特許第6671383号(P6671383)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671383詰め物変換システム及びスリット形成済シート状原材料を拡張するための方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671383
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】詰め物変換システム及びスリット形成済シート状原材料を拡張するための方法
(51)【国際特許分類】
   B31F 1/10 20060101AFI20200316BHJP
   B31F 1/12 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   B31F1/10
   B31F1/12
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-545236(P2017-545236)
(86)(22)【出願日】2016年2月9日
(65)【公表番号】特表2018-506453(P2018-506453A)
(43)【公表日】2018年3月8日
(86)【国際出願番号】US2016017064
(87)【国際公開番号】WO2016137740
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年4月24日
(31)【優先権主張番号】62/121,046
(32)【優先日】2015年2月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513206315
【氏名又は名称】ランパク コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】チェイチ ロバート
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05782735(US,A)
【文献】 特表2010−540286(JP,A)
【文献】 特表2008−534394(JP,A)
【文献】 特表平10−502586(JP,A)
【文献】 特表平09−502410(JP,A)
【文献】 米国特許第05667871(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0296154(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31F 1/08
B31F 1/10
B31F 1/12
B31D 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給送方向に印加される張力下で拡張するように構成される複数のスリットを有するシート状原材料を含むシート状原材料の供給部と、変換機とを備える詰め物変換システムであって、
前記変換機は、
前記供給部の下流の収束シュートであって、比較的広い収束シュート上流端から比較的狭い収束シュート下流端に向かって給送方向において内方に収束する側壁を有し、収束シュートを通過する前記シート状原材料をランダムにしわ寄せ加工する、収束シュートと、
前記収束シュートの下流の給送ホイールであって、前記シート状原材料を前記給送方向に前進させるように駆動される、給送ホイールと、
前記給送ホイールと前記供給部との間に配置される、回転可能なピンチローラであって、前記給送ホイール及び前記ピンチローラは、協働して、前記給送ホイールと前記ピンチローラとの間で移動する前記シート状原材料に対して前記給送方向に張力を印加し、それにより、前記シート状原材料を拡張させる、ピンチローラと
を備える、詰め物変換システム。
【請求項2】
前記ピンチローラが一対のピンチローラを含み、前記給送ホイールが一対の給送ホイールを含み、前記一対のピンチローラの1つのピンチローラ及び前記一対の給送ホイールの1つの給送ホイールは、前記シート状原材料の給送経路の2つの対向する側部のそれぞれに配置される、請求項1に記載の詰め物変換システム。
【請求項3】
前記給送ホイール及び前記ピンチローラは互いに平行な軸の周りで回転する、請求項1又は2に記載の詰め物変換システム。
【請求項4】
前記収束シュートは、前記収束シュートを通って移動する前記シート状原材料の対向する側部を内方に集めて、前記シート状原材料をランダムにしわ寄せ加工するように構成される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の詰め物変換システム。
【請求項5】
前記ピンチローラは、前記ピンチローラと前記給送ホイールとの間で移動する前記シート状原材料に対する張力を増加させるために、互いに向かって移動可能である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の詰め物変換システム。
【請求項6】
前記ピンチローラ及び前記給送ホイールは、前記収束シュートの下流に配置される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の詰め物変換システム。
【請求項7】
前記ピンチローラが被駆動型であり、前記ピンチローラの速度とは異なる速度で前記給送ホイールを駆動するように構成されるコントローラを更に備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の詰め物変換システム。
【請求項8】
シート状原材料の前記供給部において、前記複数のスリットの各スリットは、前記給送方向を横断する横方向に延在する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の詰め物変換システム。
【請求項9】
前記給送ホイールと前記ピンチローラとの間で前記給送方向に沿って延在する給送経路の2つの対向する側部のそれぞれに沿って延在する案内部を更に含み、前記案内部は、前記給送ホイール及び前記ピンチローラに隣接して延在して、前記給送ホイール及び前記ピンチローラの周りで前記シート状原材料が絡まることを防止する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の詰め物変換システム。
【請求項10】
前記案内部はそれぞれ、前記案内部を貫通するギャップを含み、前記給送ホイール及び前記ピンチローラは前記ギャップを通って延在し、前記シート状原材料と係合する、請求項9に記載の詰め物変換システム。
【請求項11】
