特許第6671384号(P6671384)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671384
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】相乗作用を有する付香組成物
(51)【国際特許分類】
   C11B 9/00 20060101AFI20200316BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/98 20060101ALI20200316BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20200316BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20200316BHJP
   A61Q 13/00 20060101ALI20200316BHJP
   A61L 9/01 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/33 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/40 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   C11B9/00 H
   C11B9/00 C
   C11B9/00 S
   C11B9/00 J
   C11B9/00 V
   C11B9/00 M
   C11D3/50
   A61K8/37
   A61K8/46
   A61K8/98
   A61Q15/00
   A61Q1/00
   A61Q13/00 100
   A61L9/01 H
   A61L9/01 J
   A61L9/01 Q
   A61L9/01 K
   A61K8/33
   A61K8/40
【請求項の数】15
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2017-545345(P2017-545345)
(86)(22)【出願日】2016年2月24日
(65)【公表番号】特表2018-513226(P2018-513226A)
(43)【公表日】2018年5月24日
(86)【国際出願番号】EP2016053861
(87)【国際公開番号】WO2016135193
(87)【国際公開日】20160901
【審査請求日】2018年12月20日
(31)【優先権主張番号】15156481.2
(32)【優先日】2015年2月25日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルヘ パブロ ビダル
(72)【発明者】
【氏名】メシアス アントニオ フェラズ シミズ
(72)【発明者】
【氏名】アクセル ヴォエルケル
【審査官】 井上 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2014/176392(WO,A1)
【文献】 特開昭49−075557(JP,A)
【文献】 特開昭49−132252(JP,A)
【文献】 特開2003−012637(JP,A)
【文献】 特表2005−511710(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11B 1/00−15/00
C11D 1/00−19/00
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A61L 9/00− 9/22
D61M13/00−15/715
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
FSTA(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付香組成物であって、
a)式
【化1】
(式中、波線は前記Pと硫黄原子との間の結合の位置を示し;
Pは、式(P−1)〜(P−9)の基:
【化2】
(式中、波線は上記で示した意味を有し、点線は単結合または二重結合を表し、かつRは水素原子またはメチル基である)
を、それらの異性体のうちいずれか1つの形で表し;かつ
Rは8〜15個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を表し、任意に硫黄原子に直接連結されないカルボン酸官能基を含む)
の少なくとも1つのβ−チオカルボニルプロフレグランス誘導体;および
b)− 非環式モノテルペン誘導体;および/または
− ムスク化合物
の中から選択される少なくとも1つの香料成分
を含み、
前記成分a)およびb)が、1/1〜1/4500の間に含まれるa)/b)のw/w(質量対質量)比で存在する、前記付香組成物。
【請求項2】
前記香料成分b)が非環式モノテルペン誘導体の中から選択されることを特徴とする、請求項1記載の付香組成物。
【請求項3】
式(I)の前記β−チオカルボニルプロフレグランス誘導体が、Pが式(P−1)、(P−2)、(P−5)または(P−6)の基である誘導体であることを特徴とする、請求項1または2記載の付香組成物。
【請求項4】
式(I)の前記β−チオカルボニルプロフレグランス誘導体が3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オンまたは3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−1−オンまたは4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−オン、それらの混合物であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の付香組成物。
【請求項5】
前記非環式付香モノテルペン誘導体が
・ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ジヒドロリナロール、リナロール、エチルリナロール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール;
・シトラール、3−Me−シトラール、シトロネラール、ゲラニアール、ヒドロキシシトロネラール;
・酢酸シトロネリル、酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、プロピオン酸リナリル、酢酸ネリル、カプロン酸リナリル、チグリン酸ゲラニル;
・リナリルメチルエーテル;および/または
・シトロネリルニトリル
の中から選択され、
前記化合物は、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の付香組成物。
【請求項6】
前記非環式付香モノテルペン誘導体が
・シトロネロール、ジヒドロリナロール、リナロール;
・3−Me−シトラール、シトロネラール;
・酢酸シトロネリル、酢酸リナリル;および/または
・シトロネリルニトリル
の中から選択され、
前記化合物は、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項5記載の付香組成物。
【請求項7】
前記付香組成物が、前記ムスク化合物として
− (1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノアート、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノアート、2−[1−(3,3−ジメチルシクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート、2−[(3,5−ジメチル−3−ヘキセン−2−イル)オキシ]−2−メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート、1−[(1R)−3,3−ジメチルシクロヘキシル]エチルエチルプロパンジオアート
