特許第6671546号(P6671546)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671546モニタを用いたエレベータ動作制御装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671546
(24)【登録日】2020年3月5日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】モニタを用いたエレベータ動作制御装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/50 20060101AFI20200316BHJP
   B66B 1/46 20060101ALI20200316BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   B66B1/50 Z
   B66B1/46 Z
   B66B3/00 G
   B66B3/00 F
【請求項の数】7
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2019-518546(P2019-518546)
(86)(22)【出願日】2018年1月24日
(65)【公表番号】特表2019-531239(P2019-531239A)
(43)【公表日】2019年10月31日
(86)【国際出願番号】KR2018001051
(87)【国際公開番号】WO2018147576
(87)【国際公開日】20180816
【審査請求日】2019年4月22日
(31)【優先権主張番号】10-2017-0017351
(32)【優先日】2017年2月8日
(33)【優先権主張国】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516337917
【氏名又は名称】ユン,イル シク
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【弁理士】
【氏名又は名称】芦北 智晴
(72)【発明者】
【氏名】ユン イルシク
【審査官】 三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1667510(KR,B1)
【文献】 特開2016−186674(JP,A)
【文献】 特開2014−164755(JP,A)
【文献】 特開2002−053273(JP,A)
【文献】 国際公開第01/096224(WO,A1)
【文献】 特開2011−175440(JP,A)
【文献】 特開平04−127314(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 1/00−1/52
B66B 3/00−3/02
B66B 11/02
G06F 3/00−3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータケージ壁面、エレベータドア表面またはエレベータドア横の建物壁面に設けられ、開始ボタンと非常ボタンと階ボタンを含めてエレベータの動作を制御する各種ボタンをディスプレイし、スピーカが内蔵されたモニタ、
モニタの上部の左右側に各々位置する2台のピンカメラ、および
前記モニタの各種ボタンの動作、ピンカメラの動作、エレベータの動作を制御する制御部を含み、
前記制御部は、前記2台のピンカメラ各々がモニタの正面に並んで撮像をするようにし、重なる撮像部分でピンカメラの撮像角度に基づいてモニタに平行に間隔をおいた2次元の仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3を順に設定し、前記仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3のうち、仮想画面z1がモニタに最も近く、仮想画面z3がモニタから最も遠くに形成されるようにし、
