特許第6671451号(P6671451)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671451非燃焼型香味吸引器、香味源ユニット及び非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671451
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】非燃焼型香味吸引器、香味源ユニット及び非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20200101AFI20200316BHJP
【FI】
   A24F47/00
【請求項の数】16
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-239415(P2018-239415)
(22)【出願日】2018年12月21日
(62)【分割の表示】特願2016-571660(P2016-571660)の分割
【原出願日】2015年6月4日
(65)【公開番号】特開2019-76099(P2019-76099A)
(43)【公開日】2019年5月23日
【審査請求日】2018年12月21日
(31)【優先権主張番号】PCT/JP2015/052063
(32)【優先日】2015年1月26日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100188329
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 義行
(72)【発明者】
【氏名】山田 学
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 晶彦
【審査官】 豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−528718(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/110119(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/115324(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第2989912(EP,A1)
【文献】 国際公開第2013/159245(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/104078(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニットと、
前記霧化ユニットによって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路とを備え、
前記霧化ユニットとして、第1霧化ユニット及び第2霧化ユニットを備え、
前記エアロゾル流路は、前記第1霧化ユニットを通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路と、前記第2霧化ユニットを通って吸口側にエアロゾルを導く第2流路とを含み、
前記第2流路におけるエアロゾルの低減率は、前記第1流路におけるエアロゾルの低減率よりも小さいことを特徴とする非燃焼型吸引器。
【請求項2】
前記第2流路は、実質的に中空であることを特徴とする請求項1に記載の非燃焼型吸引器。
【請求項3】
前記霧化ユニットよりも吸口側に設けられる香味源を備え、
前記第2流路は、前記香味源を通らずに吸口側にエアロゾルを導く流路であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非燃焼型吸引器。
【請求項4】
前記香味源は、たばこ源であることを特徴とする請求項3のいずれかに記載の非燃焼型吸引器。
【請求項5】
前記たばこ源は、アルカリ性のpHを有することを特徴とする請求項4に記載の非燃焼型吸引器。
【請求項6】
前記香味源は、前記霧化ユニットによって発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する原料片によって構成されることを特徴とする請求項3乃至請求項5のいずれかに記載の非燃焼型吸引器。
【請求項7】
前記霧化ユニットを含む吸引器本体と、前記香味源を収容するユニット本体と、を備え、
前記ユニット本体は、前記吸引器本体に接続された状態で前記吸引器本体の内壁に接しており、
前記第2流路は、前記内壁と前記ユニット本体との間を通る、又は前記香味源を通ることなく前記ユニット本体中を通る、請求項3乃至請求項6のいずれかに記載の非燃焼型吸引器。
【請求項8】
前記第2流路を通って吸口側に導かれるエアロゾル量は、前記第1流路を通って吸口側に導かれるエアロゾル量以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の非燃焼型吸引器。
【請求項9】
第1霧化ユニットおよび第2霧化ユニットを備えた霧化ユニットによって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路の少なくとも一部を形成するエアロゾル流路形成部材を製造するステップAを備え、
前記エアロゾル流路は、前記第1霧化ユニットを通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路と、前記第2霧化ユニットを通って吸口側にエアロゾルを導く第2流路とを含み、
前記第2流路におけるエアロゾルの低減率は、前記第1流路におけるエアロゾルの低減率よりも小さく、
前記ステップAは、前記第2流路に分配される気体が前記第2流路を通ることによって前記第2流路で生じる通気抵抗が、前記第1流路に分配される気体が前記第1流路を通ることによって前記第1流路で生じる通気抵抗と同じになるように、前記第1流路及び前記第2流路の形状を決定するステップを含むことを特徴とする非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【請求項10】
前記ステップAは、前記第2流路の形状を、前記第1流路の形状と前記第1流路に流入する気体の流量とに基づいて決定するステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【請求項11】
前記ステップAは、前記第1流路に流入する気体の流量を、香味源から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量に基づいて決定することを特徴とする請求項10に記載の非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【請求項12】
前記ステップAは、前記香味源から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量を、前記香味源を構成する原料片の構成物質の種類、サイズ及び充填量の少なくともいずれか1つに基づいて決定するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【請求項13】
前記ステップAは、前記第1流路の形状を、香味源を構成する原料片の全てを収容できるように決定するステップを含むことを特徴とする請求項10に記載の非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【請求項14】
前記エアロゾル流路は、前記香味源を少なくとも備えた香味源ユニット及び前記香味源ユニットを収容する吸引器本体によって形成されており、
