特許第6671375号(P6671375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671375
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】無人機の飛行補助方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/00 20060101AFI20200316BHJP
   B64C 13/20 20060101ALI20200316BHJP
   B64C 27/08 20060101ALI20200316BHJP
   B64C 29/02 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   G05D1/00 B
   B64C13/20 Z
   B64C27/08
   B64C29/02
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2017-533572(P2017-533572)
(86)(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公表番号】特表2018-504690(P2018-504690A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】CN2014095019
(87)【国際公開番号】WO2016101227
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年6月21日
【審判番号】不服2018-16966(P2018-16966/J1)
【審判請求日】2018年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】513068816
【氏名又は名称】エスゼット ディージェイアイ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SZ DJI TECHNOLOGY CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジャンユ
【合議体】
【審判長】 刈間 宏信
【審判官】 大山 健
【審判官】 栗田 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開平6−312700(JP,A)
【文献】 特開2013−144539(JP,A)
【文献】 特開2006−82774(JP,A)
【文献】 特表2009−515771(JP,A)
【文献】 特開2009−36726(JP,A)
【文献】 再公表特許第2008/044309(JP,A1)
【文献】 特開2003−202922(JP,A)
【文献】 特表平9−510032(JP,A)
【文献】 特開2012−90409(JP,A)
【文献】 特開2013−33379(JP,A)
【文献】 特開2001−306144(JP,A)
【文献】 特開2000−118498(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00
B64C 13/20
B64C 27/08
B64C 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行補助機能を実行するコマンドを携帯端末から受信するステップと、
関心地点の位置を記録するステップと、
無人機の現在の所在位置を記録するステップと、
前記関心地点の位置および無人機の現在の所在位置に基づき、無人機の飛行前方方向を定義するステップと、
を含み、
前記無人機の飛行前方方向を定義するステップは、前記携帯端末のピッチレバーによる前進飛行方向を、前記飛行前方方向とするステップを含み、
前記携帯端末と前記無人機との間で無線通信を行い、
前記携帯端末に、前記関心地点に対する前記無人機の方位を報知するために用いられる音声ユニットが設けられ、
前記音声ユニットは、前記無人機と前記携帯端末との距離の情報と前記無人機の高度の情報とを含む前記無人機の位置の情報及び飛行姿勢の情報を、音声で報知する、
無人機の飛行補助方法。
【請求項2】
前記携帯端末はリモートコントローラであり、前記リモートコントローラに、飛行補助機能を起動するボタンが設けられていることを特徴とする、
請求項1に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項3】
前記関心地点は、前記無人機の離陸点の位置であることを特徴とする、
請求項1に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項4】
前記携帯端末には衛星地図が表示され、前記衛星地図で前記関心地点を選定することを特徴とする、
請求項1に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項5】
前記関心地点は、前記携帯端末の所在位置であり、前記携帯端末の位置の変化に伴い変化することを特徴とする、
請求項1に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項6】
前記無人機にGPSが取り付けられており、無人機の現在の所在位置はGPSにより測定されることを特徴とする、
請求項1に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項7】
定義された無人機の飛行前方方向に基づき、前記無人機の針路はロックされ、帰航を実行するステップであって、前記無人機は、帰航実行時刻に、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として帰航するステップ、をさらに含むことを特徴とする、
請求項3に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項8】
前記無人機と前記関心地点との間の距離が第1の閾値よりも小さい場合、空中に停止するまで前記無人機を減速するステップをさらに含むことを特徴とする、
請求項1に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項9】
ピッチを実行する制御コマンドを受信し、前記無人機は、前記関心地点を円心とする円の径方向に加速して運行するとともに、前記円の接線方向において速度をゼロに制御することを特徴とする、
請求項に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項10】
ロールを実行する制御コマンドを受信し、前記無人機は、前記関心地点を円心とする円の円上で円周運動を行うように飛行をロックするとともに、前記円の径方向において速度をゼロに制御することを特徴とする、
