特許第6671373号(P6671373)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671373
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】車両のピラー部材及びロール成形部材
(51)【国際特許分類】
   B62D 25/04 20060101AFI20200316BHJP
   B21D 5/08 20060101ALI20200316BHJP
   B21D 53/88 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   B62D25/04 A
   B62D25/04 B
   B21D5/08 M
   B21D53/88 Z
【請求項の数】5
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-533391(P2017-533391)
(86)(22)【出願日】2015年12月22日
(65)【公表番号】特表2018-501144(P2018-501144A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】KR2015014120
(87)【国際公開番号】WO2016105096
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年8月1日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0186098
(32)【優先日】2014年12月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】592000691
【氏名又は名称】ポスコ
【氏名又は名称原語表記】POSCO
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】キム、 ドン−ゴン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、 ハン−ホ
【審査官】 林 政道
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2008/0052908(US,A1)
【文献】 特開平11−291941(JP,A)
【文献】 特開2008−110719(JP,A)
【文献】 特開平07−172344(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0074503(KR,A)
【文献】 国際公開第2014/135441(WO,A1)
【文献】 特開2010−116593(JP,A)
【文献】 特開2011−202195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 17/00−25/08
B62D 25/14−29/04
B21D 5/08
B21D 53/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つ以上の閉断面部が形成されるロール成形本体と、
前記ロール成形本体の少なくとも一方に備えられ、構造部材と結合される連結接合部と、を含み、
前記ロール成形本体及び前記連結接合部がロール成形方式によって一体に成形され、
前記連結接合部は、
前記ロール成形本体の一側に備えられる第1連結接合部と、前記第1連結接合部と向かい合うように前記ロール成形本体の他側に備えられる第2連結接合部と、を含み、
前記ロール成形本体は、
三角形または四角形の断面で形成される複数の閉断面部を含む多重閉断面構造を形成し、
前記ロール成形本体は、
前記第1連結接合部と前記第2連結接合部の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形される閉断面部が偶数個形成され、
前記連結接合部は、前記ロール成形本体の長さ方向において両側面の一部に形成され、
前記ロール成形本体及び前記連結接合部のうち少なくとも前記ロール成形本体は、980MPa以上の強度を有するCP鋼、DP鋼、TRIP鋼、TWIP鋼のうち選択されたいずれかの材料で構成され
2つの前記閉断面部で構成される8字形状の断面が横方向に連続的に形成されるか、縦方向に連続的に形成されながら、前記ロール成形本体を形成する、ロール成形部材。
【請求項2】
前記ロール成形本体は、
前記第1連結接合部と前記第2連結接合部の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形されて8字形状の断面を有する第1閉断面部及び第2閉断面部を備える、請求項に記載のロール成形部材。
【請求項3】
前記ロール成形本体は、
前記第1連結接合部から延長形成される第1本体板と、
前記第2連結接合部から延長形成される第2本体板と、
前記第1本体板と連結されて連続的にロール成形される第1閉断面部と、
一側が前記第1閉断面部と連結され、他側が前記第2本体板と連結されて連続的にロール成形される第2閉断面部と、を含む、請求項に記載のロール成形部材。
【請求項4】
前記第1本体板、第2本体板及び前記閉断面部を形成する部材が重なる部分のうち少なくとも2つ以上の部分が重ね溶接される、請求項に記載のロール成形部材。
【請求項5】
前記連結接合部は、前記連結接合部に最も近い部分で前記閉断面部と溶接される、請求項からのいずれか一項に記載のロール成形部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低コストで高強度を発揮できる車両のピラー部材及びロール成形部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この部分に記述された内容は、単に本発明の背景情報を提供するだけで、従来の技術を構成することではないことを明らかにしておく。
【0003】
車両のピラー部材とは、車両の屋根を支持する部材で、車両の転倒時に運転者の安全に直接的な影響を与える車両の構造部材のことである。
【0004】
図1に示すように、ピラー部材は、車両の屋根と連結されて設置され、かかるピラー部材は、車両のフロントガラスとサイドガラスの間、側面のフロントドアとリアドアの間、及びリアドアとリアガラスの間などに設置されることができる。
【0005】
ピラー部材は、車両の安全性の観点において衝突法規が強化されるにつれて、ピラー部材に要求される荷重性能が次第に増加してピラー部材の高強度化が求められている。
