特許第6671488号(P6671488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジェンサーム ゲーエムベーハーの特許一覧

特許6671488車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置
<>
  • 特許6671488-車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置 図000002
  • 特許6671488-車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置 図000003
  • 特許6671488-車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置 図000004
  • 特許6671488-車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671488
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20200316BHJP
   B60N 2/56 20060101ALI20200316BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   B60H1/00 102V
   B60N2/56
   A47C7/74 C
【請求項の数】14
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-539872(P2018-539872)
(86)(22)【出願日】2017年2月10日
(65)【公表番号】特表2019-504791(P2019-504791A)
(43)【公表日】2019年2月21日
(86)【国際出願番号】DE2017000023
(87)【国際公開番号】WO2017137023
(87)【国際公開日】20170817
【審査請求日】2018年7月30日
(31)【優先権主張番号】102016001426.1
(32)【優先日】2016年2月10日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】514185921
【氏名又は名称】ジェンサーム ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラップル, アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】プファッフ, ヨッヘン
【審査官】 五十嵐 康弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−253490(JP,A)
【文献】 特表2005−532095(JP,A)
【文献】 特表2008−503288(JP,A)
【文献】 特表2008−503392(JP,A)
【文献】 特開2015−042508(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0057006(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00−3/06
A47C 7/74
B60N 2/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)温度調節領域(14)へ空気を移送するように構成されている、空気移送装置(12)と、
(b)前記温度調節領域(14)へ移送すべき空気を温度調節するように構成されている、温度調節装置(16)と、
(c)前記空気移送装置(12)と前記温度調節装置(16)とを自動的に制御するように構成された制御装置(18)とを備えた、
車両シート(50)のユーザーのネック領域を温度調節する装置(10)であって、
(イ)前記温度調節装置(16)が、1つまたは複数のPTC線条抵抗を含み、
(ロ)前記制御装置(18)が、自動的に予備加熱駆動モード(I)を調節するように構成されていて、前記予備加熱駆動モードにおいては、前記空気移送装置(12)が非作動であり、かつ、前記温度調節装置(16)が能動化され、
(ハ)前記制御装置(18)が、予備加熱長さ(tV)の間、前記予備加熱駆動モード(I)を維持するように構成され、そして、
(ニ)前記制御装置(18)が、前記1つまたは複数のPTC線条抵抗の抵抗値(R)の勾配に従って前記予備加熱長さ(tV)を定めるように構成され、
(ホ)前記制御装置(18)は、前記装置(10)が能動化され、かつ/または周囲温度が温度限界値を下回る場合に、前記予備加熱駆動モード(I)を調節するように構成され、
(ヘ)前記制御装置(18)が、周囲温度と温度調節された空気の空気温度との間のあらかじめ定められた差に達するまで、前記予備加熱駆動モード(I)を維持するように構成され、
(ト)前記制御装置(18)が、自動的に始動駆動モード(II)を調節するように構成されており、前記始動駆動モード(II)においては、前記空気移送装置(12)と前記温度調節装置(16)が能動化されており、かつ前記空気移送装置(12)の駆動状態およびまたは前記温度調節装置(16)の駆動状態が少なくとも一時的に変化することを特徴とする装置(10)