請求項に記載の無人機の飛行補助方法。
【請求項11】
ヨー制御コマンドおよびロール制御コマンドを同時に受信し、前記無人機は、自転するとともに、前記関心地点を円心とする円の円上で円周運動を行うように飛行をロックし、前記円の径方向において速度をゼロに制御することを特徴とする、
請求項に記載の無人機の飛行補助方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人機の飛行補助システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無人機(例えば、固定翼飛行機、ヘリコプターを含む回転翼航空機)は、例えば、監視、捜索などの分野で広範に用いられている。操縦者が無人機などの運動体を操作する過程において、無人機は一般的に体型が比較的小さく、遠くに飛ぶ場合(例えば四、五百メートル)、肉眼ではっきりと見ることが難しく、こうした場合、操縦者が無人機の針路の角度を観察することが難しく、盲目飛行に相当し、飛行の補助手段がなければ、無人機が行方不明になりやすい。また、FPV(First Person View、一人称視点)モードを用いて飛ぶ場合、表示スクリーンに過度に注目し、最後には、無人機の現在位置が不明確になり、方向を見失い、ひいては行方不明になる可能性もあり、そして、FPVを見ながら無人機の位置に注意すると、ユーザ体験が大きく損なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、操縦者が無人機の現在の飛行位置および飛行状態を軽快に操縦することを助け、これにより無人機の飛行を制御する、無人機の飛行補助システムおよび方法、無人機、ならびに携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、以下のステップを含む、無人機の飛行補助方法によって実現される。
【0005】
飛行補助機能を実行するコマンドを受信する。
【0006】
関心地点の位置を記録する。
【0007】
無人機の現在の所在位置を記録する。
【0008】
前記関心地点の位置および無人機の現在の所在位置に基づき、無人機の飛行前方方向を定義し、ヘッドレスモードを実現する。
【0009】
それにおいて、前記飛行補助機能を実行するコマンドを携帯端末に送信し、前記携帯端末と前記無人機との間で無線通信を行う。
【0010】
それにおいて、前記携帯端末と前記無人機との間は、Wi−Fi(登録商標)ネットワーク、2G、3G、4Gまたは5Gネットワークで無線通信を実現する。
【0011】
それにおいて、前記携帯端末はリモートコントローラであり、前記リモートコントローラに、飛行補助機能を起動するボタンが設けられている。
【0012】
それにおいて、前記携帯端末はタブレットPCまたは携帯電話であり、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に、飛行補助機能を起動するために用いられる仮想ボタンが設けられている。
【0013】
それにおいて、前記携帯端末に、前記関心地点に対する前記無人機の方位を報知するために用いられる音声ユニットが設けられている。
【0014】
それにおいて、前記関心地点は、前記無人機の離陸点の位置情報である。
【0015】
それにおいて、前記携帯端末には衛星地図が表示され、衛星地図で関心地点を選定する。
【0016】
それにおいて、前記関心地点は、前記携帯端末の位置の変化に伴い変化する。
【0017】
それにおいて、前記無人機にGPSと高さ計測器とが取り付けられており、無人機の現在の所在位置がGPSおよび高さ計測器によって測定される。
【0018】
それにおいて、さらに、次のステップを含む。
【0019】
定義された無人機の飛行前方方向に基づき、前記無人機の針路はロックされ、帰航を実行し、前記無人機は、帰航実行時刻に、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として帰航する。
【0020】
それにおいて、さらに、次のステップを含む。
【0021】
帰航を実行する過程において、前記無人機と前記関心地点との間の距離が第1の閾値よりも小さい場合、空中に停止するまで前記無人機を減速する。
【0022】
それにおいて、前記第1の閾値は、50メートル〜100メートルである。
【0023】
それにおいて、さらに、次のステップを含む。
【0024】
定義された無人機の飛行前方方向に基づき、関心地点巡回モードを実行する。
【0025】
それにおいて、ピッチを実行する制御コマンドを受信し、前記無人機は、径方向に加速して運行するとともに、接線方向において位置および速度の制御を行う。
【0026】
それにおいて、ロールを実行する制御コマンドを受信し、前記無人機は、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするとともに、径方向において速度をゼロに制御する。
【0027】
それにおいて、針路制御コマンドおよびロール制御コマンドを同時に受信し、前記無人機が自転する過程において、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするとともに、径方向において速度をゼロに制御する。
【0028】
本発明の実施形態は、以下のステップを含む、無人機の飛行補助システムによって実現される。
【0029】
飛行補助機能を実行するコマンドを受信するために用いられる受信モジュール。
【0030】
関心地点の位置および無人機の現在の所在位置を記録するために用いられる記録モジュール。
【0031】
前記関心地点の位置および無人機の現在の所在位置に基づき、無人機の飛行前方方向を定義し、ヘッドレスモードを実現するために用いられる定義モジュール。
【0032】
それにおいて、前記飛行補助機能を実行するコマンドを携帯端末に送信し、前記携帯端末と前記無人機との間で無線通信を行う。
【0033】
それにおいて、前記携帯端末と前記無人機との間は、Wi−Fiネットワーク、2G、3G、4Gまたは5Gネットワークで無線通信を実現する。
【0034】
それにおいて、前記携帯端末はリモートコントローラであり、前記リモートコントローラに、飛行補助機能を起動するボタンが設けられている。
【0035】
それにおいて、前記携帯端末はタブレットPCまたは携帯電話であり、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に、飛行補助機能を起動するために用いられる仮想ボタンが設けられている。
【0036】
それにおいて、前記携帯端末に、前記関心地点に対する前記無人機の方位を報知するために用いられる音声ユニットが設けられている。
【0037】
それにおいて、前記関心地点は、前記無人機の離陸点の位置情報である。
【0038】
それにおいて、前記携帯端末には衛星地図が表示され、衛星地図で関心地点を選定する。