前記制御部は、モニタに各種ボタンがディスプレイされるようにし、乗客の指を含む作動子が仮想画面z1〜仮想画面z3を仮想画面z3、仮想画面z2、仮想画面z1の順にタッチすれば、モニタの各種ボタンのうち選択されたボタンを活性化し、活性化されたボタンに応じてエレベータの動作を制御し、前記作動子が仮想画面z3をタッチすれば、モニタに基本大きさのカーソルを表示し、作動子が中間位置の仮想画面z2に向かって接近するか否かを判断し、接近すると決定されれば、カーソルの大きさを拡大することに加えてスピーカを介して所定の音声信号が出力されるようにし、前記作動子が仮想画面z2をタッチしたと決定されれば、カーソルと一定大きさ以上重なる選択ボタンに該当する階数の音声信号の一部が前記スピーカを介して出力されるようにし、仮想画面z1をタッチしたと判断されれば、スピーカを介して前記階数の残りの音声信号が出力されるようにすることを特徴とする、モニタを用いたエレベータの動作制御装置。
【請求項2】
前記モニタの下段部と上段部に各々児童モード選択ボタンと標準復帰ボタンがディスプレイされ、モニタコントローラの制御下、児童モード選択ボタンが作動すれば、モニタの全てのボタンがモニタの下部にディスプレイされ、何のボタンも作動せずに一定時間が経過するかまたは標準復帰ボタンが作動すれば、全てのボタンが本来の状態に復帰することを特徴とする、請求項1に記載のモニタを用いたエレベータの動作制御装置。
【請求項3】
前記ピンカメラがモニタの上部に設けられるピンカメラ埋め込みボックス内に内蔵され、ピンカメラ埋め込みボックスの開放された下部を通してピンカメラが撮像することを特徴とする、請求項1または2に記載のモニタを用いたエレベータの動作制御装置。
【請求項4】
エレベータケージ壁面、エレベータドア表面またはエレベータドア横の建物壁面に設けられ、エレベータの動作を制御する各種ボタンをディスプレイするモニタ、前記モニタに内蔵されたスピーカ、前記モニタの上部の左右側に各々位置する2台のピンカメラ、および前記モニタの各種ボタンの動作、ピンカメラの動作、エレベータの動作を制御する制御部を含むエレベータの動作制御装置において行われるエレベータの動作制御方法であって、
前記2台のピンカメラ各々がモニタの正面に並んで撮像をするようにし、重なる撮像部分でピンカメラの撮像角度に基づいてモニタに平行に間隔をおいた2次元の仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3を順に設定し、前記仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3のうち、仮想画面z1がモニタに最も近く、仮想画面z3がモニタから最も遠くに形成されるステップ、
前記モニタを介して各種ボタンをディスプレイするステップ、
前記仮想画面z3が作動子によりタッチされたか否かを判断するステップ、
前記作動子が仮想画面z3をタッチしたと決定されれば、モニタに基本大きさのカーソルを表示するステップ、
前記作動子が中間位置の仮想画面z2に向かって接近するか否かを判断するステップ、
前記作動子が仮想画面z2に向かって接近しないと決定されれば、仮想画面z3が作動子によりタッチされたか否かを判断するステップに戻り、接近すると決定されれば、カーソルの大きさを拡大し、前記スピーカを介して所定の音声信号が出力されるようにするステップ、
前記作動子が仮想画面z2をタッチし、カーソルが表示された各種ボタンに対して一定大きさ以上重なるボタンがあるか否かを判断して選択ボタンを決定するステップ、
前記仮想画面z2がタッチされなかったと決定されれば、仮想画面z2に向かって接近するか否かを判断するステップに戻り、タッチされたと決定されれば、スピーカを介して前記選択されたボタンに該当する階数の音声信号の一部を出力し、前記選択ボタンが拡大されるかまたは所望のグラフィックでディスプレイされるステップ、
前記作動子が仮想画面z1をタッチしたか否かを判断するステップ、
前記仮想画面z1がタッチされなかったと決定されれば、カーソルが表示された各種ボタンに対して一定大きさ以上重なるボタンがあるか否かを判断して選択ボタンを決定するステップに戻り、仮想画面z1がタッチされたと決定されれば、スピーカを介して前記階数の残りの音声信号を出力し、前記選択されたボタンを登録するステップ、および
前記登録されたボタンに該当する動作を実行するステップを含むことを特徴とする、エレベータの動作制御方法。
【請求項5】
前記登録されたボタンに該当する動作を実行するステップは、
前記作動子がモニタに対して垂直に後退したか否かを判断するステップ、および
垂直に後退したと決定されれば、前記登録されたボタンに該当する動作を実行するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載のエレベータの動作制御方法。
