【実施例1】
【0040】
本実施例に係る機能性膜のパターニング方法は、印刷法を用いて透明フィルム
に導電膜を
導電回路としてパターニングする方法であり、その方法を電子デバイスの製造方法に適用して
導電回路としてパターニングされた導電膜の透明導電性フィルムを得る。
【0041】
まず、本実施例において製造される電子デバイスとしての透明導電性フィルムについて、以下に説明する。
【0042】
図2に示すように、本実施例で得られる透明導電性フィルム1は、基材としての透明性を有する透明フィルム10上に、約4[mm]角の機能性膜としての導電膜20を約20[μm]の隙間を空けて連続するように高精細にパターニングしたものであり、透明フィルム10の原料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)を採用し、導電膜20の主原料としては、銀ナノワイヤを採用している。
【0043】
本発明における基材は、本実施例のようにPETを原料とするものに限定されず、製品として要求される透明度や剛性率などの特性に合わせて種々の原料を適宜選択することができる。例えば、本発明における基材として、PET以外のポリエステル類、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン、環状オレフィン系樹脂などのポリオレフィン類、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルサルホン(PES)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド、ポリイミド、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)などを原料とするフィルム状物を採用しても良い。
【0044】
また、本発明における機能性材料を含む低粘度の液体は、本実施例の銀ナノワイヤを主原料とするものに限定されず、製品として要求される導電率などの機能性に合わせて種々の原料を適宜選択することができる。例えば、本発明における機能性膜を、銀ナノワイヤ以外の金属ナノワイヤ、金属ナノロッド、カーボンナノチューブ、導電性ポリマー(ICP)などを主原料とする導電膜としても良い。なお、上記導電膜の金属ナノワイヤおよび金属ナノロッドにおける金属元素としては、例えば、Ag,Cu,Au,Al,Rh,Ir,Co,Zn,Ni,In,Fe,Pd,Pt,Sn,Ti等が挙げられ、本実施例のような透明導電性フィルムの導電膜としては、導電率の高い金属元素が好ましく、前記金属元素の中では、Ag,Cu,Au,Al,Coが好ましい。また、導電性ポリマーとしては、例えば、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)などが挙げられる。
【0045】
透明フィルム10上に導電膜20を
導電回路としてパターニングする際に、透明導電性フィルム1としての高い透明性を得るために、導電膜20の主原料である銀ナノワイヤを疎(低密度)にすると、低密度の銀ナノワイヤを含む導電膜形成材20a(
図5B参照)が水と同等の粘度である約1[mPa・s]から1000[mPa・s]の低い粘度となるので、従来の透明導電性フィルムの製造方法(例えば、特許文献1に記載の透明導電性フィルムの製造方法)では、
導電回路としてのパターンの導電膜を形成することができない。
【0046】
そこで、機能性材料を含む低粘度の液体すなわち低粘度の導電膜形成材20aを、印刷法を用いて
導電回路としてパターニングすることができるようにした
本実施例に係る機能性膜のパターニング方法は、
図1に示すように、ステップS1のマスク部形成工程、ステップS2の導電膜形成工程、ステップS3のマスク部除去工程を備えている。以下に、各工程について詳細に説明する。
【0047】
まず、機能性膜のパターニング方法における第一工程であるマスク部形成工程(
図1におけるステップS1)について説明する。
【0048】
マスク部形成工程は、透明フィルム10上における導電膜20を形成しない非導電範囲30に(
図2参照)、8000〜30000[mPa・s]の粘度を有するネガパターン形成材としてのマスク部形成材40aから成るネガパターン形成部としてのマスク部40を形成する工程である(
図5A参照)。本工程においてマスク部40を形成することにより、後述する後工程において、透明フィルム10上に導電膜20を形成する際、すなわち、基材10上に低粘度の透明性を有する導電性液体である導電膜形成材20aを塗布する際に、導電膜形成材20aを非導電範囲30には塗布せず、マスク部40以外の範囲である導電範囲50にのみ塗布することが可能となる(
