(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記顔料、分散剤、分散樹脂及び溶剤がそれぞれ顔料分散体に占める重量パーセンテージは順に5〜30%、1%〜10%、1%〜10%、60〜90%であることを特徴とする、請求項6に記載の着色剤。
着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー及び開始剤がこれらの総量に占める重量パーセンテージは順に10〜80%、5〜60%、5〜60%、0.1〜20%であることを特徴とする、請求項11に記載の感光性樹脂組成物。
着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー及び開始剤がこれらの総量に占める重量パーセンテージは順に30〜60%、10〜30%、10〜30%、1〜10%であることを特徴とする、請求項12に記載の感光性樹脂組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、安定性、発光性及び透光性がいずれも優れた改質量子ドット及びその製造方法、前記改質量子ドットを含む着色剤、感光性樹脂組成物、カラーフィルタと表示装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術案を用いる。
【0006】
一つの局面において、本発明は以下に示す構造概念図のような構造を備える改質量子ドットを提供し、
【化1】
前記改質量子ドットは量子ドットで構成されるコアと、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンで構成されるシェルと、を有し、
前記アミンにおける一部又は全てのアミノ基と酸性染料を造塩結合し、
Y
−は酸性染料のアニオンであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6はそれぞれ独立にH又はC
1〜C
6の炭化水素基である。
【0007】
好ましくは、前記量子ドットは赤色の光を発生させる量子ドットであり、前記酸性染料は赤色の酸性染料である。
【0008】
好ましくは、前記赤色の光を発生させる量子ドットはCdSeである。
【0009】
好ましくは、前記C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンはオレイルアミンである。
【0010】
別の局面において、本発明は、本発明に記載の改質量子ドットを含む着色剤を提供する。前記着色剤は本発明に記載の改質量子ドットと顔料とを混合してなるものであってよい。
【0011】
好ましくは、前記着色剤は改質量子ドットと、前記顔料、分散剤、分散樹脂及び溶剤を含む顔料分散体とを混合してなる。
【0012】
前記顔料、分散剤、分散樹脂及び溶剤がそれぞれ顔料分散体に占める重量パーセンテージは5〜30%、1%〜10%、1%〜10%、60〜90%である。
【0013】
好ましくは、前記改質量子ドットにおける量子ドットは赤色の光を発生させる量子ドットであり、前記酸性染料は赤色の酸性染料であり、且つ前記顔料は赤色顔料である。
【0014】
好ましくは、前記赤色の光を発生させる量子ドットはCdSeである。
【0015】
さらに別の局面において、本発明は、本発明に記載の着色剤を含む感光性樹脂組成物を提供する。前記感光性樹脂組成物は本発明が提供する着色剤及びアルカリ可溶性樹脂、モノマー、開始剤、溶剤を混合してなるものであってよい。
【0016】
好ましくは、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー及び開始剤の総和が前記感光性樹脂組成物に占める重量パーセンテージは10〜40%であり、溶剤が前記感光性樹脂組成物に占める重量パーセンテージは60〜90%である。
【0017】
好ましくは、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー及び開始剤がこれらの総重量に占める重量パーセンテージはそれぞれ10〜80%、5〜60%、5〜60%、1〜10%である。
【0018】
さらに好ましくは、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー及び開始剤がこれらの総重量に占める重量パーセンテージはそれぞれ30〜60%、10〜30%、10〜30%、1〜10%である。
【0019】
さらに別の局面において、本発明は、本発明が提供する感光性樹脂組成物で製造されるカラーフィルタを提供する。
【0020】
さらに別の局面において、本発明は、本発明に記載のカラーフィルタが設けられたカラー膜基板を有する表示装置を提供する。
【0021】
さらに別の局面において、本発明は上記のような改質量子ドットの製造方法を提供し、当該改質量子ドットの製造方法は、
C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンを結合した量子ドットを製造し、
オニウム塩化試薬を用いて前記量子ドットをオニウム塩化して、アンモニウム塩基を含む量子ドットを形成し、