【請求項2】
前記制御装置(18)が、前記始動駆動モード(II)の間、前記空気移送装置(12)の移送出力(F)に影響を及ぼす電気的な影響パラメータおよび/または流体流を変化させるように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
電気的な影響パラメータ及び/又は流体流の変化が、好ましくは始動期間tAにわたって、電気的な影響パラメータ及び/又は流体流を初期値から目標値へ上昇させることにより行われる、ことを特徴とする請求項2に記載の装置(10)。
【請求項4】
前記制御装置(18)が、電気的な影響パラメータおよびまたは流体流を少なくとも部分的に線形、双曲線状または漸近線状に上昇させるように構成されている、ことを特徴とする請求項3に記載の装置(10)。
【請求項5】
前記制御装置(18)が、電気的な影響パラメータおよびまたは流体流を1つもしくは複数の周囲パラメータ、前記温度調節領域(14)内の温度およびまたは前記温度調節装置(16)の1つもしくは複数の駆動パラメータに従って上昇させるように構成されている、
ことを特徴とする請求項3または4に記載の装置(10)。
【請求項6】
前記制御装置(18)が、電気的な影響パラメータ及び/又は流体流を前記1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値(R)及び/又は前記1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値(R)の勾配に従って上昇させるように整えられている、ことを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項7】
前記制御装置(18)が、前記1つまたは複数のPTC線条抵抗の目標抵抗値に達した後に、この目標抵抗値を維持するように構成されている、ことを特徴とする請求項2ないし6のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項8】
前記制御装置(18)が、自動的に連続駆動モード(III)を調節するように構成されており、前記連続駆動モード(III)においては、前記空気移送装置(12)と前記温度調節装置(16)が実質的に一定に目標状態において駆動される、ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の装置(10)。
【請求項9】
ユーザーのネック領域を温度調節するための装置(10)を有する、車両シート(50)用のヘッドレストにおいて、
前記装置(10)が請求項1ないし8のいずれか1項に従って形成されている、ことを特徴とするヘッドレスト。
【請求項10】
ユーザーのネック領域を温度調節するための装置(10)を有する、車両シート(50)において、
前記装置(10)が請求項1ないし8のいずれか1項に従って形成されている、ことを特徴とする車両シート。
【請求項11】
(a)空気移送装置(12)によって温度調節領域(14)へ空気を移送するステップと、
(b)温度調節装置(16)によって、前記温度調節領域(14)へ移送すべき空気を温度調節するステップと
(c)予備加熱長さ(tv)を定めるステップと
(d)制御装置(18)によって前記空気移送装置(12)と前記温度調節装置(16)を自動的に制御するステップと、
を有する車両シート(50)のユーザーのネック領域を温度調節する装置(10)を駆動するための制御方法であって、
(イ)前記空気移送装置(12)と前記温度調節装置(16)とを自動的に制御する前記ステップが、
前記制御装置(18)によって、前記空気移送装置(12)が非作動であり、前記温度調節装置(16)が能動化される予備加熱駆動モード(I)を自動的に調節すること、
前記制御装置(18)によって、前記空気移送装置(12)と前記温度調節装置(16)が能動化されており、かつ前記空気移送装置(12)の駆動状態および/または前記温度調節装置(16)の駆動状態が少なくとも一時的に変化する始動駆動モード(II)を自動的に調節すること、および、
前記予備加熱長さ(tV)の経過後に駆動モードが前記予備加熱駆動モード(I)から前記始動駆動モード(II)へ自動的に変化すること
を含み、かつ、
(ロ)前記予備加熱長さ(tV)を定めるステップが、前記温度調節装置(16)の1つまたは複数のPTC線条抵抗の抵抗値(R)の勾配を検出して、検出した該抵抗値(R)の勾配に従って前記予備加熱長さ(tV)を定めることを含み
以下のステップの少なくとも1つ:
−装置(10)の能動化、
−周囲温度の検出、
のステップを更に有し、
前記装置(10)が能動化され、かつ/または周囲温度が温度限界値の下にある場合に、前記予備加熱駆動モード(I)が調節される、
ことを特徴とする制御方法
【請求項12】
前記制御装置(18)によって、前記空気移送装置(12)と前記温度調節装置(16)が実質的に一定に目標状態において駆動される連続駆動モード(III)、を自動的に調節するステップを含むことを特徴とする請求項11に記載の制御方法。
【請求項13】
前記始動駆動モード(II)において、
