特許第6671713号(P6671713)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6671713
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】接触検出チェック装置
(51)【国際特許分類】
   G01L 1/02 20060101AFI20200316BHJP
   G01L 13/02 20060101ALI20200316BHJP
   G01L 19/12 20060101ALI20200316BHJP
   H01H 35/26 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   G01L1/02
   G01L13/02 Z
   G01L19/12 J
   H01H35/26 Z
【請求項の数】4
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2019-183567(P2019-183567)
(22)【出願日】2019年10月4日
【審査請求日】2019年10月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513037041
【氏名又は名称】株式会社三重ロボット外装技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110000615
【氏名又は名称】特許業務法人 Vesta国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 大介
【審査官】 岡田 卓弥
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6325732(JP,B2)
【文献】 英国特許出願公開第2542937(GB,A)
【文献】 国際公開第2016/079961(WO,A1)
【文献】 登録実用新案第3153812(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L25/00
G01L 1/00− 1/26
G01L 5/00− 5/28
B25J19/00−19/06
H01H35/24−35/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定形状に形成された基体、前記基体に接合されて被覆し、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定形状にしてなる発泡意匠体、前記発泡意匠体の反意匠面側に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間を有する第1のチェック構成体と、
前記第1のチェック構成体の動作に関係なく駆動自在なアクチュエータと、
前記第1のチェック構成体の前記容積空間の容積を前記アクチュエータで変化させ、前記容積空間で形成した物理的変化量を得る第2のチェック構成体と
を具備することを特徴とする接触検出チェック装置。
【請求項2】
前記第1のチェック構成体と前記第2のチェック構成体とは、前記基体及び前記発泡意匠体からなる物理的変位を制限された前記容積空間を共通としたことを特徴とする請求項1に記載の接触検出チェック装置。
【請求項3】
前記アクチュエータは、その可動部分の長さ方向に変化するものとしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接触検出チェック装置。
【請求項4】
前記アクチュエータの可動部分の長さ方向の両端は、その長さ方向に変位する軸の太さよりも大径で、かつ、前記軸の外周の表面積を大きく接合したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の接触検出チェック装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の形状に形成された基体に取り付けた発泡意匠体に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間を有する第1のチェック構成体と、前記第1のチェック構成体の動作とその動作のタイミングを異にして駆動されるアクチュエータで、前記第1のチェック構成体の前記容積空間の容積を変化させ、前記容積空間で形成した物理的変化量を変化させる第2のチェック構成体を具備するアクティブチェックとパッシブチェックを備える接触検出チェック装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の一般的な発泡合成樹脂成形体及びその成形方法としては、ポリスチレンを微細な泡で発泡させ硬化させた発泡ポリスチレンを使用し、その表面に塗料を塗布する方法がある。例えば、発泡ポリスチレンに木工ボンドを塗り、その木工ボンドが固まったとき、スプレーで塗装する方法がある。
また、水性ボンドに顔料を混ぜて、直接、発泡ポリスチレンに塗布する方法もある。そして、和紙を細かく粉砕し、粉体化したものに木工ボンドや和糊を混練して発泡ポリスチレンに貼り付け、それを水性塗料のネオカラーやポスターカラーで塗装する方法もある。更に、発泡ポリスチレンを基材にしてそれにFRP造形を行う方法もある。
