(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6671625
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】電話の転送設定の自動切替システム及び電話の転送設定の自動切替プログラム
(51)【国際特許分類】
H04Q 3/58 20060101AFI20200316BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
H04Q3/58 106
H04Q3/58 102
H04M11/00 301
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2020-7170(P2020-7170)
(22)【出願日】2020年1月20日
【審査請求日】2020年1月20日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510197173
【氏名又は名称】株式会社ナレッジフロー
(74)【代理人】
【識別番号】100154210
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 宏
(72)【発明者】
【氏名】林 良生
【審査官】
田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2004−015454(JP,A)
【文献】
特開平02−026458(JP,A)
【文献】
特開平06−085930(JP,A)
【文献】
特開平06−141082(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2015/0156616(US,A1)
【文献】
欧州特許出願公開第1748635(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 3/58− 3/62
H04M 11/00−11/10
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットアクセスによる電話転送設定切替手段を提供する設定サイトと電話通信による電話転送設定切替手段を提供するリモートコントロールとの認証情報を保持する認証情報保持部と、
前記認証情報の正当性を確認する認証情報確認部と、
転送設定の切替を行うスケジュールを保持するスケジュール保持部と、
前記スケジュールに従って転送設定の切替を実行する転送設定切替部と、
前記転送設定の切替の結果を通知する結果連絡部とを備え、
前記転送設定切替部は、(1)設定サイトによる切替を行う、(2)前記設定サイトによる切替が不成功の場合に、所定の時間の後に前記設定サイトによる切替を再度行う、(3)前記設定サイトによる切替が所定の回数にわたって不成功であった場合にリモートコントロールによる切替を行う、の手順の処理を行うことを特徴とする、電話の転送設定の自動切替システム。
【請求項2】
転送設定代替規則を備え、
前記転送設定切替部は、リモートコントロールによる切替において、前記スケジュールで定められている切替後の転送設定への切替が許されている場合には該転送設定への切替を行い、該転送設定への切替が許されていない場合には前記転送設定代替規則に基づいて変換された転送設定への切替を行う、
ことを特徴とする、請求項1に記載の電話の転送設定の自動切替システム。
【請求項3】
前記転送設定切替部が、(1)前記設定サイトによる切替を再度行う回数、(2)前記再度行う際の前記所定の時間、(3)前記リモートコントロールによる切替の有無、のうち少なくとも1つを含む設定切替手順データを備え、
前記転送設定切替部は、前記設定切替手順データに従って処理を行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電話の転送設定の自動切替システム。
【請求項4】
前記スケジュール保持部は、2以上の被転送電話番号を管理する管理者による入力によって前記スケジュールを更新することができることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電話の転送設定の自動切替システム。
【請求項5】
前記スケジュール保持部は、2以上の被転送電話番号について1の入力によって前記スケジュールを更新することができることを特徴とする請求項4に記載の電話の転送設定の自動切替システム。
【請求項6】
前記認証情報を登録するホームページを備え、
