特許第6671657号(P6671657)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671657健康管理コスト算出装置および健康管理コスト算出プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671657
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】健康管理コスト算出装置および健康管理コスト算出プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20200316BHJP
   G16H 20/00 20180101ALI20200316BHJP
【FI】
   G06Q50/22
   G16H20/00
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-116782(P2016-116782)
(22)【出願日】2016年6月13日
(65)【公開番号】特開2017-224006(P2017-224006A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2019年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】506087705
【氏名又は名称】学校法人産業医科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【弁理士】
【氏名又は名称】森 博
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(72)【発明者】
【氏名】永田 智久
(72)【発明者】
【氏名】森 晃爾
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−362556(JP,A)
【文献】 特開2003−091588(JP,A)
【文献】 特開2004−295517(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0319292(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 50/22
G16H 10/00 − 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動の業務に従事する者(以下、「専門職」と称す。)の職種ごとにそれぞれが前記健康管理活動の業務に従事する比率に応じた人件費(以下、「健康管理活動業務分人件費」と称す。)と、前記専門職の職種ごとに前記健康管理活動のそれぞれの活動に従事する割合(以下、「健康管理活動割合」と称す。)とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記専門職の職種ごとの前記健康管理業務分人件費と前記記憶手段に記憶された前記専門職の職種ごとの前記健康管理活動割合とから前記専門職の前記健康管理活動の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費を算出する第1演算手段と
を含む健康管理コスト算出装置。
【請求項2】
前記専門職の職種ごとに、前記健康管理活動の業務以外の業務を含む全業務分の人件費、人数、および、前記健康管理活動の業務に従事する比率が入力されると、これらの入力に基づいて前記専門職の職種ごとに前記健康管理活動業務分人件費を算出して前記記憶手段に記憶する第2演算手段を含む請求項1記載の健康管理コスト算出装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、さらに、健康診断を受診する者(以下、「受診者」と称す。)の1人分の単位時間あたりの人件費を記憶するものであり、
健康診断の実施に際してかかる経費と、前記受診者の人数と、前記受診者の1人につき健康診断にかかる時間とが入力されると、前記健康診断の実施に際してかかる経費を前記健康管理活動の健康診断にかかる経費・外注費等として計上するとともに、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記受診者の人数と前記受診者の1人につき健康診断にかかる時間とから前記健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費を算出する第3演算手段と、
定期健康診断の事後措置の面接(以下、「第1の面接指導」と称す。)を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記第1の面接指導を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから前記第1の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費として計上する第4演算手段と、
長時間労働の面接指導(以下、「第2の面接指導」と称す。)を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記第2の面接指導を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから前記第2の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費として計上する第5演算手段と、
ストレスチェック後の面接指導(以下、「第3の面接指導」と称す。)を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記第3の面接指導を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから前記第3の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第6演算手段と、
身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費と、前記身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、前記身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費を前記健康管理活動の教育にかかる経費・外注費等として計上するとともに、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とから前記身体疾患関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動の教育にかかる間接人件費として計上する第12演算手段と
を含む請求項1または2に記載の健康管理コスト算出装置。
【請求項4】
精神疾患に関する健康相談(以下、「第2の健康相談」と称す。)を実施する前記専門職の職種ごとの健康相談人数および時間が入力されると、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記第2の健康相談を実施する前記専門職の職種ごとの健康相談人数および時間とから前記第2の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第9演算手段と、