前記アンモニウム塩基を含む量子ドットを酸性染料と反応させて造塩し、前記改質量子ドットを得る、ことを含む。
【0022】
好ましくは、アンモニウム塩基を含む量子ドットのアミン値は10〜200mgKOH/gである。
【0023】
さらに好ましくは、アンモニウム塩基を含む量子ドットのアミン値は20〜130mgKOH/gである。
【0024】
本発明に記載の改質量子ドットは、量子ドットで構成されるコアと、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンで構成されるシェルとを有し、C
6〜C
22の炭化水素基を含むことにより、有機溶剤における量子ドットの分散性を増し、量子ドットのコアシェル構造を安定させており、量子ドットの堆積を防止し、量子ドットの量子収率を高める。その一方で、アミノ基が酸性染料と造塩結合可能であって、量子ドットと染料を結合させることで、量子ドットの分散性をさらに高め、コントラストなどの色彩品質を向上させるのに有利である。さらに、酸性染料と、アミン基を含む量子ドットとが造塩されることにより、本来、熱安定性や光安定性が低い酸性染料がより大きな分子になってより好ましい安定性を取得し、染料の分解を回避している。このほか、酸性染料の透光性が強いことに加え、量子ドット自体には発光特性があるため、量子ドットと結合した酸性染料と、顔料とを混合して着色剤とする時に、顔料自体は透光性が強くないという状況を改善しており、着色剤全体の分散性及び光学特性を向上させ、さらには表示装置のコントラストなどを向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下では、図面を組み合わせて、本発明の実施形態について詳しく説明する。説明する実施形態は説明を目的としたものに過ぎず、本発明を限定する役割は果たさない。
【0027】
本発明は、以下に示す構造概念図のような構造を備える改質量子ドットを提供し、
【化2】
前記改質量子ドットは量子ドットで構成されるコアと、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンで構成されるシェルと、を有し、
前記アミンにおける一部又は全てのアミノ基と酸性染料を造塩結合し、
Y
−は酸性染料のアニオンであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6はそれぞれ独立にH又はC
1〜C
6の炭化水素基である。
【0028】
前記C
6〜C
22炭化水素基は直鎖又は分岐鎖の脂肪炭化水素基であることが好ましい。前記R
1〜R
6は同時にHであってよく、又は同時にC
1〜C
6の炭化水素基であってよい。前記C
1〜C
6の炭化水素基は置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のアルケニル基であってよく、置換基はアルキル基又はハロゲンであってよい。前記C
1〜C
6の炭化水素基は直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基であってよく、例えば、メチル基、ビニル基、イソプロピル基、アリル基(allyl)、ブチル基などである。
【0029】
説明の都合上、上記概念図には量子ドットの上半部の横断面の構造のみを示し、このうち、中心の半円部分は量子ドットで構成されるコアを表し、外側の半円部分はC
6〜C
22炭化水素基を含むアミンで構成されるシェルを表す。C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンは量子ドットで構成されるコアを覆うことが見て取れる。構造図にはC
6〜C
22炭化水素基を含むアミンを4つしか示していないが、各改質量子ドットにおけるアミンの数はこれに限らない。
【0030】
C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンが量子ドットの表面に付着しており、両者の結合は非共有結合であると理解でき、つまり、ファンデルワールス力であると推測できる。
【0031】
アミノ基と酸性染料を造塩結合させるために、オニウム塩化試薬によりアミノ基をアンモニウムイオンに転換させてから、さらに酸性染料と造塩結合させることが好ましい。よって、本発明の実施形態の改質量子ドットは造塩物と称することができ、又は改質量子ドットと酸性染料が結合してなる複合物と言える。
【0032】
本発明の実施形態は、量子ドットで構成されるコアと、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンで構成されるシェルとを有する改質量子ドットを提供し、C
6〜C
