【課題を解決するための手段】
【0004】
達成される1つの目的は、変換体層が半導体チップに均一に適用される、光電子デバイスを作成する方法を提供することから成る。達成される更なる目的は、均一な変換体層を有する光電子デバイスを提供することから成る。
【0005】
これらの目的は、特に、独立クレームの方法および主題によって達成される。有利な構成および更なる発展は、従属クレームの主題を構成する。
【0006】
少なくとも一実施形態によれば、光電子デバイスを作成する方法は、キャリアおよび複数の光電子半導体チップが提供される、ステップA)を含む。キャリアは、例えば、金属キャリアまたはガラスキャリアまたは半導体キャリアまたはプラスチックキャリアであってもよい。しかしながら、キャリアはまた、半導体チップが埋め込まれるポッティング材料であってもよい。
【0007】
各半導体チップは、外部電気接触のための接点要素を備える。接点要素は、半導体チップの接触面に配置される。半導体チップに外部で接触することが求められる全ての接点要素は、好ましくは、半導体チップの一方の面に、即ち接触面に配置される。特に、半導体チップの非実装状態では、接点要素は自由にアクセス可能である。例えば、接点要素は接触面から突出する。
【0008】
少なくとも一実施形態によれば、方法は、半導体チップがキャリア上で互いに横方向で隣接して適用される、ステップB)を含む。横方向とは、ここでは、キャリアの延長の主要方向によって決定される。半導体チップは、ここでは、それぞれの場合で、接触面がキャリアに面するようにして適用されるのが好ましい。適用後、接点要素は結果的にキャリアに覆われるのが好ましい。
【0009】
ステップB)で、接点要素は、特に好ましくは横方向で、即ちキャリアの延長の主要方向に平行な方向で、1つまたは複数の保護要素によって取り囲まれる。保護要素は、キャリアに適用されてもよく、ステップB)の前に既にキャリアの一部であってもよい。保護要素は、接点要素と直接接触するようにされるか、または半導体チップの適用後、接点要素から横方向で離間されてもよい。
【0010】
少なくとも一実施形態によれば、導電性層が、半導体チップのキャリアによって覆われない面の少なくとも部分領域に適用される、ステップC)を含む。例えば、キャリアによって隠されていない半導体チップの全ての面が、導電性層によって隠されるかまたは覆われる。しかしながら、別の方法として、各半導体チップの接触面とは反対側の放射面のみが、導電性層によって隠されてもよい。そのため、接触面の横断方向で延在する半導体チップの側面には、導電性層がないままである。放射面は、ここでは例えば、半導体チップの外側面、例えば主要面であり、動作中は、半導体チップ内で発生する放射の一部または大部分がその面を介して半導体チップの外で結合される。
【0011】
導電性層は、好ましくは、半導体チップの対応する面を完全および/または形状適合的に隠す。導電性層は、特に好ましくは、キャリア上または半導体チップ上に隣接(zusammenhangend)して、連続して、また中断されずに形成される。そのため、複数の半導体チップ上の導電性層は単一層である。特に、導電性層は、半導体チップ上に直接適用され、したがって半導体チップと直接接触する。この場合、半導体チップに予め適用される層はない。
【0012】
ステップC)の保護要素は、特に好ましくは、接点要素が導電性層と直接接触するのを防ぐ。したがって、保護要素は、導電性層を適用する際に、導電性層が接点要素までは達しないようにして、接点要素の周りに配置される。
【0013】
導電性層は、例えば、スパッタ法を用いて、または蒸着を用いて、または原子層蒸着(ALD)もしくは化学蒸着(DVD)、または物理蒸着(PVD)を用いて適用されてもよい。
【0014】
導電性層の厚さは、例えば、少なくとも20nmまたは100nmまたは300nmになる。
【0015】
別の方法として、またはそれに加えて、導電性層の厚さは、最大2μmまたは1μmまたは500nmである。導電性層の厚さは、ここでは、好ましくは、導電性層の全範囲に沿った最大または平均または最小厚さを意味するものと解釈される。
【0016】
