(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ノズル本体またはクローザーに設けられる前記旋回溝は180度間隔をあけた一対からなり、これら旋回溝は外周端から内周端に向けて次第に幅狭とされていると共に断面U形状で底部はアール形状とされ、該旋回溝の外周に連通する液通路が前記クローザーの外周面またはノズル本体の内周面に設けられている請求項1に記載のノズル。
前記ノズル本体のクローザーが収容されている空間に連通する液通路の開口に弁座部を設け、該弁座部を開閉する止水弁を前記空間に収容し、該止水弁と前記クローザーとの間にバネを介設し、該バネにより前記クローザーをノズル本体の噴射側壁に向けて付勢すると共に前記止水弁を前記弁座部に向けて付勢している請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載のノズル。
前記止水弁は、前記弁座部との間に流入側の第1シール部と流出側の第2シール部を備え、前記第1シール部は液通路の開口周縁と前記止水弁の先端側外面に設ける一方、前記第2シール部は前記止水弁の外周面と前記弁座部の外周側内面との間に設け、液流入時には前記第1シール部が開いた後に第2シール部が開くと共に、止水時には前記第1シール部が閉じた後に第2シールが閉じる2段階の開閉機構を備えている請求項8に記載のノズル。
栽培植物の根部が下垂する細長い中空の栽培ボックスを備え、該栽培ボックスの長さ方向の側壁内面に沿って養液供給管が取り付けられ、該養液供給管に所要間隔をあけて養液からなる一流体を噴霧する請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のノズルが取り付けられていることを特徴とする植物栽培装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記特許文献1で開示されたノズル100では、ノズル本体101の射出成型時にセラミック製のノズルチップ110をモールドして成形しているため、ノズルチップ110に設けた噴射穴112に目詰まりが発生した場合、ノズル本体101からノズルチップを容易に取り外すことができず、かつ、取り外して目詰まりを解消した後にノズル本体101内に再装填することが容易にできない問題がある。植物栽培装置において養液噴射用として用いる場合、大きな植物栽培室内では大量にノズルを設置しているため、ノズル自体に目詰まり防止機能を持たせてノズルをメンテナンスフリーとすることが好ましい。
【0007】
しかしながら、ノズルの噴射穴の寸法は噴霧流量により決定され、変更することはできない。従って、通常は噴射穴の寸法より小さな目開き(空孔)のストレーナが用いられ、噴射穴を詰まらせる異物をストレーナで捕捉してノズルへの流入を防いでいる。
また、旋回力を高めるために旋回溝の本数を3〜4本と多くすると、各旋回溝の溝寸法を狭くする必要があり、ストレーナを通過した異物により旋回溝に目詰まりが発生してしまう。一方、旋回溝の目詰まりを防止するために旋回溝の本数を1本等と少なくして溝寸法を広くすると、旋回流が弱まり液滴が微粒化されにくくなる。このように、ノズルの微粒化機能と目詰まり防止機能とを両立させ、ノズルの目詰まりを低減・防止してメンテナンスフリーとすることは難しい。
さらに、特許文献1のノズルのようにセラミック製のノズルチップを用いるとコスト高になる問題がある。
【0008】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、微粒化機能と目詰まり防止機能とを両立させた安価なノズルを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、
ノズル本体と、該ノズル本体に収容するクローザーを備え、
前記ノズル本体は中央に噴射穴が貫通した噴射側壁と外周壁を備え、該ノズル本体の噴射側壁と外周壁の内周面に囲まれた空間に前記クローザーが収容されており、
前記ノズル本体の噴射穴の大径流入口を前記噴射側壁の流入側内面の中央部分または前記クローザーの噴射側端面の中央部分に位置させ、該大径流入口を囲む外周段部に設けられる円弧状の旋回溝の内周端が前記大径流入口に開口すると共に、前記旋回溝の外周端を該クローザーの外周に設けられる液通路に開口させて前記旋回溝を流れる旋回流が前記噴射穴より噴霧されるものとし、かつ、前記旋回溝の内側端に寸法L1の幅と深さを有するオリフィスを備え、前記寸法L1は前記噴射穴の最小径部分の寸法と同等とされていることを特徴とするノズルを提供している。
