(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記マスクシステムには前額部支持体が設けられてなく、前記フレームが、前記一対の上側ストラップのそれぞれに連結するように適合された一対の上側ヘッドギアコネクタを具備する、請求項1から5の何れか一項に記載のマスクシステム。
前記一対の上側ヘッドギアコネクタのそれぞれが、前記フレームから患者の頬に沿って延在するように適合された細長いリジダイザーアームを備える、請求項6に記載のマスクシステム。
前記一対の上側ヘッドギアコネクタのそれぞれが、使用時に前記ヘッドギアの前記一対の上側ストラップのそれぞれを受け入れるように適合されたスロットまたは受け入れ穴を提供する、請求項6または7に記載のマスクシステム。
前記フレームが、前記一対の下側ストラップのそれぞれに連結するように適合された一対の下側ヘッドギアコネクタを具備する、請求項1から8の何れか一項に記載のマスクシステム。
前記マスクシステムが、一対の下側ヘッドギアコネクタをさらに備え、前記一対の下側ヘッドギアコネクタのそれぞれが、前記一対の下側ストラップのそれぞれと関連付けられ、かつ、前記フレームに連結するように適合される、請求項1から8の何れか一項に記載のマスクシステム。
前記鎌形または疑問符形が、基部、および、前記基部の外側へ向かって半径方向にオフセットされている上側部分を備える、請求項1から10の何れか一項に記載のマスクシステム。
前記封止装置の前記顔と接触しない側が、前記エルボーと連通するように適合された前記入口開口部を有する前壁を備え、前記前壁が、使用時に前記治療圧力になるように配置された内側表面と、使用時に周囲圧力になるように配置された外側表面とを含み、前記フレームが、前記前壁の前記外側表面に沿って配置された側壁を含み、前記側壁が、前記呼吸室の外になるようになっている、請求項1から11の何れか一項に記載のマスクシステム。
前記封止装置は、前記顔に接触する側と前記顔と接触しない側とが別々に形成して取り付けられた構成要素を備える共成形構造を備える、請求項1から12の何れか一項に記載のマスクシステム。
前記封止装置の前記鼻梁領域における前記封止フラップが、前記封止装置が患者の顔面から係脱した第1の構成において前記封止装置の前記上面から見たときに前記くぼみ形状つまり谷部を含んでいる、請求項1から14の何れか一項に記載のマスクシステム。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1-1】本発明の一例による鼻マスクシステムの斜視図である。
【
図1-2】フレーム、シリコーンクッション、エルボー、およびスイベルリングを示す
図1-1の鼻マスクシステムの分解斜視図である。
【
図1-3】
図1-1の鼻マスクシステムのクッションを示す斜視図である。
【
図1-5】本発明の一例によるクッションの斜視図である。
【
図1-9】
図1-8の線1-9--1-9を通る断面図である。
【
図1-10】
図1-8の線1-10--1-10を通る断面図である。
【
図1-11】
図1-8の線1-11--1-11を通る断面図である。
【
図1-12】
図1-8の線1-12--1-12を通る断面図である。
【
図2-1】本発明の別の例による鼻マスクシステムの斜視図である。
【
図2-2】フレーム、発泡体クッション、シリコーンクッション、エルボー、およびスイベルリングを示す
図2-1の鼻マスクシステムの分解斜視図である。
【
図2-3】
図2-1の鼻マスクシステムのフレームを示す斜視図である。
【
図2-4】
図2-1の鼻マスクシステムの発泡体クッション、シリコーンクッション、エルボー、およびスイベルリングを示す斜視図である。
【
図2-5】
図2-4の発泡体クッション、シリコーンクッション、エルボー、およびスイベルリングを示す断面図である。
【
図2-6】
図2-1の鼻マスクシステムのシリコーンクッションの断面図である。
【
図2-7】
図2-1の鼻マスクシステムのシリコーンクッションおよび発泡体クッションの断面図である。
【
図2-8】
図2-1の鼻マスクシステムのシリコーンクッションおよび発泡体クッションの側面図である。
【
図3-1】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-2】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-3】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-4】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-5】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-6】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-7】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-8】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-9】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-10】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-11】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-12】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-13】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-14】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-15】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-16】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-17】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-18】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-19】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-20】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-21】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-22】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-23】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-24】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-25】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-26】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-27】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-28】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-29】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-30】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-31】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-32】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-33】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-34】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-35】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-36】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-37】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-38】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-39】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-40】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-41】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-42】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-43】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-44】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-45】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-46】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-47】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-48】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-49】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-50】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-51】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-52】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-53】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-54】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-55】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-56】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-57】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-58】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-59】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-60】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-61】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-62】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-63】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-64】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-65】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-66】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-67】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-68】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-69】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-70】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-71】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-72】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-73】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-74】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-75】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-76】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-77】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-78】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図3-79】本発明の代替的例によるヘッドギアストラップ配置構成およびヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図4-1】本発明の代替的例によるエルボー/クッション連結配置構成の略図である。
【
図4-2】本発明の代替的例によるエルボー/クッション連結配置構成の略図である。
【
図4-3】本発明の代替的例によるエルボー/クッション連結配置構成の略図である。
【
図4-4】本発明の代替的例によるエルボー/クッション連結配置構成の略図である。
【
図4-5】本発明の代替的例によるスイベル/エルボー連結配置構成の略図である。
【
図4-6】本発明の代替的例によるスイベル/エルボー連結配置構成の略図である。
【
図4-7】本発明の代替的例によるスイベル/エルボー連結配置構成の略図である。
【
図4-8】本発明の代替的例によるスイベル/エルボー連結配置構成の略図である。
【
図4-9】本発明の代替的例によるスイベル/エルボー連結配置構成の略図である。
【
図5-1】本発明の代替的実施形態の等軸測視図である。
【
図5-2】本発明の代替的実施形態の等軸測視図である。
【
図5-3】本発明の代替的実施形態の正面図である。
【
図5-4】本発明の代替的実施形態の後面図である。
【
図5-5】使用時の本発明の代替的実施形態の図である。
【
図5-6】本発明の代替的実施形態の側面図である。
【
図6-1】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-2】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-3】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-4】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-5】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-6】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-7】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-8】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-9】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-10】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-11】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図6-12】本発明の代替的例によるヘッドギア連結配置構成の略図である。
【
図7-1】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図7-2】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図7-3】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図8-1】本発明の一実施形態によるフレーム用の下側ヘッドギアコネクタを示す図である。
【
図8-2】本発明の一実施形態によるフレーム用の下側ヘッドギアコネクタを示す図である。
【
図8-3】本発明の一実施形態によるフレーム用の下側ヘッドギアコネクタを示す図である。
【
図8-4】代替的実施形態による下側ヘッドギアコネクタを示す図である。
【
図8-5】代替的実施形態による下側ヘッドギアコネクタを示す図である。
【
図9-1】本発明の一実施形態による前額部支持体用の細長いアームを示す図である。
【
図9-2】本発明の別の実施形態による前額部支持体用の細長いアームを備えるマスクシステム示す図である。
【
図9-3】本発明の別の実施形態による前額部支持体用の細長いアームを備えるマスクシステム示す図である。
【
図9-4】本発明の別の実施形態による前額部支持体用の細長いアームを備えるマスクシステム示す図である。
【
図10-1】本発明の一実施形態による前額部支持体を示す図である。
【
図10-2】本発明の一実施形態による前額部支持体を示す図である。
【
図10-3】本発明の一実施形態による前額部支持体を示す図である。
【
図10-4】本発明の一実施形態による前額部支持体を示す図である。
【
図10-5】本発明の一実施形態による前額部支持体を示す図である。
【
図10-6】本発明の別の実施形態による前額部支持体を示す図である。
【
図11-1】本発明の一実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-2】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-3】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-4】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-5】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-6】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-7】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-8】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図11-9】本発明の別の実施形態によるクッションを示す図である。
【
図12-1】本発明の一実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-2】本発明の一実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-3】本発明の一実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-4】本発明の別の実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-5】本発明の別の実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-6】本発明の別の実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-7】本発明の別の実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-8】本発明の別の実施形態によるエルボーを示す図である。
【
図12-9】本発明の一実施形態によるエルボーの端面図である。
【
図13-1】本発明の一実施形態によるスイベル/ベントリングを示す図である。
【
図13-2】本発明の別の実施形態によるスイベル/ベントリングを示す図である。
【
図14-1】本発明の一実施形態によるヘッドギアを示す図である。
【
図14-2】本発明の一実施形態によるヘッドギアを示す図である。
【
図15-1】本発明の一実施形態によるフレーム/クッション係合部を示す図である。
【
図15-2】本発明の一実施形態によるフレーム/クッション係合部を示す図である。
【
図15-3】本発明の一実施形態によるフレーム/クッション係合部を示す図である。
【
図16-1】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図16-2】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図17-1】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図17-2】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図18-1】本発明の一実施形態によるヘッドギアルーティングを示す図である。
【
図18-2】本発明の一実施形態によるヘッドギアルーティングを示す図である。
【
図19-1】本発明の一実施形態によるヘッドギアルーティングを示す図である。
【
図19-2】本発明の一実施形態によるヘッドギアルーティングを示す図である。
【
図20-1】本発明の一実施形態による曲げられる、または柔軟な前額部支持体の順次的な上面図である。
【
図20-2】本発明の一実施形態による曲げられる、または柔軟な前額部支持体の順次的な斜視図である。
【
図21】本発明の一実施形態による柔軟な領域を含む前額部支持体を示す図である。
【
図22】本発明の一実施形態による柔軟な領域を含む前額部支持体を示す図である。
【
図23】本発明の一実施形態による柔軟な領域を含む前額部支持体を示す図である。
【
図24】クロスバーのそれぞれの側が本発明の一実施形態による弾力性のあるスプリングアームを備える前額部支持体を示す図である。
【
図25】本発明の一実施形態による軟らかい発泡体材料で製作された前額部パッドを備える前額部支持体を示す図である。
【
図26】本発明の一実施形態による軟らかい発泡体材料で製作された前額部パッドを備える前額部支持体を示す図である。
【
図27】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のフレームを示す図である。
【
図28】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のフレームを示す図である。
【
図29】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のフレームを示す図である。
【
図30】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のフレームを示す図である。
【
図31】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のフレームを示す図である。
【
図32】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のフレームを示す図である。
【
図33】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のクッションを示す図である。
【
