特許第6671711号(P6671711)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671711ラウリン酸石鹸のスティンギング刺激緩和剤、及びそれを用いたゲル状石鹸
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6671711
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】ラウリン酸石鹸のスティンギング刺激緩和剤、及びそれを用いたゲル状石鹸
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/36 20060101AFI20200316BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20200316BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20200316BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20200316BHJP
   C11D 1/04 20060101ALI20200316BHJP
   C11D 3/30 20060101ALI20200316BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20200316BHJP
   C11D 3/22 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   A61K8/36
   A61K8/73
   A61K8/34
   A61K8/41
   A61K8/60
   A61Q19/10
   C11D1/04
   C11D3/30
   C11D17/08
   C11D3/22
【請求項の数】2
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2018-239554(P2018-239554)
(22)【出願日】2018年12月21日
【審査請求日】2019年6月11日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000180807
【氏名又は名称】資生堂ホネケーキ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(74)【代理人】
【識別番号】100188260
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 愼二
(72)【発明者】
【氏名】仁科 哲夫
(72)【発明者】
【氏名】清水 裕太
(72)【発明者】
【氏名】原田 昂輝
(72)【発明者】
【氏名】田村 宇平
【審査官】 塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−039350(JP,A)
【文献】 特許第6492155(JP,B1)
【文献】 特開2013−147455(JP,A)
【文献】 特開2013−127019(JP,A)
【文献】 特開2001−139456(JP,A)
【文献】 特開2013−100305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−99/00
C11D 1/04
C11D 3/22
C11D 3/30
C11D 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脂肪酸塩2〜11質量%と、キシログルカン0.5〜3質量%と、カチオン化キサンタンガム0.2〜3質量%と、キシリトールを0.1質量%以上と、を含み、
実質的に脂肪酸ナトリウム塩および脂肪酸カリウム塩を含まず、
上記脂肪酸塩は、ラウリン酸を0.5質量%以上と、ラウリン酸対イオンとして等量以上の2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール及び/又はトリエタノールアミンを含むことを特徴とする透明ゲル状洗浄剤。
【請求項2】
請求項に記載のゲル状洗浄剤において、1%水溶液のpHが8.5以下であることを特徴とするゲル状洗浄剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はラウリン酸石鹸のスティンギング刺激緩和剤、及びそれを用いたラウリン酸含有ゲル状石鹸に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、皮膚洗浄料は、外観上、粉体、固形、液状、ペースト状、ゲル状等に分類されており、中でも透明なゲル状洗浄料は、独特の高級感があり商品価値が高いものと考えられている。
このようなゲル状洗浄剤の主洗浄剤として、一般の非イオン性界面活性剤などを用いると、泡立ちが悪くなってしまい、ヌルツキが感じられ、すすぎ性が悪くなってしまう。このため、泡立ちが良好で、さっぱりとした使用感を持つ石鹸(脂肪酸塩)が好まれている。
一般の固形脂肪酸石鹸は、C12〜C18の高級脂肪酸のカリウム、ナトリウム塩を主成分とするが、C14〜C18の脂肪酸塩が多く含まれるため、硬度が高くなりやすく、また透明性も悪いため、特に使用感や透明性を重視するゲル状洗浄料には不向きである。
このため、特にゲル状洗浄料には、ラウリン酸(C12)のカリウム塩、トリエタノールアミン(TEA)塩等を主に用いることが検討されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5020415号