少なくとも一実施形態によれば、ステップD)で、変換体層が導電性層上に電気泳動によって蒸着され、特に、導電性層上に直接および/または形状適合的に蒸着される。変換体層は、正常動作では、半導体チップによって放出される放射の少なくとも一部を別の波長範囲の放射へと変換するように設計される。
【0017】
動作の際、半導体チップは、例えば、400nm〜800nmの可視光、または200nm〜400nmのUV領域の光を放出する。変換体層は、半導体チップによって放出された放射を、例えば、赤色および/または黄色および/または緑色および/または青色光などの可視光に変換する。特に、変換体層は、半導体チップによって放出される放射を完全に変換することに想到できる。
【0018】
変換体層の電気泳動蒸着のため、例えば、半導体チップを含むキャリアは、例えば有機溶媒および変換体粒子と組み合わされた、電気泳動浴に浸漬される。電圧を電気泳動浴に印加することによって、蒸着される変換体粒子は導電性層へと移動し、そこで蒸着される。変換体層は、好ましくは導電性層と直接接触しており、このようにして形成される。
【0019】
特に、電気泳動法によって蒸着される変換体層は、導電性層上に隣接して、連続して、また中断されずに形成される。したがって、変換体層は、同様に、キャリアによって隠されていない半導体チップの全ての面を部分的または完全に覆ってもよい。
【0020】
変換体層の変換体粒子に適した材料の例は、(Y,Lu,Gd,Tb)
3(Al
1−x,Ga
x)
5O
12:Ce
3+などのガーネット、(Ca,Ba,Sr)
2Si
5N
8:Eu
2+などのドープされた窒化シリコン、または(Ca,Sr)AlSiN
3:Eu
2+もしくはSr(Ca,Sr)Si
2Al
2N
6:Eu
2+もしくは(Sr,Ca)AlSiN
3*Si
2N
2O:Eu
2+もしくは(Ca,Sr)Al
(1-4x/3)Si
(1+x)N
3:Ce(X=0.2〜0.5)などのドープされた窒化シリコンアルミニウム、または(Ba、Sr,Ca)Si
2O
2N
2:Eu
2+もしくはAE
2−x−aRE
xEu
aSi
1−yO
4−x−2yN
xもしくはAE
2−x−aRE
xEu
aSi
1−yO
4−x−2yN
yなどのシリコン窒素酸化物、または(Ba,Sr,Ca)
2SiO
4:Eu
2+もしくはCa
8Mg(SiO
4)
4Cl
2:Eu
2+などのドープされた酸化シリコンであり、ここで、AEはアルカリ土類金属、REは希土類金属である。
【0021】
変換体粒子は、例えば、少なくとも100nmまたは1μmまたは10μmの粒径を有する。別の方法として、またはそれに加えて、粒径は最大50μmまたは20μmまたは1μmである。
【0022】
変換体層に加えて、例えば、光散乱および/または着色色素材料を含む更なる層を、導電性層上に蒸着させること、特に電気泳動法で蒸着させることも可能である。光散乱および/または着色色素の材料はまた、共通の電気泳動プロセスで変換体粒子と一緒に蒸着されてもよい。
【0023】
合計厚さ70μm以下の薄層スタックが、電気泳動蒸着によって蒸着されてもよい。別の変換性質を有する更なる層が、ここで、変換体層上に蒸着されて、異なる機能を有する空間的に別個の層をもたらしてもよい。例えば、より短い波長範囲の電磁放射を放出する更なる変換体層は、赤色波長範囲の電磁放射を放出する変換体層の下流側に配置されてもよい。これにより、有利には、赤色波長範囲の放射が下流の層で吸収されるリスクが低減される。これにより、光電子デバイスの効率および熱放散が改善される。
【0024】
少なくとも一実施形態によれば、導電性層は、ステップE)で、変換体層と半導体チップとの間の領域から除去される。除去は、例えば、プロトン反応物および/または溶媒を用いて進行してもよい。結果として、変換体層の下方にある導電性層が構造的に修正され、ならびに/または溶解する。特に、導電性層の溶解または構造的修正により、半導体チップから出る電磁放射の少なくとも90%または95%または99%が変換体層に達することが担保される。除去によって、好ましくは、導電性層の以前はあった放射吸収効果が低減または排除される。
【0025】
