【実施例】
【0240】
以下に本発明を、参考例、実施例及び試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0241】
本明細書において、以下の略語を使用することがある。
THF:テトラヒドロフラン
TFA:トリフルオロ酢酸
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
MeCN:アセトニトリル
Me:メチル
Et:エチル
Ph:フェニル
Bn:ベンジル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
n−:ノルマル−
tert−:ターシャリー−
p−:パラ−
BINAP:2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
Pd
2(dba)
3:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
Ac:アセチル
dppf:1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
Xantphos:4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
Dess−Martin試薬:デス-マーチンペルヨージナン(1,1,1−トリアセトキシ−1,1−ジヒドロ−1,2−ベンゾヨードキソール−3−(1H)−オン)
ペタシス試薬:ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルチタニウム
Bredereck試薬: tert−ブトキシ−ビス(ジメチルアミノ)メタン
HATU:1−[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]−1H−1,2,3−トリアゾロ[4,5−b]ピリジニウム3−オキシド ヘキサフルオロリン酸
WSCI・HCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド 塩酸塩
HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
【0242】
化合物同定に用いたNMR(Nuclear Magnetic Resonance)データは、日本電子株式会社のJNM−ECS400型 核磁気共鳴装置(400MHz)により取得した。
NMRに用いられる記号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重線の二重線、tは三重線、tdは三重線の二重線、qは四重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、brmは幅広い多重線及びJは結合定数を意味する。
【0243】
化合物同定に用いたLC/MS(Liquid Chromatography-Mass Spectrometry)分析条件は以下の通りである。観察された質量分析の値[MS(m/z)]の中で、モノアイソトピック質量(主同位体のみからなる精密質量)に対応する値を[M+H]
+、[M−H]
−あるいは[M+2H]
2+等で示し、保持時間をRt(分)で示す。
【0244】
LC/MS 測定法:
分析条件A
検出機器:ACQUITY(登録商標)SQ detector(Waters社)
HPLC:ACQUITY UPLC(登録商標)system
Column:Waters ACQUITY UPLC(登録商標)BEH C18(1.7μm,2.1mm×30mm)
Solvent:A液:0.06%ギ酸/H
2O,B液:0.06%ギ酸/MeCN
Gradient condition:0.0−1.3min Linear gradient from B 2% to 96%
Flow rate:0.8mL/min
UV:220nm and 254nm
Column temperature:40℃
分析条件B
検出機器:LCMS−2020(島津製作所社)
HPLC:Nexera X2
Column:Phenomenex Kinetex(登録商標) 1.7μm C18(50mm×2.1mm)
Solvent:A液:0.05%TFA/H
2O、B液:MeCN
Gradient condition:0.0−1.7min Linear gradient from B 10% to 99%
Flow rate:0.5mL/min
UV:220nm and 254nm
Column temperature:40℃
【0245】
実施例中の粉末X線回折測定は、以下に示す条件で測定した。得られた回折パターン(XRDスペクトル)を
図1〜
図5に示す。
結晶形の特定にあたっては、
図1〜
図5の回折図に示される各結晶の特徴的回折ピークを元に判断すればよい。
図1〜
図5の回折パターンから特定した主要回折ピークおよび特徴的回折ピークを、それぞれ以下に挙げる。なお、以下の実施例に記載した回折角2θ(°)における回折ピーク値は、測定機器により、もしくは測定条件等により、多少の測定誤差が生じることがある。具体的には、測定誤差は±0.2、好ましくは±0.1の範囲内であってもよい。
【0246】
粉末X線回折測定法:
検出機器:スペクトリス Power X−ray diffraction system Empyrian
X線管球:CuKα(波長:1.54オングストローム)
管電圧:45kV
管電流:40mA
測定範囲:4〜40度(2θ)
ステップ幅:0.013度
積算時間:100秒/ステップ
【0247】
参考例1:
2−[(4−クロロピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化24】
【0248】
a)5−フルオロ−2−メトキシ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミドの製造
5−フルオロ−2−メトキシ安息香酸(100g)をジクロロメタン(1.0L)に溶解させ、ジイソプロピルアミン(251mL)及びHATU(235g)を0℃で加え、室温で1日間攪拌した。反応液を5mol/L塩酸水溶液でクエンチした。得られた水溶液を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、これを濾去し溶媒を減圧留去し、表題化合物の粗生成物(200g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 254.0/Rt(分) 0.96(分析条件A)
【0249】
b)5−フルオロ−2−ヒドロキシ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミドの製造
5−フルオロ−2−メトキシ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(70.0g)をジクロロメタン(400mL)に溶解させ、三臭化ホウ素(39.2mL)を0℃で加え、0℃で1日間攪拌した。反応液を8mol/Lアンモニア水溶液でクエンチした。得られた水溶液をクロロホルムで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、これを濾去し溶媒を減圧留去し、表題化合物(56.0g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 240.0/Rt(分) 0.85(分析条件A)
【0250】
c)5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)−2−[(ピリミジン−5−イル)オキシ]ベンズアミドの製造
5−フルオロ−2−ヒドロキシ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(118.0g)をDMF(250mL)に懸濁させ、5−ブロモピリミジン(35.9g)及び炭酸セシウム(73.5g)を室温で加え、加熱還流下1日間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えクエンチした。得られた水溶液を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、これを濾去し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、表題化合物(20.0g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 317.7/Rt(分) 0.86(分析条件A)
【0251】
d)5−フルオロ−2−[(1−オキソ−1λ
5−ピリミジン−5−イル)オキシ]−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミドの製造
5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)−2−[(ピリミジン−5−イル)オキシ]ベンズアミド(72.1g)をジクロロメタン(900mL)に溶解させ、メタクロロ過安息香酸(112g)を0℃で加え、0℃で2日間攪拌した。反応液をトリブチルホスフィン(56.7mL)及び飽和炭酸水素ナトリウム水溶液でクエンチした。放冷後、ジクロロメタンを減圧濃縮し、得られた水溶液を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、これを濾去し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製することで、表題化合物(42.3g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 334.0/Rt(分) 0.76(分析条件A)
【0252】
e)2−[(4−クロロピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(参考例1)の製造
5−フルオロ−2−[(1−オキソ−1λ
5−ピリミジン−5−イル)オキシ]−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(36.0g)をクロロホルム(300mL)に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(37.6mL)及び塩化ホスホリル(40mL)を0℃で加え、0℃で6時間攪拌した。放冷後、反応液を減圧濃縮し、残渣を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加えクエンチした。得られた水溶液を酢酸エチルで2回抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、これを濾去し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製することで、表題化合物(27.8g)を得た。
1H-NMR (DMSO-D
6)δ: 8.77 (1H, s), 8.24 (1H, s), 7.53-7.30 (3H, m), 3.68-3.61 (1H, m), 3.54-3.48 (1H, m), 1.37 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.19 (3H, d, J = 7.3 Hz), 1.08 (6H, d, J = 6.7 Hz).