ストレスチェックの実施に際してかかる経費と、前記ストレスチェックを受検する者(以下、「受検者」と称す。)の人数と、前記受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間とが入力されると、前記ストレスチェックの実施に際してかかる経費を前記健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費等として計上するとともに、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記受検者の人数と前記受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間とから前記健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費を計上する第10演算手段と、
メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費と、前記メンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、前記メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費を前記健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費等として計上するとともに、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記メンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とから前記メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第11演算手段と
を含む請求項3記載の健康管理コスト算出装置。
【請求項5】
休職中、復帰時および復職後フォローの面接指導(以下、「第4の面接指導」と称す。)を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記第4の面接指導を実施する前記専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから前記第4の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する第7演算手段と、
身体疾患に関する健康相談(以下、「第1の健康相談」と称す。)を実施する前記専門職の職種ごとの健康相談人数および時間が入力されると、前記記憶手段に記憶された前記受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と前記第1の健康相談を実施する前記専門職の職種ごとの健康相談人数および時間とから前記第1の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、前記健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する第8演算手段と
を含む請求項3または4に記載の健康管理コスト算出装置。
【請求項6】
健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動の業務に従事する者(以下、「専門職」と称す。)の職種ごとにそれぞれが前記健康管理活動の業務に従事する比率に応じた人件費(以下、「健康管理活動業務分人件費」と称す。)と、前記専門職の職種ごとに前記健康管理活動のそれぞれの活動に従事する割合(以下、「健康管理活動割合」と称す。)とを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記専門職の職種ごとの前記健康管理業務分人件費と前記記憶手段に記憶された前記専門職の職種ごとの前記健康管理活動割合とから前記専門職の前記健康管理活動の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費を算出する第1演算手段と
してコンピュータを機能させるための健康管理コスト算出プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、企業における健康管理コストを算出する健康管理コスト算出装置および健康管理コスト算出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業における健康管理にいくら投資されているかについて、標準的な集計方法が存在しない。産業医や保健師等の産業保健スタッフが企業の中で健康管理施策を行う場合、施策の目的とともに、いくらお金がかかり、その効果がどの程度なのかを説明し、予算を獲得することが必須であり、費用を計算するための標準的なフォーマットが必要である。そこで、本発明者らは、健康管理活動にかかる費用を集計するための標準的なツールを開発し、非特許文献1において公表した。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Tomohisa NAGATA, Koji MORI, Yutaka ARATAKE, Hiroshi IDE, Hiromi ISHIDA, Junichiro NOBORI, Eiko KOJIMA, Kiminori ODAGAMI, Anna KATO, Akizumi TSUTSUMI, Shinya MATSUDA, Development of Cost Estimation Tools for Total Occupational Safety and Health Activities and Occupational Health Services: Cost Estimation from a Corporate Perspective, Journal of Occupational Health, 2014, 56(3), 215-224
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ツールでは、単に健康管理活動にかかる費用を集計することは可能であるものの、健康管理活動を担当する専門職の人件費がどのように配賦されるかについて知ることができない。
そこで、本発明においては、健康管理活動の業務に従事する者の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの健康管理活動にかかる人件費を自動的に算出することが可能な健康管理コスト算出装置および健康管理コスト算出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の健康管理コスト算出装置は、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動の業務に従事する者(以下、「専門職」と称す。)の職種ごとにそれぞれが健康管理活動の業務に従事する比率に応じた人件費(以下、「健康管理活動業務分人件費」と称す。)と、専門職の職種ごとに健康管理活動のそれぞれの活動に従事する割合(以下、「健康管理活動割合」と称す。)とを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された専門職の職種ごとの健康管理業務分人件費と記憶手段に記憶された専門職の職種ごとの健康管理活動割合とから専門職の健康管理活動の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費を算出する第1演算手段とを含むものである。