本方法を使用して作成された各光電子デバイスは、例えば、変換体層が上に適用された半導体チップ1つを備える。
【0026】
少なくとも一実施形態では、光電子デバイスを作成する方法は、キャリアおよび複数の光電子半導体チップが提供され、各半導体チップが、外部電気接触のために半導体チップの接触面上に配置された接点要素を有する、ステップA)を含む。ステップB)で、半導体チップがキャリア上で互いに横方向で隣接して適用され、接触面が適用時のキャリアに面する。ステップC)で、導電体層が隣接して形成されている場合、導電性層は、半導体チップのキャリアによって覆われない面の少なくとも部分領域に適用される。ステップD)で、変換体層は電気泳動で導電性層上に蒸着され、適正な動作では、変換体層は、半導体チップによって放出される放射の少なくとも一部を別の波長範囲の放射へと変換するように設計される。導電性層は、ステップE)で、変換体層と半導体チップとの間の領域から除去される。
【0027】
ここに記載する本発明は、特に、電気泳動法を用いて、半導体チップを薄い変換体層の形態の変換体要素で覆うという概念に基づく。薄い変換体層により、厚い変換体要素を有するデバイスと比較して、完成したデバイスの熱的特性が改善される。特に、半導体チップまたは変換体要素に施される加熱は過酷ではなく、それによって、変換体要素の退色および割れ、または色座標のシフトもしくは効率の低下など、一般的な熱的効果が低減されてもよい。更に、薄い変換体層は、例えば厚い変換体ポッティング化合物よりも、裏面に向かって、例えば接続キャリアに向かって放出される放射が少ないという利点を有する。
【0028】
少なくとも一実施形態によれば、ステップA)〜E)は、提示した順序で連続して、ならびに/または相互に独立して、ならびに/または別個のステップで実施される。
【0029】
少なくとも一実施形態によれば、ボンディング層がキャリアに適用される。ステップB)の適用中、接点要素は、例えば、ボンディング層に深く圧入されて、ステップC)において接点要素が導電性層で覆われないように、したがって短絡のリスクから保護される。接点要素は、この目的のため、例えば、ボンディング層に完全に圧入される。したがって、ボンディング層は、好ましくは変形可能および/または弾性である。本例では、例えば、1つ以上の保護要素が次にボンディング層によって形成される。
【0030】
特に、ボンディング層は、キャリアに沿って連続し隣接して延在し、半導体チップ同士の間、または半導体チップの領域では中断がない。ボンディング層は、例えば、少なくとも2μmまたは5μmまたは10μmの厚さを有する。別の方法として、またはそれに加えて、ボンディング層は、最大30μmまたは20μmまたは15μmの厚さを有する。
【0031】
少なくとも一実施形態によれば、ボンディング層は、熱可塑性材料を含むか、またはそれから成る。熱可塑材は、特に、特定の温度範囲で変形させることができるプラスチックである。したがって、半導体チップをキャリアに適用するために、ボンディング層は、好ましくは、接点要素をボンディング層に圧入することが可能な適切な温度に調節されてもよい。発明者らは、例えば熱可塑性材料で作られたボンディング層も、特に湿式化学プロセスから、接点要素を特に良好に保護することを発見している。
【0032】
少なくとも一実施形態によれば、半導体チップは、例えばボンディング層またはキャリアを適切に加熱することによって、ステップE)の後にキャリアから分離される。変換体層を有する半導体チップは、キャリアから分離する前または後で個別化されてもよい。個々の光電子デバイスはこの方法で作成される。半導体チップ接点要素は、好ましくは覆われず、完成したデバイスにおいて自由にアクセス可能である。
【0033】
特に、キャリアからの分離および個別化の後、デバイスは、更なるポッティング材料がなくても、機械的に自己支持性および堅牢である。光電子デバイスの寸法は、好ましくは半導体チップの寸法に適合され、即ち、その横方向および/または垂直方向の寸法は、半導体チップの対応する寸法よりも10%または5%未満逸脱する。
【0034】