【特許文献2】特開2008−100963号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本発明者らが検討をしたところ、ラウリン酸塩にはスティンギング刺激が認められる場合があることが明らかとされた。
ここで、スティンギング刺激とは、一般的には特段の毒性、或いは炎症に起因する刺激性が認められない化合物に対し、敏感肌の使用者の一部に皮膚感覚刺激が認められるものであり、詳細な発症機構は明らかではないため、対策も難しい。
【0005】
本発明は前記従来技術に鑑み行われたものであり、その解決すべき課題は、ラウリン酸石鹸に起因するスティンギング刺激を緩和するスティンギング刺激緩和剤、及びそれを用いたゲル状洗浄料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らが前述の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ラウリン酸塩によるスティンギング刺激に対して、キシリトールが優れた緩和効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
また、本発明にかかるゲル状洗浄剤は、ラウリン酸を0.5質量%以上と、ラウリン酸対イオンとして当量以上のナトリウム、カリウム、2−アミノー2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール及び/又はトリエタノールアミンと、ゲル化剤と、0.1質量%以上のキシリトールとを含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明にかかるゲル状洗浄剤において、
(A)脂肪酸トリエタノールアミン塩2〜11質量%と
(B)キシログルカン0.5〜3質量%と
(C)カチオン化キサンタンガム0.2〜3質量%を含み、
実質的に脂肪酸ナトリウム塩および脂肪酸カリウム塩を含まず、透明であることが好適である。なお、ここで脂肪酸ナトリウム塩及び脂肪酸カリウム塩を含まないとは、対イオンとしてのナトリウム、カリウムが全対イオン中の10%以下であることを意味する。
【0009】
前記ゲル状洗浄剤において、キシログルカンのゲル化を促進するためポリオール類を併用することが好ましい。
【0010】
前記ゲル状洗浄剤において、キシログルカン中の還元糖による着色反応を防ぐため、1%水溶液のpHが8.5以下であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、洗浄剤として汎用されるラウリン酸塩のスティンギング緩和剤として、キシリトールを用いることにより、ラウリン酸塩の感覚刺激を改善することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(A)キシリトール
本発明において、ラウリン酸塩のスティンギング緩和剤としてのキシリトールは、化学式C12で表される、キシロースから合成される糖アルコールの一種であり、毒性は確認されていない。
キシリトールを、ラウリン酸塩のスティンギング緩和剤として用いる場合、緩和効果の顕著な発現という観点からは、組成物に対して0.1質量%以上添加することが好ましく、緩和効果の改善効率の観点からは、10質量%倍以下の添加量とすることが好ましい。
【0013】
(B)脂肪酸塩
本発明にかかるゲル状洗浄剤においては、洗浄主剤としてラウリン酸を必須とする脂肪酸塩を用いる。
脂肪酸塩の配合量は、2〜11質量%であると、外観が透明となり、また泡立ち等使用感が良好となるため好ましい。さらに好ましくは、3〜9質量%である。2質量%未満であると、泡立ち性、洗浄性が不足するという理由で好ましくない場合がある。また、11質量%を超えると外観が不透明になるという理由で好ましくない場合がある。
【0014】
(A)脂肪酸塩として用いることができる脂肪酸としては、単一脂肪酸、混合脂肪酸が挙げられる。単一脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、べヘン酸、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸、イソステアリン酸等が挙げられる。また、混合脂肪酸としては、例えば、パーム核油脂肪酸、椰子油脂肪酸等が挙げられる。混合脂肪酸は、比較的低鎖長の混合脂肪酸組成を有するものが好ましい。
これらの中でも、ラウリン酸が泡立ち性、外観透明性が良好という観点で必須である。
【0015】
脂肪酸の対イオンとしては、ナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン、2−アミノー2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールなどが用いられる。トリエタノールアミンを用いる場合には、脂肪酸に対する中和当量のモル数に対して、1.3倍以上であればゲル状石鹸の外観が透明となるため好ましい。1.3倍未満であると、ゲル状石鹸の外観が、透明とならない場合がある。また、3倍当量を超えると、刺激性が出る場合があるため好ましくない。2−アミノー2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールも、トリエタノールアミンとほぼ同様な特性を示す。
【0016】
トリエタノールアミンとしては、市販品では、トリエタノールアミンケア(BASF社製)等が挙げられる。
【0017】
(C)キシログルカン
