(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1乃至
図8は本発明の
請求項1に対応する実施の第一形態例であって、1はホルダであって、この場合、
図4、
図5の如く、ホルダ1はアルミニウム合金製として軽量化が図られ、外周面は断面六角形状として転動防止が図られている。
【0015】
2はねじプラグゲージであり、この場合、
図1の如く、JISG4404合金工具鋼(SKS3)が用いられ、
図1の如く、上記ホルダ1の一方端部に設けられ、通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bの二種類から構成され、ホルダ1に対し、いずれかが選択的に用いられる。
【0016】
ここに、メートルねじ用限界ゲージ規格(JISB0251:2008)によれば、「通り側ねじプラグゲージは、過大な力を加えることなく手でねじ込んだとき、工作物のねじの全長を通り抜けなければならない。止り側ねじプラグゲージは、過大な力を加えることなく手でねじ込んだとき、工作物のねじの両端に入ってもよいが、ねじの2回転を超えてはならない。ねじが2回転を超えたかどうかは、ゲージを抜くときに決定する。ゲージが工作物にねじの2回転を超えてねじ込むことができる場合は、ねじの仕様を満足していない。止り側ねじプラグゲージは、3山以下のねじ長さの工作物には完全に通り抜けてはならない。」とされる。
【0017】
3は下穴プラグゲージであり、この場合、
図1の如く、JISG4404合金工具鋼(SKS3)が用いられ、上記ホルダ1の他方端部に設けられ、通り側下穴プラグゲージ3a、又は、止り側下穴プラグゲージ3bの二種類から構成され、ホルダ1に対し、いずれかが選択的に用いられる。
【0018】
例えば、この下穴プラグゲージ3の数値として、ねじサイズ「M3(呼び)×0.5(ピッチ)」、はめあい「中」、等級「2級」の場合にあっては、基準寸法「2.459mm」、下限「0mm」、上限「+0.140mm」とされ、したがって、通り側下穴プラグゲージ3aの外径φは2.459mmとなり、止り側下穴プラグゲージ3bの外径φは2.599mmとなり、又、例えば、ねじサイズ「M8×1.25」、はめあい「中」、等級「2級」の場合にあっては、基準寸法「6.647mm」、下限「0mm」、上限「+0.265mm」とされ、したがって、通り側下穴プラグゲージ3aの外径φは6.647mmとなり、止り側下穴プラグゲージ3bの外径φは6.912mmとされる。
【0019】
4は表示部であって、
図1の如く、上記ホルダ1の一方端部及び他方端部に形成され、通り側表示部4a及び止り側表示部4bから構成され、通り側表示部4aは、ねじプラグゲージ2が通り側ねじプラグゲージ2aであること、及び、下穴プラグゲージ3が通り側下穴プラグゲージ3aであることを表示し、止り側表示部4bは、ねじプラグゲージ2が止り側ねじプラグゲージ2bであること、及び、下穴プラグゲージ3が止り側下穴プラグゲージ3bであることを表示することになる。
【0020】
この場合、上記表示部4として、
図1、
図6の如く、通り側表示部4aは緑色Bに着色され、止り側表示部4bは赤色Rに着色され、緑色Bと赤色Rの二種類の異なる色により通り側又は止り側が判別可能に構成され、かつ、この場合、止り側表示部4bに切欠部Sを形成し、通り側表示部4aには切欠部Sを形成せず、切欠部Sの有無により通り側又は止り側が判別可能に構成されている。
【0021】
また、この場合、
図2、
図3の如く、上記ホルダ1に上記ねじプラグゲージ2及び上記下穴プラグゲージ3が着脱機構Tにより着脱自在に設けられている。
【0022】
この場合、
図2、
図3の如く、上記着脱機構Tとして、コレットチャック構造が用いられ、
図3の如く、ホルダ1に通過穴部1aが形成され、ホルダ1の一方端部及び他方端部の外周面に雄螺子部1b・1bをそれぞれ形成し、ホルダ1の雄螺子部1b・1bにそれぞれキャップ1c・1cを雌螺子部1d・1dにより螺着し、キャップ1c・1cの内穴Fにねじプラグゲージ2の基端部N及び下穴プラグゲージ3の基端部Pを挿通可能な例えば樹脂製のコレット部材Cを配置し、コレット部材Cに割溝C
1が形成され、コレット部材Cの外周面に左右二つのテーパー面C
2・C
2・C
3・C
3を相互にハ状に形成し、各キャップ1c・1cの内周面に一方のテーパー面C
2・C
2に嵌合可能なテーパー内面C
4・C
4を形成すると共にホルダ1の一方端部及び他方端部の内周面に他方のテーパー面C
3・C
3に嵌合可能なテーパー内面C
5・C
5を形成し、キャップ1c・1cの正逆回転によるテーパー面C
2とテーパー内面C
4及びテーパー面C
3とテーパー内面C