【0010】
本発明のノズルは、旋回溝に設けるオリフィスの幅寸法と深さ寸法L1を噴射穴の最小径の寸法と同等としているため、供給する液体中に異物がある場合、該異物の径がL1以上であるとノズルに付設する後述のストレーナで捕捉すると共に、該ストレーナを通過する前記寸法L1より小さい異物は旋回溝のオリフィスで詰まることなく、養液の噴霧と共に前記噴射穴から外部に排出される。該旋回溝の数は限定されないが、微粒化機能を高める点から複数が好ましい。
【0011】
本発明のノズルでは、
前記ノズル本体またはクローザーに設けられる前記旋回溝は180度間隔をあけた一対からなり、これら旋回溝は外周端から内周端に向けて次第に幅狭にされていると共に断面U形状で底部はアール形状とされ、該旋回溝の外周に連通する液通路が前記クローザーの外周面またはノズル本体の内周面に設けられていることが好ましい。
【0012】
前記ノズル本体およびクローザーはフッ素樹脂等の樹脂製とすることが好ましい。
【0013】
前記のようにノズル本体とクローザーとを樹脂製、好ましくはフッ素樹脂の成形品とすると、セラミックス製のクローザーを用いる場合と比較して、ノズルを安価に製造でき、大幅なコスト低減を図れる。かつ、フッ素樹脂製とすると、平滑性に優れるため、異物が付着しにくく、目詰まり防止の点からも好ましい。
さらに、旋回溝を180度間隔をあけて2つ設けると、旋回溝から噴射穴に流入する液同士を衝突させて微粒化を促進できる。さらに、各旋回溝の底部に角があると噴霧する養液中の異物が析出して堆積し目詰まりが発生しやすくなるが、旋回溝の底部をアール形状とすると旋回溝内の異物の堆積を防止することができる。
【0014】
本発明のノズルは、具体的には、前記ノズル本体と、該ノズル本体内に固定されているクローザーとからなり、前記ノズル本体の噴射側壁の流入側内面に前記大径流入口を囲む外周段部および前記旋回溝が設けられ、前記クローザーは、平坦面からなる噴射側端面が前記ノズル本体の外周段部に押接されると共に、該クローザーの外周面が前記ノズル本体の外周壁の内周面に押接されることが好ましい。
【0015】
前記ノズルは、好ましくはフッ素樹脂からなる樹脂成形品のノズル本体とクローザーとの2部品でノズルを構成しているため、ノズルの簡素化および小型化が図れ、ノズルの製造コストを大幅に低下できる。
かつ、ノズル本体内にクローザーを圧入固定し、クローザーの平坦面からなる噴射側端面が前記ノズル本体の外周段部に押接されると共に、該クローザーの外周面が前記ノズル本体の外周壁の内周面に押接される。このように、バネ等の付勢手段を用いずにクローザーをノズル本体内部に固定しているため、ノズルの構造をより簡素化でき、ノズルの小型化および低コスト化を図ることができる。
【0016】
本発明のノズルは、具体的には、
前記ノズル本体に外嵌するケーシングおよび前記ノズル本体側へ前記クローザーを押圧するバネを備え、
前記クローザーの噴射側端面の中央凹部が前記噴射穴の大径流入口とされ、該大径流入口
を囲むクローザー側の前記外周段部に前記旋回溝が設けられている構造としてもよい。
【0017】
前記ケーシングおよびバネを付設したノズルは、部品点数が増加するが、クローザーをノズル本体から分解しやすく、クローザーの噴射側端面に設ける旋回溝に目詰まりが発生した場合に、分解してメンテナンスを容易に行うことができる。
【0018】
前記いずれのノズルにおいても、ノズル本体に設ける噴射穴は、噴射側に前記寸法L1の最小径部分を備え、該最小径部分を流入端側の円錐状拡径部と連続させ、該円錐状拡径部を大径直線通路と連続させ、該大径直線通路の流入端を大径流入口としている。
【0019】
噴霧圧を1〜6MPa、噴霧する水滴の粒子径を100μm以下、平均粒子径を10〜30μmとすることが好ましい。
本発明のノズルでは前記旋回溝のオリフィスで液体圧力を高めることで、供給する液体圧力を1〜6MPa、好ましくは1〜2MPaの低圧としても、噴霧する液体の粒子径を100μm以下、平均粒子径を10〜30μmとすることができる。
【0020】