【0039】
それにおいて、前記関心地点は、前記携帯端末の位置の変化に伴い変化する。
【0040】
それにおいて、前記無人機にGPSと高さ計測器とが取り付けられており、無人機の現在の所在位置がGPSおよび高さ計測器によって測定される。
【0041】
それにおいて、前記無人機の飛行補助システムは、軌跡帰航モジュールをさらに含み、前記軌跡帰航モジュールは、前記定義モジュールが定義した無人機の飛行前方方向に基づき、前記無人機の針路をロックし、前記無人機を、帰航実行時刻に、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として帰航させるために用いられる。
【0042】
それにおいて、空中停止定義モジュールをさらに含み、帰航を実行する過程において、前記無人機と前記関心地点との間の距離が第1の閾値よりも小さい場合、前記空中停止定義モジュールが、空中に停止するまで前記無人機を減速させるために用いられる。
【0043】
それにおいて、前記第1の閾値は、50メートル〜100メートルである。
【0044】
それにおいて、さらに、巡回モード制御モジュールは、定義された無人機の飛行前方方向に基づき、関心地点巡回モードを実行するために用いられる。
【0045】
それにおいて、前記巡回モード制御モジュールは、ピッチを実行する制御コマンドを受信し、前記無人機を、径方向に加速して運行するように制御するとともに、接線方向において位置および速度の制御を行う。
【0046】
それにおいて、前記巡回モード制御モジュールは、ロールを実行する制御コマンドを受信し、前記無人機を、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするように制御するとともに、径方向において速度をゼロに制御する。
【0047】
それにおいて、前記巡回モード制御モジュールは、針路制御コマンドおよびロール制御コマンドを同時に受信し、前記無人機が自転する過程において、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするように制御するとともに、径方向において速度をゼロに制御する。
【0048】
本発明の実施形態は、筐体と、前記筐体内に設けられたメインコントローラと、を含む無人機によって実現され、前記メインコントローラは、飛行補助機能を実行するコマンドを受信し、関心地点の位置および無人機の現在の所在位置を記録し、前記関心地点の位置と無人機の現在の所在位置に基づき無人機の飛行前方方向を定義して、ヘッドレスモードを実現するために用いられる。
【0049】
それにおいて、前記関心地点は、前記無人機の離陸点の位置情報である。
【0050】
それにおいて、前記飛行補助機能を実行するコマンドは、携帯端末に送信され、前記関心地点は、前記携帯端末の位置の変化に伴い変化する。
【0051】
それにおいて、前記無人機にGPSと高さ計測器とが取り付けられており、無人機の現在の所在位置がGPSおよび高さ計測器によって測定される。
【0052】
それにおいて、前記メインコントローラは、さらに、前記無人機の飛行前方方向に基づき、前記無人機の針路をロックし、前記無人機を、帰航実行時刻に、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として帰航させるために用いられる。
【0053】
それにおいて、前記無人機と前記関心地点との間の距離が第1の閾値よりも小さい場合、前記メインコントローラが、空中に停止するまで前記無人機を減速するために用いられる。
【0054】
それにおいて、前記第1の閾値は、50メートル〜100メートルである。
【0055】
それにおいて、前記メインコントローラは、さらに、定義された無人機の飛行前方方向に基づき、関心地点巡回モードを実行するために用いられる。
【0056】
それにおいて、前記メインコントローラは、さらに、ピッチを実行する制御コマンドを定義モジュールが受信し、前記無人機を、径方向に加速して運行するように制御するとともに、接線方向において位置および速度の制御を行うために用いられる。
【0057】
それにおいて、前記メインコントローラは、さらに、ロールを実行する制御コマンドを定義モジュールが受信し、前記無人機を、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするように制御するとともに、径方向において速度をゼロに制御するために用いられる。
【0058】
前記メインコントローラは、さらに、針路制御コマンドおよびロール制御コマンドを同時に受信し、前記無人機が自転する過程において、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするように制御するとともに、径方向において速度をゼロに制御するために用いられる。
【0059】
本発明の実施形態は、前記無人機を制御するための携帯端末により実現され、前記携帯端末は、飛行補助機能を実行するコマンドを発達し、前記無人機に、携帯端末の位置と無人機の現在の所在位置に基づき無人機の飛行前方方向を定義させ、ヘッドレスモードを実現するために用いられる。
【0060】
それにおいて、前記携帯端末と前記無人機との間で無線通信を行う。
【0061】
それにおいて、前記携帯端末と前記無人機との間は、Wi−Fiネットワーク、2G、3G、4Gまたは5Gネットワークで無線通信を実現する。
【0062】
それにおいて、前記携帯端末はリモートコントローラであり、前記リモートコントローラに、飛行補助機能を起動するボタンが設けられている。
【0063】
それにおいて、前記携帯端末はタブレットPCまたは携帯電話であり、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に、飛行補助機能を起動するために用いられる仮想ボタンが設けられている。
【0064】
それにおいて、前記携帯端末に、前記関心地点に対する前記無人機の方位を報知するために用いられる音声ユニットが設けられている。
【0065】
それにおいて、前記携帯端末には衛星地図が表示され、衛星地図で関心地点を選定する。
【発明の効果】
【0066】
従来技術に対し、本発明の飛行補助方法およびシステム、無人機、ならびに携帯端末は、操縦者が、前記無人機が飛行補助機能を実行するようトリガーするだけで、操縦者の目が携帯端末の表示スクリーンを離れる必要なしに、無人機の飛行経路を自在に操縦することができ、盲目飛行および行方不明になることを回避するとともに、操縦者の飛行体験を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
図1】本発明の実施形態により提供される無人機の飛行補助方法の流れ図である。
図2図1における無人機のブロック図である。
図3】無人機巡回制御概略図である。
図4】無人機が関心地点を巡回して飛行する制御概略図である。