22炭化水素基を含む構造により、有機溶剤における量子ドットの分散性を増し、量子ドットのコアシェル構造を安定させており、量子ドットの堆積を防止し、量子ドットの量子収率を高める。その一方で、アミノ基が酸性染料と造塩結合可能であって、量子ドットと染料を結合させることで、量子ドットの分散性をさらに高め、コントラストなどの色彩品質を向上させるのに有利である。さらに、酸性染料と、炭化水素基を含む量子ドットとが造塩されることにより、本来、熱安定性や光安定性が低い酸性染料がより大きな分子になってより好ましい安定性を取得し、染料の分解を回避している。このほか、酸性染料の透光性が強いことに加え、量子ドット自体には発光特性があるため、量子ドットと結合した酸性染料と、顔料とを混合して着色剤とする時に、顔料自体は透光性が強くないという状況を改善しており、着色剤全体の分散性及び光学特性を向上させ、さらには表示装置のコントラストなどを向上させることができる。
【0033】
好ましくは、本発明の実施形態では、前記量子ドットは赤色の光を発生させる量子ドットであってよく、酸性染料は赤色の酸性染料であってよい。
【0034】
例えば、赤色の光を発生させる量子ドットはCdS、CdSe、CdTeのいずれかであってよく、好ましくは、CdSeであってよい。なぜなら、CdSe量子ドットは良好な光学特性及び安定性を持つからである。
【0035】
例えば、赤色の酸性染料はアゾ類、アントラキノン類、トリアリールメタン類(triaryl methane)、キサンテン類、フタロシアニン類酸性染料などであってよい。キサンテン類染料は例えばC.I.アシッドレッド52、C.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド289などであってよい。キサンテン類染料はスルホン酸基を含むため、酸性染料とアミノ基との造塩結合の促進に有利である。本発明は酸性染料について限定せず、本発明に適した他の酸性染料を使用することもできる。
【0036】
当然ながら、量子ドットは緑色の光を発生させる量子ドットであってもよく、酸性染料は緑色の酸性染料であってもよい。又は、量子ドットは青色の光を発生させる量子ドットであってもよく、酸性染料は青色の酸性染料であってもよい。言い換えれば、本発明の実施形態は赤色の光を発生させ、且つ赤色の染料とだけ造塩結合する量子ドットに限定されず、改質された、対応する染料と造塩結合する他の量子ドットも使用することができ、同様に、量子ドットの分散性を向上させて、染料の安定性を改善することができる。
【0037】
本発明の実施形態の1つでは、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンはヘキサデシルアミン、ドデシルアミン又はオクタデシルアミンであってよく、例えばオレイルアミン(Oil Amine)などである。C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンは量子ドットで構成されるコアを被覆するC
6〜C
22の炭化水素基を提供することもでき、量子ドットの粒子安定性を向上させることもできる。
【0038】
好ましくは、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンは、量子ドットの配向成長に有利で、さらには量子ドットのサイズを調整するのに有利であって、より優れたスペクトル特性を量子ドットに持たせる、オレフィン結合を含むオレイルアミンである。
【0039】
本発明のもう1つの実施形態では、着色剤をさらに提供し、当該着色剤は、シェルに含まれるアミンが酸性染料と造塩結合する、前記の改質量子ドットを含む。前記改質量子ドットと顔料を混合することで着色剤を製造する。改質量子ドットは分散性が高く、量子収率が高く、コントラストを向上させ、酸性染料の安定性を向上させるなどの特徴を有する。このほか、より重要なのは、酸性染料の透光性が優れることに加え、量子ドット自体には発光特性があるため、量子ドットと結合した酸性染料と、顔料とを混合して着色剤とする時に、顔料自体は透光性が強くないという状況を改善しており、着色剤全体の分散性及び光学特性を向上させ、さらには表示装置のコントラストなどを向上させることができるという点である。
【0040】
顔料の色彩選択は量子ドットの発光色彩と酸性染料の色彩に合致させるべきであり、例えば、量子ドットと酸性顔料がいずれも赤色である場合、赤色顔料を使用する。この原則は青色又は緑色の場合にも同様に適用される。
【0041】
選択可能な顔料の種類にはジケトピロロピロール系及び/又はアントラキノン系及び/又はモノアゾ系又はジスアゾ系顔料を含む。
【0042】
例えば、具体的なジケトピロロピロール系の赤色顔料はC.I.Pigment Red254、255などであってよく、アントラキノン系の赤色顔料はC.I.Pigment Red177であってよく、モノアゾ系又はジスアゾ系顔料はC.I.Pigment Red166、220、242及びC.I.Pigment Orange38であってよい。このほか、色彩の表示効果の調和を図るために、赤色顔料を応用する時に、例えばC.I.Pigment Yellow150などの適切な黄色顔料を混入することもできる。
【0043】
