を果し、それはAEA細胞取り込みの主な原動力である。
【0004】
商業的に利用可能なAEA取り込み阻害剤UCM707,OMDM−2及びLY2183240を使用することで、最近示されたアラキドネイトを基本とする全ECsの共通の細胞膜輸送の機構だけでなく、AEAと2−AGの両方が細胞膜を横切る双方向の輸送が証明された(Chiccaら,2012,JBiolChem.287,36944−67)。利用可能な阻害剤の全ては、適度に強力なだけで、FAAH阻害又は他の細胞質の対象に対するAEA輸送阻害への選択性が低いため、十分なツールの不足によりAEAと2−AGの細胞取り込みの機構の調査が出来ていない。最近の研究で示されたことによれば(Nicolussiら,PharmacolRes.,2014,80:52−65)、内在性カンナビノイドの分解の阻害と内在性カンナビノイドの膜輸送の阻害のCNS薬理学は明らかに異なり、そしてFAAHの阻害とAEAの細胞取り込みはそれぞれ互いに独立することがありえる。先行技術では皮膚の抗炎症剤としてAEA特異的な細胞取り込み阻害剤であるドデカ−2E,4Eジエンアミドの使用が報告された。AEA特異的な細胞取り込み阻害剤のCNS関連疾病を処置するための潜在的な治療価値はほとんど知られていない。多発性硬化症のモデルマウスにおいて、AEA細胞膜輸送とFAAHの阻害剤であるUCM707はミクログリアの活性を下げることで有益な効果を示した(Ortega−Gutierrezら,2005,FASEBJ.,19,1338−40)。UCM707を使用することで、in vitroと多発性硬化症のモデルでは、増加したAEA量が興奮毒性を制限することが示された(Loriaら,2010,NeurobiolDis.,37,166−76)。非特異的なAEA細胞取り込み及びFAAHの阻害剤であるAM404は、ラットの側坐核シェル領域でニコチン及びニコチン誘導ドーパミンの上昇の有用な効果を減少させることが報告された(Shermaら,BrJPharmacol.,2012,165,2539−48)。非特異的なAEA細胞膜輸送阻害剤であるVDM−11は、ラットの睡眠と脳内のc−Fosの発現量を調節することが報告された(Murillo−Rodriguezら,Neuroscience,2008,157,1−11)。AEA細胞膜輸送阻害剤であるOMDM−2又はVDM−11の投与は、ラットの睡眠を促し、ドーパミンの細胞外レベルを減少させることが報告された(Murillo−Rodriguezら,PhysiolBehav.2013,109,88−95)。UCM707はハンチントン病と多発性硬化症のモデルにおいては症状をコントロールする試薬として働くが、異なる運動関連の疾患の進行は遅延も停止もしないことが示された(de Lagoら, Eur Neuropsychopharmacol., 2006,16,7−18)。UCM707及びAM404を使用した研究の報告によれば、AEA輸送阻害剤は有痛性の糖尿病性神経障害の治療の可能性があるかもしれない(HasaneinandSoltani,2009,ClinExpPharmacolPhysiol.36,1127−31)。脂肪酸結合タンパク質(FABP)細胞内AEA輸送体を対象とすることが、近年、抗炎症剤及び抗侵害受容薬を産生する戦略として提案されてきている(Bergerら,2012,PLoSOne.,7(12):e50968.)。しかし、FABP5阻害剤が、強力なAEA細胞膜輸送の阻害剤であるギネシンで観測されるような同程度のカンナビノイド類似性効果を示さないという事実によって例証されるように、AEA細胞膜輸送の阻害と細胞質輸送体の阻害との間の薬理学には違いがあると考えられている(Kaczochaら,PLoS One.2014,9(4):e94200;Nicolussiら,2014,Pharmacol Res.,80,52−65)。
【0005】
全体として、異常な内在性カンナビノイド量又は病理生理学的状態を標的とするAEA細胞取り込み阻害に関連するCNS及び炎症関連の疾病を、より特異的で強力に処置する新しいAEA細胞膜輸送阻害剤が必要とされている。AEA及び他のエンドカンビノイドは逆行性シグナル伝達を介したシナプス伝達と免疫調節シナプスの両方に関与しているという事実によって、AEA細胞膜輸送特異的な阻害剤は、神経炎症が関与する神経性疾患における治療効果を発揮することが期待される。例えば共有結合性のFAAHの阻害によって、AEAと他の内在性カンナビノイドの分解が阻害されるとき、その結果として生じるAEAの細胞内の蓄積は(Chiccaら,2012,JBiolChem.,287,36944−67)、シクロオキシゲナーゼ−2によるAEA及びおそらく他の内在性カンナビノイドの酸素付加を介した誘導性炎症効果も得られる可能性が期待される。(Chiccaら,2014,ACSChemBiol,http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cb500177c)。それゆえにAEAの分解の阻害と、細胞膜輸送の阻害とは明確に薬理学的に干渉している。その上、FAAHや細胞質間輸送体の阻害とは異なり、特異的なAEAの細胞膜輸送の阻害は、AEAの蓄積を介したTRPV1チャネルの活性化を誘導せずに、AEA量を差次的に制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第WO2010/136221号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Marsicanoら,2003,Science,302,84−8.
【非特許文献2】Chiccaら,2012,JBiolChem.287,36944−67;FowlerCJ.,2013,FEBSJ.,280:1895−904
【非特許文献3】Chiccaら,2012,JBiolChem.287,36944−67
【非特許文献4】Nicolussiら,PharmacolRes.,2014,80:52−65
【非特許文献5】Ortega−Gutierrezら,2005,FASEBJ.,19,1338−40
【非特許文献6】Loriaら,2010,NeurobiolDis.,37,166−76
【非特許文献7】Shermaら,BrJPharmacol.,2012,165,2539−48
【非特許文献8】Murillo−Rodriguezら,Neuroscience,2008,157,1−11
【非特許文献9】Murillo−Rodriguezら,PhysiolBehav.2013,109,88−95
【非特許文献10】de Lagoら, Eur Neuropsychopharmacol., 2006,16,7−18
【非特許文献11】HasaneinandSoltani,2009,ClinExpPharmacolPhysiol.36,1127−31
【非特許文献12】Bergerら,2012,PLoS One.,7(12):e50968.
【非特許文献13】Kaczochaら,PLoS One.2014,9(4):e94200
【非特許文献14】Nicolussiら,2014,Pharmacol Res.,80,52−65
【非特許文献15】Chiccaら,2012,JBiolChem.,287,36944−67
【非特許文献16】Chiccaら,2014,ACSChemBiol,http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/cb500177c)
【非特許文献17】Ashton及びMoore,Acta Psychiatr Scand.2011,124,250−61.
【非特許文献18】Aso及びFerrer I,Front Pharmacol.,2014,5,37
【非特許文献19】Correaら Vitam Horm.2009,81,207−30
【非特許文献20】Hofmann及びFrazier,Exp Neurol.2013,244,43−50
【非特許文献21】Pacherら,Pharmacol Rev.,2006,58,389−462
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それ故に、我々は、セリン加水分解酵素FAAHのような加水分解酵素に影響を与えない特異的なAEA細胞取り込み阻害が可能な新しい分子群の同定に着目した。我々はカンナビノイドの挙動効果を引き起こし、炎症、特に神経炎症を阻害する化合物を示す。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はチアゾリジノン誘導体並びに、精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症の治療におけるその使用に関する。精神疾患若しくは神経疾患の治療方法においての本発明の化合物の使用は、AEAや他の内在性カンナビノイドを介した逆行性神経シナプス及び神経炎症の減少に関連する。例えば、そのような疾病には多発性硬化症、てんかん、アルツハイマー病、双極性疾患、統合失調症、睡眠障害、脊髄損傷が含まれる。(Ashton及びMoore,Acta Psychiatr Scand.2011,124,250−61.;Aso及びFerrer I,Front Pharmacol.,2014,5,37;Correaら Vitam Horm.2009,81,207−30;Hofmann及びFrazier,Exp Neurol.2013,244,43−50;Pacherら,Pharmacol Rev.,2006,58,389−4622)
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の概要
本発明の第一の側面は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化1】