前記ノズル本体の外周壁の内面と前記クローザーの外周面との間の液通路の流入口に液を供給するストレーナを備え、該ストレーナは多孔質材からなる筒形状で三次元状に連続する空孔を備え、空孔率は40〜80%であり、該ストレーナは液供給管の内部に閉鎖端側を突出させて取り付けられ、該液供給管への突出部分の外周面を複数の円弧部を連続させた花弁形状としていることが好ましい。
該ストレーナの空孔の平均径を前記ノズルの噴射穴の最小径部分および旋回溝のオリフィスの寸法L1より小さくして噴射穴およびオリフィスで詰まりが生じる異物をストレーナの通過時に捕捉してノズルに流入させないようにしている。
【0021】
前記のように、ノズルの流入側にストレーナを組みつけ、液体中の異物がノズルの旋回溝および噴射穴に流入する前にストレーナで捕捉して除去すると、噴射圧力を高圧とする旋回溝のオリフィスおよびノズル本体の噴射穴が異物により目詰まりするのを確実に防止できる。
【0022】
前記ノズルは、噴霧する液滴の粒子径を100μm以下、平均粒子径を10〜30μmとすると、植物栽培装置内に例えば100〜1000mmピッチで取り付け、養液噴霧用のノズルとして用いることができる。
【0023】
本発明は、前記ノズルを養液噴霧用とする植物栽培装置を提供している。
即ち、栽培植物の根部が下垂する細長い中空の栽培ボックスを備え、該栽培ボックスの長さ方向の側壁内面に沿って養液供給管が取り付けられ、該養液供給管に所要間隔をあけて養液からなる一流体を噴霧する前記ノズルが取り付けられていることを特徴とする植物栽培装置を提供している。
【0024】
前記本発明のノズルは、ノズル本体およびクローザーを樹脂成形品としているため、ノズルの製造コストを大幅に低下でき、ノズルの単価を低減できる。よって、大量にノズルを配置する必要がある植物栽培用の養液噴霧ノズルとして好適なものとなる。
【0025】
さらに、本発明は、前記ノズル本体と前記クローザーを備えたノズルに、チェックバルブを付設してもよい。即ち、ノズル本体のクローザーが収容されている空間に連通する液通路に弁座部を設け、該弁座部を開閉する止水弁を前記空間に収容し、該止水弁と前記クローザーとの間にバネを介設し、該バネにより前記クローザーをノズル本体の噴射側壁に向けて付勢すると共に前記止水弁を前記弁座部に向けて付勢してもよい。
【0026】
さらに、前記チェックバルブを設けたノズルに前記ストレーナを付設し、ストレーナから前記止水弁により開閉される液入口に液体を流入してもよい。
【0027】
前記チェックバルブで用いる止水弁は、前記弁座部との間に流入側の第1シール部と流出側の第2シール部を備え、前記第1シール部は前記液通路の開口の周縁と前記止水弁の先端側外面に設ける一方、前記第2シール部は前記止水弁の外周面と前記弁座部の外周側内面との間に設け、液流入時には前記第1シール部が開いた後に第2シール部が開くと共に、止水時には前記第1シール部が閉じた後に第2シールが閉じる2段階の開閉機構を備えていることが好ましい。
【0028】
前記チェックバルブを備えたノズルは、ノズルから液体がボタ落ちするのを確実に防止する必要がある用途に好適に用いられ、例えば、ヒートアイランド現象緩和用として水を噴霧するノズル等として好適に用いられる。
【発明の効果】
【0029】
前述したように、本発明のノズルは、樹脂成形品のノズル本体とクローザーを備えた構造としているため、ノズルの製造コストを低減できる。かつ、噴射穴の流入口に連通させる旋回溝のオリフィスを該噴射穴の最小径部分の寸法と同等寸法としているため、旋回溝での目詰まり発生を防止できる。かつ、該旋回溝のオリフィスで噴射穴へ流入させる噴射圧を高めることができ微粒化を促進できる。特に、旋回溝を180度間隔をあけて2つ設けると、液同士を衝突させて微粒化を促進できる。このように、ノズルの微粒化機能と目詰まり防止機能を両立させたノズルとすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明のノズルの実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1乃至
図5に示す第1実施形態のストレーナ付きのノズル1は、
図11および
図12に示すように植物栽培装置において養液を噴霧する養液噴霧用のノズルとして用いられている。該ノズル1は一流体ノズルからなり、ノズル1のノズル本体3にストレーナ30を内嵌固定して組みつけている。
【0032】