前記給送ホイール及び前記ピンチローラの下流の案内ローラを更に含み、前記案内ローラは、前記案内部と協働して、前記シート状原材料の厚さ寸法を制限し、前記厚さ寸法は、前記給送経路の長手方向にほぼ直交し、かつ、前記案内部の間を延びる横方向寸法にほぼ直交する、請求項9に記載の詰め物変換システム。
【請求項12】
複数の横断スリットを有するシート状原材料を拡張する方法であって、
記シート状原材料の対向する側端を互いに向かって収束させて、前記シート状原材料を横方向において内方に集めるステップであって、これによりランダムにしわ寄せ加工されたシート状原材料を形成する、ステップと、
拡張済詰め物製品を形成するために、前記ランダムにしわ寄せ加工されたシート状原材料を長手方向にかつ厚さ方向に拡張するステップと
を含み、前記拡張するステップは、一対の被駆動給送ホイール及び前記給送ホイールの上流に配置される一対のピンチローラを通して前記シート状原材料を長手方向に前進させるステップを含み、前記給送ホイール及び前記ピンチローラは、協働して、前記ランダムにしわ寄せ加工されたシート状原材料に張力を生成し、前記スリットの拡張をもたらす、方法。
【請求項13】
前記拡張するステップは、前記張力を生成するために、前記一対の給送ホイールを前記ピンチローラの回転速度より速い速度で駆動することを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記前進させるステップは、前記シート状原材料を、供給部から、下流方向に向かって内方に収束する側壁を有する収束シュートを通って前進させることを含み、前記横方向において内方に集めるステップは、前記収束シュートにおいて起こる、請求項12又は13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、概して、詰め物変換システム及びシート状原材料を詰め物製品に変換するための方法に関し、より詳細には、詰め物変換システム及びスリット形成済シート状原材料を拡張する方法に関する。
[背景技術]
1つ又は複数の物品をある場所から別の場所に配送するプロセスにおいて、梱包者は通常、配送される1つ又は複数の物品と共に、ある種の詰め物材料をダンボール箱等の配送容器内に入れる。詰め物材料は、容器内の物品の周りの隙間又は空隙体積を部分的に又は完全に充填する。空隙体積を充填することによって、詰め物は、配送プロセス中に物品に損傷を与え得る物品の移動を防止する、あるいは最小限にする。詰め物は、ブロック機能、支持機能、又は緩衝機能も果たし得る。一般に使用される詰め物材料の一部は、ピーナッツ形発泡プラスチック、プラスチック気泡パック、空気バッグ、及び変換済の紙製詰め物材料である。
【0002】
種々のタイプの変換機が、比較的平面状の平坦な実質的に2次元のシート状原材料を、変換済の紙製詰め物製品等の、より厚みのある比較的低密度の3次元詰め物製品に変換するために使用されてきた。一部の機械は、内容物が配送中にずれることを防止するために、主として包装容器内の空隙を充填するために使用される空隙充填詰め物製品を製造する。これらの機械の設計における1つの目的は、空隙充填詰め物製品を非常に迅速に製造することである。
【0003】
他の変換機は、空隙充填詰め物製品から普通なら得ることができない場合がある緩衝特性を有する詰め物製品を製造する。これらの緩衝特性は、詰め物製品が、容器内の1つ又は複数の物品を緩衝又は固定すること、及び、1つ又は複数の物品を損傷から保護することを可能にする。このような緩衝特性は、結果として得られる詰め物製品を適切に嵩上げし、詰め物製品がその形状を保持することを保証するのに十分な剛性及び他の特性を詰め物製品に与えるために、機械がシート状原材料を変形する又はその他の方法で成形することで達成される。
[発明の概要]
多くの詰め物変換機が適切な詰め物製品を製造するが、既存の詰め物変換機及び詰め物製品は全用途においては理想的でない場合がある。本発明は、小型の、装入容易な、従来の変換機より少ないシート状原材料を使用して改良された空隙充填詰め物製品を製造する詰め物変換機を提供する。結果として得られる詰め物製品は、従来の詰め物変換機によって製造される詰め物製品と比較して、詰め物製品を製造するために使用されるシート状原材料の単位長さあたりの体積の割合が高い。
【0004】
より具体的には、本発明は、シート状原材料の側縁を互いに向かって内方に集めて、シート状原材料のランダムなしわ寄せ処理をもたらす収束シュートを備える詰め物変換機を提供する。変換機は、収束シュートを通してシート状原材料を前進させる給送ホイール、及び、給送ホイールと協働して、給送ホイールとピンチローラの間を移動するシート状原材料を拡張させるピンチローラも備える。結果として得られる拡張済詰め物製品は、元の未拡張のシート状原材料と比較して、単位長さあたりの体積が増加した3次元製品である。
【0005】
シート状原材料は、スリットの複数の列を有し、かつ、該列同士が離間しているスリット付材料、好ましくは、事前にスリットが形成されたシート状原材料である。各列は、列にわたって断続的に分散された複数のスリットを含む。そして、各列のスリットは、隣接する列のスリットに対して互い違いの位置関係で配置される。スリット付シート状原材料の拡張とは、スリットの開きによってもたらされるスリット付シート状原材料の3次元的な拡張又は体積の拡張を指す。拡張中に、材料は、幅が減少する一方で、長さ及び厚さが全体的に伸張する。スリット付シート状原材料の厚さの伸張及び増加を拡張と呼ぶ。
【0006】
したがって、例示的な詰め物変換システムは、詰め物変換機及びシート状原材料の供給部を備える。シート状原材料の供給部は、給送方向に印加される張力下で拡張するように構成される複数のスリットを有するシート状原材料を含む。供給部の下流の収束シュートは、比較的広い上流端から比較的狭い下流端に向かって給送方向に収束しており、収束シュートを通過するシート状原材料をランダムにしわ寄せ加工する。収束シュートの下流の給送ホイールは、シート状原材料を給送方向に前進させるように駆動される。給送ホイールと供給部との間に配置されるピンチローラは回転可能であり、給送ホイール及びピンチローラは、協働して、給送ホイールとピンチローラとの間で移動するシート状原材料に対して給送方向に張力を印加し、それにより、シート状原材料を拡張させる。
【0007】
ピンチローラ及び給送ホイールは、協働して、ピンチローラと給送ホイールとの間におけるシート状原材料の拡張中に、ピンチローラと給送ホイールとの間のシート状原材料の引き裂かれていない長さを選択的に維持するように構成されてもよい。
【0008】
詰め物変換システムは、一対のピンチローラ及び一対の給送ホイールを更に備えていてもよく、この場合、一対のピンチローラの1つのピンチローラ及び一対の給送ホイールの1つの給送ホイールは、シート状原材料の給送経路の2つの対向する側部にそれぞれ配置される。