− 1−オキサ−12−シクロヘキサデセン−2−オン、オキサシクロヘキサデカン−2−オン、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン、3−メチル−(4/5)−シクロペンタデセノン、ムスコン、(Z)−4−シクロペンタデセン−1−オン、9−シクロヘプタデセン−1−オンおよび1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−[G]イソクロメン
からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の付香組成物。
【請求項8】
任意成分として
− メチル2−(3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチル)アセテート、(+)−メチル(1R)−シス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテート、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、3−ベンゾジオキソール−5−プロピオンアルデヒド
− クマリン、および1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラム−2−ナフタレニル)−1−エタノン
からなる群から選択される1つ以上の付香成分を更に含み、
前記化合物が、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の付香組成物。
【請求項9】
前記任意成分が、0〜4の間に含まれる、任意成分)/b)のw/w比で存在し得ることを特徴とする、請求項記載の付香組成物。
【請求項10】
付香組成物であって、
i)付香成分として、請求項1から9までのいずれか1項に規定された付香組成物;
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分;および
iii)任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む、前記付香組成物。
【請求項11】
付香組成物または付香された消費者製品の匂い特性を増強、強化、調節、改善または増加させる方法であって、前記付香組成物または消費者製品に有効量の請求項1から9までのいずれか1項記載の付香組成物を添加することを含む、前記方法。
【請求項12】
20w/w%未満の界面活性剤の全量を有する付香消費者製品であって、前記パーセンテージが前記付香消費者製品の配合物の質量に対するものであり、付香成分として、請求項1から8までのいずれか1項に規定された付香組成物を含む、前記付香消費者製品。
【請求項13】
前記界面活性剤の全量が6w/w%未満であることを特徴とする、請求項12記載の付香消費者製品。
【請求項14】
前記付香消費者製品が香料、消臭剤または制汗剤または化粧品組成物であることを特徴とする、請求項12または13記載の付香消費者製品。
【請求項15】
前記付香消費者製品が、香水、オードトワレ、オードパルファン、コロン、ボディスプラッシュ、アフターシェーブローションまたはボディスプレー、ボディミストであることを特徴とする、請求項14記載の付香消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本発明は、香料の分野に関するものであり、より正確には、本発明は、香りの強さの改善されたインパクトを示し、かつ/または香りの特性を調整する、付香組成物およびそれに関連する消費者製品に関する。この付香組成物は、β−チオカルボニルプロフレグランス誘導体および特定の付香テルペン誘導体を含む。
【0002】
従来技術
上記のとおり、本発明は、全体的な香りの強さ、特にトップノートおよび/またはボトムノート(トップノートおよびボトムノートは当該技術分野で周知の用語である)、特に特定の付香成分と関連するものに影響を及ぼすことを目的とする。
【0003】
香料のいわゆる「トップノート」は、香料を適用した直後に、および全体的に最初の数時間にわたって知覚されて、香料に対する消費者の最初の印象を形成する付香成分であり、したがって性能および製品の販売において非常に重要である。そのため、トップノートの影響力を改善することができる組成を有することは極めて興味深い。
【0004】
香料のいわゆる「ボトムノート」は、香料の適用後、長時間にわたって知覚され、消費者に長く残る香料の印象を形成する付香成分であり、したがって製品の性能および販売において非常に重要である。そのため、ボトムノートの影響力を改善することができる組成を有することは極めて興味深い。
【0005】
本明細書で以下に記載される式(I)のβ−チオカルボニルプロフレグランス誘導体は、国際公開第03/049666号(WO 03/049666)に記載されているが、これらの誘導体は当業者に知られており、その引用文献に例示され、数時間後に顕著なものとなる放出プロファイルを有するものである。そのため、香料をゆっくりと放出することの他に、この化合物自体がいくつかのトップノートの知覚に直ちに影響を及ぼすことが判明したのは全く予想外であった。
【0006】
発明の詳細な説明
本発明は、香りの強さおよび影響力、特に利用の最初の数時間におけるトップノートの強さおよび影響力を相乗作用的に改善することができる付香組成物に関する。前記付香組成物は、特にファインフレグランスおよび/またはボディケア/化粧品用途に適している。
【0007】
従って、本発明の第1の対象は、付香組成物であって、
a)式
【化1】
(式中、波線は前記Pと硫黄原子との間の結合の位置を示し;
Pは、式(P−1)〜(P−9)の基:
【化2】
(式中、波線は上記で示した意味を有し、点線は単結合または二重結合を表し、かつRは水素原子またはメチル基である)
を、それらの異性体のうちいずれか1つの形で表し;かつ
Rは8〜15個の炭素原子を有する直鎖状または分枝鎖状のアルキル基を表し、任意に硫黄原子に直接連結されないカルボン酸官能基を含む)
の少なくとも1つのβ−チオカルボニルプロフレグランス誘導体;および
b)− 非環式モノテルペン誘導体;および/または
− ムスク化合物
の中から選択される少なくとも1つの香料成分
を含むか、またはこれらからなり、
前記成分a)およびb)は、1/1〜1/4500の間に含まれるa)/b)のw/w(質量対質量)比で存在する、前記付香組成物である。
【0008】
本発明の実施形態によれば、特に高く評価される実施形態はトップノートで観察される効果であり、したがって成分b)は非環式モノテルペン誘導体およびムスク化合物の中から選択することができ、ムスク化合物は任意の成分である。
【0009】
本発明の実施形態によれば、a)/b)のw/w(質量対質量)比は、1/1〜1/450の間、またはさらに1/2〜1/100の間、または1/3〜1/80の間、または1/3〜1/25の間に含まれ得る。
【0010】
本発明の実施形態によれば、式(I)の前記β−チオカルボニルプロフレグランス誘導体は、Pが上記で定義された、式(P−1)、(P−2)、(P−5)または(P−6)の基である誘導体である。特に、前記Pは、Rが水素原子を表す式(P−1)または(P−2)の基であっていてよい。
【0011】