LC-MS; [M+H]
+ 351.9/Rt(分) 1.00(分析条件A)
【0253】
参考例2:
2−{[4−(2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化25】
【0254】
a)tert−ブチル 2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシレートの製造
2−[(4−クロロピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(27.0g)を2−プロパノール(500mL)に溶解させ、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(40.1mL)及びtert−ブチル 2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシレート 塩酸塩(30.3g)を0℃で加え、室温で6時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(33.0g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 542.1/Rt(分) 1.23(分析条件A)
【0255】
b)2−{[4−(2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(参考例2)の製造
tert−ブチル 2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボキシレート(44.0g)をジクロロメタン(500mL)に溶解させ、TFA(65mL)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(35.0g)を得た。
1H-NMR (DMSO-D
6)δ: 8.26 (1H, s), 7.73 (1H, s), 7.24-7.19 (2H, m), 7.03-7.00 (1H, m), 3.87-3.78 (4H, m), 3.71-3.67 (1H, m), 3.54-3.51 (1H, m), 2.58-2.55 (4H, m), 1.59-1.56 (4H, m), 1.44 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.35 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.09 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.00 (3H, d, J = 6.7 Hz).
LC-MS; [M+H]
+ 442.3/Rt(分) 1.33(分析条件B)
【0256】
参考例3:
2−{[4−(2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化26】
【0257】
a)tert−ブチル 6−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシレートの製造
2−[(4−クロロピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(1.0g)と2,6−ジアザスピロ[3,3]ヘプタン−2−カルボン酸 tert−ブチルエステル ヘミシュウ酸塩(1.0g)を用い、参考例2の工程a)に記載の方法と同様の方法により、表題化合物(1.4g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 514.1/Rt(分) 0.96(分析条件A)
【0258】
b)2−{[4−(2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(参考例3)の製造
tert−ブチル 6−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,6−ジアザスピロ[3.3]ヘプタン−2−カルボキシレート(1.4g)を用い、参考例2の工程b)に記載の方法と同様の方法により、表題化合物(1.0g)を得た。
1H-NMR (DMSO-D
6)δ: 8.26 (1H, s), 7.74 (1H, s), 7.23-7.17 (2H, m), 6.99-6.96 (1H, m), 4.25-4.23 (2H, m), 4.15-4.12 (2H, m), 3.69-3.66 (1H, m), 3.52-3.50 (5H, m), 1.43 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.33 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.07 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.99 (3H, d, J = 6.7 Hz).
LC-MS; [M+2H]
2+ 207.5/Rt(分) 0.64(分析条件A)
【0259】
参考例4:
2−{[4−(2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化27】
【0260】
a)tert−ブチル 7−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレートの製造
2−[(4−クロロピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(150mg)を2−プロパノール(10mL)に溶解させ、トリエチルアミン(0.2mL)及び2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボン酸 tert−ブチル エステル(193mg)を0℃で加え、室温で6時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(169mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 542.1/Rt(分) 1.22(分析条件A)
【0261】
b)2−{[4−(2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(参考例4)の製造
tert−ブチル 7−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボキシレート(169mg)をジクロロメタン(10mL)に溶解させ、TFA(2.0mL)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)にて精製し、表題化合物(122mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 442.3/Rt(分) 1.12(分析条件A)
【0262】
参考例5:
(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
参考例6:
(1S,3S,4R,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
【化28】
【0263】
a)エチル (2E)−{[(1R)−1−フェニルエチル]イミノ}アセテートの製造
(R)−1−フェニルエチルアミン(63mL)にオキソ酢酸エチル(100mL)を加え、室温で1時間攪拌した後、減圧濃縮することで、表題化合物の粗生成物を得た。得られた生成物は精製することなく次の反応に用いた。
【0264】
b)エチル (1S,3S,4R)−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−カルボキシレートの製造
上記工程a)で粗生成物として得られたエチル (2E)−{[(1R)−1−フェニルエチル]イミノ}アセテートのジクロロメタン(475mL)溶液にモレキュラーシーブ4A(粉末、10g)を加え、反応液を−70℃に冷却した。トリフルオロ酢酸(32mL)と三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体(53mL)を滴下して15分攪拌した後、1,3−シクロヘキサジエン(42mL)を滴下した。反応液を室温まで昇温し、終夜攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物(59.4g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 286.2/Rt(分) 0.53(分析条件A)
【0265】
c)エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート及びエチル (1S,3S,4R,6S)−6−ヒドロキシ−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレートとの混合物の製造
エチル (1S,3S,4R)−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−5−エン−3−カルボキシレート(85.5g)のTHF(500mL)溶液に1.0mol/Lボラン−THF錯体(300mL)を0〜5℃にて滴下し、室温で終夜攪拌した。反応液に3mol/L水酸化ナトリウム水溶液(62mL)と30%過酸化水素水(62mL)を氷冷下で加え、30分攪拌した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて1時間攪拌した。反応液に酢酸エチル/クロロホルムを加えて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物の粗生成物(51.7g)を位置異性体の混合物として得た。
LC-MS; [M+H]
+ 304.2/Rt(分) 0.53(分析条件A)
【0266】
d)エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート及びエチル (1S,3S,4R,6S)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレートの製造
上記工程c)で得られた混合生成物(51.7g)のエタノール(500mL)溶液に10%水酸化パラジウム(10.2g)を加え、加圧水素ガス雰囲気下(0.3−0.4MPa)、室温で6時間攪拌した。反応液を濾過し、濾液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、表題化合物であるエチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート(19.0g)及びエチル (1S,3S,4R,6S)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート(5.05g)をそれぞれ得た。
エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 200.2/Rt(分) 0.27(分析条件A)
エチル (1S,3S,4R,6S)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 200.1/Rt(分) 0.36(分析条件A)
【0267】
e)(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例5)の製造
エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート(10.48g)の1,4−ジオキサン(153mL)溶液に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(238mL)を加え、室温で1時間攪拌した後、反応液を0℃に冷却し、二炭酸ジ−tert−ブチル(11.48g)を加えた。1時間攪拌した後、1mol/L塩酸を加えて反応液を酸性にし、飽和食塩水を加え、10%エタノール/クロロホルム混合溶媒にて抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、濾取し、乾燥することで、表題化合物(8.40g)を得た。
1H-NMR (DMSO-D
6) δ: 12.55 (1H, br s), 4.86 (1H, br s), 3.96-3.81 (3H, m), 2.09-1.69 (4H, m), 1.59-1.49 (1H, m), 1.36 (3H, s), 1.31 (6H, s), 1.29-1.17 (2H, m).