(式中、R
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10のヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10のヘテロアリールから選択され、かつ
それぞれのR及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0011】
本発明の第二の側面は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化2】


(式中、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、かつ
それぞれのR及びびRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0012】
本発明の第三の側面は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化3】

(式中、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、かつ
及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0013】
本発明の第四の側面は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化4】
(式中、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリールから選択され、かつ
それぞれのR及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0014】
本発明の第五の側面は、薬剤として使用するための本発明の第一、第二、第三、第四の側面に記載の化合物に関する。
【0015】
本発明の第六の側面は、精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症において使用するための本発明の第一、第二、第三、第四の側面に記載の化合物に関する。
【0016】
本発明の第七の側面は、本発明の第一、第二、第三、第四の側面に記載の化合物の少なくとも一つを有する、精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症において使用するための医薬製剤に関する。
【0017】
本発明の第8の側面は内在性カンナビノイドシステム調節因子として使用するための第一の側面、特に第一、第二、第三の下位の側面に記載の化合物に関する。
【0018】
本発明の第9の側面はAEA取り込み阻害剤として使用するための第一の側面、特に第一、第二、第三の下位の側面に記載の化合物に関する。
【0019】
本発明の化合物は鎮痛薬して使用されてもよい。図と実験項を参照する。
【0020】
「置換された」とは基本部分(a parent moiety)に置換基を付加させることをいう。
【0021】
「置換基」は保護されていても又は保護されていなくてもよく、かつ基本部分の1カ所若しくは複数箇所付してもよい。置換基は、さらに他の置換基によって置換されてもよく、基本部分に直接又はアルキル、アミド若しくはヒドロカルビル基のような連結基によって置換されてもよい。ここでいう「置換基」はハロゲン、酸素、窒素、硫黄、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、カルボキシル、脂肪族基、脂環式基、アルコキシ、置換されたオキシ、アリール、アラルキル、アミノ、イミノ、アミドフッ化(amido fluorinated)化合物などを含むがこれに限定されない。
【0022】
ここでいう「アルキル」とは、特に12以下の炭素原子を有する飽和直鎖若しくは枝状の炭化水素部分をいう。例えばアルキル基には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、イソプロピル、n−ヘキシル、オクチルなどを含むがこれに限定されない。アルキル基は一般的には1から12の炭素原子を含む(C−C12アルキル)。
【0023】
ここでいう「シクロアルキル」とは、3から10の、特に5から10の炭素原子を有する飽和した若しくは飽和していない(若しくは部分的に飽和していない)環又は多環構造の形態を有する相互接続(interconnected)のアルキル基をいう。例えばシクロアルキル基は、シクロプロパン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、デカリンやアダマンタン(トリシクロ[3.3.1.1]デカン)などを含むがこれに限定されない。シクロアルキル基は一般的には5から10の炭素原子を含む(C−C10シクロアルキル)。
【0024】
ここでいうアルキル基若しくはシクロアルキル基は、任意でさらに置換基を含んでもよい。シクロアルキル基上の置換基はシクロアルキル基の一つの原子若しくは二つの原子を介してシクロアルキル基へ結合できるアリール、ヘテロ環、ヘテロアリール置換基も含まれる。
【0025】
ここでいう「アルケニル」とは特に12以下の炭素原子を有し、かつ少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を有する直鎖若しくは枝状の炭化水素鎖部分をいう。例えば、アルケニル基にはエテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル2−ブテン1−イル、1,3−ブタジエンのようなジエンなどを含むがこれに限定されない。ここでいうアルケニル基は、任意でさらに置換基を含んでもよい。
【0026】
ここでいう「アルキニル」とは特に12以下の炭素原子を有し、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を有する直鎖若しくは枝状の炭化水素部分をいう。例えばアルケニル基には、エチニル、1−プロピニル、1−ブチニルなどを含むがこれに限定されない。ここでいうアルキニル基は、任意でさらに置換基を含んでもよい。
【0027】
ここでいう「アルコキシ」とは少なくともひとつはCH部分の代わりに酸素部分を有し、特に1から12の炭素原子を有する酸素アルキル部分をいう。例えば、アルコキシ基はメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシ、ネオペントキシ、n−ヘキソキシなどを含むがこれに限定されない。ここでいうアルコキシ基は任意でさらに置換基を含んでもよい。さらには「アルコキシ」基は直鎖若しくは枝状のエーテル基(例 −CH−CH−O−CH)又はポリエーテル基も含み、それらはモノマーエーテル基がいつか相互結合している(例 −O−CH−CH−O−CH)。
【0028】
ここでいう「ヘテロ環」とは、3から10、特に5から10の炭素原子を有する飽和若しくは不飽和の環又は多環構造の形態を有する相互結合したアルキル基をいい、それらは少なくとも一つの炭素原子が酸素、窒素又は硫黄原子で置換された非芳香族構造の形態を有する。ここでいうヘテロ環基は、任意でさらに置換基を含んでもよい。ヘテロ環基上の置換基はヘテロ環基の一つの原子若しくは二つの原子を介して、ヘテロ環基へ結合できるアリール、ヘテロ環、ヘテロアリール基も含まれる。
【0029】
ここでいう「アリール」とは、炭素原子間で単結合と二重結合を交互に繰り返す芳香族構造である炭化水素をいい、特に炭素数6から10の環若しくは多環構造をいう。「ヘテロアリール」とは5から10の環若しくは多環構造を有する芳香族構造をいい、アリール構造と比較して、少なくともひとつの炭素原子が酸素又は窒素又は硫黄原子である。単純にするために、それらをCからC10のヘテロアリールと呼び、該構造では、すくなくとも一つの炭素原子が酸素、窒素又は硫黄原子で置き換えられた芳香族構造である。例えばCヘテロアリールは少なくとも一つの炭素原子が酸素、窒素又は硫黄原子で置換された五員環構造を有する。ここでいうアリール基やヘテロアリール基は任意でさらに置換基を含んでいてもよい。ヘテロアリール基上の置換基は、ヘテロアリール基の一つの原子若しくは二つの原子を介して、ヘテロアリール基へ結合できるアリール、ヘテロ環、又はヘテロアリール基も含む(インドール環に相当する)。同じことがアリール基へも適用される。
【0030】
ここでいう「*」はE−又はZ−の異性体構造の中心を示し、アスタリスク*の下の原子を位置する。
【0031】
発明の詳細
本発明の第一の側面によれば、本発明は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化5】


(式中、R
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、かつ
それぞれのR及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0032】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2a’から2j’を有し、
【化6】

