特許第6671391号(P6671391)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671391バルブコアアッセンブリおよび圧縮ガスバイパスバルブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671391
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】バルブコアアッセンブリおよび圧縮ガスバイパスバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 1/48 20060101AFI20200316BHJP
   F16K 1/32 20060101ALI20200316BHJP
   F16K 1/00 20060101ALI20200316BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20200316BHJP
   F02B 33/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   F16K1/48 A
   F16K1/32 C
   F16K1/00 E
   F16K31/06 305L
   F02B33/00 E
【請求項の数】19
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-548172(P2017-548172)
(86)(22)【出願日】2016年3月10日
(65)【公表番号】特表2018-511013(P2018-511013A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】EP2016055127
(87)【国際公開番号】WO2016142468
(87)【国際公開日】20160915
【審査請求日】2017年11月9日
(31)【優先権主張番号】201520146815.0
(32)【優先日】2015年3月12日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508097870
【氏名又は名称】コンチネンタル オートモーティヴ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Continental Automotive GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シアングワン ツァオ
(72)【発明者】
【氏名】ロザリオ ボナンノ
(72)【発明者】
【氏名】グワンルイ スン
(72)【発明者】
【氏名】ウェンジュエン イェー
【審査官】 角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】 特開平04−254084(JP,A)
【文献】 特開平09−004728(JP,A)
【文献】 特開昭56−031572(JP,A)
【文献】 特開2003−161375(JP,A)
【文献】 特開2013−256885(JP,A)
【文献】 実開昭63−177319(JP,U)
【文献】 実開平06−043449(JP,U)
【文献】 米国特許第03414232(US,A)
【文献】 米国特許第04114850(US,A)
【文献】 中国実用新案第204200358(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 1/00−1/54
31/06−31/11
F02B 33/00−41/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルブコアアッセンブリ(100)であって、
ガイドロッド(1)と、
ボールベアリング(2)と、
バルブヘッド(3)であって、底面に第1の貫通孔(301)が設けられているバルブヘッド(3)と、
固定ブロック(4)であって、中空の鉢形構造体であり、底面に第2の貫通孔(401)が設けられている固定ブロック(4)と、
を備え、
前記バルブヘッド(3)は、前記ボールベアリング(2)と前記固定ブロック(4)との間にクランプされており、
前記ガイドロッド(1)の第1の端部部分(101)は、前記ボールベアリング(2)と、前記バルブヘッド(3)の前記第1の貫通孔(301)と、前記固定ブロック(4)の前記第2の貫通孔(401)とに順次挿入されており、前記ガイドロッド(1)の前記第1の端部部分(101)は、前記ボールベアリング(2)と、前記固定ブロック(4)の前記第2の貫通孔(401)とにそれぞれ固定的に接続されており、