【0268】
f)(1S,3S,4R,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例6)の製造
エチル (1S,3S,4R,6S)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボキシレート(5.05g)を用い、工程e)と同様の方法にて、表題化合物(1.60g)を得た。
1H-NMR (DMSO-D
6) δ: 4.09-4.05 (3H, m), 2.28-2.20 (1H, m), 2.18-2.05 (2H, m), 1.91-1.80 (1H, m), 1.63-1.50 (3H, m), 1.45 (3H, s), 1.40 (6H, s).
【0269】
参考例7:
(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸
【化29】
【0270】
a)エチル (1S,3S,4R)−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−カルボキシレートの製造
エチル (2E)−{[(1R)−1−フェニルエチル]イミノ}アセテート(12.0g)とシクロペンタジエン(4.92mL)を用い、参考例5の工程b)に記載の方法と同様の方法により、表題化合物(10.8g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 272.2/Rt(分) 0.54(分析条件A)
【0271】
b)エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキシレートの製造
エチル (1S,3S,4R)−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−5−エン−3−カルボキシレート(10.8g)を用い、参考例5の工程c)に記載の方法と同様の方法により、表題化合物(7.49g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 290.2/Rt(分) 0.46(分析条件A)
【0272】
c)エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキシレートの製造
エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−[(1R)−1−フェニルエチル]−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキシレート(7.49g)を用い、参考例5の工程d)に記載の方法と同様の方法により、表題化合物(2.89g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 186.1/Rt(分) 0.27(分析条件A)
【0273】
d)(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸(参考例7)の製造
エチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボキシレート(2.88g)を用い、参考例5の工程e)に記載の方法と同様の方法により、表題化合物(980mg)を得た。
1H-NMR (DMSO-D
6) δ: 4.99 (1H, br s), 4.11-3.95 (1H, m), 3.95-3.82 (1H, m), 3.48-3.40 (1H, m), 2.41-2.31 (1H, m), 1.90-1.75 (1H, m), 1.69-1.49 (2H, m), 1.45-1.19 (10H, m).
【0274】
参考例8:
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
【化30】
【0275】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(28.0g)と炭酸カリウム(28.5g)のアセトニトリル(300mL)溶液に室温で臭化ベンジル(12.3mL)を加え、終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物(33.1g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 362.3/Rt(分) 0.95(分析条件A)
【0276】
b)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(参考例8)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(33.0g)のジクロロメタン(400mL)溶液に室温でDess−Martin試薬(46.5g)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液にチオ硫酸ナトリウム水溶液と炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物の粗生成物(33.8g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 360.2/Rt(分) 1.02(分析条件A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.38-7.28 (5H, m), 5.33-5.05 (2H, m), 4.66-4.42 (2H, m), 2.80-2.69 (1H, m), 2.59-2.45 (1H, m), 2.36-2.16 (2H, m), 1.82-1.62 (3H, m), 1.45 (2.5H, s), 1.31 (6.5H, s).
【0277】
参考例9:
(1S,3S,4S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
【化31】
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(1.0g)のメタノール(30mL)溶液に、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(2.7mL)を加え、50℃で5時間加熱攪拌した。反応液を室温に冷却した後、1mol/L塩酸を加えて中和し、クロロホルムで抽出した。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール)により精製し、表題化合物(0.42g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 270.0/Rt(分) 0.59(分析条件A)
【0278】
参考例10:
(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
【化32】
【0279】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(3.0g)のTHF(30mL)溶液に、室温下、ペタシス試薬(5%THF/トルエン溶液、35g)を加え、95℃で5時間攪拌した。室温に戻し、ペタシス試薬(5%THF/トルエン溶液、10g)を追加し、130℃で加熱還流した。放冷後、ジエチルエーテルを加え、析出した橙色固体を濾去し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物(1.9g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 358.0/Rt(分) 1.21(分析条件A)
【0280】
b)(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例10)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(1.9g)を用い、参考例9と同様の方法にて、表題化合物(0.99g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 268.0/Rt(分) 0.83(分析条件A)
【0281】
参考例11:
(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
【化33】
【0282】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R,6S)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
(1S,3S,4R,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(80.0g)を用い、参考例8の工程a)と同様の方法にて、表題化合物(65.5g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 362.1/Rt(分) 0.95(分析条件A)
【0283】
b)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−6−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R,6S)−6−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(10.0g)を用い、参考例8の工程b)と同様の方法にて、表題化合物(6.0g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 360.1/Rt(分) 1.02(分析条件A)
【0284】
c)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−6−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−6−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(4.0g)を用い、参考例10の工程a)と同様の方法にて、表題化合物(2.12g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 358.0/Rt(分) 1.29(分析条件A)
【0285】
d)(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例11)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−6−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(2.1g)を用い、参考例9と同様の方法にて、表題化合物(1.4g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 268.0/Rt(分) 0.82(分析条件A)
【0286】
参考例12:
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート
【化34】
【0287】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸(1.5g)を用い、参考例8の工程a)と同様の方法にて、表題化合物(1.73g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 348.2/Rt(分) 0.92(分析条件A)
【0288】
b)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート(参考例12)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート(1.73g)を用い、参考例8の工程b)と同様の方法にて、表題化合物(1.40g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 346.2/Rt(分) 1.01(分析条件A)
【0289】
参考例13:
(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸
【化35】
【0290】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート(1.40g)を用い、参考例10の工程a)と同様の方法にて、表題化合物(1.10g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 344.2/Rt(分) 1.18(分析条件A)
【0291】
b)(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−3−カルボン酸(参考例13)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボキシレート(1.10g)を用い、参考例9と同様の方法にて、表題化合物(0.69g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 254.3/Rt(分) 0.82(分析条件A)
【0292】
参考例14:
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,6E)−6−(シクロプロピルメチリデン)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
【化36】
【0293】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,6E)−6−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(33.8g)のN,N−ジメチルホルムアミド(180mL)溶液にBredereck試薬(32.8g)を加え、100℃で2時間加熱攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物の粗生成物(39.0g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 415.4/Rt(分) 0.95(分析条件A)
【0294】
b)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,6E)−6−(シクロプロピルメチリデン)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(参考例14)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,6E)−6−[(ジメチルアミノ)メチリデン]−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(39.0g)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液を0℃に冷却し、シクロプロピルマグネシウムブロミド(0.5moL/Lテトラヒドロフラン溶液、245mL)を滴下し、室温で6時間攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物(32.3g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 412.4/Rt(分) 1.16(分析条件A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 7.39-7.27 (5H, m), 5.91 (1H, t, J = 11.0 Hz), 5.38-5.04 (3H, m), 4.50-4.36 (1H, m), 2.90-2.76 (1H, m), 2.37-2.22 (1H, m), 1.82-1.59 (4H, m), 1.44 (3H, s), 1.31 (6H, s), 1.09-0.95 (2H, m), 0.73-0.58 (2H, m).