前記ステップAは、前記エアロゾル流路形成部材として、前記香味源ユニット及び前記吸引器本体を製造するステップを含むことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【請求項15】
前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記香味源を少なくとも備えた香味源ユニットによって形成されており、
前記ステップAは、前記エアロゾル流路形成部材として、前記香味源ユニットを製造するステップを含むことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【請求項16】
前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記香味源を少なくとも備えた香味源ユニットを収容する吸引器本体によって形成されており、
前記ステップAは、前記エアロゾル流路形成部材として、前記吸引器本体を製造するステップを含むことを特徴とする請求項11乃至請求項13のいずれかに記載の非燃焼型吸引器用部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニットを有する非燃焼型香味吸引器、非燃焼型香味吸引器に接続可能に構成された香味源ユニット及び非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃焼を伴わずに香味を吸引するための非燃焼型香味吸引器が知られている。非燃焼型香味吸引器は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニットと、霧化ユニットよりも吸口側に設けられる香味源(例えば、たばこ源)とを有する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2010−506594号公報
【発明の概要】
【0004】
第1の特徴は、非燃焼型香味吸引器であって、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニットと、前記霧化ユニットよりも吸口側に設けられる香味源と、前記霧化ユニットによって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路とを備え、前記エアロゾル流路は、前記香味源を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路と、前記第1流路とは異なる第2流路とを含み、前記第2流路におけるエアロゾルの低減率は、前記第1流路におけるエアロゾルの低減率よりも小さいことを要旨とする。
【0005】
第2の特徴は、第1の特徴において、前記第2流路は、前記香味源を通らずに吸口側にエアロゾルを導く流路であることを要旨とする。
【0006】
第3の特徴は、第1の特徴又は第2の特徴において、前記非燃焼型香味吸引器は、前記霧化ユニットとして、前記第1流路に導かれるエアロゾルを発生する第1霧化ユニット及び前記第2流路に導かれるエアロゾルを発生する第2霧化ユニットを備えることを要旨とする。
【0007】
第4の特徴は、第1の特徴乃至第3の特徴のいずれかにおいて、前記第2流路は、実質的に中空であることを要旨とする。
【0008】
第5の特徴は、第1の特徴乃至第4の特徴のいずれかにおいて、前記香味源は、たばこ源であることを要旨とする。
【0009】
第6の特徴は、第5の特徴において、前記たばこ源は、アルカリ性のpHを有することを要旨とする。
【0010】
第7の特徴は、第1の特徴乃至第6の特徴のいずれかにおいて、前記第2流路を通って吸口側に導かれるエアロゾル量は、前記第1流路を通って吸口側に導かれるエアロゾル量以上であることを要旨とする。
【0011】
第8の特徴は、第1の特徴乃至第7の特徴のいずれかにおいて、前記香味源は、前記霧化ユニットによって発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する原料片によって構成されることを要旨とする。
【0012】
第9の特徴は、香味源ユニットであって、香味源と、非燃焼型香味吸引器を構成する吸引器本体に接続可能に構成されており、前記香味源を収容するユニット本体とを備え、前記吸引器本体に前記ユニット本体が収容された状態において、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニットによって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路の少なくとも一部が形成され、前記エアロゾル流路は、前記香味源を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路と、前記第1流路とは異なる第2流路とを含み、前記第2流路におけるエアロゾルの低減率は、前記第1流路におけるエアロゾルの低減率よりも小さいことを要旨とする。
【0013】
第10の特徴は、第9の特徴において、前記ユニット本体に形成される前記第2流路は、前記香味源を通らずに吸口側にエアロゾルを導く流路であることを要旨とする。
【0014】
第11の特徴は、第9の特徴又は第10の特徴において、前記ユニット本体に形成される前記第2流路は、前記ユニット本体の外面と前記吸引器本体の内面との間に形成されることを要旨とする。
【0015】
第12の特徴は、第11の特徴において、前記ユニット本体の外面には、少なくとも前記吸口端に開口する溝が形成されており、前記溝は、前記ユニット本体に形成される前記第2流路の一部を形成することを要旨とする。
【0016】
第13の特徴は、第9の特徴乃至第12の特徴のいずれかにおいて、前記ユニット本体に形成される前記第1流路と前記ユニット本体に形成される前記第2流路との分岐部分は、前記ユニット本体内に設けられることを要旨とする。
【0017】
第14の特徴は、第9の特徴において、前記ユニット本体に形成される前記第1流路及び前記ユニット本体に形成される前記第2流路は、前記ユニット本体内に設けられることを要旨とする。
【0018】
第15の特徴は、第9の特徴乃至第14の特徴のいずれかにおいて、前記ユニット本体に形成される前記第1流路及び前記ユニット本体に形成される前記第2流路は互いに交差しないように独立して形成されていることを要旨とする。
【0019】
第16の特徴は、非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法であって、霧化ユニットによって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路の少なくとも一部を形成するエアロゾル流路形成部材を製造するステップAを備え、前記エアロゾル流路は、前記香味源を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路と、前記第1流路とは異なる第2流路とを含み、前記第2流路におけるエアロゾルの低減率は、前記第1流路におけるエアロゾルの低減率よりも小さく、前記ステップAは、前記第2流路に分配される気体が前記第2流路を通ることによって前記第2流路で生じる通気抵抗が、前記第1流路に分配される気体が前記第1流路を通ることによって前記第1流路で生じる通気抵抗と同じになるように、前記第1流路及び前記第2流路の形状を決定するステップを含むことを要旨とする。
【0020】
第17の特徴は、第16の特徴において、前記ステップAは、前記第2流路の形状を、前記第1流路の形状と前記第1流路に流入する気体の流量とに基づいて決定するステップを含むことを要旨とする。
【0021】
第18の特徴は、第17の特徴において、前記ステップAは、前記第1流路に流入する気体の流量を、前記香味源から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量に基づいて決定するステップを含むことを要旨とする。