前記ガイドロッド(1)の半径方向で、前記バルブヘッド(3)の前記第1の貫通孔(301)と前記ガイドロッド(1)の前記第1の端部部分(101)との間には、環状の浮動ギャップ(5)が存在していることを特徴とする、バルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項2】
前記ガイドロッド(1)の前記第1の端部部分(101)は、締まり嵌めによって前記ボールベアリング(2)に接続されている、請求項1記載のバルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項3】
前記バルブヘッド(3)には前記底面に鉢形の溝(302)が設けられており、該鉢形の溝(302)は前記第1の貫通孔(301)に連通しており、前記ボールベアリング(2)は前記鉢形の溝(302)内に部分的にまたは完全に位置している、請求項1記載のバルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項4】
前記鉢形の溝(302)は外壁(303)を有しており、該外壁(303)は、前記固定ブロック(4)の前記中空の鉢形構造体内に部分的にまたは完全に位置している、請求項3記載のバルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項5】
前記ボールベアリング(2)は前記バルブヘッド(3)に密に取り付けられており、前記ガイドロッド(1)の軸方向で、前記ボールベアリングと前記バルブヘッドとの間に浮動ギャップはない、請求項1記載のバルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項6】
前記バルブヘッド(3)の前記底面は前記固定ブロック(4)に密に取り付けられており、前記ガイドロッド(1)の軸方向で、前記バルブヘッドの前記底面と前記固定ブロックとの間に浮動ギャップがない、請求項1記載のバルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項7】
前記ガイドロッド(1)の前記第1の端部部分(101)は、溶接または締まり嵌めによって前記固定ブロック(4)の前記第2の貫通孔(401)に固定的に接続されている、請求項1記載のバルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項8】
前記バルブヘッド(3)の前記底面には少なくとも1つの通気孔(304)が設けられている、請求項1記載のバルブコアアッセンブリ(100)。
【請求項9】
圧縮ガスバイパスバルブ(200)であって、該圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、請求項1から8までのいずれか1項記載のバルブコアアッセンブリ(100)を備え、前記圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、
前記ガイドロッド(1)に接続されているアーマチュア(5)と、
該アーマチュア(5)の外周上に嵌め込まれているスリーブ(8)と、
該スリーブ(8)を少なくとも部分的に取り囲むボビン(6)と、
前記ボビン(6)の周りに巻き付けられて配置されたコイル(7)と、
上方ステータ(9)および下方ステータ(10)と、
前記ガイドロッド(1)をガイドするための上方ベアリング(11)および下方ベアリング(12)と、
前記バルブヘッド(3)を付勢するための弾性的な構成要素(20)と、
をさらに備えることを特徴とする、圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項10】
前記アーマチュア(5)は、前記ガイドロッド(1)に締まり嵌めによって接続されている、請求項9記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項11】
前記上方ステータ(9)は前記上方ベアリング(11)に締まり嵌めによって接続されており、前記下方ステータ(10)は前記スリーブ(8)に締まり嵌めによって接続されている、請求項9記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項12】
前記上方ベアリング(11)と前記下方ベアリング(12)とはそれぞれ、前記アーマチュア(5)の2つの側に位置しており、前記ガイドロッドの第2の端部部分(102)は前記上方ベアリング(11)内に位置しており、前記上方ベアリング(11)は前記上方ステータ(9)に締まり嵌めによって接続されており、前記下方ステータ(10)は前記スリーブ(8)に締まり嵌めによって接続されている、請求項9記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項13】