少なくとも一実施形態によれば、ステップC)またはD)の後、導電性層および/または変換体層は、少なくとも90%もしくは95%もしくは99%または完全に、キャリアによって覆われていない半導体チップの面を隠す。
【0035】
少なくとも一実施形態によれば、キャリアは、半導体チップが埋め込まれたポッティング材料である。この例では、キャリアおよび半導体チップが提供されるステップA)は、半導体チップがキャリア上に配置されるステップB)と同時である。ポッティング材料は、例えば、ポリマーもしくはアクリレートもしくはOrmocerもしくはエポキシ樹脂もしくはフォトレジスト、もしくは白色プラスチックなどのプラスチックを含むか、またはそれから成る。例えば、二酸化チタン粒子が組み込まれたシリコーンまたは樹脂が、ここでは可能である。そのため、ポッティング材料は、続いて半導体チップから分離されず、したがって完成した光電子デバイスの一部である。
【0036】
少なくとも一実施形態によれば、ステップA)およびB)の後、半導体チップは、接触面がキャリアによって完全に覆われるようにして、ポッティング材料に埋め込まれる。接触面を横断して延在する半導体チップの側面は、ポッティング材料によって部分的にまたは完全に覆われる。各半導体チップの接触面とは反対側の放射面には、ポッティング材料が部分的にまたは全くない。そのため、特に、半導体チップおよびポッティング材料は、放射面上で互いに同一面で終端する。
【0037】
キャリアまたはポッティング材料への半導体チップの埋込みは、例えば、最初に、放射面が補助キャリアの方に面するようにして、半導体チップを補助キャリア上に配置することによって進んでもよい。次に、半導体チップの上にポッティング材料を注入し、完全に封止する。補助キャリアを分離した後は、例えば、放射面は覆われていない。
【0038】
少なくとも一実施形態によれば、ポッティング材料および半導体チップのアセンブリは、ステップA)およびB)の後は自己支持性である。これは、特に、アセンブリが、更なる任意のキャリアがなくても機械的に安定していることを意味する。これを達成するには、先行するポッティング材料の硬化プロセスが必要なことがある。
【0039】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、穴がポッティング材料に導入され、ポッティング材料によってそれまで隠されていた接点要素に、それらの穴を通して電気的に接触することができる。
【0040】
本例では、ポッティング材料は、例えば、接点要素の周りに保護要素を形成する。
【0041】
少なくとも一実施形態によれば、ステップC)の前に、ポッティング化合物が半導体チップの間に導入される。特に、2つの隣接した半導体チップ間に位置する空間がポッティング化合物で充填される。空間が充填される前は、キャリアはその中で覆われていなくてもよい。ポッティング化合物は、例えば、上述したようなポッティング材料であり、それによって空間が部分的または完全に充填されてもよい。ポッティング化合物は、ここでは、少なくともそれぞれの場合において、半導体チップの側面の1つまたは全てがそれぞれ部分的に、例えば少なくとも90%もしくは95%の範囲まで、または完全に、ポッティング化合物によって覆われるか封止されるようにして、好ましくは半導体チップの周りに配置される。半導体チップの放射面は、ここでは、それぞれの場合において、部分的または完全にポッティング化合物がないままである。
【0042】
少なくとも一実施形態によれば、ステップC)で、導電性層はまた、半導体チップ間に位置するポッティング化合物上に適用される。そのため、導電性層はまた、ステップE)で、変換体層とポッティング化合物との間の領域から除去される。
【0043】
少なくとも一実施形態によれば、導電性層は、ステップE)で、湿式化学プロセスを用いて除去される。
【0044】
少なくとも一実施形態によれば、導電性層は、少なくとも1つの金属もしくは合金を含むか、またはそれから成る。可能な金属は、例えば、Al、Ag、Au、Ti、Pt、Li、Na、Ka、Ru、Cs、Be、Ca、Mg、Sr、Ba、Sc、Si、Ga、Snである。しかしながら、導電性層が、ITOもしくはZnOなどの透明導電性材料を含むか、またはそれから成ることも可能である。