本発明の実施形態によれば、前記Rは、硫黄原子に直接結合されていないカルボン酸官能基を任意に含む8〜15個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基を表す。特に、前記Rは10〜14個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基、特にn−ドデシル基であってよい。
【0012】
本発明の実施形態によれば、式(I)のこのようなβ−チオカルボニルプロフレグランス誘導体の非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オン(β−ダマスコン由来、同じく公知であり、Haloscent(登録商標)Dと呼ばれる)または3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−1−オン(β−ダマスコン由来)または4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−オン(イオノン由来、同じく公知であり、Haloscent(登録商標)Iと呼ばれる)、それらの混合物。
【0013】
明確性のために、用語「非環式付香モノテルペン誘導体」またはこれに類するものは、本明細書では、非環式であり、モノテルペン化合物のアルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、またはニトリルであり、かつ付香調製物または組成物において快い効果を付与するのに有用な全ての付香成分を意味する。換言すれば、そのようなものとして見なされるべき、かかる「非環式付香モノテルペン誘導体」は、単に匂いを有するものではなく、組成物の匂いを積極的な、または心地良い方法で付与または変更することができるものとして当業者によって認識されなければならない。香料分野の当業者は、どの化合物がこのような定義に含まれるか非常によく知っており、なお、これらの非環式付香モノテルペン誘導体の多くは、いずれの場合も参考文献、例えばS. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、またはその最新版、または同様の性質の他の論文、ならびに香料分野の豊富な特許文献に列記されている。
【0014】
本発明の実施形態によれば、前記非環式付香モノテルペン誘導体は、アルコール、アルデヒド、アセテートまたはニトリル誘導体、特にアルコール、アルデヒド、アセテートであっていてよい。
【0015】
本明細書に記載された「非環式付香モノテルペン誘導体」は、調香師によって、いわゆる「トップノート」に属するものとして見なされており、これらは香料を適用した直後に知覚され、香料に対する最初の印象を形成し、そのため製品の販売において非常に重要である。したがって、トップノートの影響力を改善する組成を有することは極めて興味深い。
【0016】
本発明の実施形態によれば、このような非環式付香モノテルペン誘導体の非限定的な例として、以下のものが挙げられ得る:
・ゲラニオール、ネロール、シトロネロールジヒドロリナロールリナロール、エチルリナロール、ミルセノール、ジヒドロミルセノール;
シトラール3−Me−シトラールシトロネラール、ゲラニアール、ヒドロキシシトロネラール;
酢酸シトロネリル酢酸リナリル、酢酸ゲラニル、プロピオン酸リナリル、酢酸ネリル、カプロン酸リナリル、チグリン酸ゲラニル;
・リナリルメチルエーテル;および/または
シトロネリルニトリル
前記化合物は、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形であり;下線が引かれた化合物は特に高く評価されるものである。
【0017】
これらの非環式付香モノテルペン誘導体のいくつかは天然化合物であり、かつ天然の精油の形でも配合することができるが、当然ながら、a)/b)の比を計算する目的での、かかる化合物の量についてのみ考慮される。
【0018】
明確性のために、用語「ムスク化合物」またはこれに類するものは、本明細書では、当業者によってムスク系統の付香成分であると認識される全ての付香成分を意味する。ムスク系統は非常によく確立された匂いの系統であり、文献に広く記載されている。換言すれば、そのようなものとして見なされるべき、かかる「ムスク化合物」は、単にムスク調の匂いを有するものではなく、組成物の匂いを積極的な、または心地良い方法で付与または変更することができるものとして当業者によって認識されなければならない。香料分野の当業者は、どの化合物がこのような定義に含まれるか非常によく知っており、なお、これらの非環式付香モノテルペン誘導体の多くは、いずれの場合も参考文献、例えばS. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、またはその最新版、または同様の性質の他の論文、ならびに香料分野の豊富な特許文献に列記されている。
【0019】
本発明の実施形態によれば、前記ムスク化合物は、ケトン、およびアセタール、またはエステルまたはラクトン誘導体であってもよい。
【0020】
本明細書に記載される「ムスク化合物」は、調香師によって、いわゆる「ボトムノート」に属するものとして見なされており、これらは香料の適用後、長時間知覚され、香料に対して長く残る印象を形成し、そのため製品の販売において非常に重要である。したがって、ボトムノートの影響力を変更/調整する組成を有することは極めて興味深い。
【0021】
本発明の実施形態によれば、かかるムスク化合物の非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:
(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノアート(Romandolide(登録商標)としても知られる)、(1S,1’R)−2−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルプロパノアート(Helvetolide(登録商標)としても知られる)、2−[1−(3,3−ジメチルシクロヘキシル)エトキシ]−2−メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート(Serenolide(登録商標)としても知られる)、2−[(3,5−ジメチル−3−ヘキセン−2−イル)オキシ]−2−メチルプロピルシクロプロパンカルボキシラート(Serenolide(登録商標)しても知られる)、1−[(1R)−3,3−ジメチルシクロヘキシル]エチルエチルプロパンジオアート(Applelideとしても知られる);および/または
1−オキサ−12−シクロヘキサデセン−2−オン(Habanolide(登録商標)としても知られる)、オキサシクロヘキサデカン−2−オン(Exaltolide(登録商標)としても知られる)、1,4−ジオキサシクロヘプタデカン−5,17−ジオン(Astrotoneとしても知られる)、3−メチル−(4/5)−シクロペンタデセノン(Muscenone(登録商標)としても知られる)、ムスコン、(Z)−4−シクロペンタデセン−1−オン(Exaltenone(登録商標)としても知られる)、9−シクロヘプタデセン−1−オンおよび/または1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチル−シクロペンタ−[G]イソクロメン(Galaxolide(登録商標)としても知られる)
前記化合物は、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形であり、下線が引かれた化合物は特に高く評価されるものである。
【0022】
本発明の実施形態によれば、付香組成物は、任意成分として、いくつかの他の付香成分をさらに含んでいてよく、これらは驚くべきことに知覚された相乗作用にも寄与することが判明した。前記任意成分は、以下のものの中から選択され得る:
メチル2−(3−オキソ−2−ペンチルシクロペンチル)アセテート(例えば、Hedione(登録商標)としても知られる)、(+)−メチル(1R)−シス−3−オキソ−2−ペンチル−1−シクロペンタンアセテート(例えば、Paradisone(登録商標)としても知られる)、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ−2−イソブチル−4−メチル−4(2H)−ピラノール、3−ベンゾジオキソール−5−プロピオンアルデヒド(ヘリオプロパナール);および/または
− クマリン、および/または1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラム−2−ナフタレニル)−1−エタノン(Iso E(登録商標)Superとしても知られる);
前記化合物は、その立体異性体のいずれか1つの形またはそれらの混合物の形であり、下線が引かれた化合物は特に高く評価されるものである。
【0023】
前記任意の成分は、0〜4/1の間に含まれる、またはさらに1/10〜2/1の間に含まれる、任意成分)/b)のw/w(質量対質量)比で存在し得る。
【0024】
上記で述べたように、上記の付香組成物は、適用の最初の数時間にわたって知覚される、全体的な香りの強さ、特にトップノートの増加を示す。したがって、本発明の別の対象は、本発明の付香組成物の付香成分としての使用である。特に、換言すれば、付香組成物または付香された消費者製品の匂い特性(特に強さおよび時間プロファイル)を増強、強化、調節、改善または増加させる方法は、前記組成物または消費者製品に有効量の本発明による付香組成物を添加することを含む。例えば、前記組成物の使用によってもたらされる全体的な効果は、このようにブルーミング効果である。
【0025】
「付香組成物の使用」とは、本明細書では、前記組成物を含有し、かつ香料産業において有効成分として有利に使用することができるあらゆる組成物の使用であると理解されるべきである。
【0026】
従って、本発明の別の対象は、付香組成物であって、
i)付香成分として、上記に定義した本発明の付香組成物;
ii)香料担体および香料ベースからなる群から選択される少なくとも1つの成分;および
iii)任意に少なくとも1つの香料補助剤
を含む、前記付香組成物である。
【0027】
「香料担体」とは、本明細書では香料の観点から実質的に中性である物質、すなわち、付香成分の感覚刺激性を大きく変えない物質を意味する。前記担体は液状であってもよい。
【0028】
液状担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち溶媒および界面活性剤系、または香料で一般的に使用されている溶媒を挙げることができる。香料で頻繁に使われる溶媒の性質と種類の詳細な説明は網羅できるものではない。しかしながら、非限定的な例として、ブチレンまたはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3−プロパントリイルトリアセテート、ジメチルグルタラート、ジメチルアジペート1,3−ジアセチルオキシプロパン−2−イルアセテート、ジエチルフタレート、イソプロピルミリステート、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2−(2−エトキシエトキシ)−1−エタノ、クエン酸トリエチルまたはそれらの混合物などの溶媒を挙げることができ、これらが最も頻繁に使用される。香料担体および香料ベースの両方を含む組成物の場合、予め特定されたもの以外の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンまたは他のテルペン、イソパラフィン、例えば、Isopar(登録商標)(製造元:エクソンケミカル(Exxon Chemical))の商標で知られているもの、またはグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、例えばDowanol(登録商標)(製造元:ダウケミカルカンパニー(Dow Chemical Company))の商標で知られているもの、または水素化ヒマシ油、例えば、Cremophor(登録商標)RH 40(製造元:BASF)の商標で知られているものであってもよい。
【0029】
一般的に、「香料ベース」とは、本明細書では、少なくとも1つの付香補助成分を含む組成物を意味する。
【0030】
また、「付香補助成分」とは、本明細書では快い効果を与えるために付香調製物または組成物に使用される化合物を意味する。換言すれば、付香するものであると見なされるべき、このような補助成分は、単に匂いを有するだけではなく、当業者によって、組成物の匂いを積極的な、または心地良い方法で付与または変更することができるものとして認識されなければならない。
【0031】
ベース中に存在する付香補助成分の性質および種類は、本明細書においてこれ以上詳細な説明は行わないが、そのような説明はいずれにせよ、すべて余すことなく完全に行われるものではなく、当業者は、自身の一般的な知識に基づいて、そして意図する使用または用途および所望の感覚刺激効果に応じて、それらを選択することができる。一般的に、これらの付香補助成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン炭化水素、窒素または硫黄複素環式化合物および精油などの化学クラスに属し、且つ前記付香補助成分は天然または合成由来であってよい。これらの補助成分の多くは、いずれの場合も参考文献、例えばS. Arctanderによる書籍、Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USA、またはその最新版、または同様の性質の他の論文、ならびに香料分野の豊富な特許文献に列記されている。前記補助成分は、制御された方法で様々な種類の付香化合物を放出することが知られている化合物であってよいことも理解される。
【0032】
明確性のために、前記付香補助成分は、上記で挙げられた非環式付香モノテルペン誘導体と異なるだけでなく、上記で挙げられた式(I)のβ−チオカルボニルプロフレグランス誘導体とも異なる。
【0033】
一般的に、「香料補助剤」とは、本明細書では、色、特定の耐光性、化学的安定性等の付加的に追加される利点を付与することができる成分を意味する。付香ベースで一般的に使用される補助剤の性質および種類の詳細な説明を完全に行うことはできないが、前記成分が当業者によく知られていることは述べられるべきである。しかしながら、特定の非限定的な例として以下のものが挙げられ得る:粘度調整剤(例えば、界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば、防腐剤、酸化防止剤、熱安定剤/光安定剤および/または緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば、染料および/または顔料)、防腐剤(例えば、抗菌剤または抗微生物剤または抗真菌剤または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミンおよびそれらの混合物。
【0034】
任意に使用される他の適切な香料補助剤は、第3級アミン、特に高い水溶性を有するもの、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエチルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、アルキルジエタノールアミンおよびエトキシル化アルキルジエタノールアミンであってよい。
【0035】