【0022】
第19の特徴は、第18の特徴において、前記香味源から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量を、前記香味源を構成する原料片の構成物質の種類、サイズ及び充填量の少なくともいずれか1つに基づいて決定するステップを含むことを要旨とする。
【0023】
第20の特徴は、第17の特徴において、前記ステップAは、前記第1流路の形状を、前記香味源を構成する原料片の全てを収容できるように決定するステップを含むことを要旨とする。
【0024】
第21の特徴は、第16の特徴乃至第20の特徴のいずれかにおいて、前記エアロゾル流路は、前記香味源を少なくとも備えた香味源ユニット及び前記香味源ユニットを収容する吸引器本体によって形成されており、前記ステップAは、前記エアロゾル流路形成部材として、前記香味源ユニット及び前記吸引器本体を製造するステップを含むことを要旨とする。
【0025】
第22の特徴は、第16の特徴乃至第20の特徴のいずれかにおいて、前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記香味源を少なくとも備えた香味源ユニットによって形成されており、前記ステップAは、前記エアロゾル流路形成部材として、前記香味源ユニットを製造するステップを含むことを要旨とする。
【0026】
第23の特徴は、第16の特徴乃至第20の特徴のいずれかにおいて、前記エアロゾル流路の少なくとも一部は、前記香味源ユニットを収容する吸引器本体によって形成されており、前記ステップAは、前記エアロゾル流路形成部材として、前記前記吸引器本体を製造するステップを含むことを要旨とする。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器100を示す図である。
図2図2は、第1実施形態に係るエアロゾル流路を説明するための図である。
図3図3は、変更例1に係るエアロゾル流路を説明するための図である。
図4図4は、変更例2に係るカートリッジ130を説明するための図である。
図5図5は、変更例2に係るカートリッジ130を説明するための図である。
図6図6は、変更例2に係るエアロゾル流路を説明するための図である。
図7図7は、変更例3に係るカートリッジ130を説明するための図である。
図8図8は、変更例3に係るカートリッジ130を説明するための図である。
図9図9は、変更例3に係るエアロゾル流路を説明するための図である。
図10図10は、変更例4に係るエアロゾル流路を説明するための図である。
図11図11は、第2実施形態に係る非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下において、実施形態について説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0029】
従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0030】
[実施形態の概要]
上述した背景技術下で、発明者等は、鋭意検討の結果、香味源でエアロゾルが濾過されるため、所望のエアロゾルをユーザが吸引することを可能とするためには、所望のエアロゾルよりも多量のエアロゾルを霧化ユニットから発生させる必要があることを見出した。言い換えると、発明者等は、エアロゾル源の消費量及び霧化に必要なエネルギー量のロスが生じていることを見出した。
【0031】
実施形態に係る非燃焼型香味吸引器は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニットと、前記霧化ユニットよりも吸口側に設けられる香味源と、前記霧化ユニットによって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路とを備える。前記エアロゾル流路は、前記香味源を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路と、前記第1流路とは異なる第2流路とを含む。前記第2流路におけるエアロゾルの低減率は、前記第1流路におけるエアロゾルの低減率よりも小さい。
【0032】
実施形態では、香味源を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路とは異なる第2流路が設けられており、第2流路におけるエアロゾルの低減率は、第1流路におけるエアロゾルの低減率よりも小さい。これによって、第1流路を通るエアロゾルによって香味源から所望量の香喫味成分を取り出しながら、第2流路を通るエアロゾルによってエアロゾルの不足を効率的に補うことができる。従って、エアロゾル源の消費量及び霧化に必要なエネルギー量のロスを低減することができる。
【0033】
[第1実施形態]
(非燃焼型香味吸引器)
以下において、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器について説明する。図1は、第1実施形態に係る非燃焼型香味吸引器100を示す図である。非燃焼型香味吸引器100は、燃焼を伴わずに香喫味成分を吸引するための器具であり、非吸口端から吸口端に向かう方向である所定方向Aに沿って延びる形状を有する。なお、以下においては、非燃焼型香味吸引器100を単に香味吸引器100と称することに留意すべきである。
【0034】
図1に示すように、香味吸引器100は、吸引器本体110と、吸口部材120と、カートリッジ130とを有する。
【0035】
吸引器本体110は、香味吸引器100の本体を構成しており、カートリッジ130を接続可能な形状を有する。吸引器本体110は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニット111を有する。
【0036】
第1実施形態では、霧化ユニット111は、リザーバ111Pと、ウィック111Qと、霧化部111Rとを有する。リザーバ111Pは、エアロゾル源を保持する。例えば、リザーバ111Pは、樹脂ウェブ等の非たばこ材料によって構成される孔質体である。ウィック111Qは、リザーバ111Pに保持されるエアロゾル源を吸い上げる。例えば、ウィック111Qは、ガラス繊維によって構成される。霧化部111Rは、ウィック111Qによって吸い上げられたエアロゾル源を霧化する。霧化部111Rは、例えば、ウィック111Qに所定ピッチで巻き回される電熱線によって構成される。
【0037】
エアロゾル源は、グリセリン又はプロピレングリコールなどの液体である。エアロゾル源は、例えば、上述したように、樹脂ウェブ等の非たばこ材料によって構成される孔質体によって保持される。なお、エアロゾル源は、ニコチン成分等を含有する香味源を含んでいてもよい。或いは、エアロゾル源は、ニコチン成分等を含有する香味源を含まなくてもよい。エアロゾル源は、ニコチン成分以外の成分を含む香味源を含んでいてもよい。或いは、エアロゾル源は、ニコチン成分以外の成分を含む香味源を含まなくてもよい。
【0038】
第1実施形態では、霧化ユニット111として、加熱によってエアロゾル源を霧化する加熱タイプのユニットを例示している。しかしながら、霧化ユニット111は、超音波によってエアロゾル源を霧化する超音波タイプのユニットであってもよい。
【0039】
吸口部材120は、ユーザが咥える吸口を有しており、吸引器本体110に対して着脱可能に構成される。吸口部材120は、例えば、螺合又は嵌合によって吸引器本体110に取付けられる。
【0040】