【0045】
少なくとも一実施形態によれば、導電性層の金属は、ステップE)で、化学反応によって金属の塩に部分的または完全に変換される。この目的のため、導電性層は、例えば、プロトン反応物と接触させられ、次に溶媒を用いて洗浄されてもよい。かかる方法は、例えば、特許文献1によって知られている。
【0046】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、変換体層中の塩のモル分率は少なくとも0.001%または0.01%または0.1%である。別の方法として、またはそれに加えて、塩のモル分率は最大2%、または最大1%もしくは0.5%となる。塩は、ここでは実際に、変換体層内で分配され、ならびに/または変換体層の下方に別個の層を形成してもよい。後者の場合、この別個の層は、例えば変換体層の一部であるものと見なされる。
【0047】
少なくとも一実施形態によれば、ステップD)の蒸着プロセスの後、変換体層は均一な層厚を有し、厚さの変動は最大で平均層厚の20%または10%または5%または3%または1%である。平均層厚は、例えば、変換体層の全域に沿って決定される。かかる均一な層厚により、半導体チップの放射出口面全体に沿った色の配置の特に高い均一性を達成することが可能になる。
【0048】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、変換体層の層厚は最大70μmまたは50μmまたは30μmとなる。別の方法として、またはそれに加えて、ステップE)の後、層厚は少なくとも10μmまたは20μmまたは30μmとなる。層厚は、ここでは、例えば、変換体層の最大または平均層厚を意味するものと解釈される。
【0049】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、変換体層は、半導体チップ上で連続して、隣接して、また中断されずに延在する。特に、半導体チップの任意の個別化プロセス後であっても、変換体層は、各個々の半導体チップ上で連続して、隣接した、また中断されずに形成される。
【0050】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層は変換体粒子の粉末から形成される。したがって、変換体層は、シリコーンまたは樹脂など、個々の変換体粒子を互いに結合する結合剤を含まない。変換体層中の変換体粒子のモル分率は、好ましくは、少なくとも90%または95%または99%である。変換体層自体は、例えば、多孔質および/または易砕性(crumbly)および/または脆弱性および/または機械的に不安定である。特に、変換体層はセラミックではなく、ならびに/または焼結されない。変換体層は、例えば、寸法的に安定した形で、ファンデルワールス力によって半導体チップ上で少なくとも一時的に保持されてもよい。
【0051】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、変換体層は、例えば形状適合的に封止部層で取り囲まれる。封止部層は、変換体層と直接接触してもよく、好ましくは、その後に変換体層が半導体チップから剥落または破砕または分離するのを防ぐ。これは、変換体層が好ましくは変換体粒子の粉末から成るという理由で、特に有利である。封止部層は、例えば、シリコーンもしくはパリレンもしくは樹脂を含むか、またはそれから成る。変換体層上の封止部層の層厚は、例えば、少なくとも100nmまたは500nmまたは1μmとなる。別の方法として、またはそれに加えて、封止部層の層厚は、最大500μmまたは300μmまたは100μmである。特に、封止部層はまた、ポッティング化合物であってもよく、例えば、変換体層を有する半導体チップに適用される、シリコーンポッティング化合物である。
【0052】
しかしながら、更に、薄い固定層を封止部層と変換体層との間に配置して、変換体粒子または変換体層を半導体チップに固定することも可能である。固定層は、例えばポリマーベースであり、100nm〜1μmの厚さを有する。
【0053】