【0006】
本発明の健康管理コスト算出装置によれば、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動の業務に従事する者(専門職)の職種ごとにそれぞれが健康管理活動の業務に従事する比率に応じた人件費(健康管理活動業務分人件費)と、専門職の職種ごとに健康管理活動のそれぞれの活動に従事する割合(健康管理活動割合)とから、専門職の健康管理活動の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費が自動的に算出される。
【0007】
また、本発明の健康管理コスト算出プログラムは、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動の業務に従事する者(専門職)の職種ごとにそれぞれが健康管理活動の業務に従事する比率に応じた人件費(健康管理活動業務分人件費)と、専門職の職種ごとに健康管理活動のそれぞれの活動に従事する割合(健康管理活動割合)とを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された専門職の職種ごとの健康管理業務分人件費と記憶手段に記憶された専門職の職種ごとの健康管理活動割合とから専門職の健康管理活動の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費を算出する第1演算手段としてコンピュータを機能させるためのものである。このプログラムを実行したコンピュータによれば、上記本発明の健康管理コスト算出装置と同様の作用、効果を奏することができる。
【0008】
ここで、本発明の健康管理コスト算出装置は、専門職の職種ごとに、健康管理活動の業務以外の業務を含む全業務分の人件費、人数、および、健康管理活動の業務に従事する比率が入力されると、これらの入力に基づいて専門職の職種ごとに健康管理活動業務分人件費を算出して記憶手段に記憶する第2演算手段を含むものであることが望ましい。これにより、専門職の職種ごとに、健康管理活動の業務以外の業務を含む全業務分の人件費、人数、および、健康管理活動の業務に従事する比率が入力されると、専門職の職種ごとに健康管理活動業務分人件費が自動的に算出されて記憶手段に記憶される。
【0009】
また、本発明の健康管理コスト算出装置は、記憶手段が、さらに、健康診断を受診する者(以下、「受診者」と称す。)の1人分の単位時間あたりの人件費を記憶するものであり、健康診断の実施に際してかかる経費と、受診者の人数と、受診者の1人につき健康診断にかかる時間とが入力されると、健康診断の実施に際してかかる経費を健康管理活動の健康診断にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と受診者の人数と受診者の1人につき健康診断にかかる時間とから健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費を算出する第3演算手段と、定期健康診断の事後措置の面接(以下、「第1の面接指導」と称す。)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第1の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第1の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費として計上する第4演算手段と、長時間労働の面接指導(以下、「第2の面接指導」と称す。)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第2の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第2の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費として計上する第5演算手段と、ストレスチェック後の面接指導(以下、「第3の面接指導」と称す。)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第3の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第3の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第6演算手段と、身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費と、身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費を健康管理活動の教育にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とから身体疾患関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の教育にかかる間接人件費として計上する第12演算手段とを含むものであることが望ましい。
【0010】
これにより、健康診断の実施に際してかかる経費と、受診者の人数と、受診者の1人につき健康診断にかかる時間と、定期健康診断の事後措置の面接(第1の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの人数および時間と、長時間労働の面接指導(第2の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間と、ストレスチェック後の面接指導(第3の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間と、身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費と、身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費および経費・外注費等と、健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費と、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費と、健康管理活動の教育にかかる間接人件費および経費・外注費等とが自動的に計上される。
【0011】