図5】本発明の実施形態により提供される無人機の飛行補助システムの機能ブロック図である。
図6】本発明の実施形態により提供される無人機の立体概略図である。
図7】本発明の実施形態により提供される携帯端末のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案について、明瞭かつ完全に記述するが、記述する実施例は、本発明の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことは明らかである。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的労働を行わない前提の下で得たその他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護する範囲に属す。
【0069】
以下、具体的な実施形態を参照して本発明の実現について詳細に記述する。
【0070】
図1に示すように、本発明により提供される無人機の飛行補助方法は、以下のステップを含む。
【0071】
S101:飛行補助機能を実行するコマンドを受信する。
【0072】
図2〜4に示すように、携帯端末20は、飛行補助機能を実行するコマンドを無人機10に送信し、前記携帯端末20と前記無人機10との間で無線通信を行い、前記無人機10の信号受信器15は、この飛行補助機能のコマンドを受信し、受信した飛行補助機能のコマンドを前記無人機10のメインコントローラ16に送信する。本実施例において、前記携帯端末10と前記無人機20との間は、Wi−Fiネットワーク、2G、3G、4Gまたは5Gネットワークで無線通信を実現する。前記携帯端末20はリモートコントローラであり、前記リモートコントローラに、飛行補助機能を起動するボタン21が設けられている。その他の実施例において、前記携帯端末20は、タブレットPCまたは携帯電話であり、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に、飛行補助機能を起動するために用いられる仮想ボタンが設けられていてもよいと理解することができる。前記携帯端末20には、衛星地図が表示されている。
【0073】
S102:関心地点の位置を記録する。
【0074】
前記関心地点は、前記無人機10の離陸点であってもよく、携帯端末20の所在位置であってもよい。具体的には、前記離陸点は、無人機の電源を入れた後、十分多い測位衛星が1回目に検索されたときに記録された位置であり、前記携帯端末20にGPS機能がインストールされている場合、前記携帯端末20のGPSにより携帯端末20の位置を記録することができ、すなわち、前記関心地点は、前記携帯端末20の位置の変化に伴い変化する。前記携帯端末20は、タブレットPCまたは携帯電話であり、前記関心地点は、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に表示される衛星地図で選定される任意の点であってもよいと理解することができる。前記関心地点は、必要に応じて設計されるその他の点であってもよく、本実施形態に限定されるものではないと理解することができる。
【0075】
S103:無人機の現在の所在位置を記録する。
【0076】
前記無人機10には測位アセンブリ13が設けられているため、測位アセンブリ13によって無人機10が現在所在する位置を記録することができる。前記測位アセンブリ13は、磁場センサ131と、GPS測位ユニット132と、距離センサ133とを含む。本実施形態において、前記磁場センサ131はコンパスであり、前記距離センサ133は気圧計である。前記測位アセンブリ13は、メインコントローラ16に電気的に接続される。前記メインコントローラ16は、前記磁場センサ131および前記GPS測位ユニット132の作業データの検出に用いられる。その他の実施形態において、前記距離センサ133は、超音波センサなどであってもよく、本実施形態に限定されるものではないと理解することができる。前記無人機10の現在の所在位置は、測位ユニット132および高さ計測器によって測定される。
【0077】
S104:前記関心地点の位置および無人機の現在の所在位置に基づき、無人機の飛行前方方向を定義する。
【0078】
前記飛行前方方向とは、前記無人機10の飛行を制御するために用いられる携帯端末20のピッチレバーが、前記関心地点の位置に対する前記無人機10の前進飛行を制御する方向である。図3に示すように、前記飛行前方方向とは、前記関心地点と前記無人機10の所在位置点との間を結ぶ線の延長線であり、すなわち、前記関心地点の二次元平面における座標点と前記無人機10の所在位置点の二次元平面における座標点との間を結ぶ線の延長線であり、例えば、前記関心地点の座標が(X0、Y0、Z0)であり、前記無人機10の所在位置点の座標が(X1、Y1、Z1)である場合、前記飛行前方方向は、前記関心地点(X0、Y0)と前記無人機10の所在位置点(X1、Y1)との間を結ぶ線の延長線である。
【0079】
S105:定義された無人機の飛行前方方向に基づき、前記無人機の針路はロックされ、帰航を実行し、前記無人機は、帰航実行時刻に、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として帰航する。
【0080】
無人機の飛行前方方向を改めて定義したため、前記無人機10はヘッドレスモードを実行することができ、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として帰航する。前記携帯端末20のピッチレバーを下向きにし、前記無人機10の帰航を制御するとき、前記無人機10は、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として前記関心地点に近づく方向に飛行する。具体的には、前記無人機10は径方向に沿って(半径方向に沿って)加速して運行するとともに、接線方向(前記無人機10の、前記関心地点を円心とし、無人機10の所在位置から関心地点までの間の距離を半径とする円の円周上の接線方向)において位置および速度の制御を行う(接線方向上の位置が変わらないように制御し、接線方向上の速度をゼロに制御する)。前記無人機10の測地座標系の下での加速度(α、α)を制御量とし、次いで、この制御量をボディ座標系の下での制御量に変換する。
【数1】
【0081】
無人機10は、この制御命令により、径方向の加速運動を実現することができ、式中、
【数2】
であり、φは、測地座標系(x,y)に対するボディ座標系(x,y)の回転角度であり、無人機10の偏揺れ角でもある。
【0082】
本実施例において、前記無人機10が前記関心地点近傍において行き来し揺れながら飛行することを回避するために、前記無人機10と前記関心地点との間の距離が第1の閾値よりも小さい場合、空中に停止するまで前記無人機を減速する。前記第1の閾値は、50メートル〜100メートルである。その他の実施例において、前記第1の閾値は、必要に応じて任意に設定することができ、本実施例に限定されるものではない。