5とのテーパー作用によりコレット部材Cを介してねじプラグゲージ2の基端部N及び下穴プラグゲージ3の基端部Pを締付及び弛緩動作し、ねじプラグゲージ2及び下穴プラグゲージ3をホルダ1に対して着脱自在に設けて構成している。
【0023】
しかして、
図6の如く、通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bの二種類のねじプラグゲージ2からいずれかを選択してホルダ1の一方端部に装着し、かつ、通り側下穴プラグゲージ3a、又は、止り側下穴プラグゲージ3bの二種類の下穴プラグゲージ3からいずれかを選択してホルダ1の他方端部に装着することになり、すなわち、
図6の(イ)の如く、ホルダ1の一方端部に通り側ねじプラグゲージ2aが装着され、ホルダ1の他方端部に止り側下穴プラグゲージ3bが装着されてなる第1型式のめねじ用プラグゲージPG
1、又、
図6の(ロ)の如く、ホルダ1の一方端部に通り側ねじプラグゲージ2aが装着され、ホルダ1の他方端部に通り側下穴プラグゲージ3aが装着されてなる第2型式のめねじ用プラグゲージPG
2、又、
図6の(ハ)の如く、ホルダ1の一方端部に止り側ねじプラグゲージ2bが装着され、ホルダ1の他方端部に通り側下穴プラグゲージ3aが装着されてなる第3型式のめねじ用プラグゲージPG
3、又、
図6の(二)の如く、ホルダ1の一方端部に止り側ねじプラグゲージ2bが装着され、ホルダ1の他方端部に止り側下穴プラグゲージ3bが装着されてなる第4型式のめねじ用プラグゲージPG
4の4種類が構成されることになり、これら4種類のめねじ用プラグゲージPG
1・PG
2・PG
3・PG
4を四個のホルダ1を用いて予め四個用意しておいたり、又は、ホルダ1にねじプラグゲージ2及び下穴プラグゲージ3を適宜選択的に交換し、適宜、めねじ用プラグゲージPG
1・PG
2・PG
3・PG
4を構成することも可能である。
【0024】
この実施の第一形態例は上記構成であるから、工作物WのめねじW
1のねじ切りの前段階における下穴W
2加工の段階において、
図6の(イ)、(ロ)、(ハ)及び(ニ)に示すめねじ用プラグゲージPG
1・PG
2・PG
3・PG
4のいずれかを用いて、
図7の如く、検査対象物としての工作物Wに加工された下穴W
2に下穴プラグゲージ3の通り側下穴プラグゲージ3a及び止り側下穴プラグゲージ3bを交互に差し込み、下穴W
2の下穴径Dが最大許容寸法と最小許容寸法との間、すなわち、許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができ、かつ、下穴W
2を加工した後のめねじW
1のねじ切り加工の段階において、
図8の如く、検査対象物としての工作物Wに加工されためねじW
1にねじプラグゲージ2の通り側ねじプラグゲージ2a及び止り側ねじプラグゲージ2bを交互にねじこみ、めねじW
1のねじ寸法(例えば、単独有効径及び総合有効径)が最大許容寸法と最小許容寸法との間、すなわち、許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができる。
【0025】
したがって、検査対象物としての工作物Wに加工されためねじW
1の前加工としての下穴W
2の下穴径Dが許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができると共にめねじW
1のねじ寸法が許容限界寸法の範囲内にあるか否かのねじ寸法の検査を行うことができ、下穴径D及びめねじW
1のねじ寸法の二つの検査を行うことができ、下穴径D及びねじ寸法の管理を確実に行うことができると共にめねじW
1加工の作業性を向上することができる。
【0026】
この場合、上記ねじプラグゲージ2は、通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bであるから、ねじ寸法が許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができ、ねじ寸法の管理を確実に行うことができ、又、この場合、上記下穴プラグゲージ3は、通り側下穴プラグゲージ3a、又は、止り側下穴プラグゲージ3bであるから、下穴W
2の下穴径Dが許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができ、下穴径Dの管理を確実に行うことができる。
【0027】
又、この場合、上記ホルダ1の一方端部及び他方端部に通り側又は止り側を表示する表示部4が形成されているから、ねじプラグゲージ2のうちの通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bであるか否か、及び、下穴プラグゲージ3のうちの、通り側下穴プラグゲージ3a、又は、止り側下穴プラグゲージ3bであるか否かを容易に認識することができ、それだけ、ねじ寸法及び下穴W