− DはC−Cアルキルであり、
− それぞれのTは互いに独立して−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NR、から、特にNH、−S又は−Oから選択され、かつ
− T’は−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから選択され、
− それぞれのT”は互いに独立して−CH又は=Nから選択され、
− R及びRは互いに独立して−H、−F、−CH、−CHCH、−OCH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF又は−CFから選択され、特にR及びRはH、−F又は−CHから選択され、
− Rは−OH、−OCH、−OCHCH、−CH又はHから選択され、
− Rは=NH、=S又は=Oから特にOから選択され、かつ
− Zのnは0、1、2又は3であり、特にZのnは0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、
− Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF、−CFである。
【0033】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2aから2jを有し、
【化7】
− それぞれのTは互いに独立して−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから、特にNH、−S又は−Oから選択され、かつ
− T’は−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから選択され、かつ
− それぞれのT”は互いに独立して−CH又は=Nから選択され、かつ
− R及びRは互いに独立して−H、−F、−CH、−CHCH、−OCH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF又は−CFから選択され、特にR及びRはH、−F又は−CHから選択され、かつ
− Rは−OH、−OCH、−OCHCH、−CH又はHから選択され、
− Rは=NH、=S又は=Oから、特にOから選択され、かつ
− Zのnは0、1、2又は3、特にZのnは0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、
− Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF、−CFである。
【0034】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b’から2i’又は2bから2iを、特に一般式2bから2iを有し、R、Zのn、Zは前述の定義と同様であり、かつ
− 式2aに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はOであり、R及びRは互いに独立して−H、−F、−CHから選択され、特にR及びRはHであり、
− 式2b又は2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はS又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHであり、
− 式2dに記載の化合物のそれぞれのTは互いに独立して−NH、−S、−O又は−NRから選択され、特に少なくとも一つのTはNH又は−NCHから選択され、より特に基本部分への結合に関連する4位のTは−NHであり、かつRは=NH、=S又は=Oから、特にOから選択され、かつ
− 式2eに記載の化合物のT’は−CH、−NH、−S又は−Oから選択され、特にT’は−NH又は−Oであり、
− 式2fに記載の化合物のそれぞれのT”は互いに独立して−CH又は=Nから選択され、特にそれぞれのT”は=Nであり、
− 式2g又は2hに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NR又は−NHであり、T”は−CH又は=Nから選択され、特にT”は=Nであり、
− 式2i又は2jに記載の化合物のT’は−NH又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NHであり、かつT”は=Nである。
【0035】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2bから2hを有し、
【化8】

T、T’、T”、Zのn、Z、R及びRは前述の定義と同様である。
【0036】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b’から2h’又は2bから2hを、特に2bから2hを有し、R、Zのn、Zは前述の定義と同様であり、かつ
− 式2b又は2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はS又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHであり、
− 式2dに記載の化合物のそれぞれのTは互いに独立して−NH、−S、−O又は−NRから選択され、特に少なくとも一つのTはNH又は−NCHから選択され、より特に基本部分への結合に関連する4位のTは−NHであり、かつRは=NH、=S又は=Oから、特にOから選択され、かつ
− 式2eに記載の化合物のT’は−CH、−NH、−S又は−Oから選択され、特にT’は−Oであり、
− 式2fに記載の化合物のそれぞれのT”は、互いに独立して−CH又は=Nから選択され、特にそれぞれのT”は=Nであり、
− 式2g又は2hに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NR又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、特にT”は=Nである。
【0037】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b、2c、2e、2g又は2hを有し、
【化9】
T、T’、T”、Zのn、Z、R及びRは前述に記載の定義と同様である。
【0038】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b’、2c’、2e’、2g’若しくは2h’、又は2b、2c、2e、2g若しくは2hを、特に一般式2b、2c、2e、2g若しくは2hを有し、R、Zのn、Zは前述の定義と同様であり、かつ
− 式2b又は2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はS又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHであり、
− 式2eに記載の化合物のT’は−CH、−NH、−S又は−Oから選択され、特にT’は−Oであり、
− 式2g又は2hに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NR又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、特にT”は=Nである。
【0039】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b、2c、2g又は2hを有し、
【化10】

T、T’、T”、Zのn、Z、R及びRは前述に記載の定義と同様である。
【0040】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b’、2c’、2g’若しくは2h’、又は2b、2c、2g若しくは2h、特に2b、2c、2g若しくは2hを有し、R、Zのn、Zは前述の定義と同様であり、かつ
− 式2b又は2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はS又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHであり、
− 式2g又は2hに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NR又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、特にT”は=Nである。
【0041】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b又は2cを有し、
【化11】

T’、T”、Zのn、Z及びRは前述に記載の定義と同様である。
【0042】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2b’若しくは2c’、又は2b若しくは2cを、特に一般式2b若しくは2cを有し、R、Zのn、Zは前述の定義と同様であり、
− 式2b又は2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はS又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHである。
【0043】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2cを有し、
【化12】

T’、T”、Zのn、Z及びRは前述に記載の定義と同様である。
【0044】
いくつかの実施態様では、Rは一般式2c’又は2c’を、特に一般式2cを有し、R、Zのn、Zは前述の定義と同様であり、
− 式2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから、特に=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHである。
【0045】
いくつかの実施態様では、Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH又は−CH(CHから選択され、特に−CH、−CHCH又は−CH(CHから選択され、より特にRは−CHである。
【0046】
いくつかの実施態様では、Zのnは0、1、又は2であり、特にnは0又は1である。
【0047】
いくつかの実施態様では、Zのnは1である。
【0048】
いくつかの実施態様では、Zのnは0である。
【0049】
いくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0050】
いくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、CHOR又は−ORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0051】
いくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、OH、CHOH、CHOR又は−ORから選択され、RはC−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニルから特にC−Cアルキルから選択される。
【0052】
いくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立してCN、OH、−OCH、−OCHCH、−O(CHCH、−O(CH)CCH、−CHOCH、−CHOCHCH、−CHO(CHCH又は−CHO(CH)CCH、特にCN、OH、−OCH又は−CHOCHから、より特に−OCH又は−CHOCHから選択される。
【0053】
いくつかの実施態様では、R
【化13】

から又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0054】
いくつかの実施態様では、R
【化14】

から又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0055】
いくつかの実施態様では、R
【化15】


から又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0056】
いくつかの実施態様では、R
【化16】

から又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0057】
いくつかの実施態様では、R
【化17】

から又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0058】
いくつかの実施態様では、Rは一般式3aから3kを有し、
【化18】

− それぞれのTは互いに独立して−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから、特にNH、−S又は−Oから選択され、かつ
− T’は−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから選択され、かつ
− それぞれのT”は、互いに独立して−CH又は=Nから選択され、
− R及びRは互いに独立して−H、−F、−CH、−CHCH、−OCH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF又は−CFから選択され、特にR及びRは互いに独立してH、−F又は−CHから選択され、かつ
− Rは−OH、−OCH、−OCHCH、−CH又はHから選択され
− Rは=NH、=S又は=Oから、特にOから選択され、かつ
− Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF、−CFである。
【0059】
いくつかの実施態様では、Rは一般式3aから3kを有し、
− 式3aに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はOであり、R及びRは互いに独立して−H、−F、−CHから選択され、特にR及びRはHであり、
− 式3b又は3cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHであり、
− 式3dに記載の化合物のそれぞれのTは互いに独立して−NH、−S、−O又は−NRから選択され、特に少なくともひとつのTはNH又は−NCHから選択され、より特に、基本部分への結合に関連する4位のTは−NHであり、かつRは=NH、=S又は=Oから、特にOから選択され、かつ
− 式3eに記載の化合物のT’は−CH、−NH、−S又は−Oから選択され、特にT’は−NH又は−Oであり、
− 式3fに記載の化合物のそれぞれのT”は互いに独立して−CH又は=Nから選択され、特にそれぞれのT”は=Nであり、
− 式3g又は3hに記載の化合物のT’は−NH又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NCHであり、かつT”は−CH又は=Nから、特に=Nから選択され、
− 式3i又は3jに記載の化合物のT’は−NH又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NHであり、かつT”は=Nである。
【0060】
いくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のCヘテロ環又は置換された若しくは非置換のC−Cヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたCヘテロ環又は該置換されたC−Cヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0061】
いくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換の、ピラン、フラン、イミダゾール、チロフェン、ピロール、ピリジン、ピラジン(pyrazine)、チアゾール、オキサゾール、クマリン、ベンゾイミダゾール、インドール、イソインドール、ベンゾジアゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール又はピラジン(pyrazin)とそれらの誘導体から選択され、ここで、特に該置換された化合物は少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0062】
いくつかの実施態様では、Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH又は−CH(CHから、特に−CH、−CHCH又は−CH(CHから選択され、より特にRはCHである。
【0063】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリールから選択される。
【0064】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。
【0065】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のCアリール、又は
− 置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択される。
【0066】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−L−Arを有し、
− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0067】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式−L−Aを有し、
− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0068】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式−L−Arを有し、Lはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつArは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0069】
いくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0070】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル若しくはアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル若しくはアルキニルは式4aを有し、
【化19】
又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式4bを有し、
【化20】

− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択されそれぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0071】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4aを有し、
【化21】

又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式4bを有し、
【化22】


− Lはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつ
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0072】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4aを有し、Lはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつZのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0073】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4aを有し、Lはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつZのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又はであり1、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0074】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4aを有し、Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
のoは1であり、かつZは−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4、であり、特にrは1である。
【0075】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4aを有し、Lはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつZのoは0である。
【0076】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4bを有し、Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0077】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4bを有し、Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0078】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4bを有し、Zのoは1であり、かつZは−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0079】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式4bを有し、Zのoは0である。
【0080】
いくつかの実施態様では、Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHOR又は−NRから、特に−F、−Cl、−R、−OR、CHOR又は−NRから、より特に−F、−Cl、−Rから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0081】
いくつかの実施態様では、Zのoは、0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0082】
いくつかの実施態様では、Zのoは、0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキルから選択される。
【0083】
いくつかの実施態様では、Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−Rから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキルから選択される。
【0084】
いくつかの実施態様では、Zのoは0又は1である。
【0085】
いくつかの実施態様では、Zのoは1である。
【0086】
いくつかの実施態様では、Zのoは0である。
【0087】
いくつかの実施態様では、R
【化23】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0088】
いくつかの実施態様では、R
【化24】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0089】
いくつかの実施態様では、R
【化25】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0090】
いくつかの実施態様では、R
【化26】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0091】
いくつかの実施態様では、R
【化27】
から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0092】
いくつかの実施態様では、R
【化28】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0093】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリールから選択される。
【0094】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。
【0095】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のCアリール又は
− 置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択される。
【0096】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−D−Arを有し、
− Dは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ、
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0097】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式−D−Arを有し、
− Lはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0098】
いくつかの実施態様では、Rは置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式−D−Aを有し、Lはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつArは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0099】
いくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0100】
いくつかの実施態様では、Rは、
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式5aを有し、又は
【化29】

− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式5bを有し、
【化30】
− Dは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0101】
いくつかの実施態様では、Rは、
− 置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5aを有し、
【化31】

又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式5bを有し、
【化32】

− Dはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつ
− Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0102】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5aを有し、Dはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつZのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0103】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5aを有し、Dはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつZのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0104】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5aを有し、Dは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、
かつZのpは1であり、かつZは−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0105】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5aを有し、Dはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつZのpは0である。
【0106】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5bを有し、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0107】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5bを有し、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0108】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキル式5bを有し、Zのpは1であり、かつZは−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にd−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニル、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0109】
いくつかの実施態様では、Rは、置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式5bを有し、Zのpは0である。
【0110】
いくつかの実施態様では、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHOR又は−NRから選択され、特に−F、−Cl、−R、−OR、CHOR又は−NRから、より特に−F、−Cl、−Rから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0111】
いくつかの実施態様では、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0112】
いくつかの実施態様では、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキルから選択される。
【0113】
いくつかの実施態様では、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−Rから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にd−Cアルキルから選択される。
【0114】
いくつかの実施態様では、Zのpは0又は1である。
【0115】
いくつかの実施態様では、Zのpは1である。
【0116】
いくつかの実施態様では、Zのpは0である。
【0117】
いくつかの実施態様では、R
【化33】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0118】
いくつかの実施態様では、R
【化34】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0119】
いくつかの実施態様では、R
【化35】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0120】
いくつかの実施態様では、R
【化36】

から、又はそれぞれの誘導体から選択される。
【0121】
本発明の第一の側面に記載のR又はRのどの実施態様も、本発明の第一の側面に記載のRのどの実施態様と組み合わせてもよい。
【0122】
第一の側面の第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは一般式2a’若しくは2e’を有し、DはC−Cアルキルであり、
【化37】

又は一般式2a若しくは2eを有し、
【化38】

− それぞれのTは互いに独立して−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから、特にNH、−S又は−Oから選択され、Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF、−CFであり、かつ
− T’は−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、又は−C(CHから選択され、かつ
− R及びRは互いに独立して−H、−F、−CH、−CHCH、−OCH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF又は−CFから選択され、特にR及びRは互いに独立してH、−F又は−CHから選択され、かつ
− Zのnは0、1、2又は3であり、特にZのnは0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、

− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、かつ

− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
−置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。
【0123】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは一般式2a又は2eを有し、
【化39】

特に2eを有し、D、T、T’、Zのn、Zn、R及びRは前述の定義と同様である。
【0124】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、式2aに記載の化合物のTは−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にTはOであり、R及びRは互いに独立して−H、−F、−CHから選択され、特にR及びRはHであり、かつ式2eに記載の化合物T’は−CH、−NH、−S又は−Oから選択され、特にT’は−NH又は−Oであり、より特にOである。
【0125】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、
のnは0、1又は2、特にnは0又は1である。いくつかの実施態様では、Zのnは1である。いくつかの実施態様ではZのnは0である。
【0126】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0127】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、CHOR又は−ORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0128】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、OH、CHOH、CHOR又は−ORから選択され、RはC−Cアルキル、C−Cアルケニル又はC−Cアルケニル、特にC−Cアルキルから選択される。
【0129】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、それぞれのZはどのZからも独立してCN、OH、−OCH、−OCHCH、−O(CHCH、−O(CH)CCH、−CHOCH、−CHOCHCH、−CHO(CHCH又は−CHO(CH)CCHから、特にCN、OH、−OCH又は−CHOCHから、より特に−OCH又は−CHOCHから選択される。
【0130】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のC−Cシクロアルキル、置換された若しくは非置換のCアリール、又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択される。
【0131】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−L−Arを有し、
− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0132】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式4aを有し、
【化40】
又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式4bを有し、
【化41】
− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0133】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHOR又は−NRから選択され、特に−F、−Cl、−R、−OR、CHOR又は−NRから、より特に−F、−Cl、−Rから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0134】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0135】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Zのoは0である。
【0136】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキル、置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルケニル、置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキニル、置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。
【0137】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキル、置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルケニル、置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキニル、置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、又は置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。
【0138】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、置換された若しくは非置換のCアリール、置換された若しくは非置換のC−シクロアルキル;又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、特に置換された若しくは非置換のC−シクロアルキル又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択される。
【0139】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−D−Arを有し、
− Dは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有する。
【0140】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式5aを有し、
【化42】
又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリール式5bを有し、
【化43】
特に式5bであり、
− Dは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立してF、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0141】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHOR又は−NRから、特に−F、−Cl、−R、−OR、CHOR又は−NRから、より特に−F、−Cl、−Rから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0142】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Zのpは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0143】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Zのpは0である。
【0144】
特に第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは一般式2eを有し、
【化44】
T’はOであり、かつZのnは0であり、かつ
は置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、より特にシクロヘキサンから選択され、Zn、R及びRは前述の定義と同様であり、かつ

− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、又は

− 置換された若しくは非置換のC−Cシクロアルキル、置換された若しくは非置換のCアリール、又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、又は

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−L−Arを有し、
− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリール、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有し、又は

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式4aを有し、
【化45】
又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式4bを有し、
【化46】

− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、又は
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHOR又は−NRから、特に−F、−Cl、−R、−OR、CHOR又は−NRから、より特に−F、−Cl、−Rから選択され、それぞれRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、又は
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される
− Zのoは0であり、又は

【化47】
から選択され、ここで、該構造は試験的であり、かつOHは基本部分に接続する位置に対してオルト、メタ又はパラの位置であり、
【化48】
から選択され、ここで、該構造は試験的であり、かつOCHは基本部分に接続する位置に対してオルト、メタ又はパラの位置であり、
【化49】
から選択され、ここで、該構造は試験的であり、かつNは基本部分に接続する位置に対してオルト、メタ、パラの位置である。
【0145】
第一の下位の側面の特定の実施態様は以下のとおりである。
【化50】