【0009】
給送ホイール及びピンチローラは互いに平行な軸の周りで回転してもよい。
収束シュートは、収束シュートを通って移動するシート状原材料の対向する側部を内方に集めて、シート状原材料をランダムにしわ寄せ加工するように構成されてもよい。
【0010】
ピンチローラは、ピンチローラと給送ホイールとの間で移動するシート状原材料に対する張力を増加させるために互いに向かって移動可能であってよい。
ピンチローラ及び給送ホイールは共に、収束シュートの下流に配置されてもよい。
【0011】
ピンチローラは被駆動型であってもよい。
詰め物変換システムは、ピンチローラの速度とは異なる速度で給送ホイールを駆動するように構成されるコントローラを更に備えていてもよい。
【0012】
シート状原材料の供給部において、複数のスリットの各スリットは、給送方向を横断する横方向に延在していてもよい。
詰め物変換システムは、給送ホイールとピンチローラとの間で給送方向に沿って延在する給送経路の2つの対向する側部のそれぞれに沿って延在する案内部を更に備え、案内部は、給送ホイール及びピンチローラに隣接して延在して、給送ホイール及びピンチローラの周りでシート状原材料が絡まることを防止する。
【0013】
案内部はそれぞれ、案内部を貫通するギャップを備えていてもよく、給送ホイール及びピンチローラは該ギャップを通って延在し、シート状原材料と係合する。
詰め物変換システムは、給送ホイール及びピンチローラの下流に案内ローラを更に備えていてもよく、案内ローラは、案内部と協働して、シート状原材料の厚さ寸法を制限する。なお、厚さ寸法は、給送経路の長手方向にほぼ直交し、かつ、案内部の間を延びる横寸法にほぼ直交する。
【0014】
本発明は、複数の横断スリットを有するシート状原材料を拡張する方法も提供し、該方法は、(a)ランダムにしわ寄せ加工されたシート状原材料を形成するために、シート状原材料の対向する側端を互いに向かって収束させることによって、シート状原材料を横方向において内方に集めるステップと、(b)拡張済詰め物製品を形成するために、ランダムにしわ寄せ加工されたシート状原材料を長手方向にかつ厚さ方向に拡張するステップとを含む。拡張するステップは、一対の被駆動給送ホイール及び該給送ホイールの上流に配置される一対のピンチローラを通して長手方向にシート状原材料を前進させることを含み、給送ホイール及びピンチローラは、協働して、ランダムにしわ寄せ加工されたシート状原材料に張力を生じさせ、スリットの拡張をもたらす。
【0015】
拡張するステップは、張力を生成するために、ピンチローラの回転速度より速い速度で給送ホイールの対を駆動することを更に含んでもよい。
拡張するステップは、給送ホイールとピンチローラとの間を移動する拡張するシート状原材料の引き裂かれていない長さを選択的に維持しながら、給送ホイールとピンチローラとの間を移動するシート状原材料を拡張することを更に含んでもよい。
【0016】
シート状原材料を前進させるステップは、シート状原材料を、供給部から、横方向において内方に集めるステップが起こる収束シュートを通って前進させることを含んでもよい。
【0017】
本発明は、拡張済詰め物製品を更に提供し、該拡張済詰め物製品は、拡張済スリットの離間した複数の列を有する拡張済スリット付シート状原材料の少なくとも1つの層を含み、列はそれぞれ、シート状原材料にわたって断続的に分散された、横断方向に延びる複数の拡張済スリットを含む。少なくとも1つの層は、個々の長さに沿って長手方向に延在し、かつ、互いに向かって内方に集められる側縁を有する。更に、側縁の間で横方向に延在するシート状原材料は、ランダムにしわ寄せ加工される。
【0018】
各列の拡張済スリットは、長手方向を横断する、ランダムにしわ寄せ加工された横方向にわたって周期的に分散されていてもよい。
スリットは、シート状原材料に切り込まれたスリットの方向を横断する方向に拡張されてもよい。
【0019】
拡張済詰め物製品は、拡張済詰め物製品の厚さにほぼ等しい、ランダムにしわ寄せ加工された横幅を有していてもよい。
本発明の前述の特徴及び他の特徴は、以降で十分に説明され、特許請求の範囲、以下の説明、及び本発明の特定の例示的実施形態を詳細に説明する付属の図面において、特に示される。しかしながら、これらの実施形態は、本発明の原理が使用され得る種々の方法のうちのほんの一部を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明により提供される例示的な詰め物変換システムの概略図である。
図2】本発明により提供される例示的な詰め物変換システムの斜視図である。
図3図2の例示的な詰め物変換システムの別の斜視図である。
図4図3に示す例示的な詰め物変換システムの上面図である。
図5図2に示す例示的な詰め物変換システムによって作られる例示的な詰め物製品の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、小型であり、装入容易な、従来の変換機より少ないシート状原材料を使用して改良された空隙充填詰め物製品を製造する、改良された詰め物変換機を提供する。概して、本発明は、詰め物変換システム、及び、ほぼ平面状の2次元シート状原材料を、体積が比較的増加した、低密度の、3次元詰め物製品に変換するための方法を提供する。特に、変換システムは、3次元形状を有し、かつ、元の未拡張シート状原材料と比較して単位長さあたりの体積が増加した変換済詰め物製品を作ることが可能であり、前記方法は、該変換済詰め物製品を作ることを実現する。詰め物製品は、シート材料の幅にわたって横断方向に延びる、複数列をなすように断続的に配置される、予めカットされたスリットを有するスリット付シート状原材料の少なくとも1つの層から形成される。
【0022】
ここで、図面、最初に図1を参照すると、例示的な詰め物変換システム20が概略的に示されており、スリット付シート状原材料23(本明細書ではシート材料23とも呼ばれる)の供給部を有する原材料供給アセンブリ22(本明細書では供給アセンブリ22とも呼ばれる)、及び、変換機24を備える。変換機24(本明細書では機械24とも呼ばれる)は、シート状原材料23を個々の詰め物製品26に変換する。
【0023】
概して、変換機24は、シート状原材料23の初期層30を受け取ってランダムにしわ寄せ加工し、しわ寄せ加工された変形済の層32を形成する収束シュート28を備える。変換機24は、ランダムにしわ寄せ加工された変形済の層32を前進させて拡張し、それにより、変形済の層32のシート状原材料23のスリットを拡張し、拡張済詰め物ストリップ36を形成する拡張アセンブリ34も備える。
【0024】