これらは何れも発泡合成樹脂成形体に塗布した塗装の厚みが厚くなり、形式的な見栄えが良くても、実用的な使用に耐えるものではなかった。
【0003】
酷似する技術を特許検索すると、発泡層付き内装品の技術は特許文献1で開示されている。即ち、特許文献1は発泡層付きの表皮材が、基材に分散形成された吸気路からの真空吸引により基材に吸着されて接着された発泡層付きの内装品において、表皮材が熱可塑性であり、その表面形状が、表皮材を加温処理により軟化させ、その状態で基材に接着させる際に、表皮材用真空吸引型による真空吸引により賦形されている構成を有し、表皮材が表皮材用真空吸引型の型面に沿って賦形される技術である。これにより、表面品質が向上し、かつ、意匠の制約が少なくなり、その自由度が拡大され、基材表面に対して非相似形状に形成することができる。
【0004】
発泡層付きの表皮材が、基材に分散形成された吸気路からの真空吸引により基材に吸着されて接着された発泡層付き内装品とすることにより、発泡層と表皮材との接着力を強くする技術が開示されている。しかし、特許文献1には、厚手の発泡層についてどのように適応できるかを開示するものはない。原理的には、発泡合成樹脂材を特定の形状に削り出して発泡合成樹脂を成形することは特許文献1の技術では困難と思われる。
また、発泡層付きの表皮材は、発泡層の厚みの変化、発泡層の形状の変形等が存在すると、均一圧力を加えても、均一外圧として検出できない。
【0005】
そして、特許文献2は、発泡合成樹脂材料からなる芯材の一面に畳表が積層され、他面に機能化剤含有クッションシートが積層され、更に、前記クッションシートに滑り止め層が部分的に積層されることにより、薄くて軽量で、施工性に優れ、滑り難いという技術を開示している。
このクッションシートは、畳のような平坦な構造物には対応できるが、発泡層の厚みの変化、発泡層の形状の変形等が存在すると、均一圧力を加えても、均一外圧として検出できない。
【0006】
しかし、従来の一般的な発泡合成樹脂成形体は、例えば、量産しない製品のカバー、特殊な椅子の肘掛け、特殊車両或いは改造車のダッシュボード等に使用すると、機械的強度が足りないとか、塗料が塵のように剥がれ落ちて周辺を汚したりして、実用的なものは廉価にできなかった。勿論、発泡ポリスチレンを基材にしてそれにFRP造形を行う技術は、機械的強度は上げることができるものの、弾性に欠き、また、高価であるという問題があった。
また、特許文献1及び特許文献2は、発泡合成樹脂成形体とクッションシートとの接着力を強くすることを開示しているが、形式的に試作品を形成する原材料として発泡性合成樹脂が使用されているものの、少量生産品にこの技術を使用するということは実現されていない。特に、例えば、発泡ポリスチレンのような発泡合成樹脂成形体は、脆く、表面を削って所定の形状に仕上げ、かつ、表面を見栄え良く平滑化することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−125736号公報
【特許文献2】特開2010−236220号公報
【特許文献3】特許第6325732号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
その後、本発明者らは特許文献3に掲載の接触検出装置を発明した。
即ち、特定の形状に形成された基材と、前記基材を被覆する特定の形状に形成してなる発泡体と、対向する前記基材と前記発泡体に形成された所定の容積空間と、前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を、前記容積空間で形成した物理的変化量として検出するセンサとを具備し、前記センサが検出したセンサ出力は、前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を前記容積空間の物理的変化量として検出し、複数の閾値と比較して、その信号検出出力として正常・異常の2値信号を得るセンサ信号出力回路と、前記センサ信号出力回路の前記センサ出力の異常状態から定常状態に戻る2値信号の変化直後から、所定の閾値以下で、所定の時限内に、前記センサ自体の正常・異常を前記センサで判別するセンサ異常判別回路を有し、前記センサ異常判別回路は、前記センサ信号出力回路が前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を検出する定常状態に戻るとき、前記センサの検出信号をアース電位として定常状態に戻るまでの特性を基に、前記センサ自体の正常・異常を判別することを特徴とするものである。
【0009】
したがって、特定の形状に形成された基材を被覆する積層接着した発泡材料を特定の形状に形成してなる発泡体の片側に形成された所定の容積空間と、前記容積空間内に圧縮された空気が、前記基材及び/または前記発泡体から外気に漏れ難くした前記容積空間に形成し、前記基材と前記発泡体の外部からの押圧力を、前記容積空間の物理的変化量としてセンサで検出し、前記センサ出力の時限をもって検出出力としている。
【0010】
漏れ難くした容積空間内の、例えば、圧縮された空気は、前記基材と前記発泡体の片側または両側に加えられた押圧力によってセンサで物理的変化を得る。物理的変化量として、空気圧、空気の流れ、空気の流速、空気量の変化等として検出する。