ノズル1はノズル本体3とクローザー5の2部材からなり、該2部材はいずれも樹脂成形品からなる。樹脂はナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等で形成しているが、本実施形態では、剛性、強度および平滑性に優れた点からフッ素樹脂製としている。
【0033】
前記ノズル本体3は
図1および
図2に示すように、噴射側壁3aと該噴射側壁の外周に連続する外周壁3bを備え、噴射側壁3aと対向する他端は開口としている。ノズル本体3の噴射側壁3aと外周壁3bの内周面に囲まれた空間3cにクローザー5を内嵌固定して収容し、噴射側壁3aの中央に噴射穴10を貫通して設けている。
【0034】
前記噴射穴10は、
図2(C)に示すように、噴射側に噴射口10aに連続する小径部を備え、該小径部に直径(L1)の最小径部分10bを設け、該小径部に流入端側を広げた円錐状拡径部10cと連続させ、該円錐状拡径部10cを大径直線通路10dと連続させた形状とし、該大径直線通路10dの流入端を大径流入口10eとしている。
【0035】
ノズル本体3の空間3cに面する噴射側壁3aの流入側内面には、
図2(D)に示すように、中央に開口する大径流入口10eを囲む円形状の外周段部3dを設け、該外周段部3dに180度間隔をあけて一対の円弧状の旋回溝12(12A、12B)を設けている。これら旋回溝12の内周端12iを大径流入口10eに180度間隔をあけて開口して連通している。かつ、これら旋回溝12の外周端12uを外周段部3dを囲む環状凹部からなる液流入部3eに開口している
【0036】
旋回溝12(12A、12B)は外周端12uから内周端12iに向けて円弧状に湾曲すると共に、次第に幅狭としている。噴射穴10に開口する内周端側に最小幅としたオリフィス12fを設けている。
図2(E)に示すように、オリフィス12fの開口の幅寸法12wは前記噴射穴10の最小径部分10bの幅L1と同一としている。かつ、オリフィス12fの深さ寸法12hも寸法L1としている。これにより噴射穴10より小さい異物であれば旋回溝12のオリフィス12fで詰まることはなく、噴射穴10からの養液の噴霧と共に外部に排出されるようにしている。
さらに、旋回溝12は断面U形状とし、底部はアール形状とし、異物が引っ掛かるエッジを設けておらず、メンテナンス時に容易に除去できるようにしている。
【0037】
ノズル本体3の外周壁3bの流入側に段部3hを介して小径部3iを設け、該小径部3iに液供給管40と螺着するネジ部3mを設けている。
【0038】
クローザー5は
図1および
図3に示すように略円柱形状とすると共に流入側の先端中央に液流入口5cを設けている。該クローザー5はノズル本体3の空間3cに内嵌固定し、クローザー5の平坦面からなる噴射側端面5aをノズル本体3の外周段部3dに押接すると共に、該クローザー5の外周面5gをノズル本体3の外周壁3bの内周面に押接している。
【0039】
クローザー5の噴射側端面5aがノズル本体の大径流入口10eを囲む外周段部3dに押接されることで、旋回溝12A、12Bの閉断面の旋回通路としている。
クローザー5の外周面5gに90度間隔をあけて4つの円弧状の窪み13を設け、ノズル本体の外周壁3bとの間に液通路15を設けている。該液通路15はノズル本体3の液流入部3eに連通させている。
【0040】
クローザー5の液流入口5cを囲む外周壁には、液流入口5cを窪み13と連通する径方向の液通路5hを設けている。これにより、クローザー5の液流入口5cに流入する液が液通路5h、15を通してノズル本体3の液流入部3eに流入し、旋回溝12を通して噴射穴10に旋回流として流入し、先端から外部に噴射されるようにしている。
【0041】
前記ノズル本体3にクローザー5を内嵌固定して組み立てるノズル1に、前記のように、ストレーナ30をノズル本体3の流入側に内嵌固定して組みつけている。
【0042】
ストレーナ30は
図4(C)に示すように三次元状に連続する空孔35を備えた樹脂材からなり、空孔率は40〜80%としている。
噴射穴10の最小径部分10bおよび旋回溝12のオリフィス12fの寸法L1は、ストレーナ30の空孔35の平均径より大きくして、ノズルのオリフィス12fおよび噴射穴10で詰まる異物をストレーナ30で予め捕捉できるようにしている。
ストレーナ30はノズル本体3の外周壁3bの流入側に内嵌固定する前部30aと、該前部30aの後部に連続させる後部30bとからなり、前部30aの前端から後部30bの中間部まで中心穴からなる液通路33を設けている。前部30aの前端面をクローザー5の流入側端面に押接し、液通路33はクローザー5の液流入口5cに開口し、前記のように噴射穴10へと流通させる構成としている。