−前記空気移送装置(12)の移送出力(F)に影響を及ぼす電気的な影響パラメータおよびまたは流体流を変化させるステップ
−電気的な影響パラメータおよびまたは流体流を始動期間(tA)にわたって、初期値から目標値へ上昇させるステップ
−電気的な影響パラメータおよびまたは流体流を少なくとも部分的に線形、双曲線状または漸近線状に上昇させるステップ
−電気的な影響パラメータおよびまたは流体流を、前記温度調節装置(16)の1つもしくは複数の駆動パラメータに従って上昇させるステップ
−前記温度調節装置(14)の1つまたは複数の駆動パラメータを検出するステップ
が実施される、ことを特徴とする請求項11又は12のいずれか1項に記載の制御方法。
【請求項14】
前記温度調節装置(16)の前記1つまたは複数の駆動パラメータの検出が、前記温度調節装置(16)の1つまたは複数のPTC線条抵抗の抵抗値(R)の勾配の検出のステップを有しており、かつ、
電気的な影響パラメータおよびまたは流体流の上昇が、前記検出された抵抗値(R)の勾配に従って行われる、ことを特徴とする請求項13に記載の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置であって、温度調節領域へ空気を移送するように整えられた空気移送装置と、温度調節領域へ移送すべき空気を温度調節するように整えられた温度調節装置とを有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、さらに、ユーザーのネック領域を温度調節する装置を有する車両シート及び車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置を駆動する制御方法に関するものであって、方法は、空気移送装置によって温度調節領域へ空気を移送するステップと、温度調節領域へ移送すべき空気を温度調節装置によって温度調節するステップを有している。
【0003】
このような装置は、特にカブリオレ車両において、車両運転者と場合によっては他の車両搭乗者のネック領域の冷やしすぎを阻止するために使用される。このようにして、ネック領域内の筋肉の緊張を回避し、冷たい走行風によって具合が悪くなることを防止することができる。さらに、ネック領域を温度調節することにより、車両内部の快適さが著しく向上する。
【0004】
しかし、使用される空気移送装置の駆動状態と使用される温度調節装置の駆動状態が、互いに対して調整されないことが多いので、時にはネック領域の温度調節が車両シートのユーザーの快適性を損なうことが、明らかにされている。この快適性を損なうことは、たとえば、適切でない空気温度、適切でない空気流によって、かつ/又は過度の騒音発生によってもたらされることがあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の課題は、空気移送装置の駆動と温度調節装置の駆動が互いに対して調整されることにより、ネック温度調節装置によりもたらされる快適性をさらに向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、冒頭で挙げた種類の装置によって解決され、その場合に本発明に係る装置は制御装置を有しており、その制御装置は、空気移送装置と温度調節装置を自動的に制御するように整えられている。
【0007】
本発明は、制御装置によって空気移送装置と温度調節装置を自動的に制御することにより、空気移送装置の駆動と温度調節装置の駆動を互いに調整することができる、という認識を利用している。このようにして、温度調節領域内の不適切な温度の発生と、車両シートのユーザーにとって不快な空気流の調節を効果的に回避することができる。さらに、空気移送装置と温度調節装置の自動的な制御が、過度の騒音発生の回避を可能にする。温度調節装置は、たとえば、加熱装置及び/又は冷却装置を有することができるので、温度調節領域へ移送すべき空気は暖めること、かつ/又は冷却することができる。特に空気移送装置は、ベンチレータ、好ましくはラジアルベンチレータを有することができる。したがって車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置は、たとえば加熱送風機及び/又は冷却送風機として形成することができる。
【0008】
本発明に係る装置の好ましい実施形態において、制御装置は、自動的に予備加熱駆動モードを調節するように整えられており、それにおいて空気移送装置は非作動であり、温度調節装置は能動化されている。予備加熱駆動モードにおいて空気移送装置が非作動であることによって、温度調節されていない、あるいは充分に温度調節されていない空気が温度調節領域へ移送されることは、効果的に回避することができる。したがって車両シートのユーザーが不快な温度を感じることが、回避される。さらに装置をオンにする場合に強い電流ピークが回避される。というのは、空気移送装置が非作動にされていることに基づいて、出力需要が減少されているからである。好ましくは温度調節装置は、予備加熱駆動モードにおいて、所定の出力段のために定められている出力の少なくとも50%をもたらす。本発明の主旨において、能動化された装置というのは、オンにされた装置であるので、能動化された装置は、クロック駆動において、かつパルス幅変調をもって駆動することもできる。
【0009】