このように、前記基材及び/または前記発泡体から物理的変化量として、漏れ難くした容積空間内の物理的変量を検出するものであるから、広範な範囲に加えられた圧力を検出することができ、二次元的な平面的構成であっても、三次元的な立体的構成であっても施工でき、所定以上の外部からの圧力を検出できる。
【0011】
また、前記容積空間の物理的変化を検出するセンサは、前記センサ信号出力回路の前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を、前記容積空間の物理的変化量として前記センサで検出し、通常の前記容積空間に加えられた接触圧等として検出する。しかし、センサ異常判別回路は、前記センサ信号出力回路の前記センサ出力の検出直後から所定の時限内に、前記センサ自体の正常・異常を前記センサ出力で判別するから、前記センサ信号出力回路の動作の終了時点でセンサ異常判別回路がセンサに異常がないことを明らかに保証できる。
【0012】
特に、容積空間の物理的変化量を検出するセンサ出力は、時間の経過に伴って徐々に加わる外力、即ち、なだらかに立ち上がったり、立ち下がったりする外力と、短時間に急激に加わる外力とを区別して、監視し、短時間に接触を判別することができる。
即ち、本願発明の容積空間の物理的変化量を検出するセンサが物理的変化量を検出するセンサ信号出力回路及び次回の物理的変化量の検出に向けてセンサ自体の正常・異常をセンサ異常判別回路で判別できる接触検出装置として提供するもので、殊に、次回、初回の起動時に対して、何時発生するか分からない接触直前のタイミングに風量センサ異常が発生していないかを判別できる。
【0013】
前記センサ異常判別回路は、前記センサ信号出力回路が前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を検出する定常状態に戻るとき、前記センサの検出信号をアース電位として定常状態に戻るまでのセンサの出力特性を基に、前記センサ自体の正常・異常を判別するものである。したがって、前記センサ信号出力回路が動作する毎に、センサの正常・異常が確認され、特に、次の動作の前に、前記センサ異常判別回路が動作しなければ、次回、安全に動作することを意味する。特に、前記センサ信号出力回路が前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を検出する定常状態に戻るとき、前記センサの検出信号をアース電位として定常状態に戻るまでの二次関数特性を基に、前記センサ自体の正常・異常を判別できる。
【0014】
しかし、前記センサ信号出力回路が動作する毎に、センサの正常・異常が確認されてから、次の動作の前に、前記センサ異常判別回路が動作していなければ、次回、安全に動作することを意味するが、対向する基材と発泡体に形成された所定の容積空間に加えられた外部からの押圧力を、前記容積空間で形成した物理的変化量として検出する可能性が、基材と発泡体に形成された所定の容積空間とセンサによって次回安全に動作するとの信号が発せられていても、異常の場合が生じ得る。特に、他の回路が安全に働いているとなると、基材、発泡体、容積空間、センサの何れかに原因があることになる。
【0015】
そこで、本発明は従来の問題点を解消すべく、物理的変化量の検出に向けて基材、発泡体、容積空間、センサの構成部品の何れかに異常の原因があることを検討できる接触検出チェック装置の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
請求項1の発明の接触検出チェック装置は、特定形状に形成された基体、前記基体に接合されて被覆し、特定形状に形成してなる発泡意匠体、前記発泡意匠体の反意匠面側に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間を有する第1のチェック構成体と、前記第1のチェック構成体の動作に関係なく駆動自在なアクチュエータとを具備し、前記第1のチェック構成体の前記容積空間の容積を前記アクチュエータで変化させることにより、第2のチェック構成体で前記容積空間を形成した物理的変化量を得るものである。
【0017】
ここで、特定形状に形成された上記基体は、特定形状に形成してなる発泡意匠体よりも硬い材料からなり、前記発泡意匠体の反意匠面側に形成される容積空間が外部からの押圧力による物理的変位を制限されるものであればよい。
上記第2のチェック構成体は、第1のチェック構成体とその動作のタイミングに関係なく駆動されるアクチュエータを有している。また、前記容積空間で形成した物理的変化量を変化させる機能を有する。
また、上記アクチュエータは、直線方向に変位させるか、回転方向に変位させるかによって、前記容積空間の容積を変化させるものである。本発明を実施する場合には、直線方向に変位させるアクチュエータまたは回転方向に変位させるアクチュエータの何れを使用してもよい。
【0018】
そして、上記基体は、特定形状に形成されたものであれば、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料または発泡しないソリッドタイプの材料としてもよい。上記基体は、人形ロボットに例えると、ロボット自体の外装に相当する。特に、発泡しないソリッドタイプの材料の方が外部からの押圧力を加えたとき、容積空間が外部からの押圧力のみに変形するので、検出信号を大きくできる。
