(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671374
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】固形物放出モジュール
(51)【国際特許分類】
B02C 18/22 20060101AFI20200316BHJP
B01J 4/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
B02C18/22
B01J4/00 105A
B01J4/00 105C
【請求項の数】13
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-533545(P2017-533545)
(86)(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公表番号】特表2018-501098(P2018-501098A)
(43)【公表日】2018年1月18日
(86)【国際出願番号】EP2015080630
(87)【国際公開番号】WO2016102394
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年8月18日
(31)【優先権主張番号】202014010155.8
(32)【優先日】2014年12月22日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】511230484
【氏名又は名称】フーゴ・フォーゲルザング・マシネンバウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】HUGO VOGELSANG MASCHINENBAU GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100176463
【弁理士】
【氏名又は名称】磯江 悦子
(72)【発明者】
【氏名】トルステン・ブルホルスト
【審査官】
宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭56−065796(JP,U)
【文献】
実開昭62−144541(JP,U)
【文献】
特開2009−045616(JP,A)
【文献】
実開昭62−167091(JP,U)
【文献】
特開平11−351741(JP,A)
【文献】
特開平09−271612(JP,A)
【文献】
特開平09−268090(JP,A)
【文献】
特開2009−226466(JP,A)
【文献】
特開2004−107061(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0306042(US,A1)
【文献】
特開2001−9306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B02C 18/22
B01J 4/00
B02C 23/00−23/10
C02F 11/12
B30B 9/00−9/28
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
混合流体を積載している装置(100)から固形物を放出するための固形物放出モジュール(1)であって、
上記混合流体から分離された上記固形物を上記装置(100)から受け取るための固形物入口(3)と、
上記固形物入口(3)を上記装置(100)に接続するカップリング手段(31)と、
固形物出口(5)と、
上記固形物出口(5)に設けられ、リリース位置とブロック位置との間を往復動可能な閉鎖部材(9)と、
上記固形物入口(3)から上記固形物出口(5)まで延びているコンベア室(7)と、
上記コンベア室(7)における固形物の蓄積を検出して表示するようになっている充填状態検出器(13)と
を備え、
上記閉鎖部材(9)はモータ手段によって作動可能であり、上記固形物放出モジュールは、上記充填状態検出器(13)と上記閉鎖部材(9)の駆動部とに信号伝達関係で接続されている電子制御ユニットを有し、
上記充填状態検出器(13)が、上記固形物出口(5)に十分な固形物の蓄積がある旨を表す信号を信号伝達接続によって出力したとき、上記電子制御ユニットは、上記閉鎖部材(9)がブロック位置からリリース位置へと動くように上記閉鎖部材(9)の駆動部を作動させるようになっていることを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項2】