【0083】
本実施形態の無人機の飛行補助方法により、操縦者の目は携帯端末20の表示スクリーンを離れる必要なしに、無人機に対して無人機の飛行経路を自在に操縦することができ、盲目飛行および行方不明になることを回避するとともに、操縦者の飛行体験を向上させる。
【0084】
S106:定義された無人機の飛行前方方向に基づき、関心地点巡回モードを実行する。
【0085】
無人機の遠隔操作過程において、操作者は、通常、無人機がいくつかの関心地点(例えば、送電線の故障点、災難頻発点、事故発生点など)を巡回点として飛行しモニタリングを行う必要がある。
【0086】
ロール(Roll)を実行する制御コマンドを受信する場合、前記無人機10は、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするとともに、径方向において位置および速度の制御を行う(位置は変わらず、速度はゼロである)。前記無人機10に接線加速度を与えることに相当し、図4に示すように、具体的には、ロール(Roll)を実行する制御コマンドを前記無人機10が受信する。
【0087】
命令量:無人機10の所望の制御位置(x、y)を極座標にする形式は次のとおりである。
【数3】
式中、rは無人機からホーム(home)点(すなわち、関心地点)までの距離であり、巡回過程において終始変わらない。θは角座標、極角又は方位角である。
フィードバック量:無人機の現在位置(x、y)
偏差量:無人機の所望の制御位置と現在位置との差値
【数4】
式中、eは、x軸方向の位置偏差を表し、eは、y軸方向の位置偏差を表す。
【0088】
偏差量は、無人機10のメインコントローラ16により演算した後に制御量を得て、演算過程は次のとおりである。
【0089】
先ず演算して測地座標系の下での制御量を得る。
【数5】
【0090】
さらに、測地座標系の下での制御量をボディ座標系の下での制御量に変換する。
【数6】
式中、
【数7】
であり、φは、測地座標系(x,y)に対するボディ座標系(x,y)の回転角度であり、無人機10の偏揺れ角でもある。
【0091】
このとき、無人機が速度νで円周運動をする場合、向心力
【数8】
を提供する必要があるとともに、径方向上で位置および速度の制御を行い、半径rの円上に飛行をロックし、Fはνと正比例をなし、rと反比例をなすことがわかり、無人機が提供可能な最大向心力はFmax(この最大向心力は、無人機が許容する最大転向角によって決まる)である。無人機が、半径がrである円周上を回るとき、最大許容速度は
【数9】
であり、無人機10の質量と関係する。無人機10が回る速度を高めることを望む場合は、飛行半径を大きくすべきである。
【0092】
ピッチ(Pitch)制御コマンドとロール(Roll)制御コマンドを無人機が同時に受信したとき、前記無人機10は、向心または遠心運動を行う。
【0093】
また、ロール(Roll)および針路(Yaw)制御コマンドを無人機が同時に受信したとき、前記無人機10自体が転動するとともに、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックし、径方向において位置および速度の制御を行う(位置は変わらず、速度はゼロである)。
【0094】
上記記述により、操作者は高度な操作技能を必要とせずに、前記無人機に関心地点巡回を実行させることができ、操作者の体験が増加されることがわかる。
【0095】
図5に示すように、本発明の実施形態により提供される無人機の飛行補助システム30は、受信モジュール31と、記録モジュール32と、定義モジュール33と、軌跡帰航モジュール34と、空中停止定義モジュール35と、巡回モード制御モジュール36とを含む。
【0096】
前記受信モジュール31は、飛行補助機能を実行するコマンドを受信するために用いられる。
【0097】
図2〜4に示すように、前記受信モジュール31は、前記携帯端末20が送信する飛行補助機能を実行するコマンドを受信する。具体的には、前記無人機10の信号受信器15が、この飛行補助機能のコマンドを受信し、前記信号受信器15が受信した飛行補助機能のコマンドを前記受信モジュール31が受信する。
【0098】
前記記録モジュール32は、関心地点の位置および無人機の現在の所在位置を記録するために用いられる。
【0099】
前記関心地点は、前記無人機10の離陸点であってもよく、携帯端末20の所在位置であってもよい。具体的には、前記離陸点は、無人機の電源を入れた後、十分多い測位衛星が1回目に検索されたときに記録された位置であり、前記携帯端末20にGPS機能のリモートコントローラが取り付けられている場合、前記携帯端末20のGPSにより携帯端末20の位置を記録することができ、すなわち、前記関心地点は、前記携帯端末20の位置の変化に伴い変化する。その他の実施例において、前記携帯端末20は、タブレットPCまたは携帯電話であり、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に、飛行補助機能を起動するために用いられる仮想ボタンが設けられていてもよいと理解することができる。前記携帯端末20には、衛星地図が表示されている。前記無人機10には測位アセンブリ13が設けられているため、測位アセンブリ13によって無人機10が現在所在する位置を取得することができる。前記記録モジュール32は、前記測位アセンブリ13が取得した前記無人機10が現在所在する位置を記録する。
【0100】
前記定義モジュール33は、前記関心地点の位置および無人機の現在の所在位置に基づき無人機の飛行前方方向を定義するために用いられる。
【0101】
前記飛行前方方向とは、前記無人機10の飛行を制御するために用いられる携帯端末20のピッチレバーが、関心地点の位置に対する前記無人機10の前進飛行を制御する方向である。図3に示すように、前記飛行前方方向とは、前記関心地点と前記無人機10の所在位置点との間を結ぶ線の延長線であり、すなわち、前記関心地点の二次元平面における座標点と前記無人機10の所在位置点の二次元平面における座標点との間を結ぶ線の延長線であり、例えば、前記関心地点の座標が(X0、Y0、Z0)であり、前記無人機10の所在位置点の座標が(X1、Y1、Z1)である場合、前記飛行前方方向は、前記関心地点(X0、Y0)と前記無人機10の所在位置点(X1、Y1)との間を結ぶ線の延長線である。
【0102】
前記軌跡帰航モジュール34は、前記定義モジュール33が定義した無人機の飛行前方方向に基づき、前記無人機10の針路をロックし、前記無人機を、帰航実行時刻に、前記無人機の位置と前記関心地点の位置との間を結ぶ線を運動の軌跡として帰航させるために用いられる。
【0103】