【0019】
また、上記発泡意匠体は、前記基体に被覆されると共に接合され、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成している。この発泡意匠体は、空気漏れ等の流体の漏れが生じないもので形成される、所謂、独立気泡構造体として発泡されたものがよい。
そして、上記発泡意匠体の窪みを調節するリミッタは、特定形状に形成した発泡意匠体の内面側、即ち、反意匠面側に前記発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料と別部材または同一部材で一体に形成したものであり、前記発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を一体に形成し、空気路または連通路として圧力を伝達するものであればよい。なお、上記リミッタは、前記基体または前記発泡意匠体の何れかに取付けられるものであるが、両端を前記基体と前記発泡意匠体に各々取付けてもよい。または、上記リミッタは前記基体または前記発泡意匠体と一体に形成してもよい。
【0020】
更に、上記基体、上記発泡意匠体、上記リミッタとの関係で形成された所定の容積空間は、前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を、物理的変量としてセンサで検出できるものである。更にまた、本発明で使用する上記センサは、容積空間に加えられた外部からの押圧力を、前記容積空間で形成した物理的変量として検出するものであればよい。通常、流量、流速、容積の変化として検出されるものである。
そして、ここで上記第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体は、所定の容積空間の中で、独立した異常の検出方法を有しておればよい。特に、異常の検出を行うタイミングが上記第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体が相違しておればよい。
【0021】
加えて、上記空気が外気側に漏れ難く形成した容積空間の物理的変量を検出するセンサとしては、接触圧、気圧、圧力等の変化を歪量または静電容量の変化等として物理的の変量を空気圧、空気の流れ、空気の流速、空気流量の変化等として検出する物理的変化量を計測するものである。また、このセンサには、「MEMSフローセンサ」、「MEMS風量センサ」、「流速センサ」と呼ばれている空気の流れを生じさせる市販のマイクロフローセンサ(D6F−V03A1;オムロン製)を使用することもできる。原理的には、本発明を実施する場合には、「MEMSフローセンサ」、「MEMS風量センサ」、「流速センサ」等と呼ばれている市販のセンサであれば使用可能であるが、本発明者らは、小型化が必要であったことから、D6F−V03A1(オムロン製)を使用した。また、市販のフローセンサとして、オムロン製品の他に(株)キーエンス、愛知時計電機(株)、(株)山武、ASK(株)の製品も実施したが、原理的には、何れでも実施できることが確認された。
【0022】
また、上記センサは、前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を、前記容積空間の物理的変量として空気圧、空気の流れ、空気の流速、空気量移動の変化等として検出する回路で、具体的には、前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を前記容積空間の物理的変化量として検出し、特定の閾値と比較して、その信号検出出力として正常・異常の2値信号を得る回路である。例えば、上記センサ出力はマイクロプロセッサに付設されたA-D変換回路に入力され、その出力はデジタル処理されて、マイクロプロセッサから出力される。
【0023】
請求項2の発明の接触検出チェック装置の上記第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体とは、前記基体及び前記発泡意匠体からなる物理的変位を制限された前記容積空間を共通とするものである。
ここで、前記基体及び前記発泡意匠体からなる物理的変位を制限された前記容積空間を共通とするものであるから、前記基体及び前記発泡意匠体の前記容積空間の異常、前記センサの異常を第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体の共通回路として異常・正常検出でき、アクティブチェックとパッシブチェック機能を備えることになる。
したがって、それだけ第1のチェック構成体の信頼性が高くなる。
【0024】
請求項3の発明の接触検出チェック装置の上記アクチュエータは、電磁石、エアシリンダ、油圧シリンダ等によって、その電磁石、エアシリンダ、油圧シリンダ、リニアモータ等のシャフト長の長さ方向に変化するものであるから、前記容積空間の体積を大きくすることができる。
なお、サーボモータ、ステッピンクモータ等を使用しても、往復長方向に変化することができる。
【0025】