【0006】
一方、図2に示すように、従来のピラー部材は、車両の車体を形成する外板の内側に二つのプレス部材を成形し、プレス部材の両側面に形成された溶接フランジを溶接接合して閉断面部を有するピラー部材を形成していた。
【0007】
かかる従来のプレス方式を用いてピラー部材を製造する場合、十分な荷重性能を確保するには、ピラー部材の断面が大きすぎる可能性がある。
【0008】
特に、フロントガラスとサイドガラスの間に形成されるピラー部材に従来のピラー部材が適用される場合、断面が増加したピラー部材によって運転者の視界が遮られることがあり、これには運転者の安全事故につながる可能性があるという問題点がある。
【0009】
また、従来のプレス成形方法では、ギガ級の超高強度鋼材を成形することができないという短所がある。
【0010】
そのため、熱間プレス成形(HPF)のような工法を活用して製造する方案が考慮されたが、かかる熱間プレス成形(HPF)工法には、製造コストが過度に増加するという問題点がある。
【0011】
したがって、寸法精度が高く、スクラップがほとんど発生せず、ロールの摩耗も非常に少ないため、断面形状が一定で長さが比較的長い製品を非常に経済的に生産することができるロール成形(Roll forming)工法による構造部材の生産を検討する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の一側面は、閉断面構造を適用して荷重性能を向上させるとともに、製造コストを節減することができるピラー部材及びロール成形部材を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の一側面は、鋼板の使用量を最小限に抑えてコストを節減しながらも、車体及び構造部材と容易に結合されることができるピラー部材及びロール成形部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するための一側面として、本発明は、少なくとも一つ以上の閉断面部が形成されるピラー本体部と、上記ピラー本体部の両側面に備えられ、車体と結合される連結接合部と、を含み、上記ピラー本体部と上記連結接合部が連続的に成形され、上記連結接合部は、上記ピラー本体部の一側に備えられる第1連結接合部と、上記第1連結接合部と向かい合うように上記ピラー本体部の他側に備えられる第2連結接合部と、を含み、上記ピラー本体部は、上記第1連結接合部と上記第2連結接合部の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形される閉断面部が偶数個形成されることを特徴とする車両のピラー部材を提供する。
【0015】
上記目的を達成するための他の一側面として、本発明は、少なくとも一つ以上の閉断面部が形成されるピラー本体部と、上記ピラー本体部の両側面に備えられ、車体と結合される連結接合部と、を含み、上記ピラー本体部と上記連結接合部が連続的に成形され、上記連結接合部は、上記ピラー本体部の一側に備えられる第1連結接合部と、上記第1連結接合部と向かい合うように上記ピラー本体部の他側に備えられる第2連結接合部と、を含み、上記ピラー本体部は、上記第1連結接合部と上記第2連結接合部の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形されて8字形状の断面を有する第1閉断面部及び第2閉断面部を備えることを特徴とする車両のピラー部材を提供する。
【0016】
上記目的を達成するための他の一側面として、本発明は、少なくとも一つ以上の閉断面部が形成されるピラー本体部と、上記ピラー本体部の両側面に備えられ、車体と結合される連結接合部と、を含み、上記ピラー本体部と上記連結接合部が連続的に成形され、上記連結接合部は、上記ピラー本体部の一側に備えられる第1連結接合部と、上記第1連結接合部と向かい合うように上記ピラー本体部の他側に備えられる第2連結接合部と、を含み、上記ピラー本体部は、上記第1連結接合部から延長形成される第1本体板と、上記第2連結接合部から延長形成される第2本体板と、上記第1本体板と上記第2本体板の間で連結されて形成され、上記第1本体板において連続的にロール成形される第1閉断面部と、一側が上記第1閉断面部と連結され、他側が上記第2連結接合部と連結されて連続的にロール成形される第2閉断面部と、を含むことを特徴とする車両のピラー部材を提供する。
【0017】
また、本体板と、上記閉断面部を形成する部材とが重なる部分のうち少なくとも2つ以上の部分が重ね溶接されることが好ましい。
【0018】
また、連結接合部は、上記連結接合部に最も近い部分で上記閉断面部と溶接されることが好ましい。
【0019】
また、ピラー本体部及び上記連結接合部のうち少なくとも上記ピラー本体部は、980MPa以上の強度を有するマルテンサイト鋼、CP鋼、DP鋼、TRIP鋼、TWIP鋼のうち選択されたいずれかの材料で構成されることが好ましい。
【0020】
上記目的を達成するための他の一側面として、本発明は、少なくとも一つ以上の閉断面部が形成されるピラー本体部と、上記ピラー本体部の両側面に備えられ、車体と結合される連結接合部と、を含み、上記ピラー本体部と上記連結接合部が連続的に成形され、上記ピラー本体部及び上記連結接合部は単一のロール成形工程によって連続的に成形されることを特徴とする車両のピラー部材を提供する。
【0021】
また、ピラー本体部は、三角形または四角形の断面で形成される複数の閉断面部を含む多重閉断面構造を形成することが好ましい。
【0022】
また、連結接合部は、上記ピラー本体部の長さ方向において両側面の一部に形成されることが好ましい。
【0023】
また、ピラー本体部及び上記連結接合部は、車体のフロントガラスとサイドガラスの接合面に長さ方向に形成されることが好ましい。
【0024】
上記目的を達成するための一側面として、本発明は、少なくとも一つ以上の閉断面部が形成されるロール成形本体と、上記ロール成形本体の少なくとも一方に備えられ、構造部材と結合される連結接合部と、を含み、上記ロール成形本体と上記連結接合部がロール成形方式により一体に成形されるロール成形部材を提供する。
【0025】
また、連結接合部は、上記ロール成形本体の一側に備えられる第1連結接合部と、上記第1連結接合部と向かい合うように上記ロール成形本体の他側に備えられる第2連結接合部と、を含むことが好ましい。
【0026】
また、上記ロール成形本体は、上記第1連結接合部と上記第2連結接合部の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形される閉断面部が偶数個形成されることが好ましい。
