(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ゲーム制御手段には、前記ユーザがリズムに合わせて前記ゲーム中に行うべき前記入力手段の操作を指示する操作指示手段が設けられている請求項1又は2に記載のゲームシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照して本発明の一形態に係るゲームシステムを説明する。
図1に示すように、本形態のゲームシステム1は、クライアントとしての複数のゲーム装置2及び複数のユーザ装置3と、ゲーム装置2及びユーザ装置3とネットワークNT(一例としてインターネット)を介して接続されるゲームサーバ4とを含んだクライアントサーバ型のシステムとして構成されている。
【0012】
ゲーム装置2は、一例として、プレイ料金の支払いと引き換えにユーザにゲームをプレイさせる業務用のゲーム機として構成されている。この種のゲーム装置2はアーケードゲーム機と呼ばれることがある。ゲーム装置2は、多数のユーザにゲームを繰り返しプレイさせて収益を上げることを主たる目的として店舗5等の所定の施設に設置される。店舗5には、一以上の適宜数のゲーム装置2が設置されてよい。
図1では一つの店舗5を示すが、実際には多数の店舗5が存在し、各店舗5に適宜数のゲーム装置2が設置される。各店舗5のゲーム装置2は、店舗5ごとに設置されるルータ6を介してネットワークNTに接続される。
【0013】
ゲーム装置2にてプレイされるゲームは、回転体に対するユーザの回転操作を要求する内容を含む限りにおいて適宜に選択されてよい。例えば、音楽に合わせてユーザが行うべき一連の操作を指示する譜面画像をゲーム画面の少なくとも一部に表示し、指示された操作とユーザが行った操作とを比較して各操作を評価する音楽ゲームであって、ユーザが行うべき操作の一つとしてターンテーブルの回転操作が含まれている音楽ゲームがゲーム装置2にて実行されてよい。ここでいうターンテーブルは、音楽プレイヤのターンテーブルと同様に、概ね垂直方向の軸線を中心として回転する円盤状の回転体を意味する。
図1ではそのような音楽ゲームを提供するゲーム装置2が例示されている。以下でも、ゲーム装置2は音楽ゲームを提供するものとして説明を続ける。ただし、ゲーム装置2にて提供されるゲームは、音楽ゲームに限らず、例えば、対戦ゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲームといった各種のジャンルのゲームが提供されてよい。
【0014】
ユーザ装置3は、ユーザの日常的な使用に供される装置であって、ネットワークNTを介した情報通信機能を備えた情報通信端末装置である。一例として、ユーザ装置3は通信通話機能を備えたスマートフォン3a、タブレット端末3b、あるいはPC(パーソナルコンピュータの略)3cがユーザ装置3として利用されてよい。ユーザ装置3は、例えばゲーム装置2におけるプレイの履歴、プレイの結果、あるいはリプレイ画像等をユーザが閲覧するといった、ゲームと関連付けられたサービスを受けるための端末装置として用いられてよい。
【0015】
ゲームサーバ4は、複数台のサーバユニットを適宜に組み合わせて構成されてもよいし、単一のサーバユニットによって構成されてもよい。クラウドコンピューティング技術を利用したクラウドサーバとしてゲームサーバ4が構成されてもよい。ゲームサーバ4は、ゲーム装置2にてプレイされるゲームに関連した各種のサービスをゲーム装置2及びユーザ装置3のそれぞれに提供する。
【0016】
次に、
図2〜
図7を参照してゲーム装置2の具体的な構成の一例を説明する。
図2に示すように、ゲーム装置2は、筐体10と、その筐体10の前方に配置されるステージ11とを有している。ステージ11は、ゲームをプレイするためにユーザが乗る場所を提供する。ステージ11上のユーザから見て筐体10の正面には、表示装置の一例としての第1モニタ12及び第2モニタ13が配置されている。第1モニタ12はユーザと向かい合うように配置され、第2モニタ13はユーザから見て斜め下方に配置されている。第2モニタ13の前方にはコントロールパネル14が設けられている。
【0017】