図5B参照)。
【0049】
図3に示すように、マスク部形成工程に用いるマスク部形成装置60は、透明フィルム10を載置するテーブル70と、テーブル70上に載置された透明フィルム10の印刷面(マスク部40を形成する面)に沿って(
図3における左右方向に)移動自在に保持され、印刷法によって透明フィルム10上にマスク部形成材40aを印刷するためのグラビアオフセット印刷装置80とを備えている。ここで、グラビアオフセット印刷装置80は、図示しない移動手段によって、テーブル70に対して一方側(
図3における右側)から他方側(
図3における左側)へ移動することにより、透明フィルム10上にマスク形成材40aの印刷を施す。なお、
図3において、80(a)は、印刷する前のグラビアオフセット印刷装置80を示し、80(b)は、印刷中のグラビアオフセット印刷装置80を示し、80(c)は、印刷した後のグラビアオフセット印刷装置80を示している。
【0050】
グラビアオフセット印刷装置80は、テーブル70の上側に配設され、前記非導電範囲30(
図2参照)に対応する図示しない凹部が形成されたグラビア版胴90と、グラビア版胴90と当接すると共にテーブル70上の透明フィルム10に当接するブランケット胴100とを備えて成る。グラビア版胴90には、高粘度のマスク部形成材40a(高粘度液体)をグラビア版胴90へ供給するマスク部形成材供給装置110と、マスク部形成材供給装置110から供給されたグラビア版胴90上の余分なマスク部形成材40aを掻き取るドクターブレード120とが設けられている。
【0051】
マスク部形成材供給装置110に貯えられたマスク部形成材40aは、回転するグラビア版胴90に供給され、ドクターブレード120によってグラビア版胴90の図示しない凹部以外に供給された余剰分が掻き取られた後に、グラビア版胴90からブランケット胴100を介してテーブル70上に載せられた透明フィルム10上に転写される。このとき、透明フィルム10が載置されるテーブル70の設置位置を固定し、グラビアオフセット印刷装置80を図示しない移動手段によって透明フィルム10の印刷面に沿って移動させると共に(
図3における80(a)→80(b)→80(c))、当該グラビアオフセット印刷装置80の移動速度と同じ周速でグラビアオフセット印刷装置80のブランケット胴100を回転させることにより、テーブル70上に載置された透明フィルム10に印刷を施すようにしている。透明フィルム10上に転写されたマスク部形成材40aは、別途設けられた図示しない乾燥装置の熱によって乾燥され、導電膜20を形成する導電膜形成材20aを塗布するためのマスク部40となる。
【0052】
本実施例では、透明フィルム10を載置するテーブル70の設置位置を固定し、グラビアオフセット印刷装置80を透明フィルム10の印刷面に沿って移動させると共に、当該グラビアオフセット印刷装置80の移動速度と同じ周速でグラビアオフセット印刷装置80のブランケット胴100を回転させることにより、テーブル70上に載置された透明フィルム10に印刷を施すようにしているが、本発明におけるグラビア印刷法はこれに限定されず、グラビアオフセット印刷装置80を固定し、透明フィルム10を載置するテーブル70を移動させると共に、当該テーブル70の移動速度と同じ周速でグラビアオフセット印刷装置80のブランケット胴100を回転させることにより、テーブル70上に載置された透明フィルム10に印刷を施すようにしても良い。更に、グラビアオフセット印刷装置80およびテーブル70の両方を移動させることにより、透明フィルム10に印刷を施すようにしても良い。
【0053】
また、本発明に係る機能性膜のパターニング方法は、第一工程における高粘度液体の印刷として、グラビア印刷法を採用することが最適である。グラビア印刷法には、本実施例のようにブランケット胴100を介するグラビアオフセット印刷や、ブランケット胴100を介さないグラビア印刷があり、何れも微細線の印刷を可能とする印刷法である。また、本発明に係る機能性膜のパターニング方法は、第一工程における高粘度液体の印刷として、グラビア印刷法以外に、スクリーン印刷法、凹版印刷法、平版印刷法、凸版印刷法などを採用しても良い。低粘度の導電膜形成材20aを
導電回路としてパターニングするために、高粘度のマスク部形成材40aを印刷して微細線のマスク部40を形成することを考慮すると、凹版印刷法を採用することが好ましく、特にグラビア印刷法を採用することが好ましい。
【0054】
また、本発明に係る機能性膜のパターニング方法における高粘度液体は、本実施例のように乾燥装置の熱によって乾燥されるものに限定されず、例えば、紫外線(UV)を照射されることによって固化するものとしても良い。また、高粘度液体として速乾性を有するものを採用することにより、高粘度液体の乾燥工程(固化工程)を省略することもできる。