2の検査を容易に行うことができ、又、この場合、上記ホルダ1に上記ねじプラグゲージ2及び上記下穴プラグゲージ3を着脱機構Tにより着脱自在に設けて構成しているから、ねじプラグゲージ2及び下穴プラグゲージ3のサイズ変更及び交換を容易に行うことができ、検査作業性及び使用の融通性を向上することができる。
【0028】
図9乃至
図14の
参考形態例は別例構造を示し、この場合、上記第一形態例と比較し、主に、ホルダ1の形状及び構造、着脱機構Tの構造及び表示部4の構造が異なり、他の構造は略同様な構造となっている。
【0029】
すなわち、この
参考形態例においては、
図9、
図12、
図13の如く、ホルダ10は細い六角柱状に形成され、又、着脱機構Gの構造においては、ホルダ10の通過穴部10aの一方端部及び他方端部の内周面は内部に向かって細くなるテーパー面10b・10cに形成され、ねじプラグゲージ2の基端部N及び下穴プラグゲージ3の基端部Pはテーパー面10b・10cに嵌合可能なテーパー外面N
1・P
1に形成され、
図9、
図10、
図11の如く、ホルダ10の通穴10dに図示省略の取外用ピンを挿入して下穴プラグゲージ3をホルダ10から外し、通過穴部10aの開放口部から挿入した図示省略のピンの叩き動作によりねじプラグゲージ2をホルダ10から外し、ねじプラグゲージ2及び下穴プラグゲージ3のサイズ変更や交換に対応するように構成している。
【0030】
又、この場合、表示部14の構造においては、
図10の如く、この場合、止り側表示部14bに環状溝Qを形成し、通り側表示部14aには環状溝Qを形成せず、環状溝Qの有無により通り側又は止り側が判別可能に構成されている。
【0031】
しかして、
図14の如く、通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bの二種類のねじプラグゲージ2からいずれかを選択してホルダ10の一方端部に装着し、かつ、通り側下穴プラグゲージ3a、又は、止り側下穴プラグゲージ3bの二種類の下穴プラグゲージ3からいずれかを選択してホルダ10の他方端部に装着することになり、すなわち、
図14の(イ)の如く、ホルダ10の一方端部に通り側ねじプラグゲージ2aが装着され、ホルダ10の他方端部に止り側下穴プラグゲージ3bが装着されてなる第1型式のめねじ用プラグゲージPG
1、又、
図14の(ロ)の如く、ホルダ10の一方端部に通り側ねじプラグゲージ2aが装着され、ホルダ10の他方端部に通り側下穴プラグゲージ3aが装着されてなる第2型式のめねじ用プラグゲージPG
2、又、
図14の(ハ)の如く、ホルダ10の一方端部に止り側ねじプラグゲージ2bが装着され、ホルダ10の他方端部に通り側下穴プラグゲージ3aが装着されてなる第3型式のめねじ用プラグゲージPG
3、又、
図14の(二)の如く、ホルダ10の一方端部に止り側ねじプラグゲージ2bが装着され、ホルダ10の他方端部に止り側下穴プラグゲージ3bが装着されてなる第4型式のめねじ用プラグゲージPG
4の4種類が構成されることになり、これら4種類のめねじ用プラグゲージPG
1・PG
2・PG
3・PG
4を四個のホルダ10を用いて予め四個用意しておいたり、又は、ホルダ10にねじプラグゲージ2及び下穴プラグゲージ3を適宜選択的に交換し、適宜、めねじ用プラグゲージPG
1・PG
2・PG
3・PG
4を構成することも可能である。
【0032】
この実施の
参考形態例は上記構成であるから、上記第一形態例と同様に、検査対象物としての工作物Wに加工されためねじW
1の前加工としての下穴W
2の下穴径Dが許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができると共にめねじW
1のねじ寸法が許容限界寸法の範囲内にあるか否かのめねじW
1のねじ寸法の検査を行うことができ、下穴径D及びねじ寸法の二つの検査を行うことができ、下穴径D及びねじ寸法の管理を確実に行うことができると共にめねじW
1加工の作業性を向上することができる。
【0033】
図15乃至
図20は本発明の請求項2に対応する実施の第二形態例であって、この場合、上記第一形態例と比較し、下穴プラグゲージ3の構造及び表示部4の構造が異なり、他の構造は略同様な構造となっている。
【0034】
すなわち、この
第二形態例においては、
図15、
図18の如く、下穴プラグゲージ3は、基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成され、先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成され、所謂、止り側及び通り側を兼ねた段付きの下穴プラグゲージ3に形成され、上記ホルダ1の一方端部にのみ通り側又は止り側を表示する表示部4が形成されている。