また、本発明の健康管理コスト算出装置は、精神疾患に関する健康相談(以下、「第2の健康相談」と称す。)を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第2の健康相談を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間とから第2の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第9演算手段と、ストレスチェックの実施に際してかかる経費と、ストレスチェックを受検する者(以下、「受検者」と称す。)の人数と、受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間とが入力されると、ストレスチェックの実施に際してかかる経費を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と受検者の人数と受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間とから健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費を計上する第10演算手段と、メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費と、メンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費とメンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とからメンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第11演算手段とを含むものであることが望ましい。
【0012】
これにより、精神疾患に関する健康相談(第2の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間と、ストレスチェックの実施に際してかかる経費と、ストレスチェックを受検する者(受検者)の人数と、受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間と、メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費と、メンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費および経費・外注費等が自動的に計上される。
【0013】
また、本発明の健康管理コスト算出装置は、休職中、復帰時および復職後フォローの面接指導(以下、「第4の面接指導」と称す。)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第4の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第4の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する第7演算手段と、身体疾患に関する健康相談(以下、「第1の健康相談」と称す。)を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第1の健康相談を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間とから第1の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する第8演算手段とを含むことが望ましい。
【0014】
これにより、休職中、復帰時および復職後フォローの面接指導(第4の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間と、身体疾患に関する健康相談(第1の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間とが入力されると、健康管理活動のその他にかかる間接人件費とが自動的に計上される。
【発明の効果】
【0015】
(1)専門職の職種ごとに健康管理活動業務分人件費と、専門職の職種ごとに健康管理活動割合とを記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された専門職の職種ごとの健康管理業務分人件費と記憶手段に記憶された専門職の職種ごとの健康管理活動割合とから専門職の健康管理活動の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費を算出する第1演算手段とにより、健康管理活動の業務に従事する者の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの健康管理活動にかかる人件費を自動的に算出することが可能となり、健康管理活動にかかる全体の人件費だけでなく、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動のそれぞれの人件費の内訳を可視化することが可能となる。
【0016】
(2)記憶手段が、さらに、受診者の1人分の単位時間あたりの人件費を記憶するものであり、健康診断の実施に際してかかる経費と、受診者の人数と、受診者の1人につき健康診断にかかる時間とが入力されると、健康診断の実施に際してかかる経費を健康管理活動の健康診断にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と受診者の人数と受診者の1人につき健康診断にかかる時間とから健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費を算出する第3演算手段と、定期健康診断の事後措置の面接(第1の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第1の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第1の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費として計上する第4演算手段と、長時間労働の面接指導(第2の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第2の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第2の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費として計上する第5演算手段と、ストレスチェック後の面接指導(第3の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第3の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第3の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第6演算手段と、身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費と、身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費を健康管理活動の教育にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とから身体疾患関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の教育にかかる間接人件費として計上する第12演算手段とにより、健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費および経費・外注費等と、健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費と、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費と、健康管理活動の教育にかかる間接人件費および経費・外注費等とを自動的に計上することが可能となり、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策および教育の健康管理活動のそれぞれの人件費の内訳に加えて、間接人件費および経費・外注費等の内訳を可視化することが可能となる。