前記弾性的な構成要素(20)は、前記スリーブ(8)の外面に部分的に巻き付けられ、かつ前記バルブヘッド(3)の内側に部分的に位置する圧縮ばねである、請求項9記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項14】
当該圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、前記コイル(7)を取り囲むシェル(13)と、該シェル(13)を取り囲む外側パッケージ部材(14)とをさらに備える、請求項9記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項15】
当該圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、前記バルブヘッド(3)を取り囲む保護シールド(15)をさらに備える、請求項14記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項16】
当該圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、前記外側パッケージ部材(14)と前記保護シールド(15)との間に位置するシールリング(16)をさらに備える、請求項15記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項17】
当該圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、前記保護シールド(15)と前記バルブヘッド(3)との間に位置するシールリング(17)をさらに備える、請求項15記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項18】
当該圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、電気的接続を提供するためのプラグコネクタ(18)をさらに備える、請求項9記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【請求項19】
当該圧縮ガスバイパスバルブ(200)は、パルスエネルギを吸収するための電子部品(19)をさらに備える、請求項9記載の圧縮ガスバイパスバルブ(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本装置は、自動車部品に関し、特にバルブコアアッセンブリおよびアッセンブリを有する圧縮ガスバイパスバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
ターボチャージャ技術は、エネルギ効率を向上させるために、昨今の自動車においてますます広い範囲で使用されている。ターボチャージャを備えたエンジンでは、排ガスが、ターボチャージャ内のタービンを駆動して、これによりタービンに接続されたエアコンプレッサが駆動されて流入空気を圧縮し、圧縮された空気はインタークーラを介してスロットルに達して、燃焼のためにエンジンのシリンダに入る。実際の使用では、エアコンプレッサに平行に接続された圧縮ガス逆流管路が、圧縮空気インタークーラの上流に設けられていてよく、圧縮ガス逆流管路内には圧縮ガスバイパスバルブが設けられている。圧縮ガスバイパスバルブが励磁されないと、圧縮ガス逆流管路は閉鎖状態であり、圧縮ガスバイパスバルブが励磁されると、圧縮ガス逆流管路は開放されるので、圧縮空気は圧縮ガスバイパスバルブを介してエアコンプレッサの入口端部へと戻ることができる。これにより、サージによる振動により生じるタービンブレードの損傷を防止することができ、また、圧縮ガスの逆流によりタービンを回転させ続けることもできるので、加速中のタービン遅れを低減し、スロットルを保護することができる。
【0003】