図3に示すように、前記無人機10は、ピッチ(pitch)を実行する制御コマンドを受信し、前記無人機10は、径方向に沿って(半径方向に沿って)加速して運行するとともに、接線方向(前記無人機10の、前記関心地点を円心とし、無人機10の所在位置から関心地点までの間の距離を半径とする円の円周上の接線方向)において位置および速度の制御を行う(接線方向上の位置が変わらないように制御し、接線方向上の速度をゼロに制御する)。前記無人機10の測地座標系の下での加速度(α、α)を制御量とし、次いで、この制御量をボディ座標系の下での制御量に変換する。
【数10】
【0104】
無人機10は、この制御命令により、径方向の加速運動を実現することができ、式中、
【数11】
であり、φは、測地座標系(x,y)に対するボディ座標系(x,y)の回転角度であり、無人機10の偏揺れ角でもある。
【0105】
帰航を実行する過程において、前記無人機100と前記関心地点との間の距離が第1の閾値よりも小さい場合、前記空中停止実行モジュール35が、空中に停止するまで前記無人機を減速させるために用いられる。本実施例において、前記第1の閾値は、50メートル〜100メートルである。その他の実施例において、前記第1の閾値は、必要に応じて任意に設定することができ、本実施例に限定されるものではない。
【0106】
無人機の遠隔操作過程において、操作者は、通常、無人機がいくつかの関心地点(例えば、送電線の故障点、災難頻発点、事故発生点など)を巡回点として飛行しモニタリングを行う必要がある。前記無人機の飛行補助システム30が、ピッチを実行する制御コマンドを受信したとき、前記無人機10を径方向に沿って加速し運行するように制御するとともに、接線方向上において位置および速度の制御を行う。
【0107】
ロール(Roll)を実行する制御コマンドを前記飛行補助システム30が受信したとき、前記巡回モード制御モジュール36は、無人機10を、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするように制御するとともに、径方向において速度を制御し速度をゼロに制御する。前記無人機10に接線加速度を与えることに相当し、図4に示すように、具体的には、ロール(Roll)を実行する制御コマンドを前記無人機10が受信する。
【0108】
命令量:無人機10の所望の制御位置(x、y)を極座標にする形式は次のとおりである。
【数12】
式中、rは無人機からホーム(home)点(すなわち、関心地点)までの距離であり、巡回過程において終始変わらない。θは角座標、極角又は方位角である。
フィードバック量:無人機の現在位置(x、y)
偏差量:無人機の所望の制御位置と現在位置との差値
【数13】
式中、eは、x軸方向の位置偏差を表し、eは、y軸方向の位置偏差を表す。
【0109】
偏差量は、無人機10のメインコントローラ16により演算した後に制御量を得て、演算過程は次のとおりである。
【0110】
先ず演算して測地座標系の下での制御量を得る。
【数14】
【0111】
さらに、測地座標系の下での制御量をボディ座標系の下での制御量に変換する。
【数15】
式中、
【数16】
であり、φは、測地座標系(x,y)に対するボディ座標系(x,y)の回転角度であり、無人機10の偏揺れ角でもある。
【0112】
このとき、無人機が速度νで円周運動をする場合、向心力
【数17】
を提供する必要があるとともに、径方向上で位置および速度の制御を行い、半径rの円上に飛行するようにロックし、Fはνと正比例をなし、rと反比例をなすことがわかり、無人機が提供可能な最大向心力はFmax(この最大向心力は、無人機が許容する最大転向角によって決まる)である。無人機が、半径がrである円周上を回るとき、最大許容速度は
【数18】
であり、無人機10の質量と関係する。無人機10が回る速度を高めることを望む場合は、飛行半径を大きくすべきである。
【0113】
ピッチ(Pitch)制御コマンドとロール(Roll)制御コマンドを前記飛行補助システム30が同時に受信したとき、前記巡回モード制御モジュール36は、前記無人機10を向心または遠心運動を行うように制御する。
【0114】
また、ロール(Roll)および針路(Yaw)制御コマンドを前記飛行補助システム30が同時に受信したとき、前記無人機10自体が転動するとともに、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックし、径方向において位置および速度の制御を行う(位置は変わらず、速度はゼロである)。
【0115】
上記記述により、操作者は高度な操作技能を必要とせずに、前記無人機に関心地点巡回を実行させることができ、操作者の体験が増加されることがわかる。
【0116】
本実施形態の無人機の飛行補助システム30により、操縦者の目は携帯端末の表示スクリーンを離れる必要なしに、無人機に対して無人機の飛行経路を自在に操縦することができ、盲目飛行および行方不明になることを回避するとともに、操縦者の飛行体験を向上させる。
【0117】
図5〜6に示すように、本発明の実施形態により提供される無人機10は、映像撮影、写真撮影、モニタリング、サンプル採取などの補助装置とすることができ、航空系(例えば、回転翼航空機または固定翼飛行機)、海洋系(例えば、潜水艦または船舶)、道路系(例えば、機動車両)または宇宙系(例えば、衛星、宇宙ステーション、または宇宙機)などの分野に搭載することができる。
【0118】
前記無人機10は、筐体11と、前記筐体11に設けられ筐体11に対して少なくとも1つの軸転を実現可能な雲台201と、前記雲台201に搭載される負荷202と、を含む。前記雲台201は、前記負荷202の固定、前記負荷の姿勢の随意の調節(例えば、前記負荷の高さ、傾斜角および方向の少なくともひとつの変更)、および確定した姿勢に前記負荷202を安定して保つことを実現するために用いられる。前記負荷202は、スチルカメラおよびビデオカメラなどの撮像装置であってもよい。
【0119】
前記無人機10は、いずれも前記筐体11に接続された4つのアーム212と、前記アーム212に設けられた、航空機の飛行を駆動するための動力アセンブリ17と、メインコントローラ16と、をさらに含む。前記アーム212は、中空のアーム状などの適切な形状を呈することができ、筐体211のキャビティに連通することができる。前記メインコントローラ16を前記無人機10の重要部材として、各関連部材を制御するなどの機能を実現することができる。前記メインコントローラ16は、前記雲台201および負荷202に電気的に接続され、前記雲台201および前記負荷202を制御するために用いられる。
【0120】
前記無人機10は、慣性計測ユニット(International Medical University,IMU)12と、測位アセンブリ13と、メモリ14と、信号受信器15と、をさらに含む。前記慣性計測ユニット12、測位アセンブリ13、メモリ14、信号受信器15、メインコントローラ16および動力アセンブリ17は、いずれも前記筐体に取り付けられている。