図3に拡大して示すように、コントロールパネル14には、左右一対の操作部15L、15R(以下、参照符号15で代表することがある。)が設けられている。各操作部15には、入力手段の一例として、押釦ユニット16とターンテーブルユニット20とが設けられている。押釦ユニット16は、前後ニ列で千鳥状に並べられた七つの押釦スイッチ17(図では一部にのみ参照符号を付してある。)を操作部材の一例として含む。押釦スイッチ17はユーザの押込操作に応答して操作信号を出力する。一方、ターンテーブルユニット20は、ユーザによる回転操作の対象である回転体の一例としてターンテーブル21を含む。ターンテーブルユニット20は、ユーザによるターンテーブル21の回転操作に応じた操作信号を出力する。ターンテーブルユニット20の詳細は後述する。操作部15間において、押釦スイッチ17とターンテーブル21とは左右対称に配置されている。すなわち、左側の操作部15Lでは押釦スイッチ17の左側にターンテーブル21が配置され、右側の操作部15Rでは押釦スイッチ17の右側にターンテーブル21が配置されている。なお、操作部15には、押釦スイッチ17及びターンテーブル21の他にも、スライダ、つまみその他の適宜の操作部材が設けられてよい。
【0018】
第1モニタ12の上方、側方等の適宜の位置には楽曲の再生音、操作部15の操作に対応して発音させるべき効果音等を出力するためのスピーカ18が設けられている。さらに、ゲーム装置2には、ユーザを認証するためのカードリーダ、プレイ料金を徴収するためのコインセレクタといった各種の付属装置が設けられている。
【0019】
図4は、ゲーム装置2にて実行される音楽ゲームにて第1モニタ12に表示されるゲーム画面の一例を示している。ゲーム画面100には、一対の操作部15のそれぞれの操作を指示するための譜面画像101が含まれている。譜面画像101は、左側の操作部15Lに対応する左領域102Lと、右側の操作部15Rに対応する右領域102Rとを含む。各領域102L、102Rには、押釦スイッチ17及びターンテーブル21と1対1に対応付けられた複数のレーンLn1〜Ln8が上下方向に直線的に延びるように、かつ左右方向には相互に隣接するようにして設けられている。レーンLn1〜Ln8には操作時期を示す指標103が表示される。領域102L、102Rの下端には水平線状の基準部104が表示されている。指標103は、曲中の所定の時期、例えば指標103によって指示されるべき操作の時期に対して一定時間(一例として曲の2小節相当の時間)早い時期にレーンLn1〜Ln8の上端に出現し、操作時期に基準部104に達するようにレーンLn1〜Ln8を下方に向けて徐々に移動する。言い換えれば、レーンLn1〜Ln8は、その下端の基準部104をゲーム中の現在時刻、上端を現在時刻に対して一定時間遅い時刻とした時間軸を表しており、指標103はそれらの時間軸上の操作時期に対応した位置に表示される。それにより、押釦スイッチ17及びターンテーブル21をいずれの時期に操作すべきかが譜面画像101を介して指示される。
【0020】
ゲーム装置2のゲームでは、いずれか一方の操作部15、例えば左側の操作部15Lのみを操作対象としてゲームをプレイするシングルモードと、左右の操作部15L、15Rの両者を操作対象としてゲームをプレイするダブルモードとが用意されている。シングルモードが選択された場合には左側の領域102Lのみに指標103が表示され、ダブルモードが選択された場合には領域102L、102Rのそれぞれに指標103が表示される。なお、プレイ料金はシングルモードとダブルモードとで差別化されてよい。例えば、ダブルモードのプレイ料金はシングルモードのそれよりも高額に設定されてよい。
【0021】
基準部104の下方には、レーンLn1〜Ln8と押釦スイッチ17及びターンテーブル21との対応関係を明示するために、それらの押釦スイッチ17及びターンテーブル21を模した操作部画像105が表示される。また、領域102L、102Rの外側には、譜面画像101にて表示されている曲中の位置を示すインジケータ106が表示される。インジケータ106はその上端を曲が始まる位置、下端を曲が終わる位置としたときに、曲中のどの範囲が譜面画像101にて示されているかをスライダ106aの位置及び長さによって示すように設けられている。したがって、ゲームの進行に伴ってスライダ106aは徐々に下方に移動する。さらに、ゲーム画面100には、操作部15の操作に対する評価に基づいて演算されるスコア、ゲージ量といった評価情報を表示する評価情報表示部107、ゲームの演出画像といった関連情報を表示する関連情報表示部108が設けられる。
【0022】