図34】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のクッションを示す図である。
【
図35】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のクッションを示す図である。
【
図36】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のクッションを示す図である。
【
図37】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のクッションを示す図である。
【
図38】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のクッションを示す図である。
【
図39】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のクッションを示す図である。
【
図40】本発明の一実施形態により互いに組み付けられた
図33から39のクッションおよび
図27から32のフレームを示す図である。
【
図41】本発明の一実施形態により互いに組み付けられた
図33から39のクッションおよび
図27から32のフレームを示す図である。
【
図42】本発明の一実施形態により互いに組み付けられた
図33から39のクッションおよび
図27から32のフレームを示す図である。
【
図43】本発明の一実施形態により互いに組み付けられた
図33から39のクッションおよび
図27から32のフレームを示す図である。
【
図44】本発明の一実施形態により互いに組み付けられた
図33から39のクッションおよび
図27から32のフレームを示す図である。
【
図45】本発明の一実施形態により互いに組み付けられた
図33から39のクッションおよび
図27から32のフレームを示す図である。
【
図46】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図47】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図48】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図49】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図50】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図51】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図52】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図53】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図54】本発明の一実施形態によるマスクシステム用のエルボーおよびスイベルを示す図である。
【
図55】本発明の別の実施形態によるベントアセンブリの上面図である。
【
図57】
図55に示されているベントアセンブリの側面図である。
【
図58】本発明の一実施形態による
図55のベントアセンブリを備えるマスククッションを示す図である。
【
図60】本発明の別の実施形態によるベントを備えるエルボーを例示する図である。
【
図61】本発明の別の実施形態によるベントを備えるエルボーを例示する図である。
【
図62】本発明の別の実施形態によるベントを備えるクッションを例示する図である。
【
図63】本発明の別の実施形態によるベントを備えるクッションを例示する図である。
【
図66】本発明の一実施形態による前額部支持アームおよび前額部支持パッドの代替的図である。
【
図67】本発明の一実施形態による前額部支持アームおよび前額部支持パッドの代替的図である。
【
図68】本発明の一実施形態による前額部支持アームおよび前額部支持パッドの代替的図である。
【
図69】本発明の一実施形態による前額部支持アームおよび前額部支持パッドの代替的図である。
【
図70】本発明の一実施形態による下側ヘッドギアコネクタの代替的図である。
【
図71】本発明の一実施形態によるクッションの斜視正面図である。
【
図83】
図71のクッションの鼻側部領域内のアンダークッションのフラップの拡大断面図である。
【
図84】
図71のクッションのアンダーアクションの局所的な肥厚を示す略図である。
【
図85】
図71のクッションの鼻の隅の領域内のアンダークッションの拡大断面図である。
【
図86】本発明の一実施形態による患者の鼻側部から見たときのクッションの封止力を示す略図である。
【
図87】本発明の一実施形態による患者の鼻前面から見たときのクッションの封止力を示す略図である。
【
図87-1(a)】低い鼻梁と高い鼻梁に対するアンダーアクションの変形を示す、
図87の線87-1--87-1を通る断面図である。
【
図87-1(b)】低い鼻梁と高い鼻梁に対するアンダーアクションの変形を示す、
図87の線87-1--87-1を通る断面図である。
【
図87-2】本発明の一実施形態による患者の鼻の頂部から見たときのクッションの封止力を示す略図であり、クッションの膜は使用時のアンダークッションの配置が見えるように例示することを目的としてロールバックされている。
【
図88】本発明の一実施形態によるフレームを示す図である。
【
図89】本発明の一実施形態によるフレームを示す図である。
【
図90】本発明の一実施形態によるフレームを示す図である。
【
図91】本発明の一実施形態によるフレームを示す図である。
【
図92】本発明の一実施形態によるフレームを示す図である。
【
図93】本発明の一実施形態によるフレームを示す図である。
【
図94】断面線を示している本発明の一実施形態によるフレームおよびクッションの正面図である。
【
図99】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図100】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図101】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図102】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図103】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図104】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図105】本発明の一実施形態によるマスクシステムを示す図である。
【
図106】本発明の一実施形態による患者の顔にヘッドギアを装着して使用している
図99〜105のマスクシステムを示す図である。
【
図107】本発明の一実施形態による患者の顔にヘッドギアを装着して使用している
図99〜105のマスクシステムを示す図である。
【
図108】本発明の一実施形態によるエルボーの組み立て図である。
【
図113】本発明の一実施形態によるエルボーの側面図である。
【
図116-1】本発明の一実施形態による鼻梁領域内のクッションの封止を例示する図である。
【
図116-2】本発明の一実施形態による鼻梁領域内のクッションの封止を例示する図である。
【
図116-3】本発明の一実施形態による鼻梁領域内のクッションの封止を例示する図である。
【
図117】本発明の技術の異なる態様によるアンダークッションの曲げ点または曲げ領域を例示する図である。
【
図118】本発明の技術の異なる態様によるアンダークッションの曲げ点または曲げ領域を例示する図である。
【
図119】本発明の技術の異なる態様によるアンダークッションの曲げ点または曲げ領域を例示する図である。顔の面内に(矢印は上を指している)、また鼻側部に(矢印は左を指している)封止力を加えることができる鼻側部に沿って使用するのに適しているアンダークッションまたはバックアップバンドの断面図である。
【
図120】本発明の技術の異なる態様によるアンダークッションの曲げ点または曲げ領域を例示する図である。
【
図121】本発明の技術による顔全体を覆うマスクシステムの一部の正面斜視図である。図面の3D形状は、点描を使用して例示されている。
【
図122】本発明の技術による顔全体を覆うマスクシステムの一部の正面図である。図面の3D形状は、点描を使用して例示されている。
【
図123】本発明の技術による顔全体を覆うマスクシステムの一部の後面図である。図面の3D形状は、点描を使用して例示されている。
【
図124】本発明の技術による顔全体を覆うマスクシステムの一部の側面図である。
【
図125a】患者と接触していない側から見た並んでいる2つの顔全体を覆うマスククッション部分を例示する図である。それぞれのクッションは、「中」サイズの顔に合うことが意図されている。図中のクッション部分は、顔の鼻根点領域内にシールを形成することが意図されている。
【
図125b】患者と接触していない側から見た並んでいる2つの顔全体を覆うマスククッション部分を例示する図である。それぞれのクッションは、「中」サイズの顔に合うことが意図されている。本発明の技術の一態様による、図中のクッション部分は、シールを鼻より下に、例えば、鼻根点の下の、鼻骨上に形成することが意図されている。
【
図126】本発明の技術の一態様による
図125bの顔全体を覆うクッションの一部を示す図である。断面線B-B、C-C、D-D、E-E、およびI-Iが示されている。
【
図127e】
図126のクッションを通る断面I-Iを示す図である。
図127a〜127eの断面は弛緩状態で示されている。使用時に、クッションの屈曲および断面の要素の相対位置は変化する。断面のそれぞれは、封止部分SPおよび
図127aに示されている保持機能部RFを備える。保持機能部RFは、フレームの溝内にクッションを保持するために使用される。保持機能部のさらなる詳細については、例えば、国際特許出願WO2006/130903の
図120B/120Fを参照のこと。WO2006/130903の内容は、参照により本明細書に組み込まれている。横方向安定化部分(LSP)は
図127bおよび127cに示されている。
【
図128】本発明の技術の一態様によるマスクシステムの一部の頂部から見た図である。
【
図129】本発明の技術の一態様によるマスクシステムの一部の底部から見た図である。
【
図130】人の顔の適所に保持される本発明の技術によるクッションの図である。
【
図131】顔において使用されている本発明の技術によるクッションの詳細を示す図である。鼻梁が示されている。
【
図132】人の顔において使用されている本発明の技術によるマスクシステムを示す図である。人の鼻の鼻根点領域が示されている。クッションの鼻梁領域は、鼻根点の下および軟骨の上の鼻骨上にシールを形成する。
【
図133a】鼻梁から唇領域へのクッションの中間を通る断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下の説明は、共通の特性および特徴を共有することができるいくつかの例に関して行う。どれか1つの例の1つまたは複数の特徴を他の例の1つまたは複数の特徴と組み合わせ可能であるものとしてよいことは理解されるであろう。それに加えて、どれかの例における単一の特徴または特徴の組み合わせは追加の例をなすものとしてよい。
【0047】
本明細書では、「備えること、含むこと(comprising)」という言い回しは、それの「開いている」意味で、つまり、「含むこと、備えること(including)」の意味で理解されるべきであり、したがって、それの「閉じた」意味、つまり、「〜のみからなること(consisting only of)」の意味に限定されない。対応する意味は、出現する場所の対応する言い回し「備える、含む(comprise)」、「備えられる、含まれる(comprised)」、および「(英語で単数形の)備える、含む(comprises)」に帰すべきである。
【0048】
「空気」という用語は、呼吸可能なガス、例えば、酸素が加えられた空気を含むものとして解釈される。
【0049】
1.鼻マスクシステム
本発明の例は、簡単にかつ素早く装着でき(例えば、ほとんど、又はまったく調整せずに)、ストラップの張りを弱めることができ、大量生産可能であり、消費者に対して強くアピールし、快適さと密閉性に優れ、安定した品質を確保し、目立たず、および/または多くの人々に合う鼻マスクシステムを対象としている。
【0050】
以下でさらに詳しく説明するように、鼻マスクシステムは、フレームと、フレームに付けられ、患者の鼻と一緒になってシールを形成するように適合された封止装置(例えば、クッション)と、例えば、封止装置に付けられ、呼吸可能なガスを患者に送出する空気送出管に連結されるように適合されたエルボーと、を備える。エルボーを封止装置に連結するためにスイベルリングを適宜備えることができる。ヘッドギアは、患者の顔面上の所望の調整された位置に鼻マスクシステムを保持するためにフレームに取り外し可能に取り付けることができる。鼻マスクシステムは、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)または別の呼吸器疾患を患っているユーザー向けの陽圧治療で使用することが意図されている。
【0051】
以下のそれぞれの例は、鼻インターフェースタイプを含むものとして説明されているが、本発明の態様は、他の好適なインターフェースタイプ、例えば、顔全体を覆うインターフェース、鼻カニューレなどとともに使用するように適合されうる。
【0052】
2.フレーム
図1-1、1-2、および2-1から2-3に示されているように、フレーム20(外骨格または骨格とも称される)は、封止装置40(およびエルボー70も)を患者の顔に対して動作可能な位置に維持し、安定化し、および/または支持するような構造を有する。それに加えて、フレーム20は、ヘッドギアを鼻マスクシステムに取り付けるような構造を有する。
【0053】
例示されているように、フレーム20の本体部22(例えば、
図1-2、2-2、および2-3を参照)は、封止装置40がエルボー70、および封止装置40を保持するか、または他の何らかの方法で係合するような構造である側壁26と連通するか、または受け入れることを可能にする中央開口部24を有する開放構造を備える。使用時に、この例のフレーム20は、空気経路内にない、つまり、封止装置40は、呼吸用空洞を画成し、以下で説明されているようにエルボー70に直接結合される。フレーム20は、半剛性体であるか、または少なくともある程度の柔軟性を持つものとしてよい。フレーム20は、単一の材料から、複数の材料の組み合わせから、または硬度が異なる同じ材料の組み合わせから作ることができる。フレーム20は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、クリアナイロン、熱可塑性エラストマー(TPE)、シリコーン、または他の好適な材料から作ることができる。
【0054】
前額部支持体30は、本体部22の上端から延在する。前額部支持体30は、固定されるか(つまり、調整可能でない)、または調整可能であるか(例えば、細長いアームの高さまたは長さは延長可能であるか、または前額部支持体の角度は変更可能であるものとしてよい)、または交換可能である(例えば、異なるサイズの患者または細長いアームに対するさまざまなサイズの前額部支持体をアームの異なるさまざまな長さで置き換えることができる)ものとしてよい。前額部支持体30は、細長いアーム32、および使用時に各ヘッドギアストラップを受け入れるように適合されたアームの自由端のところでスロットまたは受け入れ穴35を備え、したがって独立したパッドを必要とせずヘッドギアストラップのパディングを使用する上側ヘッドギアコネクタ34を具備する。一例では、ヘッドギアコネクタは、例えば、アーム32に対して調整可能であるものとしてよい(例えば、患者の前額部に向かう傾きまたは角度)。下側ヘッドギアコネクタ36は、本体部22の各側部に付けられ、それぞれの下側ヘッドギアコネクタ36は細長いアーム38、および使用時に各ヘッドギアストラップを受け入れるように適合されたアームの自由端のところのスロットまたは受け入れ穴39を備える。細長いアーム38は、使用時にアームを患者の顔の方へ、または患者の顔から離れる方向に曲げることができるように、曲げることが可能であるか、または選択的に変形可能であるものとしてよく、これによりヘッドギアを患者の顔の上へ引くことができ、例えば、横向き睡眠が可能になる。一例では、細長いアーム38が、ユーザーの手による圧力で曲げることが可能であるか、または変形可能である場合、細長いアームは、変形された形状を保持するように適宜可鍛性があるものとしてよい。細長いアーム38のこのような特徴により、この実施形態の快適さ、装着具合、および/または封止が向上しうる。前額部支持体およびヘッドギアコネクタは、患者の視線から外れる目立たない配置をとることができる。細長いアーム38の一般的に薄く、細長い構成は、この実施形態を着用している状態で、患者の視線の遮りを少なくとも部分的に防ぐか、または制限することができる。一例では、細長いアーム38は、ワイヤまたは金属合金で製作することができる。しかし、当業者であれば、限定はしないが、ポリマー材料を含む他の材料も使用できることを理解するであろう。
【0055】
一例では、アーム32、38は、患者の視線を避けるか、または患者から見えないようしながら、患者の顔の輪郭をなぞるように適宜形成されるか、または整形されるか、または起伏を付けられる。また、アーム32、38は、一定範囲の調整を許すようにある程度の固有の柔軟性もあるものとしてよい。細長いアーム32、38は、アルミニウム、ステンレス鋼、ポリカーボネート、ポリプロピレン、TPE、または他の好適な材料などの一般的に伸長性のない材料から作ることができる。あるいは、細長いアーム32、38は、フレーム20と連続し、したがって、同じ材料から作ることができるか、または細長いアーム32、38は、フレーム20と同じ材料から、ただし一体構造としてではなく、作ることができる(つまり、細長いアーム32、38をフレーム20に取り付けることができる)。しかし、細長いアーム32、38は、フレーム20と異なる材料から作られる場合、接着剤などの代替的固着または固定方法を使用して細長いアーム32、38をフレーム20上に固定することができる。上側ヘッドギアコネクタ34は、細長いアーム32と同じ材料から作ることができる。あるいは、上側ヘッドギアコネクタ34は、Hytrel(商標)、シリコーン、ナイロン、または他の好適な材料などの細長いアーム32よりも柔軟な材料から作ることができる。下側ヘッドギアコネクタ36は、フレーム20と連続し、したがって、同じ材料から作ることができるか、または下側ヘッドギアコネクタ36は、フレーム20と同じ材料から、ただし一体構造としてではなく、作ることができる(つまり、細長いアーム38をフレーム20に取り付けることができる)。あるいは、下側ヘッドギアコネクタ36は、Hytrel(商標)、シリコーン、ナイロン、または他の好適な材料などのフレーム20よりも柔軟な材料から作ることができる。
【0056】
前額部支持体内およびヘッドギアコネクタは、一体成形されるか、またはフレーム20の本体部に他の何らかの方法で取り付けることができる。フレーム20は、封止装置40より剛性の高い材料で製作される(例えば、シリコーン、発泡体から作られる)。例えば、フレームは、プラスチック(例えば、ポリカーボネート)および/または金属材料、例えば、比較的薄い金属材料で製作することができる。
【0057】
一例では、アーム32および/または38は、比較的薄いか、または細身のものとすることができる(例えば、1〜3mm)。一例では、前額部支持体30およびヘッドギアコネクタ36は、フレーム本体部22の材料と異なる材料(例えば、金属材料)から形成されうる。そのような例では、前額部支持体30およびヘッドギアコネクタ36は、フレーム本体部22に取り付け可能であるものとしてよい。比較的薄いおよび/または細身のアーム32および/または38は、マスクまたは実施形態の視覚的影響全体を小さくすることができる。
【0058】
一例では、上側ヘッドギアコネクタ34は、ヘッドギアからのストラップを取り付けるための扁平な領域を備える。一例では、ストラップは、上側ヘッドギアコネクタ34の対向側に設けられている2つの開口35を通して上側ヘッドギアコネクタ34に取り付けられ、ストラップは、この実施形態では、開口を貫通し、患者の顔に向かう力を引き起こし、患者の前額部に向けて上側ヘッドギアコネクタ34を効果的に引くように適合される。
【0059】
2.1 代替的フレーム
図5-1〜5-6は、封止装置440(およびエルボー70)を患者の顔に対して動作可能な位置に維持するか、または他の何らかの方法で支持するような構造を有するフレーム420の代替的実施形態を示している。
【0060】
フレーム420は、ヘッドギアを鼻マスクシステムに取り付けるような構造を有するものとしてよい。フレーム420は、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロン、または他の好適な材料から作ることができる。スイベルリング90は、封止装置440をエルボー70に連結することができる。スイベルリング90は、ポリカーボネートまたはポリプロピレンなどの好適なポリマーであってよい。エルボー70は、小さく、目立たないものとすることができる。エルボーは、ベント用の穴または開口を備えるベント装置75を備えることができる。エルボー70は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、または他の好適な材料から作ることができる。
【0061】
前額部支持体430は、フレーム420の本体部422の上端から延在する。前額部支持体430は、固定されるか(つまり、調整可能でない)、または調整可能であるか(例えば、細長いアームの高さまたは長さは延長可能であるか、または前額部支持体の角度は変更可能であるものとしてよい)、または交換可能である(例えば、異なるサイズの患者または細長いアームに対するさまざまなサイズの前額部支持体をアームの異なるさまざまな長さで置き換えることができる)ものとしてよい。前額部支持体430は、細長いアーム432、および使用時に各ヘッドギアストラップを受け入れるように適合されたアーム432の自由端のところでスロットまたは受け入れ穴435を備え、したがって独立したパッドを必要とせずヘッドギアストラップのパディングを使用する上側ヘッドギアコネクタ434を具備する。一例では、ヘッドギアコネクタ434は、例えば、アーム432に対して調整可能であるものとしてよい(例えば、患者の前額部に向かう傾きまたは角度)。
【0062】
上側ヘッドギアコネクタ、または前額部支持パッド、434は、シリコーン、ナイロン、ポリプロピレン、TPE、ポリカーボネート、または他の好適な材料から作ることができる。細長いアーム432は、可鍛性金属から作ることができる。フレーム420は、細長いアーム432および封止装置440に対する連結点であるものとしてよい。
【0063】
下側ヘッドギアコネクタ436は、フレーム420の本体部422の各側部に付けられる。下側ヘッドギアコネクタ436は、かぎ形であるものとしてよい。下側ヘッドギアコネクタ436は、フレーム420の本体部422とともに一体形成されるか、または、本体部とは別に形成され、例えば、接着剤もしくは何らかの形態の機械的固着によって取り付けられうる。
【0064】
それぞれの下側ヘッドギアコネクタ436は、コネクタ436の上端とフレームの本体部422との間に間隙439を備え、これにより、ヘッドギアストラップをその間に挿入することができる。ヘッドギアコネクタ436は、下端と上端の両方でフレーム420の本体部422に連結することもできることは理解されるであろう。コネクタ436は、使用時にコネクタ436を患者の顔の方へ、または患者の顔から離れる方向に曲げることができるように、曲げることが可能であるか、または選択的に変形可能であるものとしてよく、これによりヘッドギアを患者の顔の上へ引くことができ、例えば、横向き睡眠が可能になる。これにより、鼻マスクシステムの快適さ、装着具合、および/または封止が向上しうる。前額部支持体430およびヘッドギアコネクタ434、436は、患者の視線から外れる目立たない配置をとることができる。下側ヘッドギアコネクタ436をフレーム420の本体部422上の下側隅位置に配置することで、鼻マスクシステムを着用している状態で、患者の視線の遮りを少なくとも部分的に防ぐか、または制限することができる。
【0065】
2.2 代替的フレーム
以下では、マスクシステムの、フレーム、アーム、および前額部支持体の代替的実施形態を説明する。