請求項1に記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記コンベア室(7)に設けられ、上記固形物入口(3)に供給された固形物を上記固形物出口(5)に運搬するようになっているコンベア手段(7)を特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記コンベア室(7)は、上記固形物出口の直ぐ上流において水平方向に対して傾斜して延びていることを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一つに記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記閉鎖部材(9)はシャットオフスライドバルブの形態であることを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一つに記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記充填状態検出器(13)は、上記コンベア室(7)へ導入されるためのプローブ本体(15)を有するプローブの形態であることを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項6】
請求項5に記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記プローブ本体(15)は表示手段を有し、この表示手段は外から見えるとともに、上記プローブ本体(15)がその最大侵入深さまで侵入することができるかできないかを表示するようになっていることを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項7】
請求項6に記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記表示手段は、上記プローブ本体(15)の実際の侵入深さを表示するようになっていることを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項8】
請求項2に記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記コンベア手段は、上記固形物入口(3)から上記固形物出口(5)の方向に移動可能かつ収縮位置と伸長位置との間を往復可能なピストンスライダー(17)を有することを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項9】
請求項8に記載の固形物放出モジュール(1)において、
上記ピストンスライダー(17)は、ピストンヘッド(19)と、上記ピストンヘッド(19)の外周から、上記コンベア室(7)から遠ざかる方向に延びるピストンケーシング(21)とを有し、上記ピストンケーシング(21)は、このピストンスライダーが上記収縮位置から上記伸長位置へと移動すると上記固形物入口(3)を閉鎖するようになっていることを特徴とする固形物放出モジュール(1)。
【請求項10】
混合流体を積載する装置(100)であって、
上記混合流体から分離された固形物の回収領域と、
上記回収領域と連通する出口(109)と
を備え、
上記出口(109)に請求項1乃至9のいずれか一つに記載の固形物放出モジュール(1,50)が接続されていることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項10に記載の装置において、
上記装置は上記固形物放出モジュール(1,50)の接続のためのカップリング手段を有し、このカップリング手段は、上記固形物放出モジュール(1,50)側のカップリング手段と協働することを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の装置において、
上記装置は、混合流体中の固形分のための粉砕装置であることを特徴とする装置。
【請求項13】
混合流体を積載している装置(100)から分離された固形物を除去するための固形物放出モジュール(1,50)の使用であって、上記固形物放出モジュールは請求項1乃至9のいずれか一つに記載されたものであることを特徴とする固形物放出モジュール(1,50)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合流体を積載している装置、特に、混合流体中の固形分のための粉砕装置から固形物を放出するための固形物放出モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、特に、請求項1の前段部分に記載されたような放出モジュールに関する。本発明はさらに、請求項14の前段部分に記載されたような装置及び前記装置での固形物放出モジュールの使用に関する。
【0003】