【0027】
また、ロール成形本体は、上記第1連結接合部と上記第2連結接合部の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形されて8字形状の断面を有する第1閉断面部及び第2閉断面部を備えることが好ましい。
【0028】
また、ロール成形本体は、上記第1連結接合部から延長形成される第1本体板と、上記第2連結接合部から延長形成される第2本体板と、上記第1本体板と連結されて連続的にロール成形される第1閉断面部と、一側が上記第1閉断面部と連結され、他側が上記第2本体板と連結されて連続的にロール成形される第2閉断面部と、を含むことが好ましい。
【0029】
また、本体板と、上記閉断面部を形成する部材とが重なる部分のうち少なくとも2つ以上の部分が重ね溶接されることが好ましい。
【0030】
また、連結接合部は、上記連結接合部に最も近い部分で上記閉断面部と溶接されることができる。
【0031】
また、ロール成形本体及び上記連結接合部のうち少なくとも上記ロール成形本体は、980MPa以上の強度を有するマルテンサイト鋼、CP鋼、DP鋼、TRIP鋼、TWIP鋼のうち選択されたいずれかの材料で構成されることが好ましい。
【0032】
また、ロール成形本体及び上記連結接合部は、単一のロール成形工程によって連続的に成形されることが好ましい。
【0033】
また、ロール成形本体は、三角形または四角形の断面で形成される複数の閉断面部を含む多重閉断面構造を形成することが好ましい。
【0034】
また、連結接合部は、上記ロール成形本体の長さ方向において両側面の一部に形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明の一実施形態によると、閉断面構造を適用して荷重性能を向上させるとともに、鋼材の使用量及び溶接量を低減させてピラー部材及びロール成形部材の生産速度を向上させ、その結果、製造コストを節減することができるという効果がある。
【0036】
本発明の一実施形態によると、ロール成形工程によって連続的に成形することにより、ピラー部材及びロール成形部材の荷重性能を発揮するための閉断面構造を形成するとともに、製造工程を簡素化して製造コストを節減することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】車両にピラー部材が設置された状態を示す図である。
図2】2つのプレス部材が溶接されて形成される従来の車両のピラー部材を示す図である。
図3】本発明の一実施形態による車両のピラー部材を示す斜視図である。
図4】本発明の他の一実施形態による車両のピラー部材を示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態による車両のピラー部材の断面を示す図である。
図6】本発明の他の一実施形態による車両のピラー部材の断面を示す図である。
図7a図2に示す従来の車体と結合されたピラー部材の断面と、図5に示す本発明の車体と結合されたピラー部材の断面とを対比した図である。
図7b図2に示す従来の車体と結合されたピラー部材の設置領域と、図5に示す本発明の車体と結合されたピラー部材の設置領域とを対比した図である。
図7c図2に示す従来の車両のピラー部材の断面と、図5に示す本発明の車両のピラー部材の断面とを対比した図である。
図8】従来のロール成形部材を示す図である。
図9】本発明の一実施形態によるロール成形部材を示す斜視図である。
図10】本発明の他の一実施形態によるロール成形部材を示す斜視図である。
図11】本発明の一実施形態によるロール成形部材の断面を示す図である。
図12】本発明の他の一実施形態によるロール成形部材の断面を示す図である。
図13図8に示す従来のロール成形部材の断面と、図11に示す本発明のロール成形部材の断面とを対比した図である。
図14図8に示す従来のロール成形部材の設置領域と、図11に示す本発明のロール成形部材の設置領域とを対比した図である。
図15】本発明の他の一実施形態によるロール成形部材の断面を示す図である。
図16】様々な実施形態を有する本発明のロール成形部材を示す図である。
図17】様々な実施形態を有する本発明のロール成形部材を示す図である。
図18】様々な実施形態を有する本発明のロール成形部材を示す図である。
図19】様々な実施形態を有する本発明のロール成形部材を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明の実施形態は、いくつかの他の形態に変形されることができ、本発明の範囲が以下説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野で平均的な知識を有する者に本発明をさらに完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。
【0039】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態による車両のピラー部材10について具体的に説明する。
【0040】
図1図7cを参照すると、本発明の一実施形態によるピラー部材10は、ピラー本体部100と、連結接合部200と、を含むことができる。
【0041】
図3に示すように、ピラー部材は、少なくとも一つ以上の閉断面部110が形成されるピラー本体部100と、上記ピラー本体部100の両側面に備えられ、車体1と結合される連結接合部200と、を含む。また、上記ピラー本体部100と上記連結接合部200は連続的に成形されることができる。
【0042】
ピラー部材10を構成するピラー本体部100及び上記連結接合部200は、鋼板がロール成形装置によって多段に折り曲がることで所望の断面形状を有する部材で形成されることができる。
【0043】
図3及び図4に示すように、ピラー本体部100及び上記連結接合部200は単一のロール成形工程によって連続的に成形されることができる。
【0044】
図4の場合、ピラー本体部100及び連結接合部200を形成する鋼板などの板材の両側面を予め切開し、連結接合部200を部分的に形成した状態で、単一のロール成形工程によって連続的にピラー部材10及び連結接合部200を形成することができる。
【0045】
鋼板が途切れることなく、第1連結接合部210、ピラー本体部100、及び第2連結接合部230の順に順次ロール成形されて、単一のロール成形工程によって連続的に成形されることができる。
【0046】