ゲーム装置2のゲームでは、譜面画像101にて指示される操作とユーザが実際に行った操作との比較に基づいてユーザの操作が評価される。例えば、レーンLn1〜Ln8のいずれかに表示されている指標103が基準部104に達する時期と、ユーザが同一レーンに対応する押釦スイッチ17又はターンテーブル21を操作した時期との時間的なずれ量に基づいて、ユーザの操作が複数段階に分けて評価される。ずれ量が小さいほど操作が高レベルに評価される。各操作の評価は譜面画像101に重ねて表示される。
図5の例では、左側の領域102LのレーンLn3に対応する指標103が基準部104に達し、これに対応してユーザが行った操作が「GREAT」のレベルに評価され、そのレベルを示す文字列を含んだ評価情報109が評価対象の指標103と対応付けて表示された様子が示されている。なお、評価の段階数、各レベルの名称等は適宜でよい。一例として、評価が高い順に、「JUST GREAT」、「GREAT」、「GOOD」、「BAD」及び「POOR」として評価レベルが差別化されてよい。操作に失敗した場合には、例えば[MISS」といった評価が与えられて表示されてもよい。
【0023】
図5〜
図7はターンテーブルユニット20の詳細を示し、
図5は上面側の外観を、
図6は下面側の外観を、
図7は鉛直方向に沿った断面をそれぞれ示している。
図5及び
図7に示すように、ターンテーブルユニット20は、ベース22と、そのベース22に取り付けられるアウターリング23及びマウンタ24とを備えている。ベース22は一例として矩形平板状に形成され、筐体10のコントロールパネル14(
図2)に固定される。
図7に示すように、ベース22には、概ね円形の開口部22aが設けられ、アウターリング23はその開口部22aの外周を取り囲むようにしてベース22上に配置されている。マウンタ24は、ベース22の開口部22aを上方から覆うようにしてアウターリング23上に同軸的に配置されている。マウンタ24及びアウターリング23は、例えばボルト25等の締結手段により、ベース22に一体的に固定されている。
【0024】
マウンタ24には、平面視円形状でかつ深さが比較的浅い凹部24aが設けられ、その凹部24aの中心には貫通孔24bが設けられている。凹部24aにはシート26が配置され、そのシート26上にターンテーブル21がマウンタ24に対して同軸かつ相対回転自在に配置されている。ターンテーブル21の下面側には回転軸27が同軸的に取り付けられている。回転軸27はマウンタ24の貫通孔24bを通過してベース22の開口部22a内まで延びている。マウンタ24の下面側には軸受ハウジング28が設けられ、その軸受ハウジング28には軸受29が取り付けられている。回転軸27は軸受29に嵌め合わされる。それにより、ターンテーブル21は回転軸27の軸線CLを中心として回転自在に支持される。
【0025】
回転軸27の下部には、円盤状の割出プレート30が軸線CLと同軸的にかつ回転軸27と一体回転できるように取り付けられている。
図6及び
図7に示すように、ベース22には一対の回転センサ31が取り付けられている。回転センサ31は、一例として、スリット31aを挟んで投光部31b及び受光部31cが対向配置され、投光部31bから受光部31cに向けて照射された検査光の受光部31cにおける受光強度に応じた信号を出力するフォトインタラプタである。割出プレート30は、その外周がスリット31aに入り込むようにして回転軸27に取り付けられている。割出プレート30の外周には、投光部31bからの検査光を遮る複数の遮光部(図示略)が周方向に一定のピッチで形成されている。ターンテーブル21の回転に伴って割出プレート30の遮光部が投光部31bからの検査光を繰り返し遮ることにより、回転センサ31からはターンテーブル21の回転速度に応じた周期のパルス列信号が出力される。したがって、回転センサ31からの出力信号に基づき、ターンテーブル21の回転速度、あるいは回転量を判別することが可能である。さらに、回転センサ31からのパルス列信号に位相差が生じるように回転センサ31の周方向の距離が設定されることにより、ターンテーブル21の回転方向を判別することも可能とされている。
【0026】