【0043】
かつ、ストレーナ30の後部30bの外周面は
図4(B)に示すように4つの円弧部32を突出して花弁形状とし、表面積を増大させて、ストレーナ30の吸液量を多くしている。この円弧部32を設けた後部30bは液供給管40内に突出し、液供給管40内を流通する液体Qを円弧部32より吸収している。
【0044】
前記実施形態のストレーナ30を付設したノズル1では、
図5に示すように液供給管40の周壁40aに設けたネジ穴40bにノズル本体3の外周壁3bのネジ部3mを螺合して、液供給管40内にストレーナ30を突出させて取り付けている。
【0045】
液供給管40から供給される液体Qがストレーナ30を通して導入され、該ストレーナ30で液体Qに混入する異物が捕捉される。ストレーナ30を通った液は中心の液通路33を通って、ノズル1内のクローザー5に流入し、液通路15を通して旋回溝12に流入する。
【0046】
旋回溝12(12A、12B)を流通する過程で、オリフィス12fに向けて流路断面積を漸次減少しているため液体圧が高められ、内周端12iから噴射穴10の大径流入口10eへ旋回しながら流れ込み、ノズル本体3の噴射穴10を通して旋回しながら噴射され外部へ飛散する。旋回溝12のオリフィス12fおよび噴射穴10の最小径部分10bで噴射圧が高められることより、外部に噴射される噴霧の飛距離は長くなる。かつ、旋回溝12で旋回された状態で噴射穴10を旋回しながら流通するため、液滴同士が衝突して微粒化される。このように、微粒化機能が優れているため、供給する液体圧力を1〜6MPa、本実施形態では1〜2MPaの低圧としても、粒子径が100μm以下、平均粒子径が10〜30μmのセミドライフォグを噴霧できる。
【0047】
また、液供給管40から供給する液体Qに異物が混入していると、まず、ストレーナ30の通過時に、ストレーナ30の空孔35によりオリフィス12fおよび噴射穴10で詰まる異物を予め捕捉しているため、オリフィス12fおよび噴射穴10の最小径部分10bで詰まる異物はノズル1に流入しない。また、ストレーナ30を通過した噴射穴10の最小径部分10bより小さい異物は旋回溝12のオリフィス12fで詰まることなく噴射穴10からそのまま外部へ排出される。その結果、噴射穴10およびオリフィス12fでの異物による目詰まり発生を防止できる機能も優れている。
【0048】
なお、液供給管40より供給する液体の異物混入率が極めて低い場合、ノズル1をストレーナ30を付設せずに用いることもできる。
【0049】
前記第1実施形態のノズル1は、樹脂成形品からなるノズル本体3とクローザー5との2部品を組み立てて構成しており、部品点数が少ないことより、製造コストおよび組立コストを大幅に低減することができる。
【0050】
図6乃至
図10に第2実施形態のノズル1ーBを示す。
該ノズル1−Bも
図11および
図12に示す植物栽培装置において養液を噴霧する養液噴霧用のノズルとして用いられている。
ノズル1ーBは一流体ノズルからなり、ノズル本体3ーBにストレーナ30を螺合して組みつけている。
【0051】
ストレーナ付きのノズル1ーBは、ノズル本体3ーB、クローザー5−B、ノズル本体3−Bに外嵌するケーシング2、クローザー5−Bをノズル本体3−Bに付勢するバネ4、さらに、ケーシング2にストレーナ30を連結するストレーナホルダ31から組み立てている。ノズル本体3−Bおよびクローザー5−Bは第1実施形態と同様にフッ素樹脂の成形品とし、ケーシング2は金属製としている。
【0052】
ケーシング2は、円筒状の周壁2aの一端を噴射側壁2bで閉鎖し、その中央に大径の開口2dを設けている。周壁2aの他端の開口2eにストレーナホルダ31の前部を螺合している。以下、噴射側を前部、反対の液流入側を後部と称する。
【0053】
前記ケーシング2の周壁2aと噴射側壁2bで囲まれた内部空間に開口2eよりノズル本体3ーBを挿入して噴射側壁2bの開口2dを内面から閉鎖する状態で当接させ、続いてクローザー5ーB、バネ4を挿入し、前記ストレーナホルダ31を螺合している。ストレーナホルダ31の前端の凹部31aの底面とクローザー5ーBとの間にバネ4を張架し、クローザー5ーB、ノズル本体3ーBをケーシング2の噴射側壁2bの方向に押圧している。
【0054】