少なくとも一実施形態によれば、封止部層は、透明材料を含むか、またはそれから成る。特に、透明材料は、半導体チップおよび/または変換体要素によって放出される放射に対して、少なくとも80%または90%または95%透過性である。
【0054】
少なくとも一実施形態によれば、ステップE)の後、封止部層は、完成したデバイスにおいて、パターニングされた封止部層が、それぞれの半導体チップによって放出される放射に対するレンズとして作用するようにしてパターニングされる。特に、封止部層は、例えば、半導体チップおよびキャリア全ての上に、例えばポッティング化合物として、同時に適用されてもよい。次に、封止部層はやはり、半導体チップの間の領域で除去されてもよく、例えば、個々の半導体チップの上の個々のレンズの形に形成されてもよい。しかしながら、別の方法として、封止部層を通して半導体チップを個別化し、その後でのみ、例えば封止部層の縁部を研削することによって、結果として得られるデバイスそれぞれの封止部層をパターニングすることも可能である。
【0055】
少なくとも一実施形態によれば、キャリアはプリント回路基板であり、そこに、ステップBで、半導体チップを電気的に接続し、恒久的に機械的に締結することができる。かかるプリント回路基板がキャリアとして使用される場合、キャリアは、好ましくは、半導体チップ上に留まり、したがって、ステップE)によって半導体チップから分離されない。プリント回路基板は、例えば、アクティブマトリックス要素であり、それを用いて、個々の半導体チップを独立して、また相互に独立して駆動することができる。
【0056】
少なくとも一実施形態によれば、例えば、湿式化学プロセスに耐性があるプラスチック材料から作られた保護フレームが、各半導体チップに対してキャリアに適用される。そのため、ステップB)における適用の間、半導体チップは、好ましくは、接点要素が対応する保護フレームによって部分的または完全に取り囲まれるようにして、キャリア上に配置される。特に、保護フレームは、ステップC)で、接点要素が導電性層で覆われるのを防ぐべきである。したがって、保護フレームは、特に、上述の保護要素を形成する。
【0057】
少なくとも一実施形態によれば、半導体チップは、成長基板と成長基板上に成長した半導体積層体とを備えた「ボリュームエミッタ」である。成長基板は、ここでは、半導体チップの安定化構成要素を同時に形成するので、それ以上の安定化手段は不要である。成長基板は、例えば、サファイアもしくはシリコンもしくはゲルマニウムもしくはSiCもしくはGaNを含むか、またはそれから成ってもよい。半導体積層体は、例えば、III−V族化合物半導体材料、特にAlInGaNまたはAlGaAsベースである。半導体積層体は、好ましくは更に、少なくとも1つのpn接合部および/または量子井戸構造を含む能動層を備える。
【0058】
少なくとも一実施形態によれば、接点要素は、半導体積層体の成長基板から遠い面に配置される。したがって、半導体チップは、「フリップチップ」、特にサファイアフリップチップであってもよい。
【0059】
少なくとも一実施形態によれば、半導体チップは、それぞれの場合において薄膜半導体チップであり、基板上に適用された半導体チップおよび半導体積層体を基板が安定化させる。基板は、ここでは、半導体積層体の成長基板とは異なり、成長基板は除去される。基板自体は、例えば、単独で半導体チップの安定化構成要素を形成し、安定化に寄与する、または寄与するのに必要な成長基板の残留物はない。接点要素は、この場合、好ましくは、基板の半導体積層体から遠い側に適用される。
【0060】
表面実装可能な光電子デバイスも提供される。特に、光電子デバイスは、上述の方法を使用して作成されてもよい。換言すれば、デバイスに関連して開示する全ての特徴は方法に対しても開示され、その逆もまた真である。
【0061】
少なくとも一実施形態によれば、表面実装可能な光電子デバイスは、デバイスの外部電気接触のための覆われていない接点要素を有する光電子半導体チップを備える。接点要素は、ここでは、半導体チップの共通の接触面上に配置される。
【0062】
