特許第6671608号(P6671608)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671608搬送装置、搬送方法、及び、その搬送方法をコンピュータに実行させるプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671608
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】搬送装置、搬送方法、及び、その搬送方法をコンピュータに実行させるプログラム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20200316BHJP
   B65G 47/53 20060101ALI20200316BHJP
   B65G 57/04 20060101ALN20200316BHJP
【FI】
   B65G47/30 H
   B65G47/53 F
   !B65G57/04
【請求項の数】13
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2018-151473(P2018-151473)
(22)【出願日】2018年8月10日
(65)【公開番号】特開2020-26333(P2020-26333A)
(43)【公開日】2020年2月20日
【審査請求日】2019年7月17日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】506056734
【氏名又は名称】中島田精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116573
【弁理士】
【氏名又は名称】羽立 幸司
(72)【発明者】
【氏名】中島田 敦
【審査官】 福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−22472(JP,A)
【文献】 特開平3−82324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/22−47/32
B65G 47/53−47/54
B65G 57/00−57/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3列又は4列に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、
前記3列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記4列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記3列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記4列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、
減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知する第1検知手段と、
減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知する第2検知手段と、
吊り下げ解除手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第1吊り下げ解除手段群と、
吊り下げ解除手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第2吊り下げ解除手段群と、
集積停止手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第1集積停止手段群と、
集積停止手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第2集積停止手段群とを、備えた、搬送装置。
【請求項2】
M列又はN列(N>M≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、
前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、
減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知する第1検知手段と、
減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知する第2検知手段と、
吊り下げ解除手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第1吊り下げ解除手段群と、
吊り下げ解除手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第2吊り下げ解除手段群と、
集積停止手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第1集積停止手段群と、
集積停止手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第2集積停止手段群とを、備えた、搬送装置。
【請求項3】
前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記第1吊り下げ解除手段群、前記第2吊り下げ解除手段群、前記第1集積停止手段群、及び、前記第2集積停止手段群の同期制御を行う制御手段を備えた、請求項1又は2記載の搬送装置。
【請求項4】
M列又はN列(N>M≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>M>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、
前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、
減列される位置におけるそれぞれが所定位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知するL個(N>M>L≧2)の検知手段と、
吊り下げ解除手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をするL個(N>M>L≧2)の吊り下げ解除手段群と、
集積停止手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止めるL個(N>M>L≧2)の集積停止手段群とを、備えた、搬送装置。
【請求項5】
前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行う制御手段を備えた、請求項4記載の搬送装置。
【請求項6】
N列(N≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、
減列される位置におけるそれぞれが所定の位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知するL個(N>L≧2)の検知手段と、
前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をするL個(N>L≧2)の吊り下げ解除手段群と、
前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止めるL個(N>L≧2)の集積停止手段群と、
