特許第6671395号(P6671395)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671395
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】テーパー形状駆動バー装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 21/18 20060101AFI20200316BHJP
   B65G 15/02 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   B65G21/18
   B65G15/02
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-559453(P2017-559453)
(86)(22)【出願日】2016年5月9日
(65)【公表番号】特表2018-518432(P2018-518432A)
(43)【公表日】2018年7月12日
(86)【国際出願番号】CA2016050533
(87)【国際公開番号】WO2016179697
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2019年2月21日
(31)【優先権主張番号】62/158,992
(32)【優先日】2015年5月8日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517390867
【氏名又は名称】エフ・ピー・エス フード プロセス ソリューションズ コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FPS FOOD PROCESS SOLUTIONS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン,キン フン ジェフリー
【審査官】 土田 嘉一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2013−530906(JP,A)
【文献】 特表2015−514047(JP,A)
【文献】 特表2013−503801(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0090560(US,A1)
【文献】 特開平02−052813(JP,A)
【文献】 特開平08−108912(JP,A)
【文献】 特開平10−111063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 21/18
B65G 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋型コンベアシステムで使用するための駆動バー装置であって、
前記螺旋型コンベアシステムの中心ドラムに設置されるように構成された少なくともひとつのテーパー形状駆動バーを備え、
前記少なくともひとつのテーパー形状駆動バーの各々が、
コンベアベルトから伸長する突起に、前記中心ドラムによって、前記少なくともひとつのテーパー形状駆動バーの第1側面または第2側面に対して係合することを強制するための円錐外側面を有するテーパー先端と、
前記テーパー先端から伸長するバー部分であって、前記コンベアベルトが前記中心ドラムを上方に移動するに従い、前記バー部分が前記突起との係合を徐々に増加するように前記テーパー先端から増加する可変高さを有する、バー部分と、
を有する、ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記バー部分は、前記コンベアベルトから伸長する前記突起と前記バー部分との増加する係合のための複数のステップを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記複数のステップは、
前記テーパー先端から伸長し、第1の高さを有する第1のステップと、
前記第1のステップから伸長し、前記第1の高さより高い第2の高さを有する第2のステップとを有することを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のステップの前記第1の高さは、前記コンベアベルトが前記中心ドラムの接線方向の領域において前記中心ドラムと係合するに従い、前記バー部分と前記突起との間の衝突を回避する、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1のステップは、前記少なくともひとつの駆動部材の前記第1側面または前記第2側面に対して、ラグをさらに強制するための曲面を有する、ことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のステップは、さらに、前記第1のステップおよび前記第2のステップを結合するテーパーステップを含むことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項7】