混合流体は、混合流体自体が非常に種々雑多なものからなり、しかも異なる性質を有し得るという難問を、関連装置の製造業者に突きつける。さらに、比較的高粘度の流体成分又は流体に加えて、例えば、石、金属粒子等々の形態での固形物負荷(solids loading content) がある場合がある。
【0004】
例えば、ロータリピストンポンプのような、混合流体を送るための装置は、その設計原理により、固形物負荷に対して高いレベルでのトレランスを既に有している。にもかかわらず、殆どの場合において、固形物は流体流における望ましくない成分である。固形分は、流路流から除去されるために装置の特別の領域に自動的に沈殿するか、特別に設けられた固体分離器において流路流から分離される。
【0005】
混合流体を処理する装置、特に粉砕装置、例えば、フーゴ・フォーゲルザンク・マシネンバウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング(Hugo Vogelsang Maschinenbau GmbH)のロタカット(RotaCut)製品シリーズは、例えば食品製造又はバイオマス処理において、混合流体に混入された固形分を粉砕して混合流体の次の処理のための準備をさせるために、混合流体の運搬(搬送)又は処理のための設備内の流体流に組み込まれている。そのような設備では、所定の固形分、特に大きい固形分及び/又は重量のある固形分が、専用の回収領域で、例えば沈殿(沈降)によって、混合流体流から分離されることが知られている。
【発明の開示】
【0006】
上述の装置の場合、概ね満足度の高い動作モードにも拘わらず、上述の態様で蓄積する固形物を確実かつ低レベルの複雑さと低費用で除去できるようにすることが尚も求められている。そこで、本発明の目的は、上述の装置からできるだけ効率的に固形分を除去できる方法を提供することである。
【0007】
第1の側面では、本発明は請求項1に記載の固形物放出モジュールによってその目的を達成する。この固形物放出モジュールは、固形物入口と、上記固形物入口を混合流体コンベア及び/又は処理装置に接続するカップリング手段と、固形物出口と、上記固形物出口に設けられ、リリース位置とブロック位置との間を往復動可能な閉鎖部材と、上記固形物入口から上記固形物出口まで延びているコンベア室とを備えている。
【0008】
第1の側面によると、上記固形物放出モジュールは、上記コンベア室における固形物の蓄積を検出して表示するようになっている充填状態検出器を有する。この充填状態検出器は、固形物放出モジュールに接続されたそれぞれの装置の動作を中断させる必要なく、固形物蓄積物の除去のために上記閉鎖部材を開くことを正当化するだけの十分な量の固形物又は固形物蓄積物の除去のために上記閉鎖部材を開くことを必要とするような十分な量の固形物が上記コンベア室内に蓄積したかどうかを検出することを容易に可能とする。
【0009】
代替的に又は追加的に本発明の目的を達成する第2の側面によると、固形物放出モジュールは、上記コンベア室内に配置され上記固形物入口に供給される固形物を上記固形物出口へと運搬するようになっているコンベア手段を有する。このコンベア手段は、本発明によれば、供給された固形物を能動的にさらに運搬し、接続されたコンベア及び/又は処理装置のその部分での閉塞つまり詰まりのリスクを低減する。
【0010】
以下に記載の構成は、本発明の上記第1及び第2の側面に関係しており、従属請求項にも見られるものである。
【0011】
本発明の好ましい展開では、上記コンベア室は、上記固形物出口の直ぐ上流において水平方向に対して傾斜して、特に垂直方向に延びている。それは、固形物放出モジュールが動作可能な向きにある状態、つまり、例えば、混合流体を運搬及び/又は処理する装置に接続された状態を示している。
【0012】
水平方向に対してコンベア室の向きが傾斜していることにより、上記閉鎖部材がリリース位置へと移動した後に、蓄積した固形物は自動的に滑落又は落下するため、出口側での放出モジュールの詰まりのリスクを最小にする。
【0013】
本発明の好ましい実施形態では、上記閉鎖部材はシャットオフスライドバルブの形態である。好ましくは、上記閉鎖部材は、ブロック位置から放出位置まで動いても、蓄積している固形物を放出方向と反対方向に一切移動させることがないようになっている。それは、リリース(解放)又はブロック(遮断)のために流れ方向又は放出方向に、又は流れ方向又は放出方向とは逆方向に、旋回運動を行う必要がないシャットオフスライドバルブの場合に、簡単な方法で達成できる。
【0014】
さらに好ましい実施形態では、上記充填状態検出器は、上記コンベア室へ導入されるためのプローブ本体を有するプローブの形態である。手動により、又は、好ましくは自動で上記プローブ本体をコンベア室に導入することにより、プローブ本体がコンベア室内に、例えばその最大侵入深さまで入り込むことができるかどうか、又は、最大侵入深さに達する前に何か障害物に出会うかどうかを調べることができる。したがって、本発明によれば、十分な量の固形物が蓄積していることは、プローブ本体がその最大侵入深さまで入り込むことができず、固形物の蓄積に既に当接していることにより、検出される。