前記スケジュール保持部は、前記認証情報が前記ホームページに登録された時に、その認証情報が入力されたものとして処理を行うことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の電話の転送設定の自動切替システム。
【請求項7】
インターネットアクセスによる電話転送設定切替手段を提供する設定サイトと電話通信による電話転送設定切替手段を提供するリモートコントロールとの認証情報を保持する認証情報保持処理と、
前記認証情報の正当性を確認する認証情報確認処理と、
転送設定の切替を行うスケジュールを保持するスケジュール保持処理と、
前記スケジュールに従って転送設定の切替を実行する転送設定切替処理と、
前記転送設定の切替の結果を通知する結果連絡処理とを備えるプログラムであって、
前記転送設定切替処理は、(1)設定サイトによる切替を行う、(2)前記設定サイトによる切替が不成功の場合に、所定の時間の後に前記設定サイトによる切替を再度行う、(3)前記設定サイトによる切替が所定の回数にわたって不成功であった場合にリモートコントロールによる切替を行う、
の手順の処理を行うことを特徴とする、電話の転送設定の自動切替プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話の転送設定の自動切替を行うシステム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
着信した電話について、転送・不転送を規則的に切替えたいことがある。例えば飲食店において、従業員が食材の仕込みを終えて電話対応できるようになる時刻から従業員が帰宅する時刻までの間を不転送として店舗において迅速に対応し、その他の時刻を転送とすることで、本部(例えば飲食店チェーンの運営会社)において対応することができる。
【0003】
転送・不転送の切替について、以下の技術が知られている。特許文献1には、登録された暗証番号を用いて転送の開始・停止の指示を行う方式が開示されている。特許文献2には、スケジュールデータを用いて転送の制御を行う装置が開示されている。特許文献3には、サーバにおける処理によって着信先の変更(転送)を行うシステムが開示されている。特許文献4には、契約外回線からリモートコントロールにより転送の設定を行うシステムが開示されている。
【0004】
暗証番号を用いてスケジュールデータを登録し、サーバ処理(以下、インターネットを介して入力するものとし「設定サイト」と言う。)又はリモートコントロールを行えば、転送設定の自動切替が可能である。
【0005】
転送・不転送の切替について、転送元電話を操作して行うことは可能であるが、転送元電話の箇所(飲食店の店舗等)に移動しなければならず、複数の電話を一括管理したい場合には、設定サイト又はリモートコントロールによって、1の場所で複数の電話の転送・不転送の切替を行うことが希望される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平02−272960号公報
【特許文献2】特開平03−240396号公報
【特許文献3】特開2014−049927号公報
【特許文献4】特開2006−128837号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
設定サイト及びリモートコントロールについて、確実に転送・不転送の切替ができるものではない。例えば、通信ネットワークのトラブルによって設定サイトに接続できない、電話が話中となりリモートコントロールが使用できないという可能性がある。
【0008】
そこで、本発明は、設定サイトとリモートコントロールの双方を活用して、低コストでほぼ確実に転送・不転送の切替ができる電話の転送設定の自動切替システム及び電話の転送設定の自動切替プログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の電話の転送設定の自動切替システムは、
インターネットアクセスによる電話転送設定切替手段を提供する設定サイトと電話通信による電話転送設定切替手段を提供するリモートコントロールとの認証情報を保持する認証情報保持部と、
前記認証情報の正当性を確認する認証情報確認部と、
転送設定の切替を行うスケジュールを保持するスケジュール保持部と、
前記スケジュールに従って転送設定の切替を実行する転送設定切替部と、
前記転送設定の切替の結果を通知する結果連絡部とを備え、
前記転送設定切替部は、(1)設定サイトによる切替を行う、(2)前記設定サイトによる切替が不成功の場合に、所定の時間の後に前記設定サイトによる切替を再度行う、(3)前記設定サイトによる切替が所定の回数にわたって不成功であった場合にリモートコントロールによる切替を行う、の手順の処理を行うことを特徴とする。