さらに、本発明の付香組成物、またはそれを含む付香組成物は、香水または機能性香料などの現代香料の全ての分野、特にブルーミング効果、または数時間以内に高まる影響力/知覚を必要とする用途において有利に使用することができる。したがって、本発明の付香組成物は、トップノートの知覚/影響力(すなわち、最初の数時間における匂いの影響力)を増大させるようにブルーミング効果を必要とする用途またはブルーミング効果からの利益を得る用途に組み込むことができる。そのような用途は一般に、特に皮膚または毛髪への適用を目的としており、本発明の実施形態のいずれか1つによれば、前記付香消費者製品は、20w/w%未満、15w/w%未満、10w/w%未満、またはさらに6w/w%未満もしくは1w/w%未満の界面活性剤の全量を有する付香消費者製品であり、パーセンテージは付香消費者製品配合物(すなわち、包装なしで)の質量に対する。
【0036】
その結果、付香成分として、上記で定義した付香組成物を含む、20w/w%未満、15w/w%未満、10w/w%未満、またはさらに6w/w%未満もしくは1w/w%未満の界面活性剤の全量を有する付香消費者製品も本発明の対象であり、パーセンテージは付香消費者製品配合物(すなわち、包装なしで)の質量に対する。
【0037】
明確性のために、「付香消費者製品」とは、それが適用される表面(例えば、皮膚または毛髪)に少なくとも心地良い付香効果を送達することが期待される消費者製品を意味することが述べられるべきである。換言すれば、本発明による付香消費者製品は、機能性配合物を含むだけでなく、所望の消費者製品、例えばオードトワレに対応する、任意に付加的な利益をもたらす添加剤、および嗅覚的有効量の本発明の付香組成物を含む付香された消費者製品である。
【0038】
付香消費者製品の構成成分の性質および種類は、本明細書においてこれ以上詳細な説明は行わないが、そのような説明はいずれにせよ、すべて余すことなく完全に行われるものではなく、当業者は、自身の一般的な知識に基づいて、そして前記製品の性質および所望の効果に応じてそれらを選択することができる。
【0039】
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、前記付香消費者製品は、香料(例えば、香水、オードトワレ、オードパルファン、コロン、ボディスプラッシュ、アフターシェーブローションまたはボディスプレー、ボディミスト)または消臭剤または制汗剤(例えば、ボディデオドラントスプレー)、またはさらに化粧品組成物(ボディーローション、クリームまたはジェル、シャワージェルおよびヘアケア製品を含むが、これらに限定されない)である。
【0040】
本発明の実施形態のいずれか1つによれば、典型的には、前記香料は、6w/w%未満または1w/w%未満の界面活性剤の全量を有する付香消費者製品であり、前記消臭剤/制汗剤は10w/w%未満の界面活性剤の全量を有する製品であり、かつ化粧品組成物は20w/w%未満の界面活性剤の全量を有する製品である。
【0041】
上記の付香消費者製品のいくつかは、本発明の付香組成物の成分に対する攻撃的な媒体となり得るので、例えばカプセル化によって付香組成物を早期分解から保護する必要があり得る。
【0042】
本発明による付香組成物を様々な前述の製品または組成物中に配合することができる割合は、広い範囲の値で変動する。これらの値は、付香されるべき製品の性質および所望の嗅覚効果に依存するだけでなく、本発明による組成物が当該技術分野で頻繁に使用される付香補助成分、溶媒または添加剤と混合される際の所定の組成物中の補助成分の性質にも依存する。
【0043】
例えば、典型的な濃度は、それらが配合される組成物の質量を基準として1質量%〜30質量%、またはそれ以上の本発明の化合物のオーダーである。これらよりも低い濃度、例えば、0.1質量%〜20質量%のオーダーの濃度は、この化合物が上記の様々な付香消費者製品の付香に直接適用される際に使用することができる。
【0044】
本発明はここで以下の実施例によって更に詳細に説明される。
【0045】
実施例1
本発明による付香組成物の調製
1)二元組成物(binary composition)
様々な付香組成物を、以下の本明細書中の説明により様々な成分を混合することによって製造した:
【0046】
A)成分a)を含まない配合物(対照):
79.580% エタノール96°
19.420% 脱イオン水
1.000% 香料原料
ここで、香料原料は、その都度、非環式付香モノテルペン誘導体である:酢酸リナリル(A.1)、シトラール(A.2)、シトロネロール(A.3)、ヒドロキシシトロネラール(A.5)、酢酸ゲラニル(A.6)、リナロール(A.8)、酢酸シトロネリル(A.9)、シトロネラール(A.11)、シトロネリルニトリル(A.12)、メチルシトラール(A.13)、ジヒドロリナロール(A.14)、
またはムスク:Romandolide(登録商標)(A.15)、Helvetolide(登録商標)(A.16)、Exaltolide(登録商標)(A.17)、Astrotone(登録商標)(A.18)、Habanolide(登録商標)(A.19)。
【0047】
B)成分a)(Haloscent(登録商標)D)を含む配合物:a)/b)の比=1/4.44
79.580% エタノール96°
18.970% 脱イオン水
0.225% 成分a)
0.225% トリエタノールアミン
1.000% 香料原料
ここで香料原料は、その都度、次のいずれかである
− 非環式付香モノテルペン誘導体:酢酸リナリル(A.1.i)、シトラール(A.2.i)、シトロネロール(A.3.i)、ヒドロキシシトロネラール(A.5.i)、酢酸ゲラニル(A.6.i)、リナロール(A.8.i)、酢酸シトロネリル(A.9.i)、シトロネラール(A.11.i)、シトロネリルニトリル(A.12.i)、メチルシトラール(A.13.i)、ジヒドロリナロール(A.14.i)、または
− ムスク:Romandolide(登録商標)(A.15.i)、Helvetolide(登録商標)(A.16.i)、Exaltolide(登録商標)(A.17.i)
【0048】
C)δダマスコンを含む配合物:
79.580% エタノール96°
18.970% 脱イオン水
0.225% δダマスコン
0.225% トリエタノールアミン
1.000% 香料原料
ここで、香料原料は、その都度、非環式付香モノテルペン誘導体である:酢酸リナリル(A.1.c)、シトラール(A.2.c)、シトロネロール(A.3.c)
【0049】
D)成分a)(Haloscent(登録商標)I)を含む配合物:a)/b)の比=1/4.44
79.580% エタノール96°
18.970% 脱イオン水
0.225% 成分a)
0.225% トリエタノールアミン
1.000% 香料原料
ここで、香料原料は、その都度、次のいずれかである:
− 非環式付香モノテルペン誘導体:シトラール(D.1.i)、シトロネラール(D.2.i)、シトロネリルニトリル(D.3.i)、メチルシトラール(D.4.i)、ジヒドロリナロール(D.5.i)、または
− ムスク:Romandolide(登録商標)(D.6.i)、Helvetolide(登録商標)(D.7.i)、Exaltolide(登録商標)(D.8.i)、Astrotone(登録商標)(D.9.i)、Habanolide(登録商標)(D.10.i)
【0050】
2)三元組成物
種々の付香組成物を、以下の本明細書の説明に従って種々の成分を混合することによって製造した:
【0051】
E)Haloscent(登録商標)DまたはHaloscent(登録商標)Iを含まない配合物:(対照−二成分の組み合わせ)
79.580% エタノール96°
18.420% 脱イオン水
1.000% 香料原料