請求項4の発明の接触検出チェック装置の上記アクチュエータは、そのシャフト長の長さ方向の両端には、その長さ方向に変位する可動子の直径よりも大径で、かつ、前記ピンの外周の表面積を大きくして接合したものである。
ここで、基体または発泡意匠体に取付けたシャフトの長さ方向の両端を広い面積で振動すると、前記発泡意匠体の反意匠面側に形成される容積空間が当該振動によって体積が変化し、第1のチェック構成体の駆動停止中に第2のチェック構成体が動作することができる。
【発明の効果】
【0027】
請求項1の発明の接触検出チェック装置は、第1のチェック構成体を構成する特定形状に形成された基体と、前記基体に接合され被覆された発泡意匠体と、特定形状に形成した発泡意匠体の内面側、即ち、反意匠面側に一体に形成または取付けて形成し、外部からの押圧力による物理的変位を制限するリミッタとで形成された容積空間は、前記容積空間に加えられた外部からの押圧力をセンサで、物理的変量の発生としている。
しかし、第2のチェック構成体を構成する基体と、前記基体に接合され被覆された発泡意匠体と、発泡意匠体の反意匠面側に一体に形成された所定の容積空間は、前記容積空間の容積をアクチュエータで変化させ、前者同様、前記容積空間で形成した物理的変化量を得るものである。
【0028】
まず、基体と発泡意匠体の反意匠面側に一体に配設された第2のチェック構成体の容積空間は、第1のチェック構成体を構成する基体、発泡意匠体、リミッタで容積空間を構成する構成は同一である。また、アクチュエータは、基体、発泡意匠体で形成される容積空間の一部を拡張または縮小させるもので、第1のチェック構成体として機能する容積空間に比較して、容積空間の物理的変量が大きくあれば、それが望ましいが、何方の容積空間の変化が大きくてもよい。
基体と発泡意匠体の反意匠面側に一体に配設された第2のチェック構成体の容積空間は、前記容積空間の容積をアクチュエータで形成した物理的変化量を変化させ、第2のチェック構成体を構成する基体、発泡意匠体、リミッタで形成される容積空間の容積変化で検出し、それをもって正常であることを判断するものである。
また、第1のチェック構成体の特定形状に形成した発泡意匠体の反意匠面側にリミッタで形成された所定の容積空間は、特定の形状に形成した発泡意匠体が前記基体に接合されて被覆され、センサの空気の入出力を除き封止状態のところに圧力を加えられるから、ロボット等の特定の外装に形成される。
【0029】
そして、発泡意匠体の意匠面側に外部から、例えば、逆U字形の意匠面側に押圧力を加えると、逆U字形の反意匠面側の両取付け間隔によって、押圧する箇所を変化させると発泡意匠体の彎曲が変化し、物理的変量も変化する。しかし、前記発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料と一体に形成したリミッタで発泡意匠体の彎曲を均一化し、物理的変量も均一化できる。リミッタとしては、均一厚さの可撓性テープに円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブ、或いは、それらに切り欠きを設けることもできる。また、リミッタは前記基体及び/または前記発泡意匠体に一体化または取付けられ、使用態様に応じて前記基体及び/または前記発泡意匠体に一体化または取付けられる。
【0030】
このように、特定形状に形成された基体と、前記基体に接合されて被覆された発泡意匠体と、前記発泡意匠体と一体に形成された前記リミッタとで形成された所定の容積空間と、前記容積空間に加えられた外部からの押圧力を、前記容積空間で形成した物理的変化量として検出するセンサは、前記容積空間に外部圧力として加え、その物理的変化量を電気的信号として検出するとき、外部圧力の加えられる場所が変化しても、外部圧力が変化しないので、そのセンサ出力も大きく乱れることがない。故に、前記容積空間に加えられた押圧力を均一のセンサ出力として判断することができる。
【0031】
特定の形状に形成された基体に接合されて被覆された発泡意匠体は、前記発泡意匠体の一部に外力が加わるのみであるから、意匠面にストレス等が入ることがない。また、前記発泡意匠体と前記基体との間に拘束力を設定できるリミッタを配設するものであるから、前記発泡意匠体の意匠面の変化を調節により任意の弾性に設定できる。そして、前記発泡意匠体の反意匠面と許容間隙δ=0.5〜15mmの間隔で変位するから、前記発泡意匠体にストレスを残すことなく、意匠性を乱すことなく、復帰することができる。前記許容間隙δ=0.5〜15mmは、それ以上の間隔にすることは問題ないが、見栄えからこの間隔内にするのが好ましい。
【0032】
特に、本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、必要に応じて金型でリミッタが射出成形できるので、コストの低減が可能である。また、本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、必要に応じてリミッタの密度及び高さを変更することにより、物理的変化量との関係を任意に設定でき、センサの内蔵する物理的変化量を検出するセンサの出力値を任意に設定できる。
また、発泡合成樹脂材料及び/または発泡ゴム材料と一体に形成または取付けて形成し、外部からの押圧力による物理的変位を制限するリミッタは、当該リミッタによって外部からの押圧力に対する反応を任意に設定できる。