【0295】
参考例15:
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
【化37】
【0296】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,6E)−6−(シクロプロピルメチリデン)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(32.3g)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液に、銅(I)ヒドリド(トリフェニルホスフィン)ヘキサマー(38.5g)を加え、室温で12時間攪拌した。反応液をセライト濾過し、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、立体異性体混合物として表題化合物(23.2g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 414.1/Rt(分) 1.22(分析条件A)
【0297】
b)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(参考例15)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(23.2g)のメタノール(200mL)溶液を0℃に冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(2.12g)を加え、1時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物の低極性側の立体異性体混合物(9.3g)と、高極性側の立体異性体混合物(10.2g)を得た。
低極性側の立体異性体混合物:3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 416.1/Rt(分) 1.13(分析条件A)
高極性側の立体異性体混合物:3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 416.1/Rt(分) 1.01(分析条件A)
【0298】
参考例16:
(1S,3S,4S,5R,6R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
参考例17:
(1S,3S,4S,5R,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
参考例18:
(1S,3S,4S,5S,6R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
参考例19:
(1S,3S,4S,5S,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
【化38】
【0299】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート及び3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
参考例15の生成物の低極性側の立体異性体混合物である3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(9.3g)のジクロロメタン(80mL)溶液を0℃に冷却し、(ジエチルアミノ)サルファートリフルオリド(5.91mL)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(3.6g)と3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(3.7g)を得た。
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 418.4/Rt(分) 1.29(分析条件A)
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 418.4/Rt(分) 1.35(分析条件A)
【0300】
b)(1S,3S,4S,5R,6R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例16)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(3.6g)とギ酸アンモニウム(5.4g)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、水酸化パラジウム/炭素(1.2g)を加え、3時間加熱還流した。反応液を室温に冷却した後、セライト濾過し、濾液を減圧濃縮することで、表題化合物(2.8g)を得た。
LC-MS; [M-H]
- 326.4/Rt(分) 0.95(分析条件A)
【0301】
c)(1S,3S,4S,5R,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例17)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(108mg)を用い、参考例16の工程b)と同様の方法にて、表題化合物の粗生成物(108mg)を得た。
LC-MS; [M-H]
- 326.4/Rt(分) 0.95(分析条件A)
【0302】
d)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート及び3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
参考例15の生成物の高極性側の立体異性体混合物である3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(363mg)を用い、参考例16の工程a)と同様の方法にて、3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(86mg)と3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(152mg)を得た。
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 418.4/Rt(分) 1.27(分析条件A)
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 418.4/Rt(分) 1.29(分析条件A)
【0303】
e)(1S,3S,4S,5S,6R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例18)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(82mg)を用い、参考例16の工程b)と同様の方法にて、表題化合物の粗生成物(73mg)を得た。
LC-MS; [M-H]
- 326.4/Rt(分) 0.94(分析条件A)
【0304】
f)(1S,3S,4S,5S,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例19)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5S,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−フルオロ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(147mg)を用い、参考例16の工程b)と同様の方法にて、表題化合物の粗生成物(140mg)を得た。
LC-MS; [M-H]
- 326.3/Rt(分) 0.95(分析条件A)
【0305】
参考例20:
(1S,3S,4R,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
参考例21:
(1S,3S,4R,6R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸
【化39】
【0306】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート及び3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
参考例15の生成物の高極性側の立体異性体混合物である3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(7.3g)のアセトニトリル(50mL)溶液を0℃に冷却し、4−(ジメチルアミノ)ピリジン(8.6g)とフェニル クロロチオノホルメート(4.74mL)を加え、50℃で12時間加熱攪拌した。反応液を室温に冷却した後、飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの粗生成物(1.80g)及び3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの粗生成物(7.90g)を得た。
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 552.2/Rt(分) 1.42(分析条件A)
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート
LC-MS; [M+H]
+ 552.2/Rt(分) 1.45(分析条件A)
【0307】
b)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(1.80g)のトルエン(50mL)溶液を0℃に冷却し、トリス(トリメチルシリル)シラン(5.03mL)と2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(0.11g)を加え、50℃で5時間加熱攪拌した。反応液を室温に冷却した後、飽和食塩水を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層に硫酸マグネシウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物(0.80g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 400.2/Rt(分) 1.38(分析条件A)
【0308】
c)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S,5R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−5−[(フェノキシカルボノチオイル)オキシ]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(7.90g)を用い、参考例20の工程b)と同様の方法にて、表題化合物(5.50g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 400.2/Rt(分) 1.40(分析条件A)
【0309】
d)(1S,3S,4R,6S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例20)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(5.50g)を用い、参考例16の工程b)と同様の方法にて、表題化合物(3.90g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 310.2/Rt(分) 1.02(分析条件A)
【0310】
e)(1S,3S,4R,6R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(参考例21)の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(1.20g)を用い、参考例16の工程b)と同様の方法にて、表題化合物(980mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 310.2/Rt(分) 1.04(分析条件A)