【0035】
この場合、下穴プラグゲージ3は、上記第一形態例と同様に、JISG4404合金工具鋼(SKS3)が用いられ、上記ホルダ1の他方端部に設けられ、基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成されて先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成され、止り側及び通り側が一体に形成された構造の下穴プラグゲージ3に形成され、例えば、上記第一形態例と同様に、この下穴プラグゲージ3の数値として、ねじサイズ「M3(呼び)×0.5(ピッチ)」、はめあい「中」、等級「2級」の場合にあっては、基準寸法「2.459mm」、下限「0mm」、上限「+0.140mm」とされ、したがって、通り側下穴プラグゲージ部3aeの外径φは2.459mmとなり、止り側下穴プラグゲージ部3beの外径φは2.599mmとされ、又、例えば、ねじサイズ「M8×1.25」、はめあい「中」、等級「2級」の場合にあっては、基準寸法「6.647mm」、下限「0mm」、上限「+0.265mm」とされ、したがって、通り側下穴プラグゲージ部3aeの外径φは6.647mmとなり、止り側下穴プラグゲージ部3beの外径φは6.912mmとされることになる。
【0036】
又、この場合、上記表示部4は、上記ホルダ1の上記ねじプラグゲージ2が着脱される一方端部にのみ形成され、かつ、この表示部4は通り側表示部4a及び止り側表示部4bから構成され、通り側表示部4aは、ねじプラグゲージ2が通り側ねじプラグゲージ2aであること、及び、止り側表示部4bは、ねじプラグゲージ2が止り側ねじプラグゲージ2bであることを表示することになる。
【0037】
この場合、上記表示部4として、
図1、
図6の如く、通り側表示部4aは緑色Bに着色され、止り側表示部4bは赤色Rに着色され、緑色Bと赤色Rの二種類の異なる色により通り側又は止り側が判別可能に構成され、かつ、この場合、止り側表示部4bに切欠部Sを形成し、通り側表示部4aには切欠部Sを形成せず、切欠部Sの有無により通り側又は止り側が判別可能に構成され、上記ホルダ1の他方端部には止り側及び通り側が一体に形成された構造の下穴プラグゲージ3が着脱機構Tにより着脱自在に設けられ、この他方端部には通り側又は止り側を判別するための表示部4は必要がないので表示部4が無い構造としたり、又は、この他方端部には通り側又は止り側を判別するための表示部4ではなく、通り側及び止り側を兼ねた段付きの下穴プラグゲージ3であることを表示するための緑色B又は赤色R以外の着色、例えば黄色を使用した表示部4とすることも可能である。
【0038】
しかして、
図19の如く、通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bの二種類のねじプラグゲージ2からいずれかを選択してホルダ1の一方端部に装着し、かつ、ホルダ1の他方端部に基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成されて先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成された下穴プラグゲージ3を装着することになり、すなわち、
図19の(イ)の如く、ホルダ1の一方端部に通り側ねじプラグゲージ2aが装着され、ホルダ1の他方端部に基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成されて先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成された下穴プラグゲージ3が装着されてなる第1型式のめねじ用プラグゲージPG
1、又、
図19の(ロ)の如く、ホルダ1の一方端部に止り側ねじプラグゲージ2bが装着され、ホルダ1の他方端部に基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成されて先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成された下穴プラグゲージ3が装着されてなる第2型式のめねじ用プラグゲージPG
2の2種類が構成されることになり、これら2種類のめねじ用プラグゲージPG
1・PG
2を二個のホルダ1を用いて予め二個用意しておいたり、又は、ホルダ1の他方端部に基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成されて先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成された下穴プラグゲージ3を装着し、ホルダ1の他方端部に通り側ねじプラグゲージ2a又は止まり側ねじプラグゲージ2bを適宜選択的に交換し、適宜、めねじ用プラグゲージPG