ロール成形(Roll forming)工程とは、寸法精度が高く、スクラップがほとんど発生せず、ロールの摩耗も非常に少ないため、断面形状が一定で長さが比較的長い製品を非常に経済的に生産することができる工程のことである。
【0047】
また、ロール成形工程とは、多段の固定された上下部の回転ロールセットを配列し、それぞれの回転ロールセットの間をコイルまたは裁断された形態の素材が通過する度に徐々に部品形状を成形して、断面が一定で長さが長い部品形状を成形する技術のことである。
【0048】
特に、ロール成形工程は、超高強度鋼も成形することができるため、高強度鋼の自動車部品の生産に適する。
【0049】
図3及び図4に示すように、連結接合部200は、第1連結接合部210と、第2連結接合部230と、を含むことができる。
【0050】
連結接合部200は、上記ピラー本体部100の一側に備えられる第1連結接合部210と、上記第1連結接合部210と向かい合うように上記ピラー本体部100の他側に備えられる第2連結接合部230と、を含むことができる。
【0051】
また、ピラー本体部100は、上記第1連結接合部210と上記第2連結接合部230の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形される閉断面部110が偶数個形成されることができる。
【0052】
すなわち、ピラー本体部100に形成される閉断面部110は、偶数個備えられ、上記ピラー本体部100と上記連結接合部200とが単一のロール成形工程によって一体に成形されることができる。
【0053】
換言すると、図5及び図6に示すように、ピラー本体部100が連結接合部200と一体にロール成形され、ピラー本体部100の両側面に連結接合部200が形成されるためには、閉断面部110が偶数個備えられる必要がある。
【0054】
これは、ピラー本体部100に奇数個の閉断面部110を連続的に形成する場合、連結接合部200が、ピラー本体部100の両側に向かい合う形で形成されず、同一の方向に形成されるためである。
【0055】
したがって、ピラー本体部100に、車体1と結合されるための向かい合う形態の2つの連結接合部200を形成するとともに、連結接合部200及びピラー本体部100が単一のロール成形工程によって一体に成形されるためには、閉断面部110が偶数個備えられる必要がある。
【0056】
本発明によるピラー部材10は、閉断面構造を有するピラー本体部100を形成するとともに、ピラー本体部100の両側面に車体1との連結のための向かい合う形態の連結接合部を単一のロール成形工程によって成形することができるという利点がある。
【0057】
これにより、本発明のピラー部材10は、閉断面構造を通じて荷重性能を向上させるとともに、溶接量を低減させてピラー部材10の生産速度を向上させ、その結果、ピラー部材10の製造コストを節減することができるという効果を奏する。
【0058】
また、本発明のピラー部材10は、荷重性能を発揮するための閉断面構造を形成するとともに、ピラー本体部100の両側面に向かい合う形態の連結接合部が形成されるようにすることにより、ピラー部材10を制作するための鋼板の使用量を最小限に抑えて、コストを節減しながらも車体1と容易に結合されることができるという効果を奏する。
【0059】
ピラー本体部100は、2つの閉断面部110がロール成形方式によって連続的に形成されることで8字形状の断面を形成することができる。
【0060】
図5(a)に示すように、ピラー本体部100は、上記第1連結接合部210と上記第2連結接合部230の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形されることで8字形状の断面を有する第1閉断面部111及び第2閉断面部112を備えることができる。
【0061】
また、図5(a)に示すように、連続的にロール成形された第1連結接合部210、ピラー本体部100、及び第2連結接合部230の接合のために2ヶ所で溶接接合されることができる。
【0062】
このように、連続的にロール成形された第1連結接合部210、ピラー本体部100、及び第2連結接合部230の接合のために2ヶ所で溶接接合することにより、2つ以上の閉断面部110を含む多重閉断面構造を有するピラー本体部100を形成することができ、ピラー本体部100の両側面に向かい合う形態の連結接合部を形成することができる。
【0063】
これにより、本発明のピラー部材10は、多重閉断面構造を通じて荷重性能を向上させるとともに、溶接量を低減させてピラー部材10の生産速度を向上させ、その結果、ピラー部材10の製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0064】
また、本発明のピラー部材10は、荷重性能を発揮するための多重閉断面構造を形成するとともに、ピラー本体部100の両側面に向かい合う形態の連結接合部が形成されるようにすることにより、ピラー部材10を製作するための鋼板の使用量を最小限に抑えて、コストを節減しながらも車体1と容易に結合されることができるという効果を奏する。
【0065】
図5及び図6に示すように、ピラー本体部100は、第1本体板130と、第2本体板150と、第1閉断面部111と、第2閉断面部112と、を含むことができる。
【0066】
連結接合部200は、上記ピラー本体部100の一側面に備えられる第1連結接合部210と、上記ピラー本体部100の他側面に備えられる第2連結接合部230と、を備えることができ、ピラー本体部100は、上記第1連結接合部210から延長形成される第1本体板130と、上記第2連結接合部230から延長形成される第2本体板150と、上記第1本体板130と上記第2本体板150の間で連結されて形成され、上記第1本体板130において連続的にロール成形される第1閉断面部111と、一側が上記第1閉断面部111と連結され、他側が上記第2連結接合部230と連結されて連続的にロール成形される第2閉断面部112と、を含むことができる。
【0067】
ピラー本体部100は、上記第1連結接合部210から延長形成される第1本体板130と、上記第2連結接合部230から延長形成される第2本体板150と、上記第1本体板130と連結されて連続的にロール成形される第1閉断面部111と、一側が上記第1閉断面部111と連結され、他側が上記第2本体板150と連結されて連続的にロール成形される第2閉断面部112と、を含むことができる。
【0068】
第1閉断面部111及び第2閉断面部112は、第1本体板130と第2本体板150の間で連結されて形成されることで連続的にロール成形されることができる。