既存の圧縮ガスバイパスバルブでは、バルブヘッドの移動によるバルブの開閉を達成するために、バルブヘッドは一般に、認可された中国実用新案第203009035号明細書に記載された圧縮ガスバイパスバルブの設計のように浮動式にアーマチュアに直接接続されているか、またはガイド力を伝達するためにガイドロッドがバルブヘッドに締まり嵌めによって接続されている。バルブヘッドがアーマチュアにより直接動かされる上述したガイド形式は、アーマチュアの形状のような加工特徴部の比較的高い要求、および処理コストの増大という欠点を有している。さらに、ガイドロッドが、バルブヘッドと直接締まり嵌め接続されている場合は、顧客のバルブシートとバルブヘッド自体の寸法誤差により、バルブヘッド端部部分と顧客のバルブシートとの間の取り付けとシールとを完全に保証することはできないので、シール特性は劣ったものとなる。加えて、ガイドロッドの軸方向でバルブヘッドとガイドロッドとの間にギャップが存在する場合には、バルブヘッドは摩耗する傾向にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本装置の課題は、バルブヘッドと顧客のベースとの間のガス漏れ問題を解決し、比較的大きな軸方向のクリアランスによるバルブヘッドの摩耗の問題を解決するバルブコアアッセンブリおよびバルブコアアッセンブリを含む圧縮ガスバイパスバルブを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本装置は、バルブコアアッセンブリであって、ガイドロッド1と、ボールベアリング2と、バルブヘッド3であって、底面に第1の貫通孔301が設けられているバルブヘッド3と、固定ブロック4であって、中空の鉢形構造体であって、底面に第2の貫通孔401が設けられている固定ブロック4と、を備え、
ガイドロッド1の第1の端部部分101は、ボールベアリング2と、バルブヘッド3の第1の貫通孔301と、固定ブロック4の第2の貫通孔401とに順次挿入されており、ガイドロッド1の第1の端部部分101は、ボールベアリング2と、固定ブロック4の第2の貫通孔401とにそれぞれ固定的に接続されている、バルブコアアッセンブリを提供する。
【0006】
本装置はさらに、圧縮ガスバイパスバルブであって、上記実用新案により提供されるバルブコアアッセンブリを備え、圧縮ガスバイパスバルブは、
ガイドロッド1に接続されているアーマチュア5と、アーマチュア5の外周上に嵌め込まれているスリーブ8と、スリーブ8を少なくとも部分的に取り囲むボビン6と、ボビン6の周りに巻き付けられて配置されたコイル7と、上方ステータ9および下方ステータ10と、ガイドロッド1をガイドするための上方ベアリング11および下方ベアリング12と、バルブヘッド3を付勢するための弾性的な構成要素20と、をさらに備える、圧縮ガスバイパスバルブを提供する。
【0007】
先行技術と比較して、本装置のバルブコアアッセンブリおよび圧縮ガスバイパスバルブは以下のような利点を有している。バルブヘッドは、ガイドロッドの半径方向で浮動可能な特徴を有しているので、バルブヘッド端部部分と顧客のベースとの間に良好なガス密性を達成することができ、これによりガス漏れの状況が改善される。さらに、バルブコアアッセンブリおよび圧縮ガスバイパスバルブは、ガイドロッドの軸方向における構成要素間のギャップを減じるので、これにより作動中のバルブヘッドの摩耗は減少する。最後に、本装置は、バルブヘッドとガイドロッドとの間の接続強度を高めることもできる。
【0008】
添付の図面は、この説明の一部を構成しており、本実用新案のさらなる理解を提供するために利用され、本装置の例示した実施形態およびその説明は本実用新案を説明するために利用されるが、本実用新案を不適当に限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実用新案において説明されるバルブコアアッセンブリの分解斜視図である。
図2図1に示したバルブコアアッセンブリの概略的な斜視図である。
図3図1に示したバルブコアアッセンブリの分解平面図である。
図4図3に示したバルブコアアッセンブリの概略的な平面図である。
図5図4に示した部分Aの拡大概略図である。
図6図1図5に示したバルブコアアッセンブリを有する圧縮ガスバイパスバルブの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本装置によるバルブコアアッセンブリと、バルブコアアッセンブリを備えた圧縮ガスバイパスバルブを、添付の図面と実施形態につき以下に説明する。以下の説明では、当業者が本実用新案をより包括的に理解できるように、多くの具体的な詳細が記載されている。しかしながら、これらの特定の詳細のうちいくつかがなくても本装置が達成されることは当業者には明らかであろう。さらに、本装置は呈示された特別な実施態様に限定されないことを理解すべきである。むしろ、以下の特徴および要素のいかなる組み合わせも、異なる態様に含まれているかいないかに関わらず、本実用新案を実現するために利用できることが本明細書において想定されている。したがって、以下の態様、特徴、実施形態および利点は単なる例示であり、実用新案請求の範囲に明確に規定されていない限り、実用新案請求の範囲の要素または限定とみなすべきではない。
【0011】
実施形態1