ターンテーブル21の下面側には、ターンテーブル21の回転負荷を変化させる負荷調整手段の一例としての磁性流体ダンパ40が設けられている。磁性流体ダンパ40は、内部に密封された磁性流体に作用する磁場の強さを変化させることにより、磁性流体の粘度を変化させて出力軸40aの回転負荷(又は回転抵抗)を変化させる磁性流体デバイスである。なお、磁性流体ダンパは、出力軸40aの回転に対して制動作用を生じさせる点に着目して、磁性流体ブレーキと称されることもある。いずれにしても、磁性流体に作用する磁場の変化を利用して出力軸40aの回転負荷を増減できるデバイスであれば、磁性流体ダンパ40の概念に含まれる。
【0027】
ベース22の下面側には、ベース22の対角線方向に沿ってブラケット32が取り付けられ、磁性流体ダンパ40はそのブラケット32に取り付けられている。回転軸27の下端側には連結軸27aが軸線CLと同軸に設けられ、その連結軸27aと磁性流体ダンパ40の出力軸40aとがカップリング42を介して同軸かつ一体回転可能に連結されている。磁性流体ダンパ40の内部には、磁性流体に作用する磁場の強さを変化させるための電磁コイル(不図示)が設けられている。その電磁コイルに供給する電流を変化させることにより、磁性流体の粘度を変化させてターンテーブル21の回転負荷を変化させることができる。
【0028】
ターンテーブル21の回転負荷は、ユーザの指示に基づいて設定可能である。そのような設定を可能とする理由の一つは以下の通りである。ゲーム装置2は、リズムに合わせた操作をユーザに要求するゲームを提供するものであって、かつターンテーブル21以外にも、その回転操作とは異なる操作が必要な操作部材として、押釦スイッチ17が設けられている。そのため、ターンテーブル21の操作に関しては、ユーザ間で様々な操作法が想定される。すなわち、ゲーム装置2では、一つの操作部15に対して複数の押釦スイッチ17とターンテーブル21とが隣り合わせて設けられており、ユーザはゲーム中に再生される楽曲のリズムと、譜面画像101を介した操作の指示とに合わせてそれらの押釦スイッチ17及びターンテーブル21をリズミカルに操作する必要がある。押釦スイッチ17及びターンテーブル21をどのように操作すべきかに特段の決まりはなく、ユーザによって種々の操作法が生じる可能性がある。
【0029】
特に音楽ゲームでは、多数の押釦スイッチ17等の操作部材とターンテーブル21とを比較的迅速にかつ正確に操作し続ける必要がある。そのような操作を行うためには、ユーザが種々の操作法、あるいは指使いを試みることが少なくない。特に、ターンテーブル21はユーザが触れることができる範囲が広いため、操作の自由度も高く、操作法が多様化する可能性が高い。例えば、押釦スイッチ17を両手の指で操作しつつ、ターンテーブル21に小指を伸ばしてこれを操作し、あるいは押釦スイッチ17を両手の指で操作しつつ、手のひらをターンテーブル21に当ててこれを操作するといった操作法が現に試みられている。手首、肘等を利用して回転操作が行われる可能性もある。そして、操作法の相違により、ターンテーブル21の回転負荷に関する適正範囲も相違する可能性がある。例えば、小指で操作する場合と手のひらで操作する場合とでは、ターンテーブル21の回転負荷の適正範囲が異なる可能性がある。こうした事情を考慮して、ターンテーブル21の回転負荷を調整するために磁性流体ダンパ40が設けられ、その磁性流体ダンパ40が発生させる回転負荷をユーザの指示に基づいて設定する仕組みがゲーム装置2に設けられている。回転負荷を設定するための処理の一例は後述する。
【0030】
図8は、上述したゲームを実現するためのゲーム装置2の制御系の構成の一例を示している。ゲーム装置2には、制御ユニット50及び記憶ユニット51が設けられている。制御ユニット50はCPU及びその動作に必要な内部記憶装置を含んだコンピュータとして構成され、入力手段としての押釦ユニット16及びターンテーブルユニット20が検出した操作を参照しつつゲームを制御するゲーム制御手段の一例として機能する。記憶ユニット51は制御ユニット50に対する外部記憶装置として機能する不揮発性の記憶装置である。制御ユニット50には、ゲームの制御に必要な情報を取得するための入力機器として、上述した各操作部15の押釦スイッチ17及び回転センサ31が接続されるとともに、ユーザ認証等に利用するためのカードリーダ53が接続されている。なお、
図6では一方の操作部15の押釦スイッチ17等を示しているが、他方の操作部15も同じである。
【0031】