【0069】
ピラー本体部100は、三角形または四角形の断面で形成される複数の閉断面部110を含む多重閉断面構造を形成することができる。
【0070】
図5に示すように、第1閉断面部111及び第2閉断面部112は、四角形の断面で形成されることができ、四角形の断面の角部分は一定の曲率を有する形態で備えられることができる。
【0071】
図6(a)に示すように、第1閉断面部111及び第2閉断面部112は、三角形の断面で形成されることができ、三角形の断面の角部分は一定の曲率を有する形態で備えられることができる。
【0072】
但し、閉断面部110の形態は、必ずしも三角形、四角形に限定されるものではなく、ピラー部材10の荷重性能を向上させることができる形態であれば、様々な形態の多角形の断面を有することができることは言うまでもない。
【0073】
図6(b)に示すように、第1閉断面部111、第2閉断面部112、第3閉断面部113、及び第4閉断面部114は、四角形の断面で形成されることができ、四角形の断面の角部分は一定の曲率を有する形態で備えられることができる。
【0074】
図6(a)は2つの閉断面部110を形成することを、図6(b)は4つの閉断面部110を形成することを示す。両閉断面部は、ピラー部材10の荷重性能や、鋼材の使用量などに応じた製造コストの面で差異がある。
【0075】
図6(a)は、2つの閉断面部110を含む多重閉断面構造を形成することで、十分な荷重性能を確保するとともに、鋼材の使用量及び溶接量を最小化して、ピラー部材10の製造コストも節減した本発明の最適なピラー部材10の形状を示す。
【0076】
これに対し、図6(b)は、4つの閉断面部110を有する多重閉断面構造を形成したもので、図6(a)に比べて鋼材の使用量などによる製造コストは増加するものの荷重性能は改善されるという利点がある。
【0077】
図6(b)の場合も、ピラー部材10と車体1が占める断面積にはほとんど変化がないため、どちらも運転者の視界確保の観点からは大きな差異がない。
【0078】
したがって、緊急車両などのように、車両の構造的安定性の観点から、荷重性能を十分に確保する必要がある車両には、図6(b)に示すピラー部材10を適用することがさらに好ましい。
【0079】
図5(b)に示すように、ピラー部材10は、本体板と、上記閉断面部110を形成する部材とが重なる部分のうち少なくとも2つ以上の部分が重ね溶接されることができる。
【0080】
すなわち、第1本体板130と上記第2閉断面部112の部材とが重なる部分、及び上記第2本体板150と上記第1閉断面部111の部材とが重なる部分が重ね溶接されることができる。
【0081】
図5(a)、図6(a)、及び図6(b)に示すように、連結接合部200は、上記連結接合部200に最も近い部分で上記閉断面部110と溶接接合されることができる。換言すると、上記閉断面部110と上記連結接合部200との境界に位置する上記閉断面部110が、上記連結接合部200との境界で溶接接合されることができる。
【0082】
また、図5(a)及び図6(a)に示すように、第1連結接合部210は、第1連結接合部210に最も近い部分で上記第1閉断面部111と溶接接合されることができ、第2連結接合部230は、上記第2連結接合部230に最も近い部分で上記閉断面部112と溶接接合されることができる。
【0083】
よって、2ヶ所のみに溶接部(W)を形成しても、ピラー部材10の構造的剛性を確保することができる。これにより、ピラー部材10を形成するための溶接量を低減し、ピラー部材10の製作コストを節減しながらも、十分な強度を確保することができるという効果がある。
【0084】
図6(b)に示すように、第1連結接合部210は、上記第1連結接合部210に最も近い部分で第1閉断面部111と溶接接合されることができ、第2連結接合部230は、第2連結接合部230に最も近い部分で第4閉断面部114と溶接接合されることができる。
【0085】
また、ピラー本体部100及び上記連結接合部200のうち少なくとも上記ピラー本体部100は、980MPa以上の強度を有するマルテンサイト鋼、CP鋼、DP鋼、TRIP鋼、TWIP鋼のうち選択されたいずれかの材料で構成されることができる。
【0086】
図4に示すように、連結接合部200は、上記ピラー本体部100の長さ方向において両側面の一部に形成されることができる。
【0087】
これは、ピラー本体部100を構成する閉断面部110が連結接合部200と溶接接合されるにあたり、連結接合部200の全体が車体1と結合される必要はないためであり、連結接合部200をピラー本体部100の長さ方向全体に形成するのではなく長さ方向の一部に形成することができる。
【0088】
これにより、連結接合部200を形成するための鋼材の使用量が節減され、車体1と連結接合部を結合するための溶接量が最小化されて、車両のピラー部材10の製作コストが節減されることができる。
【0089】
図1に示すように、ピラー本体部100及び上記連結接合部200は、車体1のフロントガラスとサイドガラスの接合面に長さ方向に形成されることができる。
【0090】
ピラー本体部100及び上記連結接合部200は、ロール曲げ加工によって成形されて長さ方向に曲率が形成されることができる。
【0091】
図1に示すように、車体1のフロントガラスとサイドガラスの間に設置されるピラー部材10のように長さ方向に一定の曲率を設定する必要がある場合は、ピラー本体部100と上記連結接合部200を単一のロール成形工程によって連続的に成形してピラー部材10を製造した後、製造されたピラー部材10が、ロール曲げ加工によって長さ方向に一定の曲率を有するように成形することができる。
【0092】
以下、図7a〜図7cを参照して、図2に示す従来のピラー部材10と、図5に示す本発明のピラー部材10を比較して説明する。
【0093】
まず、図7aは、図2に示す従来の車体1と結合されたピラー部材10の断面と、図5に示す本発明の車体1と結合されたピラー部材10の断面とを対比した図である。
【0094】
図7bは、図2に示す従来の車体1と結合されたピラー部材10の設置領域と、図5に示す本発明の車体1と結合されたピラー部材10の設置領域とを対比した図である。
【0095】
図7cは、図2に示す従来の車両のピラー部材10の断面と、図5に示す本発明の車両のピラー部材10の断面とを対比した図である。
【0096】
このように、図7cに示すように、図5に示す本発明のピラー部材10は、図2に示す従来のピラー部材10に比べて断面積が著しく減少して、車両の構造部材を形成するピラー部材10が荷重性能を十分に確保しながらも、ピラー部材10が占める断面積を減少させることで、ピラー部材10の製造コストを節減することができるとともに、運転者の視界を十分に確保することができるという効果がある。