【0017】
(3)精神疾患に関する健康相談(第2の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第2の健康相談を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間とから第2の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第9演算手段と、ストレスチェックの実施に際してかかる経費と、ストレスチェックを受検する者(受検者)の人数と、受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間とが入力されると、ストレスチェックの実施に際してかかる経費を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と受検者の人数と受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間とから健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費を計上する第10演算手段と、メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費と、メンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とが入力されると、メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費等として計上するとともに、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費とメンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とからメンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する第11演算手段とにより、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費および経費・外注費等を自動的に計上することが可能となり、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策および教育の健康管理活動のそれぞれの人件費の内訳に加えて、メンタルヘルス対策の間接人件費および経費・外注費等の内訳を可視化することが可能となる。
【0018】
(4)休職中、復帰時および復職後フォローの面接指導(第4の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第4の面接指導を実施する専門職の職種ごとの面接指導人数および時間とから第4の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する第7演算手段と、身体疾患に関する健康相談(第1の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間が入力されると、記憶手段に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費と第1の健康相談を実施する専門職の職種ごとの健康相談人数および時間とから第1の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する第8演算手段とにより、健康管理活動のその他にかかる間接人件費を自動的に計上することが可能となり、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策および教育の健康管理活動のそれぞれの人件費の内訳に加えて、健康管理活動のその他にかかる間接人件費の内訳を可視化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の形態における健康管理コスト算出装置のブロック図である。
図2】基本情報入力画面を示す説明図である。
図3A】人件費入力画面の前半部分を示す説明図である。
図3B】人件費入力画面の後半部分を示す説明図である。
図4】健康診断実施に関する入力画面を示す説明図である。
図5A】面接指導・健康相談に関する入力画面の前半部分を示す説明図である。
図5B】面接指導・健康相談に関する入力画面の後半部分を示す説明図である。
図6】ストレスチェックの実施に関する入力画面を示す説明図である。
図7】教育に関する入力画面を示す説明図である。
図8】出力画面を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明の実施の形態における健康管理コスト算出装置のブロック図、図2は基本情報入力画面を示す説明図、図3Aは人件費入力画面の前半部分を示す説明図、図3Bは人件費入力画面の後半部分を示す説明図、図4は健康診断実施に関する入力画面を示す説明図、図5Aは面接指導・健康相談に関する入力画面の前半部分を示す説明図、図5Bは面接指導・健康相談に関する入力画面の後半部分を示す説明図、図6はストレスチェックの実施に関する入力画面を示す説明図、図7は教育に関する入力画面を示す説明図、図8は出力画面を示す説明図である。
【0021】
図1に示すように、本発明の実施の形態における健康管理コスト算出装置1は、入力手段2と、出力手段3と、記憶手段10と、専門職人件費配賦演算手段4としての第1演算手段11および第2演算手段12と、間接人件費および経費・外注費等配賦演算手段5としての第3演算手段13、第4演算手段14、第5演算手段15、第6演算手段16、第7演算手段17、第8演算手段18、第9演算手段19、第10演算手段20、第11演算手段21および第12演算手段22とを有する。健康管理コスト算出装置1は、上記各手段10〜22としてコンピュータを機能させるための健康管理コスト算出プログラムの実行により実現される。
【0022】
入力手段2は、図2図7に示す各入力画面を提供する。図2に示す基本情報入力画面30には、健康診断を受診する者(受診者)の人数を入力する入力欄31や、受診者の1人分の単位時間(本実施形態においては1時間)あたりの人件費を入力する入力欄32等が設けられている。その他、この基本情報入力画面30では、事業場名、所在地、事業場の男女別の従業員数、事業場の主な種別、有害業務の有無や、健康管理コスト算出の対象期間等を入力することができる。この基本情報入力画面30により入力された情報は記憶手段10に記憶される。
【0023】