【0311】
参考例22:
tert−ブチル (1S,3S,4S)−3−[2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボニル]−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート
【化40】
参考例2で得られた2−{[4−(2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(164mg)のクロロホルム(2mL)溶液に、参考例9で得られた(1S,3S,4S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(100mg)、WSCI・HCl(85mg)、HOBt(68mg)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.13mL)を加えて、室温で2時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、これを濾去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物(245mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 693.2/Rt(分) 0.97(分析条件A)
【0312】
参考例23:
tert−ブチル (1S,3S,4S)−3−[2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボニル]−5−(メトキシイミノ)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート
【化41】
参考例22で得られたtert−ブチル (1S,3S,4S)−3−[2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボニル]−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート(100mg)のエタノール(1mL)および水(2mL)溶液に、O−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(24mg)と酢酸ナトリウム(35mg)を加え、75℃で3時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を硫酸ナトリウムにより乾燥した後、これを濾去し、溶媒を減圧留去することで、表題化合物(89mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 722.6/Rt(分) 0.98(分析条件A)
【0313】
参考例24:
tert−ブチル (1R,3S,4R)−3−[7−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボニル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート
【化42】
参考例4で得られた2−{[4−(2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−イル)ピリミジン−5−イル]オキシ}−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(122mg)と購入可能な(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(85mg)を用い、参考例22と同様の方法にて、表題化合物(100mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 679.0/Rt(分) 1.89(分析条件B)
【0314】
参考例25〜40:
対応する原料化合物を用いて参考例22に記載の方法と同様の方法により、下記表に示す参考例25〜40の化合物を得た。
【化43】
【表1】
【0315】
参考例41:
tert−ブチル (1S,3S,4R)−3−[2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボニル]−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート
【化44】
【0316】
a)3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートの製造
(
2H
3)メチル(トリフェニル)ホスファニウムヨージド(2.83g)のTHF(14mL)懸濁液に、−78℃にてn−ブチルリチウム(1.57mol/Lヘキサン溶液、3.54mL)を滴下し、0℃で1.5時間撹拌した。再び−78℃に冷却し、3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4S)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレート(1.0g)を少しずつ加え、5時間攪拌した。反応液を室温に戻した後、飽和塩化アンモニウム水を加えてクエンチし。酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥後、これを濾去し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)により精製し、表題化合物(0.46g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 360.4/Rt(分) 1.22(分析条件A)
【0317】
b)(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸の製造
3−ベンジル 2−tert−ブチル (1S,3S,4R)−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3−ジカルボキシレートのメタノール(10mL)溶液に、水酸化ナトリウム水溶液(5mol/L,1.8mL)及び水2mLを加え、50℃で4時間加熱攪拌した。反応液を室温に冷却した後、メタノールを減圧留去したのち、得られた水溶液をクロロホルムで抽出した。水層を1mol/L塩酸を加えて酸性化し、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、濾去後、溶媒を減圧留去することで、表題化合物(0.31g)を得た。得られた化合物は精製を行わず、次の反応に用いた。
LC-MS; [M+H]
+ 270.2/Rt(分) 0.89(分析条件A)
1H-NMR (DMSO-D
6) δ: 12.60 (1H, br s), 4.17-3.95. (total 2H, m), 2.74-2.60 (total 1H, m), 2.60-2.43 (total 1H, m), 2.34-2.23 (total 1H, m), 1.94-1.54 (total 3H, m), 1.54-1.41 (total 1H, m), 1.41-1.19 (total 9H, m).
【0318】
c)tert−ブチル (1S,3S,4R)−3−[2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボニル]−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート(参考例41)の製造
(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボン酸(36mg)を用いて、参考例22に記載の方法と同様の方法により、表題化合物(80mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 693.6/Rt(分) 0.99(分析条件A)
【0319】
参考例42:
tert−ブチル 7−[(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート
【化45】
【0320】
a)tert−ブチル 7−[(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレートの製造
参考例5で得られた化合物(20.0g)のジクロロメタン(200mL)溶液に、室温下、tert−ブチル 2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート(18.4g)、WSCI・HCl(18.4g)、HOBt(13.0g)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(16.7mL)を加え、室温で一終夜攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥後、これを濾去した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をジイソプロピルエーテル/へキサン(1/1)で晶析させることで、表題化合物(33.9g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 480.1/Rt(分) 0.83(分析条件A)
1H-NMR (DMSO-D
6) δ: 4.48 and 4.39 (total 1H, each m), 4.27-4.302 (total 2H, m), 3.73-3.25 (total 9H, m), 2.41 and 2.32 (total 1H, each m), 2.15 (1H, br m), 1.98-1.51 (total 10H, m), 1.46-1.42 (total 13H, m), 1.39-1.36 (5H, m).
【0321】
b)tert−ブチル 7−[(1S,3S,4S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレートの製造
塩化オキザリル(8.94mL)のジクロロメタン(300mL)溶液に、窒素雰囲気下、ジメチルスルホキシド(11.1mL)を−78℃にて滴下して加え、−78℃で30分撹拌した。tert−ブチル 7−[(1S,3S,4S,5R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−ヒドロキシ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート(25.0g)のジクロロメタン(100mL)溶液を−65℃以下で滴下して加え、−78℃でさらに1時間撹拌した。トリエチルアミン(36.3mL)を−78℃で滴下して加え、室温に戻し、さらに30分撹拌した。反応液をクロロホルムで希釈し、飽和塩化アンモニウム水溶液、水、飽和食塩水で順に洗浄し、得られた有機層に無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、これを濾去した。溶媒を減圧留去し、残渣をヘキサンで晶析させることで、表題化合物(22.5.g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 478.1/Rt(分) 0.90(分析条件A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 4.79 and 4.73 (total 1H, each m), 4.70 and 4.55 (total 1H, each m), 3.74-3.25 (total 8H, m), 2.67-2.29 (total 4H, m), 2.01-1.50 (total 7H, m), 1.50-1.41 (total 12H, m), 1.39 (6H, s).