【0033】
請求項2の発明の接触検出チェック装置の上記第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体とは、前記基体及び前記発泡意匠体からなる物理的変位を制限された前記容積空間を共通としたものであるから、請求項1に記載の効果に加えて、前記基体及び前記発泡意匠体の前記容積空間の異常、前記センサの異常を第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体の共通回路として異常・正常検出できるから、アクティブチェックとパッシブチェックを備えることになる。
よって、それだけ第1のチェック構成体の行う異常検出の信頼性が高くなる。
また、上記第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体の動作タイミングを一致させることなく設定できるから、上記第1のチェック構成体と上記第2のチェック構成体のオン、オフを自由に選択できる。
【0034】
請求項3の発明の接触検出チェック装置の前記アクチュエータは、電磁石、エアシリンダ、油圧シリンダ等のシャフトの長さ方向に変化するものであるから、請求項1または請求項2に記載の効果に加えて、前記容積空間の体積を大きく変化させることができる。上下、左右に直線運動をさせ、その膨張と圧縮から第2のチェック構成体の正常・異常を判断し、第1のチェック構成体の監視の元に運転を行うことができる。
なお、サーボモータ、ステッピンクモータ等を使用した場合に、シャフトの長さ方向に変化することができないものではなく、シャフトの長さ方向に変化するには他の部品を必要とするものである。
【0035】
請求項4の発明の接触検出チェック装置の前記アクチュエータのシャフトの長さ方向の両端は、その長さ方向に変位するシャフトの太さよりも大径で、かつ、前記シャフトの外周の表面積を大きくして接合したものであるから、請求項1乃至請求項3の何れか1つに記載の効果に加えて、第1のチェック構成体と第2のチェック構成体の変化を大きくすることができる。
即ち、前記シャフトの長さの両端は、そのシャフトの径よりも、大きく接合することにより容積空間の容積変化を大きく取り、第1のチェック構成体と第2のチェック構成体の変化を大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の原理を例示する要部断面の斜視図である。
図2図2は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の要部断面図である。
図3図3は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の鍔部がインサートされる一部断面及び仮想の説明図である。
図4図4は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の鍔部がインサートされる要部の説明図である。
図5図5は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置がインサートされている断面図である。
図6図6は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置のアクチュエータの要部断面図である。
図7図7は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置で、(a)は1列の円筒状部材を、(b)は2列の円筒状部材を示す要部斜視図である。
図8図8は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の制御の回路図である。
図9図9は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の制御のフローチャートである。
図10図10は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の制御の波形図である。
図11図11は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置を取付ける人形ロボットの全体斜視図である。
図12図12は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置を取付ける人形ロボットの意匠面としての胸部の全体正面図である。
図13図13は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の背面側から見た他の発泡意匠体である。
図14図14は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置を人形ロボットの胸部の外側を押圧した場合の要部斜視図である。
図15図15は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置の廻転を往復運動に変換する機構の説明図である。