【0055】
前述したマスク部形成材40aの材質を表す「高粘度」とは、印刷法によって透明フィルム10(基材)上に微細線を印刷することが可能な粘度をいい、本実施例のようなグラビア印刷法におけるマスク部形成材40aとして好ましい「高粘度」は、具体的には8000〜30000[mPa・s]程度の粘度である。これにより、本実施例におけるマスク部形成材40aを、グラビア印刷装置80によって、透明フィルム10上の高精細なパターンの非導電範囲30、すなわち、10〜30[μm]幅の画線(本実施例では、
図2に示す20[μm]の画線)で印刷することができると共に、印刷された当該形状(10〜30[μm]幅の画線)を維持することができる。つまり、透明フィルム10上に印刷されたマスク部形成材40aから成る画線は崩れることなく、歪みや断線を生じることもない。なお、本実施例においては、導電膜20の膜厚は1[μm]以下であり、マスク部40の高さ(厚さ)は2〜3[μm]で形成するものとする。
【0056】
また、導電膜形成材20aの材質を表す「低粘度」とは、透明導電性フィルム1として必要とされる高い透明性を得るために、導電膜20すなわち導電膜形成材20aに含まれる銀ナノワイヤを疎(低密度)の状態にした場合における導電膜形成材20aの粘度をいい、この粘度は、通常の印刷法によって透明フィルム10(基材)上に印刷された際の形状を維持できない程度に低い粘度であり、水と同等の粘度である約1[mPa・s]から1000[mPa・s]の粘度である。本実施例における導電膜形成材20aは、後述する第二工程において、透明フィルム10上の高精細なパターンの非導電範囲30、すなわち、マスク部40によって仕切られた範囲以外に塗布されることになるので、導電膜形成材20aが前述したように「低粘度」であっても、導電膜形成材20aを
導電回路としてパターニングし、
導電回路としてのパターンの導電膜20(
図2参照)を形成することができる。
【0057】
このように、導電膜形成材20aを低粘度とすることにより、形成する導電膜20の膜厚の均一性を向上させることができる。導電膜20の膜厚均一性を考慮すると、導電膜形成材20aを1〜500[mPa・s]程度の粘度とすることが好ましい。
【0058】
なお、マスク部40が形成されていない場合には、導電膜形成材20aは、前述した程度に低い粘度であるので、塗布された際の形状すなわち
導電回路としてのパターンの形状を維持することができない。つまり、透明フィルム10上に
導電回路としてのパターンの導電膜20を形成することができない。
【0059】
次に、機能性膜のパターニング方法における第二工程である機能性膜形成工程としての導電膜形成工程(
図1におけるステップS2)について説明する。
【0060】
導電膜形成工程は、
図5Bに示すように、マスク部形成材40aが形成されていない導電範囲50(
図2参照)に、低粘度の機能性材料を含む液体としての導電膜形成材20aを塗布して導電膜20を形成する工程である。前述したマスク部形成工程において透明フィルム10上にマスク部40を形成してあるので、透明フィルム10上に導電膜形成材20aを塗布すると、導電膜形成材20aはマスク部40が形成された非導電範囲30に塗布されずに、マスク部40以外の範囲である高精細なパターンの導電範囲50にのみ塗布される。
【0061】
導電膜形成工程に用いる導電膜形成装置130は、
図4に示すように、透明フィルム10を載置するテーブル70と、テーブル70上の透明フィルム10に対して導電膜形成材20aをコーティング法によって塗布するためのコーティング装置140とを備えている。
【0062】
コーティング装置140は、テーブル70の上側に配設され、導電膜形成材20aを貯留するタンク150と、当該タンク150内の導電膜形成材20aを吸上げて下流へ送る送液ポンプ160と、送液ポンプ160によって送られる導電膜形成材20aの流量(塗出量)を調整する塗布バルブ170と、テーブル70上に載置された透明フィルム10に近接して導電膜形成材20aを塗布するスリットダイ180とを備えて成る。
【0063】
タンク150内に貯えられた導電膜形成材20aは、送液ポンプ160と塗布バルブ170が連動して動くことによりスリットダイ180の先端部181に設けたスリット部(図示せず)より塗出され、スリットダイ180が導電膜形成材20aの塗出と連動してテーブル70上に載置された透明フィルム10の上を透明フィルム10の塗布面に沿って(
図4における左右方向に)移動することにより透明フィルム10の表面に導電膜形成材20aが塗布される。このとき、