【0066】
2.2.1 フレーム
図7-1から7-3は、フレーム520、封止装置またはクッション540、細長いアーム532および前額部支持体530、エルボー570、ならびにエルボーをクッションに結合するためのリング590を備える鼻マスクシステムを示している。
【0067】
図8-1から8-3に最もよく示されているように、フレームに付けられたそれぞれの下側ヘッドギアコネクタ536は、一般的にS字形であってよい。それぞれの下側ヘッドギアコネクタは、頂部536(1)、中間部536(2)、下部536(3)、およびコネクタをフレームに取り付ける連結部536(4)を備える。頂部536(1)は、ヘッドギアストラップを適所に誘導するように適合された引き込み部を有することができる。中間部536(2)は、フレームに接するか、またはフレームに近い位置に来るように適合され、これにより、ストラップはいったん係合するとコネクタ内に保持される。下部536(3)は、中間部内に押し通された後ストラップを受け入れるように適合される。連結部536(4)では、コネクタはちょうつがいの動作で外向きに、またはフレームから離れる方向に移動し、ヘッドギアストラップをコネクタの中間部とフレームとの間に通すことができる。
【0068】
コネクタ536は、フレームの側部に沿ってヘッドギアを摺動させる際に使いやすくフレームに近くなるように位置合わせされる。自動閉鎖コネクタを使用することで、ヘッドギアの保持機能部としてそのまま動作しているときに簡単にアクセスすることが可能になる。
【0069】
一実施形態では、コネクタの1つまたは複数の部分をTPEで製作することができる。
【0070】
図8-4から8-5は、代替的下側ヘッドギアコネクタ、例えば、かぎ形コネクタ536-1、および自由端がフレーム上のコネクタ基部520-1と係合するように適合されているコネクタ526-2を例示している。
図8-5に示されているように、かぎ形コネクタ536-1の自由端は、ヘッドギアストラップの保持を助ける保持フックを備える。
図8-4に示されているように、コネクタ536-2は、ヘッドギアストラップの保持を助けるため基部520-1と係合するようにバイアスをかけることができる。
【0071】
図16-1および16-2は、クッションおよびヘッドギアを支持するためのフレーム520-1の別の実施形態を例示している(例えば、下側ヘッドギアストラップ用の下側クロスバー5536を備える開放フレーム装置および上側ヘッドギアストラップ用の開口部5537を備える前額部支持体バー)。
図17-1および17-2は、クッションおよびヘッドギアを支持するためのフレーム520-2の別の実施形態を例示している(例えば、ヘッドギアクリップ5540は、フレーム上の棒状のレセプタクル5541と係合するように適合された開口部5440(1)を備える)。フレーム520-2は、上述の
図16-1および16-2のような上側ヘッドギアストラップ用の開口部を備える前額部支持体バーも備える。それに加えて、フレーム520-2は、クッションを支持し、および/または保持するように適合された上方に延在するクッション支持バー521を備える。
【0072】
代替的実施形態では、フレームは、下側ヘッドギアストラップに関連付けられている各ヘッドギアクリップと取り外し可能に連動するように適合されたクリップレセプタクルを備えることができる。
【0073】
2.2.2 細長いアーム
フレームは、前額部支持体を保持する細長いアーム(例えば、金属、可鍛性金属で製作される)を支持する。
【0074】
一実施形態では、
図7-1から7-3に示されているように、金属アーム532は、カプセル封入された押し出し部とすることができる。
図9-1に示されているように、アーム532の金属mは、プラスチックカプセル封入pが金属に影を投げかけるように前部が広くなっているものとしてよい。そのようなカプセル封入された配置構成は、金属を軟らかくし、保護するソフトな感触の機能部を備える。
【0075】
別の実施形態では、
図9-2および9-3に示されているように、金属アームは、露出した押し出し部(例えば、研磨された押出アルミニウム)とすることができる。この配置構成により、金属の特徴が強調され、目立たず合理化された設計が実現する。
【0076】
図9-4は、ポリマーコーティング(シリコーン、TPEなど)中にカプセル封入されたガス充填ナイロンで製作されたアーム532を例示している。カプセル封入金属設計は、強化プラスチックと置き換えることができ、これにより、金属のある場所に強度が確保され、薄い目立たないアームが使いやすくなる。この配置構成は、色と仕上げの細部を加える機会ももたらす。
【0077】
2.2.3 前額部支持体
前額部支持体は、アーム532によって支持される。
図10-1および10-5に示されているように、前額部支持体530は前額部支持体内に組み込まれ、その自然なV字形位置もしくは形状からバネでより直線的な位置もしくは形状に柔軟な領域531戻るようにできるものとしてよい。柔軟な領域は、材料の薄くした部分(つまり、ちょうど屈曲するくらいに薄い、前額部支持体の残り部分と同じ材料)、より軟らかい、剛性の低い材料、または前額部支持体530の残りの部分と比較したときにより軟らかい材料とより薄い部分との組み合わせとすることができる。
【0078】
柔軟な領域は、熱可塑性エラストマー(着色されていてもよい)、シリコーン、または屈曲できる他の材料などの、柔軟な材料の一体成形部分とすることができる。前額部支持体の残り部分は、ナイロン、ポリカーボネート、またはポリプロピレンなどのあまり柔軟でない材料から作ることができる。一体成形は、2つの材料の間の化学的および/または機械的接着を介したものとしてよい。別々に形成された/組み立てられた柔軟な領域は、破損危険を低減し、ヘッドギアと一緒に現場から離れた場所で組み立てることを可能にする。前額部支持体は、つや消し仕上げを含むものとしてよい。
【0079】
一実施形態では、前額部支持体530は、最初に平らに成形されうる。次いで、前額部支持体530がその使用時の、または屈曲した構成で位置決めされた状態で、柔軟な領域531を前額部支持体530の上に成形することができる。これは、前額部支持体に予荷重を与えるか、またはバイアスもしくはバネ力を与えるものとしてよい。
【0080】
柔軟な領域は、ヘッドギアの張りで調整される自動調整屈曲機能部を構成し、装着を補助するためにクッションのバイアスを高めることを可能にする。好ましくは、前額部支持体は、マスククッションの上側部分を患者の鼻梁領域の内側および外側に向けて傾斜または回転させるように屈曲するものとしてよい。一形態では、ヘッドギアストラップを締め付けると、前額部支持体は患者の前額部に当たって外側に斜めに広がるか、または平たくなるものとしてよい。これは、マスククッションを傾斜または回転させ、マスククッションの下側部分はちょうつがい点として働く。マスククッションの上側部分は、したがって、内側向きに、患者の顔の面に対して一般的に法線方向である方向に、患者の鼻梁に向かって傾斜または回転することができる。これは、他の患者に比べて高い鼻梁を有する患者に有益である場合があるが、それは、マスククッションの鼻梁領域を付勢してその鼻と封止係合させるからである。
【0081】
あるいは、前額部支持体は、圧縮可能でありそれにより同様の結果をもたらす発泡体などの厚い可撓性材料から作ることができる。
【0082】
図10-2に示されているように、荷重のかかっていない(つまり、自然状態の)前額部支持体の位置は、角度αとして表すことができ、例えば、角度αは5〜90°、例えば、15°とすることができる。
【0083】
使用時に、前額部支持体は、前後方向に約0〜30mmの調整を行うことができる(
図10-2および10-4の矢印で示されているように)。例示的な一実施形態では、前額部支持体は、前後方向に約5〜20mm(例えば、約10〜20mm、約10〜15mm)の調整を行うことができる。これにより、特に鼻梁領域においてより広範な人体計測に対応できるので、患者の適合範囲が高められる。
【0084】
ヘッドギアは、小穴535を通して前額部支持体に取り付けることができるか(例えば、
図10-1および10-3を参照)、またはスロット535-1が小穴535内に貫入するループスルー装置に通して取り付けることができる
【0085】
2.3 前額部支持体の代替的実施形態
図20-1から26は、前額部支持体の代替的実施形態を示している。
【0086】
前額部支持体の利点の1つは、前額部支持体においてコンポーネントを多数追加することなく調整の回数が妥当な範囲に収まるという点である。好ましい一例では、前額部支持体は、すべて一体成形である。さらに、前額部領域内のヘッドギアストラップを患者の後頭部に向けて引くと、その結果、クッションの直観的な移動によりクッションが鼻梁の方へ回転し、その領域内の漏れを潜在的に低減し排除する。
【0087】
本発明の技術の一例によれば、鼻クッションおよびフレームを備えるマスクシステムが実現される。フレームは、T字形バーを有する前額部支持体を備える。T字形バーは、主シャフトおよびクロスバーを備える。一形態では、クロスバーは、左側部と右側部とを備える。
【0088】
本発明の技術の一態様によるマスクシステムは、ヘッドギアを備える。一形態では、ヘッドギアは、左前額部ストラップと右前額部ストラップとを備える。左および右の前額部ストラップは、頂点から遠位にある場所で、使用時にクロスバーの各左および右側部と係合するように構成されると共に配置される。
【0089】
一形態では、左側部および右側部は、互いに対して、約180度より小さい角度で配置される。この形態では、クロスバーは、上から見てV字形であるものとしてよい。頂点は、左側部と右側部との間に画成される。一形態では、左側部および右側部は、頂点の周りで曲がるか、または屈曲するように構成されると共に配置される。一形態では、側部を遠位端に引くことによって側部を曲げるか、または屈曲させると、それらの間の角度が大きくなり、またクロスバーと主シャフトとの間の接点が前額部に近づき、クッションを回転させる。
【0090】
代替的形態では、バーの左側部および右側部はU字形であるものとしてよい。このU字形では、クロスバーは、上述のV字形と似た機能を有することができる。
【0091】
例えば、
図20-1および20-2はそれぞれ、ヘッドギアストラップ1080からのヘッドギアの張りがクロスバーの各側部に印加されたときに頂点の周りで曲がるか、または屈曲するような構造を有する一般的にU字形のクロスバー1034を順次示す図である。例示されているように、前額部支持体は、患者の前額部の前方の伸長位置から始まる。患者がヘッドギアを締めると(つまり、ヘッドギアストラップが矢印で示されているようにクロスバーから外向きに引かれる)、クロスバーの側部が外側に斜めに広がって開くか、または外側へ屈曲し、クロスバーは、患者の前額部上の実質的に扁平な位置に移動し、患者の顔の方へ内向きにクッションにバイアスをかけることができる。各ヘッドギアストラップに対するクロスバー内のスロット1035を頂点から外向きに比較的遠くに位置決めし(例えば、
図20-2に示されているような距離dだけ離して)ベクトルを改善することができる(例えば、有効な力で患者の頭部の方へ前額部支持体を引くために必要な力が小さくて済む)。
【0092】
曲げたり、または屈曲させたりする段階は、より薄い中間部を有する材料からクロスバーを成形することによって実行できる。このようにして、クロスバーは、その端部よりも中間部においてより柔軟性が高いものとしてよい。それに加えて、または代替的に、より剛性の高い材料(例えば、ナイロンなど)をより柔軟な材料(例えば、熱可塑性エラストマーなど)と一体成形することによってクロスバーを形成することができる。
【0093】
例えば、
図20-1および20-2に示されているように、クロスバーは、より柔軟な材料(例えば、柔軟なTPEまたはシリコーン)で製作された中間部1034(1)およびより剛性の高い材料(例えば、クリアナイロン)で製作された端部もしくは側部1034(2)を備えることができる。
【0094】
図21から23は、前額部支持体およびそのクロスバーの代替的構成を示している。例えば、
図21は、より剛性の高い領域、つまり、中間部1034(1)とクロスバーの各側部1034(2)との間に位置決めされた柔軟な領域1036を備える前額部支持体を示している。柔軟な領域1036は、より柔軟な材料(例えば、Hytrel(登録商標))で製作され、中間部1034(1)および側部1034(2)は、より剛性の高い材料(例えば、ナイロン)で製作される。例示されているように、柔軟な領域は、より剛性の高い領域内に埋め込むことができる。また、柔軟な領域は、保持機能部、例えば、蟻継連動装置によってより剛性の高い領域と連動させることができる。
図22および23は、柔軟な領域1036をより剛性の高い領域1034(1)、1034(2)と連動させるか、または結合するための代替的構成を示している。
図23では、柔軟な領域は、クロスバーの側部を組み込む。
【0095】
前額部支持体およびヘッドギアは、左および/または右の前額部ストラップにより主シャフトがクッションを移動し回転させるように構成されると共に配置される。この方法では、異なる顔面形状に合わせてマスクの装着具合を調整することができる。例えば、ストラップを引くことで、クッションを顔の方へ回転させ、鼻梁領域内の漏れを小さくすることができる。
【0096】
図24は、クロスバーのそれぞれの側が弾力性のあるスプリングアーム1037を備える前額部支持体を示している。例示されているように、ヘッドギアストラップ1080は、スプリングアームの周りに輪を作るように適合され、これによりヘッドギアストラップはクロスバーとヘッドギアストラップとの間に位置決めされたスプリングアームにより患者の前額部と係合する。使用時に、ヘッドギアの張りにより、スプリングアームが曲がるか、または屈曲し、これにより、前額部支持体の接点を患者の前額部に近づけることができる。
【0097】
図25および26は、発泡体またはゲルなどの可撓性材料で製作された前額部パッド1090を備える前額部支持体を示している。
図25に示されているように、前額部パッドをスナップ式にクロスバー1034に結合することができ、例えば、前額部パッド1090は、スナップ式にクロスバー内の各開口部1038と係合するように適合されたスナップフィンガー1091を備える。クロスバーの対向する側部は、ヘッドギアストラットと係合するように適合された開放端スロットを備える。
図26に示されているように、ヘッドギアストラップ1080は、クロスバー1034およびその前額部パッド1090をまたぎ、これによりヘッドギアストラップはクロスバーとヘッドギアストラップとの間に位置決めされた前額部パッドにより患者の前額部と係合する。
【0098】
2.4 さらなる代替的フレーム実施形態
クッションを適所に安定化させ、ヘッドギアを固定してクッションを適所に保持するためにフレームをシステムに付けることができる。フレームは、クッションに構造または支持をさらに加えることができる。
【0099】
図27から32に示されている代替的フレーム2020は、本体部2100、前額部支持アーム2400、および前額部支持パッド2530を備える。
【0100】
本体部2100は、クッションおよび下側ヘッドギアストラップを捕捉するか、または係合するような構造を有するものとしてよい。上側領域2700は、マスククッションの頂部または頂点領域と係合する。上側領域2700は、マスクフレーム2020の非患者側の本体部2100の上位部分または頂部に位置決めすることができる。上側領域2700は、クッションのこの領域に剛性または支持を加えることによってクッションの一部と係合する前部またはエルボーに安定性を付与することもできる。下側領域2800は、上側領域の一般的に下の方に位置決めされうる。下側領域2800は、マスククッションの底部領域と係合するか、または他の何らかの形でインターフェースすることができる。
【0101】
後部コネクタまたは係合部2650(
図29および32を参照)は、マスククッション上のつめ部、または係止要素を受け入れるような構造を有するものとしてよい。後部係合部2650は、マスクフレーム2020内のマスククッションの配置を補助することもできる。後係合部2650は、切り欠きまたは開口とすることができる。後部コネクタ2650は、フレーム2020の患者側に位置決めすることができる。
【0102】
下側ヘッドギアコネクタ2520は、ヘッドギアの輪を受け入れるように配置されうる。下側ヘッドギアコネクタ2520は、ヘッドギアストラップを受け入れ、それを適所に保持するように一般的にかぎ形またはC字形であるものとしてよい。下側ヘッドギアコネクタ2520は、連結部2525によって本体部2100と一緒に取り付けられるか、または一体形成されうる。連結部2525により、下側ヘッドギア連結部2520がある程度自由に移動できるようにある程度の柔軟性を有するか、またはちょうつがい動作を行えるものとしてよい。
【0103】
下側ヘッドギアコネクタ2520は、限定はしないが、シリコーン、TPE、または他の好適な材料を含む、柔軟な材料から形成することができる。下側ヘッドギアコネクタは、形状を保持し、ヘッドギアの力をマスクに伝えるためのより硬い材料とヘッドギアストラップの係合および係脱が容易に行えるようにより柔軟な材料などの材料の組み合わせから形成することができる。これは、ナイロンおよびシリコーンなどの材料の組み合わせを含むものとしてよい。柔軟な材料は、コネクタ内でヘッドギアが摺動するのを防ぐために材料に対して粘着性または摩擦力を有するものであってもよい。これは、限定はしないが、シリコーンを含むことができる。好ましくは、ヘッドギアを下側ヘッドギアコネクタに組み立てるのに必要な力は、下側ヘッドギアコネクタからヘッドギアを分解して取り外す力よりも弱い。好ましくは、分解の力は、15N未満である。最も好ましくは、分解の力は、10N未満である。
【0104】
図70は、下側ヘッドギアコネクタ2520の代替的図である。例示されているように、一般的にかぎ形またはC字形の下側ヘッドギアコネクタ2520(より柔軟な材料、例えば、シリコーンで製作される)は、本体部2100(例えば、より剛性のある材料、例えば、ナイロンで製作される)の本体連結部2525と上乗せ成形または一体成形される。好ましくは、柔軟な材料は、シリコーンであってもよい。好ましくは、柔軟な材料は、約20〜80のショアAデュロメーターを有するものとしてよい。最も好ましくは、柔軟な材料は、約40〜60のショアAデュロメーターを有するものとしてよい。最も好ましくは、柔軟な材料は、約60のショアAデュロメーターを有するものとしてよい。連結部2525は、連結部2525にコネクタ2520を成形するのを補助するための連結部分2526を備える。連結部分2526は、より硬い連結部2525との柔軟な上乗せ成形コネクタ2520の連動もしくは機械的係止を補助するための保持スロット2526(1)を備える。また、連結部分2526は、コネクタ2520の高さまたは頂部まで実質的に延在し、コネクタにおけるヘッドギアの連結を高める、つまり、連結部分の材料がより堅ければ、ヘッドギアがコネクタから摺動して外れるのを防ぐようにコネクタの形状を保持し、ヘッドギアの力をマスクに伝達する。また、柔軟なコネクタ2520により、コネクタかストラップを簡単に取り外すことができ、コネクタ、例えば、ストラップを取り外し、ストラップを容易に連結できるように変形可能なコネクタにストラップを簡単に連結することができる。
【0105】
図89に示されているように、下側ヘッドギアコネクタは、ヘッドギアストラップを保持し、不注意による取り外しを防ぐのを補助するために互いに対して角度α1の角を成す内面2521(1)、2521(2)を備えることができる。好ましくは、α1は、180度未満であるものとしてよい。好ましくは、α1は、約110〜160°であるものとしてよい。最も好ましくは、α1は、約120〜150°であるものとしてよい。また、フレームの本体部とコネクタとの間に間隔をあけることでも、ストラップを保持しやすくなる。好ましくは、本体部とコネクタとの間の間隔は、コネクタの長さに沿って変化するものとしてよい。好ましくは、コネクタと本体部との間の最も広い間隙は、ストラップの保持を助けるために15mm未満であるものとしてよい。最も好ましくは、コネクタと本体部との間の最も広い間隙は、ストラップの保持を助けるために10mm未満であるものとしてよい。
【0106】
図41〜44に示されているように、側部係合つめ部2600を本体部分2100の横フランジ上に、またマスクフレームの患者側に位置決めし、マスククッションをインターフェースし、支持することができる。一実施形態では、つめ部は、アンダークッションが鼻梁領域内で終わる場所に隣接する位置に置かれる。つめ部は、クッションの一部と締まり嵌めを形成することができる。つめ部は、フレームの残り部分または周辺部より薄いものとしてよい。つめ部は、患者の鼻または頬領域の側部と封止係合する際に支持されるようにクッションを支持することもできる。つめ部2600は、使用時に患者の顔から離れるとつぶれ(例えば、破裂)、したがってシールを破ることのないように、柔軟なクッションを構造的に支持する。つめ部2600は、
図43に示されているように、アーム2400から後方に延在しうる。
【0107】
前額部支持アーム2400は、本体部2100から前額部パッド2530に延在する。好ましくは、前額部支持アーム2400は、患者の視野を遮らないように薄く(例えば、1〜5mm、10mm未満、または約1〜5mm)、マスクを適所に支持できるように構造的に安定しているか、または比較的伸張できない。
【0108】
前額部支持パッド2530は、上側ヘッドギアストラップと係合するために上側ヘッドギアコネクタ2535を備えることができる。前額部支持パッドは、使用時の患者の前額部からの前額部支持パッドの距離を調整するために柔軟な領域2540をさらに備えることができる。不快な思いをさせることなく上側ヘッドギアストラップを通常の張りの範囲で締め付けるか、または調整することによって、柔軟な領域2540は平たくなり、前額部支持パッドを患者の前額部へ引き寄せることができる。次いで、これにより、本体部が患者の鼻梁の方へ内側向きに傾斜し、これにより、使用時に患者の鼻梁にマスククッションをさらに押し付けることになる。一実施形態では、柔軟な領域を平たくする力は、約1〜8Nの範囲内であるものとしてよい。好ましくは、柔軟な領域を平たくする力は、約2〜6Nの範囲内であるものとしてよい。最も好ましくは、柔軟な領域を平たくする力は、約2〜4Nの範囲内であるものとしてよい。
【0109】
図66〜69は、前額部支持アーム2400および前額部支持パッド2530の代替え形態の図を示している。例示されているように、前額部支持パッド2530は、上側ヘッドギアコネクタ2535(例えば、より剛性の高い材料、例えば、ナイロンで製作される)および柔軟な領域2540(より柔軟な材料、例えば、シリコーンで製作される)を備える。柔軟な領域は、上側ヘッドギアコネクタ2535および支持アーム2400(例えば、より剛性の高い材料、例えば、ナイロンで製作される)と一緒に上乗せ成形され、これにより、ヘッドギアコネクタと支持アームと相互連結し、使用時の患者の前額部からの前額部支持体の距離を調整できるように前額部支持体に柔軟性を付与する。
【0110】
それぞれの上側ヘッドギアコネクタ2535は、柔軟な領域をヘッドギアコネクタに成形するのを補助するためにヘッドギアおよび連結部2538を取り付けるための小穴2536を備える。例示されているように、スロット2536-1は、小穴2536内に貫入し、ループスルー装置を形成する。支持アームは、柔軟な領域を支持アームに成形するのを補助するための連結部分2402を備える。連結部分2538、2402はそれぞれ、柔軟なシリコーン製の上乗せ成形領域2540とナイロンヘッドギアコネクタ2535および支持アーム2400との連動もしくは機械的係止を補助するために各保持スロット2538(1)、2402(2)を備える。また、
図67に示されているように、シリコーン製の柔軟な領域2540は、ナイロン製の支持アーム2400のそれぞれの側部で十分に厚く(例えば、それぞれの側部で0.5mm以上の厚さ、例えば、それぞれの側部で0.8mmより厚い)連動機能を高める。一実施形態では、柔軟な領域は、アーム2400の周りの中間部においてより厚く、コネクタ2535に向かうにつれ先細になる。
【0111】