本発明に係る装置は、さらに制御装置が、装置が能動化され、かつ/又は周囲温度が温度限界値を下回っている場合に、予備加熱駆動モードを調節するように整えられていることによって、効果的に展開される。そのために装置は、たとえば1つ又は複数の温度センサを有することができる。特に周囲温度が低い場合には、予備加熱されていない空気の吹き出しは、車両シートのユーザーには不快であると認識される。移送すべき空気を予備加熱することによって、装置の温度調節作用は即座に快適と感じられる。したがって予備加熱駆動モードは、たとえば、装置内又はシート内に存在する冷たい空気がまず予熱されて、その後に遅延されたファン始動によって空気移送装置が駆動されることを、保証する。
【0010】
本発明に係る装置の他の実施形態において、制御装置は、予備加熱長さの間、及び/又は周囲温度と温度調節された空気の空気温度と間のあらかじめ定められた差に達するまで、予備加熱駆動モードを維持するように、整えられている。予備加熱長さは、たとえば0秒〜45秒、好ましくは0秒〜2秒、特に好ましくは0.5秒〜2秒の領域内とすることができる。予備加熱駆動モードは、たとえば、温度調節された空気の空気温度が周囲温度を約10℃上回るまで、実施することができる。
【0011】
本発明に係る装置の特に好ましい実施形態において、制御装置は、1つもしくは複数の周囲パラメータ及び/又は温度調節装置の1つもしくは複数の駆動パラメータに従って予備加熱長さを定めるように、整えられている。したがってこの実施例において、予備加熱長さは静的にあらかじめ選択された時間値ではなく、周囲及び/又は温度調節装置の駆動に依存することができる。1つ又は複数の周囲パラメータは、たとえば周囲温度及び/又は周囲の湿度を含むことができる。温度調節装置の1つ又は複数の駆動パラメータは、たとえば出力消費、電流消費、印加される電圧及び/又は温度調節装置の電気抵抗又はそのコンポーネントを含むことができる。車両ルーフが閉鎖されている場合には、「周囲」という概念は、通常、車両キャビンの内部空間及び車両キャビン内部の空気を意味する。この場合において、たとえば「周囲温度」は、問題となる構成部分の周囲における車両キャビン内部の空気の温度を意味する。しかし「周囲」は、それぞれ構成に応じて、車両キャビンの外部の空間を意味することもできる。これは特に、幌を開けて運転される車両の場合である。この場合において、たとえば「周囲温度」は、車両の外部の空気の温度である。
【0012】
本発明に係る装置の展開において、温度調節装置は1つ又は複数のPTC線条抵抗を有し、あるいは1つ又は複数のPTC線条抵抗から形成されている。制御装置は、好ましくは1つ又は複数のPTC線条抵抗の抵抗値に従って予備加熱長さを定めるように、整えられている。PTC線条抵抗の抵抗値は、その温度に依存する。好ましくは予備加熱駆動モードは、30℃を上回るPTC線条抵抗の温度に対応づけることができる抵抗値が検出されるまで、実施される。
【0013】
本発明に係る装置の他の好ましい実施形態において、制御装置は、1つ又は複数のPTC線条抵抗の抵抗値の勾配に従って予備加熱長さを定めるように、整えられている。抵抗値の勾配が考慮されることにより、装置が最大の電流消費を有する時間を減少させることができる。特に好ましくは、抵抗値も抵抗値の勾配も定められた領域内に来るまで、予備加熱駆動モードが実施される。
【0014】
始動プロセスが繰り返される場合に、予備加熱駆動モードにおいて空気の強すぎる温度調節を回避するために、装置が非作動であった2つの始動プロセスの間の期間を、1つ又は複数のPTC線条抵抗が冷却のために必要とする期間と比較することができる。装置が非作動であった期間が、1つ又は複数のPTC線条抵抗が冷却のために必要とする期間を下回る場合に、予備加熱駆動モードは抑圧され、短縮され、あるいは減少された出力段で駆動される。
【0015】
好ましくは、本発明に係る装置の制御装置は、自動的に始動駆動モードを調節するように整えられており、それにおいて空気移送装置と温度調節装置は能動化されており、空気移送装置の駆動状態及び/又は温度調節装置の駆動状態は少なくとも一時的に変化する。始動駆動モードは、移送出力を温度調節装置の実際に支配的な温度調節出力に適合させることを可能にする。たとえば始動駆動モードにおいて、空気移送装置の適切な制御により、あるいは流体移送出力の適切な適合によって、まだ完全に暖められていない加熱送風機あるいは目標温度まで加熱されていない線条抵抗によって暖めることができるよりも多くの空気が移送されないことを、保証することができる。この始動駆動モードにおいて、温度調節装置は所定の出力段のために定められているその出力の、好ましくは少なくとも50%をもたらす。
【0016】
本発明に係る装置の特に好ましい実施形態において、制御装置は、始動駆動モードの間空気移送装置の移送出力に影響を及ぼす電気的な影響パラメータ及び/又は流体流を変化させるように、整えられている。電気的な影響パラメータは、たとえば、印加される電圧の大きさ、所定の期間内の出力消費、パルス幅変調駆動における平均のスイッチオン長さ、又は流れる電流強さとすることができる。流体流の変化は、たとえば移送装置の電気的な出力消費の変化、移送される流体体積もしくは流体体積流の量の変化、又は空気移送装置のベンチレータの回転数の変化を介して行うことができる。好ましくは予備加熱駆動モード及び/又は始動駆動モードの間に空気移送装置及び/又は温度調節装置を通る電流の流れは、12ボルトにおいて最大で16〜25A、好ましくは16〜20A、もしくは48ボルトにおいて4〜5Aの領域内にある。