本発明の実施形態では、着色剤における顔料と改質量子ドット(造塩物)の割合は100:1〜1:100であってよく、好ましくは、100:40〜40:100であってよく、具体的に言えば、例えば100:45、100:50、100:60、100:70、100:80、100:90、100:100、90:100、80:100、70:100、60:100、50:100、40:100であってよい。この配合割合で混合して得た着色剤はより良好な着色特性を持つ。
【0044】
好ましくは、顔料は顔料分散体の形態で存在してもよい。好ましくは、顔料が顔料分散体に占める重量パーセンテージは5〜30%であってよく、好ましくは10〜20%である。
【0045】
前記顔料分散体は分散剤を含んでよい。この分散剤は顔料分散に用いられ、顔料の分散度を向上させるのに有利である。前記分散剤はBYK、Solsperse、EFKA、味の素などの市販品の顔料湿潤分散剤であってよく、本願はこれについて限定しない。
【0046】
選択可能な分散剤は樹脂型分散剤であってよく、例えばEFKA4300である。顔料分散体における分散剤の含有量は重量パーセンテージで1%〜10%であってよく、例えば1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%である。この含有量の分散剤は顔料を均一に分散させるのに有利であり、その特性を維持するに足る顔料含有量を確保できる。
【0047】
顔料分散体は上記分散剤以外に、分散樹脂及び/又は溶剤を含んでもよい。
【0048】
選択可能な分散樹脂はアクリル樹脂であってよく、例えばACAZ251である。顔料分散体における分散樹脂の含有量は重量パーセンテージで1%〜10%であってよく、例えば1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%である。この含有量の分散樹脂は顔料を均一に分散させるのに有利であり、その特性を維持するに足る顔料含有量を確保できる。
【0049】
顔料分散体における溶剤の含有量は重量パーセンテージで一般に60〜90%であり、好ましくは70〜80%である。例えば、60%、65%、70%、75%、80%などである。溶剤はイソプロパノール、エタノールなどのアルコール類、3−エトキシプロピオン酸エチル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのエステル類、シクロヘキサノンなどのケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類であってよい。これらの溶剤は単独又は2種類以上を混合して使用してもよい。
【0050】
改質量子ドットにおける量子ドットは赤色の光を発生させる量子ドット、青色の光を発生させる量子ドット、又は緑色の光を発生させる量子ドットであってよい。好ましくは、改質量子ドットにおける量子ドットは赤色の光を発生させる量子ドットであり、酸性染料は赤色の酸性染料であり、且つ顔料は赤色顔料である。さらに、赤色の光を発生させる量子ドットはCdSeである。これにより、より良い赤色着色強度を着色剤に持たせ、より高い赤色純度を得られる。
【0051】
本発明のさらに別の実施形態は、本発明の上記着色剤を含む感光性樹脂組成物を提供する。前記感光性樹脂組成物は前記着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー、開始剤と溶剤を混合してなってよい。
【0052】
アルカリ可溶性樹脂に関しては、(メタ)アクリル酸系樹脂から選択でき、好ましくは(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリレート及びその他の二重結合を含む化合物との共重合体である。詳しくは、例えば新日鐵化学(株)製、商品名V259ME及びV301MEの樹脂製品である。
【0053】
モノマーに関しては、重合性モノマーであってよく、好ましくはアクリル酸エステル類モノマーであってよく、例えばペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどである。
【0054】
開始剤に関しては、光重合開始剤であってよく、好ましくはビイミダゾール系化合物、ベンゾイン系化合物、多核キノン系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、アセトフェノン系化合物、トリアジン系化合物、ジアゾ系化合物、キサントン系化合物、オキシムエステル系化合物、ヨウ素オニウム塩、イオウオニウム塩などの1種類又は数種類の組み合わせであってよい。
【0055】
溶剤に関しては、感光性樹脂組成物の上記成分又は他の添加剤成分を分散又は溶解でき、且つこれらの成分と反応せず、適切な揮発性を持つ溶剤であればよい。これらの溶剤はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチルなどが挙げられ、これらの溶剤は単独又は2種類以上を混合して使用してもよい。
【0056】