更に、初期層30、変形済層32、及び拡張済詰め物ストリップ36が、変換機24を通って前進するシート状原材料23の各部分であることが理解されよう。説明するように、初期層30、変形済の層32、及び拡張済詰め物ストリップ36は、個々の詰め物製品が全ストリップ長から分離されるまでは、全ストリップ長をなすように相互に接続されている。したがって、初期層30は、変形済の層32に全体的に変形され、変形済の層32は、その後、拡張済詰め物ストリップ36となるように全体的に変形され、拡張済詰め物ストリップ36は、個々の詰め物製品26となるように分離される。
【0025】
この変形を支援して、変換機24は、拡張済詰め物ストリップ36を機械24から離れるように案内する経路を形成する出力シュート40を更に備える。機械24は、拡張済詰め物ストリップ36から個々の区別可能な詰め物製品26を切断する、任意選択的に設けられる切断アセンブリ44も備えていてもよい。例証のため別々の要素として概略的に示すが、収束シュート28、拡張アセンブリ34、出力シュート40、及び切断アセンブリ44は、別の実施形態においては、一体的なものであってもよい。例えば、拡張アセンブリ34は、図2〜4においては出力シュート40と一体的なものとして示されている。
【0026】
ここで図2〜4を参照すると、例示的な変換システム20がより詳細に描写されている。図示するように、原材料供給アセンブリ22は、変換機24から分離されているが、別の状況においては、機械24と一体的であってよい。シート材料23は、原材料供給アセンブリ22から変換機24まで前進する。
【0027】
原材料供給アセンブリ22は、変換機24の上流において、変換機24の上流端46に位置し、したがって、変換機24は、原材料供給アセンブリ22の下流に位置する。本明細書で使用される場合、下流方向とは、詰め物変換システム20を通る、初期層30及びその変形済形態、変形済の層32及び詰め物ストリップ36の進行方向である。下流方向において、シート状原材料23は、変換機24の上流端46(図1)を介して原材料供給アセンブリ22から引っ張られ、その後、体積が相対的に増加した詰め物製品26(図1)に変換される。そのため、上流方向は、変換機24の下流端48(図1)から原材料供給アセンブリ22に向かって戻る、シート状原材料23の進行方向とは反対の方向である。
【0028】
本発明によって提供される原材料供給アセンブリ22は、シート状原材料23の1つ以上の供給部を備える。図示するように、シート状原材料23は、供給アセンブリ22のスタンド50上に支持される。スタンド50は更に変換機24を支持するが、別の実施形態においては、別個のスタンドが使用されてもよい。幾つかの実施形態においては、シート状原材料23は、カート上に別々に支持されてもよく、あるいは、変換機24及びそのそれぞれの支持体に隣接して単に支持されてもよい。
【0029】
スタンド50は、任意の好適な支持体とすることができ、また、地面に対して変換機24を昇降可能にするために伸縮可能な直立部材を備えていてもよい。変換システム20の移動を可能にするために、キャスタ(図示せず)がスタンド50の下側部分に連結されてもよい。別の実施形態においては、スタンド50は脚部を備えていてもよく、該脚部から、独立して立つ構成で変換機24を支持するためにスタンドの直立部材が延在する。更に他の実施形態において、スタンド50は、テーブルトップ等に対する、より永久的な取付のための取付機構を備えていてもよい。変換機24が、供給アセンブリ22とは別個に支持される場合、変換機24のそれぞれの支持体が、スタンド50に関連する任意の実施形態において述べたように構成されてもよいことが同様に理解されるであろう。
【0030】
図示するように、示されるスタンド50は、変換機24を支持するとともにスタンド50に対する変換機24の移動を可能にするためのマウント52を備えていてもよい。マウント52は、軸を中心に旋回可能なベース部分53を有する等、供給アセンブリ22及び地面に対する変換機24の傾斜を可能にするように構成される。電動シリンダ等の傾斜要素(図示せず)が、地面に対してマウント52上で変換機24の傾斜角度を精密に調整するために、示された実施形態に含まれてもよい。別の実施形態においては、マウント52は、マウント52のベース部分53に取付けられたハンドル54との手動の相互作用等、任意の好適な他の機構によって移動されてもよい。
【0031】
原材料供給アセンブリ22は、入口案内ローラ等の1つ又は複数の一定入口案内部60も備える。示される一定入口案内部60は、好適な固定具等によって、マウント52のベース部分53に連結されるが、案内部60は、代替的に、適切に配置され、かつ/あるいは、適切に連結されてもよい。案内部60は、シート材料23の初期層30を原材料供給アセンブリ22から変換機24まで、例えば収束シュート28へと案内する。例示的な一定入口ローラは、米国オハイオ州コンコルドタウンシップ(Concord Township,Ohio)所在のランパク コーポレーションに譲渡された米国特許第7,041,043号明細書に示されている。
【0032】
一定入口案内部60は、シート材料23に均一な張力を提供するように構成され、それにより、原材料供給アセンブリ22から変換機24までのシート材料23の効率的な移送を可能にしている。一定入口案内部60は、シート材料23の初期層30が収束シュート28に入るときにシート材料23の初期層30についての一定の進入角度を可能にしてもよく、これにより、シート材料23の変形済の層32において比較的一定の品質のランダムなしわ寄せ加工を提供する。
【0033】
示されるシート状原材料23は、スタンド50上に支持されるロール62に供給されるスリット付シート状原材料である。1つ又は複数のロール62が支持されていてもよい。例示的なスリット付シート状原材料23は、単一層のクラフト紙である。好適なクラフト紙は、例えば、20ポンド(9.072kg)又は40ポンド(18.144kg)等の様々な秤量を有することができる。幾つかの実施形態において、スリット付シート材料23は積層されていてもよく、あるいは、別の紙、プラスチックシート、又はその任意の組み合わせ等の任意の好適な材料であってもよい。幾つかの実施形態において、スリット付シート材料23は、ほぼ矩形の一葉になるように交互にしわ寄せ加工された材料を有する、扇子のように折り畳まれた(fan−folded)積層体として提供されてもよい。
【0034】
例示的なスリット付シート材料23は、1つ又は複数の次元で拡張するように構成され、これは、本明細書では体積拡張又は体積的拡張とも呼ばれる。スリットの方向を横断する方向にスリット付シート材料23を伸張すると、紙の長手方向長さ及びその厚さが増加する。厚さ寸法は、垂直方向に延在し、紙の長手方向長さに対してほぼ直交し、また同様に、紙の側縁73(図1)間に延在する横方向の広がりに対してほぼ直交するものとして定義される。