少なくとも一実施形態によれば、連続して、隣接して、また中断されずに形成された変換体層が、半導体チップの接触面とは反対側の放射面に適用される。しかしながら、それに加えて、変換体層はまた、連続して、隣接して、また中断されずに延在して、接触面を横断して延在する半導体チップの側面に、特に全ての側面に適用されてもよい。そのため、半導体チップの放射面および/または側面は、少なくとも90%の範囲まで変換体層によって隠される。例えば、変換体層は、ここでは半導体チップと直接接触している。
【0063】
少なくとも一実施形態によれば、封止部層は変換体層に適用され、変換体層を完全に覆い、封入する。特に、封止部層は、変換体層を形状適合的に取り囲み、ならびに/または変換体層と直接接触している。
【0064】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層は、デバイスの正常動作では、半導体チップによって放出される放射の少なくとも一部を別の波長範囲の放射へと変換するように設計される。
【0065】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層は、半導体チップ上におけるその横方向全範囲に沿って均一な層厚を有し、厚さの変動は最大で平均層厚の5%である。
【0066】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層の層厚は最大70μmである。
【0067】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層は、封止部層によって半導体チップ上で保持される変換体粒子の粉末である。
【0068】
少なくとも一実施形態によれば、半導体チップはポッティング材料に埋め込まれる。ポッティング材料は、ここでは、接触面を横断して延在する半導体チップの側面全てを部分的にまたは完全に覆う。ポッティング材料は、好ましくは、半導体チップの周りで隣接して、連続して、また中断されずに延在する。そのため、半導体チップの側面は、変換体層によって最大で部分的に隠されるか、または全く隠されない。ポッティング材料は、半導体チップの側面と直接接触していてもよい。
【0069】
側面上におけるポッティング材料の厚さは、例えば、少なくとも1μmまたは少なくとも5μmまたは少なくとも10μmとなる。別の方法として、またはそれに加えて、ポッティング材料の厚さは、最大100μmまたは最大50μmまたは最大10μmとなる。
【0070】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層はポッティング材料上の適所に配置され、接触面に対して横方向で平行であり、ポッティング材料と同一面で終端する。換言すれば、デバイスの放射面上の平面図では、変換体層は、半導体チップおよび半導体チップの周りに延在するポッティング材料を相合して隠す。
【0071】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層は、接触面に平行な横方向でポッティング材料によって取り囲まれ、特に完全に取り囲まれる。それにより、変換体層は、ポッティング材料に埋め込まれ、例えば、放射面から離れた面上でのみ覆われない。この場合、ポッティング材料および変換体層は、放射面から離れる方向で互いに同一面で終端する。
【0072】
少なくとも一実施形態によれば、変換体層は、金属の塩を含み、変換体層中におけるそのモル分率は0.001%〜2%となる。
【0073】
少なくとも一実施形態によれば、封止部層は、透明シリコーンのポッティング化合物である。シリコーンポッティング化合物は、例えば、100μm〜500μmの層厚を有する。シリコーンポッティング化合物は、更に、デバイスの接触面から遠い面に斜角縁部を備えるのが好ましい。斜角縁部は、ここでは、例えば半導体チップによって放出された光のレンズとして作用してもよい。
【0074】
ここに記載する光電子デバイスを作成する方法、およびここに記載する表面実装可能な光電子デバイスについて、例示的な実施形態に基づいて図面を参照して以下で更に詳細に説明する。個々の図面において同じである要素は、同じ参照番号を用いて示される。要素間の関係は縮尺通りには図示されておらず、理解を助けるため、個々の要素は強調して大きく示されることがある。