【0015】
特に好ましくは、上記プローブ本体は表示手段を有し、この表示手段は外から見えるとともに、上記プローブ本体がその最大侵入深さまで侵入することができるかできないかを表示するようになっている。
【0016】
さらに好ましくは、上記表示手段は、上記プローブ本体の実際の侵入深さを表示するようになっている。基本的には上記プローブ本体がその最大侵入深さに到達することができるか又は既に障害物に出会ったかどうかについて定性的に示せれば、装置の確実な(信頼性のある)動作にとっては十分であり、また、恐らくは所望される特に堅固な構造に関しては有利ではあるけれども、上記固形物出口上流の固形物の蓄積度を評価できるようにするために、例えばスケール(目盛り、定規)によって、プローブ本体がどれくらい深く入ったか又はプローブ本体がその最大侵入深さまでどれだけ届いていないのかを読み取ることができることも望ましいかもしれない。
【0017】
本発明のさらに好ましい実施形態において、上記コンベア手段はボリュームコンベアの形態である。好ましくは、上記コンベア手段は、上記固形物入口から上記固形物出口の方向に移動可能かつ収縮位置と伸長位置との間を往復可能なピストンスライダーを有する。ピストンスライダーは、機械的に堅牢な構造として製造可能であり、外から手動により又は選択的にモータ手段により作動可能なスラストロッドによって、作動可能である。ピストンヘッドの形態及びこのピストンヘッドの外側面は、放出すべき固形分がどんな場合でも確実に通過しないようにする態様でそれらが上記コンベア室の壁に当接すべく、つまり、上記壁に対してシールする関係でもって、上記コンベア室の形状に精確にマッチさせることができる。状況は、絶対的つまり完全なる材料放出を行うものではなく、主として固形分の放出を行うものであるから、ピストンスライダーとコンベア室の壁との間には十分に小さな隙間が残り得、その隙間から例えば、これも分離された液体成分が通過し得る。通過流体は、好ましくは、適切な流体入口と流体出口によって固形物放出モジュール内を流れる。若しくは、通過流体は固形物放出モジュールから放出される。
【0018】
特に堅牢であることから好ましい実施形態において、上記閉鎖手段は手動により作動可能である。手動が求められる介在部分の数を最大限減らすことを探求した好ましい代替構成において、上記閉鎖部材はモータ手段によって作動可能である。モータ手段による作動という文言は、本発明に関しては、電磁式作動、流体圧(油圧)又は空気圧作動を示すために使用され、それらはそれぞれに適宜電気的に制御可能である。好ましくは、固形物放出モジュールは、電子制御ユニットを有し、この電子制御ユニットは、信号伝達の関係で、上記充填状態検出器と、上記閉鎖部材の駆動部とに接続されている。さらに好ましくは、上記充填状態検出器が、上記固形物出口に十分な固形物の蓄積がある旨を表す信号を、信号伝達接続によって出力したとき、電子制御ユニットは、上記閉鎖部材がブロック位置からリリース位置へと動くように、例えば適切な電圧信号によって上記閉鎖部材の駆動部を作動させるようになっている。例えば、充填状態検出器は、以下の2つの切り替え状態間を識別する単純な電圧スイッチを持つことができる。2つの切り替え状態とは、充填状態検出器が閉鎖部材のための切替の必要が無いことを表す第1の切り替え状態と、充填状態検出器が閉鎖部材のための切替が必要であることを表す第2の切り替え状態とである。上記閉鎖部材がプローブ本体の形態である場合には、最大侵入深さ又は別の予め定めた侵入深さの達成(到達)は第1の切り替え状態を表している可能性があり、上記最大侵入深さ又は上記別の予め定めた侵入深さまで到達できないことは、第2の切り替え状態を表している可能性がある。
【0019】
別の側面において、本発明は、混合流体を積載する装置、特に混合流体中の固形分のための粉砕装置、から固形物を放出するための固形物放出モジュールによってその目的を達成する。この固形物放出モジュールは、固形物入口と、混合流体を積載する装置へ接続するためのカップリング手段と、固形物出口と、上記固形物入口から上記固形物出口まで延びている回収室と、上記回収室における固形物の蓄積を検出して表示するようになっている充填状態検出器とを備えている。上記充填状態検出器は、好ましくは、上述の好ましい実施形態に従って設計されており、同じ有利な効果を奏する。そのため、これに関しては前記の説明に着目のこと。この点において、固形物入口を通過して上記回収室へと入った固形物が、重力の助けにより固形物出口の方向に自動的に滑落又は落下するように、(固形物放出モジュールが作動できるようになっている状態での向きについて)上記回収室が水平方向に対して傾斜しているのが好ましい。特に、好ましくは、上記回収室は縦方向の回収チューブ又は縦方向の回収ホッパの形態である。