【0010】
この特徴によれば、認証情報によって設定サイト及びリモートコントロールの操作が可能であり、設定サイトを優先して処理をすることができる。転送設定の切替方法について、リモートコントロールは通話料金が発生してしまうので、設定サイトによって転送設定の切替が可能である場合には設定サイトによることが好ましい。
【0011】
本発明の電話の転送設定の自動切替システムは、
転送設定代替規則を備え、
前記転送設定切替部は、リモートコントロールによる切替において、前記スケジュールで定められている切替後の転送設定への切替が許されている場合には該転送設定への切替を行い、該転送設定への切替が許されていない場合には前記転送設定代替規則に基づいて変換された転送設定への切替を行う、
ことを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、利用者の希望する転送設定(例えば「転送停止」「無条件転送」「所定の時間の無応答により転送」「話中時に転送」から選択)への切替を行うことができる。多くの設定サイトはこれらの転送設定の全てに切替可能であるが、リモートコントロールでは「転送停止」「無条件転送」のみに対応し、他の設定への切替ができないことも多い。かかる場合に、例えば設定サイトでは「所定の時間の無応答により転送」「話中時に転送」の切替設定とするところを、リモートコントロールでは「無条件転送」とする等の代替設定を行う。いかなる代替設定とするかは、電話の転送設定の自動切替システムの設計事項として定めればよい。
【0013】
本発明の電話の転送設定の自動切替システムは、
前記転送設定切替部が、(1)前記設定サイトによる切替を再度行う回数、(2)前記再度行う際の前記所定の時間、(3)前記リモートコントロールによる切替の有無、のうち少なくとも1つを含む設定切替手順データを備え、
前記転送設定切替部は、前記設定切替手順データに従って処理を行うことを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、利用者の希望に対応する設定切替手順を実現することができる。例えば、通話料を必要とするリモートコントロールを用いない、希望する時間内に設定サイトによる切替ができなければ通話料がかかってでもリモートコントロールによる設定切替として希望する時間内に確実に設定の切替を行う、といった希望に対応することができる。
【0015】
ここで、実際にどのような設定切替が行われたか(前述の代替設定を含む)を利用者に通知することが好ましい。
【0016】
本発明の電話の転送設定の自動切替システムは、
前記スケジュール保持部は、2以上の被転送電話番号を管理する管理者による入力によって前記スケジュールを更新することができることを特徴とする。
【0017】
この特徴によれば、2以上の被転送電話番号を管理する管理者(例えば2以上のフランチャイズ店舗を管理する本部)による入力によってスケジュールを更新することができる。個々の利用者にスケジュール更新の作業を要求しないことができる。
【0018】
本発明の電話の転送設定の自動切替システムは、
前記スケジュール保持部は、2以上の被転送電話番号について1の入力によって前記スケジュールを更新することができることを特徴とする。
【0019】
この特徴によれば、2以上の被転送電話番号について同一のスケジュールとする場合に、1度の作業で全てのスケジュールを更新することができる。
【0020】
本発明の電話の転送設定の自動切替システムは、
前記認証情報を登録するホームページを備え、
前記スケジュール保持部は、前記認証情報が前記ホームページに登録された時に、その認証情報が入力されたものとして処理を行うことを特徴とする。
【0021】
この特徴によれば、認証情報について、管理者に不必要な作業を要求せずに処理することができる。
【0022】
本発明の電話の転送設定の自動切替プログラムは、
インターネットアクセスによる電話転送設定切替手段を提供する設定サイトと電話通信による電話転送設定切替手段を提供するリモートコントロールとの認証情報を保持する認証情報保持処理と、
前記認証情報の正当性を確認する認証情報確認処理と、
転送設定の切替を行うスケジュールを保持するスケジュール保持処理と、
前記スケジュールに従って転送設定の切替を実行する転送設定切替処理と、
前記転送設定の切替の結果を通知する結果連絡処理とを備えるプログラムであって、
前記転送設定切替処理は、(1)設定サイトによる切替を行う、(2)前記設定サイトによる切替が不成功の場合に、所定の時間の後に前記設定サイトによる切替を再度行う、(3)前記設定サイトによる切替が所定の回数にわたって不成功であった場合にリモートコントロールによる切替を行う、の手順の処理を行うことを特徴とする。