【0017】
本発明に係る装置の展開において、電気的な影響パラメータ及び/又は流体流の変化は、電気的な影響パラメータ及び/又は流体流が、好ましくは始動期間にわたって、初期値から目標値へ上昇することによって行われる。始動期間は、好ましくは0秒〜40秒、好ましくは1秒〜20秒、特に好ましくは1.5秒〜2秒の領域内にある。電気的な影響パラメータ及び/又は流体流の上昇は、連続的及び/又は段階的に行うことができる。
【0018】
本発明に係る装置の他の好ましい実施形態において、制御装置は、電気的な影響パラメータ及び/又は流体流を少なくとも部分的に線形、双曲線状あるいは漸近線状に上昇させるように、整えられている。好ましくは制御装置は、電気的な影響パラメータ及び/又は流体流を少なくとも部分的にランプ形状に線形に、あるいはランプ形状に双曲線状に上昇させるように、整えられている。電気的な影響パラメータ及び/又は流体流の様々な上昇推移は、それぞれ選択された駆動条件において、たとえば車両シートのユーザーのための快適性最大化あるいは空気温度調節の促進を達成するために、有利であり得る。
【0019】
さらに、本発明に係る装置において好ましくは、制御装置は、電気的な影響パラメータ及び/又は流体流を、1つもしくは複数の周囲パラメータ、温度調節領域内の温度及び/又は温度調節装置の1つもしくは複数の駆動パラメータに従って上昇させるように、整えられている。1つ又は複数の周囲パラメータは、たとえば周囲温度を含むことができる。電気的な影響パラメータ及び/又は流体流の上昇が、温度領域内の温度に従って行われる場合に、しかるべき制御によって、始動駆動モードの間、温度領域内を常に等しい温度が支配することを達成することができる。これが、車両シートのユーザーにとって快適性の著しい向上をもたらす。
【0020】
本発明に係る装置の特に好ましい実施形態において、制御装置は、1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値及び/又は1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値の勾配に従って電気的な影響パラメータ又は流体流を上昇させるように、整えられている。好ましくは始動駆動モードにおける1つ又は複数のPTC線条抵抗の各抵抗値について、空気移送装置の流体移送量が格納されている。したがって流体移送量はPTC抵抗に従って増大するので、始動駆動モードの間、流体流は常に同じ温度を有している。
【0021】
本発明に係る装置の他の好ましい実施形態において、制御装置は、1つ又は複数のPTC線条抵抗の目標抵抗値に達した後は、この目標抵抗値を維持するように、整えられている。このようにして、知覚可能な騒音変化が回避され、それによって利用快適性が向上する。
【0022】
さらに本発明に係る装置において、好ましくは、制御装置は、自動的に連続駆動モードを調節するように、整えられている。この連続駆動モードにおいて、空気移送装置と温度調節装置は実質的に一定に目標状態において駆動される。その場合に好ましくは、温度調節装置は所定の出力段のために定められたその出力の少なくとも50%をもたらす。特に制御装置は、少なくとも1つの電気的な影響パラメータを終端値へ上昇させる。その場合に特に終端値とは、連続駆動に適した目標値に相当する値である。この終端値は、好ましくは最大±20%の許容誤差をもって維持される。したがってそれは、意図される目標値から最大±20%の偏差を有する。好ましくは電気的な影響パラメータは、空気移送装置の移送出力に影響を及ぼすパラメータである。
【0023】
好ましくは制御装置は、始動駆動モードが調節される前に、まず予備加熱駆動モードを調節するように整えられている。さらに装置は、連続駆動モードが調節される前に、まず始動駆動モードで駆動される。連続駆動モードにおいて装置は、好ましくは過渡状態が収まった状態にあるので、連続駆動モードは時間的な終端制限なしで実施することができる。
【0024】
本発明の基礎となる課題は、さらに、冒頭で挙げた種類のヘッドレスト又は車両シートによって解決され、その場合にユーザーのネック領域を温度調節する装置は、上述した実施形態のいずれかに従って形成されている。したがってヘッドレスト及び/又は車両シートは、たとえば、乗客のネック領域に冷たい空気及び/又は暖かい空気を流すために加熱送風機を有することができる。本発明に係る車両シートの他の利点及び修正形態に関しては、本発明に係る装置の利点及び修正形態を参照することができる。
【0025】
本発明の基礎となる課題は、さらに、冒頭で挙げた種類の制御方法によって解決され、その場合に空気移送装置と温度調節装置が制御装置によって自動的に制御される。特に本発明に係る制御方法は、上述した実施形態のいずれか1つに記載の車両シートのユーザーのネック領域を温度調節する装置を駆動するために使用される。
【0026】