【0146】
IUPAC名を以下に示す。


【表1】
【0147】
本発明の第一の側面に記載のR及びRのどの実施態様も
第一の側面の第一の下位の側面に記載のRのどの実施態様とも組み合わせてよい。
【0148】
第一の側面の第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、特に置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式6aを有し、
【化51】

又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリール、
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで該置換されたCアリールは式6bを有し、
【化52】

− Mは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、
かつ

− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、かつ
は置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、特にシクロヘキサンから選択される。
【0149】
置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールに関連するRの実施態様では、本発明の第一の側面並びに第一及び第三の下位の側面の特定の実施態様を参照する。
【0150】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該Cアリールは式6bを有し、
【化53】

− Mはアルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつ
− Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0151】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1、かつそれぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−SR、−CHSR、−OR、CHOR又は−NRから選択され、特に−F、−Cl、CN、−R、−OR、−CHOR又は−NRから、より特にCN、−OR又はCHORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0152】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−OR又は−CHORから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択さる。
【0153】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、Z10のlは0、1又は2、特に0又は1である。
【0154】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
【化54】

から選択される。
【0155】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキル、置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルケニル、置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキニル、置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。
【0156】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキル、置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルケニル、置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C10アルキニル、置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、又は置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択さる。
【0157】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、置換された若しくは非置換のCアリール、又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択される。
【0158】
特に第二の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは一般式2eを有し、
【化55】

T’はOであり、かつZのnは0であり、かつ
は置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、より特にシクロヘキサンから選択され、Z、R及びRは前述の定義と同様であり、かつ

− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、又は

− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、又は

− 置換された若しくは非置換のC−Cシクロアルキル、置換された若しくは非置換のCアリール、又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、又は

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−L−Arを有し、
− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくとも一つの置換基Zを有し、又は

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式4aを有し、
【化56】
又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式4bを有し、
【化57】

− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、又は
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、CHOR又は−NRから選択され、特に−F、−Cl、−R、−OR、CHOR又は−NRから、特に−F、−Cl、−Rから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、又は
− Zのoは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I又は−Rから、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、
− Zのoは0であり、又は

【化58】
から選択され、Aは−(CH)(CH、−(CH)CN、−(CH)C(=O)ONH、−(CH)N(CHCH、−(CH)CHOH、−(CH)C(=O)NHである。
【0159】
特定の実施態様を以下に示す:
【化59】
【0160】
のさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0161】
のo及びZのさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0162】
第一の側面の第三の下位の側面のいくつかの実施態様では、
それぞれのR及びRは互いに独立して、
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリール、かつ
は一般式2b’から2d’及び2f’から2j’を有し、DはC−Cアルキルであり、
【化60】


又はRは一般式2bから2d及び2fから2jを有し
【化61】


− それぞれのTは互いに独立して−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから選択され、特にNH、−S又は−Oから選択され、かつ
− T’は−CH、−NH、−S、−O、−CHCH、−C(CH又は−NRから選択され、かつ
− それぞれのT”は互いに独立して−CH又は=Nから選択され
− R及びRは互いに独立して−H、−F、−CH、−CHCH、−OCH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF又は−CFから、特にR及びRは互いに独立してH、−F又は−CHから選択され、かつ
− Rは−OH、−OCH、−OCHCH、−CH又はHから選択され、
− Rは=NH、=S又は=Oから、特にOから選択され、かつ
− Zのnは0、1、2又は3、特にZのnは0又は1、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、
は−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH、−CH(CH、−CHCF、−CHFCF、−CFCF、−CHF、−CHF、−CFである。
【0163】
特に第三の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは一般式2bから2hを有し、特に式2b、2c、2g又は2h、より特に式2b、2c、2g又は2hを有する。
【0164】
特に第三の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは一般式2b又は2c、特に2cを有する。
【0165】
特に第三の下位の側面のいくつかの実施態様では、
− 式2b又は2cに記載の化合物のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’はS又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択される、かつRは−CH又はHから選択され、特にRはHであり、
式2dに記載の化合物のそれぞれのTは互いに独立して−NH、−S、−O又は−NR、特にすくなくとも一つのTはNH又は−NCHから選択され、特に基本部分への結合に関連する4位のTは−NHであり、かつRは=NH、=S又は=Oから、特にOから選択され、かつ
− 式2fに記載の化合物のそれぞれのT”は互いに独立して−CH又は=Nから選択され、特にそれぞれのT”は=Nであり、
− 式2g又は2hに記載のT’は−NH、−S、−O又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NR又は−NHであり、かつT”は−CH又は=Nから選択され、特にT”は=Nであり、
− 式2i又は2jに記載の化合物のT’は−NH又は−NRから選択され、ここで、特にT’は−NHであり、かつT”は=Nである。
【0166】
特に第三の下位の側面のいくつかの実施態様では、Rは−CHOH、−CH、−CHCH、−CHCHCH又は−CH(CHから選択され、特に−CH、−CHCH又は−CH(CHから選択され、特にRはCHである。
【0167】
のn及びZのさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0168】
のさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第二の下位の側面を参照する。
【0169】
o及びZのoのさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0170】
のさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第二の下位の側面を参照する。
【0171】
特に第三の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のCアリール、
− 置換された若しくは非置換のC−シクロアルキルから選択され、又は
置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−シクロアルキル又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択される。
【0172】
のさらなるより特定の実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第二の下位の側面を参照する。
【0173】
p及びZのPのさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0174】
この下位の側面の特定の実施態様は以下に示す。



【表2】
【0175】
第二の側面に従って、本発明は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化62】

(式中、

− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、かつ
それぞれのR及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0176】
いくつかの実施態様では、Rは本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0177】
いくつかの実施態様では、Rは本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0178】
いくつかの実施態様では、Rは本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0179】
本発明の第二の側面に記載のR又はRのどの実施態様も本発明の第二の側面に記載のRのどの実施態様と組み合わせてもよい。
【0180】
第三の側面に従って、本発明は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化63】
(式中、

− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、かつ
それぞれのR及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0181】
いくつかの実施態様では、Rは本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0182】
いくつかの実施態様では、Rは本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0183】
いくつかの実施態様では、Rは本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0184】
本発明の第三の側面に記載のR又はRのどの実施態様も本発明の第三の側面に記載のRのどの実施態様と組み合わせてもよい。
【0185】
第四の側面に従って、本発明は一般式1によって特徴付けられる化合物に関する。
【化64】

(式中、

− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリールから選択され、かつ
それぞれのR及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換のヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択される。)
【0186】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC12−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリールから選択される。
【0187】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−M−Arを有し、
− Mは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールである。又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリールは少なくとも一つの置換基Z10を有する。
【0188】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式6aを有し、
【化65】

又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは式6bを有し、
【化66】
− Mは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0189】
いくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式6aを有し、
【化67】
又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該Cアリールは式6bを有し、
【化68】

− Mは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつ
− Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0190】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該Cアリールは式6bを有し、
【化69】
− Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
− それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0191】
いくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のC−アリールから選択され、ここで、該置換されたCアリールは6bを有し、
【化70】

− Z10のlは1、2、3、4又は5、特に1、2又は3、より特に1であり、かつ
− それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1であり、ここで、少なくとも一つのZ10は−(CHORであり、それは特に3位の位置である。
【0192】
いくつかの実施態様では、Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1、かつそれぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−SR、−CHSR、−OR、CHOR又は−NRから選択され、特に−F、−Cl、CN、−R、−OR、−CHOR又は−NRから、より特にCN、−OR又はCHORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0193】
いくつかの実施態様では、Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−OR又は−CHORから選択され、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0194】
いくつかの実施態様では、Z10のlは1、2、3、4又は5、特に1、2又は3、より特に1であり、かつそれぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−SR、−CHSR、−OR、CHOR又は−NRから選択され、特に−F、−Cl、CN、−R、−OR、−CHOR又は−NRから、より特にCN、−OR又はCHORから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0195】
いくつかの実施態様では、Z10のlは1、2、3、4又は5、特に1、2又は3、より特に1であり、かつそれぞれのZはどのZからも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−OR又は−CHOR、特にRから選択され、Rは置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択される。
【0196】
いくつかの実施態様では、Z10のlは1又は2であり、特に1である。
【0197】
いくつかの実施態様では、少なくとも一つのZ10は−(CHORであり、特に3位の位置であり、RはH又はCHであり、rは1、2、3から選択され、特にrは1である。
【0198】
いくつかの実施態様では、Z10のlは0、1又は2であり、特に0又は1である。
【0199】
いくつかの実施態様では、R
【化71】