【0035】
スリット付シート材料23の厚さは、こうして伸張されると、その元の厚さに対して一桁以上増加し得る。この長手方向の伸張及び厚さの増加は、更に説明される紙のランダムなしわ寄せ加工と相まって、体積的に拡張した詰め物製品26をもたらす。増加した体積は、拡張済詰め物製品26が容器内に物品を包装するための有孔保護空隙充填材として機能することを可能にする。
【0036】
特に、例示的なスリット付シート材料23は、長手給送方向にまた同様に厚さ方向に拡張するために、紙にダイカット加工されたスリットの連続列を有する耐久性のあるクラフト紙を含む。拡張の結果として、紙は、横方向において縮小する場合があるが、結果として得られる体積は、供給アセンブリ22内に提供される未拡張スリット付シート材料と比較して、最大20倍の体積をもたらす場合がある。例示的なスリット付シート材料及びその製造については、米国特許第5,667,871号明細書及び同第5,688,578号明細書により詳細に説明されており、それらの開示は、参照によりその全体が本願に組込まれる。
【0037】
再び図1を簡潔に参照すると、例示的なスリット付シート材料23は、給送方向に沿って拡張するように構成されるスリット70を備える。したがって、スリット70は、シート材料23に切り込まれ、側縁73間で紙を横切る横方向72に延在する。横方向72は、材料23の長手給送方向74を横断する。当然ながら、別の実施形態では、給送方向に対して別の好適な角度に沿って又は2つ以上の角度に沿って延在するスリットを含んでいてもよい。
【0038】
好ましくは、スリット70の複数の列76は、互いにほぼ平行であり、かつ、ほぼ周期的であり、また、好ましくは、互いから等しい間隔をおいて配置されるが、別の実施形態においては、列76は、その他の方法で好適に配置されてもよい。スリット70は、列76にわたって断続的に分散され、各列のスリット70は、すぐ隣の列76のスリット70に対してほぼ互い違いになっているが、別の実施形態においては、スリット70は、その他の方法で好適に配置されてもよい。スリット70の各列76にわたって、スリット端点80間に配置されるスリットの無い部分78の長さより長い組み合わされたスリット70が存在してもよく、これにより、スリット付シート材料23の最大量の拡張を可能にしてもよい。
【0039】
戻って図2〜4を参照すると、供給アセンブリ22から受け取られる例示的なスリット付シート材料23は、最初に収束シュート28内に給送される。収束シュート28(本明細書ではシュート28とも呼ばれる)は、供給アセンブリ22の下流に配置され、マウント52等によって、供給アセンブリ22に対して少なくとも部分的に支持される。マウント52及びシュート28は、好ましくは固定具によって、又は、溶接、接着剤等のような任意の他の好適な方法によって互いに結合される。
【0040】
収束シュート28は、シュート28を通って移動する、比較的平面状のしわ寄せ加工されていない未拡張の初期層30をランダムにしわ寄せ加工するように構成され、例えばそのような形状とされる。シュート28は、該シュート28を通る経路を形成し、該経路は、該経路に沿って移動する初期層30の側方に延在する対向縁(本明細書では側縁とも呼ばれる)を内方へ集める。初期層30が給送方向に前進するときに内方へ集めることにより、側縁が互いに向かって収束し、それにより、初期層30をランダムにしわ寄せ加工する。このように、初期層30は、収束シュート28から出ると、ランダムにしわ寄せ加工された変形済の層32に転換される。
【0041】
経路を規定するために、シュートの壁は、上流端92の比較的大きな入口90から下流端96の比較的小さな出口94に向かって収束する。そのため、シュート28の壁は、下流方向において内方に収束する。図示するように、側壁100及び102は、下流方向において内方に収束し、それにより、シュート28は、その上流端92の幅寸法と比べて、その下流端96の幅寸法が小さい。一定入口案内部60は、シュート28の上流端92から離間されており、シート材料23の幅寸法がシュート28の幅寸法にほぼ平行になるようにシート材料23を収束シュート28に案内するように構成される。
【0042】
収束シュート28は、側壁100及び102を接続する上側部分及び下側部分も備える。例えば、シュート28は、下側部分106に対向する上側部分104を備える。上側部分104は、上流端92と下流端96との間の距離に沿って下側部分106に向かって下流方向において内方に収束する。
【0043】
上側部分104と下側部分106との間の給送方向に沿って配置される給送経路の高さ、及び、それぞれの側壁100と102との間の給送経路の幅は、シュート28の上流端92から下流端96までの長手方向距離にわたって減少する。したがって、シュート28の入口90は、出口94の断面積に比べて大きな断面積を有する。
【0044】
シュート28から出る、結果として得られるランダムにしわ寄せ加工された変形済の層32は、減少した幅及び増加した厚さを有し、層32に変形されるしわ寄せ加工されていないそれぞれの初期層30と比較して大きな体積を占める。ランダムなしわ寄せ効果によってスリットが多少拡張することはあるが、スリット拡張の大部分は、シュート28によって達成されるランダムなしわ寄せ加工の下流で起こる。
【0045】
図3及び4に最もよく示されるように、拡張アセンブリ34は、収束シュート28に隣接し、かつ、供給アセンブリ22の下流かつ収束シュート28の下流に位置する。拡張アセンブリ34は、変換機24を通してシート材料23を前進させ、収束シュート28から受け取られる変形済の層32等のシート材料23を拡張させるように構成される。
【0046】
拡張アセンブリ34は、シート材料23を給送方向に前進させるための給送ホイール120を備える。ピンチローラ122も備えられ、ピンチローラ122は、給送ホイール120と協働して、ピンチローラ122と給送ホイール120との間で移動するシート材料23に張力を印加し、それによりシート材料23を拡張させる。変形済の層32が給送ホイール120とピンチローラ122との間を通過するときに変形済の層32に印加される張力は、スリットの拡張及びこれに対応する変形済の層32の体積的拡張を生じさせて、拡張済ストリップ36を形成する。
【0047】
拡張アセンブリ34は、マウント52によって少なくとも部分的に支持され、マウント52によってシュート28に連結される。マウント52及び拡張アセンブリ34は、好ましくは固定具によって、又は、溶接、接着剤等のような任意の他の好適な方法によって互いに結合される。別の実施形態においては、拡張アセンブリ34は、シュート28と一体的であってもよく、かつ/あるいは、拡張アセンブリ34の一部が、シュート28の上流に又はシュート28内に配置されるが、依然として供給アセンブリ22の下流に配置されるようにしてもよい。例えば、ある状況においては、ピンチローラ122は、収束シュート28の一部分の中に配置されて、ランダムにしわ寄せ加工されたシート材料を受け取ってもよい。