本発明のカラーフィルタ用感光性樹脂組成物は、上記着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー、開始剤、溶剤などの成分以外に、必要に応じて他の添加剤を含んでもよく、例えばノニオン系、カチオン系、アニオン系界面活性剤などの界面活性剤、ビニルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシランなどの密着促進剤、2,6−ジ−tert−ブチルフェノールなどの酸化防止剤などを含んでもよい。
【0057】
本発明の好ましい実施形態の1つでは、感光性樹脂組成物における各成分含有量を提供し、具体的にはそれぞれ以下の通りである。
【0058】
着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー及び開始剤を有効成分と総称してもよく、つまり、前記感光性樹脂組成物は有効成分と溶剤とからなる。好ましくは、前記有効成分が前記感光性樹脂組成物に占める重量パーセンテージは10〜40%であり、例えば10%、20%、30%、40%であって、溶剤が前記感光性樹脂組成物に占める重量パーセンテージは60〜90%であり、例えば60%、70%、80%、90%である。実際の混合過程において、一部の有効成分(例えば着色剤における顔料)はまず溶剤で溶解してから、他の成分に混合するのが好ましいと思われるが、この時、前記有効成分の含有量は有効成分自体の重量で算出される。
【0059】
さらに好ましくは、着色剤、アルカリ可溶性樹脂、モノマー、開始剤がこれらの総量に占める重量パーセンテージは順に10〜80%、5〜60%、5〜60%、0.1〜20%である。さらに好ましくは、これらの有効成分がこれらの総量に占める重量パーセンテージは30〜60%、10〜30%、10〜30%、1〜10%である。例えば、着色剤がこれらの総量に占める重量パーセンテージは10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%であってよく、アルカリ可溶性樹脂がこれらの総量に占める重量パーセンテージは5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%であってよく、モノマーがこれらの総量に占める重量パーセンテージは5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%であってよく、開始剤がこれらの総量に占める重量パーセンテージは0.1%、1%、5%、10%、15%、20%であってよい。
【0060】
本発明の好ましい実施形態が提供する配合比では、各成分に相乗作用を生じさせ、この感光性樹脂組成物を塗布することで製造されたカラーフィルタに、より高い輝度又はコントラストなどの性質を持たせるのに有利である。
【0061】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明が提供する感光性樹脂組成物で製造されるカラーフィルタを提供する。従来技術を用いて本発明の感光性樹脂組成物でカラーフィルタを製造することができ、本発明はこれについて限定しない。
【0062】
本発明の実施形態が提供するカラーフィルタは、上記感光性樹脂組成物に対して塗布、露光、現像、ポストベーク処理を経て得たものである。感光性樹脂組成物における着色剤の量子収率は高く、安定性及び透光性がいずれも改善されるため、形成されたカラーフィルタは優れた耐熱性及び耐光性を持つとともに透過率が高い。
【0063】
本発明のさらに別の実施形態は、本発明に記載のカラーフィルタが設けられたカラー膜基板を含む表示装置をさらに提供する。この表示装置は耐熱性及び耐光性がともに優れたフィルタを用いるため、コントラストが高く、寿命が長いという利点がある。
【0064】
本発明のさらに別の実施形態は、改質量子ドットの製造方法を提供し、具体的なステップは以下の通りである。
S1、量子ドットで構成されるコアと、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンで構成されるシェルと、を有し、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンを結合した量子ドットを製造し、
S2、オニウム塩化試薬を用いて、量子ドットに結合したアミンをオニウム塩化し、アンモニウム塩基を含む量子ドットを形成し、
S3、アンモニウム塩基を含む量子ドットを酸性染料と造塩結合させ、改質量子ドットを得る。
【0065】
図1は本発明の実施形態による改質量子ドットの製造方法を示すフロー図である。ステップS1では、各種方法を用いて、アミノ基を含む炭化水素が結合された量子ドットを製造することができる。例えば、量子ドット自体を製造する過程において、多くの前駆配位子が用いられ、量子ドットを合成した後、一部の前駆配位子が量子ドットを被覆し、これらの前駆配位子はC
6〜C
22炭化水素基を含むアミンであってよく、量子ドットとともに上記のコアシェル構造を構成する。当然ながら、本発明ではこれについて限定せず、その他の方式を用いて、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンを量子ドットに結合させることもできる。下記の構造式は、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンが結合された量子ドットを模式的に表したものである。