図66および68に示されているように、ヘッドギアコネクタ2535および支持アーム2400は、シリコーン製の柔軟な領域2540で成形するのを補助し、フレームへのフラッシュおよび損傷を防ぐための機能部を備えることができる。例えば、支持アーム2400は、ナイロン製のアームの上にシリコーン製の柔軟な領域を成形するのを補助するために唇部2404を備えることができる。また、それぞれのヘッドギアコネクタ2535は、ナイロン製のヘッドギアコネクタの上にシリコーン製の柔軟な領域を成形するのを補助するために丸い壁2539(例えば、高さ約0.2から0.6mm、例えば、高さ0.4mm)を備えることができる。一実施形態では、壁2539は、成形型内に置いたときにパーツから押しつぶされて出るクラッシュビーズであってよい。
【0112】
好ましい一実施形態では、ヘッドギアコネクタ2535およびアーム2400は、互いに別々に形成され(例えば、3つの個別のパーツ)、次いで柔軟な領域2540によって互いに連結される。代替的一実施形態では、
図69に示されているように、ヘッドギアコネクタ2535は、ランナー2555によってアーム2400に連結され(例えば、ヘッドギアコネクタおよびアームは一体形成される)、次いで、柔軟な領域と上乗せ成形されうる。
【0113】
代替的一実施形態では、ヘッドギアコネクタ2535は、上述の下側ヘッドギアコネクタ2520などのシリコーン製のコネクタを備えることができる。
【0114】
図88から93は、フレーム2020とその前額部支持アーム2400、上側ヘッドギアコネクタ2535、柔軟な領域2540、および下側ヘッドギアコネクタ2520のさまざまな図を示している。一実施形態では、
図91に示されているように、コネクタ2535の成す角度は、約100〜170°、例えば、125〜145°としてよい。
図94から98は、
図71から87のクッション6540と係合している
図88から93のフレーム2020を示している。
【0115】
3.封止装置
封止装置40は、フレーム20とインターフェースし、使用時に患者の鼻とともにシールを形成するような構造を有する。この例では、封止装置40は、患者の顔の鼻梁、頬、および上側唇領域に一般的に沿って患者の顔と係合するように適合された鼻インターフェースを形成する。しかし、他のインターフェースも可能であり、例えば、顔全体を覆うなどである。この封止装置は、使用時に比較的素早く封止し、封止を維持するように適合された柔軟な装置である。一例では、この封止装置は、空気圧力がある場合もない場合も封止するような構造を有するものとしてよい。
【0116】
3.1 シリコーン製のクッション
図1-1から1-4の例では、封止装置40は、限定はしないが、シリコーン、TPE、ゲル、または他の材料を含む、一般的に柔軟な材料で製作されたクッション42を備える。クッションは、約35から約45の、例えば、約37から約42の、好ましくは約40のタイプAデュロメーターを有する材料で成形されうる。クッション42は、患者の鼻を受け入れ、患者に空気の連通をもたらすように適合された呼吸室または空洞を画成する。
【0117】
クッション42の顔に接触する側は、クッションがアンダークッション44とアンダーアクション44を少なくとも部分的に覆う膜46とを備える二重壁構成をとる(例えば、
図1-4を参照)。膜は、アンダークッションに比べて一般的に柔らかく、あまり堅くなく、使用時に患者の顔に当たってシールを形成する。アンダークッションは、ヘッドギアを使用して鼻マスクシステムを取り付け、締め付けたとき膜を一般的に支持し、膜のつぶれを防ぐような構造を有する。一例では、アンダークッションは、例えば、頬領域に沿ってマスクシステムの選択された領域にのみ設けられるか、まったく設けられない。また、クッションは、例えば、装着しやすく快適なように、つや消しであり、および/または薄く着色してもよい。
【0118】
図1-4は、クッション42の顔と接触する側の頬領域を通る断面図である。例示されているように、クッションは、基部60および基部60の外側へ向かって半径方向にオフセットされている上側部分62を備える鎌形または疑問符形の構成を備え、例えば、サイズおよび知覚される嵩を縮小し、呼吸室内のデッドスペースを最小にし、および/または使用時のアンダークッションおよび膜の柔軟性を増す。このような断面をクッションの周全体にわたって形成するか、またはクッションの選択された領域にのみ設けることができる。一例では、上側唇領域内の「疑問符」形の断面は、湾曲が小さく、例えば、クッションが患者の口内に突き出るのを回避し、鼻孔閉塞を防ぐことができる。
【0119】
一例では、膜46とアンダークッション44(例えば、
図1-4を参照)との間の間隙または間隔45を調整して、例えば、皺および漏れを少なくすることができる。例えば、間隙は、膜がアンダークッションの幾何学的形状に密接に従うように比較的小さな間隙とすることができる。一例では、クッションは、間隙がより大きくなるように成形することができるが、成形後に膜に予荷重をかけてちょうつがいの動作でアンダークッションに近づける。別の例では、ベローズ64(
図1-4の破線で示されているような)は、アンダークッションにより近い膜にバイアスをかけるように膜を備えるか、または膜とともに成形することができる。
【0120】
クッション42の顔と接触しない、またはフレーム側は、フレーム20にインターフェースするか、または他の何らかの方法で取り外し可能に連結するように適合された1つまたは複数のインターフェース構造を備える。示されている例では、クッション42は、1つまたは複数の細長い、相隔てて並ぶ突起部50を、例えば、側部およびフレーム20の側壁26上にある各開口部27と係合または連動するように適合されたその底部に沿って、備える。
図1-1および2-1に示されているように、そのような配置構成は、ユーザーが連結部を目視することができ、適宜、連結が適切であればクリック音が聞こえるので、連結がなされたという積極性の強化をもたらす。それに加えて、クッション42は、例えば、アライメントを補助し、ミスアライメントも防ぐために、フレーム側壁26(図示せず)の内側に沿ってビーズまたはキャッチと係合または連動するように適合された切欠または戻り止め52をその上に沿って備える。しかし、クッションは、他の好適な方法でフレームに連結または連動することができることは理解されるであろう。
【0121】
例えば、クッション42をフレーム20に連結するための可能な配置構成が、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第7,000,614号で開示されている。
【0122】
クッション42の顔に接触しない側も、以下で説明されているように、エルボー70を受け入れるか、または他の何らかの方法で連通するように適合された開口部55を備える。
【0123】
図1-5から1-12は、上で説明され、類似の参照番号で示されている、クッション42に実質的に類似しているクッションを示している。対照的に、
図1-5から1-12のクッションは、その上に沿って切欠または戻り止めを備えない。
【0124】
例示されているように、クッションの顔と接触する側(つまり、膜46およびアンダークッション44を含む)をクッションの顔と接触しない側(つまり、開口部55および呼吸室を画成する)と一体成形するか、または別々に形成し、取り付けることができる。好ましくは、クッションの顔と接触する側およびクッションの顔と接触しない側は、単一コンポーネントとして形成される。好ましくは、この単一コンポーネントは、限定はしないが、シリコーンを含む、患者の皮膚と接触するときに比較的生体適合性のある柔軟な封止材料から作ることができる。
【0125】
図1-9から1-12は、クッションを通るさまざまな断面を示している。
図1-9に示されているように、クッションは、クッションの鼻梁領域内にアンダークッションを含むことはできない。また、
図1-9に示されているように、膜および上側唇領域の膜内のアンダークッションの湾曲および/または長さを、適合範囲、快適さについて、また鼻孔の閉塞を防ぐように、選択する。対照的に、鼻梁領域における膜の湾曲および/または長さは、例えば、シール安定性および適合範囲を高めるために、上側唇領域より扁平で、かつ長いものとすることができる。これは、クッションが、高い鼻梁および扁平な鼻梁を含むさまざまな鼻梁高さに対応できなければならないからであり、そのようなものとして、鼻梁領域ではより長い膜が必要である。柔軟性を高め、鼻梁である敏感な領域に対して力を弱めるように、鼻梁領域にはアンダークッションがない。上唇領域内の患者の人体計測の変動は小さく、したがって、膜の長さは鼻梁領域より短い。クッションを患者の顔の適所に安定させるのを補助するために上唇領域にアンダークッションを設ける。
【0126】
図1-11および1-12は、クッションの顔と接触する側の頬領域を通る鎌形または疑問符形の構成をはっきり示しており、
図1-9および1-10は、そのような構成を実質的に欠いている上側唇領域を示している。鎌形は、患者の顔の人体計測変動に対応できるようにクッションの柔軟性を高めるために頬領域内において必要である。例えば、一般的に扁平な顔の患者もおり、したがって、クッションは実質的に湾曲した輪郭から扁平な輪郭に屈曲する必要がある。頬領域は、内側向きに、または外側向き屈曲する必要がある。あるいは、角ばった、または後退した頬を持つ患者では、クッションのそれほどの屈曲を必要としない場合がある。両方のシナリオにおいて、患者の快適さ、したがってクッションから顔にかかる力はほぼ同じレベルでなければならない。鎌形に柔軟性を加えることで、クッションの一定範囲のたわみを許容し、患者の顔にほぼ同じ力のフィーバックがかかるようにする。
【0127】
それに加えて、唇シール57を開口部55から内側向きに設けて、使用時のエルボーに対して封止することができる。
【0128】
3.2 シリコーン製膜を使用する発泡体クッション
図2-1、2-2、および2-4から2-8に示されているような代替的例において、封止装置40は、発泡体クッション241およびシリコーン製クッションまたは膜242を備えることができる。
【0129】
シリコーン製クッション242は、呼吸室を画成し、発泡体クッション241を支持するか、または他の何らかの方法で保持するように適合される。
図2-6に最もよく示されているように、シリコーン製クッション242の顔と接触する側は、アンダークッション244および膜246を備える二重壁構成を形成する。シリコーン製クッション242の顔に接触しない側も、エルボー70を受け入れるか、または他の何らかの方法で連通するように適合された開口部255を備える。
【0130】
アンダークッション244およびアンダークッション244から延在する隣接する側壁247は、発泡体クッション241を保持するような構造を有する。アンダークッション244は、側壁247から外側に向けて、呼吸用空洞から離れる方向に湾曲し、内側に向かって湾曲して呼吸用空洞内に入る膜246に対向する、溝248を形成する。例示されているように、少なくとも発泡体クッション241の患者側が、発泡体クッション241の内面が側壁247によって支持されている状態で、アンダークッション244によって画成される溝248(例えば、
図2-2および2-6を参照)内に挿入される。発泡体クッション241は、シリコーン製クッション242との締まり嵌めおよび/または摩擦嵌めによって適所に保持されうる。発泡体クッション241は、膜246の下の、アンダークッション244内に位置決めされるが、空気経路または呼吸室内にはない。使用時に、発泡体クッション241は、例えば、シリコーン製膜の頬領域に沿ってアンダークッション244に印加される力を吸収することができる。
【0131】
発泡体クッション241の患者側でない側は、発泡体クッション241、したがってフレーム20上のシリコーン製クッション242を支持する。例示されているように、発泡体クッション241は、フレームにインターフェースするか、または他の何らかの方法で取り外し可能に連結するように適合された1つまたは複数のインターフェース構造を備える。示されている例では、発泡体クッション241は、1つまたは複数の相隔てて並ぶ細長い突起部250を、例えば、フレーム20の側壁上にある各開口部27と係合または連動するように適合されたその側部に沿って、備える。しかし、発泡体クッションは、他の好適な方法でフレームに連結または連動されうるか、またはフレームが、場合によっては発泡体クッションと併せてシリコーン製クッションに連結可能であるものとしてよいことは理解されるであろう。
【0132】
一例では、シリコーン製クッション242の外側唇部249(例えば、
図2-5を参照)(つまり、膜とアンダークッションとの接合部)は、シリコーン製クッション242とフレーム20とが発泡体クッション241をカプセル封入するようにフレーム20の外側エッジと係合する構造を有するものとしてよい。
【0133】
一例では、折り畳み式の、つまりベローズタイプの配置構成をシリコーン製クッションの鼻梁領域内に設けて、例えば、使用しているシールを損なうことなく柔軟度を高めるか、または移動度を高めることができる。例えば、シリコーン製クッションは、参照により本明細書に組み込まれている2009年2月27日に出願したPCT出願第PCT/AU2009/000241号で説明されているような折り畳み式の部分を備えることができる。
【0134】
一例では、シリコーン製クッションの膜および/またはアンダークッションの上側唇領域に波形を付けて、例えば、鼻孔の閉塞を防ぐことができる。
【0135】
発泡体クッション241は、外皮付きまたは外皮を持たない発泡体を含みうる。発泡体クッション241は、オープンセル、クローズドセル、またはオープンセルとクローズドセルの組み合わせとすることができる。発泡体クッション241は、ダイカット、成形、または圧し切りで切り出すことができる。発泡体クッション241は、ポリウレタンフォーム、シリコーンフォーム、または他の好適な材料から作ることができる。発泡体クッション241は、同じ材料または材料の組み合わせ、例えば、異なる特性を持つ2種類の発泡体で作ることができる。例えば、突起部250は、発泡体クッション241の残り部分に比べて密度の高いまたは硬い発泡体から作ることができる。
【0136】
クッション242はシリコーン以外の材料から作ることもできる。例えば、クッション242は、TPE、ゲル充填材料、または他の好適な材料から作ることができる。
【0137】
3.3 1サイズでほとんどのクッションに合う
本発明の一実施形態によるクッションは、1サイズのみで広範な患者の顔に合うように製作することができる、つまり、多様な人体計測結果に適合することができる。
【0138】
アンダークッションは、スリットを備えるか、または複数の個別の狭い部分つまりフィンガーで構成され、これらのフィンガーはマスクを付けるときにユーザーが力を加えるとフィンガーが外側に斜めに広がるような構造を有するものとしてよい。フィンガーは、外側に向かって広がり、これにより患者の顔のより広い面積にわたって膜を圧し付けるか、または支持するように配置されうる。それに加えて、フィンガーは、患者の顔の裂け目または皺の中へ曲がり、屈曲し、移動する(例えば、患者の皮膚に皺がよるせいで、または鼻孔が外側へ広がる鼻側部において)ような構造を有することができ、これにより、典型的には領域を封止するのが困難である領域においてシールを支持することができる。
【0139】
図71〜87は、本発明の一実施形態によるクッション6540を例示している。以下でさらに詳しく説明しているように、クッション6540は、一般的に患者の顔の鼻梁領域NB、鼻側部領域SN(鼻の上側と鼻の下側を含む)、鼻唇間の皺または鼻の隅領域CN、および上側または上唇領域ULに沿って患者の顔と係合するように適合された鼻インターフェースを形成する(例えば、
図74、78〜82、および94〜98を参照)。
【0140】
クッション6540の顔と接触する側は、クッションがアンダークッション6544とアンダーアクション6544を少なくとも部分的に覆う膜6546とを備える二重壁構成をとる。例示されている実施形態では、アンダークッションを鼻梁領域NB内に設けていないが、例えば、
図79および95を参照のこと。例えば
図79に示されているように、膜6546の自由端は、ビーズ6546(1)を含みうる。ビーズを含めることによって、膜によって画成されるオリフィスをクッション内に成形することができ、したがって、そのようなオリフィスを形成するために追加の切断を行う必要がない。例示されている実施形態では、膜は、比較的薄い厚さ、例えば、約0.2mmから約0.35mmの厚さを有する。
【0141】
クッションは、クッションの1つまたは複数の領域において鎌形を含むことができるが、例えば、
図79〜82の上側唇、鼻側部、および鼻の隅領域を参照のこと。使用時に、クッションの鎌形は、ちょうつがいまたは屈曲点6567となり(例えば、
図98を参照)、使用時のクッションの変形を制御しやすくなる。また、クッションのそのような鎌形により、クッションの1つまたは複数をフレーム2020(例えば、
図95〜98を参照)の上に突き出させることができ、これにより、使用時に変形するときにフレームでクッションの1つまたは複数を支持することができる。一形態では、この配置構成は、使用される変位の範囲にわたってクッションが底を打つ可能性を低減するあまり堅くないアンダークッションを備える。
【0142】
図117は、本発明によるアンダークッションまたはバックアップバンド6544の曲げ点または曲げ領域BPを示し、
図118、119、および120は、他の配置構成のアンダークッションに対する曲げ点BPを示している。異なる領域において、異なる断面を使用することもできる。
【0143】
好ましくは、
図17に例示されている配置構成が、アンダークッションまたはバックアップバンドの上唇領域において使用される。この配置構成は、異なる部分の相対的厚さに応じて、二重片持ち梁として説明することができる。厚さを増すと、堅さも増す。断面の形状は、隣接する側壁から外向きに、横方向または半径方向に延在するように構成することができるか、または
図118に示されているような別の構成では、隣接する側壁とより一列に並び、隣接する側壁から内向きに折り目または曲げを形成することによって類似の半径方向の外への広がりを有するものとしてよい。
【0144】
好ましくは、
図119に示されている断面は、鼻側部に沿って使用するのに適している。この配置構成により、顔の異なる領域を封止するように加えられる横方向の力を改善することができる。この配置構成は、異なる部分の相対的硬さに応じて、三重片持ち梁として説明することができる。
【0145】
単一片持ち梁として説明することができる代替的な配置構成が
図120に示されている。
【0146】
クッション6540の顔と接触しない、またはフレームの側は、フレーム2020と係合または連動してクッションを適所に固定するように側部に沿って細長い突起部または係止つめ部6550を備え、例えば、
図97および98を参照のこと。クッション6540は、フレームとインターフェースまたは係合するための下側側部にそった隆起した固定つめ部6552(例えば、
図97および98を参照)、およびフレームとインターフェースまたは係合するためのクッションの頂点にある隆起した頂部つめ部6554も備える。
図95は、クッションをフレームに保持するのを補助するためにフレーム2020と係合するつめ部6554を示している。隆起した頂部つめ部6554は、金型からクッションをロボット機能により離型する補助手段ともなりうる。しかし、クッションは、他の好適な方法でフレームに連結、連動、および/または位置合わせすることができることは理解されるであろう。
【0147】
クッションの顔と接触しない側も、エルボーを受け入れるか、または他の何らかの方法で連通するように適合された開口部6555を備える。例示されているように、開口部は、
図13-1および13-2に示されているようなベント装置を形成することができる。しかし、クッションは、例えば、
図55〜59に示されているような代替的ベント構成を有することができることは理解されるであろう。
【0148】
鼻梁領域
図79に最もよく示されているように、鼻梁領域内の膜6546の長さまたは深さd1は、約10〜30mm、例えば15〜25mm、例えば、19〜20mmの範囲内、例えば、19.58mmである。例示されているように、深さd1は、膜のほぼ開始位置(つまり、薄い封止部分が連結部分6547から屈曲する/ちょうつがいで動くことができる場所)から患者と接触する部分の接線部までである。鼻梁領域内の膜の深さd1は、従来技術に比べて比較的大きく、人体計測における変動に合わせて最適化されている。例えば、比較的高い鼻梁は、膜内にさらに貫入しうるが、比較的浅い鼻梁は、膜の屈曲をほとんどまたはまったく起こさずに膜上に留まりうる。
【0149】
頂部から見たときの鼻梁領域内の膜6546の幾何学的形状または湾曲も、多様な患者の顔に合うように構成される。
図75に最もよく示されているように(鼻梁領域でホタテ貝の形または湾曲および鼻側部領域では隆起部分6549を示す)、鼻梁領域における深さd2は、約10〜15mm、例えば、11〜12mmの範囲内、例えば、11.52mmであり、鼻梁領域における幅d3は、約10〜20mm、例えば、15〜16mmの範囲、例えば、15.35mmである。
【0150】
深さd2は、最も扁平な鼻に十分対応できる深さであり、したがって、膜のエッジは鼻梁上に載り、隆起部分6549は各鼻側部上に載る。鼻梁は高ければ高いほど、隆起部分の鼻側部に固定され、鼻梁領域の膜は屈曲して、鼻梁が鼻梁領域の膜内に移動し、ゾーンz内のどこかで停止するようにできる。
【0151】
幅d3は、幅広の鼻梁に十分対応できる幅である。隆起部分6549は鼻側部に固定され、次いで、膜が屈曲するか、または伸びて、鼻梁を収める。幅d3は、最も幅広の鼻に適するように選択されており、したがって、隆起部分は、眼窩の下のより硬い骨組織上に常に載り、クッションを所望の場所に固定し、安定化し、位置決めする。
【0152】
使用時に、好ましい一形態では、膜もしくは封止フラップが鼻梁領域内のアンダークッションによって実質的に支持されないので、鼻が封止位置に移動したときに、膜は鼻梁の最も高い部分でピンと張られた状態になる。さらに、好ましくは、鼻梁の最も高い点に隣接する領域内の鼻側部上で「つままれる」。鼻側部にかかる横方向の力は、鼻梁の高さに合わせて変化するように構成されうる。鼻梁は深ければ深いほど膜内にさらに押し込まれて、その領域内の張力を高め、クッションの側部を引いて曲げるか、または片持ち梁のように内側へ突き出し、横方向の力を強くして、鼻側部上のシールを改善する。鼻梁が比較的低く、頬骨が高い顔面上で、鼻梁に隣接するクッションの領域は外側へ斜めに広がり、膜内の張力を高め、延いては比較的低い鼻梁にかかる封止力を強めることになる。本発明の好ましい形態では、バックアップバンドまたはアンダークッションは、鼻梁に隣接する領域内の従来技術のクッションに比べると、比較的自由に内側に、また外側に屈曲する。
図116-1から116-3を参照のこと。
【0153】
鼻側部
鼻側部のアンダークッション6544は、特に鼻から頬へと移り変わるときに顔の湾曲があるため、クッションを固定し、膜の位置決めをし、膜を安定化するように製作されている。この湾曲は、患者毎に異なりうる。アンダークッションは、皺が寄らないように膜の位置を決め、膜の輪郭を維持する。
【0154】
鼻の隅の領域または上唇領域などのアンダークッションの他の領域より広いアンダークッション6544のフラップまたは延長部分6545がある。この配置構成により、非常に細い鼻が、膜がアンダークッションによって支持されている領域内で膜と確実に接触することができ、また鼻から頬への膜の滑らかな移行が確実に行われる。幅広の鼻は膜のより広い領域と接触し、アンダークッションのより大きな部分が膜を支持する。
【0155】
図74は、アンダークッションのフラップ6545の近似的配置を示すさまざまな例示的な寸法を示している。一実施形態では、d4は、約5〜15mm、例えば、9〜10mmの範囲内、例えば、9.26mmであり、d5は、約10〜15mm、例えば、12〜13mmの範囲内、例えば、12.80mmであり、d6は、約20〜25mm、例えば、22〜23mmの範囲内、例えば、22.10mmであり、d7(例えば、フラップの底部から上唇領域までの距離)は、約10〜20mm、例えば、15〜16mmの範囲内、例えば、15.58mmである。
図75は、フラップ6546の頂部から上唇領域内のクッションの近似的接点までの例示的な距離d8を示している。クッションは、典型的には、ほぼ同じ場所で患者の上唇上に載るが、ただし、クッションが鼻梁上に載る可能性の高い場所は変わりうる。したがって、フラップは、上唇領域から十分な距離の間隔をあけて並べられ、鼻側部上に載る。
【0156】