さらに、制御ユニット50には、ユーザがプレイしている様子を撮影する撮影手段として、第1カメラ54及び第2カメラ55が接続されている。第1カメラ54は、ユーザが操作部15を操作する様子を撮影した画像を取得できるように、例えば撮影方向を下に向けた状態で操作部15の上方に配置されている。第2カメラ55は、ユーザをその前方から撮影した画像を取得できるように、例えば撮影方向を前方に向けた状態で第1モニタ12の上方に配置されている。さらに、制御ユニット50には、ユーザによる硬貨の投入を検出して投入額に対応する信号を出力するコインセレクタ56も接続されている。
【0032】
一方、制御ユニット50には、その制御対象機器として、第1モニタ12、第2モニタ13、及びスピーカ18が接続されている。また、制御ユニット50には、各操作部15のターンテーブルユニット20に対応する磁性流体ダンパ40も制御対象機器として接続されている。なお、磁性流体ダンパ40と制御ユニット50との間には、制御ユニット50からの制御信号に応じて磁性流体ダンパ40の電磁コイルへの通電を制御する駆動回路が設けられるが、その図示は省略した。さらに、制御ユニット50には、ゲームサーバ4との通信を制御するための通信制御ユニット57も接続されている。
【0033】
記憶ユニット51には、ゲームプログラムPga、ゲームデータDga、及びユーザデータDpuが記録される。ゲームプログラムPgaは、制御ユニット50の基本的な動作を制御するオペレーティングシステムと協働して、ゲームに必要な演算処理及び動作制御を制御ユニット50に実行させるためのアプリケーションプログラムである。ゲームデータDgaは、制御ユニット50によるゲームの制御において適宜に参照されるデータであって、例えば譜面データDmsを含む。譜面データDmsは、ゲーム中にユーザに対して指示すべき各種の操作を記述したデータであって、譜面画像101を表示するために参照される。譜面データDmsは少なくとも曲ごとに用意される。一つの曲に対して難易度が異なる複数種類の譜面データDmsが用意されてもよい。さらに、シングルモードとダブルモードとで互いに異なる譜面データDmsが用意されてもよい。ゲームデータDgaには、ゲーム画面100に表示されるべき各種のオブジェクト等の画像、ゲーム中に再生されるべき楽曲のデータ、効果音等の音源データ等も含まれるが、それらの図示は省略した。
【0034】
ユーザデータDpuは、ゲームと関連付けられたユーザの各種の情報を記録したデータであって、例えばプレイデータDpl及び設定データDstを含む。プレイデータDplは、ユーザによるゲームのプレイを記録したデータであって、例えば指標103によって指示される操作ごとの評価、プレイ結果等がプレイデータDplに記録される。設定データDstは、ゲームに関してユーザが設定可能な各種のパラメータの設定状態が記録されたデータである。例えば、上述したターンテーブル21の回転負荷の設定値が設定データDstに記録される。ユーザデータDpuは適宜のタイミングでゲームサーバ4にアップロードされて保存されてよい。例えば、ユーザがゲーム装置2におけるゲームのプレイを終了する時点で、次回以降のプレイに備えてユーザデータDpuがゲームサーバ4にアップロードされ、ユーザID等のユーザ識別情報と対応付けてゲームサーバ4上にユーザデータDpuが保存されてもよい。
【0035】
制御ユニット50には、そのコンピュータハードウエアとゲームプログラムPgaとの組み合わせによって実現される論理的装置として、譜面表示部201、操作評価部202、プレイ記録部203、ゲーム設定部204及び負荷制御部205が設けられる。譜面表示部201は、譜面データDmsに基づいて譜面画像101を表示し、レーンLn1〜Ln8のそれぞれの指標103の表示を制御する。それにより、譜面表示部201は操作指示手段の一例として機能する。操作評価部202は、押釦スイッチ17及び回転センサ31が検出したユーザの操作と譜面データDmsに記述された操作との比較に基づいてユーザの操作を評価する。プレイ記録部203は、ゲームのプレイに伴って得られる各種のデータをプレイデータDplに記録する。例えば、プレイ記録部203は、操作評価部202の評価をプレイ履歴としてプレイデータDplに記録し、あるいはカメラ54、55が撮影した画像をプレイ映像としてプレイデータDplに記録する。譜面表示部201、操作評価部202及びプレイ記録部203の処理は、既存の音楽ゲームと同様に行われてよく、それらの処理の詳細は説明を省略する。
【0036】