【0121】
前記慣性計測ユニット12は、前記無人機10の姿勢情報を計測するために用いられる。前記慣性計測ユニット12は、ジャイロスコープ121と、角速度計122と、を含む。前記メインコントローラ16は、前記慣性計測ユニット12に電気的に接続され、前記ジャイロスコープ121および前記角速度計122の作業データを検出し、前記信号受信器15が受信した制御信号を受信して前記無人機10を制御するために用いられる。
【0122】
前記測位アセンブリ13は、磁場センサ131と、GPS測位ユニット132と、距離センサ133とを含む。本実施形態において、前記磁場センサ131はコンパスであり、前記距離センサ133は気圧計である。前記測位アセンブリ13は、前記メインコントローラ16に電気的に接続される。前記メインコントローラ16は、さらに、前記磁場センサ131および前記GPS測位ユニット132の作業データの検出に用いられる。その他の実施形態において、前記距離センサ133は、超音波センサなどであってもよく、本実施形態に限定されるものではないと理解することができる。
【0123】
前記メモリ14のタイプは、SDカード、MMCカードまたはFLASHメモリである。好ましくは、4GのSDカードのコストが比較的低いため、本実施例における前記メモリ14は、4GのSDカードを用いると、製品のコストを下げることができる。
【0124】
前記信号受信器15は、携帯端末20が発した遠隔制御信号および前記無人機が飛行するGPS測位信号を受信し、前記受信した遠隔制御信号および前記無人機が飛行するGPS測位信号を前記メインコントローラ16に送信するために用いられる。本実施例において、前記携帯端末20は、リモートコントローラ、ipadまたはiphoneなどである。その他の実施例において、前記携帯端末20は、地上局であってもよい。
【0125】
本実施例において、前記メインコントローラ16は、8ビットまたは32ビットのMCUを用いることにより実現することができ、SPIインターフェースおよびSDIOインターフェースの少なくともひとつ、ならびにPWM出力およびDAC出力の少なくともひとつの能力を備えてもよい。現在、8ビットまたは32ビットのMCUのコストも比較的低いため、本実施例における前記メインコントローラ16を8ビットまたは32ビットのMCUで実現する場合、製品のコストをさらに下げることができる。前記メインコントローラ16は、SPIプロトコルまたはSDIOプロトコルによりさらに前記信号受信器15に電気的に接続される。具体的には、前記メインコントローラ16と前記信号受信器15との間で用いられる通信方式は、4線SPI、6線SIDO−4bitまたは4線SIDO−4bitなどの方式で電気的に接続される。前記信号受信器15は、前記測位アセンブリ13および前記動力アセンブリ17に、いずれも電気的に接続される。前記メインコントローラ16は、前記ジャイロスコープ121、前記角速度計122、前記磁場センサ131および前記GPS測位ユニット132の各作業データを取り込むために用いられる。前記メインコントローラ16は、さらに、前記動力アセンブリ17を制御するために用いられる。
【0126】
前記メインコントローラ16は、実際の必要に応じて設けてもよく、本実施例に限定されるものではないと理解することができる。
【0127】
前記メインコントローラ16は、さらに、前記携帯端末20が送信した飛行補助機能を実行するコマンドを受信し、関心地点の位置および無人機10の現在の所在位置を記録し、前記関心地点の位置および無人機10の現在の所在位置に基づき無人機の飛行前方方向を定義するために用いられる。
【0128】
前記携帯端末20は、飛行補助機能を実行するコマンドを無人機10に送信し、具体的には、前記携帯端末20と前記無人機10との間で無線通信を行い、前記無人機10の信号受信器15は、この飛行補助機能のコマンドを受信し、受信した飛行補助機能のコマンドを前記無人機10のメインコントローラ16に送信する。
【0129】
前記関心地点は、前記無人機10の離陸点であってもよく、携帯端末20の所在位置であってもよい。具体的には、前記離陸点は、無人機の電源を入れた後、十分多い測位衛星が1回目に検索されたときに記録された位置であり、前記携帯端末20にGPS機能がインストールされている場合、前記携帯端末20のGPSにより携帯端末20の位置を記録することができ、すなわち、前記関心地点は、前記携帯端末20の位置の変化に伴い変化する。
【0130】
前記飛行前方方向とは、前記無人機10の飛行を制御するために用いられる携帯端末20のピッチレバーが、関心地点の位置に対する前記無人機10の前進飛行を制御する方向である。図3に示すように、前記飛行前方方向とは、前記関心地点と前記無人機10の所在位置点との間を結ぶ線の延長線であり、すなわち、前記関心地点の二次元平面における座標点と前記無人機10の所在位置点の二次元平面における座標点との間を結ぶ線の延長線であり、例えば、前記関心地点の座標が(X0、Y0、Z0)であり、前記無人機10の所在位置点の座標が(X1、Y1、Z1)である場合、前記飛行前方方向は、前記関心地点(X0、Y0)と前記無人機10の所在位置点(X1、Y1)との間を結ぶ線の延長線である。
【0131】
前記メインコントローラ16は、さらに、無人機の飛行前方方向に基づき、前記無人機10の針路をロックし、前記無人機を、帰航実行時刻に、前記無人機10の位置と前記関心地点の位置との間を二次元平面上で結ぶ線を運動の軌跡として帰航させるために用いられる。
【0132】
図3〜4に示すように、前記無人機10は、ピッチ(pitch)を実行する制御コマンドを受信し、前記無人機10は、径方向に沿って(半径方向に沿って)加速して運行するとともに、接線方向(前記無人機10の、前記関心地点を円心とし、前記無人機10の所在位置から関心地点までの間の距離を半径とする円の円周上の接線方向)において位置および速度の制御を行う(接線方向上の位置が変わらず、かつ速度をゼロに制御する)。具体的には、無人機10の測地座標系の下での加速度(α、α)を制御量とし、次いで、この制御量をボディ座標系の下での制御量に変換する。
【数19】
【0133】
無人航空機は、この制御命令により径方向の加速運動を実現することができる。
【0134】
帰航を実行する過程において、前記無人機100と前記関心地点との間の距離が第1の閾値よりも小さい場合、前記メインコントローラ10が、空中に停止するまで前記無人機を減速させるために用いられる。本実施例において、前記第1の閾値は、50メートル〜100メートルである。その他の実施例において、前記第1の閾値は、必要に応じて任意に設定することができ、本実施例に限定されるものではない。
【0135】