前記第1のステップは、前記コンベアベルトの第1レイヤーと係合するように構成され、前記第2のステップは前記コンベアベルトの第2のレイヤーと係合するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項8】
前記少なくともひとつのテーパー形状駆動バーは、前記少なくともひとつのテーパー形状駆動バーの各々の前記テーパー先端が、前記中心ドラムの下端から離隔されるように、前記中心ドラムに設置されて構成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記中心ドラムに設置されるように構成された前記少なくともひとつのテーパー形状駆動バーは、前記中心ドラムのそれぞれのフレーム部材に設置されるように構成された複数のテーパー形状駆動バーを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
その上に設置された前記複数のテーパー形状駆動バーのひとつを有するフレーム部材の各々は、前記中心ドラムの周縁の周りでその上に設置された前記複数のテーパー形状駆動バーの他のひとつを有する隣接するフレーム部材から均一の距離だけ離隔されている、ことを特徴とする請求項9に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、螺旋型コンベアシステムで使用するための駆動バー装置に関連する。
【背景技術】
【0002】
現在、上方または下方のいずれかの方向に、ベルトを移動させるための駆動力として中心ドラムを利用する螺旋型コンベアシステムは、ベルトの内側エッジから伸長する突起に中心ドラムを係合させ、かつ、移動方向にコンベアベルトを押すために駆動バーを利用する。このひとつの例は、ここに参考文献として組み込む、2012年5月22日に発行された“Positive-Drive Spiral Conveyor”と題する米国特許第8,181,771号に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、駆動バーの現在のデザインは、ベルトが駆動バーと正しく係合せず、それにより、中心ドラムと不適切な係合を生じさせるという多くの問題を有している。付加的に、駆動バーの現在のデザインは、ボルトまたはそれに類似の手段を使って金属の中心ドラムに取り付けられたプラスチック製の駆動バーを使用しており、それが、バクテリアまたは他の汚染物質の温床となる確率を増加させる、多くのキャッチポイントを導入する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
ひとつの態様において、螺旋型コンベアシステムで使用するための駆動バー装置が与えられる。当該駆動バー装置は、螺旋型コンベアシステムの中心ドラムに設置されるように構成された少なくともひとつのテーパー形状駆動バーを有する。少なくともひとつのテーパー形状駆動バーの各々は、コンベアベルトから伸長する突起に、少なくともひとつのテーパー形状駆動バーの第1側面または第2側面に対して、中心ドラムによって係合するよう強制する円錐外側面を含むテーパー先端を有する。少なくともひとつのテーパー形状駆動バーの各々は、さらに、テーパー先端から伸長するバー部分であって、コンベアベルトが中心ドラムを上昇するに従い、該バー部分が突起との係合を徐々に増加可能となるように、テーパー先端から増加する可変高さを含むバー部分を有する。
【0005】
これに関して、本開示のシステムの少なくともひとつの実施形態を詳細に説明する前に、以下の詳細な説明または図面に記載したコンポーネントの構造の詳細および配置に本願のシステムは制限されないことを理解するべきである。本願のシステムは、他の実施形態も可能であり、さまざまな方法で実施および実行可能である。また、本明細書で使用する専門用語および表現は、説明のためのものに過ぎず、限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、実施形態に従う螺旋型コンベアシステムの斜視図である。
図2図2は、概して垂直方向の複数のフレーム部材を有する図1の螺旋型コンベアシステムの中心ドラムの斜視図である。
図3A図3Aは、図2の複数のフレーム部材のひとつに設置されたテーパー形状駆動バーの下側部分の側面図である。
図3B図3Bは、図2の複数のフレーム部材のひとつに設置されたテーパー形状駆動バーの下側部分の正面図である。
図3C図3Cは、図2の複数のフレーム部材のひとつに設置されたテーパー形状駆動バーの下側部分の斜視図である。