から、またはそれらの誘導体から選択される。
【0200】
いくつかの実施態様では、R
【化72】

から、またはそれらの誘導体から選択される。
【0201】
いくつかの実施態様では、R
【化73】

から選択される。
【0202】
いくつかの実施態様では、Rは、本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0203】
いくつかの実施態様では、Rは、本発明の第一の側面の実施態様に記載の置換基Rに関連する部分から選択される。繰り返しを避けるために、上記の詳細な説明を参照した。
【0204】
本発明の第四の側面に記載のR又はRのどの実施態様も本発明の第四の側面に記載のRのどの実施態様と組み合わせてもよい。
【0205】
特定の実施態様を以下に示す。


【表3】
【0206】
本発明の第四の側面の第一の下位の側面のいくつかの実施態様では、

− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリールから選択され、かつ
それぞれのR及びRは互いに独立して
− 置換された若しくは非置換のアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、
− 置換された若しくは非置換のアルコキシ、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルコキシ、
− 置換された若しくは非置換のアルケニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、
− 置換された若しくは非置換のアルキニル、特に置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、
− 置換された若しくは非置換のシクロアルキル、特に置換された若しくは非置換のC−C10シクロアルキル、
− 置換された若しくは非置換のアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10アリール、
− 置換された若しくは非置換の飽和ヘテロ環、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロ環、又は
− 置換された若しくは非置換のヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−C10ヘテロアリールから選択され、
式中、少なくともR、R及びRのひとつは以下から選択され、
の場合、
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−M−Arを有し、
− Mは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− ArはC−アリールであり、ここで、特に該置換されたC−アリールは少なくとも一つの置換基Z10を有し、
の場合、
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−L−Arを有し、
− Lは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくともひとつの置換基Zを有し、かつ
の場合、
− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式−D−Arを有し、
− Dは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Arは置換された若しくは非置換のC−C−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールであり、又は
− 置換された若しくは非置換のC−アリール又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択され、ここで、特に該置換されたC−アリール又は該置換されたC−C−ヘテロアリールは少なくともひとつ置換基Zを有する。
【0207】
特に第四の発明の第一の側面のいくつかの実施態様では、

− 置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルから選択され、ここで、該置換されたアルキル、アルケニル又はアルキニルは式6aを有し、
【化74】
又は
− Mは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキル、
− アルケニル、特にC−C12アルケニル、より特にC−Cアルケニル、
− アルキニル、特にC−C12アルキニル、より特にC−Cアルキニルであり、かつ
− Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつ
それぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0208】
特に第四の発明の第一の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換されたアルキルから選択され、ここで、該置換されたアルキルは式6aを有し、
【化75】

− Mは
− アルキル、特にC−C12アルキル、より特にC−Cアルキルであり、かつ
− Z10のlは0、1、2、3、4又は5、特に0、1、2又は3、より特に0又は1であり、かつそれぞれのZ10はどのZ10からも独立して−F、−Cl、−Br、−I、CN、−R、−OR、−(CHOR、−SR、−(CHSR又は−NRから選択され、それぞれのRは互いに独立してH、置換された若しくは非置換のC−C12アルキル、特にC−Cアルキル、置換された若しくは非置換のC−C12アルケニル、特にC−Cアルケニル、又は置換された若しくは非置換のC−C12アルキニル、特にC−Cアルキニルから選択され、rは1、2、3又は4であり、特にrは1である。
【0209】
10のl及びZ10のさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0210】
のさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第二の下位の側面を参照する。
【0211】
のo及びZ10oのさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0212】
のさらなる実施態様に関して、本発明第一の側面、特に本発明の第一の側面の第二の下位の側面を参照する。
【0213】
特に第三の下位の側面のいくつかの実施態様では、R
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルケニル、
− 置換された若しくは非置換のC−Cアルキニル、
− 置換された若しくは非置換のCアリール、
− 置換された若しくは非置換のC−シクロアルキル又は
− 置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリール、特に置換された若しくは非置換のC−シクロアルキル又は置換された若しくは非置換のC−C−ヘテロアリールから選択される。
【0214】
のさらにより特定の実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第二の下位の側面を参照する。
【0215】
のp及びZのさらなる実施態様に関して、本発明の第一の側面、特に本発明の第一の側面の第一の下位の側面を参照する。
【0216】
特定の実施態様は以下に示す。
【表4】


【0217】
いくつかの実施態様では、本発明の第一、第二、第三又は第四の側面に記載の本発明の化合物は(2Z,5Z),(2Z,5E),(2E,5Z)又は(2E,5E)異性体構造,特に(2Z,5Z)又は(2Z,5E),より特に(2Z,5Z)異性体構造を有し、式1aによって特徴付けられ、
【化76】

該異性体中心はアスタリスク(*)によって示しており、R、R及びRは前述の定義と同様であり、ここで、本発明の化合物は、基本的に純粋な構造で前に言及した異性体を有し、R、R及びRは前述の定義と同様である。
【0218】
ここで言う「基本的に純粋」とは90%以上、特に95%以上の純度をいう。
【0219】
いくつかの実施態様では、本発明の化合物は上記に記載の通り式1aによって特徴付けられる(2Z,5Z),(2Z,5E),(2E,5Z)又は(2E,5E)異性体構造の混合体,特に(2Z,5Z)及び(2Z,5E)の混合体を有する。
【0220】
下記の式はそれぞれの構造を示しており、
【化77】
、R及びRは前述の定義と同様である。
【0221】
本発明の特定の実施態様は以下のとおりである。
【化78】