図3Aに示す人件費入力画面の前半部分40Aには、専門職の職種ごとに、健康管理活動の業務以外の業務を含む全業務分の人件費(1人あたり、年間)、人数、健康管理活動の業務に従事する比率(健康管理業務比率(0〜100%))や、健康管理活動の業務の執務日数(1カ月あたりの執務日数)または執務時間(1カ月あたりの執務時間)を入力する入力欄41等が設けられている。なお、専門職とは、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動の業務に従事する者をいう。専門職の職種は、専属スタッフとしての専属産業医、保健師・看護師、管理栄養士、心理士・臨床心理士・カウンセラー、事務スタッフおよびその他や、嘱託スタッフとしての嘱託産業医、保健師・看護師、管理栄養士、心理士・臨床心理士・カウンセラー、事務スタッフおよびその他等である。
【0024】
ここで、第2演算手段12は、入力欄41に入力された健康管理活動の業務以外の業務を含む全業務分の人件費、人数、および、健康管理活動の業務に従事する比率に基づいて、専門職の職種ごとに健康管理活動業務分人件費を算出する。健康管理活動業務分人件費とは、専門職の職種ごとにそれぞれが健康管理活動の業務に従事する比率(健康管理業務比率)に応じた人件費である。
【0025】
具体的には、(健康管理活動業務分人件費)=(健康管理活動の業務以外の業務を含む全業務分の人件費)×(人数)×(健康管理活動の業務に従事する比率(%))÷100である。入力欄41に入力された情報および第2演算手段12により算出された健康管理活動業務分人件費は記憶手段10に記憶される。また、健康管理活動業務分人件費は、専属スタッフおよび嘱託スタッフについてそれぞれ専門職の職種ごとに人件費表示欄42に表示されるとともに、専門職の職種ごとに専属スタッフと嘱託スタッフとの人件費の合計額が、図3Bに示す人件費入力画面の後半部分40Bの人件費表示欄43に表示される。なお、健康管理活動業務分人件費を直接入力し、記憶手段10に記憶する構成とすることも可能である。
【0026】
また、図3Bに示す人件費入力画面の後半部分40Bには、専門職の職種ごとに健康管理活動のそれぞれの活動(健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他)に従事する割合(健康管理活動割合)を入力する入力欄44等が設けられている。入力欄44に入力された情報は記憶手段10に記憶される。
【0027】
ここで、第1演算手段11は、記憶手段10に記憶された専門職の職種ごとの健康管理業務分人件費(図3Bの人件費表示欄43参照。)と記憶手段10に記憶された専門職の職種ごとの健康管理活動割合(図3Bの入力欄44参照。)とから専門職の健康管理活動の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費(図8の表示欄91A,91B,91C,91D,91E参照。)を算出する。
【0028】
具体的には、専門職の職種ごとに図3Bの人件費表示欄43に表示されている健康管理業務分人件費を、同図の入力欄44に入力されている健康管理活動割合に応じて、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動にかかる人件費として案分する。この第1演算手段11による演算結果は記憶手段10に記憶され、出力手段3により図8に示す出力画面90の専門職人件費表示欄91の各表示欄91A,91B,91C,91D,91Eに、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動ごとに表示される。
【0029】
図4に示す健康診断実施に関する入力画面50には、健康診断の実施に際してかかる経費(内製・外注)を入力する入力欄51A,51Bと、受診者の人数を入力する入力欄52と、受診者の1人につき健康診断にかかる時間を入力する入力欄53とが設けられている。これらの入力欄51A,51B,52,53は、定期健康診断、雇入時の健康診断、特定業務従事者の健康診断および海外派遣労働者の健康診断のそれぞれについて個別に入力できるようになっている。また、再検査・二次検査については経費(内製・外注)を入力する入力欄51A,51Bが設けられている。
【0030】
ここで、第3演算手段13は、入力欄51A,51Bに入力された健康診断の実施に際してかかる経費を健康管理活動の健康診断の経費・外注費等(図8の表示欄93A参照。)として計上する。具体的には、第3演算手段13は、定期健康診断、雇入時の健康診断、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断および再検査・二次検査のそれぞれの内製および外注の入力欄51A,51Bの合計額を、健康管理活動の健康診断の実施に際してかかる経費・外注費等として計上する。
【0031】
また、第3演算手段13は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄52に入力された受診者の人数と、入力欄53に入力された受診者の1人につき健康診断にかかる時間とから、健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費(図8の表示欄92A参照。)を算出する。具体的には、(健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(受診者の人数)×(受診者の1人につき健康診断にかかる時間(分))÷60である。第3演算手段13は、定期健康診断、雇入時の健康診断、特定業務従事者の健康診断および海外派遣労働者の健康診断のそれぞれについて健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費として計上する。
【0032】
図5Aに示す面接指導・健康相談に関する入力画面の前半部分60Aには、定期健康診断の事後措置の面接(第1の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間を入力する入力欄61と、長時間労働の面接指導(第2の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間を入力する入力欄62と、ストレスチェック後の面接指導(第3の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間を入力する入力欄63と、求職中、復帰時および復帰後フォローの面接指導(第4の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間を入力する入力欄64と、その他の面接指導(第5の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間を入力する入力欄65とが設けられている。
【0033】