図4図4は、図2の複数のフレーム部材のひとつに設置された図3A〜3Cのテーパー形状駆動バーの下側部分の側面斜視図である。
図5図5は、図2の複数のフレーム部材の対応する各々に設置された図3A〜3Cのテーパー形状駆動バーの下側部分の正面図であり、さらに、図1の螺旋型コンベアシステムのコンベアベルトを含む。
図6A図6Aは、線6A〜6Aで取られた図5のテーパー形状駆動バー、フレーム部材、および、コンベアベルトの断面図である。
図6B図6Bは、移動後の位置の、図6Aのテーパー形状駆動バー、ひとつのフレーム部材、および、コンベアベルトの拡大図である。
図7A図7Aは、図6Aのコンベアベルトの突起に係合しようとする、図6Aのテーパー形状駆動バーの部分の平面図である。
図7B図7Bは、移動後の位置の、図7Aのテーパー形状駆動バーおよびコンベアベルトの平面図である。
図7C図7Cは、移動後の位置の、図7Bのテーパー形状駆動バーおよびコンベアベルトの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上述したように、本開示は、コンベアシステムで使用するための駆動バー装置に関し、特に、中心ドラムの上下のいずれかにコンベアベルトを移動するための駆動力として、中心ドラムを利用する螺旋型コンベアシステムに関連する。
【0008】
図1を参照して、実施形態に従う螺旋型コンベアシステムが符号10で示されている。この例示的実施形態において、螺旋型コンベアシステム10は、中心ドラム12、ベース14、コンベアベルト16、および外枠18を有する。
【0009】
図1および2を参照して、中心ドラム12は、上端22、下端24(図2に示す)および周縁26を有する円筒形のドラムまたはケージである。中心ドラム12は、上端22と下端24との間に伸長し、かつ、周縁26の周りで均一に離隔された複数の平行な垂直方向のフレーム部材28を有する。少なくともいくつかのフレーム部材28は、その上に設置されたテーパー形状駆動バー30(図2に示す)を有する。図示した実施形態において、その上に設置されたテーパー形状駆動バー30のひとつを有する各フレーム部材28は、その上に設置されたテーパー形状駆動バー30の他のひとつを有する隣接フレーム部材28から等間隔で離隔され、テーパー形状駆動バー30もまた周縁26の周りに等間隔に配置されている。
【0010】
図3A図3Cおよび図4を参照して、対応するフレーム部材28上に設置されたテーパー形状駆動バー30の底部、および、中心ドラム12の隣接する下端24が詳細に示されている。テーパー形状駆動バー30は、例えば、溶接によってフレーム部材28に取り付けられてよい。しかし、テーパー形状駆動バー30は、キャッチポイントを除去するために他の方法でフレーム部材28に取り付けられてもよいことが理解できよう。例えば、テーパー形状駆動バー30は、フレーム部材28が鋳造、または、固体金属塊から機械加工される場合、フレーム部材28に一体的に形成されてもよい。キャッチポイントを除去するそれ以外の取り付け手段もまた可能である。
【0011】
図示する実施形態において、各テーパー形状駆動バー30は、例えば、ステンレススチールのような金属の連続片により形成される。テーパー形状駆動バー30の連続構造および金属構造は、キャッチポイントの数を減少させ、かつ、テーパー形状駆動バー30がハイレベルの衛生状態(例えば、フードプロセッシング)を要求する螺旋型コンベアシステムとともに使用されまたは取り付けられるときに、バクテリアまたは他の汚染物質の温床となる可能性を減少させる。
【0012】
テーパー形状駆動バー30は、テーパー先端100、バー部分102、第1側面104、および、第2側面106を有する。テーパー先端100は、円錐外側面108(図4に示す)およびポイント110でフレーム部材28の実質的レベルまで減少するテーパー先端高さを有する。ポイント110が距離112だけ中心ドラムの下端24から離隔されるように、テーパー形状駆動バー30は、フレーム部材28上に設置される(図3Aおよび3Bに示す)。
【0013】
バー部分102は、テーパー先端100から伸長し、テーパー先端100から離れて増加する可変高さを有する。例えば、バー部分102は、複数の異なる高さのステップを有する。図示した実施形態において、バー部分102は、第1の高さHを有する第1ステップ114、テーパー高さを有するテーパーステップ116、および、第1の高さよりも高い第2の高さHを含む第2ステップ118を有する。他の実施形態において、バー部分102は、第3の高さを含む第3ステップ、第4の高さを含む第4のステップ等を有してもよい。
【0014】