【0020】
本明細書の冒頭部分に記載された混合流体積載装置において、その装置が、混合流体から分離された固形物のための回収領域と、その回収領域と連通する出口とを有し、上述した好ましい実施形態の一つに係る固形物放出モジュールが上記出口に接続されていることで、本発明はその目的を達成する。
【0021】
好ましくは、これらの装置には、上記固形物放出モジュールの接続のためのカップリング手段が設けられており、このカップリング手段は上記固形物放出モジュールのカップリング手段と協働する。固形物放出モジュールを好ましくはフォースロック(力によるロック)またはポジティブロックにより上記装置に接続するため、好ましくは、可逆的に解除可能なカップリング手段が使用される。混合流体を処理する装置の中でも、本発明に係る固形物放出モジュールが、混合流体中の固形分のための粉砕装置に接続されることは、特に好ましい。
【0022】
上述の装置は、本発明の固形物放出モジュールに関して既に検討したのと同じ好ましい構成を含むと共に、本発明の固形物放出モジュールに関して既に検討したのと同じ有利な効果を伴う。それに関しては、前述の説明に着目のこと。
【0023】
本発明はさらに、固形物放出モジュールの使用に関する。本明細書に記載の好ましい実施形態の一つに係る固形物放出モジュールが、分離された固形物を除去するために、混合流体を運搬及び/又は処理するための装置,特に、混合流体中の固形分のための粉砕装置で使用される限り、本発明はその目的を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
以下、添付の図面を参照して、好ましい実施形態により本発明をより詳細に説明する。それらの図面中、
【
図1】第1の好ましい実施形態に係る固形物放出モジュールの斜視断面図である。
【
図2】
図1に示す固形物放出モジュールを有する、混合流体を処理及び/又は運搬するための装置の一部断面斜視図である。
【
図3】第2の好ましい実施形態に係る固形物放出モジュールの斜視断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1は本発明の好ましい一実施形態にかかる固形物放出モジュール1を示す。固形物放出モジュール(以下、放出モジュール)1は固形物入口3と固形物出口5とを有する。コンベア室7が固形物入口3と固形物出口5との間に延びている。固形物入口3の下流で、コンベア室7は初めに、放出モジュールの接続状態において、水平である向き(方向)を取る。固形物出口5の上流側の端部において、コンベア室7は水平方向に対して傾斜しており、より具体的には、垂直方向に向いている。
【0026】
閉鎖部材9が固形物出口5の外側に設けられている。本実施形態において閉鎖部材9はシャットオフスライドバルブの形態であり、図示のブロック位置からリリース位置へと、そして再びその逆へと、作動部材11によって移動することができる。
【0027】
固形分Fの充填状態検出器13がコンベア室7に配置されている。充填状態検出器13はプローブ本体15を有し、そのプローブ本体15には、コンベア室7の外側で放出モジュール1のハウジング部上に、感知ヘッド16が設けられている。
図1において、感知ヘッド16は、押し出された固定位置Aに存する。プローブ本体15は、ばね14の戻り力に抗してコンベア室7の内部へと移動することができる。より詳しくは、プローブ本体15がその最大侵入深さに達するまで、又は、固形物出口5の上流に溜まった固形物Fに例えば矢印Bで示す位置で出会うまで、プローブ本体15は移動することができ得る。
【0028】
固形物入口3の断面の脇にある、固形物入口3の
図1右側の領域内に、ピストンスライダー17が配置されている。このピストンスライダー17は、スラストロッド20によってコンベア室7内を固形物出口5の方向に移動可能なピストンヘッド19を有する。ピストンヘッド19が
図1の位置(収縮位置)からスタートして、伸長位置の方向へと移動するS方向とは逆の関係で、ピストンケーシング21がピストンヘッド19から延びている。ピストンスライダー17がコンベア室7内をS方向に移動すると、ピストンケーシング21が固形物入口3を閉じる。
【0029】
ピストンケーシング21はコンベア室7の壁23に対面し、その壁に当接するか、コンベア室7の壁23との間に隙間を形成する。この隙間は好ましくは固形物がそこを通過できないほど小さい。ちなみに、用語「固形物」は、混合流体を積載し入口側のカップリング手段31によって放出モジュール1に接続された上流側に接続された装置100(