1.000% 香料原料
ここで、その都度、一方の香料原料は、非環式付香モノテルペン誘導体であり、他方の香料原料は、ムスクまたは別の非環式モノテルペンのいずれかであるか、または任意の成分である:Romandolide(登録商標)+シトロネロール(E.1)、Romandolide(登録商標)+酢酸リナリル(E.2)、Paradisone(登録商標)+酢酸リナリル(E.3)、Helvetolide(登録商標)+酢酸リナリル(E.6)、Helvetolide(登録商標)+シトロネロール(E.7)、Exaltolide(登録商標)+酢酸リナリル(E.8)、ゲラニオール+酢酸リナリル(E.9)、Hedione(登録商標)+酢酸リナリル(E.10)、Hedione(登録商標)+シトロネロール(E.11)、サリチル酸ベンジル(Salicylate de Benzyle)+酢酸リナリル(E.12)
【0052】
F)成分a)(Haloscent(登録商標)D)を含む配合物:
a)/b)の比=1/4.44
b)/任意成分)の比=1/1
79.580% エタノール96°
17.970% 脱イオン水
0.225% 成分a)
0.225% トリエタノールアミン
1.000% 香料原料
1.000% 香料原料
ここで、その都度、一方の香料原料は、非環式付香モノテルペン誘導体であり、他方の香料原料は、ムスクまたは別の非環式モノテルペンのいずれかであるか、または任意の成分である:Romandolide(登録商標)+シトロネロール(E.1.i)、Romandolide(登録商標)+酢酸リナリル(E.2.i)、Paradisone(登録商標)+酢酸リナリル(E.3.i)、Helvetolide(登録商標)+酢酸リナリル(E.6.i)、Helvetolide(登録商標)+シトロネロール(E.7.i)、Exaltolide(登録商標)+酢酸リナリル(E.8.i)、ゲラニオール+酢酸リナリル(E.9.i)、Hedione(登録商標)+酢酸リナリル(E.10.i)、Hedione(登録商標)+シトロネロール(E.11.i)、サリチル酸ベンジル+酢酸リナリル(E.12.i)
【0053】
G)成分Haloscent(登録商標)Iを含まない配合物(対照)
79.580% エタノール96°
19.320% 脱イオン水
0.100% 香料原料
1.000% 香料原料
ここで、その都度、それぞれ、一方の香料原料は非環式付香モノテルペン誘導体(0.1%)であり、他方の香料原料はムスク(1%)である:シトロネロール+Romandolide(登録商標)(G.1)、メチルシトラール+Helvetolide(登録商標)(G.2)。
【0054】
H)成分a)Haloscent(登録商標)Iを含む配合物
a)/b)の比=1/4.44
79.580% エタノール96°
18.970% 脱イオン水
0.225% Haloscent I
0.225% TEA
0.100% 香料原料
1.000% 香料原料
ここで、その都度、それぞれ、一方の香料原料は非環式付香モノテルペン誘導体(0.1%)であり、他方の香料原料はムスク(1%)である:シトロネロール+Romandolilde(登録商標)(G.1.i)、メチルシトラール+Helvetolide(登録商標)(G.2.i)。
【0055】
I)成分a)Haloscent(登録商標)DおよびHaloscent(登録商標)Iを含まない配合物(対照)
79.580% エタノール96°
19.420% 脱イオン水
1.000% 香料原料
ここで、その都度、香料原料は、非環式付香モノテルペン誘導体、またはムスクのいずれかである:シトラール(I.1)、シトロネロール(I.2)、Astrotone(I.3)、Exaltolide(登録商標)(I.4)、Romandolide(登録商標)(I.5)、Helvetolide(登録商標)(I.6)
【0056】
J)成分a)Haloscent(登録商標)DおよびHaloscent(登録商標)Iを含む配合物
a)/b)の比=1/2.22
79.580% エタノール96°
18.520% 脱イオン水
0.225% Haloscent(登録商標)D
0.225% Haloscent(登録商標)I
0.450% TEA
1.000% 香料原料
ここで、その都度、香料原料は、非環式付香モノテルペン誘導体、またはムスクのいずれかである:シトラール(I.1.i)、シトロネロール(I.2.i)、Astrotone(I.3.i)、Exaltolide(登録商標)(I.4.i)、Romandolide(登録商標)(I.5.i)、Helvetolide(登録商標)(I.6.i)
【0057】
本発明の組成物の嗅覚的評価:
匂い強度について方向性のある指針を得るため、標準プロトコルを用いて試験を行った。組成物のアリコート(40μl)を32℃でガラス表面上に堆積し、以下の実施例に従って、異なる時間間隔後に、8〜10人のパネリスト(フレグランス強度を評価するように訓練された)に7つのカテゴリー尺度(1=匂いなし〜7=非常に強い匂い)で試料のフレグランス強さを盲目評価するように求めた。結果を次にバランスのとれた設計(ラテン方格)に従って分析した。8人〜10人のパネリストのデータを平均し、製品のペアによる得点差とパネリスト間の合意の度合いに基づいて結論を導き出す。
【0058】
結果には3つの可能性があった:
1−2つの製品間に相違はない:2つの製品間の平均スコアの差が0.5未満であり、かつ/または評価者が自身の評価に合意していなかった。
2−2つの製品間の相違に関して方向性があった:2つの製品間に少なくとも0.5の平均スコアの差があり、かつ評価者間で良好な合意があった(すなわち、パネリストの60%〜70%が一方の試料が他方の試料よりも強力であることに合意し、かつパネリストの15%以下がその逆の発言をした)
3−2つの製品間の相違に関して顕著な傾向があった:2つの製品間に少なくとも0.5の平均スコアの差があり、かつ評価者間で強い合意があった(すなわち、パネリストの70%以上が一方の試料が別の試料よりも強力であることに合意している)
【0059】
様々な評価時間での以下の平均匂い強度を下記表に報告する:
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0060】
本発明の組成物は、その都度、非環式付香モノテルペン誘導体単独よりも、ムスクまたは別の非環式付香モノテルペン誘導体または任意の成分のいずれかと一緒になってより良好に働くことが分かる。成分a)の代わりに、類似の化合物(すなわち、対応する香料原料)を使用する場合、効果はもはや見られない。
【0061】
実施例2
本発明による付香組成物の調製
a)オードトワレを調製するための配合香料A.1)を、以下の成分を混合することによって調製した:
【表11】
1)62w/w%の化合物b)を含有する
2)6.6w/w%の化合物b)を含有する
3)配合香料ベースは60w/w%の化合物b)を含有する;製造元:フィルメニッヒ
4)ジプロピレングリコール中1%の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
5)メチルジヒドロジャスモネート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
6)66w/w%の化合物b)を含有する
7)3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
8)(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
9)3.4w/w%の化合物b)を含有する
【0062】