前記ノズル本体3ーBは
図7および
図8に示すように、ケーシング2の噴射側壁2bの内面に当接させる噴射側壁3aと周壁2aの内周面に密着させる外周壁3bを備えている。噴射側壁3aの中央に噴射穴10を貫通して設け、該噴射穴10をケーシング2の開口2dの中央に位置させている。
【0055】
前記噴射穴10は、噴射側端に噴射口10a、該噴射口10aに最小径部分10bを連続させ、該最小径部分10bを流入端側を広げた円錐状拡径部10cと連続させ、該円錐状拡径部10cを大径直線通路10dと連続させ、該大径直線通路10dの流入端を大径流入口10eとしている。かつ、大径流入口10eを囲んだ外周段部3dと外周壁3bとの間に環状凹部からなる液流入部3eを設けている。
【0056】
ノズル本体3ーBの流入側に組みつけるクローザー5ーBは、
図9に示すように、噴射側端面5aの中央部分に噴射穴の大径流入口10eと連通する同一形状の凹部5bを設けており、該凹部5bが噴射穴10の実質上の大径流入口となる。
前記凹部5bを囲む噴射側端面5aから突出する外周段部5sを設け、該外周段部5sの外周端から内周端の凹部5bにかけて
図9(B)に示す一対の円弧状の旋回溝12(12A、12B)を設けている。
【0057】
クローザー5ーBの噴射側端面に設ける旋回溝12は、第1実施形態のノズル本体3に設ける旋回溝12と同形状とし、その内周端12iを大径流入口となる凹部5bの対向面に開口させて噴射側端面5aに浅く凹設し、外周段部5sに溝底面を同一平面として深く凹設し、外周端12uをノズル本体3−Bの外周壁3bとの間の空間からなる液流入部15Aに開口している。
【0058】
前記一対の旋回溝12は、外周端から内周端に向けて円弧状に湾曲すると共に溝幅を漸次縮小し、中央の凹部5bと接する部分を最小幅となるオリフィス12fとしている。該オリフィス12fの断面形状は第1実施形態の
図2(E)と同様な
図9(C)に示すU字形とし、幅寸法12wおよび深さ寸法12hを噴射穴10の最小径部分10bの幅寸法L1と同一としている。
【0059】
クローザー5ーBには、外周段部5sより後部にノズル本体3ーBの外周壁3bの内周面に嵌合する大径の外周面5gを設けている。第1実施形態と同様に、外周面5gに周方向に等間隔をあけて4つの円弧状の窪み13を設け、該窪み13とノズル本体3−Bの外周壁3bとの間の空間を液通路15Bとし、旋回溝12の外周端が開口する液流入部15Aに連通させている。
【0060】
外周面5gの流入側後部に段状の小径部5kを設け、該小径部5kとノズル本体3−Bの外周壁3bとの間の空間を液通路15Cとし、前記液通路15Bと連通している。かつ、外周面5gと小径部5kとの間の段差面5jを前記バネ4の前端の受け面としている。
【0061】
前記ケーシング2、ノズル本体3ーB、クローザー5ーBを組み立てて形成するノズル1ーBに、前記のように、ストレーナ30をストレーナホルダ31と組みつけたストレーナユニットとして取り付けている。
ストレーナホルダ31は筒形状で、ケーシング2の周壁2aの内周面に螺合する前部31bの内部にバネ4を収容する前記凹部31aを設けている。該凹部31aの底面に液通路31cを中心軸線に沿って設け、後部31dの後端開口の凹部31eの中央開口に連通している。後部31dの外周面にネジ31mを設け、
図10に示す液供給管40の周壁40aに設けたネジ穴40bと螺合して、液供給管40内に突出している。
【0062】
ストレーナ30は第1実施形態と同一部材からなり、前部30aをストレーナホルダ31の凹部31eに内嵌固定し、液通路33を液通路31cに連通させている。該ストレーナ30の空孔も第1実施形態と同様とし、ノズル1−Bで噴射穴の最小径部分および旋回溝のオリフィスで詰まる大きさの異物をストレーナ30で捕捉できるようにしている。
【0063】
第2実施形態のストレーナを付設したノズル1ーBでは、液供給管40から供給される液体Qがストレーナ30を通して導入され、該ストレーナ30で液体Qに混入する異物が捕捉される。ストレーナ30を通った液は中心の液通路33を通ってストレーナホルダ31の液通路31c、凹部31aをへてノズル1ーB内に流れ込む。ノズル1ーB内で、クローザー5ーBの小径部5kの外周とノズル本体3−Bとの間の液通路15C、窪み13とノズル本体3−Bとの間の液通路15B、旋回溝12の外周端12uとノズル本体3−Bの間の液流入部15Aを通って、旋回溝12に流入する。
