【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の要約
関連技術に存在する問題を克服するために、本出願は、声紋情報管理方法および声紋情報管理装置、ならびに本人認証方法および本人認証システムを提供する。
【0006】
本出願の第1の態様は、声紋情報管理方法であって、以下のステップ、すなわち、
第1のユーザと第2のユーザとの間の通話によって生成された履歴音声ファイルを獲得するステップと、
履歴音声ファイルのフィルタリング処理を実行して第1のユーザの音声情報を取得するステップと、
音声情報のテキスト認識処理を実行して、その音声情報に対応するテキスト情報を取得するステップと、
音声情報および対応するテキスト情報を第1のユーザの参照声紋情報に編集し、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するステップと、を含む方法を提供する。
【0007】
第1の態様に関連して、第1の態様の第1の実現可能な実施形態では、声紋情報管理方法は、
テキスト情報を複数個のサブテキスト情報にセグメント化し、サブテキスト情報のそれぞれの開始時刻および終了時刻に印をつけるステップと、
サブテキスト情報の開始時刻および終了時刻に従って、サブテキスト情報のそれぞれに対応するサブ音声情報を、音声情報からそれぞれ切り取るステップと、をさらに含む。
【0008】
第1の態様の第1の実現可能な実施形態に関連して、第1の態様の第2の実現可能な実施形態では、音声情報および対応するテキスト情報を第1のユーザの参照声紋情報に編集するステップは、
サブ音声情報およびサブテキスト情報のそれぞれのペアを1個の第1のユーザの参照声紋情報にそれぞれ編集するステップを含む。
【0009】
第1の態様に関連して、第1の態様の第3の実現可能な実施形態では、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するステップは、
格納の対象となる第1の参照声紋情報中の第1のテキスト情報と同一である、対応する第2のテキスト情報と、第1の参照声紋情報に対応する第1の本人識別子とやはり同一である、対応する第2の本人識別子と、を有する第2の参照声紋情報が存在するかどうかを判定するステップと、
第2の参照声紋情報が存在しない場合には、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を直接に格納するステップと、
第2の参照声紋情報が存在する場合には、第1の参照声紋情報中の第1の音声情報の品質を、第2の参照声紋情報中の第2の音声情報の品質と比較し、第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも低い場合には、第1の参照声紋情報を削除するステップと、
第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも高い場合には、第2の参照声紋情報を削除し、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を格納するステップと、を含む。
【0010】
本出願の第2の態様は、声紋情報管理装置を提供する。この装置は、
第1のユーザと第2のユーザとの間の通話によって生成された履歴音声ファイルを獲得し、かつ、履歴音声ファイルのフィルタリング処理を実行して第1のユーザの音声情報を取得するように構成された音声フィルタと、
音声情報のテキスト認識処理を実行して、その音声情報に対応するテキスト情報を取得するように構成されたテキスト認識部と、
音声情報および対応するテキスト情報を第1のユーザの参照声紋情報に編集し、かつ、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するように構成された声紋生成部と、を含む。
【0011】
第2の態様に関連して、第2の態様の第1の実現可能な実施形態では、声紋情報管理装置は、
テキスト情報を複数個のサブテキスト情報にセグメント化し、かつ、サブテキスト情報のそれぞれの開始時刻および終了時刻に印をつけるように構成されたテキストセグメント化部と、
サブテキスト情報の開始時刻および終了時刻に従って、サブテキスト情報のそれぞれに対応するサブ音声情報を、音声情報からそれぞれ切り取るように構成された声紋セグメント化部と、をさらに含む。
【0012】
第2の態様の第1の実現可能な実施形態に関連して、第2の態様の第2の実現可能な実施形態では、声紋生成部は、音声情報および対応するテキスト情報を、第1のユーザの参照声紋情報に編集するが、これは、
サブ音声情報およびサブテキスト情報のそれぞれのペアを1個の第1のユーザの参照声紋情報にそれぞれ編集することを含む。
【0013】