第2の配合香料A.2)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGラインを2.25%の3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オンで置き換えることによって得た。したがって、前記香料A.2)は、a)/b)の比が1/16でありかつ任意成分)/b)の比が1/1.7であることを特徴としていた。
【0063】
次に前記A.1)、A.2)をそれぞれ10w/w%でエタノール/水混合物(79.6w/w%のエタノールおよび10.42w/w%の脱イオン水)中に希釈(オーデコロン)し、それぞれ、オーデコロンA.c.1)およびA.c.2)を得た。次に前記オーデコロン20μlを実施例1に記載したのと同じパネルプロトコルに従って評価し、その結果を以下の表に報告する。
【表12】
【0064】
以上のように、本発明の付香組成物は、少なくとも適用から少なくとも15分〜3時間の間で有意な改善を示した。
【0065】
Eau Fraiche A.1)およびA.2)の同じオードトワレ試料を定量的記述分析法(QDA)で評価した。香りの特性を記載して定量化するためにQDAを使用し、共感性の語彙と直線的な線の目盛を使用して説明的な評価を提供する。8人〜12人のパネリストを複雑な知覚業務のために選抜して訓練する。この方法論は、言葉の表現を得るための繰り返し作業に基づいており、ここで属性は全てパネリストから導かれる。次に属性を定義し、参考資料を評価に使用する。パネリスト1人当たり1試料につき3つの完全な複製を行う。QDAは、0〜10の数値に変換される10cmの半構造化ライン強度目盛りを使用する。
【表13】
【0066】
スコアの意味でデルタが0.8以上の場合には有意差があるとする。レモンノートは、2時間の蒸発後、Haloscent(登録商標)Dと共にかなり強く感じられる。中間の時間(4時間)では、シトラスノート(レモン&ベルガーモット)、フルーツノート(ライチ)およびフローラルノート(ピオニー)も、Haloscent(登録商標)Dを含まないEau Fraicheと比べてHaloscent(登録商標)Dを含むEau Fraicheにおいてより強かった。
【0067】
b)オードトワレを調製するための配合香料B.1)を、以下の成分を混合することによって調製した:
【表14】
1)62w/w%の化合物b)を含有する
2)配合香料ベースは、60w/w%の化合物b)を含有する;製造元:フィルメニッヒ
3)ジプロピレングリコール中1%の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
4)ペンタデセノリド;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
5)メチルジヒドロジャスモネート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
6)メチルジヒドロジャスモネート(高シス);製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
7)1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン;製造元:インターナショナルフレーバー&フレグランス、米国
8)3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
9)40w/w%の化合物b)を含有する
【0068】
第2の配合香料B.2)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGラインを2.25%の3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オンで置き換えることによって得た。
【0069】
したがって、前記香料B.2)は、a)/b)の比が1/13.8であり、かつ任意成分)/b)の比が1.2/1であることを特徴としていた。
【0070】
第3の配合香料B.3)を、同じ成分を混合するが、0.225%のDIPGラインを0.225%の3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オンで置き換えることによって得た。
【0071】
第4の配合香料B.4)を、同じ成分を混合するが、0.225%のDIPGラインを0.225%の4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−オン(Haloscent(登録商標)I)で置き換えることによって得た。
【0072】
次に前記B.1)、B.2)、B.3)、B.4)をそれぞれ10w/w%でエタノール/水混合物(79.6w/w%のエタノールおよび10.42w/w%の脱イオン水)中に希釈(オーデコロン)し、それぞれ、オーデコロンB.c.1)、B.c.2)、B.c.3)およびB.c.4)を得た。次に前記オーデコロン20μlを実施例1に記載したのと同じパネルプロトコルに従って評価し、その結果を以下の表に報告する。
【0073】
【表15】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から少なくとも3時間〜5時間の間で有意な改善を示した。
【0074】
【表16】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から4時間〜8時間で方向性のある改善を示した。
【0075】
【表17】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から4時間〜8時間の間に顕著な改善を示した。
【0076】
c)オードトワレを調製するための配合香料C.1)を以下の成分を混合することによって調製した:
【表18】
1)62w/w%の化合物b)を含有する
2)6.6w/w%の化合物b)を含有する
3)配合香料ベースは、60w/w%の化合物b)を含有する;製造元:フィルメニッヒ
4)ジプロピレングリコール中1%の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
5)メチルジヒドロジャスモネート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
6)3−メチル−5−シクロペンタデセン−1−オン;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
7)(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
【0077】
第2の配合香料C.2)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGラインを2.25%の3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−イル)ブタン−1−オンで置き換えることによって得た。
【0078】
したがって、前記香料C.2)は、a)/b)の比が1/17.7であり、かつ任意成分)/b)の比が1/1.6であることを特徴としていた。
【0079】
第3の配合香料C.3)を、同じ成分を混合するが、0.83%のDIPGラインを0.83%のデルタダマスコンで置き換えることによって得た。
【0080】
第4の配合香料C.4)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGラインを2.25%の4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−オン(Haloscent(登録商標)I)で置き換えることによって得た。
【0081】