【0023】
これらの特徴によれば、本発明の電話の転送設定の自動切替プログラムによって、コンピュータを本発明の電話の転送設定の自動切替プログラムとして動作させることができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、設定サイトとリモートコントロールの双方を活用して、低コストでほぼ確実に転送・不転送の切替ができる電話の転送設定の自動切替システム及び電話の転送設定の自動切替プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】
図1は、電話の転送設定の自動切替システムの構成を示す図である。
【
図4】
図4は、電話の転送設定の自動切替の処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、電話の転送設定の自動切替システムの構成を示す図である。電話の転送設定の自動切替システム1は、認証情報保持部2、スケジュール保持部3、転送設定切替部4を備え、ネットワーク(不図示)を介して設定サイト5に接続され、リモートコントロール電話機6を制御するCTI機能(不図示)を有している。
【0027】
電話の転送設定の自動切替システム1には、利用者端末7及び管理者端末8が接続されている。
【0028】
認証情報保持部2は、認証情報21について、利用者端末7から入力を受け、それを保持する。
【0029】
認証情報21は、利用者が使用する電話について、設定サイト5を用いて転送設定を切替える際に要求されるパスワード、及び、リモートコントロール電話機6を用いて転送設定を切替える際に要求されるパスワードである。リモートコントロール電話機6では数字のみのパスワードと考えられる。
【0030】
認証情報確認部22が、入力された認証情報が正当であるか否かを確認する。認証情報確認部22は、設定サイト5にアクセスしてパスワードを入力し、そのパスワードによる転送設定の切替が拒絶されないことを確認する。
【0031】
拒絶された場合には、認証情報確認部22は、その認証情報を消去する。なお、拒絶された旨を利用者端末7に送信して認証情報の再入力を求めることとしてもよい。
【0032】
利用者(利用者端末7)は、認証情報保持部2に代えてホームページ23にアクセスして認証情報21を入力することもできる。ホームページ23は、認証情報保持部2と同様の入力を受け付ける。ここで、ホームページ23は、管理者(管理者端末8)によって指定される。管理者は、利用者毎に別々のURLとして、利用者のID等の入力を省略させることができる。
【0033】
スケジュール保持部3は、スケジュール31について、利用者端末7及び管理者端末8から入力を受け、それを保持する。
【0034】
図2は、スケジュールを示す図である。スケジュール31は、対象電話番号、切替時刻1、切替時刻2、転送設定データ1及び転送設定データ2を有している。切替時刻1において転送設定データ1に基づく転送設定の切替を行い、切替時刻2において転送設定データ2に基づく転送設定の切替を行うためのものである。通常、転送・不転送等を繰り返し変更するので、2種類の転送設定を往復するために2つの切替時刻及び転送設定データが必要となる。なお、切替時刻及び転送設定データを3つ以上設けてもよい。
【0035】
図において「グループA」と記された切替時刻及び転送設定データは、複数の対象電話番号(図では0398765432及び0356781234)について共通の切替時刻及び転送設定データを用いることを示す。共通の切替時刻及び転送設定データを、対象電話番号を「A」とするデータとして保持している。管理者(管理署端末8)は、対象電話番号を「A」とするデータを作成・更新することができ、グループAの複数の利用者について、スケジュールを一括更新することができる。なお、利用者(利用者端末7)には、他の利用者のスケジュールをも変更してしまう一括更新を認めない(例えばその利用者に係る対象電話番号についてのみ更新を認める)ことが好ましい。
【0036】
転送設定切替部4は、認証情報21、スケジュール31及び転送設定データ41を参照して転送設定の切替を行う。ここで、転送設定データ41は、管理者(管理者端末8)によって作成・更新される。認証情報保持部2、スケジュール保持部3と同様の転送設定データ保持部を設けて、作成・更新を行ってもよいが、転送設定データ41はデータファイルであり、管理者が直接にファイルを編集することも可能であるため、あえて転送設定データ保持部を図示していない。
【0037】