ここで、第4演算手段14は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄61に入力された定期健康診断の事後措置(第1の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間とから第1の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費(図8の表示欄92A参照。)として計上する。具体的には、(健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数)×((面談1回あたりの)時間(分))÷60である。第4演算手段14は、専門職(産業医、保健師・看護師、その他)のそれぞれについて第1の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動の健康診断にかかる間接人件費として計上する。
【0034】
また、第5演算手段15は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄62に入力された長時間労働の面接指導(第2の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間とから第2の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費(図8の表示欄92B参照。)として計上する。具体的には、(健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数)×((面談1回あたりの)時間(分))÷60である。第5演算手段15は、専門職(産業医、保健師・看護師、その他)のそれぞれについて第2の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動の過重労働対策にかかる間接人件費として計上する。
【0035】
また、第6演算手段16は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄63に入力されたストレスチェック後の面接指導(第3の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間とから第3の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費(図8の表示欄92C参照。)として計上する。具体的には、(健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数)×((面談1回あたりの)時間(分))÷60である。第6演算手段16は、専門職(産業医、保健師・看護師、その他)のそれぞれについて第3の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する。
【0036】
また、第7演算手段17は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄64に入力された休職中、復帰時および復職後フォローの面接指導(第4の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間とから第4の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のその他にかかる間接人件費(図8の表示欄92E参照。)として計上する。具体的には、(健康管理活動のその他にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数)×((面談1回あたりの)時間(分))÷60である。第7演算手段17は、専門職(産業医、保健師・看護師、その他)のそれぞれについて第4の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する。
【0037】
さらに、第7演算手段17は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄65に入力されたその他の面接指導(第5の面接指導)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間とから第5の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のその他にかかる間接人件費(図8の表示欄92E参照。)として計上する。具体的には、(健康管理活動のその他にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数)×((面談1回あたりの)時間(分))÷60である。第7演算手段17は、専門職(産業医、保健師・看護師、その他)のそれぞれについて第5の面接指導の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する。
【0038】
図5Bに示す面接指導・健康相談に関する入力画面の後半部分60Bには、身体疾患に関する健康相談(第1の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間を入力する入力欄66や、精神疾患に関する健康相談(第2の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)面接指導人数および(面談1回あたりの)時間を入力する入力欄67等が設けられている。
【0039】
ここで、第8演算手段18は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄66に入力された身体疾患に関する健康相談(第1の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)健康相談人数および(面談1回あたりの)時間とから第1の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のその他にかかる間接人件費(図8の表示欄92E参照。)として計上する。具体的には、(健康管理活動のその他にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(専門職の職種ごとの(のべ)健康相談人数)×((面談1回あたりの)時間(分))÷60である。第8演算手段18は、専門職(産業医、保健師・看護師、その他)のそれぞれについて第1の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動のその他にかかる間接人件費として計上する。
【0040】
また、第9演算手段19は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄67に入力された精神疾患に関する健康相談(第2の健康相談)を実施する専門職の職種ごとの(のべ)健康相談人数および(面談1回あたりの)時間とから第2の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費(図8の表示欄92C参照。)として計上する。具体的には、(健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(専門職の職種ごとの(のべ)健康相談人数)×((面談1回あたりの)時間(分))÷60である。第9演算手段19は、専門職(産業医、保健師・看護師、その他)のそれぞれについて第2の健康相談の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する。
【0041】