【0048】
給送ホイール120及びピンチローラ122は、変形済の層32と係合するための、歯等の径方向外側に延在する把持部分123を備える。ホイール120及びローラ122は、ゴム等の任意の好適な材料で形成されてもよく、また、任意の適したサイズであってもよい。例えば、示されるローラ122及びホイール120のそれぞれは、互いに近いサイズに作られ、通常は互いに同一である。
【0049】
幾つかの実施形態において、ホイール120又はローラ122は、より大きな把持部分123を有していてもよい。一例において、ローラ122は、より大きな把持部分123を有して、より大きな圧力が変形済の層32に印加されることを可能にしてもよく、その一方で、ホイール120のより小さな把持部分123は、ホイール120とローラ122との間で変形済の層32を迅速に前進させるサイズに作られ、その結果、変形済の層32の拡張を増加させてもよい。
【0050】
給送ホイール120及びピンチローラ122は、給送ホイール120とピンチローラ122との間の変形済の層32の拡張中に、協働して、給送ホイール120とピンチローラ122との間のシート材料23の変形済の層32の引き裂かれていない長さ(単位長さとも呼ばれる)を選択的に維持するように構成される。例えば、例示される拡張アセンブリ34は、供給アセンブリ22の下流に、そして好ましくは収束シュート28の下流に位置する一対の給送ホイール120及び一対のピンチローラ122を有する。給送ホイール120は、ピンチローラ122より更に下流に配置されて、シート材料23の拡張を促進する。別の実施形態においては、任意の適した個数の給送ホイール120及び/又はピンチローラ122が使用されてもよい。
【0051】
一対のピンチローラ122の1つのピンチローラ122及び一対の給送ホイール120の1つの給送ホイール120は、ピンチローラ122と給送ホイール120との間で移動するしわ寄せ加工された変形済の層32の、給送方向に沿って配置される給送経路の対向する側部のそれぞれに配置される。好ましくは、給送ホイール120及びピンチローラ122は、互いに平行な軸の周りで回転して、変形済の層32の直線的前進を促進し、給送ホイール120とピンチローラ122との間に延在する変形済の層32の最大量の拡張を可能にする。図示するように、給送ホイール120は、給送心棒124上に支持され、ピンチローラ122は、ローラ心棒126上に支持され、互いに平行な軸のそれぞれに配置される。
【0052】
少なくとも、給送心棒124、したがって、給送ホイール120は、好ましくは、電気モータ等のモータによって駆動される。給送ホイール120の駆動、及び、給送ホイール120と、給送ホイール120及びピンチローラ122間を移動する変形済の層32との係合は、初期層30及び変形済の層32を含むシート状原材料23を、給送方向に前進させる。したがって、初期層30は、供給アセンブリ22から、収束シュート20を通り、拡張アセンブリ34を通り、変換機24の下流端48に向かって引っ張られる。同時に、ピンチローラ122は、給送ホイール120によって前進させられている変形済の層32に張力を印加して、給送ホイール120とピンチローラ122との間に延在する変形済の層32の拡張をもたらすように構成される。
【0053】
この張力をもたらすために、ローラ心棒126も駆動されていてもよく、したがって、ピンチローラ122も、同様に、被駆動部材であってもよい。ピンチローラ122は、給送ホイール120とは異なる速度で、かつ、給送ホイール120より概ね遅い速度で駆動される。このように、ピンチローラ122の下流のシート材料23は、対向するピンチローラ122間を通過するシート材料23より速い速度で前進する。これは、ピンチローラ122の下流において変形済の層32の伸張及びスリットの拡張をもたらす。これにより、変形済の層32は、横幅が減少するが、厚さ及び長手方向の長さが増加して、拡張済詰め物ストリップ36を形成する。
【0054】
コントローラ132は、給送ホイール120の速度よりも遅い速度でピンチローラ122を別個に駆動するために設けられる。コントローラ132は、スタンド50又は変換システム20の任意の他の好適な場所に結合されてもよく、また、給送モータ136及びローラモータ138に通信可能に結合される。電気モータ等の給送モータ136は、給送心棒124に連結されて、給送ホイール120を駆動する。電気モータ等のローラモータ138は、同様に、ローラ心棒126に連結されて、ピンチローラ122を駆動する。
【0055】
コントローラ132は、モータ136及び138が運転される所定の速度を有するプログラムを含んでいてもよく、あるいは、速度は、ユーザによるコントローラ132への手動入力によって選択的に制御されてもよい。速度を選択可能にすることによって、変換機24を通る給送速度は、減速又は加速され得る。同様に、シート材料23の体積拡張の程度は、給送ホイール速度とピンチローラ速度との間の速度差を更にそれぞれ増減することによる、変形済の層32にかかるそれぞれ増加した又は減少した張力によって増減され得る。一部の状況においては、給送モータ136及びローラモータ138は、別個のコントローラによって制御されてもよい。
【0056】
幾つかの実施形態において、ピンチローラ122は、ピンチローラ122間を移動するシート材料23にかかる張力を増加させるために、互いに向かって移動可能であってもよい。このため、ローラ心棒126は、好ましくは互いに対するその平行な関係を維持しながら、互いに向かって直線的に移動可能であってもよい。例えば、ピンチローラ122が駆動されない代替の実施形態においては、ローラ心棒126を移動させてシート材料23の張力を増加させ、シート材料23の拡張をもたらしてもよい。ピンチローラ122が駆動されない幾つかの実施形態において、ローラ心棒126は、ローラ心棒126に加わる摩擦の増加によって、回転可能に拘束されてもよい。摩擦の増加は、ブッシング又は他の好適な部品によって加えられてもよい。このような場合、ローラ心棒126に対する摩擦の増加は、変形済の層32の拡張を可能にする。
【0057】