【請求項6】
前記登録されたボタンに該当する動作を実行するステップは、
前記垂直に後退したか否かを判断するステップにおいて垂直に後退しなかったと決定されれば、作動子が水平に一定距離を動いたか否かを判断するステップ、
水平に移動したと決定されれば、ボタンの登録を取り消すステップ、および
再登録要請を前記モニタを介してディスプレイするステップをさらに含むことを特徴とする、請求項5に記載のエレベータの動作制御方法。
【請求項7】
前記制御部は、モニタの各種ボタンのうち選択されたボタンを活性化した後、活性化されたボタンに応じてエレベータの動作を制御する前に、
前記作動子がモニタに対して垂直に後退したか否かを判断し、垂直に後退したと決定されれば、前記活性化されたボタンに該当するエレベータの動作を実行し、
垂直に後退しなかったと決定されれば、作動子が水平に一定距離を動いたか否かを判断し、水平に移動したと決定されれば、選択されたボタンの活性化を取り消し、再登録要請を前記モニタを介してディスプレイするようにすることを特徴とする、請求項1に記載のモニタを用いたエレベータの動作制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モニタを用いたエレベータ動作制御装置および方法に関し、具体的には、2台のピンカメラを用いてエレベータのモニタのディスプレイを操作し誤作動を防止する装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベータの階の選択と昇降の選択のために、エレベータドア横の建物壁面に一般のホールボタンを設けるのが一般的である。しかし、このようなホールボタンを設けようとすれば、建物壁面に穴を穿孔し、そこにホールボタンを設け、各種配線を連結しなければならない。このようなホールボタンを建物の各階ごとに設けなければならないため、ホールボタンの設置作業は時間と費用が相当多くかかる作業である。
【0003】
また、一般の高層ビルの場合は多い階数のためにホールボタンに階数だけ多い階選択ボタンが小さい大きさで配置されており、特に視力の良くない乗客は階選択ボタンを選択するのに困難を感じることが多い。
【0004】
それを改善するために、本出願人の2016年10月12日に登録された特許第1667510号にはモニタを用いてエレベータの動作を制御する発明が開示されているが、該発明の場合、ピンカメラが6台として構造が複雑であり、視聴覚障害者と背の低い児童は利用するのに不便であり、いたずらなどによる誤作動を防止することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】大韓民国特許第1667510号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ピンカメラの個数を減らして構造を単純化し、視聴覚障害者と背の低い児童が容易に利用できることは勿論、いたずらなどによる誤作動を防止することができる、モニタを用いたエレベータの動作制御装置および方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、このような目的を達成するために、エレベータケージ壁面、エレベータドア表面またはエレベータドア横の建物壁面に設けられ、開始ボタンと非常ボタンと階ボタンを含めてエレベータの動作を制御する各種ボタンをディスプレイし、スピーカが内蔵されたモニタM、
モニタMの上部の左右側に各々位置する2台のピンカメラP1、P2、および
前記モニタMの各種ボタンの動作、ピンカメラの動作、エレベータの動作を制御する制御部を含み、
前記制御部は、前記2台のピンカメラP1、P2各々がモニタMの正面に並んで撮像をするようにし、重なる撮像部分でピンカメラP1、P2の撮像角度に基づいてモニタMに平行に間隔をおいた2次元の仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3を順に設定し、前記仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3のうち、仮想画面z1がモニタに最も近く、仮想画面z3がモニタから最も遠くに形成されるようにし、