【0064】
旋回溝12(12A、12B)を流通する過程で、オリフィス12fに向けて流路断面積を漸次減少しているため液体圧が高められ、内周端12iから中心の凹部5b内に旋回しながら流れ込み、ノズル本体3−Bの噴射穴10を通して旋回しながら噴射され外部へ飛散する。旋回溝12のオリフィス12fおよび噴射穴の最小径部分10bで噴射圧が高められ、噴射穴から所要の噴射角αで噴射される。かつ、旋回溝12で旋回された状態で噴射穴10を旋回しながら流通するため、液滴同士が衝突して微粒化される。その結果、供給する液体圧力を1〜6MPa、本実施形態では1〜2MPaの低圧としても、粒子径が100μm以下、平均粒子径が10〜30μmのセミドライフォグを噴霧できる。
【0065】
また、液供給管40から供給する液体Qに異物が混入していると、ストレーナ30の通過時に、ストレーナ30の空孔35より大きな異物は捕捉され、噴射穴10の最小径部分10bで詰まる異物は流入せず、ストレーナ30を通過した異物も旋回溝12のオリフィス12fで詰まることなく噴射穴10からそのまま外部へ排出され、噴射穴10およびオリフィス12fでの異物による目詰まり発生を防止できる。
ケーシング2にクローザー5ーBと共にノズル本体3ーBを挿入して組みつけているため、ケーシング2よりノズル本体3ーBおよびクローザー5ーBを取り出して分解し、異物を除去するメンテナンスを行うこともできる。
【0066】
図11および
図12に、第1実施形態のストレーナ付きノズル1を植物栽培装置の養液噴霧用として用いる場合を示す。
植物栽培装置50では、
図11に示すように、搭載用フレーム51に上下2段で栽培ボックス52を搭載している。
図12に示すように、栽培ボックス52の上面開口を蓋材54で閉鎖し、栽培ボックス52の内部を略密閉された中空部52cとしている。蓋材54は発泡スチロールからなる基板の上面に遮熱板を固着している。蓋材54に間隔をあけて植付穴を設け、蓋材54でフロート支持された栽培植物Pの根部Prを植付穴を通して中空部52cの上部に垂れ下げている。
【0067】
栽培ボックス52の長さ方向の両側壁52wの内面に沿って略全長に一対の養液供給管53を配管し、これら養液供給管53に一定間隔をあけて内部側に向けて養液のみの一流体を噴霧するノズル1を取り付けている。
図12(D)に示すように、両側の養液供給管53の長さ方向の一端を共通配管53aを介してポンプ55と接続し、該ポンプ55を養液タンク(図示せず)と接続し、ノズル1より養液を植物Pの根部Prに向けて噴霧している。其の際、両側のノズル1から所定時間間隔をあけて交互に養液を噴霧することが好ましい。
【0068】
前記ノズル1は養液の噴射圧力が1MPa〜6MPaとなるように、ポンプ55の吐出圧を制御している。ノズル1では噴射穴10から旋回流として養液を噴霧しているため、噴射圧力が増加すると、旋回流として噴射される噴霧が分布する角度、即ち、噴霧角度は次第に増加する。かつ、前記ノズル1からの噴射圧を前記設定範囲として、噴霧する養液は粒子径を100μm以下、平均粒子径を10〜30μmとしている。
【0069】
栽培ボックス52内に、ノズルから10μm以下の微細な養液を含む霧(所謂ドライフォグ)を噴霧すると、空気中に浮遊する液滴が植物に吸収されずに栽培ボックス52の底部に溜まりやすく、植物Pの根部Prに吸収されず、非効率となる。
これに対して、本発明で用いるノズル1は平均粒子径を10〜30μmの所謂セミドライフォグとしているため、栽培植物の根茎に直接的に無駄なく吸収させることができると共に、20μm未満の超微粒の液滴を栽培ボックス内の空気中に浮遊させ、ノズル噴射側と反対側や根茎から分岐する髭部分に養液を付着させることができる。
なお、霧の平均粒子径はレーザ法で測定している。
このように、ノズル1からの噴霧全体の平均粒径を10〜30μmの微霧からなるセミドライフォグとしているため、栽培ボックス52の底部に水滴となって落下しにくく、栽培植物の根部への養液吸収率を高めると共に養液の無駄を無くすことができる。
【0070】
前記のように、両側に千鳥配置するノズル1から栽培ボックス52内に向けて噴霧すると、栽培ボックス52内の全体に略均等に噴霧を充満させ、栽培植物Pの根部の全周に渡って均等に養液を吸収させることができる。かつ、栽培植物Pの根部Prと対向位置のノズル1から根部Prに向けて噴霧することで、液滴を根部に直接に吸収させて、養液の無駄を無くし、より経済的な営農ができる。