前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行う制御手段とを備えた、搬送装置。
【請求項7】
3列又は4列に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、
前記3列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記4列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記3列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記4列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、
第1検知手段が、減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知し、
第2検知手段が、減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知し、
第1吊り下げ解除手段群が、12個の吊り下げ解除手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、
第2吊り下げ解除手段群が、12個の吊り下げ解除手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作し、
第1集積停止手段群が、12個の集積停止手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、
第2集積停止手段群が、12個の集積停止手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、
前記第1集積停止手段群により集積されたワークの流れを1つ目の列とし、前記第2集積停止手段群により集積されたワークの流れを2つ目の列として、搬送する、搬送方法。
【請求項8】
M列又はN列に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、
前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、
第1検知手段が、減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知し、
第2検知手段が、減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知し、
第1吊り下げ解除手段群が、M×N個の吊り下げ解除手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、
第2吊り下げ解除手段群が、M×N個の吊り下げ解除手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、
第1集積停止手段群が、M×N個の集積停止手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、
第2集積停止手段群が、M×N個の集積停止手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、
前記第1集積停止手段群により集積されたワークの流れを1つ目の列とし、前記第2集積停止手段群により集積されたワークの流れを2つ目の列として、搬送する、搬送方法。
【請求項9】
制御手段が、前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記第1吊り下げ解除手段群、前記第2吊り下げ解除手段群、前記第1集積停止手段群、及び、前記第2集積停止手段群の同期制御を行う、請求項7又は8記載の搬送方法。
【請求項10】
M列又はN列(N>M≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>M>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、
前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、
L個(N>M>L≧2)の検知手段が、減列される位置におけるそれぞれが所定位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知し、
L個(N>M>L≧2)の吊り下げ解除手段群が、M×N個の吊り下げ解除手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、
L個(N>M>L≧2)の集積停止手段群が、M×N個の集積停止手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、
前記各集積停止手段群により集積されたワークの流れを各列とし、L列(N>L≧2)で搬送する、搬送方法。
【請求項11】
制御手段が、前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行う、請求項10記載の搬送方法。
【請求項12】
N列(N≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、
L個(N>L≧2)の検知手段が、減列される位置におけるそれぞれが所定の位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知し、
L個(N>L≧2)の吊り下げ解除手段群が、前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、
L個(N>L≧2)の集積停止手段群が、前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、
制御手段が、前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行い、
前記各集積停止手段群により集積されたワークの流れを各列とし、L列(N>L≧2)で搬送する、搬送方法。
【請求項13】
請求項7から12のいずれかに記載の搬送方法を、コンピュータに実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送装置及び搬送方法に関し、特に、3列等に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列等に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置、搬送方法、及び、その搬送方法をコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ワークとして例えばシート状のものを例えば3列等に並べて搬送し、例えば5枚重ねなどの集積処理をし、そして、列を減列処理し、例えば2列などで最終的に梱包作業に向けて搬送するような装置がある。この装置では、一般的には、拡幅コンベアで集積のためのワーク間の間隔を広げ、その後、集積処理が行われる。そして、集積したものを減列する処理が行われ、旋回等により向きが揃えられて、包装機に搬送される。
【0003】
