【実施例】
【0069】
[合成例1:化合物(L1)の製造]
丸底フラスコに撹拌子を入れ、エタノール200mL、N,N−ジメチルエチレンジアミン0.88g、3−tert−ブチルサリチルアルデヒド1.78gを加え、室温で24時間撹拌した。反応後、NMR分析により、サリチルアルデヒドが残っていないことを確認し、減圧下で低沸点の化合物を留去した。ジクロロメタンを加えて抽出し、分液ロートを用いた分液操作により親水性成分を除いたのち、溶媒を留去した。これにより、下記式(L1)で表される化合物(化合物(L1))を得た(収率:87%)。
【0070】
得られた化合物についてNMR分析を行うことにより、得られた化合物(L1)が下記式(L1)で表される化合物であることを確認した。
1H−NMR:14.0 (s, 1H, OH), 8.37 (s, 1H, N=CH), 7.31 (dd, J = 1.6, 7.7 Hz, 1H), 7.10 (dd, J = 1.6, 7.7 Hz, 1H), 6.80 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 3.71 (t, J = 7.0 Hz, 2H, =N-CH
2-), 2.67 (t, J = 7.0 Hz, 2H, -CH
2-N), 2.30 (s, 6H, N(CH
3)
2), 1.43 (s, 9H, butyl) ppm
13C−NMR:166.25 (N=CH), 160.48, 137.37, 129.57, 129.26, 118.68, 117.69, 60.00, 57.66, 45.77, 34.79, 29.32 ppm
【0071】
【化17】
【0072】
[合成例2:化合物(L2)の製造]
減圧コックを付けた丸底フラスコに撹拌子を入れ、エタノール40mL、3−tert−ブチルサリチルアルデヒド1.78g、2−ピコリルアミン1.09gを加え、真空ポンプを用いて減圧し、窒素ガス置換を行った。その後、遮光しながら室温で24時間撹拌した。反応後、NMR分析により、サリチルアルデヒドが残っていないことを確認し、減圧下で低沸点の化合物を留去した。エーテルに溶解させ、分液ロートに加えて分液処理を行った。有機相を取り出し、減圧下溶媒を留去した。これにより、下記式(L2)で表される化合物(化合物(L2))を得た(収率:89%)。
【0073】
得られた化合物(L2)についてNMR分析を行うことにより、得られた化合物が下記式(L2)で表される化合物であることを確認した。
1H−NMR:13.8 (s, 1H, OH), 8.56 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 8.52 (s, 1H, N=CH), 7.68 (dd, J = 1,8, 7,7 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 1.6, 7.7 Hz, 1H), 7.19 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.15 (dd, J = 1.6, 7.6 Hz, 1H), 6.82 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 4.92 (s, 2H, =N-CH2-), 1.44 (s, 9H, butyl) ppm
13C−NMR:167.52 (N=CH), 169.29, 158.03, 149.24, 137.34, 136.86, 129.92, 129.60, 122.27, 122.02, 118.68, 117.91, 64.90, 34.75, 29.26 ppm
【0074】
【化18】
【0075】
[合成例3:化合物(L5)の製造]
丸底フラスコに撹拌子を入れ、エタノール200mL、ベンジルアミン1.56g、3−tert−ブチルサリチルアルデヒド2.60gを加え、室温で24時間撹拌した。反応後、NMR分析により、サリチルアルデヒドが残っていないことを確認し、減圧下で低沸点の化合物を留去した。黄色固体が得られたため、1−プロパノールを20mL程度加え、ホットプレートであたためながら溶解させた。−30℃で1日以上静置したのち、上澄みの溶液を取り除いた。少量の冷却した1−プロパノールで結晶を洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥させた。これにより、下記式(L5)で表される化合物(化合物(L5))を得た(収率:89%)。
【0076】
得られた化合物(L5)についてNMR分析を行うことにより、得られた化合物が下記式(L6)で表される化合物であることを確認した。
1H−NMR:13.93 (s, 1H, OH), 8.45 (s, 1H, N=CH), 7.52 (m, 6H), 7.13 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 8.0 z, 1H), 4.80 (s, 2H, =N-CH
2-), 1.43 (s, 9H) ppm
【0077】
【化19】
【0078】
[合成例4:化合物(L6)の製造]