【0097】
図7bを参照すると、図5に示す本発明のピラー部材10と車両の車体1を構成する外板を含む設置領域である第1領域(S1)と、図2に示す従来のピラー部材10と外板を含む設置領域である第2領域(S2)とでは、断面において大きな差があることが分かる。
【0098】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態によるロール成形部材20について具体的に説明する。
【0099】
図9を参照すると、本発明の一実施形態によるロール成形部材20は、ロール成形本体300と、連結接合部400と、を含むことができる。
【0100】
図9に示すように、ロール成形部材20は、少なくとも一つ以上の閉断面部310が形成されるロール成形本体300と、上記ロール成形本体300の少なくとも一方に備えられ、構造部材5と結合される連結接合部400と、を含み、上記ロール成形本体300と上記連結接合部400は連続的に成形されることができる。
【0101】
連結接合部400は、ロール成形本体300の両側面に形成されることができる。この際、構造部材5は、ロール成形本体300の両側面に連結接合部400を介して設置されることができる。
【0102】
また、連結接合部400は、ロール成形本体300の一方に形成されることができる。この際、構造部材5は、ロール成形本体300の一方にのみ設置されることができる。
【0103】
ロール成形部材20を構成するロール成形本体300及び上記連結接合部400は、鋼板がロール成形装置によって多段に折り曲がることで所望の断面形状を有する部材で形成されることができる。
【0104】
図9及び図10に示すように、ロール成形本体300及び上記連結接合部400は単一のロール成形工程によって連続的に成形されることができる。
【0105】
図10の場合、ロール成形本体300及び連結接合部400を形成する鋼板などの板材の両側面を予め切開し、連結接合部400を部分的に形成した状態で、単一のロール成形工程によって連続的にロール成形部材20及び連結接合部400を形成することができる。
【0106】
鋼板が途切れることなく、第1連結接合部410、ロール成形本体300、及び第2連結接合部430の順に順次ロール成形されて、単一のロール成形工程によって連続的に成形されることができる。
【0107】
ロール成形(Roll forming)工程とは、寸法精度が高く、スクラップがほとんど発生せず、ロールの摩耗も非常に少ないため、断面形状が一定で長さが比較的長い製品を非常に経済的に生産することができる工程のことである。
【0108】
また、ロール成形工程とは、多段の固定された上下部の回転ロールセットを配列し、それぞれの回転ロールセットの間をコイルまたは裁断された形態の素材が通過する度に徐々に部品形状を成形して、断面が一定で長さが長い部品形状を成形する技術のことである。
【0109】
特に、ロール成形工程は、超高強度鋼も成形することができるため、高強度鋼の自動車部品の生産に適する。
【0110】
図9及び図10に示すように、連結接合部400は、第1連結接合部410と、第2連結接合部430と、を含むことができる。
【0111】
連結接合部400は、上記ロール成形本体300の一側に備えられる第1連結接合部410と、上記第1連結接合部410と向かい合うように上記ロール成形本体300の他側に備えられる第2連結接合部430と、を含むことができる。
【0112】
また、ロール成形本体300は、上記第1連結接合部410と上記第2連結接合部430の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形される閉断面部310が偶数個形成されることができる。
【0113】
この際、閉断面部310は連続的に形成され、隣接する閉断面部は相互接するように形成されることができる。
【0114】
ロール成形本体300に形成される閉断面部310は、偶数個備えられ、上記ロール成形本体300と上記連結接合部400が単一のロール成形工程によって一体に成形されることができる。
【0115】
図11及び図12に示すように、ロール成形本体300が連結接合部400と一体にロール成形されるとともに、ロール成形本体300の両側面に連結接合部400が形成されるためには、閉断面部310が偶数個備えられる必要がある。
【0116】
これは、ロール成形本体300に奇数個の閉断面部310を連続的に形成する場合、連結接合部400が、ロール成形本体300の両側面に向かい合う形で形成されず、同一の方向に形成されるためである。
【0117】
したがって、ロール成形本体300に、構造部材5と結合されるための向かい合う形態の2つの連結接合部400を形成するとともに、連結接合部400及びロール成形本体300が単一のロール成形工程によって一体に成形されるためには、閉断面部310が偶数個備えられる必要がある。
【0118】
本発明によるロール成形部材20は、閉断面構造を有するロール成形本体300を形成するとともに、ロール成形本体300の両側面に構造部材5との連結のための向かい合う形態の連結接合部を単一のロール成形工程によって成形することができるという利点がある。
【0119】
したがって、本発明のロール成形部材20は、閉断面構造を通じて荷重性能を向上させるとともに、溶接量を低減させてロール成形部材20の生産速度を向上させ、その結果、ロール成形部材20の製造コストを節減することができるという効果を奏する。
【0120】
また、本発明のロール成形部材20は、荷重性能を発揮するための閉断面構造を形成するとともに、ロール成形本体300の両側面に向かい合う形態の連結接合部が形成されるようにすることにより、ロール成形部材20を製作するための鋼板の使用量を最小限に抑えて、コストを節減しながらも、構造部材5と容易に結合されることができるという効果を奏する。
【0121】
ロール成形本体300は、2つの閉断面部310がロール成形方式によって連続的に形成されることで8字形状の断面を形成することができる。
【0122】
図11(a)に示すように、ロール成形本体300は、上記第1連結接合部410と上記第2連結接合部430の間の区間に、ロール成形方式によって連続的に成形されることで8字形状の断面を有する第1閉断面部311及び第2閉断面部312を備えることができる。
【0123】