集積処理は、例えば、特許文献1に記載のような技術で行われる。この特許文献1に開示の技術では、具体的には、集積装置は、シート状のワークを送り込むコンベアと、受け渡し装置と、排出コンベアとを備え、受け渡し装置には、複数の羽根を外周180°の範囲内で取り付けて、羽根と羽根との間を保持空間とし、それぞれ独立した駆動系に連結して、同一回転軸上に配置した第1羽根車及び第2羽根車を設けるようにしている。そして、一方の第1羽根車が間欠回転しながらシート状のワークを保持空間に順次収容していく間に、他方の第2羽根車はシート状のワークを排出コンベア上に集積状態に取り下ろすと共に、第2羽根車の先端の羽根が一方の第1羽根車における後端の羽根に一致するまで部分回転したのち、一方の第1羽根車に引き続き、第2羽根車が間欠回転しながらシート状のワークを保持空間に順次に収容していくようにしている。
【0004】
また、減列処理は、機構的に行っている。ワークがシート状のものではなく、トイレットペーパになるが、機構的な減列の仕方としては、例えば、特許文献2、3のようなものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−95502号公報
【特許文献2】特開2007−186288号公報
【特許文献3】特開2011−32026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では、上記したように、3列等においても集積のために互いの距離を適切な間隔に拡幅することがまず行われ、その後、集積することが行われ、次に2列等に減列することが行われ、さらに方向を合わせる旋回の処理が行われる必要があり、拡幅ユニット、集積ユニット、減列ユニット、及び旋回ユニットという4つのユニットが必要になっていた。特に、減列ユニットの処理と集積ユニットの処理を逆にしてしまうと、搬送スピードのコントロールが極めて難しくなり、減列ユニットの前に、集積ユニットが必要になるという制約もあった。
【0007】
その結果、ユニットを並べる分だけスペースが必要になり、また、互いのユニット間の調整も必要になっていた。
【0008】
さらに、3列から4列、或いは、4列から3列等に、減列前の列を変更する場合には、ユニットの交換やユニット間の調整が必要になり、スペースの問題だけでなく、その負担が大きいものになっていた。
【0009】
ゆえに、本発明は、集積と減列が必要なものにおいて、省スペース化を図ることができる搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点は、3列又は4列に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、前記3列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記4列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記3列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記4列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知する第1検知手段と、減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知する第2検知手段と、吊り下げ解除手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第1吊り下げ解除手段群と、吊り下げ解除手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第2吊り下げ解除手段群と、集積停止手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第1集積停止手段群と、集積停止手段が12個で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第2集積停止手段群とを、備えたものである。
【0011】
本発明の第2の観点は、M列又はN列(N>M≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知する第1検知手段と、減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知する第2検知手段と、吊り下げ解除手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第1吊り下げ解除手段群と、吊り下げ解除手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をする第2吊り下げ解除手段群と、集積停止手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第1吊り下げ解除手段群と、集積停止手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止める第2集積停止手段群とを、備えたものである。
【0012】
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点において、前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記第1吊り下げ解除手段群、前記第2吊り下げ解除手段群、前記第1集積停止手段群、及び、前記第2集積停止手段群の同期制御を行う制御手段を備えたものである。
【0013】
本発明の第4の観点は、M列又はN列(N>M≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>M>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、減列される位置におけるそれぞれが所定位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知するL個(N>M>L≧2)の検知手段と、吊り下げ解除手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をするL個(N>M>L≧2)の吊り下げ解除手段群と、集積停止手段がM×N個で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止めるL個(N>M>L≧2)の集積停止手段群とを、備えたものである。
【0014】
本発明の第5の観点は、第4の観点において、前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行う制御手段を備えたものである。
【0015】
本発明の第6の観点は、N列(N≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送装置において、減列される位置におけるそれぞれが所定の位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知するL個(N>L≧2)の検知手段と、前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をするL個(N>L≧2)の吊り下げ解除手段群と、前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止めるL個(N>L≧2)の集積停止手段群と、前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行う制御手段とを備えたものである。
【0016】