第2の態様に関連して、第2の態様の第3の実現可能な実施形態では、声紋生成部は、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するが、これは、
格納の対象となる第1の参照声紋情報中の第1のテキスト情報と同一である、対応する第2のテキスト情報と、第1の参照声紋情報に対応する第1の本人識別子とやはり同一である、対応する第2の本人識別子と、を有する第2の参照声紋情報が存在するかどうかを判定することと、
第2の参照声紋情報が存在しない場合には、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を直接に格納することと、
第2の参照声紋情報が存在する場合には、第1の参照声紋情報中の第1の音声情報の品質を、第2の参照声紋情報中の第2の音声情報の品質と比較し、第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも低い場合には、第1の参照声紋情報を削除することと、
第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも高い場合には、第2の参照声紋情報を削除し、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を格納することと、を含む。
【0014】
本出願の第3の態様は、本人認証方法を提供する。この方法は、以下のステップ、すなわち、
第1のユーザと第2のユーザとの間の通話によって生成された履歴音声ファイルを獲得するステップと、
履歴音声ファイルのフィルタリング処理を実行して第1のユーザの音声情報を取得するステップと、
音声情報のテキスト認識処理を実行して、その音声情報に対応するテキスト情報を取得するステップと、
音声情報および対応するテキスト情報を第1のユーザの参照声紋情報に編集し、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するステップと、
認証の対象となっているユーザの本人識別子に対応する参照声紋情報を獲得するステップと、
獲得した参照声紋情報中のテキスト情報を出力し、認証の対象となる対応する音声情報を受け取るステップと、
獲得した参照声紋情報中の音声情報を、認証の対象となる音声情報とマッチングさせ、マッチングに成功した場合には、認証の対象となっているユーザの認証に成功したと判定し、マッチングに失敗した場合には、認証の対象となっているユーザの認証に失敗したと判定するステップと、を含む。
【0015】
第3の態様に関連して、第3の態様の第1の実現可能な実施形態では、本人認証方法は、
テキスト情報を複数個のサブテキスト情報にセグメント化し、サブテキスト情報のそれぞれの開始時刻および終了時刻に印をつけるステップと、
サブテキスト情報の開始時刻および終了時刻に従って、サブテキスト情報のそれぞれに対応するサブ音声情報を、音声情報からそれぞれ切り取るステップと、をさらに含む。
【0016】
第3の態様の第1の実現可能な実施形態に関連して、第3の態様の第2の実現可能な実施形態では、音声情報および対応するテキスト情報を第1のユーザの参照声紋情報に編集するステップは、
サブ音声情報およびサブテキスト情報のそれぞれのペアを1個の第1のユーザの参照声紋情報にそれぞれ編集するステップを含む。
【0017】
第3の態様に関連して、第3の態様の第3の実現可能な実施形態では、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するステップは、
格納の対象となる第1の参照声紋情報中の第1のテキスト情報と同一である、対応する第2のテキスト情報と、第1の参照声紋情報に対応する第1の本人識別子とやはり同一である、対応する第2の本人識別子と、を有する第2の参照声紋情報が存在するかどうかを判定するステップと、
第2の参照声紋情報が存在しない場合には、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を直接に格納するステップと、
第2の参照声紋情報が存在する場合には、第1の参照声紋情報中の第1の音声情報の品質を、第2の参照声紋情報中の第2の音声情報の品質と比較し、第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも低い場合には、第1の参照声紋情報を削除するステップと、
第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも高い場合には、第2の参照声紋情報を削除し、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を格納するステップと、を含む。
【0018】
本出願の第4の態様は、本人認証システムを提供する。このシステムは、