図2参照)において、余りに大きくかつ余りに重くて流体中に残存することができないために分離された粒子又は物質を示すために使用される。
【0030】
また、接続部25があり、その接続部25には、ピストンケーシング21と壁23との間のスペースを装置100の切断機構103の下流側にあるパイプに接続するラインを任意に接続することができる。それは、ピストンヘッド19とコンベア室7との間を完全に封止する必要が無いという効果を奏する。
【0031】
放出に含まれるプロセスには、流体を固形物出口5の方向に押すことが含まれる。その流体を、接続部27を介して装置100に戻すことができる。その押し動作によって移動(変位)プロセスが起こる。圧力が上昇しないように、好ましくは、流体はリサイクルされる。
【0032】
接続部29を介して流体を再度注入することが可能である。その箇所での水の注入は、固形物の分離の向上を促進することを意図している。
【0033】
図1に示された固形物放出モジュール1の混合流体積載装置100での使用状態が
図2に示されている。混合流体積載装置100は、混合流体入口101と、回転切断機構103と、この回転切断機構103の向こう側に配置された混合流体出口105とを有する。混合流体積載装置100はしたがって粉砕装置、例えば、フーゴ・フォーゲルザンク・マシネンバウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング(Hugo Vogelsang Maschinenbau GmbH)のロタカット製品シリーズによって知られているような粉砕装置の形態である。例えば
図1に示したタイプのような粉砕装置はそれ自身のコンベヤ動作を提供しないので、好ましくは、流体導管システム300が混合流体積載装置100の下流に接続され、流体導管システム300内にはポンプ200、例えばロータリピストンポンプがさらに配置されている。
【0034】
混合流体積載装置100は回収領域107を有し、そこで、大き過ぎる固形物及び/又は重すぎる固形物が分離される。これらの固形物は大き過ぎるか重過ぎるため、流体流によって運ばれて回転切断機構103によって粉砕され流体出口105を通って混合流体積載装置100を離れる、ということができないものである。
【0035】
回収領域107の下端に配置された出口109において、固形物放出モジュール1が、カップリング手段31によって、それの固形物入口と接続されている。
【0036】
本実施形態において、一例として粉砕装置が混合流体積載装置100として示されている。しかし、本発明によれば、粉砕装置の代わりに、固形物が沈殿する容器を有する他の混合流体積載装置、例えば、重量物セパレータ、固形物計量手段、例えば、フーゴ・フォーゲルザンク・マシネンバウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング製のQuickMixの名前で知られているもの、二軸マッシャ、例えば、フーゴ・フォーゲルザンク・マシネンバウ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング製のXRipperの名前で知られているもの、タンクローリ、又はポンプ接続部も提供される。
【0037】
図3は本発明の第2実施形態に係る固形物放出モジュールを示している。排出機構とコンベア室との代わりに、
図3に示す固形物放出モジュール50は、回収室57を有する。この回収室57は、好ましくは動作中垂直方向(縦方向)に配置される。混合流体・固形物入口53は、回収室57の
図3中右上に配置されている。固形物入口53の上方にフランジ面54が位置しており、略その高さのところに、装置100の切断機構103が組み付け状態で配置されることができる。流体出口56は、粉砕装置103のためのフランジ面54の下流に、フランジ面54の上方、
図3の左側に設けられている。固形物放出モジュール50は、その上側に、例えば
図2の装置100のような混合流体積載装置に接続するためのカップリング手段81を有する。
【0038】
回収室57はシリンダ形状のチューブ58の内部に設けられており、チューブ58の下端に、クリーニングオリフィスとも呼ばれる固形物出口55が設けられている。固形物出口55は、オプションとして、閉鎖部材によって閉鎖可能である。閉鎖部材は、例えば、第1実施形態の場合と同じように、シャットオフスライドバルブの形態をとる。
【0039】
充填状態検出器63は回収室57の底部59近傍に配置されている。第1実施形態の場合と同じように、充填状態検出器63も、回収室57の下端における固形物の存在を検出するようになっている。この充填状態検出器が取り付けられる高さが、空にする(中身を出す)必要があることを表示するための時(瞬間)を決定する。