本発明の第7の観点は、3列又は4列に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、前記3列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記4列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記3列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記4列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、第1検知手段が、減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知し、第2検知手段が、減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知し、第1吊り下げ解除手段群が、12個の吊り下げ解除手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、第2吊り下げ解除手段群が、12個の吊り下げ解除手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作し、第1集積停止手段群が、12個の集積停止手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、第2集積停止手段群が、12個の集積停止手段で配置され、前記3列のワークの場合には4個毎に同期し、前記4列のワークの場合には3個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、前記第1集積停止手段群により集積されたワークの流れを1つ目の列とし、前記第2集積停止手段群により集積されたワークの流れを2つ目の列として、搬送するものである。
【0017】
本発明の第8の観点は、M列又はN列に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、2列に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、第1検知手段が、減列される位置における所定の上流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を偶数回のタイミングで検知し、第2検知手段が、減列される位置における所定の下流位置において、前記順番に搬送されるワークの群を毎回のタイミングで検知し、第1吊り下げ解除手段群が、M×N個の吊り下げ解除手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、第2吊り下げ解除手段群が、M×N個の吊り下げ解除手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、第1集積停止手段群が、M×N個の集積停止手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第1吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、第2集積停止手段群が、M×N個のシャッタで配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記第2吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、前記第1集積停止手段群により集積されたワークの流れを1つ目の列とし、前記第2集積停止手段群により集積されたワークの流れを2つ目の列として、搬送するものである。
【0018】
本発明の第9の観点は、第7又は第8の観点において、制御手段が、前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記第1吊り下げ解除手段群、前記第2吊り下げ解除手段群、前記第1集積停止手段群、及び、前記第2集積停止手段群の同期制御を行うものである。
【0019】
本発明の第10の観点は、M列又はN列(N>M≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>M>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、前記M列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズと前記N列に並べたワークのそれぞれの幅方向のサイズは異なっており、前記M列に並べたワークの群の幅方向の総サイズと前記N列に並べたワークの群の幅方向の総サイズは同じであり、L個(N>M>L≧2)の検知手段が、減列される位置におけるそれぞれが所定位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知し、L個(N>M>L≧2)の吊り下げ解除手段群が、M×N個の吊り下げ解除手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、L個(N>M>L≧2)の集積停止手段群が、M×N個の集積停止手段で配置され、前記M列のワークの場合にはN個毎に同期し、前記N列のワークの場合にはM個毎に同期し、前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、前記各集積停止手段群により集積されたワークの流れを各列とし、L列(N>L≧2)で搬送するものである。
【0020】
本発明の第11の観点は、第10の観点において、制御手段が、前記ワークの列の数に対応して制御を切り替え可能であり、前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行うものである。
【0021】
本発明の第12の観点は、N列(N≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>L≧2)に減列するとともに前記ワークを集積して搬送する搬送方法において、L個(N>L≧2)の検知手段が、減列される位置におけるそれぞれが所定の位置において、前記順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知し、L個(N>L≧2)の吊り下げ解除手段群が、前記各検知手段の検知出力に応答して前記ワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、L個(N>L≧2)の集積停止手段群が、前記各吊り下げ解除手段群の動作により前記ワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、制御手段が、前記各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行い、前記各集積停止手段群により集積されたワークの流れを各列とし、L列(N>L≧2)で搬送するものである。
【0022】
本発明の第13の観点は、第7から第12の観点のいずれかに記載の搬送方法を、コンピュータに実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、N列(N≧3)に並べたワークの群を順番に吸着して吊り下げて搬送し、L列(N>L≧2)に減列するとともにワークを集積して搬送するうえで、L個(N>L≧2)の検知手段が、減列される位置におけるそれぞれが所定の位置において、順番に搬送されるワークの群を所定のタイミングで検知し、L個(N>L≧2)の吊り下げ解除手段群が、各検知手段の検知出力に応答してワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、L個(N>L≧2)集積停止手段群が、各吊り下げ解除手段群の動作によりワークが所定の枚数に集積されたことに応答して、その集積を止め、制御手段が、各吊り下げ解除手段群及び前記各集積停止手段群の同期制御を行い、各集積停止手段群により集積されたワークの流れを各列とし、L列(N>L≧2)で搬送することにより、減列と集積を同時に行うことができる。その減列と集積は別々のユニットとせずに1つのまとまったユニットとでき、その結果、装置の省スペース化を図ることができる。さらに、この手法では、従来のような拡幅ユニットも不要であり、さらに全体としての装置の小型化を図ることができる。さらに、搬送スピードのコントールの問題も従来のような複雑で制約があるものでないというものになっている。