ゲーム設定部204は、ゲームに関してユーザが設定可能な各種のパラメータを、ユーザからの指示に基づいて設定して設定データDstに記録する。その処理の一つとして、ゲーム設定部204は、ユーザの指示に基づいてターンテーブル21の回転負荷を設定し、その設定値を設定データDstに記録する。負荷制御部205は、ゲーム設定部204によって設定された回転負荷が生じるように磁性流体ダンパ40を制御する。以下、
図9及び
図10を参照して、ターンテーブル21の回転負荷に関連した処理の一例を説明する。なお、以下に述べる処理は操作部15L、15Rごとに区別して実行されてよい。
【0037】
ゲーム装置2にてユーザがゲームの設定を指示すると、ゲーム設定部204は例えば
図9に示すゲーム設定画面120を第1モニタ12(又は第2モニタ13)に表示させる。ゲーム設定画面120には、例えば設定項目ごとの複数の設定部121が左右方向に並べて表示され、その一つの設定部121に対してターンテーブル21の回転負荷の設定が割り当てられる。ターンテーブル21の設定部121には、例えば上下方向に延びるゲージ122と、そのゲージ122に沿って上下に移動可能なスライダ123とが設けられる。スライダ123が下方に移動するほど回転負荷が軽くなり、スライダ123が上方に移動するほど回転負荷が重くなる。スライダ123には、例えば回転負荷の最小値を0、最大値を100としたときにスライダ123の位置に対応する設定値が表示されてよい。
図9の例ではスライダ123が上下方向の中央に位置し、設定値として「50」が表示されている。スライダ123は、操作部15における適宜の操作によって移動可能とされてよい。あるいは、第1モニタ12又は第2モニタ13にタッチパネル型の入力装置を重ねて配置し、スライダ123をユーザが直接的にタッチして上下方向に操作できるようにしてもよい。
【0038】
図9のゲーム設定画面120が表示されている状態で、ターンテーブル21の回転負荷の設定がユーザによって指示されると、制御ユニット50は、
図10に示すテーブル負荷設定処理を開始する。テーブル負荷設定処理において、まずゲーム設定部204はスライダ123の位置を取得し(ステップS11)、設定データDstに記録されている回転負荷の設定値を現在のスライダ123の位置に対応する値に更新する(ステップS12)。負荷制御部205は、設定データDstに記録されている回転負荷の設定値を監視している。そのため、ステップS12で設定値が更新されると、負荷制御部205は、更新後の設定値に対応した回転負荷がターンテーブル21に作用するように、磁性流体ダンバ40の回転負荷を設定する(ステップS13)。例えば、負荷制御部205は、回転負荷の設定値に対応した励磁電流が磁性流体ダンパ40の電磁コイルに流れるように磁性流体ダンパ40を制御する。その後、ゲーム設定部204は、ユーザが設定終了を指示したか否かを判別し(ステップS14)、終了が指示されていなければステップS11へと処理を戻す。ユーザが設定終了を指示すると
図10の処理は終了する。
【0039】
負荷制御部205は、ゲームのプレイ中において、
図10の処理にて設定された回転負荷が維持されるように磁性流体ダンパ40を制御する。それにより、ターンテーブル21の操作感をユーザの意図に適合させることが可能である。磁性流体ダンパ40による回転負荷の設定値が設定データDstに記録されるため、その設定データDstをゲームサーバ4に保存しておくことにより、次回以降のゲームのプレイ時にはゲームサーバ4から設定データDstを取得してゲームに反映させることにより、ターンテーブル21の回転負荷を直近の値に設定することができる。
【0040】
図10の処理では、ターンテーブル21の回転負荷の設定値をユーザIDと対応付けて保存するものとしたが、同一ユーザに対して例えば、ユーザ設定1、ユーザ設定2…といったごとく複数の設定値が保存可能であってもよい。あるいは、回転負荷の設定値を楽曲の識別情報と対応付けて保存することにより、プレイ対象の楽曲ごとに回転負荷の設定値を保存可能としてもよい。その他にも、回転負荷の設定値をゲーム装置2ごとに区別して設定可能としてもよい。この場合には、ゲーム装置2間におけるターンテーブル21の回転負荷のばらつきを、その回転負荷の設定値の調整によって吸収することが可能である。
【0041】
以上の形態においては、制御ユニット50がゲーム制御手段の一例として機能し、そのゲーム設定部204が
図10のステップS11及びS12の処理を実行することにより負荷指示取得手段の一例として機能し、負荷制御部205が