図5Bに示すように、導電膜形成材20aは、透明フィルム10上におけるマスク部40で仕切られた範囲、すなわち、マスク部40以外の範囲である導電範囲50に塗布される。透明フィルム10上に塗布された導電膜形成材20aは、別途設けられた図示しない乾燥装置の熱によって乾燥され、導電膜20となる。
【0064】
本実施例では、
図4に示すように、コーティング装置140における透明フィルム10を載置するテーブル70の設置位置を固定し、スリットダイ180の先端部181より導電膜形成材20aを塗出させると共に、スリットダイ180を透明フィルム10の塗布面に沿って移動させることにより、テーブル70上に載置された透明フィルム10にコーティングを施すようにしているが、本発明における機能性材料を含む低粘度の液体の塗布はこれに限定されず、スリットダイ180を固定し、透明フィルム10を載置するテーブル70を移動させることにより、テーブル70上に載置された透明フィルム10に導電膜形成材20aの塗布を施すようにしても良い。更に、コーティング装置140およびテーブル70の両方を移動させることにより、機能性材料を含む低粘度の液体の塗布を施すようにしても良い。
【0065】
なお、透明フィルム10上に形成する導電膜20の膜厚は、送液ポンプ160による送液量、塗布バルブ170によって調整される流量、スリットダイ180の先端部181におけるスリット部の幅等によって調整することができる。
【0066】
また、本実施例では、第二工程における機能性材料を含む低粘度の液体の塗布として、スリットダイ180によるスリットコーターを用いたコーティング法を採用して説明したが、本発明はこれに限定されず、機能性材料を含む低粘度の液体の塗布として、ロールコーター、カーテンコーター、スプレーコーターなどを用いたコーティング法を採用しても良いし、コーティング法以外にも、フレキソ印刷やスクリーン印刷などの印刷法を採用しても良い。
【0067】
また、本発明における機能性材料を含む低粘度の液体は、本実施例のように乾燥装置の熱によって乾燥されるものに限定されず、紫外線(UV)を照射されることによって固化するものとしても良い。また、機能性材料を含む低粘度の液体として速乾性を有するものを採用することにより、機能性材料を含む低粘度の液体の乾燥工程(固化工程)を省略することもできる。
【0068】
次に、機能性膜のパターニング方法における第三工程であるマスク部除去工程(
図1におけるステップS3)について説明する。
【0069】
マスク部除去工程とは、
図5Cに示すように、第二工程の導電膜形成工程において形成された導電膜20を残し、第一工程のマスク部形成工程において形成されたマスク部40のみを除去する工程である。本工程においてマスク部40のみを除去することにより、マスク部40が形成されていた非導電範囲30は確実に絶縁領域として確保され、残された導電膜20が形成された導電範囲50のみが導電領域となり、
導電回路としてパターニングされた導電
膜20を有する透明導電性フィルム1を得ることができる。つまり、本実施例では、マスク部40は、透明導電性フィルム1の導電回路における非導電範囲30すなわち絶縁部(ネガパターン部)を形成するためのネガパターン形成部であり、導電膜20は、透明導電性フィルム1の導電回路における導電範囲50すなわち導電部(ポジパターン部)である。
【0070】
導電膜20を残してマスク部40のみを除去するマスク部除去方法としては、化学的または物理的にマスク部40のみを除去する方法が挙げられる。
【0071】
化学的除去方法としては、例えば、図示しない化学的除去装置によって、マスク部40および導電膜20が形成された透明フィルム10をマスク部除去液に浸漬させる、または、マスク部40および導電膜20が形成された透明フィルム10の表面にマスク部除去液を吹き付けることにより、透明フィルム10上のマスク部40のみを剥離または溶解させて除去する方法がある。なお、化学的除去方法において用いるマスク部除去液は、基材である透明フィルム10、導電膜20すなわち導電膜形成材20a、マスク部40すなわちマスク部形成材40aの材質等によって、適宜選択される。
【0072】
物理的除去方法としては、例えば、透明フィルム10および導電膜20の剛性率に対して、マスク部40の剛性率が著しく高い材料を選択し、マスク部40および導電膜20が形成された透明フィルム10を図示しない物理的除去装置によって湾曲または振動等させて透明フィルム10上のマスク部40のみを剥離させて除去する方法がある。
【0073】