【0322】
c)tert−ブチル 7−[(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート(参考例42)の製造
メチル(トリフェニル)ホスファニウムブロミド(25.2g)のTHF(300mL)懸濁液に、氷冷下、カリウムtert−ブトキシド(7.9g)をで加え、1時間撹拌した。反応液に、tert−ブチル 7−[(1S,3S,4S)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−オキソ−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート(22.5g)を加え、室温で2時間攪拌した。メチル(トリフェニル)ホスファニウムブロミド(8.4g)及びカリウムtert−ブトキシド(2.6g)を追加し、室温でさらに1時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水、飽和食塩水で洗浄した。得られた有機層を無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後、これを濾去した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル)で精製し、表題化合物(24.2g)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 476.1/Rt(分) 1.09(分析条件A)
1H-NMR (CDCl
3) δ: 4.94 (1H, br s), 4.78 (1H, m), 4.57 and 4.50 (total 1H, each m), 4.38 and 4.23 (total 1H, each br s), 3.77-3.26 (total 8H, m), 2.67-2.49 (total 1H, m), 2.47 and 2.41 (total 1H, each m), 2.38-2.27 (total 1H, m), 2.26-2.13 (total 1H, m), 1.98-1.47 (total 7H, m), 1.47-1.39 (total 12H, m), 1.37 (6H, s).
【0323】
実施例1:
2−[(4−{7−[(1S,3S,4R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化46】
参考例25で得られたtert−ブチル (1S,3S,4R,6S)−6−(シクロプロピルメチル)−3−[2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボニル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート(62mg)のジクロロメタン(1mL)溶液に、TFA(1mL)を室温で加え、室温下1時間攪拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をアミンシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール)にて精製し表題化合物(28mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 633.4/Rt(分) 1.64(分析条件B)
1H-NMR (CDCl
3)δ: 8.39 (1H, s), 7.80 (1H, d, J = 3.1 Hz), 7.02-6.95 (2H, m), 6.74 (1H, m), 4.03 (2H, m), 3.96-3.86 (3H, m), 3.79 (1H, m), 3.67-3.46 (3H, m), 3.30 (2H, brs), 2.85 (1H, brs), 2.16 (1H, m), 2.03 (1H, m), 1.80-1.59 (6H, m), 1.53 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.48 (3H, d, J = 6.7 Hz), 1.39-1.23 (4H, m), 1.16-1.08 (7H, m), 0.88 (1H, m), 0.68 (1H, m), 0.45-0.37 (2H, m), 0.08-0.03 (2H, m).
【0324】
実施例2:
2−[(4−{7−[(1R,3S,4R)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化47】
参考例24で得られたtert−ブチル (1R,3S,4R)−3−[7−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[4.4]ノナン−2−カルボニル]−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート(100mg)を用い、実施例1と同様の方法にて、表題化合物(89mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 579.0/Rt(分) 1.50(分析条件B)
1H-NMR (CDCl
3)δ: 8.34-8.30 (1H, m), 7.85-7.79 (1H, m), 7.22-7.18 (2H, m), 6.89-6.80 (2H, m), 3.72-3.23 (11H, m), 2.87-2.69 (1H, m), 1.87-1.54 (8H, m), 1.44-1.43 (4H, m), 1.35-1.24 (6H, m), 1.08-1.02 (8H, m), 0.88-0.85 (1H, m).
【0325】
実施例3〜19:
対応する原料化合物を用いて、実施例1と同様の方法にて、下記表に示す実施例3〜19の化合物を得た。
【化48】
【表2】
【0326】
実施例20:
5−フルオロ−2−[(4−{7−[(1S,3S,4R)−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化49】
参考例41で得られたtert−ブチル (1S,3S,4R)−3−[2−(5−{2−[ジ(プロパン−2−イル)カルバモイル]−4−フルオロフェノキシ}ピリミジン−4−イル)−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−7−カルボニル]−5−(
2H
2)メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−カルボキシレート(80mg)を用い、実施例1と同様の方法にて、表題化合物(23mg)を得た。
LC-MS; [M+H]
+ 593.6/Rt(分) 0.70(分析条件A)
1H-NMR (DMSO-D6) δ: 8.27 (1H, s), 7.73 (1H, d, J = 4.1 Hz), 7.26-7.16 (2H, m), 7.03 (1H, m), 4.05-3.90 (total 3H, brs), 3.87 (2H, m), 3.67 (1H, m), 3.57-3.45 (2H, m), 3.45-3.19 (total 3H, m), 3.07 (1H, s), 2.52 (1H, brs), 2.33 (1H, brs), 2.27 (1H, dd, J = 2.5, 17.1 Hz), 1.79-1.60 (total 5H, brm), 1.55 (1H, m), 1.48-1.37 (5H, m), 1.33 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.07 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.4 Hz).
【0327】
実施例21:
2−[(4−{7−[(1S,3S,4R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド 1L(+)−酒石酸塩
【化50】
実施例4の化合物(0.50g)の酢酸エチル/エタノール(10/1、11mL)溶液にL(+)−酒石酸(0.11g)を加え室温で3日間撹拌した。析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄、減圧乾燥することにより表題化合物(0.54g)を結晶(I形晶)として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 8.27 (1H, s), 7.74 (1H, s), 7.26-7.18 (2H, m), 7.04 (1H, m), 4.27 (1H, br s), 3.96 (2H, br s), 3.91-3.80 (total 4H, m), 3.67 (1H, m), 3.57-3.43 (3H, m), 3.38 (2H, br s), 3.29 (1H, br s), 1.94 (1H, br s), 1.91-1.78 (3H, m), 1.70 (4H, br m), 1.62-1.20 (total 12H, m), 1.07 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.97 (3H, d, J = 6.1 Hz), 0.68 (1H, m), 0.40 (2H, m), 0.07 (2H, m).
[I形晶]粉末X線回折パターンは
図1に示す。
主要回折ピーク:2θ(°)=5.3、8.0、11.2、13.0、13.5、15.9、16.4、17.5、17.9、18.2、20.0
特徴的回折ピーク:2θ(°)=5.3、11.2、13.0、15.9、17.9、18.2
【0328】
実施例22:
2−[(4−{7−[(1S,3S,4R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド 1塩酸塩
【化51】
実施例4の化合物(50mg)の酢酸エチル(1mL)溶液に4mol/L塩酸−酢酸エチル(19μL)を加え室温で4時間撹拌した。析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄、減圧乾燥することにより表題化合物(30mg)を結晶(II形晶)として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 8.27 (1H, s), 7.75 (1H, d, J = 1.8 Hz), 7.26-7.19 (2H, m), 7.04 (1H, m), 4.36 (1H, br s), 4.07-3.92 (2H, br s), 3.92-3.81 (2H, m), 3.67 (1H, m), 3.61-3.46 (3H, m), 3.45-3.36 (3H, m), 2.00 (1H, br s), 1.96-1.80 (3H, m), 1.79 -1.21 (total 16H, m), 1.08 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.97 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.68 (1H, m), 0.41 (2H, m), 0.09 (2H, m).