カートリッジ130は、香味吸引器100を構成する吸引器本体110に接続可能に構成される香味源ユニットの一例である。カートリッジ130は、吸口から吸い込まれる気体(以下、空気)の流路上において霧化ユニット111よりも吸口側に設けられる。言い換えると、カートリッジ130は、必ずしも物理空間的に霧化ユニット111よりも吸口側に設けられている必要はなく、霧化ユニット111によって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路上において霧化ユニット111よりも吸口側に設けられていればよい。すなわち、第1実施形態において、「吸口側」は、エアロゾルの流れの「下流」と同義であると考えてもよく、「非吸口側」は、エアロゾルの流れの「上流」と同義であると考えてもよい。
【0041】
具体的には、カートリッジ130は、カートリッジ本体131と、香味源132と、網目133(網目133A及び網目133B)とを有する。
【0042】
カートリッジ本体131は、所定方向Aに沿って延びる筒状形状を有する。カートリッジ本体131は、香味源132を収容する。
【0043】
香味源132は、吸口から吸い込まれる空気の流路上において霧化ユニット111よりも吸口側に設けられる。香味源132は、エアロゾル源から発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する。言い換えると、香味源132によってエアロゾルに付与される香味は、吸口に運ばれる。
【0044】
第1実施形態において、香味源132は、霧化ユニット111によって発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する原料片によって構成される。原料片のサイズは、0.2mm以上1.2mm以下であることが好ましい。さらには、原料片のサイズは、0.2mm以上0.7mm以下であることが好ましい。香味源132を構成する原料片のサイズが小さいほど、比表面積が増大するため、香味源132を構成する原料片から香喫味成分がリリースされやすい。従って、所望量の香喫味成分をエアロゾルに付与するにあたって、原料片の量を抑制できる。香味源132を構成する原料片としては、刻みたばこ、たばこ原料を粒状に成形した成形体を用いることができる。但し、香味源132は、たばこ原料をシート状に成形した成形体であってもよい。また、香味源132を構成する原料片は、たばこ以外の植物(例えば、ミント、ハーブ等)によって構成されてもよい。香味源132には、メントールなどの香料が付与されていてもよい。
【0045】
ここで、香味源132を構成する原料片は、例えば、JIS Z 8801に準拠したステンレス篩を用いて、JIS Z 8815に準拠する篩分けによって得られる。例えば、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.71mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を得る。続いて、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を用いて、乾燥式かつ機械式振とう法によって20分間に亘って原料片を篩分けによって、0.212mmの目開きを有するステンレス篩を通過する原料片を取り除く。すなわち、香味源132を構成する原料片は、上限を規定するステンレス篩(目開き=0.71mm)を通過し、下限を規定するステンレス篩(目開き=0.212mm)を通過しない原料片である。従って、実施形態では、香味源132を構成する原料片のサイズの下限は、下限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。なお、香味源132を構成する原料片のサイズの上限は、上限を規定するステンレス篩の目開きによって定義される。
【0046】
第1実施形態において、香味源132は、アルカリ性のpHを有するたばこ源である。たばこ源のpHは、7よりも大きいことが好ましく、8以上であることがより好ましい。これによって、たばこ源から発生する香喫味成分をエアロゾルによって効率的に取り出すことができる。これにより、所望量の香喫味成分をエアロゾルに付与するにあたって、たばこ源の量を抑制できる。一方、たばこ源のpHは、14以下であることが好ましく、10以下であることがより好ましい。これによって、香味吸引器100(例えば、カートリッジ130又は吸引器本体110)に対するダメージ(腐食等)を抑制することができる。
【0047】
なお、香味源132から発生する香喫味成分はエアロゾルによって搬送されており、香味源132自体を加熱する必要はないことに留意すべきである。
【0048】
網目133Aは、香味源132に対して非吸口側においてカートリッジ本体131の開口を塞ぐように設けられており、網目133Bは、香味源132に対して吸口側においてカートリッジ本体131の開口を塞ぐように設けられている。網目133A及び網目133Bは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。網目133A及び網目133Bの粗さは、例えば、0.077mm以上0.198mm以下の目開きを有する。
【0049】
(エアロゾル流路)
以下において、第1実施形態に係るエアロゾル流路について説明する。図2は、第1実施形態に係るエアロゾル流路を説明するための図である。具体的には、図2は、吸引器本体110にカートリッジ130が収容された状態における香味吸引器100の内部構造を示す断面模式図である。
【0050】
図2に示すように、香味吸引器100は、霧化ユニット111によって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路140を有する。言い換えると、吸引器本体110にカートリッジ130が収容された状態において、霧化ユニット111によって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路140が形成される。エアロゾル流路140は、香味源132を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路140Aと、第1流路140Aとは異なる第2流路140Bとを含む。第2流路140Bにおけるエアロゾルの低減率は、第1流路140Aにおけるエアロゾルの低減率よりも小さい。さらには、第2流路140Bを通って吸口側に導かれるエアロゾル量は、第1流路140Aを通って吸口側に導かれるエアロゾル量以上であることが好ましい。ここで、「低減率」とは、「流路に流入するエアロゾル量(流入量)」に対する「流路で損失したエアロゾル量(流入量−流出量)」の比率(すなわち、(流入量−流出量)/流入量)である。
【0051】
第1実施形態において、第2流路140Bは、香味源132を通らずに吸口側にエアロゾルを導く流路である。また、第2流路140Bは、実質的に中空である。
【0052】
第1実施形態において、所定方向Aに対する垂直断面において、カートリッジ本体131の外径は、吸引器本体110の内径よりも小さい。また、第2流路140Bは、カートリッジ本体131の外面131Aと吸引器本体110の内面110Aとの間に形成される。さらに、第1流路140Aと第2流路140Bとの分岐部分145は、カートリッジ本体131外に設けられる。
【0053】
このように、第1実施形態において、第1流路140Aは、カートリッジ本体131内に設けられており、第2流路140Bは、カートリッジ本体131外に設けられる。
【0054】
なお、第1流路140A及び第2流路140Bは、互いに共通する共通流路を有している。上述した分岐部分145は、霧化ユニット111とカートリッジ130との間に形成される共通流路に設けられる。また、共通部分は、2箇所以上設けられてもよい。言い換えると、第1流路140A及び第2流路140Bは、2箇所以上で合流又は分岐していてもよい。
【0055】