第1のステップ114は、テーパー先端100から伸長し、上面120を有する。図示する実施形態において、テーパー先端100に隣接する第1のステップ114の底部の上面120の少なくとも一部は、曲面を有する(図4に示す)。テーパーステップ116は、第1のステップ114と第2のステップ118との間で伸長する。テーパー高さは、第1のステップ114のより低い第1の高さHから第2のステップ118のより高い第2の高さHまで増加する。第2のステップ118は、テーパーステップ116から、フレーム部材28の主要な長さに沿って中心ドラム12の上端22の方向へ伸長する。テーパー形状駆動バー30の上端において、駆動バーの上部は類似のステップおよびテーパー構造を有してもよい。
【0015】
図1および図2に戻って、中心ドラム12は下端24においてベース14に設置されており、モーター8によって垂直の回転軸20の周りに回転するように駆動される。中心ドラム12は、モーター8によって、矢印40で示す時計回りに回転されるか、矢印34で示す反時計回りに駆動されてよい。
【0016】
ベース14は、螺旋型コンベアシステム10を通じてコンベアベルト16をサポートする外枠18に結合されている。図示する実施形態において、外枠18は、中心ドラム12に係合されないとき、コンベアベルト16がその周りを移動するローラー54およびボトムサポートリング50を有する。換言すれば、コンベアベルト16は、ドラムの上端および下端において、コンベアベルト16が中心ドラム12と係合および離脱の間に、ローラー54の周りのセグメントを概して直線的に移動する連続ループを形成する。
【0017】
図1および6Aを参照して、コンベアベルト16は、概して、内側エッジ56、外側エッジ58、および、コンベアベルト16に沿って移送されるべき物体をサポートするための両エッジ間に配置されたコンベア面59を有する。内側エッジ56は、中心ドラム12が軸線20の周りに回転するに従い、マルチレイヤーの螺旋経路32(図1に示す)に沿って、コンベアベルトを駆動するべく、中心ドラム12のテーパー形状駆動バー30をポジティブに係合する複数の突起(図6Aに示す)を有する。
【0018】
図示する実施形態において、各突起122は、コンベアベルト16の内側エッジ56に取り付けられた第1端124、コンタクト面126、および、第1端124の反対側の端面128(図6Aに示す)を有する円筒形ラグを有する。
【0019】
中心ドラム12が駆動される方向に応じて、突起122のコンタクト面は、テーパー形状駆動バー30の第1側面104または第2側面106のいずれかに当接し、マルチレイヤーの螺旋経路32に沿ってコンベアベルト16を駆動する。例えば、中心ドラム12が矢印34の方向に駆動されれば、コンベアベルト16は下部領域37の接線方向において中心ドラム12と係合し(図6Aに示す)、上部領域38の接線方向において中心ドラム12から離脱し、かつ、コンタクト面126は、第2の側面106のそれぞれと当接し、時計回りに、螺旋経路32を回旋上昇してコンベアベルト16を駆動する。代替的に、中心ドラム12が矢印40の方向に駆動されると、コンベアベルト16は、上部領域38において中心ドラム12と係合し、下部領域37において中心ドラム12から離脱し、コンタクト面126は第1側面104の各々に当接して、反時計回りに螺旋経路32を回旋下降してコンベアベルト16を駆動する。
【0020】
図1にもどって、図示する実施形態において、コンベアベルト16は、少なくともひとつの内側エッジ56または外側エッジ58に結合されたスタック側板(図示せず)を有するセルフスタックコンベアベルトである。マルチレイヤー螺旋経路32の第1レイヤー31は、外枠18のボトムサポートリング50上でサポートされた第1レベルのコンベアベルト16によって画定される。マルチレイヤー螺旋経路32の第2レイヤー33は、第1レイヤー31のスタック側板によってサポートされた第2レベルのコンベアベルト16によって画定される。螺旋経路32の続くレイヤーは、コンベアベルト16の先行レベルのスタック側板によって同様にサポートされる。このようなセルフスタッキングコンベアベルトの例は、ここに参考文献として組み込む、“Self-Stacking Spiral Modular Plastic Conveyor Belt”と題する2016年5月10日に発行の米国特許第9,334,121号に開示されている。
【0021】
図5および6Aを参照して、動作中、中心ドラムが矢印34の方向に駆動されたとき、テーパー形状駆動バー30の第1ステップ114は、コンベアベルト16によって形成された螺旋経路32の第1レイヤー31と概してアライメントされ、同時に、テーパー形状駆動バー30の第2ステップ118は第2レイヤー33および螺旋経路32の後続レイヤーと概してアライメントされる。具体的に、コンベアベルト16が螺旋経路32に沿って中心ドラム12を上昇移動するに従い、コンベアベルト16の内側エッジ56(図6Aに示す)のいくつかの突起122は、下部領域37においてテーパー形状駆動バー30のひとつのテーパー先端100と最初に接触する。コンベアベルト16の摩擦またはテンションに応じて、突起122は、その替わり、テーパー先端100付近の第1ステップ114のボトム部分と最初に接触してもよい。突起122は、第1レイヤー31のバー部分の第1ステップ114のより低い第1高さHと部分的に係合し、その後、第2レイヤー33においてバー部分102の第2ステップ118のより高い第2の高さHと完全に接触する。その結果、バー部分102は、コンベアベルト16が螺旋経路32に沿って中心ドラム12を上に移動するに従い、突起122との係合を徐々に増加させる。