本発明のゲル状洗浄料に好適に配合されるキシログルカンは、主に熱帯地方に産する豆科植物であるタマリンダス・インディカ(Tamarindus indica) の種子の主成分であり、下記式(I)で表わされる、β−1,4グルカンからなる主鎖の一部に、側鎖としてキシロースがα−1,6結合し、キシロースの一部にはガラクトースが結合した構造を有する、分子量が数十万の多糖である。
【0018】
【化1】
【0019】
式中、Glcはグルコースを表し、Xylはキシロースを表し、Galはガラクトースを表し、nは結合数を表す。
【0020】
キシログルカンの配合量は、0.5〜3質量%であると、ゲル状となるため好ましい。さらに好ましくは、1〜2質量%である。0.5質量%未満であると、洗浄料がゲル化しないという理由で好ましくない場合がある。また、3質量%を超えると、洗浄料の溶解性が低下するという理由で好ましくない場合がある。
【0021】
本発明ゲル状洗浄料には、例えば市販されているキシログルカン(商品名「グリロイド6C」,大日本製薬株式会社製)を配合することができる。なお、市販品を本発明ゲル状洗浄料に配合する場合には、可能な限り精製されたものを用いるのが好ましい。また、用いるキシログルカンの分子量は、特に限定されるものではない。
【0022】
本発明ゲル状洗浄料には、公知の方法、例えば、上記「グリロイド6C」の商品カタログに記載された方法で製造したキシログルカンを配合することができる。すなわち、タマリンドの種子から異物を除去し、これを浸漬した後粉砕して、この粉砕物から不純物を除去し、洗浄して乾燥し、最後に微粉砕することによって、キシログルカンを製造することができる。
【0023】
(D)カチオン化キサンタンガム
本発明に用いるカチオン化キサンタンガムはキサンタンガムをカチオン化変性した水溶性高分子である。キサンタンガムは、下記式(II)に示すような構造である。
【0024】
【化2】
【0025】
キサンタンガムをカチオン化変性すると、ゲル状洗浄料の離水抑制効果が向上するため、キサンタンガムを用いるよりも好適である。
【0026】
カチオン化変性するための、カチオン化剤は、キサンタンガムに含まれる水酸基の一部を例えば第4級窒素含有基等のカチオン化基により置換するものである。かかるカチオン化剤は、例えば、2,3−エポキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩、または3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウム塩であることが好ましい。これらの塩としては例えば、2,3−エポキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。また、上記カチオン化剤としては、その他例えば、塩化ヘキサメトニウム、塩化デカメトニウム、フェニルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、テトラノルマルブチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0027】
かかるカチオン化剤の添加量は、キサンタンガム1質量部に対して、例えば、0.05〜1.5質量部とすることができる。
【0028】
カチオン化キサンタンガムとしては、キサンタンヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドが好適に用いられる。
【0029】
カチオン化キサンタンガムの配合量は、0.2〜3質量%であると、キシログルカンゲルの増粘性を増強し、離水を抑制するため好ましい。さらに好ましくは、0.3〜1.5質量%である。0.2質量%未満であると、離水抑制効果が不十分であるという理由で好ましくない場合がある。また、3質量%を超えると、洗浄料の溶解性が低下するという理由で好ましくない場合がある。
【0030】
カチオン化キサンタンガムの市販品としては、例えば商品名「ラボールガムCX」DSP五協フード&ケミカル株式会社製が挙げられる。
【0031】
〈ゲル状洗浄料の製造方法〉
本発明にかかるゲル状洗浄料を製造するにあたっては、製造釜に、水、石鹸等の界面活性剤を仕込み加熱溶解後、グリコール等で湿潤分散したキシログルカンを添加して攪拌溶解。その後、グリセリン等を加えて増粘させ冷却する。
【0032】
本発明のゲル状洗浄料は、1%水溶液のpHが7.6〜8.5であると、温度安定性が高いという理由で好ましい。8.6を超えると、高温での褐変現象が起こる場合があり好ましくない。また、7.4未満であると、低温での結晶析出や白濁化が起こる場合があり好ましくない。
【0033】
実質的に脂肪酸ナトリウム塩および脂肪酸カリウム塩を含まないとは、主洗浄成分として、脂肪酸ナトリウム塩および脂肪酸カリウム塩が用いられていないことを表すが、1%水溶液のpHが8.5以下に保たれている場合にはこの限りではない。
【0034】
[その他の成分]
本発明にかかるゲル状洗浄料には、本発明の効果を損なわない範囲において、他の成分、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、油分、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、着色剤、水等を必要に応じて適宜配合し、目的とする剤形に応じて製造することが出来る。
【0035】