第1実施形態では、第1流路140Aの少なくとも一部は、吸引器本体110及びカートリッジ本体131によって形成される。第2流路140Bの少なくとも一部は、吸引器本体110及びカートリッジ本体131によって形成される。
【0056】
(作用及び効果)
第1実施形態では、香味源132を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路140Aとは異なる第2流路140Bが設けられており、第2流路140Bにおけるエアロゾルの低減率は、第1流路140Aにおけるエアロゾルの低減率よりも小さい。これによって、第1流路140Aを通るエアロゾルによって香味源132から所望量の香喫味成分を取り出しながら、第2流路140Bを通るエアロゾルによってエアロゾルの不足を効率的に補うことができる。従って、エアロゾル源の消費量及び霧化に必要なエネルギー量のロスを低減することができる。
【0057】
第1実施形態では、第2流路140Bは、香味源132を通らずに吸口側にエアロゾルを導く流路である。従って、第2流路140Bにおいて香味源132によってエアロゾルが濾過されないため、第2流路140Bにおけるエアロゾルの低減が抑制されて、エアロゾルの不足を効率的に補うことができる。また、第2流路140Bを通るエアロゾルによって香味源132の劣化を助長する事象が抑制されるとともに、エアロゾル源の消費量のロスを低減することができる。
【0058】
第1実施形態では、第2流路140Bは、実質的に中空である。従って、第2流路140Bにおけるエアロゾルの低減がさらに抑制されて、エアロゾルの不足を効率的に補うことができる。
【0059】
第1実施形態では、香味源132は、アルカリ性のpHを有するたばこ源である。従って、たばこ源から発生する香喫味成分をエアロゾルによって効率的に取り出すことができる。香喫味成分を効率的に取り出すことができることから、所望量の香喫味成分を得るにあたって、たばこ源の量を抑制できる。
【0060】
第1実施形態では、第2流路140Bを通って吸口側に導かれるエアロゾル量は、第1流路140Aを通って吸口側に導かれるエアロゾル量以上である。従って、香味源132の劣化を抑制しながら、十分なエアロゾルを吸口側に導くことができる。
【0061】
第1実施形態では、香味源132は、霧化ユニット111によって発生するエアロゾルに香喫味成分を付与する原料片によって構成される。これによって、たばこ原料をシート状や刻状に成形した成形体と比べて、比表面積が増大するため、香味源132を構成する原料片から香喫味成分がリリースされやすい。従って、香味源132によって所望量の香喫味成分をエアロゾルに付与するにあたって、香味源132を構成する原料片の体積を抑制することができ、香味源132を収容する部材(ここでは、カートリッジ本体131)のサイズを抑制することができる。
【0062】
さらには、たばこ原料をシート状や刻状に成形した成形体と比べて比表面積が大きい原料片を用いると、香味源132が劣化しやすいが、上述したように、香味源132を通って吸口側にエアロゾルを導く第1流路140Aとは異なる第2流路140Bを設けることによって、香味源132の劣化が抑制される。すなわち、比表面積が大きい原料片及び第2流路140Bの採用によって、香味源132の劣化を抑制しながらも、香味源132を構成する原料片の体積を抑制し、香味源132を収容する部材(ここでは、カートリッジ本体131)のサイズを抑制することができる。
【0063】
[変更例1]
以下において、第1実施形態の変更例1について図3を用いて説明する。図3は、吸引器本体110にカートリッジ130が収容された状態における香味吸引器100の内部構造を示す断面模式図である。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0064】
具体的には、第1実施形態では、香味吸引器100は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニット111として単数のユニットを有する。これに対して、変更例1では、香味吸引器100は、図3に示すように、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニット111として、第1流路140Aに導かれるエアロゾルを発生する第1霧化ユニット111A及び第2流路140Bに導かれるエアロゾルを発生する第2霧化ユニット111Bを有する。なお、変更例1において、第1流路140A及び第2流路140Bは、吸引器本体110に設けられる仕切り部110Dによって仕切られているため、第1流路140Aと第2流路140Bとの分岐部分145は特に設けられていなくてもよい。
【0065】
なお、図3においては、第1流路140A及び第2流路140Bの配置について一例を示しているに過ぎず、第1霧化ユニット111A及び第2霧化ユニット111Bの配置についても一例を示しているに過ぎない。従って、第1霧化ユニット111A及び第2霧化ユニット111Bの配置が図3に示す一例に限定されないことは勿論である。また、第1霧化ユニット111Aの数及び第2霧化ユニット111Bの数も任意である。
【0066】
変更例1において、第1霧化ユニット111Aが霧化するエアロゾル源は、第2霧化ユニット111Bが霧化するエアロゾル源と異なっていてもよい。例えば、第1霧化ユニット111Aが霧化するエアロゾル源は、香味源132から香喫味成分を取り出しやすいエアロゾルを発生する物質によって構成されており、第2霧化ユニット111Bが霧化するエアロゾル源は、香料を含むエアロゾルを発生する物質によって構成されてもよい。但し、第1霧化ユニット111Aが霧化するエアロゾル源は、第2霧化ユニット111Bが霧化するエアロゾル源と同じであってもよい。
【0067】
変更例1では、第1流路140Aは、主としてカートリッジ本体131によって形成される。第2流路140Bは、吸引器本体110によって形成される。
【0068】
(作用及び効果)
変更例1では、香味吸引器100は、燃焼を伴わずにエアロゾル源を霧化する霧化ユニット111として、第1流路140Aに導かれるエアロゾルを発生する第1霧化ユニット111A及び第2流路140Bに導かれるエアロゾルを発生する第2霧化ユニット111Bを有する。従って、香味源132から香喫味成分を取り出すためのエアロゾルの種類又は量について設計の自由度が向上するとともに、エアロゾルの不足を補うためのエアロゾルの種類又は量について設計の自由度が向上する。
【0069】
[変更例2]
以下において、第1実施形態の変更例2について図4乃至図6を用いて説明する。図4は、変更例2に係るカートリッジ130の斜視図であり、図5は、変更例2に係るカートリッジ130を吸口側から見た図である。図6は、吸引器本体110にカートリッジ130が収容された状態における香味吸引器100の内部構造を示す断面模式図である。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0070】
具体的には、第1実施形態では、第2流路140Bは、カートリッジ本体131の外面131Aと吸引器本体110の内面110Aとの間に形成される。これに対して、変更例2では、第1流路140A及び第2流路140Bの双方がカートリッジ本体131内に形成される。言い換えると、カートリッジ本体131に形成される第1流路140A及びカートリッジ本体131に形成される第2流路140Bは互いにが交差しないように独立して形成される。
【0071】
詳細には、図4及び図5に示すように、カートリッジ130は、上述したカートリッジ本体131として、内体134、外体135及びリブ136を有する。なお、図4では、上述した香味源132が省略されていることに留意すべきである。
【0072】
内体134は、所定方向Aに沿って延びる筒状形状を有する。内体134は、香味源132を収容する。内体134の非吸口側には網目133Aが設けられており、内体134の吸口側には網目133Bが設けられる。