【0022】
図6Aおよび6Bを参照して、下部領域37でのコンベアベルト16のテーパー形状駆動バー30との最初の接触が詳細に説明される。下部領域37において、突起122は、3つの場所のひとつにおいてテーパー形状駆動バー30と最初に接触してよい。すなわち、a)コンタクト面126は、第1の側面104と接触してよい。b)コンタクト面126は第2の側面106と接触してよい。c)端面128は、テーパー先端100または第1ステップ114の上面120の円錐外側面108と接触してよい(すなわち、“衝突”)。
【0023】
突起122の接触面126がテーパー形状駆動バー30の第1側面104と最初に接触すれば、矢印34の方向の中心ドラム12の回転が、テーパー形状駆動バー30の第2の側面106に隣接する突起122’の接触面126’と当接するように進行させ、螺旋経路32に沿って、上方にコンベアベルトを駆動する。例えば、図7Aおよび7Bに示すように、テーパー形状駆動バー30が突起122と122’との間に係合されるとき、矢印34の方向での中心ドラム12の回転は、テーパー形状駆動バー30の第2の側面106がコンタクト面126’と当接するまで、テーパー形状駆動バー30に突起122’の方向への移動を生じさせる。
【0024】
代替的に、突起122のコンタクト面126がテーパー形状駆動バー30の第2の側面106と最初に接触すれば、矢印34の方向での中心ドラムの回転は、第2の側面106がコンタクト面126に当接して螺旋経路32に沿って上方にコンベアベルト16を駆動するまで、テーパー形状駆動バー30に、突起122の方向への移動を生じさせる。
【0025】
代替的に、突起122の端面128がテーパー先端100の円錐外側面108と最初に接触すれば(図6Bに示す“衝突”)、円錐外側面108およびテーパー先端100のテーパー先端高さは、第1の側面104に近接するテーパー形状駆動バー30の第1側面の方へ矢印130で示す方向に、または、第2の側面106に近接するテーパー形状駆動バー30の第2の側面の方へ矢印132で示す方向に、コンベアベルト16の摩擦およびテンションに応じて突起を強制する。円錐外側面108およびテーパー先端100のテーパー先端高さは、衝突後にコンベアベルト16が中心ドラム12の回転によって螺旋経路32に沿って駆動可能となるように、テーパー形状駆動バー30とポジティブに係合するように突起を強制する。
【0026】
同様に、突起122の端面128が第1ステップ144の上面120と接触(“衝突”)すれば、上面120の曲面もまた、突起122をバー部分102の第1側面または第2側面に強制する。さらに、図7Cからわかるように、第1ステップ114の低い第1の高さHは、コンベアベルト16が下部領域37において中心ドラム12の接線方向で中心ドラムと係合するに従い、第1のステップ114の上面120と突起122の端面128との間の衝突を回避する。第1のステップ114のより低い高さHは、衝突後に、突起122を、上面120から離し、バー部分102の第1側面および第2側面の方向へ強制することを容易にする。
【0027】
要約すると、円錐外側面108およびテーパー先端高さを含むテーパー先端100の特徴は、衝突後に、突起122にテーパー形状駆動バー30とのポジティブな係合を強制する点にある。同様に、上面120の曲面および低い高さHを含む第1のステップ114の特徴は、衝突後に突起部122に、テーパー形状駆動バー30とのポジティブな係合を強制する点にある。さらにまた、第1のステップ114の低い高さHは、突起122とテーパー形状駆動バー30との間の衝突を回避する。組みあわせると、上述した特徴は、下部領域37において突起122のテーパー形状駆動バー30とのポジティブな係合を容易にし、ベルトを運ぶのに中心ドラムを利用する螺旋型コンベアシステムの信頼性を向上させる。
【0028】
本願発明の実施形態が例示されたが、本願発明の思想および態様から離れることなくさまざまな変更または修正が可能であることが理解されよう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】米国特許第8,181,771号明細書
【特許文献2】米国特許第9,334,121号明細書
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C