マスク部除去方法としては、基材である透明フィルム10、導電膜20すなわち導電膜形成材20a、マスク部40すなわち高粘度のマスク部形成材40aの材質によって、化学的除去方法、物理的除去方法、その他の除去方法を適宜選択すると共に、化学的除去方法において用いるマスク部除去液等も適宜選択する。
【0074】
また、マスク部40をシリコーンやフッ素でなる絶縁材料で形成した場合、すなわち、マスク部形成材40aとして絶縁性物質を採用した場合には、マスク部40が形成された非導電範囲30は確実に絶縁領域として確保されているので、絶縁体であるマスク部40を除去する必要はない。つまり、絶縁材料から成るマスク部40は、透明導電性フィルム1の導電回路における非導電範囲30すなわち絶縁部(ネガパターン部)となるので、第三工程のマスク部除去工程を省略することができる。なお、マスク部40はグラビア印刷法により微細線で印刷されているために、透明性が必要なタッチパネルなどであっても、除去されずに残されるマスク部40によって透明導電性フィルムとしての透明性が阻害されることはない。
【0075】
以上に説明したように、本実施例では、ステップS1のマスク部形成工程、ステップS2の導電膜形成工程、ステップS3のマスク部除去工程を備えることにより、低粘度の導電膜形成材20aを
導電回路としてパターニングすることができる。つまり、本実施例によれば、
導電回路としてのパターンの導電膜を有する透明導電性フィルムを製造することができる。以下に、ステップS1〜S3における一連の動作を説明する。
【0076】
まず、ステップS1のマスク部形成工程において、透明性を有する透明フィルム10をテーブル70上に載置し、マスク部形成装置60のグラビアオフセット印刷装置80を図示しない移動手段によってテーブル70の上側を透明フィルム10の印刷面に沿って移動させると共に、当該グラビアオフセット印刷装置80の移動速度と同じ周速でグラビアオフセット印刷装置80のブランケット胴100を回転させることにより、テーブル70上に載置された透明フィルム10の印刷面にマスク部形成材40aの印刷を施す。マスク部形成材40aの印刷後、透明フィルム10上のマスク部形成材40aを、必要に応じて別途設けた図示しない乾燥装置によって乾燥させ、導電膜20を塗布するためのマスク部40を形成する。
【0077】
続いて、マスク部40が形成された透明フィルム10を、ステップS2の導電膜形成工程へ進める。
【0078】
ステップS2の導電膜形成工程において、マスク部40を形成した透明フィルム10を、テーブル70上に載置した状態で、導電膜形成装置130におけるコーティング装置140のスリットダイ180を図示しない移動手段によってテーブル70の上側を透明フィルム10の印刷面に沿って移動させると共に、当該コーティング装置140のタンク150に貯留された導電膜形成材20aを送液ポンプ160、塗布バルブ170、スリットダイ180を介して、マスク部40を形成した透明フィルム10の印刷面に塗布する。導電膜形成材20aの塗布後、透明フィルム10上に高精細にパターニングした導電膜形成材20aを、必要に応じて別途設けた図示しない乾燥装置により乾燥させ、高精細なパターニングの導電膜20を形成する。
【0079】
続いて、マスク部40および導電膜20を形成した透明フィルム10を、ステップS3のマスク部除去工程へ進める。
【0080】
ステップS3において、マスク部40および導電膜20を形成した透明フィルム10を、テーブル70上に載置した状態で、または、テーブル70から取り外し、図示しない化学的除去装置または物理的除去装置によって、透明フィルム10上に形成したマスク部40のみを除去する。
【0081】
以上の工程によって、透明フィルム10上に導電膜20が
導電回路としてパターニングされた透明導電性フィルム1を製造することができる。
【0082】
なお、前述したように、マスク40を絶縁材料で形成した場合、すなわち、マスク形成材40aとして絶縁性物質を採用した場合には、ステップS3のマスク部除去工程を省略することができる。また、必要に応じて工程間に冷却装置等を設置して、上述の処理以外の処理工程を加えることもできる。
【0083】
また、本実施例ではタッチパネルに採用される透明導電性フィルムを製造する方法を説明したが、本発明はこれに限定されることなく、有機・無機・金属の導電性材料、有機半導体,酸化物半導体,液体シリコン、カーボンナノチューブ、グラフェンなどの半導体材料、発光材料などの機能性材料を含む低粘度の液体を使用して、薄膜トランジスタ、有機ELディスプレイ、太陽電池、電子ペーパーなどの電子デバイスを製造することも可能であり、さらに次世代のエレクトロニクス分野、バイオテクノロジー分野、オプトロニクス分野においても機能性材料を含む低粘度の液体を
基板上にパターニングすることができる。