丸底フラスコに撹拌子を入れ、エタノール200mL、アニリン1.24g、3−tert−ブチルサリチルアルデヒド2.00gを加え、120℃で24時間撹拌した。反応後、NMR分析により、サリチルアルデヒドが残っていないことを確認し、減圧下で低沸点の化合物を留去した。オレンジ色固体が得られたため、ヘキサンを10mL程度加え、ホットプレートであたためながら溶解させた。−30度で1日以上静置したのち、上澄みの溶液を取り除いた。少量の冷却したヘキサンで結晶を洗浄し、得られた結晶を減圧乾燥させた。これにより、下記式(L6)で表される化合物(化合物(L6))を得た(収率:71%)。
【0079】
得られた化合物(L6)についてNMR分析を行うことにより、得られた化合物が下記式(L6)で表される化合物であることを確認した。
1H−NMR:13.89 (s, 1H, OH), 8.64 (s, 1H, N=CH), 7.42 (m, 3H), 7.28 (m, 4H), 6.88 (t, J = 7.6 z, 1H), 1.48 (s, 9H) ppm
【0080】
【化20】
【0081】
[合成例5:化合物(L7)の製造]
丸底フラスコに撹拌子を入れ、エタノール200mL、ブチルアミン1.09g、3−tert−ブチルサリチルアルデヒド1.78gを加え、室温で24時間撹拌した。反応後、NMR分析により、サリチルアルデヒドが残っていないことを確認し、減圧下で低沸点の化合物を留去した。これにより、下記式(L7)で表される化合物(化合物(L7))を得た(収率:99%)
【0082】
得られた化合物(L2)についてNMR分析を行うことにより、得られた化合物が下記式(L2)で表される化合物であることを確認した。
1H−NMR:14.20 (s, 1H, OH), 8.33 (s, 1H, N=CH), 7.31 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 1.6, 8.0 Hz, 1H), 6.80 (t, J = 8.0 z, 1H), 3.59 (dt, J = 1.0, 6.8 Hz, 2H, =N-CH
2-), 1.70 (m, 2H), 1.45 (m, 2H), 1.44 (s, 9H), 0.96 (t, J = 7.5 Hz, 3H) ppm
【0083】
【化21】
【0084】
[試験例1:マグネシウム錯体(Mg−L1−Cl)の製造]
まず、グリニャール試薬であるCH
3MgClのテトラヒドロフラン(以下、「THF」ということがある。)溶液を用意した。上記において得られた化合物(L1)を、THFに溶解させた溶液を用意し、この化合物(L1)のTHF溶液を、グリニャール試薬のTHF溶液と室温のグローブボックス内において混合した。この時、化合物(L1)と、グリニャール試薬とのモル比は、1:2となるように調整した。
混合後、室温で4日間静置した後、1.0×10
4Pa以下に減圧しつつ110℃で加熱することによりTHFを揮発させて、固体状のマグネシウム錯体(Mg−L1−Cl)を得た。
得られたマグネシウム錯体の
1H−NMRの結果を
図1に示す。
図1中、下段は化合物(L1)のみの場合のNMRデータであり、上段はマグネシウム錯体とした際のNMRデータである。
1H−NMRにおいて、OHプロトンのピークの消失と、芳香環に起因するピークのシフトとが確認されたことから、得られたマグネシウム錯体は、化合物(L1)に由来する配位子を含むことが確認でき、また、X線回折により、下記式(4)〜(5)の反応と、下記式(6)、(7)のマグネシウム錯体の存在が推定できた。(7)の様に、化合物(L1)のイミノ部位へのメチル基の付加は、窒素を含む同部位の柔軟性を増加させ、マグネシウムへの配位を容易にしているものと推測される。
【0085】
【化22】
【0086】
【化23】
【0087】
【化24】
【0088】
【化25】
【0089】
【化26】
【0090】
[試験例2:マグネシウム錯体(Mg−L1−Br)の製造]
グリニャール試薬としてCH
3MgBrを用いた以外は試験例1と同様にして、化合物(L1):CH
3MgBr=1:2のモル比で混合した。
混合後すぐに110℃で加熱してTHFを揮発させた場合と、室温で一定期間静置した後に、110℃で加熱してTHFを揮発させた場合との錯体構造について、
1H−NMR測定、SEM/EDX測定を行った。
【0091】
また、
図2に、混合直後と混合後1週間静置後とを比較した
1H−NMRの結果を示す。
図3は、SEM/EDX測定の結果であって、混合直後と混合後1週間静置後とを、それぞれ3つのスポットに関して測定した結果である。
【0092】
図2に示す
1H−NMR測定の結果から、混合直後と混合後に1週間程度の静置を行った場合とでは、配位状態が異なる可能性が示唆された。特に
1H−NMRにおける2〜5ppm付近では明らかな違いが確認された。
また、
図3に示すSEM/EDX測定の結果から、静置前後で含有されているMgとBrとの比率に変化がないことが確認できた。
【0093】
1H−NMRにおいて、OHプロトンのピークの消失と、芳香環に起因するピークのシフトとが確認されたことから、得られたマグネシウム錯体は、化合物(L1)に由来する配位子を含むことが確認でき、下記式(8)〜(9)の反応と、下記式(11)のマグネシウム錯体の存在が推定できる。