図1は、本実用新案で説明されるバルブコアアッセンブリの分解斜視図であって、図2は、図1に示したバルブコアアッセンブリの概略的な斜視図である。図1および図2に示したように、本装置のバルブコアアッセンブリ100は主に4つの構成要素、すなわちガイドロッド1と、ボールベアリング2と、バルブヘッド3と、固定ブロック4とから成っている。
【0012】
図3は、図1に示したようなバルブコアアッセンブリの分解平面図であって、図4は、図3に示したようなバルブコアアッセンブリの概略的な平面図であり、図5は、図4に示した部分Aの拡大概略図である。図3に示したように、バルブヘッド3は、底面に第1の貫通孔301が設けられている構造体であり、固定ブロック4は、中空の鉢形構造体である。固定ブロック4の鉢形構造体には、底面に第2の貫通孔401が設けられており、ガイドロッドは第1の端部部分101と第2の端部部分102とを有している。上述したガイドロッド1と、ボールベアリング2と、バルブヘッド3と、固定ブロック4とは一緒にまとめられてバルブコアアッセンブリ100を形成する。ガイドロッド1の第1の端部部分101は、ボールベアリング2と、バルブヘッド3の第1の貫通孔301と、そして固定ブロック4の第2の貫通孔401とに順次挿入され、ガイドロッド1の第1の端部部分101は、図2および図4に示したように、ボールベアリング2と、固定ブロック4の第2の貫通孔401とにそれぞれ固定的に接続されている。次いで、外部の力(例えば、電磁力)の作用下で、ガイドロッド1は、ボールベアリング2と固定ブロック4との間にクランプされたバルブヘッド3の動きを駆動することができる。
【0013】
好適には、ガイドロッド1の第1の端部部分101は締まり嵌めによってボールベアリング2に接続されている。
【0014】
好適には、図3に示したように、バルブヘッド3の底面には鉢形の溝302が設けられており、この鉢形の溝302は第1の貫通孔301に連通されている。ボールベアリング2は部分的にまたは完全に鉢形の溝302内に位置しており、鉢形の溝302は、固定ブロック4の中空の鉢形構造体内に同じく部分的にまたは完全に位置する外壁303を有している。
【0015】
好適には、図4および図5に示したように、ボールベアリング2はバルブヘッド3に密に取り付けられており、ガイドロッド1の軸方向でこれらの間に浮動ギャップが生じることはない。したがって、バルブヘッド3の摩耗は、バルブコアアッセンブリ100の作動中に減じることができる。
【0016】
好適には、図4および図5に示したように、バルブヘッド3の底面は固定ブロック4に密に取り付けられており、ガイドロッド1の軸方向でこれらの間に浮動ギャップが生じることはない。したがって、バルブヘッド3の摩耗は、バルブコアアッセンブリ100の作動中にさらに減じることができる。
【0017】
実際に使用する場合は、バルブヘッド3の端部部分は、ガス密なシールを達成するように顧客により設けられたバルブシート(図示せず)に嵌め込まれている。顧客のバルブシートとバルブヘッド3自体は寸法誤差を有しているので、バルブヘッド3の端部部分と顧客のバルブシートとの間では良好な取り付けとシールとを完全に保証することはできない。したがって、寸法誤差による乏しいシール性を補償するために浮動式バルブヘッドの必要性がある。したがって好適には、図5に示したように、ガイドロッド1の半径方向でバルブヘッド3の第1の貫通孔301とガイドロッド1の第1の端部部分101との間には、環状の浮動ギャップ5が存在している。浮動ギャップ5の機能と作用は、ガイドロッド1の半径方向でバルブヘッドに浮動機能を持たせることができるようにすることであり、バルブヘッドは所定の角度範囲内で左右方向に浮動することができ、結果的により良好なシール作用が得られる。一方、ガイドロッド1の軸方向では構成要素間にもはや軸方向の浮動ギャップは配置されず、これにより作動中のバルブヘッド3の摩耗は減少する。
【0018】
好適には、図4および図5に示したように、ガイドロッド1の第1の端部部分101は、溶接または締まり嵌めによって固定ブロック4の第2の貫通孔401に固定的に接続されていてよい。
【0019】
さらに好適には、圧縮ガスバイパスバルブ(図1図5には示されていない)の実際の作動中に、バルブコアアッセンブリ100により発生させられる高圧または高真空を解消するために、バルブヘッド3は少なくとも1つの通気孔304を有していてよい。図1および図2に示したように、バルブヘッド3は8つの通気孔304を有している。
【0020】
実施形態2
図6には、図1図5に示した第1の実施形態のバルブコアアッセンブリ100を有する圧縮ガスバイパスバルブ200の断面図が示されている。
【0021】