図16図16は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置をまとめたもので、(a)乃至(f)は各断面図を示す接触検出チェック装置の要部配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態において、図示の同一記号及び同一符号は、同一または相当する機能部分であるから、ここではその重複する説明を省略する。
【0039】
[実施の形態]
図1乃至図6は本発明の実施の形態における接触検出チェック装置を説明する説明図で、特定の形状に形成された基体60は、人形(ひとがた)ロボット(Humanoid Robot)の構成部材で内部に電子部品を搭載したプロテクタとして使用されている。特に、基体60は、発泡性の熱可塑性樹脂材料よりも硬くて容易に変形しないソリッドタイプの樹脂または金属の使用が望ましい。
【0040】
接着剤層または両面テープからなる接合手段2は、市販の公知の合成樹脂接着剤または公知の両面テープからなり、特定の形状に形成してなる発泡意匠体10の両端部の基体60側の接着面1a及び接着面1eの面に接合させている。逆に、基体60の接着面(1a相当)及び接着面(1e相当)の位置に、直接、接合手段2として接着剤層または両面テープを配設してもよい。本実施の形態の接合手段2は、発泡意匠体10と基体60または発泡意匠体10と基体60とリミッタ7で形成される空間を封止状態の容積空間4とすることができればよい。故に、接合手段2は市販の公知の合成樹脂接着剤または公知の両面テープの何れでもよい。なお、他の実施の形態についても同様である。なお、本実施の形態の接合手段2は、シール性を高める接合が必要である。
【0041】
発明者らは、図3及び図4に示すように、市販されている3枚の特定の規格化されたポリエチレンからなる発泡合成樹脂材料11,12,13を使用した。各規格化サイズが単体で発泡成形されており、表面の発泡密度が高いスキン層となっている。本実施例で50mmよりも厚い製品を得るには、規格化された発泡合成樹脂材料11,12,13の表面がスキン層となっているから、その両面の接着面にゴム系の接着剤を塗布して積層接着している。なお、接着剤15はゴム系の接着剤である。
【0042】
ゴム系の接着剤としては、ゴム糊(ノントルエン缶入り(丸末油業))またはゴム糊であるボンド(GSEN0X7(コニシ株))を接着する両面に薄く塗り、そして乾燥させ、接着面を対向させて圧縮し接着した。ゴム系の接着剤はボンド(GSEN0X7(コニシ株))であり、シクロヘキサン、n−ヘプタン、アセトンが主成分である。
ここで、接着剤15の厚みは、その存在が視認できない程度に可能な限り薄くし、接着機能のみが維持できればよい。ここで使用するゴム糊は、基体としての発泡合成樹脂材料11,12,13と同じポリエチレン等の合成樹脂からなる接着剤15も使用できる。
【0043】
本実施の形態のリミッタ7は、図7に示す実施の形態の接触検出チェック装置で使用する逆U字状の円筒状部材からなるリミッタ7または円筒状部材(71)とすることができる。リミッタ7として機能する円筒状部材(71)の下面はフランジ71aとし、図示しない穴を設けてその穴内に接合手段2でその一端のみを接合したものである。この実施の発泡意匠体10の形態としては、内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体を利用している。したがって、発泡意匠体10の押圧力により、変形し、発泡意匠体10の押圧力に対して容積空間4の変形量がセンサSENの出力となる。ここで、円筒状部材(71)の下面にフランジ71aを形成しているが、フランジ71aの形態を、フランジ71aを円錐台状、角錐台状としても良いし、他の形状としてもよい。
【0044】
図7(a)は1列の円筒状部材(71)を配設したもの、(b)は2列の円筒状部材(71)を配設したものを示す斜視図である。テープ基材50は両面テープまたは接着剤を片面に塗布したものである。円筒状部材(71)は下面のフランジ71aを接着している。
したがって、基体60にテープ基材50を接合し、そのテープ基材50にフランジ71aを配設したものを基体60に接合すれば、テープ基材50に配設した円筒状部材(71)の密度に応じた接触検出チェック装置が構成される。なお、テープ基材50を広くし、そこに円筒状部材(71)を配設し、必要な形状に裁断して使用できる。逆に、テープ基材50に円筒状部材(71)を所定の密度で分布させることができる。
【0045】
このように、独立気泡体で囲まれた容積空間4の内側を連続気泡体の外側に被せることになり、発泡意匠体10の内面側に、リミッタ7としての円筒状部材(71)が所定の範囲内で、所定の密度で配設されている。したがって、発泡意匠体10の外面1cを所定の圧力で押圧すると、発泡意匠体10の外面1cは変形し、リミッタ7の端部に当接するまで変形するから、存在する内部気泡同士が繋がっていない密封性の良い独立気泡体からなる発泡意匠体10は、容積空間4の変量をセンサSENに導くことができる。仮に、容積空間4を使用したとしても、リミッタ7の端部に当接するまで変形するから、容積空間4の変量をセンサSENに導くことができる。
なお、鍔部81を入れる発泡合成樹脂材料12に穿設した大径孔12aは、フランジ83aとの接続の空間である。好ましくは、接続した後に、鍔部81と発泡合成樹脂材料12の大径孔12aは、接着剤で接合するのが好適である。
【0046】