【0073】
外体135は、所定方向Aに沿って延びる筒状形状を有する。外体135は、内体134を収容する。外体135は、所定方向Aに沿って延びるリブ136によって内体134に固定される。
【0074】
変更例2では、外体135は、4つのリブ136によって内体134に固定されており、互いに隣接するリブ136の間には、所定方向Aに沿って延びる空隙137が形成される。
【0075】
図6に示すように、変更例2に係るカートリッジ130を用いたケースにおいて、上述した第1流路140Aは、内体134の内側を通る流路であり、上述した第2流路140Bは、空隙137を通る流路である。
【0076】
変更例2においては、内体134、外体135及びリブ136によってカートリッジ本体131が構成されるケースについて例示した。しかしながら、変更例2はこれに限定されるものではない。第1流路140A及び第2流路140Bの双方がカートリッジ本体131内に形成される態様であれば、様々な変更を加えることが可能であることに留意すべきである。
【0077】
変更例2においては、第1流路140A及び第2流路140Bの双方が主としてカートリッジ本体131内に形成されており、第1流路140Aと第2流路140Bとの分岐部分145は、第1実施形態と同様に、カートリッジ本体131外に設けられる。
【0078】
なお、第1流路140A及び第2流路140Bは、互いに共通する共通流路を有している。上述した分岐部分145は、霧化ユニット111とカートリッジ130との間に形成される共通流路に設けられる。また、共通部分は、2箇所以上設けられてもよい。言い換えると、第1流路140A及び第2流路140Bは、2箇所以上で合流又は分岐していてもよい。
【0079】
変更例2では、第1流路140Aの少なくとも一部は、吸引器本体110及びカートリッジ本体131によって形成される。第2流路140Bの少なくとも一部は、吸引器本体110及びカートリッジ本体131によって形成される。
【0080】
(作用及び効果)
変更例2では、第1流路140A及び第2流路140Bは、カートリッジ本体131内に形成される。従って、吸引器本体110の設計を変更しなくても、第2流路140Bを形成することができる。
【0081】
また、香味源132の種類に応じてカートリッジ130の形状を変更するだけで、第1流路140A及び第2流路140Bを適切に形成することができる。
【0082】
さらに、カートリッジ130を交換しても継続して使用される吸引器本体110がエアロゾル流によって汚れにくい。
【0083】
[変更例3]
以下において、第1実施形態の変更例3について図7乃至図9を用いて説明する。図7は、変更例3に係るカートリッジ130の斜視図であり、図8は、変更例3に係るカートリッジ130を吸口側から見た図である。図9は、吸引器本体110にカートリッジ130が収容された状態における香味吸引器100の内部構造を示す断面模式図である。
【0084】
具体的には、第1実施形態では、所定方向Aに対する垂直断面において、カートリッジ本体131の外径は、吸引器本体110の内径よりも小さい。これに対して、変更例3では、所定方向Aに対する垂直断面において、溝138以外のカートリッジ本体131の外面131Aは、吸引器本体110の内面110Aと接する。このようなケースにおいて、カートリッジ本体131の外面131Aには、非吸口端から吸口端に向かう所定方向Aに沿って延びており、少なくとも吸口端に開口する溝が形成されており、溝は、第2流路140Bの一部を形成する。
【0085】
詳細には、図7及び図8に示すように、カートリッジ本体131の外面131Aは、所定方向Aにおいてカートリッジ本体131の非吸口端からカートリッジ本体131の吸口端まで連続する溝138が形成されている。変更例3では、所定方向Aに沿って延びる4本の溝138が例示されている。溝138は、直線状の溝であってもよく、曲線を含む溝であってもよい。
【0086】
図9に示すように、変更例3に係るカートリッジ130を用いたケースにおいて、上述した第1流路140Aは、カートリッジ本体131の内側を通る流路であり、上述した第2流路140Bは、溝138を通る流路である。すなわち、上述した第2流路140Bは、吸引器本体110の内面110Aとカートリッジ本体131の溝138とによって形成される。言い換えると、溝138は、第2流路140Bの一部を形成する。
【0087】
変更例3では、所定方向Aに対する垂直断面において溝138以外のカートリッジ本体131の外面131Aが吸引器本体110の内面110Aと接するケースを例示した。しかしながら、変更例3はこれに限定されるものではない。所定方向Aに対する垂直断面においてカートリッジ本体131の外径が吸引器本体110の内径よりも小さいケースであっても、カートリッジ本体131の外面131Aに溝138が形成されていてもよい。
【0088】
変更例3において、第1流路140A及び第2流路140Bは、カートリッジ本体131の外壁によって仕切られている。従って、カートリッジ本体131に形成される第1流路140A及びカートリッジ本体131に形成される第2流路140Bは互いにが交差しないように独立して形成される。
【0089】
なお、第1流路140A及び第2流路140Bは、互いに共通する共通流路を有している。上述した分岐部分145は、霧化ユニット111とカートリッジ130との間に形成される共通流路に設けられる。また、共通部分は、2箇所以上設けられてもよい。言い換えると、第1流路140A及び第2流路140Bは、2箇所以上で合流又は分岐していてもよい。
【0090】
変更例3では、第1流路140Aの少なくとも一部は、吸引器本体110及びカートリッジ本体131によって形成される。第2流路140Bの少なくとも一部は、吸引器本体110及びカートリッジ本体131によって形成される。
【0091】
(作用及び効果)
変更例3では、カートリッジ本体131の外面131Aには、非吸口端から吸口端に向かう所定方向Aに沿って延びる溝138が形成されており、溝138は、第2流路140Bの一部を形成する。従って、吸引器本体110の設計を変更しなくても、第2流路140Bを形成することができる。
【0092】
また、第2流路140Bの一部が吸引器本体110の内面110Aによって形成される。言い換えると、第2流路140Bの全体をカートリッジ130が形成する変更例2と比べると、第2流路140Bを形成する部材(外体135)の一部が吸引器本体110の内面110Aによって代替される。従って、変更例2と比べた場合に、吸引器本体110の内面110Aによって代替される部材(外体135)の厚みに相当する分、香味源132を収容する空間を外側に拡げることが可能であり、香味源132を収容可能な容積が増大する。
【0093】
さらに、カートリッジ130を取り外すことによって溝138が露出するため、溝138によって構成される第2流路140Bのつまりが生じた場合において、第2流路140Bを容易に清掃することができる。
【0094】
[変更例4]
以下において、第1実施形態の変更例4について図10を用いて説明する。図10は、吸引器本体110にカートリッジ130が収容された状態における香味吸引器100の内部構造を示す断面模式図である。以下においては、第1実施形態に対する相違点について主として説明する。
【0095】
具体的には、第1実施形態では、第1流路140Aと第2流路140Bとの分岐部分145は、カートリッジ本体131外に設けられる。これに対して、変更例4では、第1流路140Aと第2流路140Bとの分岐部分145は、図10に示すように、カートリッジ本体131内に設けられる。
【0096】