図83は、アンダークッション6544のフラップ6545の最も広い部分を通る断面図である。例示されているよう、フラップは比較的大きな半径を有し、これにより鼻側部に過度の圧力(例えば、このような圧力は鼻孔を閉塞させたり、または鼻がつままれるような感覚を引き起こす可能性がある)が加わらないようにアンダークッションが容易に転がるか、または内向きに屈曲しうる。一実施形態では、外面の半径r1は、約12〜20mmの範囲、例えば、16mmであり、内面の半径r2は、約8〜16mmの範囲、例えば、12mmである。また、フラップの自由端の方へ向かう厚さt1は、容易に屈曲できるように、約0.5〜1.5mmの範囲、例えば、0.9mmであり、フラップの自由端から内向きの厚さt2は、アンダークッションのつぶれではなくちょうつがいの動作を促すように、約1.0〜1.5mmの範囲、例えば、1.2mmである。
【0157】
フラップ6545の長さは、先端部からクッションのフレームまたは前面に対するフラップの連結部までの間で計測される。フラップの長さは、約10〜30mmの範囲内である。好ましくは、フラップの長さは、約15〜25mmの範囲内である。より好ましくは、フラップの長さは、約18〜23mmの範囲内である。最も好ましくは、フラップの長さは、約20mmである。
【0158】
鼻の皺または隅
鼻の皺または隅におけるアンダークッションは、この領域内のマスクを安定化するか、または固定するような構造を有している。また、顔のこの領域の幾何学的形状が複雑である、つまり、鼻孔の広がり、上唇、および頬領域が皮膚のくぼみおよび/または皺の中に一緒に入り込むことがあるので、鼻の皺または隅は封止が本質的に困難である。アンダークッションは、この領域内ではより堅く、膜を十分に支持することができ、したがって、このより複雑な幾何学的形状に接するか、または従うように位置決めすることができる。
図84に示されているように(クッションの半分に対するアンダークッションを示している)、鼻の隅の領域内のアンダークッションは、局所的な肥厚を含み、堅さを増す。一実施形態では、局所的な厚さt3は、約1〜2mmの範囲、例えば、厚さ1.4mmであるものとしてよい。また、
図81および82は、鼻の隅の領域CN内のアンダークッション、およびその相対的に厚い厚さおよびきつい半径を示している。
【0159】
図85は、アンダークッション6544の鼻の隅の領域を通る断面図である。一実施形態では、外面の半径r3は、約5〜15mmの範囲、例えば、8mmであり、内面の半径r4は、約2〜8mmの範囲、例えば、4.85mmである。また、アンダークッションの先端部の厚さt4は、約0.5〜1.5mmの範囲、例えば、0.85mmであり、アンダークッションの頂点の厚さt5は、約1〜2mmの範囲、例えば、1.4mmである。頂点の厚さt5は、膜を安定化させ、アンダークッションの基部bではなくこの点を中心とするちょうつがいの動作を行わせるために、比較的厚くなっている。
【0160】
上側または上唇領域
図79および95に示されているように、上側または上唇領域ULのところのアンダークッションは、敏感な口歯肉組織に対応できるように構成されている。したがって、この領域内のアンダークッションの厚さは、約0.5〜1.0mmの範囲、例えば、0.7mmである。上唇領域内のアンダークッションの厚さは、アンダークッションの他の領域に対して最も薄いものとしてよい。上唇領域内のアンダークッションの半径は、クッションが固定ではなく上唇領域上に載ることを意図して比較的大きい。一実施形態では、上唇領域の半径は、一定でなくてもよく、例えば、その中心における半径r5は、約65〜75mmの範囲、例えば、72.71mmであり、鼻の隅の領域の方に向かう半径r6は、約30〜40mmの範囲、例えば、36.85mmである。
【0161】
本発明の技術によるマスクは、着用者の顔および鼻のサイズおよび形状に応じて封止力を適応させることができる。例えば、上唇領域では、封止力は、アンダークッションまたはバックアップバンドを通る圧縮力と膜もしくは顔用フラップの張力の両方の結果であるものとしてよい。より幅広の鼻は、クッションの隅を外側へ斜めに広げ、封止するために顔に加えられる張力の大きさを増すことができる。そのような配置構成は、この領域内の顔のより扁平な形状に適していると思われる。
【0162】
膜とアンダークッションとの間の関係
例示されている実施形態では、膜はクッションの異なる領域内のアンダークッションからの距離の点で異なる、つまり、膜とアンダークッションとの間の間隙は、クッションの異なる領域内で異なるものとしてよい。多様性が大きい顔面起伏の領域(例えば、鼻の頂部および側部など)において、膜に対する追加の領域が屈曲できるようにより大きな間隙を設けることができる。また、膜が伸びるか、または張力を上唇に加える傾向のある上唇領域などの領域において、柔軟性を小さくし、膜の支持を高めるためにより小さな間隙を設けることができる。
図76および79は、クッションの異なる領域におけるアンダークッションと膜との間の間隙の例示的な距離を示している。一実施形態では、距離d9は、約5.8〜6.0mmの範囲、例えば、5.89mmであり、d10は、約4.8〜5.0mmの範囲、例えば、4.93mmであり、d11は、約4.2〜4.4mmの範囲、例えば、4.29mmであり、d12は、約4.0〜4.2mmの範囲、例えば、4.06mmであり、d13は、約3.2〜3.4mmの範囲、例えば、3.3mmであり、d14は、約3.4〜3.6mmの範囲、例えば、3.49mmであり、d15は、約3.7〜3.9mmの範囲、例えば、3.76mmであり、d16は、約3.7〜3.9mmの範囲、例えば、3.76mmである。
【0163】
封止力
図86および87は、使用時の患者の鼻側部および前部から見たときのクッションの例示的な封止力を示す略図である。
【0164】
図86に示されているように、鼻梁領域内のクッションは、Aで示されている鼻の鼻根正中点またはくぼみに沿っては封止しない。むしろ、鼻梁領域内のクッションは、Bで示されている鼻梁の下側領域に沿って封止する。クッションは鼻の下で封止するので、鼻梁領域内のアンダークッションの比較的大きな切欠が設けられる(例えば、
図74の切欠6557を参照)。つまり、鼻は、鼻から下がるにつれ広くなり、したがって、切欠は広範な患者に対応できる十分な広さを有する。
【0165】
鼻梁領域内の膜は、患者の鼻梁において力を加える引き伸ばし効果を有する、つまり、膜の伸びまたは弾性を使用して、クッションの他の領域内のようにアンダークッションではなく鼻梁内に力を加える。例えば、膜とアンダークッションとの間に間隔または間隙がなくなるまでクッションを患者の顔に押し付ける。鼻梁領域内にはアンダークッションが設けられていないため、膜は、クッションが患者の顔に押し付けられるとともに伸びる、つまり、膜は
図75に示されている隆起部分6549を横切って伸びる。伸びた、または拡張した膜は、鼻梁において力を加えるためにピンと張ったトランポリンのような膜部分を形成する。
【0166】
例えば、
図116-1、116-2、および116-3は、伸ばしと張りを伴う鼻梁領域NB内の封止を例示している。
図116-1は、患者の鼻と接触する前のクッションを示している。例示されているように、膜または顔用フラップ6546は、アンダークッションまたはバックアップバンド6544から相隔てて並ぶ。
図116-2は、膜がアンダークッションと係合し、鼻梁領域内のアンダークッションによって画成される間隙上で膜をピンと張る(この図では点荷重として例示されている)ように膜6546と接触する鼻を示している。鼻が
図116-3に示されているようにクッション内にさらに押し込まれると、アンダークッションは片持ち梁のバネとして作用し、曲がり始める(この図では点荷重として例示されている)。
【0167】
膜の表面は、摩擦を発生し、シール能力を高めるためにつや消し、または研磨することができる。工具の表面を研磨することで、粘つきまたは粘着感が強くなり、摩擦が増加しうる。つや消しの封止表面は、工具の表面の粗さを大きくすることによって形成することができる。つや消し表面は、いくつかの領域内で好ましいものであるとしてよい。
【0168】
図87および87-2に示されているように、アンダークッションの湾曲したフラップ6545は、鼻側部内に、またCで示されている鼻ベント上に封止力を加えるように構成されている。湾曲したフラップは、鼻側部に押し入り、および/または転がり込み、さらには鼻を囲む(鼻梁領域を除く)。フラップ上から頂点へはアンダークッションはない。フラップ間の間隙Gは、最小の鼻母集団に適合するようなサイズである、つまり、間隙は、広範な患者に対してフラップが鼻側部と確実に接触するように十分に狭い間隙である。一実施形態では、間隙Gは、約10〜30mm、例えば、15〜25mmの範囲内、例えば、18.5mmである。
【0169】
フラップ6545の好ましい比較的大きな半径の結果、それぞれのフラップは側壁の硬い部分から十分に間隔をあけた低鼻梁タイプの鼻に対する曲げ点を画定する。使用時に、それぞれのフラップは、低い鼻梁が側壁の硬い部分と出会うことなく曲がるか、または転がる。
図87-1(a)は、低い鼻梁に対するフラップの例示的な変形を示しており、
図87-1(b)は、高い鼻梁に対するフラップの例示的な変形を示している。この配置構成は、より広い/低い鼻が側壁のより硬い領域に遭遇する可能性のある小さな半径を有する当技術分野で知られているアンダークッションとは対照的である。
【0170】
図87に示されているように、鼻の隅の領域内で厚くなっているアンダークッションは、Dで示されている鼻の皺のところで患者の顔の面内に封止力を加える。顔のこの領域は、あまり敏感でなく、患者の顔に付けられているマスクを安定させるためにさらなる力を加えることができる。鼻の皺のところのシールは、この領域上を通る顔全体を覆うクッションとは対照的に、鼻クッションにとって重要なものである。したがって、アンダークッションは、皺のところを掘ってクッションを患者の顔の面内に力で送り込んで封止し安定させようにも、鼻の隅または皺の領域では比較的硬い。また、皺領域内のクッションは、鎌形(例えば、
図82を参照)を含み、使用時に制御しつつ変形させる。
【0171】
封止力を患者の上側唇(
図86においてEで示されている)に封止力を与えるための唇領域内のアンダークッションは、快適さのために比較的あまり堅くない(例えば、皺領域に比べて)。
【0172】
アンダークッションの形状、サイズ、カール、および/または厚さを変化させることで、顔の異なる領域で力を変化させることができる。
【0173】
3.4 代替的な封止装置
図5-1から5-6は、封止装置440の代替的実施形態を示している。封止装置440は、上で説明されているのと似た方法でフレーム420の本体部422内の開口部に受け入れるように構成されている1つまたは複数の突起部450を備えることができる。封止装置440は、上で説明されているようなクッションを備えることもできる。例えば、封止装置440は、アンダークッションと膜、または上で説明されているようフォームクッションとシリコーン製クッションを備えることができる。
【0174】
クッションは二重壁シールを有することができ、鼻梁のアンダークッションは切り取られるか、または取り除かれる。上側頬または鼻側部のアンダークッションを持ち上げて、ユーザーの顔にあるクッションを安定させることができる。クッションは、研磨された外面およびつや消し内面を有することができる。クッションは、シリコーンまたは他の好適な材料から作ることができる。
【0175】
3.5 代替的クッション
図11-1では、クッション540のそれぞれの側部は、上で説明されているのと同様の方法でフレームと連動するように適合された保持機能部を備える突起部550を具備する。フレームの上端は、商標設定およびクッション保持用のランディング541を備え、フレームのそれぞれの側部は、保持を補助し、フレームの上端にあるランディングと美的に結びつくようにカップ状部分543を備える。
【0176】
図11-2から11-9は、別の実施形態によるクッション540-1のさまざまな図を示している。
図11-8および11-9に最もよく示されているように、クッションの顔と接触する部分(例えば、膜546、アンダークッション544、および側壁542)は、快適さと柔軟性を高めるために鎌形または疑問符形の構成をとる。
【0177】
図11-6から11-9に示されているように、クッション540-1は、クッションの前に衝撃吸収部分545、つまり、シールとエルボーとの間の部分を備える。衝撃吸収部分は、薄くした領域であり、例えば、厚さ2から3mmであるクッションの他の部分に比べて厚さ1mmである。
【0178】
図15-1から15-3は、フレームと係合するクッション540-1のさまざまな図を示している。上述の配置構成と同様に、クッションは、フレーム520の側壁に沿って各開口部と係合もしくは連動するように適合された突起部550を備える。
【0179】
一実施形態では、上唇領域のアンダークッションを取り除き、クッションが使用されているときに患者の上唇にかかる圧力による不快感を防ぐことができる。
【0180】
一実施形態では、クッションの患者側は、つや消し仕上げとし、クッションの患者側でない側は、磨き仕上げとしてよい。
【0181】
3.6 さらなる代替的クッション
クッション2010の一実施形態は、
図33から39に示されている。クッション2010は、単一サイズの一群の患者に合うように設計することができる。これを達成するために、クッション2010のさまざまな領域を、より大きな鼻およびより小さな鼻に快適に装着できるように屈曲し調整するように手直しすることができる。
【0182】
膜2040は、使用時に患者の顔と接触し、封止する。鼻梁領域2041は、使用時に患者の鼻の鼻梁または頂部に接するような構造を有する。鼻梁領域2041は、使用時に患者の鼻の上に伸びるように弾性的に変形可能であるものとしてよい。隆起している側部2042は、使用時に患者の目の近くの患者の鼻側部と係合し、圧迫するものとしてよい。この圧縮力は、患者の鼻側部で係合するクッションを安定させることができる。圧縮力は、より広い鼻では、鼻梁領域2041が患者の鼻梁の上に伸びるということも意味しうる。あるいは、鼻梁領域2041は、伸びることなく患者の鼻に載るか、または接するものとしてよい。さらに、鼻梁領域2041は、使用時に高い鼻梁を持つ患者が自分の鼻を膜上に位置決めし膜の鼻梁領域2041をより長い鼻梁の上に屈曲させることができるようにより深いか、またはより長い。
【0183】
側部フラップ2043は、クッションが使用時により扁平な、または浅い鼻と合わさって封止することができるように、より長いか、またはマスククッション内にさらに貫入する。側部フラップ2043は、患者がより高い鼻梁を有する場合にクッション内に屈曲して入り込むように柔軟なものとすることができる。
【0184】
膜上の頂点2046は、膜の他の領域と比較したときに高さがより高い隆起部分または点であるものとしてよい。これは、使用時に鼻孔または鼻孔の広がりに近いユーザーの鼻の隅にクッションを固定するものとすることができる。
【0185】
上側唇領域2044は、膜の下側部分に位置決めされ、使用時にユーザーの上唇と係合するか、または載るものとしてよい。患者のさまざまな上唇の幾何学的形状に合わせて湾曲させることができる。
【0186】
柔軟な部分2045は、クッション2040上のエルボーまたはスイベルリングの連結部の近くに位置決めすることができる。柔軟な部分2045は、クッションから管を外せるように薄くした材料またはより柔軟な材料の領域とすることができる。
【0187】
係止つめ部2601は、クッションの前領域の少なくとも一部分に位置決めすることができる。係止つめ部2601は、フレームとともに組み立てたときにクッションを適所に固定する隆起した輪郭または頂点を有することができる。
【0188】
固定つめ部2661も、クッションの前領域の少なくとも一部分に位置決めすることができる。固定つめ部2661は、他の部分とインターフェースするか、他の何らかの方法でフレームと係合するようにクッションの他の部分より高くなっていてもよい。
【0189】
頂部つめ部2651は、クッションの頂点に位置する隆起部分であるものとしてよい。頂部つめ部2651は、ロボットによりクッションを容易に離型できるように、またフレームと係合するように位置決めされうる。
【0190】
ベントまたはスイベルリング2090は、エルボーまたは呼吸可能ガスの供給を受け入れるようにクッションのオリフィスのところに位置決めすることができる。ベントリング2090は、クッション2010とともに成形されるか、または他の何らかの方法で永久的にクッション2010に取り付けたままにできる。ベントリング2090は、マスクシステムからガスを排出できるようにその周の少なくとも一部の周りにベント穴を有することができる。
【0191】
図40から45は、本発明の一実施形態により互いに組み付けられた上述のクッション2100およびフレーム2020を示している。
【0192】
さらなる代替的実施形態
本発明の技術のさらなる代替的実施形態において、前額部支持体を有しないマスクシステムが実現される。
図121から124を参照のこと。前額部支持体が存在しないと、マスクシステムの一般的に目立つ状況が軽減されるが、使用時にマスクシステムの安定性を欠く、例えば、横方向の、例えば、左から右への安定性を欠く可能性もある。安定性を欠くことは、睡眠呼吸障害の治療に使用した場合に顔全体を覆うマスクでは問題となる可能性がある。人が横向きで睡眠している場合、顔全体を覆うマスクは嵩およびサイズが比較的大きいため、鼻マスクに比べて、例えば、枕で、容易に崩れてしまう可能性がある。
【0193】
一形態では、マスクシステムは、頬に沿ってマスクフレームに、またはマスクフレームから延在する上側ヘッドギアコネクタ(UHC)および/または下側ヘッドギアコネクタ(LHC)を備えることができる。あるいは、マスクシステムは、安定化部分、またはリジダイザー(rigidisers)を備えるとよい。一形態では、上側ヘッドギアコネクタ、安定化部分、またはリジダイザーは、目の下の頬に使用時に配置される。コネクタ、安定化部分、および/またはリジダイザーは、ナイロンなどの半剛体材料から製作することができる。あるいは、比較的硬質のゴム、例えば、タイプAデュロメーター60以上の液体シリコーンゴムから成形することができる。
図121〜124および
図128〜129を参照のこと。参照により本明細書に組み込まれているWO2009/108995として公開されている国際特許出願PCT/AU2009/000241も参照のこと。
【0194】
鼻マスクと顔全体を覆うマスクの両方の他の問題として、患者の鼻梁領域の頂点は敏感であるとともに人が異なれば異なるという点が挙げられる。
【0195】
さらに、本発明の技術の好ましい一形態では、鼻根点の下の領域内、および鼻の軟骨(CART)の上の、ときには鼻骨と称される、鼻の骨性部分上にシールを形成するように構成されると共に配置されたマスクシステムを実現する。
図125b、129、および131を参照のこと。我々は、この配置構成によりマスクシステムの目立ち具合を小さくすることができることを発見した。
図125aおよび
図125bのクッションのサイズを比較されたい。さらに、目の隅に空気の噴流が入る危険性も減らすことができる。
【0196】
本発明の技術による顔全体を覆うマスクシステムの好ましい一形態では、クッションは、下側唇の下の顔の領域上にシールを形成し、口の側部、および鼻側部の周りに、またクッションの周を画成する、鼻根点の下の鼻梁領域の骨性部分を横切って延在するようなサイズのクッションである。好ましくは、クッション内のオリフィスは、クッションが使用されていないときに測定した約70mmから80mmまでの範囲、好ましくは約72mmから約78mmまでの範囲の高さを有する。好ましい高さは、鼻根点の下、ただし鼻の軟骨の上にクッションを配置しやすくする高さである。
【0197】
マスクシステムの好ましい形態には、3つの異なるクッションサイズ、小、中、および大がある。これらのサイズは、クッションが擦り切れて下側唇の下に、また鼻根点の下の、鼻梁の骨性領域上にシールを形成するように選択される。したがって、好ましくは、使用時に特定のサイズのクッションが鼻の骨性領域の下に、つまり、軟骨上に来ていることを人が知った場合、その人は、より大きなサイズのクッションを選ぶよう指示を受ける。同様に、使用時に特定のサイズのクッションが鼻根点領域内に来ていることを人が知った場合、その人は、より小さなサイズのクッションを試すよう指示を受ける。
【0198】
患者側から見た場合、好ましいクッションは、頂点部が丸くなっている、ほぼ三角形の形状を有する。クッションは、使用時に患者の鼻梁に隣接して配置される頂点を画成する。クッションは、患者と接触する部分、中間または側壁部分、および接触しない部分を有する。好ましくは、接触しない側は、例えば、機械的な干渉、連動、接着、およびクッションを保持する留め金またはクリップのうちの1つまたは複数によってマスクシステムのフレームまたは外殻と相互連結するように適合される。
【0199】
好ましくは、クッションは、ゴム、例えば、約35から約45までの範囲内のタイプAデュロメーターを有する液体シリコーンゴムから一体成形される。
【0200】
クッションの領域
本発明の技術によるクッションは、鼻梁領域(NBR)、鼻側部領域(SON)、口角領域(MCR)、および唇または顎領域(CHN)を含む、多数の異なる領域を持つように構成されると共に配置される。これらの領域のそれぞれにおけるクッションは、異なる形で機能するように、例えば、異なる力/変位性能、および異なる力の向きで機能するように構成されうる。
図125bを参照のこと。
【0201】
図126および
図127aから
図127eを参照すると、以下の断面が説明されていることがわかり、ここで、B-Bは患者の鼻梁上に位置決めを行うように適合された部分に対応し、C-C、D-D、およびE-Eは患者の鼻側部上に位置決めを行うように適合された部分に対応し、I-Iは患者の口領域に対応する。
【0202】
封止構造
本発明の技術によるクッションの好ましい形態は、封止構造、好ましくは薄い顔用フラップの形態を含む。
図127の項目127-10を参照のこと。薄い顔用フラップは、使用時に鼻の一部が通ることができるオリフィスを画成する内側エッジIEを有する。本発明のクッション技術のうちの顔全体を覆うクッション技術では、唇もオリフィスを通ることができる。薄い顔用フラップは、フラップの鼻梁領域内の約0.35mmから鼻側部における約0.5mmまでの範囲の厚さを有する。好ましくは、フラップは、約35から45までの範囲内のタイプAデュロメーターを有するシリコーンで成形されるが、他のデュロメーター、材料、および厚さも使用できる。好ましくは、フラップを成形するために使用される工具の一部は、例えば、鼻梁領域NBRにおいて研磨され、これにより、顔と接触するフラップの表面が少し粘着性を帯び皮膚とのシールを保持するのを補助する。好ましくは、フラップは、顔の典型的な形状に相補的に合う形状に形成される。例えば、鼻梁領域は、フラップの隣接する部分に相対的な谷123-10を含む。別の例では、下側唇または顎領域も、谷129-10を備える。
図123、128、および129を参照のこと。この方法で、フラップは、対象着用者の顔面に関係する形状を有する。
【0203】
鼻梁領域内の谷123-10は、約15mmから22mmまで、好ましくは約16mmから約20mmまでの高さNBDを有し、これらの高さは「底を打つ」か、またはマスクの硬い部分と接触する前に鼻によってフラップが変位されうる距離を定める。
図128を参照のこと。このアプローチの利点として、クッション適合範囲が、鼻梁の高さに関して改善される点、例えば、アジア人の顔のより浅い鼻梁領域および白人のより高い鼻梁領域の両方に対応できる点が挙げられる。
【0204】
鼻梁領域の頂点では、好ましくは、フラップは、保持機能部と封止部分との間の接合部からエッジIEまでの間で測定したときに約30mmから50mmまで、好ましくは約35mmから45mmまで、より好ましくは40mmの長さを有する。クッションは折り目を付けて事前形成されるので(例えば、
図127aを参照)、使用時にフラップの約20mmから30mmまで、好ましくは25mmが患者の鼻梁と接触する。接触が少なすぎれば漏れが生じるか、またはつまむことができ、接触が多すぎれば鼻の血液循環が妨げられる可能性があるので、この接触距離によりシールが改善される。
【0205】
支持構造
本発明の技術による好ましいクッションでは、支持構造部を、好ましくは、比較的厚いフラップの形態で形成し、これはときには「アンダークッション」または「バックアップバンド」とも称される。