図11(a)に示すように、連続的にロール成形された第1連結接合部410、ロール成形本体300、及び第2連結接合部430の接合のために2ヶ所で溶接接合されることができる。
【0124】
このように、連続的にロール成形された第1連結接合部410、ロール成形本体300、及び第2連結接合部430の接合のために2ヶ所で溶接接合することにより、2つ以上の閉断面部310を含む多重閉断面構造を有するロール成形本体300を形成することができ、ロール成形本体300の両側面に向かい合う形態の連結接合部を形成することができる。
【0125】
したがって、本発明のロール成形部材20は、多重閉断面構造を通じて荷重性能を向上させながらも、溶接量を低減させて、ロール成形部材20の生産速度を向上させ、その結果、ロール成形部材20の製造コストを低減することができるという効果を奏する。
【0126】
また、本発明のロール成形部材20は、荷重性能を発揮するための多重閉断面構造を形成するとともに、ロール成形本体300の両側面に向かい合う形態の連結接合部が形成されるようにすることにより、ロール成形部材20を製作するための鋼板の使用量を最小限に抑えてコストを節減しながらも、構造部材5と容易に結合されることができるという効果を奏する。
【0127】
図11及び図12に示すように、ロール成形本体300は、第1本体板330と、第2本体板350と、第1閉断面部311と、第2閉断面部312と、を含むことができる。
【0128】
連結接合部400は、上記ロール成形本体300の一側面に備えられる第1連結接合部410と、上記ロール成形本体300の他側面に備えられる第2連結接合部430と、を備えることができ、ロール成形本体300は、上記第1連結接合部410から延長形成される第1本体板330と、上記第2連結接合部430から延長形成される第2本体板350と、上記第1本体板330と連結されて連続的にロール成形される第1閉断面部311と、一側が上記第1閉断面部311と連結され、他側が上記第2本体板350と連結されて連続的にロール成形される第2閉断面部312と、を含むことができる。
【0129】
第1閉断面部311及び第2閉断面部312は、第1本体板330と第2本体板350の間で連結されて形成され、連続的にロール成形されることができる。
【0130】
ロール成形本体300は、三角形または四角形の断面で形成される複数の閉断面部310を含む多重閉断面構造を形成することができる。
【0131】
図11に示すように、第1閉断面部311及び第2閉断面部312は、四角形の断面で形成されることができ、四角形の断面の角部分は一定の曲率を有する形態で備えられることができる。
【0132】
図12(a)に示すように、第1閉断面部311及び第2閉断面部312は、三角形の断面で形成されることができ、三角形の断面の角部分は一定の曲率を有する形態で備えられることができる。
【0133】
但し、閉断面部310の形態は、必ずしも三角形、四角形に限定されるものではなく、ロール成形部材20の荷重性能を向上させることができる形態であれば、様々な形態の多角形の断面を有することができることは言うまでもない。
【0134】
図12(b)に示すように、第1閉断面部311、第2閉断面部312、第3閉断面部313、及び第4閉断面部314は、四角形の断面で形成されることができ、四角形の断面の角部分は一定の曲率を有する形態で備えられることができる。
【0135】
図12(a)は2つの閉断面部310を形成することを、図12(b)は4つの閉断面部310を形成することを示す。両閉断面部は、ロール成形部材20の荷重性能や、鋼材の使用量などに応じた製造コストの面で差異がある。
【0136】
図12(a)は、2つの閉断面部310を含む多重閉断面構造を形成することで、十分な荷重性能を確保するとともに、鋼材の使用量及び溶接量を最小化して、ロール成形部材20の製造コストも節減した本発明の最適なロール成形部材20の形状を示す。
【0137】
これに対し、図12(b)は、4つの閉断面部310を有する多重閉断面構造を形成したもので、図12(a)に比べて鋼材の使用量などによる製造コストは増加するものの荷重性能は改善されるという利点がある。
【0138】
図12(b)の場合にも、ロール成形部材20と構造部材5が占める断面積にはほとんど変化がない。
【0139】
したがって、荷重性能を十分に確保する必要がある構造部材5の連結部分には、図12に示すロール成形部材20を適用することがさらに好ましい。
【0140】
図11(b)に示すように、ロール成形部材20は、本体板と、上記閉断面部310を形成する部材とが重なる部分のうち少なくとも9つ以上の部分が重ね溶接されることができる。
【0141】
すなわち、第1本体板330と上記第2閉断面部312の部材とが重なる部分、及び上記第2本体板350と上記第1閉断面部311の部材とが重なる部分が重ね溶接されることができる。
【0142】
図11(a)、図12(a)、及び図12(b)に示すように、連結接合部400は、上記連結接合部400に最も近い部分で上記閉断面部310と溶接接合されることができる。換言すると、上記連結接合部400と上記閉断面部310との境界に位置する上記閉断面部310が、上記連結接合部400との境界で溶接接合されることができる。
【0143】
また、図11(a)及び図12(a)に示すように、第1連結接合部410は、第1連結接合部410に最も近い部分で第1閉断面部311と溶接接合されることができ、第2連結接合部430は、第2連結接合部430に最も近い部分で閉断面部312と溶接接合されることができる。
【0144】
よって、2ヶ所のみに溶接部(W)を形成しても、ロール成形部材20の構造剛性を確保することができる。これにより、ロール成形部材20を形成するための溶接量を低減し、ロール成形部材20の製作コストを節減しながらも、十分な強度を確保することができるという効果がある。
【0145】
図12(b)に示すように、第1連結接合部410は、第1連結接合部410に最も近い部分で第1閉断面部311と溶接接合されることができ、第2連結接合部430は、第2連結接合部430に最も近い部分で第4閉断面部314と溶接接合されることができる。
【0146】
また、ロール成形本体300及び上記連結接合部400のうち少なくとも上記ロール成形本体300は、980MPa以上の強度を有するマルテンサイト鋼、CP鋼、DP鋼、TRIP鋼、TWIP鋼のうち選択されたいずれかの材料で構成されることができる。
【0147】
図10に示すように、連結接合部400は、上記ロール成形本体300の長さ方向において両側面の一部に形成されることができる。
【0148】