変更例4において、分岐部分145よりも下流の第2流路140Bは、カートリッジ本体131の側壁に設けられる開孔139を介して、カートリッジ本体131の内側からカートリッジ本体131の外側に跨がっている。すなわち、カートリッジ本体131の外面131Aと吸引器本体110の内面110Aとによって中空である第2流路140Bの一部が形成される。一方、分岐部分145よりも下流においても第1流路140Aではエアロゾルは香味源によって濾過されて低減する。従って、分岐部分145がカートリッジ本体131内に設けられる場合であっても、第2流路140Bにおけるエアロゾルの低減率は、第1流路140Aにおけるエアロゾルの低減率よりも小さいことに留意すべきである。
【0097】
変更例4において、カートリッジ130は、開孔139を塞ぐように設けられる網目133Cを有する。網目133Cは、香味源132を構成する原料片が通過しない程度の粗さを有する。網目133Cの粗さは、網目133A及び網目133Bと同様に、例えば、0.077mm以上0.198mm以下の目開きを有する。但し、開孔139のサイズが香味源132を構成する原料片が通過しない程度に小さい場合には、網目133Cが設けられていなくてもよい。
【0098】
ここで、変更例4においては、カートリッジ130の非吸口側端(上流端)は、霧化ユニット111の吸口側端(下流端)と接している。これによって、霧化ユニット111から出力されるエアロゾルの全てがカートリッジ130に導かれるため、霧化ユニット111から出力されるエアロゾルがカートリッジ130に入らずに第2流路140Bに導かれることがない。
【0099】
なお、変更例4では特に触れていないが、変更例2と同様に、第1流路140A及び第2流路140Bの双方がカートリッジ本体131内に形成されていてもよい。
【0100】
また、変更例4では特に触れていないが、変更例3と同様に、カートリッジ本体131の外面131Aには、非吸口端から吸口端に向かう所定方向Aに沿って延びる溝が形成されていてもよい。溝は、少なくとも、開孔139からカートリッジ本体131の吸口端まで連続しており、吸口端に開口していればよい。但し、溝は、カートリッジ本体131の非吸口端からカートリッジ本体131の吸口端まで連続していてもよい。
【0101】
なお、第1流路140A及び第2流路140Bは、互いに共通する共通流路を有している。上述した分岐部分145は、カートリッジ本体131内に形成される共通流路に設けられる。また、共通部分は、2箇所以上設けられてもよい。言い換えると、第1流路140A及び第2流路140Bは、2箇所以上で合流又は分岐していてもよい。
【0102】
変更例4では、第1流路140Aは、カートリッジ本体131によって形成される。第2流路140Bの少なくとも一部は、吸引器本体110及びカートリッジ本体131によって形成される。
【0103】
(作用及び効果)
変更例4では、第1流路140Aと第2流路140Bとの分岐部分145は、カートリッジ本体131内に設けられる。従って、吸引器本体110の設計を変更しなくても、第2流路140Bを形成することができる。
【0104】
[第2実施形態]
以下において、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法について図11を用いて説明する。図11は、第2実施形態に係る非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法を示すフロー図である。ここで、非燃焼型香味吸引器用部材とは、エアロゾル流路140(第1流路140A及び第2流路140B)の少なくとも一部を形成するエアロゾル流路形成部材である。
【0105】
図11に示すように、ステップS10において、第1流路140A及び第2流路140Bの形状を決定する。具体的には、後述するように、第1流路140A及び第2流路140Bの形状は、第2流路140Bに分配される空気が第2流路140Bを通ることによって第2流路140Bで生じる通気抵抗が、第1流路140Aに分配される空気が第1流路140Aを通ることによって第1流路140Aで生じる通気抵抗と同じになるように決定される。また、第2流路140Bの形状は、第1流路140Aの形状と第1流路140Aに流入する空気の流量に基づいて決定されることが好ましい。さらに、第1流路140Aに流入する空気の流量は、香味源132から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量に基づいて決定されることが好ましい。
【0106】
所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量は、香味源132を構成する原料片の構成物質の種類、サイズ及び充填量の少なくともいずれか1つに基づいて算出されることが好ましい。また、吸口側に導かれるべき所望のエアロゾル量は、香味源132で濾過されるエアロゾル量によって変化することに留意すべきである。なお、香味源132で濾過されるエアロゾル量は、第1流路140Aの流路サイズ及び長さ、第1流路140A内において香味源132が充填される部分の長さ、香味源132を構成する原料片の構成物質の種類、サイズや充填量などのパラメータに基づいて算出することもできる。
【0107】
ステップS20において、上述した吸引器本体110を製造する。ステップS20は、ステップS10における第1流路140A及び第2流路140Bの形状の決定結果に基づいて行われることに留意すべきである。
【0108】
ステップS30において、上述したカートリッジ130を製造する。ステップS30は、ステップ10における第1流路140A及び第2流路140Bの形状の決定結果に基づいて行われることに留意すべきである。
【0109】
このように、非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法は、エアロゾル流路の少なくとも一部を形成するエアロゾル流路形成部材を製造するステップAを備え、ステップAは、第2流路140Bに分配される空気が第2流路140Bを通ることによって第2流路140Bで生じる通気抵抗が、第1流路140Aに分配される空気が第1流路140Aを通ることによって第1流路140Aで生じる通気抵抗と同じになるように、第1流路140A及び第2流路140Bの形状を決定するステップを含む。
【0110】
ここでは、非燃焼型香味吸引器用部材が吸引器本体110及びカートリッジ130の双方であるケースについて例示しているため、製造方法(ステップA)は、ステップS10〜ステップS30を含む。しかしながら、実施形態は、これに限定されるものではない。
【0111】
例えば、エアロゾル流路140の少なくとも一部を形成する非燃焼型香味吸引器用部材として吸引器本体110のみを製造する場合には、製造方法(ステップA)は、ステップS10及びステップS20を含めばよい。或いは、エアロゾル流路140の少なくとも一部を形成する非燃焼型香味吸引器用部材としてカートリッジ130のみを製造する場合には、製造方法(ステップA)は、ステップS10及びステップS30を含めばよい。
【0112】
(流路を形成する部材の形状の決定方法の一例)
以下において、上述したステップS10の一例について説明する。第1流路140A及び第2流路140Bは、吸引器本体110及びカートリッジ130の双方によって形成される。但し、第1流路140A及び第2流路140Bは、カートリッジ130のみによって形成されることがあってもよい。
【0113】
(1)前提条件決定
第1に、1パフ動作当たりの吸引流量QT[mL/min]を決定する。
【0114】
第2に、霧化ユニット111で生成するエアロゾル量MT[mg/puff]を決定する。
【0115】
第3に、香味源132に係るパラメータを決定する。パラメータは、例えば、香味源132を構成する原料片の構成物質の種類、サイズ及び充填量の少なくともいずれか1つである。
【0116】