【化3】
【0066】
ステップS2において、アミノ基を含む量子ドットを合成した後、オニウム塩化試薬を加えてオニウム塩化反応を行い、アンモニウムイオンを有する量子ドットを形成する。使用されるオニウム塩化試薬は、任意選択で、硫酸アルキルエステルであってよく、例えば、ジメチルスルファト、ジエチルスルファト、ジプロピルスルファトであり、アルキルスルホネートであってもよく、例えば、p−安息香酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチルであり、塩化アルキルであってもよく、例えば、塩化メチル、塩化エチルであり、アルコキシカルボニルアルキルハロゲン化物を使用してもよく、例えば、アルコキシカルボニルアルキル塩化物、アルコキシカルボニルアルキル臭化物などである。
【0067】
アルコキシカルボニルアルキル塩化物を例として説明すると、下記の構造式は、このオニウム塩化試薬を用いて、アミノ基を含む量子ドットを処理してから、アンモニウムイオンを有する量子ドットを得ることを示す。
【化4】
【0068】
オニウム塩化の過程においては、オニウム塩化試薬とアミノ基のモル比が等しいことが好ましく、アミノ基を含む量子ドットの溶液に、アミノ基とモル比が等しいオニウム塩化試薬を滴下することで行われる。
【0069】
オニウム塩化の過程において、好ましくは、反応温度を25〜35℃に制御し、好ましくは、30℃である。反応時間は1〜4時間が好ましい。
【0070】
得られたアンモニウムイオンを有する量子ドットのアミン値は10〜200mgKOH/gであってよく、例えば10〜190mgKOH/g、15〜180mgKOH/g、20〜180mgKOH/g、20〜160mgKOH/gであってよく、さらに好ましくは20〜130mgKOH/gであってよく、具体的には、例えば20mgKOH/g、60mgKOH/g、80mgKOH/g、100mgKOH/g、130mgKOH/gなどである。アミン値がこの範囲内にある場合、量子ドットのコアに相当な量のアンモニウムイオンが被覆され、適量の酸性染料のアニオン基と作用することができ、有機溶液における量子ドットの分散性をさらに高める。
【0071】
ステップS3において、アンモニウムイオンを有する量子ドットを溶解しておき、これを酸性染料に混合し、量子ドットのアンモニウムイオンと酸性染料のアニオン性基をイオン結合し、造塩物を生成することができる。
【0072】
通常は、アンモニウムイオンを有する量子ドットを、水と水溶性有機溶剤の混合溶剤に溶解する。好ましくは、混合溶液において、水溶性有機溶剤が水溶液の総重量に占めるパーセンテージは5〜50%であって、さらに好ましくは、水溶液に占める重量パーセンテージは5〜20%であって、例えば8%、10%、11%、15%、20%である。
【0073】
このうち、水溶性有機溶剤は、例えばメタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコール、グリセリン、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、アセトン、ジアセトンアルコール、アニリン、ピリジン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、2−ピロリドン、2−メチルピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,2−ヘキサンジオール、2,4,6−ヘキサントリオール、テトラフルフリルアルコール、4−メトキシ−4−メチルペンタノンなどであってよい。
【0074】
混合溶液において、量子ドットのアンモニウムイオンと染料のアニオン基をイオン結合して造塩物を形成し、得られた産物を分離して改質量子ドットを得る。
【0075】
本発明に記載の方法は、C
6〜C
22炭化水素基を含むアミンを量子ドットのコアに結合し、さらにオニウム塩化することで、アンモニウムイオンを有する量子ドットを得てから、アンモニウムイオンを有する量子ドットと酸性染料を水溶性有機溶剤に混合することで、改質された量子ドットを得るものであり、前記改質量子ドットの分散性は良好で、量子収率が高く、安定性が優れる。
【0076】
以下では、具体的な実施例を組み合わせて本発明について詳細に説明する。以下の実施例では、別途説明のない限り、使用する試薬はすべてダウケミカル製である。なお、pbwは重量部を表す(以下同じ)。
【0077】
[改質量子ドットの合成実施例]
[実施例a]
まず、以下のステップでアミノ基を含む量子ドットを合成する。
(1)CdOを0.177g、オレイン酸を1g、オクタデセンを2g秤量して、洗浄し乾燥させた3つ口フラスコに入れて、適切な大きさの磁子を加える。
(2)マグネットスターラが設けられた3つ口フラスコに窒素を注入してから、撹拌しつつ280℃まで昇温させ(250℃の時に、加えた原料が溶解し始める)、原料の溶融物が無色透明になるまで加熱する。