給送ホイール120及びピンチローラ122は、拡張ハウジング146に配置され、拡張ハウジング146も、シュート28の下流端96と少なくとも部分的に係合して、拡張アセンブリ34を通るランダムにしわ寄せ加工された変形済の層32のための経路を形成する。ベース部分148は、マウント52と係合し、好適な固定具等によって、心棒124及び126を支持する。拡張ハウジング146の蓋部分150(図2)は、ベース部分148に対して取外し可能に連結されて、メンテナンス作業等のために、給送ホイール120及びピンチローラ122に対するアクセスを可能にする。別の実施形態においては、蓋部分150は省略されてもよい。拡張ハウジング146は、しわ寄せ加工された変形済の層32を少なくとも部分的に周方向において制限して、スリットを最大限に拡張するために、給送ホイール120及びピンチローラ122を通る変形済の層32を方向付け、変形済の層32及び拡張済詰め物ストリップ36が給送ホイール120及びピンチローラ122の周りで絡まることを防止する。
【0058】
拡張アセンブリ34は、案内板等の案内部160を更に備え、案内板160は、ハウジング146と協働して、スリットを最大限拡張するために、給送ホイール120及びピンチローラ122を通して変形済の層32を方向付け、給送ホイール120及びピンチローラ122の周りで変形済の層が絡まることを防止する。一対の案内板160が、例示される拡張アセンブリ34に示されており、1つの案内板160が、拡張アセンブリ34を通るシート材料23の給送経路の対向する側部にそれぞれ配置される。このように、案内板160は、給送ホイール120及びピンチローラ122に隣接して配置されて、給送ホイール120及びピンチローラ122の周りでシート材料が絡まることを防止する。
【0059】
例示される案内板160は、拡張アセンブリ34の上流端、ピンチローラ122の上流から、拡張アセンブリ34の下流端、給送ホイール120の下流まで実質的に連続的に延在する。より詳細には、案内板160はそれぞれ、案内板160を貫通して延びるギャップ162を含み、給送ホイール120及びピンチローラ122は、ギャップ162を通って延在し、シート材料と係合する。案内板160の高さは、心棒124及び126に沿って延在し、好ましくは、案内板160の高さは、拡張アセンブリ34により引っ張られるしわ寄せ加工済層の厚さ又は高さより高い。そのため、案内板160は、ベース部分148から、隣接する心棒124及び126の最上地点までの高さで延在する。この構成は、しわ寄せ加工済層が、案内板160に巻付き、心棒124及び126あるいは給送ホイール120又はピンチローラ122に絡まることを防止し、また、拡張アセンブリ34を通してシート材料の前端を給送することを容易にすると共に、拡張アセンブリ34を通過する変形済の層32のほぼ一貫性のある拡張を維持する。
【0060】
各案内板160の上流端164は、ベース部分148又は収束シュート28の下流端96に連結されること等によって、移動することを制限される。各案内板160の下流端166は、拡張アセンブリ34を通って給送経路に沿って延在し、また、ベース部分148に連結すること等によって、移動することを制限されてもよい。図示されるように、下流端166における案内板160間の横方向距離は、上流端164と下流端166との間の案内板の中間位置の横方向距離と比較して大きくてもよく、したがって、紙の側方拡張を促進してもよい。
【0061】
別の実施形態においては、下流端166は、制限されていなくてもよく、また、様々な幅の変形済の層32が対向する案内板160間を通過できるように、給送ホイール120及びピンチローラ122に対して浮遊する等、移動可能であってもよい。このような構成により、拡張アセンブリ34内で拡張する層の絡まりや詰まりを防止することを支援してもよい。
【0062】
案内板160は、適度に可撓性を有するアセタールポリマー等のプラスチック等、適度に可撓性を有する材料で形成されてもよい。更に、案内板160は、ほぼ矩形であるものとして示されているが、案内板160の形状は、別の実施形態においては、他の好適な形態をとってもよい。
【0063】
案内板160は、出力シュート40に隣接して配置される拡張アセンブリ34の上流端から拡張アセンブリ34の下流端まで、シート材料23を案内する。出力シュート40は、拡張アセンブリ34を出るシート材料23を、ユーザに向かって、又は、空隙充填材料を待つ容器に向かって案内する。出力シュート40は、拡張アセンブリ34と一体的なものとして、また、長手方向長さが比較的短いものとして示されている。しかしながら、別の実施形態においては、出力シュート40は、任意の好適な長さのものとすることができ、拡張アセンブリ34と一体的なものでなくてもよく、かつ/あるいは、省略されてもよい。
【0064】
案内ローラ170(図2)も、拡張アセンブリ34内に含まれていてもよく、あるいは、別の実施形態においてはアセンブリ34と別個のものであってもよい。図示される案内ローラ170は、例示される実施形態において、収束シュート28の下流であって、給送ホイール120とピンチローラ122の下流に位置するが、案内ローラ170は、他の好適な場所に配置されてもよい。案内ローラ170は、それぞれの軸に沿って自由に回転して、拡張アセンブリ34からの、したがって、変換機24からの詰め物ストリップ36の前進を促進する。図示するように、案内ローラ170は、拡張アセンブリ34のベース部分148等、変換機24の残りの部分に回転可能に連結される。
【0065】
案内ローラ170は、案内部160と協働して、案内部160間を通過する詰め物ストリップ36の厚さ寸法を制限する。厚さ寸法は、給送経路の長手方向にほぼ直交し、かつ、案内部160間で延在する横方向寸法にほぼ直交する。したがって、案内ローラ170と案内部160との協働によって、拡張済詰め物ストリップ36の密度及び体積は、変換機からの出力地点において全体的に制限される。案内部160は、紙の側縁73(図1)間を延在する横方向寸法を横方向において制限し、案内ローラ170は、しわ寄せ加工され、拡張された詰め物製品36の厚さ寸法を制限する。
【0066】
拡張アセンブリ34から出力される、結果として得られる拡張済詰め物ストリップ36は、拡張アセンブリ34内に受け取られる変形済の層32と比較して、増加した厚さ及び長さを有し、その結果、減少した幅を有する。詰め物ストリップ36は、給送ホイール120とピンチローラ122との間で変形済の層32に印加される張力による、シート材料32に切り込まれたスリットの伸張又は開きによって拡張される。詰め物ストリップ36は、一部には、給送ホイール120、ピンチローラ122、案内板160、及び拡張アセンブリ本体146の組み合わせによって制限されることに起因して、変形済の層32と同様のランダムにしわ寄せ加工された形態を有する。そのため、結果として得られる詰め物ストリップ36は、体積的に拡張すると共にランダムにしわ寄せ加工され、個々の詰め物製品26を形成するために個々の部分が分離されるまでの間は、連続した長さで提供される。
【0067】