図6および図1図5に示したように、圧縮ガスバイパスバルブ200は、ガイドロッド1と、ボールベアリング2と、バルブヘッド3と、固定ブロック4とを備えており、バルブヘッド3は、底面に第1の貫通孔301が設けられている構造体であり、固定ブロック4は、中空の鉢形構造体である。固定ブロック4の鉢形構造体には、底面に第2の貫通孔401が設けられており、ガイドロッドは第1の端部部分101と第2の端部部分102とを有している。上述したガイドロッド1と、ボールベアリング2と、バルブヘッド3と、固定ブロック4とは一緒にまとめられてバルブコアアッセンブリ100を形成する。ガイドロッド1の第1の端部部分101は、ボールベアリング2と、バルブヘッド3の第1の貫通孔301と、そして固定ブロック4の第2の貫通孔401とに順次挿入され、ガイドロッド1の第1の端部部分101は、図2および図4に示したように、ボールベアリング2と、固定ブロック4の第2の貫通孔401とにそれぞれ固定的に接続されている。次いで、外部の力(例えば、電磁力)の作用下で、ガイドロッド1は、ボールベアリング2と固定ブロック4との間にクランプされたバルブヘッド3の動きを駆動することができる。好適には、ガイドロッド1の第1の端部部分101は締まり嵌めによってボールベアリング2に接続されている。好適には、図3に示したように、バルブヘッド3の底面には鉢形の溝302が設けられており、この鉢形の溝302は第1の貫通孔301に連通されている。ボールベアリング2は部分的にまたは完全に鉢形の溝302内に位置しており、鉢形の溝302は、固定ブロック4の中空の鉢形構造体内に同じく部分的にまたは完全に位置する外壁303を有している。好適には、図4および図5に示したように、ボールベアリング2はバルブヘッド3に密に取り付けられており、ガイドロッド1の軸方向でこれらの間に浮動ギャップが生じることはない。したがって、バルブヘッド3の摩耗は、バルブコアアッセンブリ100の作動中に減じることができる。好適には、図4および図5に示したように、バルブヘッド3の底面は固定ブロック4に密に取り付けられており、ガイドロッド1の軸方向でこれらの間に浮動ギャップが生じることはない。したがって、バルブヘッド3の摩耗は、圧縮ガスバイパスバルブ200のバルブコアアッセンブリ100の作動中にさらに減じることができる。さらに、実際に使用する場合は、バルブヘッド3の端部部分は、ガス密なシールを達成するように顧客により設けられたバルブシート(図示せず)に嵌め込まれている。顧客のバルブシートとバルブヘッド3自体は寸法誤差を有しているので、バルブヘッド3の端部部分と顧客のバルブシートとの間では良好な取り付けとシールとを完全に保証することはできない。したがって、寸法誤差による乏しいシール性を補償するために浮動式バルブヘッドの必要性がある。したがって好適には、図5に示したように、ガイドロッド1の半径方向でバルブヘッド3の第1の貫通孔301とガイドロッド1の第1の端部部分101との間には、環状の浮動ギャップ5が存在している。浮動ギャップ5の機能と作用は、ガイドロッド1の半径方向でバルブヘッド3に浮動機能を持たせることができるようにすることであり、バルブヘッドは所定の角度範囲内で左右方向に浮動することができ、結果的により良好なシール作用が得られる。一方、ガイドロッド1の軸方向では構成要素間にもはや軸方向の浮動ギャップは配置されず、これにより作動中のバルブヘッド3の摩耗は減少する。好適には、図4および図5に示したように、ガイドロッド1の第1の端部部分101は、溶接または締まり嵌めによって固定ブロック4の第2の貫通孔401に固定的に接続されていてよい。さらに好適には、圧縮ガスバイパスバルブ(図1図5には示されていない)の実際の作動中に、バルブコアアッセンブリ100により発生させられる高圧または高真空を解消するために、バルブヘッド3は少なくとも1つの通気孔304を有していてよい。図1および図2に示したように、バルブヘッド3は8つの通気孔304を有している。
【0022】
上述した圧縮ガスバイパスバルブ200は、好適には締まり嵌めによってガイドロッド1に接続されているアーマチュア5と、このアーマチュア5の外周上に被せ嵌められたスリーブ8とをさらに備えている。スリーブ8は、透磁性の材料から成っており、圧縮ガスバイパスバルブ200の電磁力性能を向上させることができ、アーマチュア5がスリーブ8に接触しないようにすることができる。 上述した圧縮ガスバイパスバルブ200は、スリーブ8を少なくとも部分的に取り囲むボビン6であって、射出成形により形成することができるボビン6と、このボビン6の周りに巻き付けられて配置されたコイル7と、圧縮ガスバイパスバルブ200の磁力を増大させるための2つのステータ、すなわち、上方ステータ9と下方ステータ10とをさらに備えている。上方ステータ9はアーマチュア5の上方に設けられており、下方ステータ10は環状であって、スリーブ8を取り囲んで配置されている。