図127の項目127-20を参照のこと。好ましくは、支持構造部、アンダークッション、またはバックアップバンドは、数ミリメートルの厚さを有し、例えば、保持機能部に隣接する基部のところの約3mmからエッジのところの約1mmまで先細りになる。この厚さにより、柔軟性を保ったまま弾力性と支持力が改善される。好ましくは、これは、約35から約45までの範囲内、例えば、約40のタイプAデュロメーターを有する、ゴム材料、例えば、液体シリコーンゴムから作られる。好ましくは、支持構造部は、使用時に顔に接触せず、シール形成構造の接触しない側に隣接して配置される。好ましくは、支持構造部は、クッションの周の少なくとも途中まで、例えば、鼻の左および右側部から口の各左および右側部に延在する。好ましくは、支持構造部は、下側唇領域を横切らず、したがって、左口角と右口角との間の支持構造部の間隙を約40mmから60mmまで、より好ましくは約45mmから約55mmまでの範囲のままにする。この間隙の利点の1つは、シールの快適さを高めることである。
図130および
図133cを参照のこと。さらに、好ましくは、支持構造部は、使用時に患者の鼻梁領域を横切らず、マスクが使用されていないときに保持機能部に隣接する支持構造部の基部で測定した、約13mmから約17mmまで、好ましくは約14mmから約16mmまで、より好ましくは約14mmから15mmまでの範囲のその後の間隙により、クッションをより広範な鼻梁高さに対応させることができる。好ましい一形態では、この間隙は、約14mmの保持機能部に隣接する、基部のところで最小であり、次いで、患者と接触する表面に向かうにつれ約20mmまで離れ、次いで、そのエッジに向かうにつれ狭まり、封止表面に約14mmまで近づくことができる。間隙が広すぎる場合、横方向の安定性の効果は減じるか、または喪失する可能性がある。例えば、
図125b、および
図127aに示されている断面B-Bを参照のこと。
図133bも参照のこと。
【0206】
クッション構造は、鼻側部(SON)、および顔面上のシールを安定させるのを補助する口角(MCR)において固定点を画成する。クッション構造は、例えば、SONとMCRの中間にある領域内よりも、これらの場所の方が厚いか、または硬いものとしてよい。
【0207】
LSP領域内のクッション構造の断面輪郭は、好ましくは、ほぼ「J字」形である。「J」の長い側は、好ましくは、完全にはまっすぐでなく、緩やかなカーブを描いているものとしてよい。この形状の利点は、使用時に鼻の幅に応じて、より容易に外側へ屈曲し、鼻側部を押すことができる点である。約3mmから7mmまで、好ましくは約4mmから6mmまでの範囲の幅を有するほぼ「J字」形の短い側の断面(SSJ)が利用可能であり、鼻側部を押すように使用時に内側へカールする。「J字」形の断面SSJは、鼻側部上に使用時に配置され、その少なくとも一部は配置される鼻の表面にほぼ平行である。
図127bおよび127Cを参照のこと。対照的に、好ましくは、MCR領域内の支持構造部の断面は、むしろ鎌形または疑問符(「?」)形を有する。支持構造部の外側エッジは、NBR内の支持構造部の外側エッジと比較したときに、保持機能部RFに対して、MCS領域内にさらに横方向に延在する。例えば、
図127bおよび127eと比較せよ。このMCR領域では、クッションは、顔の面の出入りで屈曲するように適合される。支持構造部は、LSP領域とMCR領域との間の混合移行領域を有するものとしてよい。
【0208】
我々は、支持構造部が鎌形の断面の輪郭を有すること、また支持構造部が弾力性を有するか、またはバネ状であることを好み、さらに好ましくは、異なる領域では異なる断面を有することを好む。使用時に、ヘッドギアの張力は、クッションを顔面に引き寄せる力を発生し、またヘッドギアの張力は、支持構造部を通じて、クッションの少なくともいくつかの領域において、したがって、圧縮時の封止構造を通じて作用し、顔面への封止効果を生じる所定のヘッドギアの張力で、顔に加えられる力は、とりわけ支持構造部の厚さ、材料特性、および形状に応じて変わる。我々は、顔の周りで支持構造部の幾何学的形状を変化させることを好むので、顔にかかる力は、クッションの周において変化する。
【0209】
好ましくは、支持構造部は、保持機能部に隣接して配置され、クッションの周の一部の周り、例えば、鼻側部領域から口角領域に延在する首領域(NR)を備える。
図127c、127d、および127eを参照のこと。好ましくは、首領域は、平行な壁、またはほぼ一定の断面の厚さを有する。このアプローチの利点は、破壊力、例えば、人が顔を枕に当てて横向きに寝る効果に対抗してクッションの横方向の安定性を改善する点にある。他の形態では、首領域の壁は、収束または発散、または平行、収束、および発散の何らかの組み合わせの形状をとるものとしてよい。
【0210】
好ましくは、首領域は、使用時に顔の面に対して実質的に法線方向となる角度で配置される。我々は、この配置構成の利点が、ヘッドギアの張力が顔面により効果的に伝えられる点にあることを発見した。
【0211】
唇および鼻梁領域などのいくつかの領域において、支持構造部内の間隙は、封止構造部を顔のこれらの領域に圧し付けることによってヘッドギアの張力が直接的に伝えられることがないことを意味している。これらの領域では、封止構造部は、好ましくは、その端部で支持され、各唇および鼻梁領域上で伸ばされたゴムバンドまたはハンモックにいくぶん似た形で伸張する。
図131を参照のこと。
【0212】
好ましいクッションの鼻梁領域において、支持構造部は、着用者の鼻側部にほぼ平行である表面を画成するように構成されると共に配置される。この方法で、支持構造部は鼻側部を「抱きかかえ」、横方向の移動に対してクッションを安定させる。我々は、これが前額部支持体を備えないマスクシステムにおいて特に有用であることを発見した。
【0213】
好ましい一形態では、クッションの鼻梁領域NBRにおいて、クッションの側部から見たときに、好ましいクッションは、顔の面(POF)に対してほぼ法線方向にある端部を有する。
図124を参照のこと。我々は、この配置構成が、鼻根点の下の鼻梁の骨性部分への嵌り具合を改善することを発見した。あまり好ましくない配置構成では、端部は顔の面に対して鋭角をなす向きとなり、これは、クッションが鼻上により高く載り、場合によっては、視界を遮るか、または目の隅への空気の漏れを引き起こすことを意味しうる。例えば、
図133aおよび133bを参照のこと。
図132も参照のこと。
【0214】
本発明の技術の別の代替的形態では、発泡体アンダークッションは、封止フラップの支持構造部として構成される。アンダークッション内に間隙を画成する代わりに、発泡体それ自体が支持の領域を有し、支持を欠くものとしてよい。例えば、発泡体の鼻梁領域は、フレームによって支持されないものとしてよく、これにより、鼻梁の異なる高さに合わせて屈曲するようにできる。
【0215】
4.エルボー
エルボー70は、第1の端部72および第2の端部74を備え、例えば、
図1-2、2-2、および2-5を参照のこと。第1の端部72は、封止装置40とインターフェースするか、または他の何らかの方法で取り付けられる構造のインターフェース構造を備える。第2の端部74は、空気送出管に連結されるように適合される。第1の部分は、第2の部分に対して約135°の角度を成す。しかし、エルボーの第1および第2の部分は、互いに対して他の適当な角度を成し、例えば、0°、90°、120°などとすることができる。
【0216】
一実施形態では、エルボーは、参照により本明細書に組み込まれている2008年10月22日に出願したPCT出願第PCT/AU2008/001557号で開示されているものに類似するものとしてよい。
【0217】
4.1 エルボーと封止装置との連結
封止装置40は、患者の顔に対して動作可能な位置にエルボー70を保持するような構造を有する。つまり、封止装置は、エルボー70に対する搬送手段および座面として働くものとしてよい。封止装置およびエルボーは、摩擦嵌め、スナップ式嵌め、機械式連動、または他の好適な取付メカニズムで連結することができる。しかし、エルボーを封止装置に取り付けるための他の好適な配置構成も可能である。
【0218】
示されている例では、エルボー70を封止装置40に連結するためにスイベルリング90を備えている。このようなスイベルリング90は、オプションコンポーネントであり、エルボー70は、スイベルリングなしで封止装置40に直接連結することができることは理解されうるであろう。
【0219】
図2-5に最もよく示されているように、スイベルリング90は、シリコーン製クッション242の開口部255(または
図1-1から1-4のクッション42内の開口部55)を画成する環状フランジ256と連動するように適合された外周にそった環状溝92を備える。スイベルリング90の内周は、エルボー70の第1の端部72の外面と係合するように適合された比較的滑らかな環状表面94を構成する。第1の端部72の自由端は、スイベルリング90の内側段部と、例えば、スナップ式嵌めで係合するための環状ビーズ73を備える。このような連結部は、エルボーを適所に保持し(例えば、好ましくは比較的気密の保たれている連結部)、封止装置に対してエルボーを回転または旋回させることができる。
【0220】
スイベルリングは、封止装置より剛性の高い材料で製作される(例えば、プラスチック、シリコーン、発泡体から作られる)。この配置構成では、エルボー、例えば、硬いエルボーを硬いスイベルリングに連結することを円滑にし、硬いエルボーを軟らかい封止装置に連結することを円滑にはしえない。一例では、スイベルリングを封止膜またはクッションと一体成形、機械的上乗せ成形、および/または化学的結合上乗せ形成し、例えば部品点数を減らすことができる。あるいは、スイベルリングを個部品として構成し、例えば、分解できるようにすることが可能である。
【0221】
また、開口部55、255の周りのクッションの領域には、エルボーをマスクシステムの残り部分から外せるようにある程度の柔軟性を持たせ、例えば、管の引きずりを減らすことができる。例えば、クッション開口部55とエルボー70との間の減結合メカニズムは、開口部55の領域内のクッション42上に柔軟なギンブルまたは膜を備えることができる。類似の減結合メカニズムは、参照により本明細書に組み込まれている、2009年3月4日に出願した米国特許出願第12/379,940号において説明されている。ギンブル領域の厚さは、ギンブル領域に隣接するクッションの厚さの1/3であるものとしてよい。好ましくは、ギンブルの厚さは、ギンブル領域に隣接するクッションの厚さの1/3未満であるものとしてよい。最も好ましくは、ギンブル領域の厚さは、ギンブル領域に隣接するクッションの厚さの1/2未満である。
図79、96、および98は、シールとエルボーの開口部との間のクッション6540の前の別の例示的なギンブル領域6565を示している。例示されているように、ギンブル領域は、より厚い領域とより薄い領域を備え、より薄い領域はエルボーの開口部の方へ向かう。
【0222】
クッションとエルボーとの間の封止メカニズムは、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2006/0201514号において説明されているのと類似ものであってよい。
【0223】
図4-1から4-4は、エルボー70をクッション42に結合するための代替的な配置構成を示している。
図4-1では、クッション42は、使用時にエルボー70の端部に当たって封止するように適合された開口部55から内側向きに入る干渉唇シール57を備える。
図4-2は、
図4-1の唇シール57に対する代替的な封止装置を示している。例示されているように、唇シール57(1)は、エルボー70の端部に当たって封止することができるが、例えば、
図4-1の配置構成と同様である。あるいは、唇シール57(2)は、エルボー70の周に沿って封止するように配置することができる。
図4-3は、上で説明されているようにスイベルリング90を介してクッション42に取り付けられているエルボー70を示している。この実施形態では、クッションは、使用時にエルボー70の端部に当たって封止するように適合された内側向きに延在する干渉唇シール57を備える。
図4-4は、スイベルリング90が使用時にエルボー70の周に沿ってエルボー70および/またはシールを保持するように適合された内側向きに延在する唇シール91を形成する配置構成を示している。
【0224】
例では、スイベルをエルボーの第2の端部に備え、空気送出管に連結されるように適合することができる。
図4-5は、スイベル95の一例を示している。
図4-6から4-9は、エルボー70とスイベル95との間にシールを形成するための代替的な配置構成を示している。
図4-6に示されているように、シール96をスイベル95の内面に形成(例えば、上乗成形)して、エルボーとの封止をなすようにできる。
図4-7に示されているように、スイベル95は、エルボー70の各端部の上に突き出るように適合されたフランジ部分97(1)、97(2)を備えることができる。この実施形態では、エルボー70は、スイベル85の端部を受け入れ、保持するための溝71を画成する。
図4-8では、スイベル95の端部は、エルボー70のフランジ73上にクリップで留めるように適合された弾力性のあるクリップ部分98を備える。また、唇シール96をスイベル95の内面に形成して、エルボーとの封止をなすようにできる。唇シール96は、使用時にエルボー70との係合にバイアスされるような構造を有するものとしてよい。
図4-9は、内部唇シール96がスイベル95と別に形成され、例えば、スピン溶接または接着剤によって取り付けられるスイベル95を示している。
【0225】
4.2 ベント装置
図1-1および1-2に示されているように、エルボー70は、ガス洗い出し用のベント装置75を備える。ベント装置75は、複数の穴(例えば、5〜100個の穴、例えば、20〜50個の穴、または約45個の穴)を備える。
図2-5に示されているように、それぞれの穴は、その長さに沿って外形またはテーパーを付けることができる。しかし、ベント装置は、他の好適な配置構成、例えば、異なる数の穴、穴の配置構成、1つまたは複数のベント穴を備えるベントインサートなどを備えることができることは理解されるであろう。
【0226】
ベントは、例えば、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2009/0050156号において開示されているような拡散ベントとすることができる。
【0227】
4.3 代替的エルボー
図12-1から12-3は、ベントのないエルボーの一実施形態のさまざまな図を示しており、
図12-4から12-8は、ベントのないエルボーの別の実施形態のさまざまな図を示している。それぞれのエルボー570は、クッションに連結するように適合されたクッション連結端部570(1)および空気送出管に連結するように適合された管連結端部570(2)を備える。
図12-4から12-8では、エルボーの側部には、ユーザーがクッションからエルボーを掴み、素早く放すための「ボタン」点または柔軟なフィンガー573が備えられている。
【0228】
図12-4から12-8に最もよく示されているように、エルボーは、より剛性の高い領域(ポリプロピレンまたはポリカーボネートなどのポリマーで製作される)と一体成形されうる柔軟な領域571(軟らかく感触のよいTPEまたは軟質ポリマーで製作される)を備える。柔軟な領域では、患者がこれらの領域をつまむか、または強く圧したときにエルボーの一部分が内側に屈曲し、クッション連結端部がマスクから外れるようにできる。
【0229】
この配置構成では、エルボーの封止、付加価値のある軟らかいタッチの特徴、アピール力を高める部品への何らかの着色、および容易な組み立てが可能になる。
【0230】
図12-9に示されているように、使用時に柔軟な領域が空気経路を塞ぐのを防ぐためにエルボー内にストッパー575(1)があってもよい。支持梁575(2)もエルボーの内側に付けて、エルボーの環状部に強度を与え、またストッパーを適所に維持することができる。
【0231】
一実施形態では、TPE部分をエルボーのクッション連結端部上に成形し、クッションに連結されたときにエルボーのシールがきちんとなされ、容易に回転できるようにすることができる。
【0232】
以下で説明されているようなベントリングの使用により、エルボーをベントなしにできる。
【0233】
一実施形態では、エルボーは、つや消し仕上げとすることができる。
【0234】
4.4 スイベル/ベントリング
スイベル/ベントリングを備えて、クッションとエルボーとの間にインターフェースを形成する、つまり、エルボーがクッションに連結できるようにする。
図13-1に示されているように、リング590は、クッション連結用のインターフェース591、エルボー連結用のインターフェース593、および拡散ベントを行うためのリングの周に沿って配置されているベント穴595を構成する。一実施形態では、リングは、クッションと一体成形することができる(化学的または機械的な保持によって)。
【0235】
リングは、流れの調整(つまり、ベント穴の追加または除去が可能)を容易に行えること、CO
2ウォッシュアウトの改善、加湿要件の制御、拡散性の向上、目立たないこと、エルボー内にベント穴がないためエルボーの製造が容易であること、および/またはエルボーの見栄えを自由に変えられることという特徴を備える。
【0236】
一実施形態では、唇シールをリングと一緒にすることができる(例えば、一体成形)。例えば、
図13-2に示されているように、リングを患者側のベント穴595の間で溝596とともに成形することができ、次いで、クッションを作るために、またクッションを作製するための材料を工具内に充填するときにベントリングを工具内に置くことができ、クッション材料の一部がベント穴の間の溝を通って流れ、唇シール597を形成する。唇シール597は、クッション540とエルボー570との間により効果的なシールを形成することができる。唇シールをベントリング内に成形すると、患者が取り扱う部品の点数を減らせるので都合がよい。
【0237】
一実施形態では、リングは、ベント穴のないマスク実施形態またはベント穴のあるエルボーとともに使用する場合にベントしないものとしてよい(つまり、ベント穴がない)。
【0238】
4.5 代替的エルボーおよびスイベル
図46から50は、エルボー3000およびスイベル3500の一実施形態を示している。
【0239】
エルボー3000は、マスクに連結するように適合された第1の部分3010(例えば、上で説明されているクッション2010のベントリング2090)および空気送出管に連結するように適合されているスイベル3500に付けられた第2の部分3020を備える。一実施形態では、スイベル(例えば、ナイロンで製作される)をエルボー(例えば、ポリプロピレンで製作される)に上乗せ成形することができ、例えば、エルボーの第2の部分は、スイベルの上乗せ成形およびツーリングを止めるための段部3030を備える。しかし、スイベルは、他の好適な方法で、例えば、スナップ式に、エルボーに連結することができる。環状リング3600をスイベルに備え、これは空気送出管を連結するためのストッパーをなす。
【0240】
第1の部分は、エルボーをマスクに取り付けるための柔軟な簡易脱着メカニズム、例えば、クッション2010のベントリング2090を備える。このメカニズムは、第1の部分の一方の側部または両方の側部上のボタン3100、およびボタンを第1の部分に対して屈曲させることができるそれぞれのボタンを囲む溝3200を備える。ボタンは、使用およびつまみ移動が簡単に行えるように盛り上がっている。ボタンの輪郭形状は、例えば、機能および/またはツーリングに対して変化しうる。また、それぞれのボタンは、ベントリング2090を、例えば、スナップ式で係合し、エルボーをクッション2010に取り外しできるように固定するように適合されたつめ部またはキャッチ3040を備える。
【0241】
さらに、ボタンの少なくとも一部は、例えば、使いやすくするために、軟らかい感触のよい材料(例えば、TPE)で製作される。
図49、53、および54に示されているように、溝3070をボタンとボタンとの間に設けて、TPEまたは軟らかい感触のよい材料が流れるようにする。また、内側ストッパー3300を設けて、ボタンがエルボー空洞内に深く押し込まれすぎて場合によっては破損するのを防ぐ。
【0242】
例示されているように、上側および下側つめ部3050を第1の部分に設けて、ベントリング2090とインターフェースし、エルボーがベントリング内に深く押し込まれすぎるのを防ぐ。
【0243】
図108〜112は、エルボーの代替的図である。
図108は、スイベル3500のエルボー3000への上乗せ成形、次いでボタン3100のエルボーへの上乗せ成形を示している。例示されているように、エルボーは、保持キャッチ3040、クッションに相対的な回転を円滑にする座面3041、クッションとともに封止するための封止エッジ3043、およびクッションを連結するためのストッパーをなす挿入ストッパー3045(エルボーの第1の部分の頂部、底部、および側部に設けられる)を備える。
図109は、各ボタンが押し込まれすぎるのを防ぐ内部ストッパー3300を示している。
図110および111に示されているように、ボタン3100は、エルボーの上に突き出る周に沿って配置されている段3101(例えば、0.85mm以上)を備えることができる。そのような段は、使用時にボタンの移動のための平坦で均一な部分を形成する。代替的実施形態では、
図113および114に示されているように、この段はより薄い(例えば、0.35mm)ものとすることができる。
図112に示されているように、ボタンは、ボタン押下を行いやすくするためにその周に沿って一般的に薄い(例えば、厚さ約0.4mm)、凹形部分3103を備えることができる。部分3103は、TPEまたはシリコーンなどのエラストマーから形成されうる。部分3103は、エルボーを通る空気経路を封止するためにエルボー本体にボタンを封止することができる。一実施形態では、押下の力Fは約10より小さいものとしてよい。代替的実施形態では、
図115に示されているように、凹形部分3103は、より厚い(3103)(例えば、約1.3mm)ものとすることができ、これは、押下の力を増大させうる。凹形部分の厚さを調整することで、力を調整することができることは理解されるであろう。
【0244】
上で述べているように、マスクのベントは、ベントリング2090によって行われる。この配置構成は、いくつかの利点、例えば、流れの調整を容易に行えること、CO
2ウォッシュアウトの改善、加湿要件の制御、拡散性の向上、目立たないこと、エルボーの製造が容易であること、および/またはエルボーの見栄えを自由に変えられるという利点を備える。
【0245】
5.代替的ベントの組み立て
図55から59は、マスクアセンブリの別の部分内に、別の部分とともに成形されうる代替的ベント4000を示している。本発明の一実施形態は、ベント構造を第2の位置に移動させるように変形可能な第1の位置にある要素または構造部によって結合されている相互連結されたベント構造部の組み立てに関するものである。
【0246】
本発明の一実施形態は、ベント4000をクッション4500内に成形することに関するものであるが、ベント4000を空気経路、例えば、管、エルボー、またはフレーム内のマスクアセンブリの他の部分内に成形することが可能である。
【0247】
ベント4000は、ベントアレイを相互連結するための第1の構造部を備え、第1の構造部の形状が変化するとベントアレイの配置構成または位置も変化する。
【0248】
図55は、ベント4000の一実施形態を示している。第1の構造部は、幹部4100および/または少なくとも1つの枝部4150を備えることができる。幹部4100は、ベント枝部4200のアレイを支持することができる。幹部4100は、枝部4150の中央にあるものとしてよい。幹部4100は、画成された間隔またはアレイ内に枝部4150を位置決めし、および/または枝部4150を維持することができる。また、幹部4100は、クッション4500または他のマスク要素(例えば、エルボー、フレームなど)に対してベント4000の位置合わせを補助する構造を有するものとしてよい。
【0249】
図55に示されている幹部4100の実施形態は、リングまたは円形構造を有する。幹部4100は、マスクシステム内のベント4000の位置決めをし、位置合わせをし、枝部4150の間隔をあける所望の結果に合う矩形、三角形、または他の形状などの代替的構成を有するものとしてよいことは理解されるであろう。
【0250】
幹部4100は、開口4600を有することができる。開口4600は、マスクシステムの一部を受け入れるように構成されると共に配置されうる。例えば、
図58および59に最もよく示されているように、開口4600は、マスクシステムのエルボーを受け入れるように配置される。
【0251】
枝部4150は、幹部4100をベントアレイ4200に連結することができる。枝部4150は、幹部4100の周りに均一な間隔で並ぶか、または代替的構成を有するものとしてよい。枝部4150の間隔は、空気流が拡散して流れるようにベントアレイ4200を位置決めするように形成することができる。