1・PG
2を構成することも可能である。
【0039】
この実施の
第二形態例は上記構成であるから、工作物WのめねじW
1のねじ切りの前段階における下穴W
2加工の段階において、
図19の(イ)又は(ロ)に示すめねじ用プラグゲージPG
1・PG
2のいずれかを用いて、
図20の如く、検査対象物としての工作物Wに加工された下穴W
2に、基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成されて先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成された下穴プラグゲージ3を差し込み、先端部側の通り側下穴プラグゲージ部3ae及び止り側下穴プラグゲージ部3beにより下穴W
2の下穴径Dが最大許容寸法と最小許容寸法との間、すなわち、許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができ、かつ、下穴W
2を加工した後のめねじW
1のねじ切り加工の段階において、
図8の如く、検査対象物としての工作物Wに加工されためねじW
1にねじプラグゲージ2の通り側ねじプラグゲージ2a及び止り側ねじプラグゲージ2bを交互にねじこみ、めねじW
1のねじ寸法(例えば、単独有効径及び総合有効径)が最大許容寸法と最小許容寸法との間、すなわち、許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができる。
【0040】
したがって、検査対象物としての工作物Wに加工されためねじW
1の前加工としての下穴W
2の下穴径Dが許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができると共にめねじW
1のねじ寸法が許容限界寸法の範囲内にあるか否かのねじ寸法の検査を行うことができ、下穴径D及びめねじW
1のねじ寸法の二つの検査を行うことができ、下穴径D及びねじ寸法の管理を確実に行うことができると共にめねじW
1加工の作業性を向上することができる。
【0041】
この場合、
図19の如く、上記ねじプラグゲージ2は、通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bであるから、ねじ寸法が許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができ、ねじ寸法の管理を確実に行うことができ、又、この場合、
図16、
図17の如く、上記下穴プラグゲージ3は、基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成され、先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成されてなるから、一個の下穴プラグゲージ3に形成された通り側下穴プラグゲージ部3ae及び止り側下穴プラグゲージ部3beにより下穴W
2の下穴径Dが許容限界寸法の範囲内にあるか否かを検査することができ、通り側下穴プラグゲージ3a又は止り側下穴プラグゲージ3bに交換することなく容易に検査を行うことができ、下穴径Dの検査の作業性を向上することができる。
【0042】
又、この場合、上記ホルダ1の一方端部に上記ねじプラグゲージ2が通り側又は止り側であることを表示する表示部4が形成されているから、ねじプラグゲージのうちの通り側ねじプラグゲージ2a、又は、止り側ねじプラグゲージ2bであるか否かを容易に認識することができ、それだけ、ねじ寸法及び下穴の検査を容易に行うことができる。
【0043】
又、この場合、上記ホルダの他方端部に、基部が止り側下穴プラグゲージ部3beに形成され先端部が通り側下穴プラグゲージ部3aeに形成されてなる下穴プラグゲージ3であることを表示する表示部4を形成することにより、ねじプラグゲージ2あるいは下穴プラグゲージ3であるか否かを容易に認識することができ、それだけ、ねじ寸法及び下穴の検査を容易に行うことができ、又、この場合、上記ホルダ1に上記ねじプラグゲージ2及び上記下穴プラグゲージ3を着脱機構Tにより着脱自在に設けて構成しているから、ねじプラグゲージ2及び下穴プラグゲージ3のサイズ変更及び交換を容易に行うことができ、検査作業性及び使用の融通性を向上することができる。
【0044】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、ホルダ1・10の構造、着脱機構T・Gの構造、表示部4・14の構造、ねじプラグゲージ2、下穴プラグゲージ3の構造や形態等は適宜変更して設計される。
【0045】
以上、所期の目的を充分達成することができる。