アニオン界面活性剤としては、例えば、高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ラウロイルメチルタウリンナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0036】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0037】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン等);ベタイン系界面活性剤(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アルキルスルホベタイン等)等が挙げられる。
【0038】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0039】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POE−ソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド、コカミドメチルモノエタノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ラウリン酸ジエチレングリコール;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0040】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0041】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0042】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0043】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,0000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、高重合ポリエチレングリコール等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0044】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0045】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ジモルホリノピリダジノ;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;2,4−ビス−{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン等が挙げられる。
【0046】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0047】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0048】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0049】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0050】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0051】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0052】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0053】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、2−アミノー2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0054】
pH調整剤としては、例えば、クエン酸、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0055】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0056】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、クロルフェネシン、フェノキシエタノール、安息香酸塩等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0057】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類等も適宜配合することができる。
【実施例1】
【0058】
以下、具体例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。構成成分の配合量は特に記載のない限り質量%である。なお、本発明で用いた評価方法は次の通りである。評価(1)〜(7)以外については、常法にて評価した。
【0059】
評価(1)スティンギング刺激性
ゲル状洗浄料を、濡らした顔に直接適用することを想定し、被検試料をイオン交換水で50%水溶液に希釈する。
被検試料希釈液を避けた綿棒を、官能試験パネラーの頬上部から瞼下に塗布する。
塗布直後から8分間の間で感じたもっとも高い刺激スコアでスティンギング刺激性を評価する。
刺激スコア 感覚刺激評点の基準 評点
6 我慢できないほどの強い感覚刺激を感じる ×
5 強い感覚刺激を感じる ×
4 はっきりと感覚刺激を感じる ×
3 時々感覚刺激を感じる △
2 何となくむずむずする、ちくちくするなどの感覚刺激を感じる ○△
1 冷感、温感、ツッパリなど、何となく違和感を感じる

0 感覚刺激を感じない ◎
【0060】
評価(2)実使用における泡立ち