【0252】
別の実施形態では、枝部4150は、選択的変形可能であるものとしてよい。枝部4150は、成形、切断、または他の形成方法によって第1の位置に形成することができる。次いで、枝部4150は、加熱、冷却、力、または他の方法によって第2の位置に変形することができる。一実施形態では、枝部4150は、ベント4000をマスクコンポーネント用の工具内に配置し、工具の形状が枝部に力を加えて曲げるか、または他の何らかの方法で変形するように工具を閉じ、第2の材料を工具内に射出または他の何らかの方法で追加し、この第2の材料をベント4000の周りで硬化させるか、または安定させて枝部4150を変形位置に維持することによって変形されうる。
【0253】
一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から0〜120°離れていてもよい。一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から30〜90°離れていてもよい。一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から40〜60°離れていてもよい。一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から45°離れていてもよい。
【0254】
別の実施形態では、幹部4100は、選択的変形可能であるものとしてよい。幹部4100は、成形、切断、または他の形成方法によって第1の位置に形成することができる。次いで、幹部4100は、加熱、冷却、力、または他の方法によって第2の位置に変形することができる。一実施形態では、幹部4100は、ベント4000をマスクコンポーネント用の工具内に配置し、工具の形状が幹部に力を加えて曲げるか、または他の何らかの方法で変形するように工具を閉じ、第2の材料を工具内に射出または他の何らかの方法で追加し、この第2の材料をベント4000の周りで硬化させるか、または安定させて幹部4100を変形位置に維持することによって変形されうる。
【0255】
一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から0〜120°離れていてもよい。一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から30〜90°離れていてもよい。一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から40〜60°離れていてもよい。一実施形態では、枝部の第2の位置または変形位置は、第1の位置から45°離れていてもよい。
【0256】
図55から57に最もよく示されているように、枝部は少なくとも1つのベントアレイ4200に連結することができる。ベントアレイ4200は、本体部4240および少なくとも1つのベント穴4250を備えることができる。
【0257】
図56および57に最もよく示されているように、本体部4240は、一般的に矩形または少なくとも1つのベント穴4250に対応できる他の形状であるものとしてよい。本体部4240は、クッション4500などの、マスクコンポーネントとともに形成されたときにベント4000を適所に機械的に接着するか、または係止するのを補助することができる出っ張りまたは突起部4230も備えることができる。
【0258】
一実施形態では、それぞれの本体部4240上に少なくとも1つのベント穴4250がある。例示されている実施形態では、
図55に示されているように、4つのベント穴4250がそれぞれの本体部4240上に配置される。しかし、穴はいくつでも可能であり、例えば、1、5、10、11、またはそれ以上の数の穴が可能である。
【0259】
一実施形態では、ベント穴4250は収束する、つまり、その入口はその出口より大きい寸法を有することができる。一実施形態では、その出口直径は、約0.1〜2mmの範囲内である。一実施形態では、その出口直径は、約0.3〜0.8mmの範囲内である。一実施形態では、その出口直径は、約0.7mmである。一実施形態では、ベント穴は、約1:3のアスペクト比を有する。
【0260】
図58および59は、クッション4500内に配置されているベント4000を示している。ベントアレイ4200は、開口4600の周りに分配される。
図59は、開口4600の軸4610に対して角度αで配設されている枝部4150の長手方向軸4155を示している。したがって、本体部4240上のベント穴4250は、ベント穴4250から出る空気流を開口4600に対して角度αを成すように位置決めするように配置され、そのためそれぞれのベント穴を出る個別の空気流が斜めに広がるか、または分散する。これにより、空気流経路が拡散し、そのため、ベッドパートナーまたはベッドクロスに当たる空気流の噴流が減じられる。この配置構成は、ベント騒音も低減することができる。
【0261】
代替的実施形態では、類似のベント4000をエルボー内に配置することができ、これにより、ベント4000は第1の位置に形成され、次いで、エルボー用の金型内に置かれる。エルボー用の金型では、枝部およびベントアレイは、第1の位置から約90°変形し、それにより、エルボーの一部分の周上に位置決めされる。次いで、エルボーコンポーネントの材料を金型内に射出し、硬化させて、ベント4000を所望の位置に保持する。
【0262】
ベント4000は、柔軟な、および/または伸張性のある材料で製作することができる。ベント4000は、ナイロン、ポリプロピレン、熱可塑性エラストマー、シリコーン、ポリカーボネート、ポリウレタン、または他の成形可能な選択的に変形可能なポリマーから製作することができる。
【0263】
ベントが形成されるマスクコンポーネントは、ベントに使用される材料よりも低い融点を持つ材料から作ることができる。したがって、ベントがマスクコンポーネント用の金型内に挿入され、マスクコンポーネント用の第2の材料が金型内に射出されるか、または他の何らかの方法で挿入されると、ベントは溶融しない。
【0264】
図64および65は、クッション4500内に配置されているベント4000の代替的図である。例示されているように、このベントの配置構成により、複数のベント4250をプラスチッククッションリング上にドローラインで成形し、次いで、上乗せ成形プロセスにおいて曲げて、エルボー3000の周りに拡散性の非常に高い、静かなベントアレイを形成することができる。このアレイは、クッション4500のシリコーン材料内にカプセル封入され、吊される。
【0265】
図99から105は、本発明の一実施形態によるフレーム6620(例えば、
図88から93に示されているようなフレーム)、クッション6640(例えば、55〜59および64〜65のベントがある
図71〜87に示されているようなクッション)、およびエルボー6670(例えば、
図46〜50に示されているようなエルボー)を備える鼻マスクシステム6600のさまざまな図を示している。
図106および107は、使用時のヘッドギア6680が患者の頭部に載せられているマスクシステム6600を示しており、例えば、ヘッドギアは耳の上に引き回されている上側ストラップ6682および耳の下に引き回されている下側ストラップ6684を備える。一実施形態では、マスクシステムは、参照により本明細書に組み込まれている米国特許第7,509,958号およびPCT出願第PCT/AU2009/001605号で説明されているヘッドギアとともに使用することができる。
【0266】
代替的ベント
図60および61は、本発明の別の実施形態によるベント6050を備えるエルボー6000を例示している。例示されている実施形態では、ベント6050は、1つまたは複数のベント穴6054がその中に形成されているベント板6052を備える。ベント板は、弱くされた、または曲げることができる領域6056(つまり、ちょうつがい)も備える。スイベル6070は、空気送出管に取り付けるためにエルボーに付けることができる。それぞれのベント穴は、その長さに沿って外形またはテーパーを付けることができる。しかし、ベントは、他の好適な配置構成、例えば、異なる数の穴、穴の配置構成などを備えることができることは理解されるであろう。
【0267】
一実施形態では、ベント板6052は、ベント穴6054およびちょうつがい6056とともに成形されうる。次いで、ベント板を、エルボー6000用の金型内に入れることができる。エルボー用の金型が閉じると、ベント板のちょうつがいにより、ベント板を第1の位置(エルボーの金型内で一般的に直立位置にあるベント板を示す
図60において示されているような)から第2の使用時の位置(エルボーと係合するように曲げられたベント板を示す
図61に示されているような)に曲げることができる。エルボー用の金型が閉じられた後、エルボー用の材料が金型内に射出され、ベント板は成形されたエルボーによって第2の使用時の位置に留まる。また、追加のコンポーネントをエルボー上に成形することができる(例えば、
図61に示されているようなエルボーボタン6060)。
【0268】
図62および63は、本発明の別の実施形態によるベント6150を示している。この実施形態では、ベント6150は、クッション6140とともに成形(例えば、上乗せ成形)されたベントインサートの形態をとる。ベントインサートは、エルボーを受け入れるように適合された開口部の上のクッションの頂部に沿って位置決めされる。例示されているように、ベントインサートは、使用時に排気を患者の顔から遠ざけるように配向されている複数のベント穴6152を備える。それに加えて、ベント穴は、出てくる空気流を拡散させるように配置されうる。ベントは、他の好適な配置構成、例えば、起伏のあるベント穴、異なる数の穴、穴の配置構成などを備えることができることは理解されるであろう。
【0269】
6.ヘッドギア
ヘッドギアは、患者の顔面上の所望の位置に鼻マスクシステムを保持するためにフレーム20のヘッドギアコネクタ34、36に取り外し可能に取り付けることができる。示されている例では、フレームは上側ヘッドギアストラップのペアと下側ヘッドギアストラップのペアに対して4点連結部を備える。しかし、フレームは、他の配置構成、例えば、2点連結部または3点連結部を備えることもできる。リジダイザーまたは補強材をストラップの1つまたは複数に付けることも可能である。
【0270】
ヘッドギアは、織布、不織布、TPE、ポリプロピレン、ナイロン、または他の好適な材料などの弾性のある、または柔軟な材料で製作することができる。ヘッドギアは、安定性を加えることができる補強部材で補強することもできる。
【0271】
一例では、鼻マスクシステムは、参照により本明細書に組み込まれている、2008年12月10日に出願したオーストラリア仮出願第AU2008906390号および2009年1月29日に出願したオーストラリア仮出願第AU2009900327号で説明されているようなヘッドギアとともに使用することができる。一例では、このようなヘッドギアの取り付け/調整は、バックルまたはフックおよびループ材料によって行うことができる。例えば、ヘッドギアストラップは、ナイロン弾性材料で製作することができ、ストラップの調整は、フックおよびループ材料なしでバックルによって行う。
【0272】
しかし、鼻マスクシステムは、代替的なヘッドギアの配置構成とともに使用することができる。例えば、
図3-1から3-79は、本発明の代替的例によるヘッドギアストラップの配置構成およびヘッドギア連結配置構成を例示している。
【0273】
図3-1から3-4は、ヘッドギアストラップのサイズを決める代替的な配置構成を例示している。
図3-1は、2部頂部ストラップ調整を行うヘッドギアを示している。頂部ストラップ5001(1)、5001(2)のそれぞれの側は、マスクに連結されたラダーロックもしくはバックル、またはVelcro(登録商標)の調整、または他の好適な手段によって調整することができる。この配置構成は中央調整機能を備え、均一な張力を受けることができ、より広い適合範囲を有する。それに加えて、ヘッドギアストラップの後部は、下側ヘッドギアストラップ5004の上で後部ストラップ5003(一般的に垂直であるように示されているが、他の角度であってもよい)を摺動させることによって狭めたり広げたりすることができる。
図3-2は、単一の頂部ストラップ5001および単一の下側ストラップ5004を備えるヘッドギアを示している。頂部ストラップおよび下側ストラップは、好ましくは、弾性のある、または他の好適な伸縮性のある材料で製作することができ、広い適合範囲を得ることができる。この配置構成では、最小限度の調整から無調整までありえ、またマスクシステム上にバックルまたは外部部品を必要としない。
図3-3は、側部5001(1)、5001(2)を持つ調整可能な頂部ストラップを備えるヘッドギアを示しており、バックル5002が頂部ストラップの一方の側部に付けられ、頂部ストラップの長さの調整は、マスク(つまり、前額部支持体)と独立している。これは、調整点が1つである、およびロープロファイルであるなどいくつかの利点を備えうる。
図3-4は、調整機能と代替的バックル5002を持つ一体型頂部ストラップ5001を備えるヘッドギアを示している。このバックルは、一方の端部にちょうつがいを付けることができ(例えば、ちょうつがい5002(1))、ヘッドギアストラップに垂直に位置決めされたときに、バックルの歯5002(2)はストラップ5001から係脱し、これにより、ストラップはバックルを通り、使用時に長さを調整することができる。バックル5002が、ヘッドギアストラップに対して平行に位置する場合、バックルの歯5002(2)は、ストラップ5001と係合し、それが摺動してバックル内を通るのを妨げ、したがって頂部ストラップの長さを係止もしくは固定する。そのような配置構成は、調整点が1つである、および締め付けメカニズムが単純であるなどいくつかの利点を備えうる。
【0274】
図3-5から3-7は、底部または下側ヘッドギアストラップのサイズを決める代替的な配置構成を例示している。
図3-5は、端部において、重なる端部5004(1)が下側ヘッドギアコネクタと摺動可能に係合するように重なる下側ストラップ5004を示している。下側ストラップの端部は調整バックル5005に通され、下側ヘッドギアストラップの長さに沿ってバックルが摺動することで下側ストラップの重なりの量を調整し、したがって使用時にその長さを調整することができる。このような配置構成は、調整メカニズムが単純であり、フックおよびループなどの従来の調整手段が不要になるという利点を有するものとしてよい。
図3-6は、端部において、重なる端部が下側ヘッドギアコネクタと摺動可能に係合するように重なる下側ストラップ5004を示している。フックおよびループ取り付け具を使用して下側ストラップの端部を下側ストラップ材料の長さに沿って取り付けることができる(例えば、下側ストラップヘッドギア材料はループ材料であり、下側ストラップの端部の一部5004(2)はフック材料である)。このような配置構成は、フックおよびループ連結およびスリムラインという利点を有する。
図3-7は、ヘッドギア上のどこでも、ただし、より好ましくは頂部または下側ヘッドギアストラップにおいて、使用可能な調整装置を示している。この調整装置は、ヘッドギアの一方の部分上に置かれているマッシュルーム形のプッシュスルーコネクタ5010を備えることができ、これは、ヘッドギアの別の部分の選択された穴5012と係合し、ヘッドギア部分の摺動調整を防ぐことができる。有利には、この配置構成により、ヘッドギア部分を互いの上で回転させることも可能である。それに加えて、この配置構成は、調整装置が適所に係止されると積極的なフィードバック(例えば、かちっという音)を返すものとしてよく、これは、ヘッドギアの調整されるときが患者にわかるということを意味する。1つまたは複数の穴および/または1つまたは複数のマッシュルーム形のコネクタをヘッドギアに付けることができる。調整装置は、1回使用されるとこの装置により連結が維持されるように、柔軟で十分に硬質の材料、例えば、TPE、シリコーン、ポリカーボネート、または他の好適な材料から製作することができる。
【0275】
図3-8から3-13は、代替的な固定された、または調整可能なヘッドギアの配置構成を示している。
図3-8は、ヘッドギアストラップのサイズ調整を示しており、そこでは、穴5014(1)を持つ材料5014のループが形成され、ヘッドギアストラップ(例えば、下側ストラップ)と摺動係合することが可能になっている。ヘッドギアストラップは、材料のループに付けられた穴5014(1)とインターフェースまたは係合するように1つまたは複数のマッシュルーム形コネクタ5016を備えることができる。好ましくは、ヘッドギアが調整されているサイズを明記するためにサイズ表示(例えば、S、M、L、または1、2、3、4、5など)をマッシュルーム形コネクタ上に、またはその付近に付けてもよい。この配置構成は、単純な、知られている調整メカニズムを備え、またヘッドギアが調整されたサイズを知ることができるため有利であると思われる。
図3-9は、バックストラップのサイズ調整(頂部ストラップ、後部ストラップ、または他のヘッドギアストラップとともに使用するように適合されうる)示しており、ここで、バックストラップ5006には、サイズを支持するためのマーキング(例えば、S、M、L、XLなど)を付けることができる。メーカー、患者、または他の適任者が、ヘッドギアストラップを調整するサイズを選択し、調整マーカーの位置を合わせ(例えば、ストラップを折り畳むか、または切ってマーカーの位置合わせをすることにより)選択されたサイズとマッチするようにヘッドギアの位置決めをし、次いで、縫い付け、超音波溶接、または他の好適な技術を使用してヘッドギアストラップをこの位置に永久的に固定することができる。このような配置構成は、一端永久的に固定されると無調整であり、ロープロファイルの連結部を備える。
図3-10は、弾性または他の適切に固定可能な材料で製作された中央バックストラップ5008を示しており、調整可能なアームは
図3-7に示されているのと似たアームである、つまり、マッシュルーム形コネクタ5010および穴5012の配置構成である。
図3-11は、頂部ストラップ調整用に2つの位置、つまり、フックおよびループ連結部5015およびマッシュルーム形コネクタおよび穴配置構成5016のあるヘッドギアを示している(例えば、
図3-7に示されているようなもの)。この配置構成により、調整がいっそうしやすくなり、したがって、さまざまなサイズの患者の頭部に対応できる。
図3-12は、第1のヘッドギアストラップ5004(下側ストラップなど)が第2のヘッドギアストラップ5003(後部ストラップなど)と摺動可能に係合しうるヘッドギア連結部を示している。第2のヘッドギアストラップ5003は、第2のヘッドギアストラップに超音波溶接、縫い付け、または他の何らかの方法で取り付けられる材料5003(1)のループまたは追加の層を備えることができる。第1のヘッドギアストラップは、第2のヘッドギアストラップトップと材料の追加の層との間の間隔または溝の中に位置決めされる。超音波溶接または縫い付けまたは他の取り付け手段は、第2のヘッドギアストラップと材料の追加の層との間の溝の中の摩擦を増やし、溝を通る第1のヘッドギアの過剰な摺動を防ぐバンプまたは突出部を備えることができる。材料の追加の層は、ヘッドギア材料と同じであるが、またはTPEもしくはシリコーンなどのより耐久性のある材料とすることもできる。
図3-13は、摺動クリップ調整を示しており、そこでは、ヘッドギアストラップ5018は、クリップ5020にループにして通され、クリップ上のボタン5020(1)を圧すことで内部バネを係合または係脱することによって調整することができる。ヘッドギアストラップの端部は、フレームもしくは前額部支持体に取り付けるための穴5018(1)を備えることができる。この穴は、補強することができ(例えば、ラミネート、縫い付け、または他の補強手段で)、これにより、補強5018(2)は、穴が広がるのを防ぎ、また摺動クリップがヘッドギア材料から摺動して離れるのを防ぐこともできる。
【0276】
図3-14は、ヘッドギアストラップのサイズを決める代替的な配置構成を示している。実施形態では、ストラップは、超音波溶接されるか、または超音波切断穴を備えるか、または超音波処理で変性されうる。
【0277】
図3-15は、
図3-8と類似の配置構成を示しているが、異なる形状のマッシュルーム形コネクタ5016が穴5014とインターフェースしている(つまり、一般的に正方形の形状)。
【0278】
図3-16は、
図3-8から3-15に対する代替的な配置構成を示しており、ここでは、類似のサイズ表示を使用するが、ただし、ヘッドギアストラップの引き回し方は異なっている。第1のヘッドギアストラップの第1の端部5021(1)は、第2のヘッドギアストラップ5022の第1の側部にループにして通される。第1のヘッドギアストラップの第2の端部5021(2)は、第2のヘッドギアストラップ5022の第2の側部にループにして通される。第1のヘッドギアスストラップの第1または第2の端部のいずれかに、サイズ表示を付けることができる。第2のヘッドギアストラップは、第1のヘッドギアストラップ上にサイズ表示を付けるため穴5023または他の手段を有することもできる。
【0279】
図3-17から3-24は、フレームまたは前額部支持体へのヘッドギア連結部の代替的な配置構成を示している。
図3-17は、フレーム内のアームまたは穴5025の周りに巻くことができ、また底部ストラップをボタンまたはフックおよびループ材料と再連結することができる底部ストラップ5024を示している。この配置構成では、単純で直観的な連結を行うことができ、複数の連結部を備える場合には複数の調整位置を備え、スリムライン設計が可能であり、製造がしやすくなる。
図3-18は、底部ストラップ材料の一方の端部または両方の端部に溶接されるか、縫い付けられるか、またはラミネートされたかぎ形クリップ5025(例えば、プラスチックまたは他の好適な材料から作られる)を有することができる底部ストラップ5024を示している。フックは、フレーム上のレセプタクル5026、スロット、または穴にスナップ式に嵌るものとしてよい。このような連結手段は、より単純なドロップイン式連結、スリムライン、および製造のしやすさを実現することができる。
図3-19は、溶接、または縫い付け、または他の何らかの方法で取り付けられうる、ストラップの端部に位置する一連のフィンガー5027を備えるヘッドギアストラップ5024を示している。フレームは、ヘッドギアストラップ上のフィンガーがフレーム上のフィンガーと連動するか、または重ねられるときに、フレームから離れる、またはフレームに向かうヘッドギアストラップの横方向の移動およびしたがって摺動が、妨げられるか、または最小にされるように類似のフィンガー5028を備えることもできる。フィンガーの方向にフィンガーの係脱を行うのは、典型的なヘッドギアクリップ(例えば、ResMed Mirage Quattro(商標)に付けられるヘッドギアクリップ)の係脱と比べたときに比較的単純であるものとしてよい。
図3-20は、端部に備えたT字形バー5029を有することができるヘッドギアストラップ5024を示している。T字形バーは、TPE、シリコーン、ポリカーボネート、または他の好適な材料をなどの柔軟な材料で製作することができる。T字形バーは、ヘッドギアストラップをループにしてT字形バーコネクティングロッドに付けた穴に通すことによって取り付けることができる。あるいは、T字形バーは、溶接、縫い付け、超音波溶接、または他の好適な手段によって取り付けることができる。T字形バーは、フレーム上に備えられているレセプタクルまたはキャッチ5030の上に、または周りにループさせることができる。
図3-21は、端部に取り付けられた押し込み式連結手段5031を備えるヘッドギアストラップを示している。押し込み式連結手段は、シリコーンまたはTPEなどの一般的に柔軟な材料で製作することができる。押し込み式連結手段は、
図3-20に示されているT字形バーについて説明されているのと同様の手段によってヘッドギアストラップに取り付けることができる。押し込み式連結手段は、フレーム上の穴またはスロット5032と係合しうる球根形ロッドであってもよい。複数の穴またはスロットをフレームに備えることができる。
図3-22は、その端部の上にループさせ、その長さに沿って縫い付けるか、または他の何らかの方法でそれ自身に再び取り付けられるヘッドギアストラップ5024を示している。ループした部分は、フレーム内のレセプタクル5033の周りに摺動可能に係合する。ヘッドギアストラップの調整を行い、次いで、固定できるように、フック材料をヘッドギアストラップのループ部分に備えることができる。ヘッドギア材料は、フック材料との係合が可能になるようにループ材料で構成する必要がある場合がある。