【0094】
【化27】
【0095】
【化28】
【0096】
【化29】
【0097】
【化30】
【0098】
【化31】
【0099】
[実施例1]
上記合成例1、試験例2と同様にして、マグネシウム錯体(L1−Mg−Br)を得た。
【0100】
一方、Mg(SO
2CF
3)
2/トリグライム(以下、「G3」ということがある。)=1:5(モル比)の溶液を用意した。そして、このMg(SO
2CF
3)
2/G3溶液に、マグネシウム錯体(L1−Mg−Br)を最終濃度が0.2Mとなるように添加して電解液を得た。
この電解液と、厚み0.5ミリメートルの金板からなる作用極と、厚み0.1ミリメートルのマグネシウム板からなる対極と、直径4ミリメートルのマグネシウム棒(断面のみ)からなる参照極とを用いた3電極セルを作製し、アルゴン雰囲気下、室温(298K)で1サイクルの後、333Kで3サイクル、その後再度298Kで1サイクルのサイクリックボルタンメトリー測定を行った。測定結果として、サイクリックボルタモグラムを
図4A〜Cに示す。
図4Aに示す結果から、本発明の電解液を用いた場合、マグネシウムの可逆的析出溶解反応が室温で非常に良好に行われることが確認された。また、
図4B〜Cに示す結果から、当該析出溶解反応は333K(約60℃)条件で3サイクル電位走査させた際にも、その後室温(約25℃)条件に戻した際にも良好に行われることが確認できた。
さらに、本発明の電解液を用いた場合、特に333Kでのサイクル履歴により、Mg過電圧が大幅に低減され、充放電時の電圧差が大幅に低減されることが確認できた。
過電圧の評価方法を、
図10のサイクリックボルタモグラムで示した。
【0101】
上記サイクリックボルタンメトリー測定後、電極の電析物に関し、A地点及びB地点の2カ所についてエネルギー分散型X線分析装置を用いて分析した。A地点、B地点、及びエリア内平均の結果を
図5に示す。
Mg、O、Au、C、S、F等のピークのうち、Auは電析に用いている基板、C、S、Fは試料を洗浄する際取り除けなかった電解質塩の成分である。MgとOに当たる位置のピークが、同程度の大きさで現れており、MgOであることを示唆している。電析後測定までに大気中にさらしているため、電析したMgが酸化したものを観測したと考えられる。
図5により、電析したものが確かにマグネシウムであることを確認した。
【0102】
[実施例2]
上記合成例2に従って得られた化合物(L2)を用いた以外は上記試験例2等と同様にして、マグネシウム錯体(L2−Mg−Br)を得た。
【0103】
得られたマグネシウム錯体(L2−Mg−Br)を用い、且つ、マグネシウム錯体(L2−Mg−Br)のMg(SO
2CF
3)
2/G3溶液への添加量を0.1Mとした以外は実施例1と同様にして、サイクリックボルタンメトリー測定を行った。
室温(298K)、1サイクル時のサイクリックボルタモグラムを
図6Aに示す。また、その後333Kにおいて3サイクル電位走査した際のサイクリックボルタモグラムを
図6Bに示す。
これらの結果から、マグネシウム錯体(L2−Mg−Br)を用いた際にも、マグネシウムの可逆的析出溶解反応が良好に行われることが確認できた。
【0104】
[実施例3]
マグネシウム電析において、定電流電析測定を行った。
Mg(SO
2CF
3)
2/G3(モル比1:5)を用いた例を
図7Aに、Mg(SO
2CF
3)
2/G3(モル比1:5)に0.1Mのマグネシウム錯体(L1−Mg−Br)を添加した電解液を用いた例を
図7Bに示す。
図7A〜Bの結果から、マグネシウム錯体を用いることにより、析出(充電)と溶解(放電)との電圧差が小さくなり、エネルギー効率が向上し得ることが確認できた。
【0105】
[実施例4]
サイクリックボルタンメトリー測定及び交流インピーダンス測定を行った。
具体的には、Mg(SO
2CF
3)
2/G3(モル比1:5)電解液、Mg(SO
2CF
3)
2/G3(モル比1:5)に、0.05M又は0.1Mのマグネシウム錯体(L1−Mg−Br)を添加した電解液を用いて、サイクリックボルタンメトリー測定を行った。温度を25℃、サイクル数を1とした以外は、実施例1と同様である。結果をそれぞれ
図8A〜Cに示す。
また、このサイクリックボルタンメトリー前後の電解液を用いて、交流インピーダンス測定を行った結果を、
図9A〜Cに示す。
図8A〜Cの結果から、0.05M又は0.1Mのマグネシウム錯体(L1−Mg−Br)を添加することにより、充放電特性が良好となることが確認できた。
また、
図9A〜Cの結果から、0.05M又は0.1Mのマグネシウム錯体を添加することにより、特にサイクリックボルタンメトリー後(After CV)において、複素平面上で円弧状にプロットされ、円弧の直径も増大することから、CVにより電極上に皮膜が生じていることが確認された。
【0106】
[比較例1]
Mg(N(SO
2CF
3)
2)
2塩(Mg(TFSA)
2)をトリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム、G3)に分子比1:5で溶解した基準電解液(Mg(TFSA)
2/G3)を調製した。