図6に示すストレスチェックの実施に関する入力画面70には、ストレスチェックの実施に際してかかる経費を入力する入力欄71、ストレスチェックを受検する者(受検者)の人数を入力する入力欄72や、受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間を入力する入力欄73等が設けられている。
【0042】
ここで、第10演算手段20は、入力欄71に入力されたストレスチェックの実施に際してかかる経費を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費(図8の表示欄93C参照。)として計上する。また、第10演算手段20は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄72に入力された受検者の人数と、入力欄73に入力された受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間とから健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費を計上する。具体的には、(健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(受検者の人数)×(受検者の1人につきストレスチェックにかかる時間(分))÷60である。
【0043】
図7に示す教育に関する入力画面80には、メンタルヘルス関連の教育の実施に際してテーマごとにかかる経費を入力する入力欄81と、メンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数を入力する入力欄82と、身体疾患関連の教育の実施に際してテーマごとにかかる経費を入力する入力欄83と、身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および参加回数を入力する入力欄84とが設けられている。
【0044】
ここで、第11演算手段21は、入力欄81に入力されたメンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる経費を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる経費・外注費等(図8の表示欄93C参照。)として計上する。また、第11演算手段21は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄82に入力されたメンタルヘルス関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とからメンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費(図8の表示欄92C参照。)として計上する。具体的には、(メンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(メンタルヘルス対策の教育1回あたりの時間)×(教育1回あたりの参加人数)×(実施回数)である。第11演算手段21は、テーマごとにメンタルヘルス関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動のメンタルヘルス対策にかかる間接人件費として計上する。
【0045】
また、第12演算手段22は、入力欄83に入力された身体疾患関連の教育の実施に際してかかる経費を健康管理活動の教育のかかる経費・外注費等(図8の表示欄93D参照)として計上する。また、第12演算手段22は、記憶手段10に記憶された受診者の1人分の単位時間あたりの人件費(図2の入力欄32参照。)と、入力欄84に入力された身体疾患関連の教育1回あたりの時間、教育1回あたりの参加人数および実施回数とから身体疾患関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、健康管理活動の教育にかかる間接人件費(図8の表示欄92D参照。)として計上する。具体的には、(身体疾患関連の教育の実施に際してかかる間接人件費)=(受診者の1人分の単位時間あたりの人件費)×(身体疾患関連の教育1回あたりの時間)×(教育1回あたりの参加人数)×(実施回数)である。第12演算手段22は、テーマごとに身体疾患関連の教育の実施に際してかかる間接人件費を算出し、これらの合計額を健康管理活動の教育にかかる間接人件費として計上する。
【0046】
以上の第3〜第12演算手段13〜22(間接人件費および経費・外注費等配賦演算手段5)による演算結果は記憶手段10に記憶され、出力手段3により図8に示す出力画面90の間接人件費表示欄92の各表示欄92A,92B,92C,92D,92Eおよび経費・外注費等表示欄93の各表示欄93A,93C,93Eに、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの活動ごとに表示される。
【0047】
以上のように、本実施形態における健康管理コスト算出装置1によれば、健康管理活動にかかる全体の人件費だけでなく、健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他の健康管理活動のそれぞれの人件費、間接人件費および経費・外注費等の内訳が可視化される。
【0048】
また、出力手段3は、各演算結果をグラフとして表示したり、基本情報入力画面30において入力された事業場名、所在地、事業場の男女別の従業員数、事業場の主な種別、有害業務の有無や、健康管理コスト算出の対象期間等に基づいて、業種別、有害業務の有無別、従業員規模別等の健康管理活動コストの平均値や分布を表示したりすることも可能である。これにより、各健康管理活動コストの単なる可視化だけでなく、企業間比較等を行うことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の健康管理コスト算出装置および健康管理コスト算出プログラムは、企業における健康管理コストを算出する装置およびプログラムとして有用であり、特に、健康管理活動の業務に従事する者の健康診断、過重労働対策、メンタルヘルス対策、教育およびその他のそれぞれの健康管理活動にかかる人件費を自動的に算出して可視化することが可能は装置およびプログラムとして好適である。
【符号の説明】
【0050】
1 健康管理コスト算出装置
2 入力手段
3 出力手段
4 専門職人件費配賦演算手段
5 間接人件費および経費・外注費等配賦演算手段
10 記憶手段
11 第1演算手段
12 第2演算手段
13 第3演算手段
14 第4演算手段
15 第5演算手段
16 第6演算手段
17 第7演算手段
18 第8演算手段
19 第9演算手段
20 第10演算手段
21 第11演算手段
22 第12演算手段
30 基本情報入力画面
40A 人件費入力画面の前半部分
40B 人件費入力画面の後半部分
50 健康診断実施に関する入力画面
60A 面接指導・健康相談に関する入力画面の前半部分
60B 面接指導・健康相談に関する入力画面の後半部分
70 ストレスチェックの実施に関する入力画面
80 教育に関する入力画面
90 出力画面
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8