図3-23は、フレームの切欠またはバーブ5034の上でループするヘッドギアストラップ5024を示している。ヘッドギアストラップは、摺動バネ付きクリップ5035によって調整することができ、したがって、クリップ内のバネメカニズムにより、ヘッドギアストラップの係合および係脱を行うことができる。
図3-24は、スロット付きレセプタクルを備え、ヘッドギアストラップをその中に送ることを可能にするヘッドギア連結フック5036を示している。
【0280】
図3-25から3-30は、フレームへのヘッドギア連結部の代替的な配置構成を示している。
図3-25は、端部に取り付けられた「R」字形クリップ5037を備えるヘッドギアストラップを示している。「R」字形クリップは、好ましくは係止位置に留まるようにバネ式であるか、バイアスされうる。ループ5038を、「R」字形クリップ(断面が図示されている)と係合するフレーム(例えば、
図3-25に示されているような下側ヘッドギアコネクタ)に備えることができる。
図3-26は、端部に備えられたスロットまたはシリンダー5039を備えるヘッドギアストラップを示しており、これはフレーム拡張部またはフィンガー5040の上にスロットを形成する。
図3-27は、ヘッドギアストラップのループを垂直に巻くか、またはループさせることができるフレームに備えることができる開放端ヘッドギアストラップレセプタクル5041を示しているが、スリットはレセプタクルの前に備えられている。
図3-28は、フレーム上の一般的に「U」字形のヘッドギア連結レセプタクル5042を示している。このような配置構成は、ヘッドギアストラップループ5043(図面に示されているような)の垂直挿入のために好ましいものと思われる。ヘッドギアストラップのループがヘッドギア連結レセプタクル内に挿入された後、ヘッドギアストラップのループは、「U」字形レセプタクルの一方の側から他方の側へ通ることができ、そのようなものとして、ヘッドギアストラップのループが「U」字形で固定されているためヘッドギアストラップのループがヘッドギア連結レセプタクルからうっかり外れてしまうのを防ぐことができる。
図3-29は、ヘッドギアストラップからの対向するフックまたはループとインターフェースするためにフレーム上に直接取り付けられたフックまたはループ材料5044を示している。
図3-30は、磁石5045がフレームに付けられ、磁石5046がヘッドギアストラップに付けられている磁気取り付け具を示している。
図3-31および3-32は、フレーム上のヘッドギア取り付け位置の代替的な配置構成を示している。
図3-31は、マスクの見た目の嵩を減らす、フレームの周囲に配置されているヘッドギア取付レセプタクル5047を示している。
図3-32は、フレーム上に配置され、参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第6,374,826号において開示されているのと同様の、ヘッドギアストラップに関連付けられているヘッドギアクリップ5049を受け入れるように適合されたヘッドギアマウントレセプタクル5048を示している。
【0281】
図3-33および3-37は、クッションをフレームに、または下側ヘッドギアストラップをフレームに取り付けるための代替的な配置構成を示している。
図3-33は、ヘッドギア連結アーム5050(2)の端部に配置されているヘッドギア連結ループ5050(1)を示している。この配置構成は、ヘッドギアの連結とフレームとの間に間隔をあけ、それにより、よりスリム化された見栄えにすることができる。
図3-34は、クッション5052の溝に沿って、またはその中に位置決めされた、つまり、干渉嵌めまたはスナップ式嵌めによりクッションを連結する骨格フレーム5051を示している。骨格フレームは、ヘッドギアストラップとのループ連結を可能にするためその端部のところに一般的に垂直な支柱を立てたヘッドギア連結アーム5053を有することができる。クッションより剛性の高い材料から骨格フレームを形成することが好ましい場合がある。
図3-35は、エルボーが連結する開口の下部のまたは下のクッション5055とスナップ式に係合するか、または他の何らかの方法でインターフェースするように位置決めされた下側ヘッドギア連結部分5054を示している。
図3-36は、スナップ式に嵌めた下側ヘッドギア連結アセンブリ5056を示しており、その変更形態が
図3-21に示されている。
図3-37は、フレーム5059および/またはクッション5060とスナップ式に係合するか、または他の何らかの方法でインターフェースする組み合わせたヘッドギア取付アーム5058を備えるエルボーシールリング5057を示している。
【0282】
図3-38から3-49は、ヘッドギアを前額部支持体に、または前額部支持体アームを前額部支持体クッションに連結するための代替的な配置構成を示している。
図3-38は、前額部支持体アーム上に搭載したメスバックル5062にスナップ式に嵌るオスバックル5061を示している(押すと外れる)。ヘッドギアは、ループにするか、または他の何らかの方法でオスバックルに連結することができる。あるいは、オスバックルおよびメスバックルの位置を逆転することもできる。バックルは、例えば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ナイロンなどの、スナップ式に嵌められる適切な剛性の材料で作ることができる。
図3-39は、前額部支持体アーム5064に取り付けられたロッドまたはオスコネクタ5064(1)と係合またはインターフェースされうる、スロットまたはメスコネクタ5063(1)を備える前額部支持体クッション5063を示している。この配置構成により、患者にとって好ましいか、または望ましいと思われるある程度の水平方向の回転を行うことができる。オスコンポーネントおよびメスコンポーネントの連結のために永久的な、または取り外し可能な保持機能部もありうる。
図3-40は、
図3-38に示されているのものに対する、オスバックル5061およびメスバックル5062を備える代替的なバックルの配置構成を示している。
図3-41は、
図3-39に示されているのものに対する、オスコネクタ5064(1)およびメスコネクタ5063(1)の代替的な配置構成を示している。
図3-42は、
図3-39に示されているのものに対する、オスコネクタ5064(1)およびメスコネクタ5063(1)の別の代替的な配置構成を示している。
図3-43は、上側ヘッドギアストラップとともに取り付けるための前額部支持体クッション5065を示している。前額部支持体クッションは、T字形の前額部支持体アーム5066を受け入れるためのスロットまたは空洞5065(1)を有することができる。このような配置構成では、前額部支持体アームを垂直に回転させることができ、使用時にマスクを調整する柔軟性を高めることができる。
図3-44は、前額部支持体アーム5068との摺動係合を受け入れるためのスロット5067(1)を備える前額部支持体クッション5067を示している。前額部支持体アームは、スロット内に垂直に摺動して入り、連結部がうっかり係脱するのを防ぐための保持つめ部を備えることができる。前額部支持体アームは、前額部支持体クッションに連結されたときに前額部支持体アームの水平方向の回転を妨げうる一般的にT字形の断面を有するものとしてよい。これは、前額部支持体アームを強化する働きをすることもある。
図3-45は、前額部支持体アーム5070を受け入れることができる鍵穴形の開口5069(1)を備える前額部支持体クッション5069を示している。前額部支持体アームは、前額部支持体クッション上の開口と連通するために端部に取り付けられている一般的に丸形の円板5070(1)を有することができる。このような配置構成では、使用時に前額部支持体アームの水平方向の回転が可能であるものとしてよい。
図3-46は、前額部支持体アーム5072の端部に取り付けられているボール5072(1)を捕捉することができる一般的にC字形のポケット5071(1)を有することができる前額部支持体クッション5071を示している。
図3-47は、一般的に円筒形の前額部支持体アーム5074の周りにスナップ式に嵌めることができる第1および第2のピース5073(1)および5073(2)を備えるツーピース前額部支持体クッションを示している。
図3-48は、一般的に円筒形の前額部支持体アーム5076と摺動可能に係合する第1の側部5075(1)および前額部支持体アームおよび第1の側部の端部を受け入れる第2の側部5075(2)を有することができるツーピース前額部支持体クッションを示している。
図3-49は、ツーピース構造を有することができる前額部支持体クッション5077を示しており、そこでは、それぞれの前額部支持体クッションは上側ヘッドギアストラップに永久的に、または取り外し可能に取り付けられる。前額部支持体クッション5077は、前額部支持体アームに回転可能に係合するように前額部支持体5078の端部に取り付けられているボール5078(1)を受け入れる開口5077(1)を有することもできる。あるいは、ボール/開口の配置構成を、関係する断面図に示されているように反転することもできる。
【0283】
図3-50から3-69は、バックルなしでヘッドギアを前額部支持体に連結するための代替的な配置構成を示している。
図3-50は、前額部支持体5080内の開口に通すことができる上側ヘッドギアストラップ5079を示している。それに加えて、開口は、上側ヘッドギアストラップを適所に保持するために前額部支持体の外側または患者と接触しない側に唇部または係合つめ部5080(1)を備えることができる。
図3-51は、係合つめ部またはフック5080(1)で前額部支持体内に上側ヘッドギアストラップを固定する、前額部支持体5080に通すことができる上側ヘッドギアストラップ5079を示している。前額部支持体は、上側ヘッドギアストラップを中に入れて静止させるための開口を有することができる。
図3-52は、適合範囲を広げることができるように患者の前額部から垂直方向に離れるように屈曲させることができる柔軟な前額部支持体5081を示している。
図3-53は、上側ヘッドギアストラップを包み込み、その位置を維持するために2つの係合アーム5083(1)、5083(2)を有することができる前額部支持体5083に通すことができる上側ヘッドギアストラップ5082を示している。これら2つのアームは、側部から見たときに一般的にC字形であるものとしてよい。
図3-54は、一般的にY字形の前額部支持体5085に通すことができる上側ヘッドギアストラップ5084を示している。前額部支持体の頂部にあるスロットまたは間隙は、ヘッドギアストラップの係脱のために形成することができる。
図3-55は、前額部支持体5087が上側ヘッドギアストラップのポケット内に挿入されるようにポケットまたは間隙5086(1)を備えることができる上側ヘッドギアストラップ5086を示している。
図3-56は、その外側または患者と接触しない側にループ材料5088(1)を有することができる上側ヘッドギアストラップ5088を示している。前額部支持体5089は、上側ヘッドギアストラップとインターフェースすることができるフック材料5089(1)のフェイシングを有し、これにより、前額部支持体をヘッドギアストラップと係合させることができる。
図3-57は、その構造内にレセプタクル5090(1)を有することができる上側ヘッドギアストラップ5090を示している。レセプタクルは、小さな管などの布または挿入された補強材内の間隙とすることができる。前額部支持体5091は、一般的に円筒形であり、前額部支持体と上側ヘッドギアストラップとを係合させるためにレセプタクル内に押し嵌めするか、または摺動させて中に入れることができる。
図3-58は、上側ヘッドギアストラップ5093の上を取り囲み、前記上側ヘッドギアストラップを掴み、クランプ内に保持することができるちょうつがい付き領域5092(1)を備える前額部支持体5092を示している。
図3-59は、上側ヘッドギアストラップ5095に超音波溶接することができる前額部支持体5094を示している。前額部支持体は、接着剤など他の妥当な手段によって上側ヘッドギアストラップに永久的に取り付けることができる。
図3-60は、前額部支持体5097に通すことができる野球帽スタイルのツーピース上側ヘッドギアストラップ5096を示している。
図3-61は、前額部支持体5099上のスロットまたは受け入れ部分5099(1)と係合するボタンまたは押しピン5098(1)を備える上側ヘッドギアストラップ5098を示している。
図3-62は、前額部支持体が上側ヘッドギアストラップの円筒部の上に固定されるように、クレードルまたはフックに似た形状であってよい前額部支持体5102と係合しうる円筒部5101(1)を備える上側ヘッドギアストラップ5101を示している。
図3-63は、Y字形の前額部支持体5104と係合することができる円筒部5103(1)を備える上側ヘッドギアストラップ5103を示している。Y字形の前額部支持体は、上側ヘッドギアストラップの円筒形領域の周りに巻くことができ、この円筒形領域内の各開口部内に係合するように適合されたピンを備えることができる。
図3-64は、上側ヘッドギアストラップのそれぞれの端部の端領域がT字形に折られた上側ヘッドギアストラップ5105を示している。次いで、このT字形の折った部分5105(1)を摺動して前額部支持体5106に取り付けられているバックルまたは受け入れ部分5106(1)内に入れることができる。
図3-65は、前額部支持体5108上の突出部5108(1)を受け入れるための開口または穴5107(1)を有することができるツーピース摺動調整溝を備える上側ヘッドギアストラップ5107を示している。
図3-66は、前額部支持体5110の頂部上に形成された溝5110(1)とともに摺動するか、または他の何らかの方法で係合しうる上側ヘッドギアストラップ5109を示している。あるいは、前額部支持体5111をヘッドギア5112の端部内の受け入れ溝内で摺動させるか、または他の何らかの方法で係合させることができる。
図3-67は、上側ヘッドギアストラップのアームがフレーム5115上にスナップ式に係合するか、または他の何らかの方法で取り付けるための部分を備える、上側ヘッドギアストラップ5114に取り付けられている前額部支持体5113を示している。
図3-68は、上側ヘッドギアストラップ5117の端部のループ内に縫い付けられた前額部支持体5116を示しており、前額部支持体は、そこで、フレーム5118にスナップ式に係合するか、または他の何らかの方法で連結する。
図3-69は、分離可能なアーム5119を備える前額部支持体を示している。一実施形態では、アームは弾性ストラップ5120によって連結することができる。
【0284】
図3-70から3-76は、上側ヘッドギアコネクタをヘッドギアのストラップに取り付けるために使用されるバックルの配置構成の代替的な配置構成を示している。好ましくは、バックル(
図3-70〜3-76に示されている)は、ラダータイプのロッキングクリップを形成する用に適合される。これらの例では、ヘッドギアのストラップをバックル内の第1および第2の開口を通るように織る。これらの開口は、平行になるように適合され、一般的に受け入れるストラップの配向で位置合わせされる。この一連の開口を通るストラップの織りにより、ストラップを適所に固定し、または係止し、滑りを防止または制限することができる。ストラップは、バックルとの係合をより行いやすくするために起伏のある、または波状の表面を備えることもできる。さらに、
図3-70は、一連の平行な開口(ラダーロックとも称する)が一連の歯または波形5131をバックルの延長端部上に備えるバックル5130の例を示している。一例では、この延長端部は、水平面から捻って離され、これにより、ストラップが固定されたときに、バックルに対して係脱するために必要になる場合のある患者の指でアクセスを行えるか、またはアクセスしやすくなる。
図3-71は、バックルの長さが湾曲形状または弓形の形状(側部から見たときに)に構成されているバックル5132のさらなる例を示している。これにより、周囲に応じて、ユーザーによるストラップの取り外しまたは係合の能力も改善される。
図3-72は、上述の例のどれかとともに使用されうるバックル5133のさらなる例を示している。バックルのこの例は、使用時に、ストラップと摩擦接触するように位置決めされたさらなる一連の歯または係合手段5134を備える。これらの第2の一連の歯は、一般的に、ストラップの係合の一般的配向に揃えられる。この第2の一連の歯は、一般的に、係合したときに、ストラップの滑りを防ぐか、または制限するように適合される。
図3-73は、
図3-70および3-71および3-72で参照されている一連の開口が結合されて単一の開口5136を形成するさらなるバックル5135を示している。単一の開口は、ストラップを受け入れ、これを滑りを防ぐか、または制限するようにバックルの周りに織ることができるように適合される。さらに、開口は、ストラップを通したり、または織ったりするのが簡単になるように上側表面において開いているか、または破られている。
図3-74は、バックルがヘッドギアストラップ5138の一方の端部に超音波溶接されているバックル5137のさらなる例を示している。ストラップまたは別のストラップの他端をこのバックルの開口に通すか、または織ることができる。摩擦係止、接着、または他の種類の好適な溶接を含む、バックルをストラップの端部に固定する他の手段も、同じもしくは類似の結果をもたらしうることに留意されたい。
図3-75は、2つの開口部の間に位置するバックルのピース5139(1)がわずかに隆起しているさらなるバックル5139を示している。バックルの中心を盛り上げる特徴により、使用時に、ストラップ5140にかかる摩擦力を高めることによって滑りをさらに防ぐかまたは制限することができる。
図3-76は、バックルが2つの開口の第1の集合体を通じて第1のストラップ5142(1)の端部に取り付けられているさらなるバックル5141を示している。第1のストラップは、開口の第1の集合体に通して織られ、それ自体の上にループバックする。次いで、第1のストラップを縫い合わせによりそれ自体に対して固定することができる。このバックルは、対向端上に位置する2つの開口の第2の集合体を備え、この第2の集合体は、第2のストラップ5142(2)と係合するように使用されうる。一例では、開口の第2の集合体は、第2のストラップを外せるように固定するように適合され、開口の第1の集合体は、比較的永久的なものであり、一般的に第1のストラップが外れないようにする。
【0285】
図3-77は、後部ストラップループ5143(1)、後部ストラップループの頂部から延在する上側ストラップ5143(2)、およびマスクと後部ストラップループの底部の周りに巻かれる下側ストラップループ5143(3)を備えるヘッドギアを示している。下側ストラップループの長さは、バネ仕掛けのクリップ5144によって調整することができる。
図3-78は、ヘッドギアストラップに対してヘッドギアクリップ5146に付けられている穴5146(1)と係合するように適合されたマスクに付けられたマッシュルーム形コネクタ5145を備える調整装置を示している。
図3-79は、ヘッドギアストラップ5148が中を通ってループするようにできるマスクに付けられたラダーロックバックル5147を備える調整装置を示している。
【0286】
図6-1から6-12は、本発明の代替的例によるヘッドギア連結の配置構成(例えば、バックルクリップ設計)を例示している。
図6-1は、側部に沿って押すと外れるように適合されたクリップアーム5150(1)を備える狭い構成を有するアウトリガータイプのクリップ5150を示している。クリップの首部は、柔軟なものとしてよい。
図6-2は、頂部から押し下げると外れるように適合されたクリップアーム5151(1)を備えるアウトリガータイプのクリップ5151を示している。クリップの首部は、柔軟なものとしてよい。このクリップは、比較的平らなロープロファイル設計のものである。
図6-3は、柔軟な首部を持つ連続クリップ5152を示している。このクリップは、側部に沿って押すと外れるように適合されたクリップアーム5152(1)を含む。クリップには、クリップレセプタクル内に詰め込むための間隙はない。
図6-4は、フレーム上の棒状レセプタクルと係合するように適合されたかぎ形取り付け部分5153(1)を備えるクリップ5153を示している。
図6-5は、柔軟な首部ボールまたはテーパーリードイン5154(1)と側部に沿って押すと外れるように適合されたクリップアーム5154(2)とを備えるクリップ5154を示している。
図6-6は、かぎ形レセプタクル5156と係合するように適合されたT字形バータイプのクリップ5155を示している。クリップの首部は、柔軟なものであってよい。
図6-7は、アウトリガー5157の端部上のボール5157(1)がフレームに付けられたcカップレセプタクル5158を例えばスナップ式に係合させるように適合されているボールインソケット装置を示している。一実施形態では、レセプタクル(例えば、プラスチック)は、ボールインソケット装置(例えば、シリコーン)よりも硬質の材料で製作することができる。
図6-8は、アウトリガー5159の端部上の開口部5159(1)が棒状レセプタクル5160を拡大ヘッド5160(1)と係合させるように適合されているループオーバー装置を示している。
図6-9は、上で説明されている
図6-2に示されているクリップ5151のさらなる詳細および代替的形態、例えば、クリップを受け入れるためのフレーム上のレセプタクル5161を示している。
図6-10は、フレームが解除メカニズム5162を備え、アウトリガー5163が保持にボールおよびキャッチ詳細5163(1)を含む配置構成を示している。ストラップの張力を、解除に使用することができる。
図6-11は、上で説明されている
図6-3に示されているクリップ5152のさらなる詳細および代替的形態を示している。
図6-12は、フレームが柔軟なレセプタクル5164を備え、アウトリガー5165が押しボタン解除機能5165(1)を含む配置構成を示している。
【0287】
6.1 代替的ヘッドギア
図14-1および14-2に示されているように、ヘッドギア580では、マスクを装着するときにヘッドギアが取るべき向きを示す際に使いやすく補助するためにツートーンカラーの組み合わせ(例えば、青色と灰色)が使用される(例えば、ツートーンカラーは、ヘッドギアがいつ正しく位置合わせされたか、またフックおよびループつめ部がどこに位置決めされたかを示す直観的な使いやすさを実現するものである)。例えば、灰色またはより明るい色は、ヘッドギアストラップをマスクに通し折り重ねるときに、顔面では視覚的に目立たない感じが少なくなるように灰色が外側に面するようにヘッドギアの内側に配することができる。
【0288】
ヘッドギアは、使いやすいように見える(固有の安定性構造、ツートーンの位置合わせ表示)、快適であるように見える(硬い剛体化部分が見えない、柔らかな布仕上げ、「軟らかい」灰色)、目障りなように見えない(軟らかい優しい自然な灰色、システムでは金属およびシリコーンの色に協調する灰色)、外観を高品質にし価値認識を高める(ツートーンカラー、プレミアムの熱伝導のブランド設定、新しい製造方法)、独自のものに見える(従来のBreathe-O-Preneスタイルからの逸脱、高品質のエッジ処理、灰色でブランドの強調をしやすくする)配置構成を備える。
【0289】
図18-1から18-2および19-1から19-2は、使用時に患者の頭部にヘッドギアストラップを引き回すための代替的な配置構成を示しており、例えば、上側ストラップ5560は耳の上に引き回され、下側ストラップ5570は耳の下に引き回される。
【0290】
本発明は、最も実用的で、好ましい実施形態であると現在考えられているものに関して説明されているが、本発明は、開示されている実施形態に限定されず、却って、本発明の精神および範囲内に含まれるさまざまな修正形態および同等の配置を対象とすることを意図されている。また、上述のさまざまな実施形態は、他の実施形態と併せて実装することが可能であり、例えば、一実施形態のいくつかの態様を、他の実施形態の態様と、さらに他の実施形態を実現するために組み合わせることができる。さらに、所定のアセンブリのそれぞれの独立した機能部またはコンポーネントは、追加の実施形態を構成することができる。それに加えて、本発明は、OSAを患っている患者に特に適用されるが、他の疾病(例えば、うっ血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満症治療手術など)を患っている患者も、上記の教示からの恩恵を受けることができることは理解されるであろう。さらに、上記の教示は、非医療用途における患者および非患者にも適用可能である。