前記制御部は、モニタMに各種ボタンがディスプレイされるようにし、乗客の指を含む作動子が仮想画面z1〜仮想画面z3画面を仮想画面z3、仮想画面z2、仮想画面z1の順にタッチすれば、モニタの各種ボタンのうち選択されたボタンを活性化し、活性化されたボタンに応じてエレベータの動作を制御し、前記作動子が仮想画面z3をタッチすれば、モニタMに基本大きさのカーソルを表示し、作動子が中間位置の仮想画面z2に向かって接近するか否かを判断し、接近すると決定されれば、カーソルの大きさを拡大する、モニタを用いたエレベータの動作制御装置を提供する。
【0008】
本発明において、モニタMの下段部と上段部に各々児童モード選択ボタン10と標準復帰ボタン20がディスプレイされ、モニタコントローラMCの制御下、児童モード選択ボタン10が作動すれば、モニタの全てのボタンがモニタMの下部にディスプレイされ、何のボタンも作動せずに一定時間が経過するかまたは標準復帰ボタン20が作動すれば、全てのボタンが本来の状態に復帰するようにしてもよい。
【0009】
また、ピンカメラP1、P2がモニタMの上部に設けられるピンカメラ埋め込みボックス30内に内蔵され、ピンカメラ埋め込みボックス30の開放された下部を通してピンカメラP1、P2が撮像するようにしてもよい。
【0010】
また、本発明は、
エレベータケージ壁面、エレベータドア表面またはエレベータドア横の建物壁面に設けられ、エレベータの動作を制御する各種ボタンをディスプレイするモニタM、前記モニタMの上部の左右側に各々位置する2台のピンカメラP1、P2、および前記モニタMの各種ボタンの動作、ピンカメラの動作、エレベータの動作を制御する制御部を含むエレベータの動作制御装置において行われるエレベータの動作制御方法であって、
前記2台のピンカメラP1、P2各々がモニタMの正面に並んで撮像をするようにし、重なる撮像部分でピンカメラP1、P2の撮像角度に基づいてモニタMに平行に間隔をおいた2次元の仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3を順に設定し、前記仮想画面z1、仮想画面z2および仮想画面z3のうち、仮想画面z1がモニタに最も近く、仮想画面z3がモニタから最も遠くに形成されるステップ、
前記モニタMを介して各種ボタンをディスプレイするステップ、
前記仮想画面z3が作動子によりタッチされたか否かを判断するステップ、
前記作動子が仮想画面z3をタッチしたと決定されれば、モニタMに基本大きさのカーソルを表示するステップ、
前記作動子が中間位置の仮想画面z2に向かって接近するか否かを判断するステップ、
前記作動子が仮想画面z2に向かって接近しないと決定されれば、仮想画面z3が作動子によりタッチされたか否かを判断するステップに戻り、接近すると決定されれば、カーソルの大きさを拡大するステップ、
前記作動子が仮想画面z2をタッチし、カーソルが表示された各種ボタンに対して一定大きさ以上重なるボタンがあるか否かを判断して選択ボタンを決定するステップ、
前記仮想画面z2がタッチされなかったと決定されれば、仮想画面z2に向かって接近するか否かを判断するステップに戻り、タッチされたと決定されれば、前記選択ボタンが拡大されるかまたは所望のグラフィックでディスプレイされるステップ、
前記作動子が仮想画面z1をタッチしたか否かを判断するステップ、
前記仮想画面z1がタッチされなかったと決定されれば、カーソルが表示された各種ボタンに対して一定大きさ以上重なるボタンがあるか否かを判断して選択ボタンを決定するステップに戻り、仮想画面z1がタッチされたと決定されれば、前記選択されたボタンを登録するステップ、および
前記登録されたボタンに該当する動作を実行するステップを含む、エレベータの動作制御方法も提供する。
【0011】
この方法において、登録されたボタンに該当する動作を実行するステップは、
作動子がモニタに対して垂直に後退したか否かを判断するステップ、および
垂直に後退したと決定されれば、前記登録されたボタンに該当する動作を実行するステップをさらに含んでもよい。
【0012】
また、登録されたボタンに該当する動作を実行するステップは、
前記垂直に後退したか否かを判断するステップにおいて垂直に後退しなかったと決定されれば、作動子が水平に一定距離を動いたか否かを判断するステップ、
水平に移動したと決定されれば、ボタンの登録を取り消すステップ、および
再登録要請を前記モニタを介してディスプレイするステップをさらに含んでもよい