無人機の遠隔操作過程において、操作者は、通常、無人機がいくつかの関心地点(例えば、送電線の故障点、災難頻発点、事故発生点など)を巡回点として飛行しモニタリングを行う必要がある。前記メインコントローラ16は、さらに、定義された無人機の飛行前方方向に基づき、関心地点巡回モードを実行するために用いられる。前記信号受信器15が、ピッチを実行する制御コマンドを受信したとき、前記メインコントローラ16は、前記無人機10を径方向に沿って加速し運行するように制御するとともに、接線方向上において位置および速度の制御を行う。
【0136】
前記信号受信器15が、ロール(Roll)を実行する制御コマンドを受信したとき、前記メインコントローラ16は、無人機10を、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックするように制御するとともに、径方向において速度をゼロに制御する。前記無人機10に接線加速度を与えることに相当し、図3に示すとおりである。具体的には、命令量:無人機10の所望の制御位置(x、y)を極座標にする形式は次のとおりである。
【数20】
式中、rは無人機からホーム(home)点(すなわち、関心地点)までの距離であり、巡回過程において終始変わらない。θは角座標、極角又は方位角である。
フィードバック量:無人機の現在位置(x、y)
偏差量:無人機の所望の制御位置と現在位置との差値
【数21】
式中、eは、x軸方向の位置偏差を表し、eは、y軸方向の位置偏差を表す。
【0137】
偏差量は、前記軌跡帰航モジュール34により演算した後に制御量を得て、演算過程は次のとおりである。
【0138】
先ず演算して測地座標系の下での制御量を得る。
【数22】
【0139】
さらに、測地座標系の下での制御量をボディ座標系の下での制御量に変換する。
【数23】
式中、
【数24】
であり、φは、測地座標系(x,y)に対するボディ座標系(x,y)の回転角度であり、無人機10の偏揺れ角でもある。
【0140】
このとき、無人機が速度νで円周運動をする場合、向心力
【数25】
を提供する必要があるとともに、径方向上で位置および速度の制御を行い、半径rの円上に飛行するようにロックし、Fはνと正比例をなし、rと反比例をなすことがわかり、無人機が提供可能な最大向心力はFmax(この最大向心力は、無人機が許容する最大転向角によって決まる)である。無人機が、半径がrである円周上を回るとき、最大許容速度は
【数26】
であり、無人機10の質量と関係する。無人機10が回る速度を高めることを望む場合は、飛行半径を大きくすべきである。
【0141】
ピッチ(Pitch)制御コマンドとロール(Roll)制御コマンドを前記信号受信器15が同時に受信したとき、前記メインコントローラ16は、前記無人機10を向心または遠心運動を行うように制御する。
【0142】
また、ロール(Roll)および針路(Yaw)制御コマンドを前記飛行補助システム30が同時に受信したとき、前記無人機10自体が転動するとともに、半径の円上で円周運動を行うように飛行をロックし、径方向において速度を制御し、速度をゼロにする。
【0143】
前記メインコントローラ16は、さらに、前記無人機10が関心地点巡回モードを実行するように制御するとともに、前記雲台201の転動を制御し、撮像装置の写真撮影を制御するために用いられる。
【0144】
上記記述により、操作者は高度な操作技能を必要とせずに、前記無人機に関心地点巡回を実行させることができ、操作者の体験が増加されることがわかる。
【0145】
本実施形態の無人機の飛行補助システム30により、操縦者の目は携帯端末の表示スクリーンを離れる必要なしに、無人機に対して無人機の飛行経路を自在に操縦することができ、盲目飛行および行方不明になることを回避するとともに、操縦者の飛行体験を向上させる。
【0146】
本実施例において、前記動力アセンブリ17は、複数の駆動モータ171を含む。本実施例において、各前記駆動モータ171は、いずれも電子式スピードコントローラ(ESC)に電気的に接続されている。各電子式スピードコントローラは、前記メインコントローラ16に電気的に接続されている。前記ESCは、前記メインコントローラ16の制御信号を受信し、駆動モータ171の回転率を制御するために用いられる。
【0147】
図2および図7に示すように、本発明の実施形態により提供される前記無人機10を制御するための携帯端末20は、飛行補助機能を実行するコマンドを発達し、前記無人機20に、携帯端末10の位置または携帯端末10が選定した関心地点の位置と無人機の現在の所在位置に基づき無人機の飛行前方方向を定義させるために用いられる。
【0148】
本実施例において、前記携帯端末10と前記無人機20との間は、Wi−Fiネットワーク、2G、3G、4Gまたは5Gネットワークで無線通信を実現する。本実施例において、前記携帯端末20は、リモートコントローラであり、前記リモートコントローラに、飛行補助機能を起動するボタン21が設けられている。その他の実施例において、前記携帯端末20は、タブレットPCまたは携帯電話であり、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に、飛行補助機能を起動するために用いられる仮想ボタンが設けられていてもよいと理解することができる。前記携帯端末20には衛星地図が表示され、前記関心地点は、前記タブレットPCまたは前記携帯電話に表示される衛星地図で選定される任意の点であることができる。
【0149】
前記携帯端末20に、前記関心地点に対する前記無人機の方位を報知するために用いられる音声ユニット22が設けられている。例えば、無人機10が操縦者または携帯端末20のどの方向の何度にあること、無人機から操縦者または携帯端末20までの距離が何メートルあること、無人機の高さがどのぐらいであるかことなどを含む前記無人機10の位置情報および飛行姿勢情報が音声によって示され、例えば、音声で、「無人機はあなたの東北方向30度にあり、50度頭をあげると無人機を見ることができます」と報知し、操縦者の飛行体験をよりよく向上させる。
【0150】
本発明の飛行補助方法およびシステム、無人機、ならびに携帯端末は、操縦者が、前記無人機が飛行補助機能を実行するようトリガーするだけで、操縦者が、前記無人機が飛行補助機能を実行するようトリガーするだけで、操縦者の目が携帯端末の表示スクリーンを離れる必要なしに、無人機の飛行経路を自在に操縦することができ、盲目飛行および行方不明になることを回避するとともに、操縦者の飛行体験を向上させる。
【0151】
上述したものは、本発明の実施例に過ぎず、これによって本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の明細書および図面の内容を用いて行われたすべての同等の構造もしくは同等のフローの変更、またはその他の関連する技術分野に直接もしくは間接的に用いたものは、いずれも本発明の特許保護範囲内に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7