第1のユーザと第2のユーザとの間の通話によって生成された履歴音声ファイルを獲得し、かつ、履歴音声ファイルのフィルタリング処理を実行して第1のユーザの音声情報を取得するように構成された音声フィルタと、
音声情報のテキスト認識処理を実行して、その音声情報に対応するテキスト情報を取得するように構成されたテキスト認識部と、
音声情報および対応するテキスト情報を第1のユーザの参照声紋情報に編集し、かつ、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するように構成された声紋生成部と、
認証の対象となっているユーザの本人識別子に対応する参照声紋情報を獲得するように構成された声紋抽出部と、
獲得した参照声紋情報中のテキスト情報を出力し、かつ、認証の対象となる対応する音声情報を受け取るように構成された認識プロキシミタ部と、
獲得した参照声紋情報中の音声情報を、認証の対象となる音声情報とマッチングさせ、マッチングに成功した場合には、認証の対象となっているユーザの認証に成功したと判定し、マッチングに失敗した場合には、認証の対象となっているユーザの認証に失敗したと判定するように構成された声紋マッチング部と、を含む。
【0019】
第4の態様に関連して、第4の態様の第1の実現可能な実施形態では、本人認証システムは、
テキスト情報を複数個のサブテキスト情報にセグメント化し、かつ、サブテキスト情報のそれぞれの開始時刻および終了時刻に印をつけるように構成されたテキストセグメント化部と、
サブテキスト情報の開始時刻および終了時刻に従って、サブテキスト情報のそれぞれに対応するサブ音声情報を、音声情報からそれぞれ切り取るように構成された声紋セグメント化部と、をさらに含む。
【0020】
第4の態様の第1の実現可能な実施形態に関連して、第4の態様の第2の実現可能な実施形態では、声紋生成部は、音声情報および対応するテキスト情報を、第1のユーザの参照声紋情報に編集するが、これは、
サブ音声情報およびサブテキスト情報のそれぞれのペアを1個の第1のユーザの参照声紋情報にそれぞれ編集することを含む。
【0021】
第4の態様に関連して、第4の態様の第3の実現可能な実施形態では、声紋生成部は、第1のユーザの参照声紋情報および本人識別子を格納するが、これは、
格納の対象となる第1の参照声紋情報中の第1のテキスト情報と同一である、対応する第2のテキスト情報と、第1の参照声紋情報に対応する第1の本人識別子とやはり同一である、対応する第2の本人識別子と、を有する第2の参照声紋情報が存在するかどうかを判定することと、
第2の参照声紋情報が存在しない場合には、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を直接に格納することと、
第2の参照声紋情報が存在する場合には、第1の参照声紋情報中の第1の音声情報の品質を、第2の参照声紋情報中の第2の音声情報の品質と比較し、第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも低い場合には、第1の参照声紋情報を削除することと、
第1の音声情報の品質が第2の音声情報の品質よりも高い場合には、第2の参照声紋情報を削除し、第1の参照声紋情報および第1の本人識別子を格納することと、を含む。
【0022】
上記の技術的解決法から、本出願は、関連するシステムに格納された履歴音声ファイルをフィルタリングして、第1のユーザの音声情報を取得するステップと、テキスト認識処理を用いて、その音声情報に対応するテキスト情報を取得するステップと、音声情報および対応するテキスト情報を、第1のユーザの参照声紋情報に編集するステップと、を含んでいることがわかる。参照声紋情報中のテキスト情報および音声情報はいずれも、関連するシステムによって予め設定されたものではなく、すなわち開示されたものではなく、上述の履歴音声ファイルに基づいて取得されるので、第1のユーザも、第2のユーザも、そして他のいかなるユーザも、本人認証を実行する際に再度読み上げる必要があるテキスト情報の具体的な内容を予測し得ないことにより、対応する音声ファイルを前もって記録することができないようにすることで、前もって記録された音声ファイルを再生して首尾よく認証目的を達成することもできないようにしている。したがって、既存の声紋認識に基づいた本人認証方法と比較して、本人認証が本出願によって提供される声紋情報管理方法に基づいて実行されることにより、認証結果がさらに正確になり、潜在的なセキュリティ上の危険が存在せず、アカウントのセキュリティが高くなる。
【0023】
上記の概説および以下の詳細な説明は、単に例示的、説明的なものであり、本出願を限定し得ないことを理解されたい。
【0024】
添付図面の簡単な説明
本明細書の図面は、明細書に組み込まれ、明細書の一部を構成する。それらの図面は、本発明に一致する諸実施形態を示し、明細書とともに本発明の原理を説明するために使用される。