【0222】
本発明の第五の側面は、薬剤としての使用のための本発明の第一、第二、第三又は第四の側面に記載の化合物に関する。
【0223】
本発明の第六の側面は、精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症の治療における使用のための本発明の第一、第二、第三又は第四の側面に記載の化合物に関する。
【0224】
本発明の第七の側面は、本発明の第一、第二、第三又は第四の側面に記載の化合物を少なくとも一つは有する精神疾患若しくは神経疾患及び炎症、特に神経炎症の治療における使用のための医薬製剤に関する。
【0225】
本発明の化合物はAEA細胞膜輸送の有用な阻害剤であり、かつAEA代謝酵素FAAHを阻害しない。実施例で示したように、本発明の化合物はカンナビノイド挙動効果と抗炎症効果の両方を、特に抗神経炎症効果を示した。
【0226】
AEA取り込みの阻害によってECSは独自の経路で調節され、鎮痛、抗炎症及び四分子効果によって例示されたCNS効果のような多種多様な薬理学的な作用をもたらす。
【0227】
精神疾患又は神経疾患の治療方法における本発明の化合物の使用は、AEAを含むカンナビノイドを介した逆行性神経シグナルと神経炎症の減少に関する。そのような疾病には双極性疾患、統合失調症、睡眠障害、多発性硬化症及びアルツハイマーを含む。
【0228】
いくつかの実施態様では、一般式1の化合物は塩の形態で、特に薬学的に許容可能な塩の形態で単離してもよい。同じことが前に言及した実施態様の全てにも適用される。いくつかの実施態様では、一般式の化合物は互変異性体、水和又は溶媒和の形態で単離されてもよい。
【0229】
そのような塩は、例えば酸付加塩として、好ましくは有機又は無機の酸と塩基性窒素原子を持つ一般式1の化合物から形成される。特に薬学的に許容可能な塩はそのような方法で形成される。適した無機酸は塩酸、硫酸、リン酸などのようなハロゲン酸であるが、これに限定はされない。適した有機酸はカルボン酸、ホスホン酸、スルホン酸、スルファミン酸であるがこれに限定はされない。そのような有機酸は酢酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はクエン酸であってもよく、これに限定はされない。塩は、例えば有機又は無機の塩基と酸性水素を有する窒素原子を持つ一般式1の化合物から形成されても良い。例えば適切な陽イオンは、これに限定はされないが、ナトリウム、カリウム、カルシウム若しくはマグネシウムの陽イオン又は有機窒素塩基、例えばプロトン化されたモノ−、ジ−又はトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン)の陽イオンである。
【0230】
遊離体の新規化合物と塩の形態の新規化合物との間の密接な関係を考慮して、上文及び以下の遊離の化合物についてのどの参照も、適切かつ好都合に、対応する塩を参照すると理解される。さらにその上、一般式1の新規化合物とその互変異性体との間の密接な関係を考慮して、一般式1の化合物についてのどの参照も、対応する互変異性体も参照すると理解される。同じことが水和物又は溶媒和物にも適用される。
【0231】
いくつかの実施態様では、医薬製剤は、有効成分として本発明に記載の化合物を少なくとも一つと、薬学的に許容可能な担体を少なくとも一つ有する。いくつかの実施態様では、医薬製剤は、有効成分として本発明に記載の遊離体の化合物を少なくとも一つ有する。いくつかの実施態様では、医薬製剤は、有効成分として本発明に記載の遊離体の化合物を少なくとも一つと、薬学的に許容可能な担体を少なくとも一つ有する。
【0232】
いくつかの実施態様では、医薬製剤は、塩、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物又は溶媒和物の形態の本発明に記載の化合物を少なくとも一つ有する。いくつかの実施態様では、医薬製剤は、塩、互変異性体、薬学的に許容可能な塩、水和物又は溶媒和物の形態の本発明に記載の化合物を少なくとも一つと、薬学的に許容可能な担体を少なくとも一つ有する。
【0233】
その上、本発明は有効成分として前にここで言及した化合物の少なくとも一つを有する医薬製剤に関し、そしてそれは記載の疾病の治療に使用してもよい。その医薬製剤は特に精神疾患の治療方法として使用してもよい。
【0234】
いくつかの実施態様では、経鼻投与、頬側投与、直腸投与、局所投与又は特に経口投与といった経腸投与用、及び静脈投与、筋肉内投与、皮下投与といった非経口投与用の医薬製剤が特に好ましい。該製剤は有効成分単独又は特に薬学的に許容可能な担体を共に有する。有効成分の投与量は、治療する疾病と生物種、年齢、体重、個々の状態、個々の薬物動態のデータ、投与方法に依存する。特に有効成分の経口投与が好ましい。
【0235】
いくつかの実施形態として、医薬製剤は約1%から約95%の有効成分を有する。服用単位の形態は、例えば被覆した若しくは被覆していない錠剤、アンプル、バイアル、坐薬又はカプセルである。さらに剤形は、例えば、軟膏、クリーム、糊状、泡状、チンキ、リップスティック、ドロップ、スプレー、散剤等である。例として約0.005gから1.0gの有効成分を含有するカプセルが挙げられる。
【0236】
いくつかの実施態様では、本発明の医薬製剤は、公知の方法、例えば、従来の混合、顆粒化、被覆、溶解又は凍結乾燥の工程の方法で調製される。
【0237】
いくつかの実施態様では、医薬製剤は、有効成分の溶液の形態及び分散液又は懸濁液、特に等張水溶液での懸濁液又は分散液であり、それらは例えば、有効成分単独又はマンニトールのような担体を共に有して凍結乾燥状態で準備され、使用する直前に調製してもよい。
【0238】
いくつかの実施態様では、医薬製剤は無菌化されてもよく、及び/又は賦形剤、例えば 防腐剤、安定化剤、湿潤剤、及び/又は乳化剤、可溶化剤、浸透圧を制御するための塩及び/又は緩衝剤を有してもよく、そして公知の方法、例えば、従来の溶解と凍結乾燥の工程の方法で調製される。その挙げた溶液又懸濁液は粘度増強試薬、典型的なカルボキシメチルセルロースナトリウム塩、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルピロリドン及びゼラチン又は可溶化剤、例えばTween 80(商標登録)(ポリオキシエチレン(20)ソルビタン・モノ−オレイン酸塩)を有してもよい。
【0239】
いくつかの実施態様では、医薬製剤は、注射用として慣用である植物性、合成、半合成の油分で構成される油の懸濁液を有してもよい。いくつかの実施態様では、医薬製剤は、脂肪酸エステルと、綿実油、扁桃油、オリーブオイル、ひまし油、ごま油、大豆油、落花生油といった植物性油分の混合物を有するがこれに限定されない。注射可能な製剤の製造は、通常、無菌状態のもとで行われ、例えばアンプルやバイアルへ詰められ、その容器は密閉される。
【0240】
適した担体とは、特に賦形剤、例えばラクトース、サッカロース、マンニトール、ソルビトール又はセルロース調剤といった糖であり、及び/又はリン酸カルシウム、例えばリン酸三カルシウム、リン酸水素カルシウムであり、及び結合材、例えばとうもろこし澱粉、小麦澱粉、米澱粉又はジャガイモ澱粉といった澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩及び/又はポリビニルピロリドンであり、及び/又は、必要に応じて崩壊剤、例えば上述した澱粉、カルボキシメチル澱粉、架橋化ポリビニルピロリドン、アルギン酸または、アルギン酸ナトリウムといったそれらの塩である。さらに、賦形剤は、特に流動化剤と潤滑油、例えば、ケイ酸、滑石、ステアリン酸、又はステアリン酸マグネシウムやステアリン酸カルシウムといったそれらの塩、及び/又はポリエチレングリコール又はそれらの誘導体である。
【0241】
錠剤の核は任意の消化器官に適した被覆がされ、とりわけアラビアゴム、滑石、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及び又は二酸化チタンを有する濃縮糖液、適切な有機溶剤や混合溶液の被覆用液、腸内コーティングの調合剤のための、例えばフタル酸アセチルセルロースまたはフタル酸ヒドロキシプロピルメチルセルロースといった適切なセルロース製剤の溶液を使用して被覆される。例えば識別の目的や、有効成分の量の差を示すために染料又は顔料は錠剤又は錠剤の被覆に適用してもよい。
【0242】
いくつかの実施態様では、医薬製剤は、経口投与に適しており、ゼラチンで構成されるハードカプセル及びゼラチンと、グリセロールやソルビトールといった可塑剤とで構成されるソフトシーリングカプセルを含む。該ハードカプセルは有効成分を顆粒の形態で有しても良い、例えば、とうもろこし澱粉のような賦形剤、結合剤、及び/又は滑石やステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤及び任意の安定化剤の混合物である。ソフトカプセルでは、有効成分は好ましくは適した液体賦形剤に溶解するか懸濁する。その適した液体賦形剤は脂質油、パラフィン油又は液体ポリエチレングリコールやエチレン脂肪酸エステルや、ポリプロピレングリコールであり、それらに安定化剤と界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル型を加えても良い。
【0243】
いくつかの実施態様では、経腸投与に適した医薬製剤は、例えば、有効成分と坐薬基剤の組み合わせから成る坐薬が挙げられる。適した坐薬基剤は、例えば天然あるいは合成のトリグリセリド、パラフィン炭化水素、ポリエチレングリコール又は高度アルカノール(higher alkanol)が挙げられる。
【0244】
いくつかの実施態様では、非経口投与に適した医薬製剤は、水溶性形態の有効成分の水溶液又は、粘性増強物質、例えば、それはカルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトール及び/又はデキストラン、必要に応じて、安定化剤を含む水溶性注射懸濁液は特に適切である。その有効成分は任意に賦形剤と共に凍結乾燥の状態にすることもでき、非経口投与前に、適した溶液を添加して、溶液に溶解することが出来る。例えば非経口投与用で、そのように使用される溶液は、輸液としても使用することができる。好ましい防腐剤は例えばアスコルビン酸又は、ソルビン酸や安息香酸のような殺菌剤である。
【実施例】
【0245】
一般的な方法と原料
化合物及び化学薬品は可能な限り最も純度の高いグレードを用いた。
アナンダミド(AEA)、(R)−N−(1−(4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシエチル)オレアミド(OMDM−2)、N−(3−フラニルメチル)−(5Z,8Z,1 1Z,14Z)−エイコサテトラエンアミド、[エタノールアミン−1−H]−AEA (60 Ci/mmol)は American Radiolabeled Chemicalsから購入した。必須脂肪酸非含有ウシ血清アルブミン(BSA) (A7030)、ウシ胎児血清(F7524)、RPMI−1640はドイツのシグマ−アルドリッチから購入した。AquaSilTM シリコン処理液はサーモサイエンティフィックから購入した。
【0246】
H]−AEA細胞取り込み
AEAの細胞取り込み阻害のスクリーニングは半全自動化された手順で行った:ピペッティングと洗浄の工程はBiomek3000 laboratory workstationで行った。まず初めに、必要量のU937細胞を100xgで5分間遠心分離し、そして終濃度2x10cells/mL となるようにRPMI(37°C)へ再懸濁した。次いで250μLの細胞懸濁液(0.5x10cells/サンプル)を96穴型のAquaSilTMシラン化ガラスバイアル(クロマコール 1.1−MTV)へ移した。そこへ5μLの溶媒のみ(DMSO)又は化合物を添加した後、細胞を37℃で15分間培養した。陽性対照であるOMDM−2及びUCM707は各測定で10μΜの濃度で使用した。ETI−T化合物は100pMから100μΜの範囲で三連で最大7点の濃度を測定した。前培養後、0.5nMの[エタノールアミン−1−H]−AEAと99.5nMの非放射性AEA(終濃度100nM)の混合液を添加し、サンプルを37℃でさらに15分間培養した。0.25%BSA含有PBSで前浸潤したUniFilter−96 GF/C filters(パーキンエンルマー)上で急速濾過をして反応を停止した。氷冷した1%の脂肪酸非含有BSAを含むPBS緩衝液100μLで細胞を三回洗浄した。乾燥後、ウェルに45μLのMicroScint 20シンチレーションカクテル(パーキンエンルマー、ウォルサム、マサチューセッツ、アメリカ合衆国)を添加し、プレートを密閉した。放射能はPerkinElmer Wallac Trilux MicroBeta 1450の液体シンチレーション測定で2分間測定した。[H]AEA(100nM)のガラスバイアルへの非特異的吸着は10%以下であった。IC50値は、GraphPad(商標登録)を用いて、組み込まれているLog(阻害剤)対応答の変数曲線(4パラメータ)機能を使って非線形回帰で算出した。
【0247】
FAAH活性
FAAHによる[H]−AEAの加水分解は前述したU937細胞破砕液中で測定した (0.18mgタンパク質)(Omeirら,1999,Biochem Biophys Res Commun,264,316−20;Morら,2004,J Med Chem,47,4998−5008)。AEA細胞取り込み測定で使用するIC50値を最良の状態で比較できるように、細胞破砕液中のタンパク質の量を0.5x10cells(U937)に対応させた。URB597を陽性対照として使用した。タンパク質の数量化はBCA検定(サーモサイエンティフィック)を用いて行った。溶媒のみ又は化合物のDMSO溶液10μLを、細胞破砕液490μL(10mMトリス塩酸、1mM EDTA、0.1%(w/v)脂肪酸非含BSA、pH=8)へ添加し、そして37℃で15分間培養することで、酵素活性を測定した。終濃度が100nMのAEAと[エタノールアミン−1−H]−AEA(0.5nM)の混合物を細胞破砕液へ添加し、37℃で15分間培養した。氷冷したCHCl:MeOH(1:1)の組成の溶液を添加し、次いで激しく混合して、反応を停止させた。10000×g、4℃で10分間遠心分離をして相分離を行った。[H−エタノールアミン]又は[H−グリセロール]を含んでいる分離した水相(上相)の放射能は、3.5mLのUltima Goldシンチレーションカクテル(パーキンエルマー ライフサイエンス)を添加後、Tri−Carb 2100 TR液体シンチレーション分析機の液体シンチレーション測定によって測定した。結果はコントロール処理した溶媒存在下でのトリチウム基質の加水分解として表される。IC50値はGraphPad(商標登録)を用いて算出した。データは独立して3回行った実験のN=3平均値として報告する。
【0248】
放射性リガンドCB受容体結合
ETI−T化合物のhCB1又はhCB2受容体への結合特性は以前に報告された[H]−CP55,940置換検定によって測定した(Gertschら,2008,Proc Natl Acad Sci 105,9099−104)。WIN55,212−2を陽性対照として使用した。端的に述べると、20μgのタンパク量のCHO−K1 hCB又はhCB膜調製溶液を氷上で融解し、シリカ化ガラスバイアル中で終容量が500μLとなるように結合用緩衝液(50mM Tris−HCl、2.5mM EDTA、5mM MgCl、0.5%脂肪酸非含有BSA、pH7.4)に再懸濁した。[H]−CP55,940(168 Ci/mmol)(パーキンエンルマー、ウォルサム、マサチューセッツ、アメリカ合衆国)を終濃度が0.5nMとなるように添加し、続いて競合物又は溶媒のみのDMSO溶液を5μL添加した。膜結合は室温(25℃)で2時間平衡化した。サンプルは0.1%ポリエチレンイミンで前浸潤したUniFilter(商標登録)−96 GF/B プレート(パーキンエンルマー)を通して濾過し、氷冷した167μLの検定用緩衝液で12回洗浄した。そのプレートを乾燥し、底を密閉し、45μLMicroScint 20シンチレーションカクテル(パーキンエンルマー)を添加した後、PerkinElmer 1450 Microbeta TRILUX 液体シンチレーション測定機で測定した。非特異的結合は10μΜのWIN55,212−2から決定し、全ての値から減算した。IC50値。
【0249】
一般的な合成
本発明の化合物はスキーム1又はスキーム2に記載した経路の一つに従って生成してもよい。出発物質は購入しても文献の手順で生成してもよい。
【化79】