図10のステップS13にて回転負荷を設定しかつゲームのプレイ中もその回転負荷を維持することにより負荷制御手段の一例として機能する。
【0042】
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、負荷調整手段として磁性流体ダンパ40が用いられているが、回転負荷の調整は磁性流体デバイスに限定されず、例えば電磁クラッチ、ベルト、ブレーキシュー等の制動部材の摩擦を利用した摩擦ブレーキ等が負荷調整手段として適宜に用いられてよい。
【0043】
上記の形態では、ユーザがゲーム装置2を介して回転負荷を指示するものとしたが、ユーザ装置3を利用してゲームサーバ4の設定データDstにアクセスし、ユーザ装置3を介して回転負荷をユーザが指示し、その指示に応じた設定値を設定データDstに保存できるようにしてもよい。
【0044】
上記の形態では、音楽ゲームを提供するゲーム装置2のターンテーブル21を回転体として、その回転負荷をユーザの指示に基づいて変化させるものとしたが、回転体はそのような例に限らず、ゲームのプレイ中においてユーザの回転操作の対象となる限り、つまみ、ボリューム、ダイヤルといった適宜の回転体の回転負荷が本発明に従って制御されてよい。回転体が設けられるゲーム装置2も音楽ゲーム以外のゲームを提供するものであってよく、かつゲームはリズムに合わせた操作をユーザに要求するタイプに限らない。例えば、回転操作に対する負荷がユーザの指示に基づいて調整されたとしても、ゲームの制御と矛盾が生じないゲーム、あるいは回転負荷をユーザに合わせて調整しなければ適切な操作が困難となるおそれがあるゲーム等に本発明が適用されてよい。さらに、入力手段は、回転体と、回転操作とは異なる操作の対象としての複数の押釦スイッチ17等の操作部材とを含む例に限らない。回転操作とは異なる操作の対象としての操作部材は少なくとも一つであってもよいし、回転操作が可能な回転体のみが入力手段に設けられてもよい。
【0045】
上記の形態では、ユーザの指示に基づいて設定された回転負荷をゲームのプレイ中に維持するものとしたが、例えば負荷制御部205により、ゲームのプレイ中に回転負荷が能動的に制御されてもよい。すなわち、回転負荷に対して基準値を設定し、ゲームの状態、あるいは状況に応じて負荷制御部205により回転負荷を基準値から増減させる制御を導入したとしても、その基準値としての回転負荷を本発明に従ってユーザの指示に基づき設定すれば、ユーザが意図する操作感を実現するという目的を達成しつつ、その操作感を意図的に変化させて遊技性を高める、といった付加的な利点を得ることが可能である。
【0046】
上記の形態では、ゲーム装置2として業務用のアーケードゲーム機を想定したが、ゲーム装置2は、例えば回転操作の対象となる回転体を入力手段として備える限り、適宜の変形が可能である。例えば家庭用の据置型のゲーム機等であっても、ターンテーブル21を備えた専用コントローラを提供することにより、その専用コントローラの回転操作に対して本発明を適用することが可能である。
【0047】
上記の形態では、ゲーム装置2の制御ユニット50に譜面表示部201、操作評価部202、プレイ記録部203、ゲーム設定部204、及び負荷制御部205のそれぞれを論理的装置として設けているが、その少なくとも一部をゲームサーバ4側に設けることにより、ゲームに必要な各種の制御処理をゲーム装置2及びゲームサーバ4で適宜に分担してもよい。あるいはゲーム装置2をゲームサーバ4に対する遠隔入出力端末として機能させ、全ての処理をゲームサーバ4にて実行するものとしてもよい。あるいは、ゲーム装置2をネットワークに接続されない、オフラインあるいはスタンドアローンのゲーム機とし設置する場合には、そのゲーム装置2それ自体によってゲームシステムが構成されてもよい。つまり、本発明におけるゲームシステムは、ネットワークを利用したシステムに限定されず、ネットワークを利用しないゲーム機単体もその概念に含むものである。
【0048】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0049】
本発明の一態様に係るゲームシステム(1)は、ユーザによる回転操作の対象としての回転体(21)を含む入力手段(16、20)と、前記回転体の回転負荷を変化させる負荷調整手段(40)と、前記入力手段が検出した操作を参照しつつゲームを制御するゲーム制御手段(50)と、を備え、前記ゲーム制御手段には、前記回転負荷に関する前記ユーザの指示を取得する負荷指示取得手段(204、S11、S12)と、取得された前記ユーザの指示に基づいて前記負荷調整手段を制御する負荷制御手段(205、S13)と、が設けられたものである。