第4に、香味源132に係るパラメータに基づいて、香味源132から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量M1を決定する。
【0117】
(2)第1流路140Aの形状決定
香味源132に係るパラメータに基づいて、第1流路140Aの形状を決定する。詳細には、香味源132を構成する原料片の構成物質の種類、サイズ及び充填量の少なくともいずれか1つのパラメータに基づいて、所定のパラメータを有する原料片の全て(すなわち、香味源132を構成する原料片の全て)が第1流路140A内に収容されるように、第1流路140Aの形状を決定する。
【0118】
(3)第1流路140Aに起因するパラメータ導出
第1に、上述した前提条件に基づいて、第1流路140Aに分配される空気の流量Q1(すなわち、香味源132を通る空気の流量Q1)を求める。具体的には、香味源132を通るエアロゾルの割合V1=M1/MT[%]を算出し、空気流量Q1=QT×V1[mL/min]を算出する。
【0119】
第2に、空気流量Q1の空気が香味源132を通ることによって香味源132で生じる通気抵抗ΔP1[Pa]を算出する。例えば、実験によって空気流量を種々変更した場合の通気抵抗の値を測定し、得られたプロットから求められる回帰式に基づいて、Q1におけるΔP1を推定することができる。或いは、通気抵抗は、香味源充填層の通気抵抗に関する公知の理論式又は経験式に基づいて、Q1におけるΔP1を推定してもよい。
【0120】
(4)第2流路140Bの形状決定
第1に、第2流路140Bに分配される空気(QT−Q1)が第2流路140Bを通ることによって第2流路140Bで生じる通気抵抗ΔP2が上述したΔP1と同じ値になるように、第2流路140Bの形状を決定する。例えば、第2流路140Bが直線状の単一円筒形状の貫通孔であり、かつ、第2流路140B内の流れが層流である場合には、第2流路140Bで生じる通気抵抗ΔP2は、以下に示すハーゲン・ポアズイユの式で推定することができる。
【0121】
ΔP2=32×μ×L×u/D2
但し、μ:空気の動粘性係数[Pa・s]、L:第2流路の長さ[m]、u:第2流路内の平均流速[m/s]、D:第2流路の直径[m]
【0122】
第2に、上述した推定値に基づいたプロトタイピングを行う。これによって、より正確に第2流路140Bの形状を決定することができる。
【0123】
但し、ハーゲン・ポアズイユの式ではなくて、その他公知の流体シミュレーション手法を用いて推定を行ってもよい。
【0124】
なお、上述した各種の推定値の精度が高ければ、プロトタイピングは必須の処理ではないことに留意すべきである。
【0125】
第2実施形態では、第1流路140A又は第2流路140Bに分配される気体が空気であるケースを例示しているが、第1流路140A又は第2流路140Bに分配される気体は、空気以外の気体であってもよい。
【0126】
(作用及び効果)
第2実施形態では、非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法は、霧化ユニット111によって発生するエアロゾルを吸口側に導くエアロゾル流路140の少なくとも一部を形成するエアロゾル流路形成部材を製造するステップA(第2実施形態では、ステップS10〜ステップS30)を含む。ステップAは、第1流路140Aに分配される空気が第1流路140Aを通ることによって第1流路140Aで生じる通気抵抗が、第2流路140Bに分配される空気が第2流路140Bを通ることによって第2流路140Bで生じる通気抵抗と同じになるように、第1流路140A及び第2流路140Bの形状を決定するステップを含む。従って、香味源132から所望量の香喫味成分を取り出すための第1流路140A及びエアロゾルの不足を補うための第2流路140Bを適切に形成することができる。これによって、第2流路140Bを通るエアロゾルによって香味源132の劣化を助長する事象が抑制されるとともに、エアロゾル源の消費量のロスを低減することができる。
【0127】
第2実施形態では、ステップAは、第2流路140Bの形状を、第1流路140Aの形状と第1流路140Aに流入する空気の流量とに基づいて決定するステップを含む。従って、エアロゾルの不足を補うための第2流路140Bの形状を容易に定めやすい。
【0128】
第2実施形態では、ステップAは、第1流路140Aに流入する空気の流量を、香味源から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量に基づいて決定する。従って、エアロゾルの不足を補いながらも、所望量の香喫味成分を取り出すことができる。
【0129】
第2実施形態では、ステップAは、香味源から所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量を、香味源を構成する原料片の構成物質の種類、サイズ及び充填量の少なくともいずれか1つに基づいて決定するステップを含む。従って、所望量の香喫味成分を取り出すために必要なエアロゾル量を適切に定めることができる。
【0130】
第2実施形態では、ステップAは、第1流路140Aの形状を、香味源を構成する原料片の全てを収容できるように決定するステップを含む。従って、所望量の香喫味成分を取り出すための第1流路140Aの形状を適切に定めることができる。
【0131】
[その他の実施形態]
本発明は上述した実施形態によって説明したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0132】
実施形態では、カートリッジ130は霧化ユニットを含まないが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、カートリッジ130は、霧化ユニットとともに1つのユニットを構成してもよい。
【0133】
実施形態では、香味源132は、香味吸引器100を構成する吸引器本体110に接続可能に構成されるカートリッジ130に含まれる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、カートリッジ130を用いずに、吸引器本体110が香味源132を収容してもよい。
【0134】
実施形態では、第2流路140Bがカートリッジ130内に設けられるケース(第1実施形態、変更例1、変更例3)、第2流路140Bがカートリッジ130外に設けられるケース(変更例2)、第2流路140Bがカートリッジ130内で分岐した後にカートリッジ130外に設けられるケース(変更例4)について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。具体的には、第2流路140Bにおけるエアロゾルの低減率が第1流路140Aにおけるエアロゾルの低減率よりも小さければよく、エアロゾル流路の下流に向けて、第2流路140Bがカートリッジ130を出入りする回数は限定されるものではない。
【0135】
実施形態では、所定方向Aに対する垂直断面において、カートリッジ本体131の外周及び吸引器本体110の内周は円形状を有する。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。カートリッジ本体131の外周及び吸引器本体110の内周は、他の形状(例えば、四角形状)を有していてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0136】
実施形態によれば、エアロゾル源の消費量及び霧化に必要なエネルギー量のロスを低減することを可能とする非燃焼型香味吸引器、香味源ユニット及び非燃焼型香味吸引器用部材の製造方法を提供することができる。
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