図3は、転送設定データを示す図である。転送設定データ41は、データID、転送方法、再切替回数、再切替時間間隔、リモートコントロール有無及びリモートコントロール転送方法を有している。
【0038】
データIDは、転送設定データ41に与えられた名称であり、スケジュール31の転送設定データがいずれのものであるかを同定するためのものである。
【0039】
転送方法は、切換後の転送設定を示す。「転送停止」「無条件転送」「〇〇秒無応答時転送」等が考えられる。いずれも、設定サイト5が受け付ける転送設定である。
【0040】
再切替回数及び再切替時間間隔は、設定サイト5による転送設定の切替が不成功の場合に、行われる転送設定の切替の再試行の回数及びその時間間隔を示す。(再切替回数)×(再切替時間間隔)の間は設定サイト5による転送設定の切替を試みることとなる。
【0041】
リモートコントロール有無は、設定サイト5による転送設定の切替が全て不成功の場合に、リモートコントロール電話機6による転送設定の切替を行う否かを示す。リモートコントロール電話機6による転送設定の切替には通話料が発生するので、それを支払って切替を行うか、通話料を節約して切替を断念するかを定めるものである。
【0042】
リモートコントロール転送方法は、リモートコントロール電話機6による転送設定の切替を行う場合の切換後の転送設定を示す。原則として設定サイト5による転送方法と同一であるべきであるが、リモートコントロールで切替えられる転送設定が限定されることもあり、設定サイト5による転送設定のものが実現できない場合にリモートコントロールで切替えられる代替設定を示す。図において、転送設定A2については「6秒無応答時転送」をリモートコントロールが受け付けないので、代替設定として「無条件転送」としている。なお、いかなる代替設定とするかは、各々の転送設定に依存せずに設定サイト5による転送方法に基づいてリモートコントロール転送方法を定めるルールによることも考えられる。その場合には、転送設定データ41にリモートコントロール転送方法を有さず、転送設定切替部4がそのルールを適用する処理を実行してもよい。
【0043】
図において、転送設定1及び転送設定2は、いずれも対象電話番号「0312345678」に係るものである。「転送停止」についてはリモートコントロールを行わず、「無条件転送」についてはリモートコントロールを行うものとしている。「転送停止」が行われない場合には本部による対応が可能であり、「無条件転送」が行われない場合には店舗による対応が困難である場合のために、不可欠の切替についてのみ通話料を支払ってリモートコントロールによる切替を行うものである。
【0044】
結果連絡部42は、転送設定切替部4によって切替えられた結果を利用者端末7に送信する。送信される結果としては設定サイト7による切替が順調に完了したこと(多くの場合にこうなると思われる)、リモートコントロールを用いて設定したこと、リモートコントロール転送方法が設定サイト7による転送方法と相違し代替設定をしたこと、設定サイト5による切替が再実行されて切替がスケジュール31よりも遅れたこと等が考えられる。これらを全て利用者端末7に送信してもよいが、例えば順調でない場合にのみ送信を望む利用者も存在すると考えられ、いかなる場合に送信を行うかを設計事項として定めてよい。また、設定サイト5による切替が再実行されて切替がスケジュール31よりも遅れたことについては、再実行(切替未了)の時に設定前に警告するメッセージを送信してもよい。
【0045】
以下、具体的な処理手順について説明する。
【0046】
事前の設定として、認証情報21の設定、スケジュール31の設定、転送設定データ41の設定がある。これらは、いかなる順序で行ってもよい。
【0047】
認証情報21の設定は、利用者(利用者端末7)から認証情報21を入力することにより行われる。
【0048】
認証情報21の入力は、利用者が認証情報保持部2にアクセスして行うことができる。代替手段として、ホームページ23を用いてもよい。管理者がホームページ23を作成することができるとしてもよい。ホームページのURLを利用者毎に定め(例えば「?」マークによって利用者を同定するパラメータを入力し)、利用者を同定する情報の入力を省略させるとしてもよい。
【0049】
ここで、利用者の入力に対して認証情報確認部22が入力された情報を確認し、正当な情報のみが認証情報21として保持されるようにすることができる。
【0050】
スケジュール31の設定は、利用者(利用者端末7)又は管理者(管理者端末8)からスケジュール31を入力することにより行われる。スケジュール31は利用者の希望であり利用者端末7から入力されると考えられるが、管理者が利用者の希望を聴取して管理者端末8から入力してもよい。また、2以上の被転送電話番号を管理する管理者によって2以上の被転送電話番号について統一された入力(