上方ステータ9と下方ステータ10とは両方とも、透磁性材料から成っている。上述した圧縮ガスバイパスバルブ200はさらに、ガイドロッド1をガイドするための上方ベアリング11と下方ベアリング12とを有しており、ガイドロッド1は上方ベアリング11と下方ベアリング12との間で動く。このような構成は良好な摩耗耐性を有している。ベアリングによるガイドロッド1のガイドにより、バルブヘッド3およびアーマチュア5の移動におけるガイドは、例えばアーマチュア5を直接ガイドするためのスリーブを使用せずに達成されるので、アーマチュア5の表面を特別に処理する必要はなく、アーマチュアの表面品質に対する要求は減少し、ひいてはアーマチュアの処理コストも減少する。上述した圧縮ガスバイパスバルブ200は、バルブヘッド3を付勢するための弾性的な構成要素20をさらに備えている。弾性的な構成要素20は、スリーブ8の外面に部分的に巻き付けられ、かつバルブヘッド3の内側に部分的に位置する圧縮ばね、またはバイアスばねであってよい。
【0023】
好適には、上方ベアリング11と下方ベアリング12とを固定するために、上方ステータ9は上方ベアリング11に締まり嵌めによって接続されており、下方ステータ10はスリーブ8に締まり嵌めによって接続されている。
【0024】
好適には、上方ベアリング11と下方ベアリング12とはそれぞれ、アーマチュア5の2つの側に位置しており、ガイドロッドの第2の端部部分102は上方ベアリング11内に位置している。さらに、上方ベアリング11と下方ベアリング12とを固定するために、上方ベアリング11は上方ステータ9に締まり嵌めによって接続されており、下方ステータ10はスリーブ8に締まり嵌めによって接続されている。
【0025】
好適には、圧縮ガスバイパスバルブ200は、コイル7を取り囲むシェル13と、シェル13を取り囲む外側パッケージ部材14と、バルブヘッド3を取り囲む保護シールド15とをさらに備えている。シェル13は、磁力を高めるために透磁材料から成っており、シェル13とコイル7とは一緒に、完全に閉じたコイル構造を形成している。圧縮ガスバイパスバルブ200はさらに、外側パッケージ部材14と保護シールド15との間に位置するシールリング16と、保護シールド15とバルブヘッド3との間に位置するシールリング17とを有している。シールリング16はO字形リングであってよく、シールリング17はV字形リングであってよい。
【0026】
好適には、圧縮ガスバイパスバルブ200は、圧縮ガスバイパスバルブ200に動力を供給するために使用される電気的な接続部を提供するプラグコネクタ18をさらに備えている。
【0027】
好適には、圧縮ガスバイパスバルブ200はさらに、パルスエネルギを吸収するための電子部品19を備えているので、この電子部品19を設けることにより、圧縮ガスバイパスバルブ200の本体を、パルスのような外部電圧の急激な変化、ひいてはその結果としての損傷から保護することができる。さらに、電子部品19は、バルブ本体により発生させられるエネルギを吸収することができ、これにより顧客の電力供給端子に対する損傷に対して保護している。パルスエネルギを吸収するこのような電子部品は、当業者には公知の、ダイオードのような複数の電子部品から選択されてよく、これにより圧縮ガスバイパスバルブ200を市場の多様性に合致させることができ、これにより様々な顧客の要求に適合させることができる。
【0028】
本装置による圧縮ガスバイパスバルブ200の開閉のための操作モードは以下の通りである。圧縮ガスバイパスバルブ200への電力供給が絶たれると、重力と弾性的な構成要素20との作用下でバイパスバルブ200のバルブヘッド3は下方に向かって顧客のバルブシート(図示せず)へと押し付けられるので、ガス通路は閉じられる。圧縮ガスバイパスバルブ200にエネルギが供給されると、上方ステータ9と、下方ステータ10と、アーマチュア5とによって磁気的回路が形成される。コイル7により発生された電磁力の作用下で、ガイドロッド1はアーマチュア5によって上方に向かって駆動される。次いで、バルブヘッド3がガイドロッド1によって上方に向かって駆動され、これにより圧縮ガスバイパスバルブ200は開放されるので、ガス通路は開かれる。
【0029】
以上、本装置は、比較的好適な実施形態により開示されたが、本装置はこれに限定されるものではない。本実用新案の範囲と思想を逸脱することなく当業者により行われる様々な変更および改良は、本実用新案の保護範囲に含まれるべきであり、したがって、本装置の保護範囲は実用新案請求の範囲によって規定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6