【0071】
なお、ノズル1には、養液に代えて、洗浄水となる水道水を間欠的に供給し、養液をノズル1に供給していない時に洗浄水を供給している。この洗浄水の供給開始と停止は、噴霧開始および噴霧停止と共に制御装置を用いて自動制御で行うことが好ましい。
【0072】
図13および
図14に本発明の第3実施形態のチェックバルブ付きのノズル1−Cを示す。
該ノズル1−Cは噴霧開始時から所要の噴霧パターンで且つ所要の液滴で噴霧でき、かつ、噴霧停止時に液滴がボタ落ちするのを確実に防止できるようにチェックバルブを組みつけている。該第3実施形態のノズル1−Cは、前記第2実施形態の
図6〜
図10に示すノズル1−Bに、本出願人の特許第5118410号公報で提示したチェックバルブと同様なチェックバルブ機構を付設している。
【0073】
図13に示すように、ノズル本体3−Bとストレーナホルダ31とにより構成するクローザー収容用の空間62の液流入側にチェックバルブ機構を構成する止水弁60を収容し、噴射側に収容するクローザー5−Bと止水弁60との間にバネ4を縮装している。止水弁60を収容している空間62の流入側となるストレーナホルダ31の凹部31aに底面31a1に向けて縮径する傾斜内周面31a2を設け、かつ、底面31a1の中央に開口する液通路31cを小径とし、該液通路31cをストレーナ30の液通路33と連通している。
【0074】
前記液通路31cの開口周縁に円弧状の弁座部63を設けている。止水弁60は液体圧で弾性変形するゴム成形品からなり、ポペット形状とし、球状部60aの噴射側中央部から段差部60bを介して小径軸部60cが突出し、段差部60bにバネ4の一端を係止している。
止水弁60の球状部60aの先端側60p1が弁座部63と面接触する第1シール部C1を設けている。かつ、該球状部60aの最大外周部60p2が傾斜内周面31a2と線接触する第2シール部C2を設けている。かつ、第1シール部C1と第2シール部C2の間に、止水弁60が常時非接触の液溜め部66を設けている。
【0075】
止水弁60の第1シール部C1の第一受圧面の面積S1と、第2シール部C2の第二受圧面の面積S2とは、S1:S2=1:2〜1:10としている。
これにより、
図14(B)に示すように、第1シール部C1が弾性変形して開弁しても、第2シール部C2は移動せず、液体圧力が所要圧に達した時に
図14(C)に示すように第2シール部C2が開弁する設定としている。
【0076】
前記チェックバルブ付きのノズル1−Cを
図10と同様に、液供給管に接続し、液体をノズルから噴霧している。他の構成は第2実施形態と同様であり、ノズル1−Bと同一構成部分は同一符号を付して説明を省略する。
前記止水弁60と弁座部63とからなるチェックバルブ機構は、前記特許第5118410号公報の記載と同様な開閉作動をする。
【0077】
第3実施形態のノズル1−Cは、前記のように止水弁60と弁座部63との間に流入側の第1シール部C1と流出側の第2シール部C2を備えた構成としているため、
図14(A)に示すように、第1、第2シール部C1、C2が閉じた状態から、流入する液体の液圧が加えられると、(B)に示すように、まず、第1シール部C1が開き、ついで、(C)に示すように第2シール部C2が開き、2段階の開き工程を経て止水弁60を開き、空間62に流入する液体は噴射側のクローザー5−Bを経て噴射口から外部に噴霧され、かつ、液溜め部66に液体を溜める。一方、液体の供給が遮断される止水時には、第1シール部C1が閉じた後に第2シールC2が閉じ、2段階で閉じる。
【0078】
前記のように、チェックバルブ機構は、開弁時に、まず、第1シール部C1が開くが、第2シール部C2は開弁していないため、開弁開始時に液体が少しづつ通過することはなく、第2シール部C2が開弁した時に所要圧となった液体を一気に通過させることができる。その結果、ノズル1−Cの噴射口からの噴霧開始時から所要の噴霧パターンで所要の粒径の噴霧を発生させることができる。
一方、液体供給停止時には、第2シール部C2の流路が狭くなり、スプリング4との対向液圧の低減により、第1シール部C1を一気に閉じることができる。その結果、噴射口からの液滴のボタ落ちの発生を低減できる。
【0079】
前記第3実施形態のノズルは、ヒートアイランド対策用のノズル等として好適に用いれるが、植物栽培装置の養液噴霧用として用いてもよい。