[II形晶]粉末X線回折パターンは
図2に示す。
主要回折ピーク:2θ(°)=5.3、9.9、10.6、11.9、13.1、13.6、15.9、16.3、17.9、18.9、21.2
特徴的回折ピーク:2θ(°)=5.3、9.9、10.6、15.9、16.3、17.9
【0329】
実施例23:
2−[(4−{7−[(1S,3S,4R,6R)−6−(シクロプロピルメチル)−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド 2塩酸塩
【化52】
実施例4の化合物(0.50g)の酢酸エチル/エタノール(10/1、11mL)溶液に4mol/L塩酸−酢酸エチル(0.38mL)を加え室温で3日間撹拌した。析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄、減圧乾燥することにより実施例4の化合物の2塩酸塩(0.49g)を結晶(III形晶)として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 9.22 (1H, br s), 8.53 (1H, s), 8.03 (1H, br d, J = 12.8 Hz), 7.85 (1H, br s), 7.36-7.25 (3H, m), 4.40 (1H, br s), 4.34-3.97 (total 4H, br m), 3.67 (1H, m), 3.59-3.47 (3H, m), 3.46-3.37 (3H, m), 2.01 (1H, br s), 1.96-1.82 (3H, m), 1.75 (4H, br s), 1.66-1.27 (total 12H, m), 1.09 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.93 (3H, d, J = 6.7 Hz), 0.67 (1H, m), 0.40 (2H, m), 0.10 (2H, m).
[III形晶]粉末X線回折パターンを
図3に示す。
主要回折ピーク:2θ(°)=4.3、7.0、9.9、10.6、11.8、15.2、15.5、15.9、16.5、16.8、17.9
特徴的回折ピーク:2θ(°)=4.3、7.0、10.6、15.9、16.5、16.8
【0330】
実施例6:
5−フルオロ−2−[(4−{7−[(1S,3S,4R)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド
【化53】
実施例6は下記の方法によっても製造することができる。参考例42で得られたtert−ブチル 7−[(1S,3S,4R)−2−(tert−ブトキシカルボニル)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−カルボキシレート(7.0g)のクロロホルム(11mL)溶液に、TFA(11mL)を室温で滴下して加え、室温で一終夜撹拌した。反応液を減圧留去し、アセトニトリル(70mL)を加えて希釈した後、5mol/L水酸化ナトリウム水溶液(28mL)を、氷冷下、滴下して加えた。参考例1で得られた2−[(4−クロロピリミジン−5−イル)オキシ]−5−フルオロ−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド(4.9g)を加えて室温で5時間撹拌した。反応液に水(200mL)を加え、析出した固体をろ取し、水で洗浄した後、減圧下乾燥させることで表題化合物(7.3g)を得た。
【0331】
実施例24:
5−フルオロ−2−[(4−{7−[(1S,3S,4R)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド 1L(+)−酒石酸塩
【化54】
実施例6の化合物(2.0g)のTHF(5mL)溶液にL(+)−酒石酸(0.48g)を加え60℃で1時間撹拌した。放冷後、析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄、減圧乾燥することにより表題化合物(2.0g)を結晶(IV形晶)として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 8.28 (1H, s), 7.73 (1H, d, J = 5.5 Hz), 7.26-7.17 (2H, m), 7.02 (1H, m), 5.08 (1H, s), 4.85 (1H, s), 4.32 (1H, s), 4.06-3.83 (total 6H, m), 3.68 (1H, m), 3.63-3.39 (total 4H, m), 3.32 (2H, br s), 2.66 (1H, m), 2.54 (1H, br s), 2.39 (1H, m), 1.91-1.64 (total 5H, m), 1.60-1.47 (3H, m), 1.42 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.33 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.08 (3H, d, J = 6.9 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.4 Hz).
[IV形晶]粉末X線回折パターンを
図4に示す。
主要回折ピーク:2θ(°)=5.1、6.3、9.0、10.5、12.3、12.6、13.3、15.3、17.1、17.2、18.0
特徴的回折ピーク:2θ(°)=5.1、6.3、9.0、15.3、17.2、18.0
【0332】
実施例25:
5−フルオロ−2−[(4−{7−[(1S,3S,4R)−5−メチリデン−2−アザビシクロ[2.2.2]オクタン−3−カルボニル]−2,7−ジアザスピロ[3.5]ノナン−2−イル}ピリミジン−5−イル)オキシ]−N,N−ジ(プロパン−2−イル)ベンズアミド 2コハク酸塩
【化55】
実施例6の化合物(2.0g)の酢酸エチル(8mL)溶液にコハク酸(0.78g)を加え60℃で1時間撹拌した。放冷後、析出した固体をろ取し、酢酸エチルで洗浄、減圧乾燥することにより表題化合物(1.9g)を結晶(V形晶)として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ: 8.27 (1H, s), 7.75 (1H, d, J = 4.6 Hz), 7.25-7.18 (2H, m), 7.06 (1H, m), 5.03 (1H, s), 4.81 (1H, s), 4.81 (1H, s), 3.96 (2H, br s), 3.87 (2H, br d, J = 9.1 Hz), 3.68 (1H, m), 3.60-3.37 (total 3H, m), 3.31 (3H, br s), 2.59 (1H, br d, J = 17.4 Hz), 2.47 (1H, br s), 2.40-2.27 (total 9H, m), 1.85-1.62 (total 5H, m), 1.57-1.45 (total 3H, m), 1.42 (3H, d, J = 6.9 Hz), 1.33 (3H, d, J = 6.4 Hz), 1.08 (3H, d, J = 6.4 Hz), 0.98 (3H, d, J = 6.9 Hz).