これは、ロール成形本体300を構成する閉断面部310が連結接合部400と溶接接合されるにあたり、連結接合部400の全体が構造部材5と結合される必要はないためであり、連結接合部400をロール成形本体300の長さ方向全体に形成するのではなく長さ方向の一部に形成することができる。
【0149】
これにより、連結接合部400を形成するための鋼材の使用量が節減され、構造部材5と連結接合部を結合するための溶接量が最小化されて、ロール成形部材20の製作コストが節減されることができる。
【0150】
図10に示すように、ロール成形本体300及び上記連結接合部400は、構造部材5の接合面に長さ方向に形成されることができる。
【0151】
ロール成形本体300及び上記連結接合部400は、ロール曲げ加工によって成形されて長さ方向に曲率が形成されることができる。
【0152】
構造部材5と接合設置されるロール成形部材20のように長さ方向に一定の曲率を設定する必要がある場合は、ロール成形本体300及び上記連結接合部400を単一のロール成形工程によって連続的に成形してロール成形部材20を製造した後、製造されたロール成形部材20が、ロール曲げ加工によって長さ方向に一定の曲率を有するように成形することができる。
【0153】
以下、図14を参照して、図8に示す従来のロール成形部材20と図11に示す本発明のロール成形部材20を比較して説明する。
【0154】
まず、図14は、図8に示す従来の構造部材5と結合されたロール成形部材20の設置領域と、図11に示す本発明の構造部材5と結合されたロール成形部材20の設置領域とを対比した図である。
【0155】
すなわち、図14は、図8に示す従来のロール成形部材20の設置領域と、図11に示す本発明のロール成形部材20の設置領域とを対比した図である。
【0156】
このように、図14に示すように、図11に示す本発明のロール成形部材20は、図8に示す従来のロール成形部材20に比べて断面積が著しく減少して、構造部材5の接合部分に設置されるロール成形部材20の荷重性能を十分に確保しながらも、ロール成形部材20が占める断面積を減少させることで、ロール成形部材20の製造コストを節減することができるという効果を奏する。
【0157】
図14を参照すると、図11に示す本発明のロール成形部材20の設置領域である第1領域(S1)と、図8に示す従来のロール成形部材20の設置領域である第2領域(S2)とでは、断面において大きな差があることが分かる。
【0158】
図15に示すように、ピラー本体部300は、第1本体板330と、第2本体板350と、第1閉断面部311と、第2閉断面部312と、を含むことができる。
【0159】
ロール成形部材20を形成するにあたり、第2連結接合部430から延長して第2本体板350を形成し、第2本体板350の端部を折り曲げて第2閉断面部312と第1閉断面311を連続的に形成する。次に、第1閉断面部311及び第2閉断面部312を形成して、第1本体板330を形成する。その後、第2閉断面部312の側面に沿って第2本体板330の方向に延長した状態で90°方向に折り曲げて第1連結接合部410を形成することができる。
【0160】
図16図19は、様々な実施形態を有する本発明のロール成形部材を示す図である。
【0161】
図16及び図17を参照すると、ロール成形本体300は、少なくとも一部の角が円弧状に形成された複数の閉断面部310を含む多重閉断面構造を形成することができる。
【0162】
ロール成形本体300は、偶数個の閉断面部310が連続的に形成され、且つそれぞれの閉断面部310の角のうち少なくとも一部が曲がった形状を有するように構成されることができる。
【0163】
この際、各閉断面部310の4つの角のうち3つの角が曲がるように形成され、且つ曲がった角はそれぞれ円弧状にロール成形されることができる。
【0164】
図16を参照すると、ロール成形本体300に形成される閉断面部310は、2つの閉断面部310が連続的に形成され、且つそれぞれの閉断面部300が曲がった形状を有する8字形状の断面を含むことができる。
【0165】
図17(a)に示すように、2つの閉断面部300で構成される8字型の断面が横方向に連続的に形成されるか、または図17(b)に示すように、縦方向に連続的に形成されるようにすることで、ロール成形本体300を形成することができる。
【0166】
このように、ロール成形部材20に加わる荷重の大きさ及び方向に沿って閉断面部310を重ねて形成することで、荷重性能をさらに向上させることができるという効果を奏する。
【0167】
図18及び図19を参照すると、ロール成形本体300は、四角形の断面で形成される複数の閉断面部310を含む多重閉断面構造を形成することができる。
【0168】
図18及び図19を参照すると、ロール成形本体300は、偶数個の閉断面部310が連続的に形成され、且つそれぞれの閉断面部310の角のうち少なくとも一部が角形状を有するように構成されることができる。
【0169】
この際、それぞれの閉断面部310は、4つの角がそれぞれ角張って形成された四角形の断面にロール成形されることができる。
【0170】
図19(a)に示すように、2つの閉断面部300で構成される8字型の断面が横方向に連続的に形成されるか、または図19(b)に示すように、縦方向に連続的に形成されるようにすることで、ロール成形本体300を形成することができる。
【0171】
但し、閉断面部310の形態は、ロール成形部材20の荷重性能を向上させることができる形態であれば、様々な形態の多角形の断面を有することができることは言うまでもない。
【0172】
かかるロール成形部材20は、様々な構造部材5の接続部分で荷重支持する構造性能を発揮できるように構成されることができる。
【0173】
特に、自動車の構造性能を発揮する様々な製品に適用されることができ、一例として、インパクトキャリア、バンパー、フレーム、ピラー部材など多様に適用されることができる。
【0174】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは、当該技術分野の通常の知識を有する者には自明である。
図1(a)】
図1(b)】
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
図6(a)】
図6(b)】
図7a
図7b
図7c
図8
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
図12(a)】
図12(b)】
図13
図14
図15
図16
図17(a)】
図17(b)】
図18
図19(a)】
図19(b)】