図2の「グループA」に相当)が行われてもよい。かかる統一された入力によって管理が容易となる。
【0051】
転送設定データ41の設定は、管理者(管理者端末8)から転送設定データ41を入力することにより行われる。ここで、転送設定データ41については多くの利用者が理解できるものではないので管理者端末8から入力するものとしたが、利用者端末7から入力することを認めてもよい。
【0052】
以上の設定が行われた後、電話の転送設定の自動切替システム1による電話の転送設定の自動切替が行われる。
図4は、電話の転送設定の自動切替の処理のフローチャートである。
【0053】
電話の転送設定の自動切替システム1は、スケジュール31に記載された時刻に スケジュール31に記載された転送設定データ41を指定して、転送設定切替部4を起動する。(S10)
【0054】
転送設定切替部4は、認証情報21によって設定サイト5にアクセスし、転送設定データ41の転送方法に基づく切替を行う。(S11)通常は、この切替が成功し、処理を終了する。
【0055】
切替が不成功の場合、転送設定切替部4は、転送設定データ41の再切替回数だけ、転送設定データ41の転送方法に基づく切替を試行する。(S12)切替が成功したら、処理を終了する。試行は、再切替時間間隔を空けて行う。
【0056】
再切替回数だけの試行が全て不成功の場合、転送設定切替部4は、リモートコントロール有無が「無」であれば、転送切替をせずに処理を終了する。
【0057】
リモートコントロール有無が「有」であれば、転送設定切替部4は、リモートコントロール電話機6を介して、リモートコントロール転送方法に基づく切替を行う。(S13)ここで、リモートコントロール電話機6は、電話の転送設定の自動切替システム1によって制御される電話機、又は電話の転送設定の自動切替システム1のCTI機能によって制御される電話回線である。
【0058】
以上の転送設定切替部4の処理の結果は、結果連絡部42によって利用者端末7に送信される。前述のように、全てを送信しても、利用者が留意したい状況のみを送信してもよい。
【0059】
以上詳細に説明したように、本実施例の電話の転送設定の自動切替システム1によれば、認証情報確認部22によって正当性が確認された認証情報21を用いて設定サイト5及びリモートコントロール電話機6による転送設定の切替が、転送設定切替部4によって行われる。スケジュール31を利用者の要望に合わせて設定することができる。また、管理者によって複数の利用者について一括設定することもできる。転送設定データ41を利用して、利用者の要望に合い、かつ確実な転送設定の切替を実現する。
【0060】
なお、本実施例における具体的な実装、特にデータの形式はあくまで一例であり、他の実装によって本発明を実施することもできる。
【0061】
また、電話の転送設定の自動切替システム1のそれぞれの構成部は、物理的に離れた位置にあってもよい。例えば、ホームページ23は、認証情報保持部2などがある場所とは別の場所にあるサーバーで運営されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0062】
設定サイトとリモートコントロールの双方を活用して、低コストでほぼ確実に転送・不転送の切替ができる電話の転送設定の自動切替システム及び電話の転送設定の自動切替プログラムである。昼間と夜間等の時間帯による転送設定の自動切替を行う事業者、特に店舗の運営者による利用が考えられる。
【符号の説明】
【0063】
1 電話の転送設定の自動切替システム
2 認証情報保持部
21 認証情報
22 認証情報確認部
23 ホームページ
3 スケジュール保持部
31 スケジュール
4 転送設定切替部
41 転送設定データ
42 結果連絡部
5 設定サイト
6 リモートコントロール電話機
7 利用者端末
8 管理者端末
【要約】
【課題】設定サイトとリモートコントロールの双方を活用して、低コストでほぼ確実に転送・不転送の切替ができる電話の転送設定の自動切替システム及び電話の転送設定の自動切替プログラムを提供すること。
【解決手段】
転送設定切替部が、(1)設定サイトによる切替を行う、(2)設定サイトによる切替が不成功の場合に、所定の時間の後に切替を再度行う、(3)設定サイトによる切替が所定の回数にわたって不成功であった場合にリモートコントロールによる切替を行う、の手順の処理を行う電話の転送設定の自動切替システム及び電話の転送設定の自動切替プログラムを提供する。
【選択図】
図1