(3)50℃以下まで降温し、オクタデセンを8g加え、窒素の通気口を、真ん中の口に接続された凝縮パイプに切り換える。
(4)引き続き昇温し、温度が280℃に達したとき、予め混合しておいたSe 0.2607g、トリオクチルホスフィン(TOP)3g、オレイルアミン0.5gの混合溶液を針管で吸い上げ、吸い上げ前に窒素を2回吸入して空気を取り除き、必要があれば、適宜加熱して溶液が無色透明になるまでSeを溶解させ、さらに速やかに3つ口フラスコに注入し、反応10min後に溶液を抽出する。
【0078】
上記の、アミノ基を含む量子ドットを合成する方法の他に、下記の方法を採用することもできる。
(1)CdO粉末を1.284g(10mmol)秤量して三角フラスコに入れ、オレイン酸7.6mLと流動パラフィン17.4mLを加え、ゆるやかに150℃まで加熱し、暗赤色の前駆透明液体が形成されるまで維持する。
(2)Se粉末を0.079g(1.0mmol)秤量して4つ口フラスコに入れ、流動パラフィンを43mL加え、ゆるやかに220℃まで加熱し、鮮やかな黄色の前駆透明液体が形成するまで維持する。
(3)Cd前駆体溶液を5mL抽出し、速やかにSe前駆体溶液に注入し、オレイルアミンを2mL加えて高速攪拌する。溶液は急激にオレンジ色に変わる。
(4)温度を220℃に維持して量子ドットを徐々に成長させる。異なるタイミングで量子ドット溶液を2mL取り、冷トルエン3mLに加えることで、量子ドットの成長を阻止する。
【0079】
上記のいずれかの方法によってアミノ基を含む量子ドットを合成した後、このアミノ基を含む量子ドットと、オニウム塩化試薬を反応させて、アンモニウムイオンを有する量子ドットを生成する。ステップは以下の通りである。
【0080】
アミノ基を含むCdSe量子ドットとメチルクロロをオニウム塩化して、アンモニウムイオンを有するCdSe量子ドットを生成し(構造式は以下の通り)、反応温度を30℃程度に制御し、反応時間は1〜4時間である。
【0081】
得られたアンモニウムイオンを有する量子ドットのアミン値は34mgKOH/gであり、前記アミン値は、重量パーセンテージが5%のクロム酸カリウム水溶液を指示薬とし、0.1mol/Lの硝酸銀水溶液滴定により、アンモニウム塩を中和するために必要な硝酸銀の量を求めてからKOHの当量に換算して得た値である。
【化5】
【0082】
最後に、アンモニウムイオンを含む量子ドットと、酸性染料を反応させて最終的な改質量子ドットを得る。即ち、
重量パーセンテージが20%の酢酸溶液2000部に、上記アンモニウムイオンを有するCdSe量子ドットを65部加え、充分に攪拌混合した後、60℃まで加熱する。その後、予め調製されたC.I.アシッドレッド52の水溶液(10部のC.I.アシッドレッド52を90部の水に溶解する)を少量ずつ複数回に分けて上記量子ドット溶液に滴下する。滴下後に、60℃で120分間を攪拌し、十分に反応させる。反応液を濾紙に滴下し、浸透消失した時点を反応の終点とし、これにより、改質量子ドットを得たと判定できる。攪拌しながら室温まで放冷した後、吸引濾過して水洗し、その後、濾紙に残った改質量子ドットを乾燥機で乾燥して水分を除去し、改質量子ドットaを得る。
【0083】
以下では、この改質量子ドットの赤色光スペクトルを検証するために、改質量子ドットの紫外可視吸収スペクトルの試験を行う。
【0084】
注射器で少量の改質量子ドットの溶液を抽出して、n−ヘキサンに分散させる。その後、分光光度計でその吸収スペクトルを測定する。
(1)まず、分光光度計を20分間予熱した後、試験ソフトで予備測定する。
(2)その後、2つのキュベットにn−ヘキサンを入れ、分光光度計に載置し、リミット検知を行う。試験スペクトルを380nm〜780nmに設置してから、測定する。
(3)測定終了後に、n−ヘキサンを入れたキュベットを改質量子ドット溶液を入れたキュベットに置き換え、試験を行う。試験終了後、試験結果を保存する。
【0085】
図2は改質量子ドットの吸収スペクトルの図である。
図2から、紫外波長域における量子ドットの吸収は強いものの、赤外波長域においてはほとんど吸収されないことが明確に見て取れ、改質量子ドットが赤色光を発光することを表す。
【0086】
さらに、フォトルミネセンス試験を行い、改質量子ドットが赤色光を発光することを再度検証する。
(1)好ましくは、暗室の条件において、濃度が約0.01mg/mlの改質量子ドット溶液をキュベットに入れてから、このキュベットを機器に載置する。
(2)ソフトの試験スペクトルを380nm〜780nmに設置してから、試験を行い、結果を保存する。
【0087】
図3は改質量子ドットのフォトルミネセンスのスペクトルを示す。
図3から、フォトルミネセンススペクトルの発光ピークは約570nmであり、発光ピークの幅が狭いことが明確に見て取れ、量子ドットが赤色光を発光し、且つ良好なフォトルミネセンス現象を備えることを表す。
【0088】
[実施例b]
具体的な合成方法及び合成ステップは実施例aと同一であり、相違点はオレイルアミンをドデシルアミンに置き換え、改質量子ドットbを得るという点である。