[V形晶]粉末X線回折パターンを
図5に示す。
主要回折ピーク:2θ(°)=4.9、8.1、8.6、9.8、13.9、14.5、17.2、17.8、18.4、19.0、20.5
特徴的回折ピーク:2θ(°)=8.1、8.6、9.8、14.5、17.2、17.8、18.4
【0333】
試験例
試験例1:Menin−MLL結合阻害実験
N末端に6xHisタグとHAタグを挿入し、C末端にmycタグを挿入したMenin
1−615(以下His−Menin
1−615)を、終濃度30nmol/Lとなるようにアッセイバッファー(25mmol/L HEPES、150mmol/L NaCl、1mmol/Lジチオトレイトール、0.5%(w/v) Tween 80、0.3%(w/v) BSA、0.3%(w/v) Skim milk)で希釈した。また評価化合物を、評価化合物濃度が0.005〜5μmol/Lとなるようにアッセイバッファーで希釈した。調製したHis−Menin
1−615を、2μL/ウェル、また評価化合物を6μL/ウェルで遮光用の384ウェルローボリュームプレート(Corning、#4514)に添加し、遮光用の蓋(Corning、#3935)をして、室温で3時間インキュベートした。インキュベート後、別途、C末端にFLAGタグを挿入したMLL
1−172(MLL
1−172−FLAG)を、終濃度50nmol/Lとなるようにアッセイバッファーで希釈した。調製したMLL
1−172−FLAGを2μL/ウェルで先のプレートに添加し、遮光用の蓋をして、室温で1時間インキュベートした。
次に、抗6HIS−d2抗体(cisbio、61HISDLA)及び抗FLAGM2−K抗体(cisbio、61FG2KLA)を、終濃度1.4μg/mLになるように抗体希釈バッファー(50mmol/L Tris、150mmol/L NaCl、800mmol/L KF、pH7.4)で希釈し抗体混合液を調製した。調製した抗体混合液を10μL/ウェルで先のプレートに添加し、蓋をして、4℃で17〜24時間インキュベートした。インキュベート後、RUBYstar(BMG LABTECH)により、シグナルを検出した。評価化合物各濃度での結合阻害率(%)を下に示す計算式を用いて求め、結合阻害率が50%を示す評価化合物の濃度に相当するIC
50値を算出した。
【0334】
結合阻害率(%)={1−(A−C)/(B−C)}×100
A:評価化合物存在下におけるシグナル
B:ネガティブコントロール(評価化合物非存在下)におけるシグナル
C:ポジティブコントロール(阻害率100%の濃度の既知化合物存在下)におけるシグナル
【0335】
試験例1の評価結果を下表に示す。
【表3】
【0336】
上表に表すように、実施例1、3、4、5、6、7、8、9、10及び11の化合物は,強いMenin−MLL結合阻害作用を示した。中でも、実施例3、6、7及び10の化合物は特に強い細胞Menin−MLL結合阻害作用を示した。
【0337】
試験例2:細胞増殖抑制実験
RS4;11細胞をアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)より入手した。本細胞は、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有RPMI1640培地にて、37℃、5%CO
2存在下で培養した。別に、MOLM−13細胞をDSMZ(Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)より入手した。本細胞は、20%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有RPMI1640培地にて、37℃、5%CO
2存在下で培養した。
96ウェルプレートに1ウェルあたり2000個の細胞を播種して、DMSOの終濃度が0.1%となるように評価化合物を添加し、7日間培養した。培養終了後、PrestoBlue(登録商標) Cell Viability Reagent(Invitrogen、A13261)を用いて、細胞生存率を計算した。生存率曲線より、細胞増殖の抑制率が50%を示す評価化合物の濃度に相当するIC
50値を算出した。
【0338】
試験例2の評価結果を下表に示す。
【表4】
【0339】
上表に表すように、実施例1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、14、15、16、18、19及び20の化合物は、強力な細胞増殖抑制効果を示した。
【0340】
試験例3:被験物質によるmRNA転写制御実験
MV4;11細胞をアメリカ培養細胞系統保存機関(ATCC)より入手した。本細胞は、10%ウシ胎児血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシン含有RPMI1640培地にて、37℃、5%CO
2存在下で培養した。MV4;11細胞に評価化合物を終濃度1μmol/Lで添加後、37℃、5% CO
2存在下で20〜24時間培養した。培養終了後、RNeasy(登録商標) Mini Kit(QIAGEN、74106)を用いて細胞よりtotal RNAを抽出し、Superscript(登録商標) VILO(登録商標) cDNA Synthesis Kit(Invitrogen、#11754250)を用いてcDNAを合成した。TaqMan(登録商標) Gene Expression Master Mix(Applied Biosystems、4369016)及びTaqMan(登録商標) プローブ(Applied Biosystems)を用いて、7900HT(Applied Biosystems)により、得られたcDNAからmRNA発現量を定量した。得られた各遺伝子(MEIS1及びHOXA9)のmRNA発現量は、GAPDHのmRNA発現量により補正した。
【0341】
試験例3の評価結果を下表に示す。
【表5】
【0342】
上表に表すように、実施例1、3、4、5、6、7、8、9、10及び11の化合物は、MeninとMLL融合タンパクとの結合阻害に由来するmRNA転写制御を示した。
特に、実施例5の化合物は良好な細胞増殖抑制効果を示した。
【0343】
試験例4:hERG阻害試験
培養したhERG(human Ether-a-go-go Related Gene)遺伝子安定発現CHO細胞株細胞に、DMSO終濃度が0.0135〜0.5%となるように被験物質を添加した。そのhERG電流をQPatch HT(Sophion社)を用いて測定し、各被験物質がhERG電流を50%抑制する濃度(IC
50値;μM)を算出した。
【0344】
実施例で得られた化合物について、試験例4に示す試験を行った。また、各実施例の化合物において、試験例4で得られたhERG電流を50%抑制する化合物濃度を、試験例2で得られたRS4;11細胞の増殖抑制率が50%を示す化合物濃度で割った値を、hERG/RS4;11として算出した。結果について下表に示す。
【表6】
【0345】
上表に表すように、実施例1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、14、15、16、18及び19の化合物は、RS4;11細胞の増殖抑制率が50%を示す化合物濃度とhERG電流を50%抑制する化合物濃度とに100倍以上の乖離幅を有することが示された。特に、実施例6、7、15、16及び18の化合物はRS4;11細胞の増殖抑制率が50%を示す化合物濃度とhERG電流を50%抑制する化合物濃度とに1000倍以上の良好な乖離幅を有することが示された。