【0013】
本発明に係る動作制御装置がモニタに内蔵されたスピーカをさらに含み、
前記動作制御方法は、
前記作動子が仮想画面z3をタッチした後に仮想画面z2に接近すると決定されれば、前記スピーカを介して所定の音声信号が出力されるようにするステップ、
前記作動子が仮想画面z2をタッチしたと決定されれば、スピーカを介して前記選択されたボタンに該当する階数の音声信号の一部を出力するステップ、および
前記仮想画面z1をタッチしたと判断されれば、スピーカを介して前記階数の残りの音声信号を出力するステップをさらに含んでもよい。
【0014】
また、本発明に係る装置がモニタに内蔵されたスピーカをさらに含み、前記制御部は、前記作動子が仮想画面z3をタッチした後に仮想画面z2に接近すると決定されれば、カーソルの大きさを拡大することに加えてスピーカを介して所定の音声信号が出力されるようにし、前記作動子が仮想画面z2をタッチしたと決定されれば、カーソルと一定大きさ以上重なる選択ボタンに該当する階数の音声信号の一部が前記スピーカを介して出力されるようにし、仮想画面z1をタッチしたと判断されれば、スピーカを介して前記階数の残りの音声信号が出力されるようにしてもよい。
【0015】
また、本発明に係る装置において、
前記制御部は、モニタの各種ボタンのうち選択されたボタンを活性化した後、活性化されたボタンに応じてエレベータの動作を制御する前に、
前記作動子がモニタに対して垂直に後退したか否かを判断し、垂直に後退したと決定されれば、前記活性化されたボタンに該当するエレベータの動作を実行し、
垂直に後退しなかったと決定されれば、作動子が水平に一定距離を動いたか否かを判断し、水平に移動したと決定されれば、選択されたボタンの活性化を取り消し、再登録要請を前記モニタを介してディスプレイするようにしてもよい。
【発明の効果】
【0016】
このように構成された本発明によれば、わずか2台のピンカメラを用いて構造が単純化されて維持管理が容易であり、視聴覚障害者と背の低い児童が容易に利用できることは勿論、いたずらなどによる誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の装置を見せるためにエレベータケージの内部からドア側に向かって眺めた正面図である。
図2】モニタの正面図である。
図3図2のIII−III線断面図である。
図4】ピンカメラの配置と仮想画面を示す側面図である。
図5】本発明の全体的な制御関係を概略的に示すブロック図である。
図6】発明に係る制御方法のフローチャートである。
図7】z3画面をタッチした時のカーソルの生成状態を示す斜視図である。
図8】z2画面をタッチした時のカーソルの拡大状態を示す斜視図である。
図9】6階を選択する場合のカーソルと選択ボタンの変化過程を順に示す図である。
図10】正常作動の状況を例示する斜視図である。
図11】誤作動の状況を例示する斜視図である。
図12】標準モードと児童モードの状況を示す説明図である。
図13】選択されたボタンをディスプレイする他の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の装置を見せるためにエレベータケージの内部からドア側に向かって眺めた正面図であり、説明の便宜上、以後のエレベータが移動しようとした階を「6階」にして説明する。
【0019】
図示されたように、エレベータドア横のエレベータケージ壁面にモニタMが設けられ、モニタには開始ボタンと非常ボタンと階ボタンなどを含めてエレベータの動作を制御する各種ボタンがディスプレイされ、スピーカ(図示せず)が内蔵されている。モニタMの上部の左右側には各々1台ずつ2台のピンカメラP1、P2が設けられる。
【0020】
図2は、モニタの正面図であり、図3は、図2のIII−III線断面図である。
【0021】
図2〜3に示すように、ピンカメラP1、P2はモニタMの上部に設けられるピンカメラ埋め込みボックス30内に内蔵され、ピンカメラ埋め込みボックス30の開放された下部を通してピンカメラP1、P2がモニタにディスプレイされた各種ボタン、例えば、階選択ボタン、開閉ボタンなどを撮像するが、両ピンカメラの視野角は二点鎖線で表示されたように各種の操作ボタンを重複して撮像する。必要であれば、選択された階、ここでは6階を示す数字がモニタ上部に大きく表示されるようにしてもよく、非常ボタンと開始ボタンをピンカメラ埋め込みボックス30表面に配置してもよい。