個々の詰め物製品26は、ピンチローラ122と給送ホイール120との協働によって、任意の所望の長さとなるように分離されてもよい。そのため、変換機24は、詰め物ストリップ36から所望の長さの詰め物製品26を自動的に分離するように構成されてもよい。シート材料23の穿孔は、拡張済スリットによってもたらされる詰め物ストリップ36の有孔の性質により分離が達成されるため、必ずしも必要ではない。
【0068】
この分離は、下流にある給送ホイールの速度と上流にあるピンチローラの速度との速度差を増加することによって達成されてもよい。したがって、ピンチローラ122の回転速度が減少又は完全に停止されてもよく、かつ/あるいは、給送ホイール120の回転速度が維持又は増加されてもよい。速度の差の変化は一時的であってもよく、これにより、ピンチローラ122と給送ホイール120との間に配置される、ある長さのシート材料23を引き裂くのにちょうど十分な時間を提供し、それにより、詰め物ストリップ34の個々の下流長さで分離して、詰め物製品26としてもよい。その後、ピンチローラ122及び給送ホイール120の相対的回転速度が分離前速度に戻されて、ピンチローラ122と給送ホイール120との間に延在する変形済の層32の拡張を継続してもよい。
【0069】
変換機24は、付加的に又は代替的に、拡張済詰め物ストリップ36から個々の長さに分離するための、任意選択的に設けられる切断アセンブリ44(図1)を備えていてもよい。切断アセンブリ44は、1つ以上の切断部材を備えていてもよく、切断部材は、手動で、又は、コントローラ132又は別のコントローラとの通信可能な接続によって自動的に、作動させられてもよい。例示的な切断アセンブリは、オハイオ州コンコルドタウンシップ所在のランパク コーポレーションに付与された米国特許第4,699,609号明細書に記載されている。幾つかの状況では、切断アセンブリ44は、例えば個々の長さを有するシート材料が変換機24に供給されるときには、完全に省略されてもよい。
【0070】
別の分離する代替方法は、個々の長さに既に分離されているシート状原材料23を使用することであるが、変換機24内への各連続する長さの更なる装入が必要とされる場合がある。更に別の代替方法は、詰め物ストリップ36から個々の詰め物製品26となるように手で引き裂くことである。
【0071】
ここで図5を参照すると、本発明は、ランダムにしわ寄せ加工され、拡張されたスリット付シート状原材料23の少なくとも1つの層を含む独自の例示的な詰め物製品26も提供する。詰め物製品26は、拡張済スリット70の離間した複数の列76を有し、列76はそれぞれ、詰め物製品26のしわ寄せ加工された横幅にわたって断続的に分散される複数の拡張済横断スリット70を含む。層は、個別の長さに沿って長手方向に延在し、ランダムにしわ寄せ加工されるように互いに向かって内方に集められる側縁73を有する。各列76の拡張済スリット70は、長手方向を横断する、ランダムにしわ寄せ加工される横方向にわたって断続的に分散される。列76は周期的に離間される。スリット70は、層に切り込まれたスリット70の方向を横断する方向に全体的に拡張される。
【0072】
初期スリット及び初期スリットがそこから形成される未拡張シート材料と比較して、詰め物製品26は、長手方向と厚さの両方で増加するが、幅が減少する。詰め物製品26は、拡張済詰め物製品26の厚さにほぼ等しい、ランダムにしわ寄せ加工された横幅を有する。しかしながら、別の実施形態においては、拡張アセンブリ34及び/又は収束シュート28は、他の相対的寸法を有する詰め物製品26を形成するように構成されてもよい。
【0073】
概要を上述したように、変換プロセスは、初期層30等のシート状原材料23を、互いに向かって収束するように横方向において内方に集めることを含み、そのプロセスにおいて、ランダムにしわ寄せ加工されるシート状原材料23が変形済の層32を形成する。該プロセスは、ランダムにしわ寄せ加工された変形済の層を長手方向にかつ厚さ方向に拡張させることも含み、それにより、拡張済詰め物ストリップ35及び/又は拡張済詰め物製品26を形成する。拡張するステップは、一対の被駆動給送ホイール120及び該給送ホイール120の上流に配置される一対のピンチローラ122により、変形済の層32を長手方向に前進させることを含む。給送ホイール120及びピンチローラ122は、協働して、ランダムにしわ寄せ加工された変形済みの層32に張力を生成し、スリットを拡張させる。
【0074】
拡張するステップは、張力を生成するために、ピンチローラ122の回転速度より速い速度で給送ホイール120の対を駆動することも含む。拡張するステップは、給送ホイール120とピンチローラ122との間を移動する、拡張する変形済の層32の引き裂かれていない長さを選択的に維持しながら、給送ホイール120とピンチローラ122との間を移動する変形済の層32を拡張することを含む。前進させるステップは、シート状原材料23を、供給部22から、横方向において内方に集めるステップを行う収束シュート28を通して引っ張ること又は前進させることを含んでもよい。
【0075】
要約すると、本発明は、拡張済詰め物製品26を形成するために、未拡張スリット付シート状原材料23を拡張するための詰め物変換システム20を提供する。詰め物変換システム20は、シート状原材料の側方に延在する縁部を互いに向かって内方に集める収束シュート28を備え、シート状原材料23にランダムなしわを生じさせて、変形済の層32を形成する。変換システム20は、変形済の層32に収束シュート28を通って前進させる給送ホイール120、及び、給送ホイール120と協働して、給送ホイール120とピンチローラ122との間を移動する変形済の層32を拡張して詰め物製品26を形成するピンチローラ122を備える。拡張済詰め物製品26は、未拡張スリット付シート状原材料23と比較して、長手給送方向と厚さ方向の両方に拡張され、したがって、未拡張スリット付シート状原材料23と比較して、単位長さあたりで、体積が増加し、密度がより低い3次元製品である。
【0076】
本発明について、特定の例示される実施形態に関して図示し、説明してきたが、明細書及び添付図面を読み、理解すると、当業者であれば、均等な代替案及び改変を想起するであろう。上述した完全体(要素、アセンブリ、デバイス、組み立てたもの等)によって果たされる種々の機能に特に関して、このような完全体を説明するために使用される用語(「手段」に対する言及を含む)は、別途の記載のない限り、たとえ本明細書で例証される本発明の実施形態においてその機能を果たす、開示される構造と均等でない場合でさえも含めて、指定される機能を果たす(すなわち、機能的に均等である)任意の完全体に相当することを意図されている。
図1
図2
図3
図4
図5