【0024】
さらに、ワークがM列又はN列(N>M≧3)の間で列の切り替えを行うことも、L個(N>M>L≧2)の吊り下げ解除手段群が、M×N個の吊り下げ解除手段で配置され、M列のワークの場合にはN個毎に同期し、N列のワークの場合にはM個毎に同期し、各検知手段の検知出力に応答してワークの群のワークのうちでタイミングが合ったワークを落とす動作をし、L個(N>M>L≧2)の集積停止手段群が、M×N個の集積停止手段で配置され、M列のワークの場合にはN個毎に同期し、N列のワークの場合にはM個毎に同期するという制御を行うだけで済ませることが可能であり、ユニット交換やユニット間の調整のような切り替え負担はなく、その負担を大幅に軽減できるものできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態にかかる搬送装置の全体を示した図である。
図2図1のIIの方向から見た図である。
図3図1の破線で囲まれた部分の拡大図である。
図4図2の破線で囲まれた部分の拡大図である。
図5図3の破線で囲まれた部分の拡大斜視図である。
図6図5に示した部分による減列と集積の動作の説明するための図である。
図7図6に示した部分において、ワークがRサイズとLサイズの場合の違いを説明するための図である。
図8図6に示した部分の動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0027】
図1は本発明の実施の形態にかかる搬送装置の全体を示した図である。図2図1のIIの方向から見た図である。
【0028】
搬送装置1は、自動つなぎ部3と、アキューム部5と、画像処理部7と、EPC部9と、裁断部11と、吸引搬送CV部13と、排出OH吸引CV部15と、集積・減列部17と、一時サシミコンベア19と、包装機コンベア21とを備える。搬送装置1は、このような複数のユニットが繋げられて構成されている。自動つなぎ部3に対して制御を行う自動つなぎ制御盤が設けられ、画像処理部7に対して制御を行う画像処理部制御盤が設けられ、裁断部11に対して制御を行う裁断部制御盤が設けられ、排出OH吸引CV部15に対して不良排出CV部15aも設けられ、集積・減列部17に対する制御を行う集積制御盤17aも設けられている。
【0029】
自動つなぎ部3には、裁断部11で裁断される前でシートが巻回されたロール3a,3bが設けられており、自動つなぎ制御盤の制御によって、ロール3aとロール3bとの間の繋ぎが自動で行われる。アキューム部5によりシートの搬送速度がコントロールされ、搬送されるシートが、画像処理部制御盤によって制御される画像処理部7によって撮像されて、EPC部9によってシートの耳端が一定位置に保たれつつ、シートが裁断部11に搬送される。裁断された後は、シートが3列又は4列となる。3列になる場合は裁断後のサイズが大きなLサイズに設定されている場合であり、4列になる場合は裁断後のサイズが小さなRサイズに設定されている場合である。なお、ここでは、搬送方向に対して垂直な幅方向でみた場合、3×Lサイズと4×Rサイズとは同じ幅になっている。裁断された3列又は4列のシートは、吸引搬送CV部13によって吸引が開始され、排出OH吸引CV部15に搬送される。排出OH吸引CV部15では、不良品が不良排出CV部15aによって排出される。良品は集積・減列部17に搬送され、集積制御盤17aによって制御される集積・減列部17により、シートの減列と集積処理が行われる。具体的には、3列又は4列から2列への減列が行われ、集積は例えば5枚ずつの集積が行われる。2列に減列された後は包装機コンベア21による搬送が行われる。なお、一時サシミコンベア19は、包装機が停止したり、集積部分で詰まりが発生したりした場合に、裁断部1の動作を停止させるまでの間、搬送中の一定量のシートに対して集積部を素通りさせる必要があり、それがサシミ状に排出されるために取り出し易いように平ベルトではなく幅の狭いベルト並べたものとしている。
【0030】
図3図1の破線で囲まれた部分の拡大図である。図4図2の破線で囲まれた部分の拡大図である。図5図3の破線で囲まれた部分の拡大斜視図である。
【0031】
図3では、吸引ベルト23以外は省略しているが、、図4に示すようにシートを吸引して搬送する12個の吸引ベルト23,25,27,29,31,33,35,37,39,41,43,45が設けられている。4列の場合は、吸引ベルト23,25,27で1列のシートが吸引搬送され、吸引ベルト29,31,33で1列のシートが吸引搬送され、吸引ベルト35,37,39で1列のシートが吸引搬送され、吸引ベルト41,43,45で1列のシートが吸引搬送される。3列の場合は、吸引ベルト23,25,27,29で1列のシートが吸引搬送され、吸引ベルト31,33,35,37で1列のシートが吸引搬送され、吸引ベルト39,41,43,45で1列のシートが吸引搬送される。
【0032】
吸引ベルトの間には、図5にも示すロータ46,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67,69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91が設けられている。ロータ46,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67は3列又は4列から2列に減列する上での1つの列を作るためのロータ群であり、ロータ69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91は2列のうちのもう1つの列を作るためのロータ群となっている。ロータは、吊り下げ解除手段の一例である。
【0033】
図5に示すように、ロータ46,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67の上流位置にはセンサ93が設けられており、ロータ46,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67とロータ69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91との間の位置にはセンサ95が設けられている。
【0034】
また、図5に示すように、ロータ46,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67に対応する位置にはシャッタ97が設けられ、ロータ69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91に対応する位置にはシャッタ99が設けられている。シャッタ97、99には櫛の本数がそれぞれ3本であり、シャッタのそれぞれの櫛が、集積停止手段の一例である。
【0035】