【0022】
本発明においては、ピンカメラP1、P2各々がモニタ正面を撮像する角度に応じてモニタ表面から順に3個の仮想画面z1〜z3を設定することにする。すなわち、公知のソフトウェアを用いてモニタ正面を撮像する2台のピンカメラの重複した撮像区域に対してピンカメラから照準される角度を基準にモニタ正面から順に一定間隔で仮想の画面z1〜z3を設定する。
【0023】
図4は、このような関係を示す側面図である。
【0024】
図示されたように、公知のソフトウェアを用いてピンカメラP1、P2が撮像する区域に対してモニタ表面から順に仮想の画面z1〜z3を設定する。乗客の指である作動子はモニタ表面に向かって動いて順にz3、z2、z1画面をタッチするようになり、タッチされる地点の光を遮断する効果を用いてタッチ地点を検知するようになる。本実施形態においては、前述したように6階ボタンを標的にしている。
【0025】
図5は、本発明の全体的な制御関係を概略的に示すブロック図である。
【0026】
図示されたように、本発明は、各種コントローラを備え、具体的には、モニタMに連結されてモニタの各種ボタンの動作を制御するモニタコントローラMC、スピーカに連結されてスピーカの動作を制御するスピーカコントローラSC、ピンカメラP1、P2に連結されてピンカメラの動作を制御するピンカメラコントローラPC、これらのコントローラMC、SC、PCに連結されてコントローラを制御するインジケータコントローラIC、およびインジケータコントローラICに連結されてエレベータの動作を制御するエレベータコントローラECを含む。
【0027】
インジケータコントローラICの制御下、モニタコントローラMCがモニタMに各種ボタンをディスプレイし、乗客の指を含む作動子が前記z1〜z3画面を順にタッチすれば、モニタコントローラMCがそれを検知して選択されたボタンを活性化し、活性化されたボタンに応じてエレベータコントローラECがエレベータの動作を制御する。
【0028】
また、インジケータコントローラICの制御下、作動子がz1〜z3画面を順にタッチするに伴い、スピーカコントローラSCがスピーカの音を制御するようにすることもできるが、それについては後ほど詳しく説明することにする。
【0029】
図6は、このように構成された本発明に係る制御方法のフローチャートである。
【0030】
エレベータコントローラECとインジケータコントローラICが全て作動した後、S110ステップでは、モニタコントローラMCがモニタ表面から最も遠い仮想画面z3が作動子によりタッチされたか否かを判断する。
【0031】
S120ステップでは、作動子がz3画面をタッチしたと決定されれば、モニタコントローラMCによりモニタMに基本大きさのカーソルが表示される(図7参照)。
【0032】
S130ステップでは、作動子が中間位置の仮想画面z2に向かって接近するか否かをモニタコントローラMCが判断する。作動子がz2に向かって接近しないと決定されれば、S110ステップに戻り、接近すると決定されれば、S140ステップにおいてモニタコントローラMCによりカーソルの大きさが拡大され、スピーカコントローラSCによりスピーカから所定の音声信号が出力される(図8参照)。
【0033】
S150ステップでは、作動子がz2をタッチし、カーソルが選択されたボタンの一定大きさと重なるか否かをモニタコントローラMCが判断する。
【0034】
Z2がタッチされなかったと決定されれば、S130ステップに戻り、タッチされたと決定されれば、スピーカコントローラSCによりスピーカから選択されたボタンに該当する階数の音声信号の一部を出力し(S160)、その次にモニタコントローラMCにより選択されたボタンが拡大されるかまたは所望のグラフィックでディスプレイされる(S170)。
【0035】
その次に、S180ステップでは、作動子がモニタに最も近いz1をタッチしたか否かをモニタコントローラMCが判断する。z1がタッチされなかったと決定されれば、S150ステップに戻り、タッチされたと決定されれば、S190ステップにおいてスピーカコントローラSCにより残りの音声信号が出力され、その次にモニタコントローラMCにより選択されたボタンが登録される(S200)。
【0036】
図9は、6階を選択する場合、以上の進行過程を右側から左側に順に示す図である。
【0037】