好ましい実施形態において本発明に係る制御方法は、空気移送装置が非作動であり、温度調節装置が能動化されている、制御装置による予備加熱駆動モードの自動的な調節、空気移送装置と温度調節装置が能動化されており、空気移送装置の駆動状態及び/もしくは温度調節装置の駆動状態が少なくとも一時的に変化する、制御装置による始動駆動モードの自動的な調節ならびに/又は空気移送装置と温度調節装置が実質的に一定に目標状態において駆動される、制御装置による連続駆動モードの自動的な調節を有している。
【0027】
本発明に係る制御方法の好ましい展開において、装置は能動化されて、周囲温度が検出され、その場合に装置が能動化され、かつ/又は周囲温度が温度限界値を下回る場合に、予備加熱駆動モードが調節される。特に周囲温度が低い場合には、予備加熱されていない空気の吹き出しは、車両シートのユーザーによって不快であると知覚されることがあり得る。移送すべき空気を予備加熱することによって、装置の温度調節作用は即座に快適であると感じられる。
【0028】
さらに、本発明に係る制御方法において好ましくは、予備加熱長さが定められ、かつ/又は予備加熱長さの経過後に、駆動モードが自動的に予備加熱駆動モードから始動駆動モードへ切り替えられる。予備加熱駆動モードから始動駆動モードへ自動的に切り替えることによって、予備加熱駆動モードにおける温度調節が終了した後に、ユーザーの介入は不要である。したがって快適性がさらに向上する。
【0029】
本発明に係る制御方法の他の好ましい実施形態において、予備加熱長さは、1つもしくは複数の周囲パラメータ及び/又は温度調節装置の1つもしくは複数の駆動パラメータに従って定められる。好ましくはさらに、本発明に係る制御方法において、予備加熱長さを定めることは、温度調節装置の1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値の検出及び/又は温度調節装置の1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値の勾配の検出を有しており、その場合に予備加熱長さを定めることは、1つ又は複数のPTC線条抵抗の検出された抵抗値及び/又は検出された抵抗値の勾配に従って行われる。抵抗値の勾配が考慮されることにより、装置が最大の電流消費を有する時間を減少させることができる。特に好ましくは、抵抗値も抵抗値の勾配も定められた領域に来るまで、予備加熱駆動モードが実施される。
【0030】
本発明に係る制御方法の他の実施形態において、始動駆動モードにおいて、空気移送装置の移送出力を調節する電気的な影響パラメータ及び/もしくは流体流を変化させ、電気的な影響パラメータ及び/もしくは流体流を、好ましくは始動期間にわたって初期値から目標値へ上昇させ、電気的な影響パラメータ及び/もしくは流体流を少なくとも部分的に線形、双曲線状もしくは漸近線状に上昇させ、かつ/又は電気的な影響パラメータ及び/もしくは流体流を、1つもしくは複数の周囲パラメータ、温度調節領域内の温度及び/もしくは温度調節装置の1つもしくは複数の駆動パラメータに従って上昇させる。好ましくは電気的な影響パラメータ及び/又は流体流を、少なくとも部分的にランプ形状に線形に、あるいはランプ形状に双曲線状に上昇させる。電気的な影響パラメータ及び/又は流体流の様々な上昇推移は、それぞれ選択された駆動条件において、たとえば車両シートのユーザーにとっての快適性最大化又は空気温度調節の促進を達成するために、有利であり得る。
【0031】
好ましくは本発明に係る制御方法において、始動駆動モードにおいて1つもしくは複数の周囲パラメータ、温度領域内の温度及び/又は温度調節装置の1つもしくは複数の駆動パラメータが検出される。予備加熱長さは、好ましくはあらかじめ選択された静的な時間値ではない。1つ又は複数の周囲パラメータは、たとえば周囲温度及び/又は周囲の湿度を含むことができる。温度調節領域の1つ又は複数の駆動パラメータは、たとえば出力消費、電流消費、印加される電圧及び/又は温度調節装置の電気的抵抗又はそのコンポーネントを有することができる。
【0032】
本発明に係る制御方法の好ましい展開において、温度調節装置の1つ又は複数の駆動パラメータの検出は、温度調節装置の1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値の検出及び/又は温度調節装置の1つもしくは複数のPTC線条抵抗の抵抗値の勾配の検出を有しており、その場合に電気的な影響パラメータ及び/又は流体流の上昇は、検出された抵抗値及び/又は抵抗値の検出された勾配に従って行われる。本発明に係る方法は、さらに、目標抵抗値の達成後に1つ又は複数のPTC線条抵抗の目標抵抗値の維持を有することができる。
【0033】
本発明に係る制御方法の利点及び修正形態に関しては、本発明に係る装置の利点及び修正形態を参照することができる。先行する説明における「1つ(ein/eine)」は、不定冠詞を意味し、「少なくとも1つ又は複数」を表す。
【0034】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明に係る車両シートの実施例を図式的に示している。
図2】本発明に係る制御方法の実施例を示すブロック図である。
図3】本発明に係る方法を実施する間の空気移送装置と温度調節装置の駆動パラメータを示している。