【0089】
[実施例c]
具体的な合成方法及び合成ステップは実施例aと同一であり、相違点はC.I.アシッドレッド52をC.I.アシッドレッド92に置き換え、改質量子ドットcを得るという点である。
【0090】
[カラーフィルタの製造実施例]
1)顔料分散体の製造
表1に示す成分と用量に基づき、以下の方法を用いて顔料分散体PM−1〜PM−6をそれぞれ製造する。
【0091】
表1に示す顔料、分散剤、分散樹脂、溶剤を均一に攪拌混合し、直径が0.5mmのジルコニアビーズを用いて粉砕機(Willy A. Bachofen AG Maschinenfabrik製 DYNO−MILL RESEARCH LAB)で5時間分散した後、5.0μmのフィルターで濾過し、顔料分散体を製造する。
【0093】
2)感光性樹脂組成物の製造
実施例a、b、cで製造された改質量子ドットと上記で製造された顔料分散体を用いて、実施例1〜6の感光性樹脂組成物を製造する。
【0094】
実施例1〜6
表2に示す着色剤、アルカリ可溶性樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤、溶剤を混合して、感光性樹脂組成物を得る。このうち、アルカリ可溶性樹脂B1は新日鐵化学(株)製で、商品名V259MEとV301MEとの重量比が52.9:47.1の混合物であり、重合性モノマーは台湾長興化学製、光重合開始剤はBASF製、溶剤はダウケミカル製である。
【0096】
比較例1〜2
表3に示す着色剤、アルカリ可溶性樹脂、重合性モノマー、光重合開始剤、溶剤を混合して、感光性樹脂組成物を得る。このうち、アルカリ可溶性樹脂B1は新日鐵化学(株)製で、商品名V259MEとV301MEとの重量比が52.9:47.1の混合物であり、重合性モノマーは台湾長興化学製、光重合開始剤はBASF製、溶剤はダウケミカル製である。
【0098】
3)フィルタの製造
上記実施例と比較例において得た感光性樹脂組成物を10cm×10cmのガラス基板に塗布して約3μmの塗膜を得て、90℃で100sプリベークしてから、露光機(canon製 PLA−501F)を用いて50mj/cm
2照度の紫外線をこの塗膜に照射し、その後、23℃で0.042重量%のKOH水溶液に浸漬して2min現像してから純水で洗浄し、再び230℃で30minベークすることで、ガラス基板に感光性樹脂層を形成し、カラーフィルタを得る。
【0099】
得られたカラーフィルタの品質は主に、感度、解像度、透過率、塗膜耐熱性などによって評価され、主な評価項目の試験過程及び評価基準は以下の通りであり、評価結果は表4に示す通りである。
1)感度
波長が365nm、強度が10mW/cm
2の紫外線を、最小精度が3μmのパターン膜に照射してから、0.042重量%のKOH水溶液を用いて23℃で40s現像し、その後純水で1min洗浄する。
2)解像度
上記感度測定時に形成されたパターン膜の最小サイズを測定する
3)透過率
透過率の評価は分光光度計を用いてパターン膜の400nmでの透過率を測定する。
4)塗膜耐熱性試験
透明基板にレジスト材料を塗布し、塗膜の乾燥膜厚を約2.5μmにし、所定のパターンを有するマスクを用いて紫外線露光を行ってから現像し、未硬化部分を除去し、所望のパターンを形成する。その後、オーブンにて230℃で20分間加熱し、冷却後、顕微色度測定機(LCF−100M、大塚電子株式会社製)を用いて、得られた色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を測定する。このほか、耐熱試験として、これをオーブンに置いて再度250℃で1時間加熱し、C光源下での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定する。
以下の式によって、測定された色差値で色差ΔEab*を算出し、以下の評価基準に沿って塗膜の耐熱性を評価する。
【数1】
【0100】
5)塗膜耐光性試験
塗膜耐熱性試験と同一の方法で試験用基板を製造し、顕微色度測定機(CFT−02)を用いて色度1(L*(1),a*(1),b*(1))を測定する。その後、基板を自然光下に500時間放置する。基板を取り出した後、C光源下での色度2(L*(2),a*(2),b*(2))を測定し、塗膜耐熱性試験と同様に色差ΔEab*を算出し、耐熱性と同一の基準に沿って塗膜の耐光性を評価する。
【0102】
上表の比較分析から分かるように、比較例1〜2において製造されたフィルタと比べ、本発明が提供する感光性樹脂組成物により得られたフィルタは現像後の感度、解像度、透過率及び耐熱性、耐光性が全体的に優れている。これは、本発明の実施例が提供するフィルタは安定性がよく、発光性が高く、透光性が優れていることを表す。
【0103】
上述の内容は、本発明の具体的な実施形態に過ぎず、本発明の請求範囲はこれに限定されるものではない。本分野について熟知している技術者が、本発明にて開示した技術範囲内において容易に想到できる変更又は置き換えは、すべて本発明の請求範囲内にあると見なすべきである。よって、本発明の請求範囲は請求項の請求範囲を基準とするべきである。