この基準電解液を、ビーエーエス社製プレート電極測定セル(作用極:Au、参照極:Ag/Ag
+、対極:Mg)に加えて測定用セルとし、Solartron社1260+1287測定装置を用いて電位掃引法によりマグネシウムの電気化学的析出/溶解反応を行った。掃引速度は5 mV s-1、掃引範囲は-4〜1 V vs. Agとした。
この基準電解液中でのマグネシウム電気化学的析出/溶解の電位−電流曲線(サイクリックボルタモグラム)を
図11(a)に示す。下向きの還元(マグネシウム析出;充電反応)電流が-2.2 V vs. Ag付近で流れはじめるのに対し、上向きの酸化(マグネシウム溶解;放電反応)電流は-1 V vs. Agから見られ、1.2 V程度の過電圧が生じている。
【0107】
[実施例5]
試験例1と同様にして、化合物(L1):CH
3MgBr=1:2のモル比で混合し、室温で4日間静置して、マグネシウム錯体(L1−Mg−Br)を得た。これを110℃で減圧乾燥した後に、Mg(N(SO
2CF
3)
2)
2 (Mg(TFSA)
2)塩をトリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム、G3)に分子比1:5で溶解した電解液中に、0.1 mol L-1の濃度で溶解した。
この電解液を用いて、比較例1と同じく、ビーエーエス社製プレート電極測定セル(作用極:Au、参照極:Ag/Ag
+、対極:Mg)に加えて測定用セルとし、Solartron社1260+1287測定装置を用いて電位掃引法によりマグネシウムの電気化学的析出/溶解反応を行った。掃引速度は5 mV s-1、掃引範囲は−4〜1 V vs. Agとした。測定セルは自作の密封容器に入れ、環境試験機(ESPEC SU-221)で温度を制御した。
CH
3MgBrと化合物(L1)から合成した錯体を0.1 mol L-1溶解したMg(TFSA)
2/G3電解液中での、マグネシウム電気化学的析出/溶解の電位−電流曲線(サイクリックボルタモグラム)を
図11(b)に示す。
過電圧が0.8 V程度に低減した。
【0108】
[実施例6]
実施例5に続いてさらに、このセルを一旦60℃に加温して電位掃引後、再び25℃に戻して掃引すると、過電圧がほどんどなくなり、また、マグネシウム析出と溶解の開始電位がほぼ一致した(
図11(c))。
【0109】
[実施例7]
化合物(L1)を下記化合物(L4)に変更した他は、実施例6と同様にして、25℃→60℃→25℃の処理を行った場合の、化合物(L4)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を含有する電解液のサイクリックボルタモグラムを
図12(e)に示す。
化合物(L4)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を添加したことにより、過電圧がほどんどなくなり、また、マグネシウム析出と溶解の開始電位がほぼ一致した。
【0110】
【化32】
【0111】
[実施例8]
化合物(L1)を、合成例3で合成した上記化合物(L5)に変更した他は、実施例6と同様にして、25℃→60℃→25℃の処理を行った場合の、化合物(L5)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を含有する電解液のサイクリックボルタモグラムを
図12(f)に示す。
化合物(L5)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を添加したことにより、過電圧がほどんどなくなり、また、マグネシウム析出と溶解の開始電位がほぼ一致した。
【0112】
[実施例9]
化合物(L1)を、合成例4で合成した上記化合物(L6)に変更した他は、実施例5と同様にして、錯体を合成し、電解液を作成した。このとき、化合物(L6)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体は、上記電解液への溶解度が十分ではなく、0.1 mol L-1の濃度で溶解せず、過飽和の状態の電解液とした。この他は、実施例6と同様にして、25℃→60℃→25℃の処理を行った場合の、化合物(L6)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を含有する電解液のサイクリックボルタモグラムを
図12(g)に示す。
化合物(L6)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を添加したことにより、過電圧がほどんどなくなり、また、マグネシウム析出と溶解の開始電位がほぼ一致した。
【0113】
[実施例10]
化合物(L1)を、合成例5で合成した上記化合物(L7)に変更した他は、実施例6と同様にして、25℃→60℃→25℃の処理を行った場合の、化合物(L7)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を含有する電解液のサイクリックボルタモグラムを
図12(h)に示す。
化合物(L7)に由来する配位子を含むマグネシウム錯体を添加したことにより、過電圧がほどんどなくなり、また、マグネシウム析出と溶解の開始電位がほぼ一致した。