図示されたように、作動子がz3をタッチすれば、基本カーソルが6階ボタンの位置に示され、スピーカから、例えば、「ブー」のような音声が弱く、例えば10%程度で出力され、z2に向かって進行するにつれてカーソルが次第に大きくなり、音声信号の出力強度が強くなり、z2をタッチした時、スピーカが100%程度の出力で「6」という音声信号を出力すると同時に「6階」ボタンが所望のグラフィックで、ここでは、他のボタンとは区分されるように縁が二重で表示されてディスプレイされ、作動子がz1をタッチすれば、スピーカが「階」という音声信号を100%の強度で出力すると同時に「6階」ボタンが登録される。勿論、必要であれば、進行する間に「6階」ボタンの色が次第に濃くなるかまたは次第に大きく拡大されるようにするなど所望のグラフィックを設定することができる。勿論、必要に応じてスピーカの出力強度と選択されたボタンの模様が異なってもよい。
【0038】
一方、本発明は、いたずらやボタンを誤って選択した場合の誤作動も防止する機能を有する。
【0039】
このために、S210ステップでは、先ず、作動子がモニタに対して垂直に後退したか否かをモニタコントローラMCが判断する。すなわち、乗客が指で標的ボタンを選択し、直ちに後退すれば、正常な動作を実行するようにする。このため、後退したと決定されれば、エレベータコントローラECにより登録されたボタンに該当する動作が実行されるようにする(S220)。
【0040】
その反面、S210ステップにおいて作動子が後ろに後退しなかったと決定されれば、作動子が水平に一定の距離を動いたか否かをモニタコントローラMCが判断する(S230)。この時、水平に移動したと決定されれば、モニタコントローラMCにより登録ボタンが取り消される(S240)。
【0041】
図10〜11は、このような状況を例示する斜視図である。
【0042】
図10のように作動子が矢印方向に6階ボタンをタッチしてから後退すれば、正常な選択をしたと判断する。
【0043】
図11のように、作動子が6階を選択した状況で矢印方向に横に移動すれば、いたずらをしたとみなし、誤作動であると判断する。必要であれば、横に移動した距離の閾値を設定し、閾値以上移動すれば誤作動に設定することができる。
【0044】
その次に、スピーカコントローラSCにより登録解除を知らせる音声信号がスピーカから出力され(S250)、モニタコントローラMCにより再登録要請がディスプレイされる(S260)。
【0045】
一方、選択されたボタンをモニタ上部に大きく拡大して表示するようにすることができる。この場合、視力の悪い視覚障害者に大いに役に立つはずである。
【0046】
また、本発明は、背の低い児童モードを選択的に表示することもできる。
【0047】
このために、モニタMの下段部と上段部に各々児童モード選択ボタン10と標準復帰ボタン20がディスプレイされ、モニタコントローラMCの制御下、児童モード選択ボタン10が作動すれば、モニタの全てのボタンがモニタMの下部にディスプレイされ、標準復帰ボタン20が作動すれば、全てのボタンが本来の状態に復帰するようにすることが好ましい。図12は、このような関係を示す図である。図12の左側の標準ボタン配列において児童モード選択ボタン10を押せば、右側のようにモニタ下部に作動ボタンが配列され、背の低い児童も容易にタッチできるようになる。
【0048】
標準復帰ボタン20を押せば本来の状態に復帰するようにしてもよいが、児童モード選択ボタン10が作動してから一定時間が経過すれば自動的に本来の状態に復帰するようにしてもよい。
【0049】
図13は、選択されたボタンをディスプレイする他の例を示す。
【0050】
図13の左側のように選択された「6階」ボタンだけ拡大表示されるか、右側のように全てのボタンを拡大表示するものの、選択された「6階」ボタンは他の色や模様で表示されるようにすることもできる。
【0051】
また、正確な位置測定のために2台のピンカメラを例に挙げて説明したが、必要によっては1台のピンカメラを用いてもよく、正確度をより高めるために3台以上のピンカメラを用いてもよい。また、ピンカメラと類似した機能をする他の撮像装置を用いてもよい。
【0052】
なお、モニタをエレベータのホールドア横の建物壁面やホールドア表面に設けることもできる。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13