上記ロータ46,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67,69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91と、センサ93と、シャッタ97との関係と、ロータ69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91と、センサ95と、シャッタ99との関係について、説明する。
【0036】
搬送コンベア105上を搬送されるシート107a,107b,107c,107dが吸引ベルト23,25,27によって吸引されて、シート107e,107f,107g,107h,107iのように吸引搬送される。ロータ69,71,73が同期して動作することによりシート107iがシャッタ99に落下している。このロータ69,71,73の同期動作はセンサ95がシート107iを検知したことで行われている。一方、ロータ46,47,49は、センサ93の検知に応答している。センサ95の場合と異なり、この検知が2回行われると、1回ロータ46,47,49が同期動作し、ロータ69,71,73とロータ46,47,49は交互に動作するようになっている。シャッタ99は所定の集積枚数まで集積を認め、所定の枚数になるとそれ以上の集積を行わないためにシート107iが下に落下しないように閉じており、シャッタ97も、ロータ46,47,49が動作してシート107hの落下に応答して閉じる動作を行うことになっている。なお、集積されたシート107j等はシャッタ101とシャッタ97との間に集積され、集積されたシート107k等がシャッタ99とシャッタ103との間に集積された後は、包装機コンベア21によって、2列で搬送される。
【0037】
図6図5に示した部分による減列と集積の動作の説明するための図である。図7図6に示した部分において、ワークがRサイズとLサイズの場合の違いを説明するための図である。図8図6に示した部分の動作を説明するためのフローチャートである。
【0038】
図6及び図7を用いて、ロータとシャッタとの関係をさらに説明しつつ、図8を用いて、動作について説明する。
【0039】
図6に示したのは、シートが4列の場合である。図6図7(A)に対応することになる。シャッタ97,99以外にも、シャッタ105,107,109,111,113,115,117,119,121,123が設けられている。それぞれには、それぞれの本数の櫛が形成されている。図7(A)にも示すが、ロータ69,71,73の同期動作とシャッタ99が対応し、ロータ75,77,79の同期動作とシャッタ115とシャッタ117が対応し、シャッタ115とシャッタ117は同期動作する。ロータ81,83,85の同期動作とシャッタ119とシャッタ121が対応し、シャッタ119とシャッタ121が同期動作し、ロータ87,89,91の同期動作とシャッタ123が対応する。同様に、ロータ46,47,49の同期動作とシャッタ97が対応し、ロータ51,53,55の同期動作とシャッタ105とシャッタ107が対応し、シャッタ105とシャッタ107は同期動作する。ロータ57,59,61の同期動作とシャッタ109とシャッタ111が対応し、シャッタ109とシャッタ111が同期動作し、ロータ63,65,67の同期動作とシャッタ113が対応する。
【0040】
一方、図7(B)に示すように3列の場合には、ロータ69,71,73,75の同期動作とシャッタ99とシャッタ115とが対応し、シャッタ99とシャッタ115とが同期動作する。ロータ77,79,81,83の同期動作とシャッタ115とシャッタ117が対応し、シャッタ115とシャッタ117は同期動作する。ロータ85,87,89,91の同期動作とシャッタ121とシャッタ123が対応し、シャッタ121とシャッタ123が同期動作する。同様に、ロータ46,47,49,51の同期動作とシャッタ97とシャッタ105が対応し、シャッタ97とシャッタ105とが同期動作する。ロータ53,55,57,59の同期動作とシャッタ109とシャッタ111が対応し、シャッタ109とシャッタ111は同期動作する。ロータ61,63,65,67の同期動作とシャッタ111とシャッタ113が対応し、シャッタ111とシャッタ113が同期動作する。
【0041】
図8を用いて、ロータ46,47,49,51と、ロータ69,71,73,75と、シャッタ97,105と、シャッタ99,115との動作の関係性を説明する。
【0042】
ステップST1において、シートのサイズがRサイズかLサイズかが確認される。Rサイズの場合にはステップST2に進み、Lサイズの場合にはステップST11に進む。ステップST2において、センサ93の検知が偶数回か否かが確認され、偶数回の場合にはステップST3に進み、ロータ46,47,49が動作する。ステップST4において、集積枚数に到達するか否かが確認され、到達すると、ステップST5においてシャッタ97が動作して、ステップST2に戻る。ステップST2において、偶数回で無ければ、ステップST6に進み、センサ95の検知があるか否かが確認される。検知がある場合には、ステップST7に進み、ロータ69,71,73が動作する。ステップST8において、集積枚数に到達するか否かが確認され、到達すると、ステップST9においてシャッタ99が動作して、ステップST6に戻る。ステップST6において、検知がなければ、ステップST10に示すように未動作となる。
【0043】
一方、ステップST11に進んだ場合には、ステップST11において、センサ93の検知が偶数回か否かが確認され、偶数回の場合にはステップST12に進み、ロータ46,47,49,51が動作する。ステップST13において、集積枚数に到達するか否かが確認され、到達すると、ステップST14においてシャッタ97,105が動作して、ステップST11に戻る。ステップST11において、偶数回で無ければ、ステップST15に進み、センサ95の検知があるか否かが確認される。検知がある場合には、ステップST16に進み、ロータ69,71,73,75が動作する。ステップST17において、集積枚数に到達するか否かが確認され、到達すると、ステップST18においてシャッタ99,115が動作して、ステップST15に戻る。ステップST15において、検知がなければ、ステップST19に示すように未動作となる。
【0044】
このように、3列又は4列から2列の減列と集積について、同時に行うことができる。そのため、減列のためのユニットと集積のためのユニットというものではなくなり、小型化を図れる。さらに、3列と4列との間で切り替える場合に、ロータとシャッタの制御を行うだけで足りるものとしたため、ユニットの交換や設定などが不要となった。
【0045】
なお、上記では、3列から2列、又は、4列から2列のように、減列させたが、M列又はN列(N>M≧3)からL列(N>M>L≧2)に減列させるものであってもよい。さらには、M列とN列(N>M≧3)との間での切り替えは必ずしも必要とはしない。
【0046】
また、上記では、ロータを用いて落下させるようにしたが、例えば、ソレノイドを使い、ソレノイドで下向きに押し出す力を加えて落下させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1・・搬送装置、17・・・集積・減列部、17a・・・集積制御部、46,47,49,51,53,55,57,59,61,63,65,67,69,71,73,75,77,79,81,83,85,87,89,91・・・ロータ、93,95・・・センサ、97,99,105,107,109,111,113,115,117,119,121,123・・・シャッタ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8