図4】温度調節装置のPTC線条抵抗の抵抗値の推移を示している。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、ユーザーのネック領域を温度調節する装置10を備えた車両シート50を示している。装置10は、空気移送装置12、温度調節装置16及び制御装置18を有している。
【0037】
空気移送装置12は、温度調節領域14へ空気を移送するように整えられている。そのために空気は、車両シート50の周囲からベンチレータによって吸い込まれて、流体を案内する接続24、26を介して温度調節領域14へ移送される。車両シート50のヘッドレストは、ネック領域内に流出開口部を有しており、それを通して空気が流体を案内する接続24、26から温度調節領域14内へ吹き出される。
【0038】
温度調節装置16は、温度調節領域14へ移送すべき空気を温度調節するように、整えられている。そのために温度調節装置16はPTC線条抵抗を有しており、そのPTC線条抵抗が通電された場合にその周囲にある空気を加熱する。
【0039】
制御装置18は、空気移送装置12と温度調節装置16を自動的に制御するように、整えられている。そのために制御装置18は、信号を案内する接続20、22を介して空気移送装置12及び温度調節装置16と信号を案内するように接続されている。
【0040】
制御装置18は、自動的に予備加熱駆動モードI、始動駆動モードIIあるいは連続駆動モードIIIを調節するように、整えられている。予備加熱駆動モードI、始動駆動モードII及び連続駆動モードIIIの例としての形態は、図3を参照して詳細に説明される。
【0041】
図2は、車両シート50のユーザーのネック領域を温度調節する装置10を駆動するための制御方法を示している。制御方法は、以下のステップによって導入される:
100)装置10の能動化。
【0042】
たとえばユーザーが操作装置を手動で操作することにより、あるいは車両シート50が組み込まれている車両の始動プロセスによって自動的に、装置が能動化された後に、以下のステップが実施される:
102)周囲温度の検出。
【0043】
検出された周囲温度は、ユーザーにより、あるいは自動的に調節された空気の目標温度のずっと下にあり、さらにあらかじめ定められた温度限界値の下にある。装置10が能動化されており、周囲温度が温度限界値の下にあるので、以下のステップが実施される:
104)制御装置18によって空気移送装置12と温度調節装置16を自動的に制御する。
【0044】
その場合に、制御装置18による空気移送装置12と温度調節装置16の自動的な制御は、以下のステップを有している:
106)制御装置18による予備加熱駆動モードIの自動的な調節、それにおいて空気移送装置12は非作動であり、温度調節装置16が能動化されている。
【0045】
温度調節装置16を能動化した後に、以下のステップを実施することができる:
108)温度調節装置16による、温度調節領域14へ移送すべき空気の温度調節、及び
110)予備加熱長さtを定める。
【0046】
予備加熱長さtを定めることは、たとえば期間を定めることであり、その期間の経過後に予備加熱駆動モードIが終了される。代替的に予備加熱長さtを定めることは、駆動状態を定めることを含むことができ、その駆動状態に達した場合に予備加熱駆動モードIが終了される。
【0047】
ここでは、予備加熱長さtを定めることは、温度調節装置16の2つの駆動パラメータに従って、すなわち温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値Rと温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値Rの勾配とに従って行われるので、予備加熱長さtを定めることは、次のステップを有している:
112)温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値Rの検出、及び
114)温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値Rの勾配の検出
【0048】
PTC線条抵抗の抵抗値R及び/又はPTC線条抵抗の抵抗値Rの勾配があらかじめ定められた値領域内にある場合には、予備加熱駆動モードが終了されて、以下のステップが実施される:
116)制御装置18によって空気移送装置12と温度調節装置16を自動的に制御する。
【0049】
この場合において、制御装置18による空気移送装置12と温度調節装置16の自動的な制御は、以下のステップを有している:
118)予備加熱期間tの経過後に予備加熱駆動モードIから始動駆動モードIIへの駆動モードの自動的な交代。
【0050】
始動駆動モードIIにおいて、空気移送装置12と温度調節装置16は能動化されて、空気移送装置12の駆動状態が変化する。空気移送装置12が能動化されているので、以下のステップが実施される:
120)空気移送装置12による温度調節領域14への空気の移送。
【0051】
始動駆動モードIIにおいては、さらに以下のステップが実施される:
122)温度調節装置16の複数の駆動パラメータの検出。
【0052】
その場合に温度調節装置16の複数の駆動パラメータの検出は、以下のステップを有している:
124)温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値Rの検出、及び
126)温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値Rの勾配の検出。
【0053】
始動駆動モードIIにおける空気移送装置12の駆動状態は、空気移送装置12の移送出力Fが時間と共に上昇することにより変化するので、制御方法は以下のステップを有する:
128)空気移送装置12の移送出力Fに影響を及ぼす電気的な影響パラメータを変化させる。
【0054】
その場合に空気移送装置12の移送出力Fに影響を及ぼす電気的な影響パラメータを変化させることは、以下のステップを有している:
130)電気的な影響パラメータを始動期間tにわたって始動値から目標値へ上昇させる。
【0055】
その場合に電気的な影響パラメータの上昇は、新たに温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値R及び温度調節装置16のPTC線条抵抗の抵抗値Rの勾配に従って行われる。その場合に上昇は、たとえば部分的に線形、双曲線状又は漸近線状に行うことができる。
【0056】
空気移送装置12の移送出力Fに影響を及ぼす電気的な影響パラメータが目標値へ上昇した後に、以下のステップを実施することができる:
132)制御装置18による空気移送装置12と温度調節装置16の自動的な制御。
【0057】
この場合には、制御装置18による空気移送装置12と温度調節装置16の自動的な制御は、以下のステップを有する:
134)制御装置18による連続駆動モードIIIの自動的な調節、それにおいて空気移送装置12と温度調節装置16は実質的に一定に目標状態において駆動される。
【0058】
図3は、本発明に係る装置10の空気移送装置12の移送出力Fの3つの異なる推移と温度調節装置16の駆動状態推移を示している。空気移送装置12の移送出力Fの図示される推移は、装置の制御装置18によって具現化することができる。
【0059】
装置10の制御装置18は、予備加熱駆動モードI、始動駆動モードII及び連続駆動モードIIIを自動的に調節するように、整えられている。
【0060】
空気移送装置12が非作動であり、温度調節装置16が能動化されている、予備加熱駆動モードIは、予備加熱長さtにわたって実施される。温度調節装置16の能動化は、駆動状態推移が「0」から「1」へ飛躍することによって示される。移送出力Fは、予備加熱長さtの間は変わらずにゼロである。
【0061】
空気移送装置12と温度調節装置16が能動化されて空気移送装置12の駆動状態が変化する始動駆動モードIIは、始動期間tにわたって実施される。
【0062】
始動期間tの間、温度調節装置16は能動化された状態を維持する。空気移送装置12の移送出力Fの第1の例としての推移において、移送出力Fは目標値に達するまで常に連続して上昇する。空気移送装置12の移送出力Fの第2の例としての推移において、移送出力Fはまず急激に中間値へ上昇し、中間値からは目標値に達するまで常に連続して上昇する。空気移送装置12の移送出力Fの第3の例としての推移においては、移送出力Fは目標値に達するまで段階的に上昇する。
【0063】
移送出力は、空気移送装置12の移送出力Fに影響を及ぼす電気的な影響パラメータを調節することによって、上昇する。
【0064】
空気移送装置12の移送出力Fの目標値に達した後に、自動的に連続駆動モードIIIが調節され、それにおいて空気移送装置12と温度調節装置16は実質的に一定に目標状態において駆動される。
【0065】
図4は、PTC線条抵抗の抵抗値Rがその温度Tに依存することを示している。たとえば、予備加熱駆動モードは、PTC線条抵抗が抵抗値Rに達するまで実施することができ、その抵抗値は30℃より高いPTC線条抵抗の温度に対応づけることができる。装置10が使用されるPTC線条抵抗の抵抗温度推移を有している場合に、抵抗値Rの検出によってPTC線条抵抗の温度に関して信頼できる説明を行うことができる。
【0066】
さらに空気移送装置12の移送出力Fに影響を及ぼす電気的な影響パラメータは、PTC線条抵抗の抵抗値R及び/又はPTC線条抵抗の抵抗値Rの勾配に従って上昇することができ、その場合に制御装置18は、PTC線条抵抗の目標抵抗値に達した後にこの目標抵抗値を維持するように、整えられている。
【0067】
図2に示すすべての電気的なコンポーネントは、1つのモジュールにまとめることもできる。このモジュールは、たとえば約10x10x6cmの大きさのボックスとしてヘッドレスト内に内蔵し、あるいはヘッドレストと背もたれとの間に取り付けることができる。
【符号の説明】
【0068】
10 装置
12 空気移送装置
14 温度調節領域
16 温度調節装置
18 制御装置
20 信号を案内する接続
22 信号を案内する接続
24 流体を案内する接続
26 流体を案内する接続
50 車両シート
I 予備加熱駆動モード
II 始動駆動モード
III 連続駆動モード
予備加熱長さ
始動期間
F 移送出力
R PTC線条抵抗の抵抗値
T PTC線条抵抗の温度
100〜134 方法ステップ
図1
図2
図3
図4