次に前記C.1)、C.2)、C.3)、C.4)をそれぞれ10w/w%でエタノール/水混合物(79.6w/w%のエタノールおよび10.42w/w%の脱イオン水)中に希釈(オーデコロン)し、それぞれ、オーデコロンC.c.1)、C.c.2)、C.c.3)およびC.c.4)を得た。前記オーデコロン20μlを実施例1に記載したのと同じパネルプロトコルに従って評価し、その結果を以下の表に報告する。
【0082】
【表19】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から少なくとも2時間〜8時間の間に顕著な改善を示した。成分a)の代わりに、類似の化合物(すなわち、対応する香料原料)を使用する場合、効果はもはや見られない。
【0083】
【表20】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から少なくとも2時間で顕著な改善を示した。
【0084】
BQコロンC.1)およびC.2)の同じオードトワレ試料を、上記の実施例a)に記載される通りに定量的記述分析法(QDA)により評価した。
【0085】
【表21】
適用から15分後、オードトワレ中のC.2は、ムスク属性においてC.1を超える強度に方向性のある改善を示した。2時間後、C.2はシトラス属性の強度についてC.1を上回る顕著な改善を示した。8時間後、C.2はウッディーおよびムスク属性の両方においてC.1を上回る顕著な改善を示した。
【0086】
Haloscent(登録商標)Dを対照に添加すると、混合物全体の強度の大幅な改善に影響を及ぼすだけでなく、香りのトップノート(シトラス)およびボトムノート(ウッディー、ムスク)を調節することが可能であることが上記から明らかである。
【0087】
d)オードトワレを調製するための配合香料D.1)を、以下の成分を混合することによって調製した:
【表22】
1)6.6w/w%の化合物b)を含有する
2)ジプロピレングリコール中1%の2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール
3)1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン;製造元:インターナショナルフレーバー&フレグランス、米国
4)66w/w%の化合物b)を含有する
5)0.30w/w%の化合物b)を含有する
6)(1S,1’R)−[1−(3’,3’−ジメチル−1’−シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
【0088】
第2の配合香料D.2)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGラインを2.25%の3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オンで置き換えることによって得た。
【0089】
したがって、前記香料D.2)は、a)/b)の比が1/18であり、かつ任意成分)/b)の比が1/7.5であることを特徴としていた。
【0090】
第3の配合香料D.3)を、同じ成分を混合するが、0.83%のDIPGラインを0.83%のデルタダマスコンで置き換えることによって得た。
【0091】
第4の配合香料D.4)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGを2.25%のデルタダマスコンで置き換えることによって得た。
【0092】
次に前記D.1)、D.2)、D.3)、D.4)をそれぞれ10w/w%でエタノール/水混合物(79.6w/w%のエタノールおよび10.42w/w%の脱イオン水)中に希釈(オーデコロン)し、それぞれ、オーデコロンD.d.1)、D.d.2)、D.d.3)およびD.d.4)を得た。次に前記オーデコロン20μlを実施例1に記載したのと同じパネルプロトコルに従って評価し、その結果を以下の表に報告する。
【0093】
【表23】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から少なくとも0時間〜4時間の間に顕著な改善を示した。成分a)の代わりに、類似の化合物(すなわち、対応する香料原料)を使用する場合、効果はもはや見られない。
【0094】
e)オードトワレを調製するための配合香料E.1)を、以下の成分を混合することによって調製した:
【表24】
1)パチュリ油のテルペン画分;製造元:フィルメニッヒSA、ジュネーブ、スイス
2)1−(オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−エタノン;製造元:インターナショナルフレーバー&フレグランス、米国
3)配合香料ベースは60w/w%の化合物b)を含有する;製造元:フィルメニッヒ
4)配合香料ベース;製造元:フィルメニッヒ
【0095】
第2の配合香料E.2)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGラインを2.25%の3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オンで置き換えることによって得た。a/bの比=1/11.7;任意/bの比=1.45/1。
【0096】
第3の配合香料E.3)を、同じ成分を混合するが、2.25%のDIPGラインを2.25%の4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−オン(Haloscent(登録商標)I)で置き換えることによって得た。a/bの比=1/11.7;任意/bの比=1.45/1。
【0097】
第4の配合香料E.4)を、同じ成分を混合するが、4.50%のDIPGラインを2.25%の3−(ドデシルチオ)−1−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−3−エン−1−イル)ブタン−1−オンおよび2.25%の4−(ドデシルチオ)−4−(2,6,6−トリメチルシクロヘキサ−2−エン−1−イル)ブタン−2−オン(Haloscent(登録商標)I)で置き換えることによって得た。
【0098】
次に前記E.1)、E.2)、E.3)、E.4)をそれぞれ10w/w%でエタノール/水混合物(79.6w/w%のエタノールおよび10.42w/w%の脱イオン水)中に希釈(オーデコロン)し、それぞれ、オーデコロンE.e.1)、E.e.2)、E.e.3)およびE.e.4)を得た。次に前記オーデコロン20μlを実施例1に記載したのと同じパネルプロトコルに従って評価し、その結果を以下の表に報告する。
【0099】
【表25】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から少なくとも8時間で顕著な改善を示した。
【0100】
【表26】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から少なくとも15分〜2時間の間に顕著な改善を示した。
【0101】
【表27】
以上のように、本発明の付香組成物は、適用から少なくとも4時間で顕著な改善を示した。
【0102】
E.1)およびE.2)の同じオードトワレ試料を、上記の実施例a)に記載されるように定量的記述分析法(QDA)で評価した。
【表28】
【0103】
2時間後、E.2はフローラル属性の強度においてE.1を上回る顕著な改善を示した。8時間後、E.2はフローラル属性においてE.1を上回る顕著な改善、およびムスク属性の強度において方向性のある改善を示した。
【0104】
Haloscent(登録商標)Dを対照に添加すると、混合物全体の強度の大幅な改善に影響を及ぼすだけでなく、香りのノート(フローラル、ムスク)を調節することが可能であることが上記から明らかである。