【0250】
スキーム1:a)溶媒、任意の塩基;b)R−CH=O、ピペリジン、EtOH、18h又は2当量NaOH、AcOH、60−110°C、3−24h(以下に類似するJ.Med.Chem.;20W;53(10),4198又はJ.Med.Chem.;200S;51,1242)、RはH、メチル又はエチルであり、かつLGはCl又はBrのような脱離基である。
【化80】
【0251】
スキーム2:a)溶媒、塩基;b)R−CH=O、ピペリジン、EtOH、18h又は2当量NaOH、AcOH、60−110°C、3−24h(以下に類似するJ.Med.Chem.;200;53(10)、4198orJ.Med.Chem.;200S;51,1242)。


表1 AEA取り込み阻害
【表5】


















表2 更なる化合物のAEA取り込み阻害
【表6】
表3 更なる化合物のFAAH阻害
【表7】
表4 更なる化合物のCB1受容体結合
【表8】
表5 更なる化合物のAEA取り込み阻害
【表9】
表6 更なる化合物のFAAH阻害
【表10】

表7 更なる化合物のCB1受容体結合
【表11】


表8 更なる化合物のAEA取り込み阻害
【表12】


表9及び表10 更なる化合物のFAAH阻害とCB1受容体結合
【表13】
【表14】


表11 更なる化合物のAEA取り込み阻害、FAAH阻害、CB1受容体結合
【表15】