専門のパネラーが、実際に、ゲル状洗浄料を使用することで、実使用における泡立ちを評価した。ぬるま湯で両手を濡らし、両手のひらで石鹸を10回転がした後、泡立てた。
○:泡立ち良好
○△:泡立ち普通
△:泡立ち不足
【0061】
評価(3):硬度
硬度は、レオメーター(株式会社サン科学社製)にて、8φアダプターを用いて石鹸ゲルの応力(反発力)を測定した。
【0062】
評価(4):外観
外観は、目視観察により各温度で評価した。
○:透明
○△:半透明
△:不透明
【0063】
評価(5):離水抑制作用
離水抑制効果については、以下の試験条件で算出した。
(1)石鹸を一辺約2cm立方体に切断し、スクリュー管に密閉。
(2)各温度のインキュベータにて試験後、石鹸を取り出し、重量変化から、離水率を算出。
○:離水率2%以下
○△:離水率2〜5%
△:離水率5〜10%
×:離水率10%以上
【0064】
評価(6):高温安定性
高温安定性は、50℃に4週間保存した後、褐変の程度を目視で観察した。
○:ほとんど褐変なし
△:やや褐変
×:褐変
【0065】
評価(7):さっぱりとした使用感
専門のパネラーが、実際に、ゲル状洗浄料を使用することで、すすぎ時および使用後のさっぱり感を評価した。
○:すすぎやすく、使用後はさっぱり
△:少しヌルつき、さっぱり感が弱い
×:すすぎ難くヌルつき、さっぱりとしない
【0066】
まず、本発明者らは、脂肪酸塩のスティンギング刺激性について検討を行った。すなわち、ラウリン酸、ラウリン酸+ミリスチン酸、ミリスチン酸に対し、トリエタノールアミンを用いて石鹸分4%となるように被検試料を調製した。
結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
前記表1より明らかなように、ミリスチン酸(C14)にはスティンギング刺激性は認められないが、ラウリン酸(C12)には比較的強いスティンギング刺激が観察され、その強さはラウリン酸濃度に依存する。
【0069】
そこで本発明者らは、ラウリン酸によるスティンギング刺激の緩和効果について、各種添加剤の検討を行った。
結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
【0071】
2%ラウリン酸TEA石鹸水溶液に対し、各種保湿剤、生薬等を有効分0.15%となるように添加し検討したが、キシリトールに優れたスティンギング刺激緩和効果があることが確認された。
【0072】
次に本発明者らは、ラウリン酸カリウム1質量%水溶液に対しキシリトールを各種濃度で添加し、スティンギング刺激低減効果について検討を行った。
結果を次の表3に示す。
【0073】
【表3】
【0074】
表3より、キシリトールによるスティンギング刺激緩和効果は、キシリトール濃度に依存して増強される。別途検討した結果より、洗浄料中0.1質量%以上、好ましくは0.5質量%以上で優れた緩和効果が認められる。キシリトール配合量の上限に関しては特に制限はないが、他の成分の配合量との関係から10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下が好ましい。
【0075】
次に本発明者らは、ラウリン酸TEAを洗浄成分として用いたゲル状洗浄料を調製し、キシリトールの添加効果を確認した。
結果を表4に示す。
【0076】
【表4】
【0077】
表4より、ゲル状洗浄料にラウリン酸を用いた場合にもスティンギング刺激は問題となり、キシリトールによる緩和効果も発現される。さらに、ゲル状洗浄料においては、透明性も高い商品価値を付与する重要な要素であるが、キシリトールの添加は透明性にも影響がないことが解った。
なお、本発明者らの検討によれば、ゲル状洗浄料に用いられる脂肪酸の中和剤にトリエタノールアミンを用いると褐変を抑制することが確認されている。
すなわち、脂肪酸の中和剤を変えてゲル状洗浄料を作成し、pHの違いと、高温での褐変性の変化を観察した。トリエタノールアミンについては脂肪酸に対して1.3当量中和以上で透明になって来るため1.5当量に設定した。ナトリウム、カリウムについては強塩基であるため1.0当量中和とした。
【0078】
【表5】
【0079】
これらの検討から、トリエタノールアミンで中和した場合に限り、pHが7.5と低く高温での褐変現象が起きていないことが分かった。ナトリウム中和、カリウム中和では、pHの高いアルカリ性となり褐変現象が認められた。これらのことは、長期に室温で保存された場合の色調安定性の違いを示唆していると考えられる。
【0080】
次に、本発明者らは、離水抑制剤について検討した。
【0081】
【表6】
【0082】
試験例から分かるように、キサンタンガムをカチオン化したキサンタントリモニウムクロリドは、従来離水抑制剤として汎用されていたキサンタンガムより良好な離水抑制作用を有することが分かった。
【0083】
また、本発明において、pH9になると高温での褐変現象が認められること、またpH8.4では褐変現象が起きないことが確認され、トリエタノールアミン石鹸にアニオン性、両性、ノニオン性合成界面活性剤を加えた場合にも実使用泡立ち、さっぱり感は良好である。
【要約】
【課題】 ラウリン酸のスティンギング刺激緩和を図ることを目的とする。
【解決手段】 キシリトールからなることを特徴とする、ラウリン酸塩に対するスティンギング緩和剤、及びラウリン酸を0.5質量%以上と、ラウリン酸対イオンとして当量以上のナトリウム、カリウム、2−アミノー2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール及び/又はトリエタノールアミンと、ゲル化剤と、キシリトールを0.5質量%以上と、を含むことを特徴とするゲル状洗浄剤。
【選択図】 なし