【0050】
本発明の一態様に係るゲームシステムの制御方法は、ユーザによる回転操作の対象としての回転体(21)を含む入力手段(16、20)と、前記回転体の回転負荷を変化させる負荷調整手段(40)と、前記入力手段が検出した操作を参照しつつゲームを制御するゲーム制御手段(50)と、を備えたゲームシステム(1)の制御方法であって、前記ゲーム制御手段に、前記回転負荷に関する前記ユーザの指示を取得する手順(S11、S12)と、取得された前記ユーザの指示に基づいて前記負荷調整手段を制御する手順(S13)と、を実行させるものである。
【0051】
本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、ユーザによる回転操作の対象としての回転体(21)を含む入力手段(16、20)と、前記回転体の回転負荷を変化させる負荷調整手段(40)と、前記入力手段が検出した操作を参照しつつゲームを制御するゲーム制御手段(50)と、を備えたゲームシステム(1)に適用されるコンピュータプログラムであって、前記ゲーム制御手段のコンピュータ(50)を、前記回転負荷に関する前記ユーザの指示を取得する負荷指示取得手段(204、S11、S12)、及び取得された前記ユーザの指示に基づいて前記負荷調整手段を制御する負荷制御手段(205、S13)、として機能させるように構成されたものである。
【0052】
上記の態様によれば、回転体の回転負荷に関するユーザの指示を取得し、取得されたユーザの指示に基づいて負荷調整手段を制御することにより、回転負荷をユーザの所望する程度に設定することができる。それにより、回転体の操作感をユーザの意図に適合させることが可能である。
【0053】
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のゲームシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
【0054】
上記態様においては、前記負荷調整手段として、磁性流体の粘度の変化を利用して回転負荷を変化させる磁性流体ダンパ(40)が前記回転体に連結されてもよい。これによれば、磁性流体ダンパの粘度変化特性を利用して、回転体の回転負荷を滑らかにかつ確実に変化させることができる。
【0055】
前記ゲーム制御手段には、前記ユーザがリズムに合わせて前記ゲーム中に行うべき前記入力手段の操作を指示する操作指示手段(201)が設けられてもよい。リズムに合わせた操作が要求されるゲームでは、回転体の操作に関してユーザに種々の操作法が存在し、その操作法に応じて回転負荷の適正範囲が変化する可能性があるところ、そのようなゲームに対して上記態様の回転負荷の設定を適用すれば、ユーザの操作法に応じて適切な回転負荷を設定し、ユーザの意図に適合した操作感を提供することができる。
【0056】
前記入力手段は、前記ユーザの前記回転操作とは異なる操作の対象としての少なくとも一つの操作部材(16)をさらに含み、前記操作指示手段は、前記回転体及び前記操作部材のそれぞれの操作を指示するものとしてもよい。回転体に加えて他の操作部材が設けられる場合には、ユーザの操作法がさらに多様化する可能性があるところ、その場合でも上記態様に従って回転負荷を設定することにより、ユーザの意図に適合した操作感を確実に提供することができる。
【0057】
さらに、前記回転体としてターンテーブル(21)が設けられてもよい。ターンテーブルは、ユーザが触れることが可能な範囲が比較的広く、その操作法も多様化する可能性がある。このようなターンテーブルの回転負荷を上記態様に従って設定できるようにすれば、多様な操作法に対応して回転負荷を適切に設定することが可能である。
【解決手段】ユーザによる回転操作の対象としてのターンテーブル21を含むターンテーブルユニット20と、ターンテーブル21の回転負荷を変化させる磁性流体ダンパ40と、ターンテーブルユニット20が検出した操作を参照しつつゲームを制御する制御ユニットと、を備えたゲームシステムにおいて、制御ユニットにより、回転負荷に関するユーザの指示を取得し、取得されたユーザの指示に基づいて磁性流体ダンパ40を制御する。