即ち、図1及び図2において、発泡意匠体10の側面1b及び側面1d並びに上面の外面1cは、意匠面を形成している。したがって、反意匠面側は側面1b及び側面1d、外面1cの内面で形成されていることになる。側面1b及び側面1dの内面のように、ロボット等の基体60に対して垂直に形成されている面は、外力の変異が少ないから、反意匠面から外してもよい。即ち、このまま、発泡意匠体10の上面である外面1cから下方向に押圧力が加えられると、外面1cの中央は大きく下がる。
【0047】
基体60と発泡意匠体10との間には、3枚の発泡合成樹脂材料11,12,13を接合して使用している。発泡合成樹脂材料12の上面側に鍔部81が挿入できる大径口12aを穿設し、そこに鍔部81を挿入し、鍔部81との間に接着剤を塗布し、3枚の発泡合成樹脂材料11,12,13と鍔部81が一体に接合されている。鍔部81は合成樹脂で作成されており、ボルト86によって強磁性体等の磁性体からなる可動子87に堅固に螺合し、一体化されている。
また、ホルマル線のコイル85の最外周は、内面に接着剤を塗布した絶縁物である絶縁シート84によって、コイル85が捲き戻されないように、その広がりを防止するように構成されている。
【0048】
合成樹脂の射出成型品であるボビン83にホルマル線のコイル85として必要数の巻き線が捲かれている。一方の端部のボビンフランジ83aには、ロボット等の基体60に接着剤で接合している。また、コイル85としてのホルマル線は、基体60を通過させ、接着剤で固化している。そして、ボビンフランジ83aの貫通孔83c及び基体60の貫通孔61を通過させて、リード線Lに接続されている。なお、コイル85の周囲には、絶縁シート84が接着されており、コイル85が緩まないように締め付けている。
【0049】
ここで、リード線Lに通電して、ボビンフランジ83a側をN極、ボビンフランジ83b側をS極に通電したとする。強磁性体等の磁性体からなる可動子87は、ボビンフランジ83a側をN極、ボビンフランジ83b側をS極となり、結果、下方のボビンフランジ83a側を可動子87のS極、上方のボビンフランジ83b側を可動子87のN極となって引き合うとして説明する。
下方のボビンフランジ83a側をN極、上方のボビンフランジ83b側をS極となって可動子87が移動するのは、ボビンフランジ83a側を可動子87のS極が、ボビンフランジ83b側を可動子87のN極が吸引し、ボビンフランジ83a側が可動子87のS極を、ボビンフランジ83b側が可動子87のN極を吸引する。
【0050】
3枚の発泡合成樹脂材料11,12,13のうち、中側の発泡合成樹脂材料12は、鍔部81が電磁石からなるアクチュエータ200の可動子87の長さ方向の両端は、その長さ方向に変位する可動子87の太さよりも大径(鍔部81の径)で、かつ、可動子87の軸の外周の表面積を大きく接合して、可動子87の直径よりも、直径が大きいところで接着しているから、その接着力により、発泡合成樹脂材料11,12,13よりも安定した保持力がガイドできる。また、発泡合成樹脂材料12と発泡合成樹脂材料13は、鍔部81と上方のボビンフランジ83bとの間に挟まれるので、衝撃を緩和することができる。
【0051】
また、可動子87が鍔部81を含み上方に移動するとき、鍔部81には上に移動する力が入り、発泡合成樹脂材料11,12を上に膨らみを持たせる変位を行ない、鍔部81の径が可動子87の直径よりも、大きく設定されているので、容積空間4の容積、即ち、容積空間4を可動子87の上昇によって小さくした容積から、容積空間4を可動子87の下降によって大きくした容積との容積を減算した値が、容積空間4の変化、即ち、容積空間4の容積変化となる。
【0052】
リード線Lの接続によって、可動子87のボビンフランジ83b側を上方に変位させる動作と、可動子87のボビンフランジ83b側を下方に変位させる動作を行わせる。
すると、特定形状に形成された基体60、基体60に接合されて被覆し、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定形状に形成してなる発泡意匠体10、発泡意匠体10の反意匠面側に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間4を有する第1のチェック構成体100と、第1のチェック構成体100の動作に関係なく駆動自在なアクチュエータ200とを具備し、第1のチェック構成体100の容積空間4の容積をアクチュエータ200で変化させることにより、第2のチェック構成体300の容積空間4で形成した物理的変化量を得ることができる。通常、第1のチェック構成体100の容積空間4の変化よりも、第2のチェック構成体300の方がセンサSENの出力が大きくなる。
【0053】
しかし、外面1cの内側の中央に図1に示す下方向の押圧力が加えられると、円筒状部材(71)としてのリミッタ7が立設されているから、その垂直方向の変位量が、リミッタ7の上端で弾性をもって拘束され、物理的変異量がリミッタ7で拘束された変量δとなる。即ち、円筒状部材(71)の上面はボビンフランジ83b、下面のボビン83の下側をボビンフランジ83aとなっており、公知の合成樹脂接着剤または公知の市販の両面テープからなる接合手段2で基体60に接合されている。また、ボビン83の上面もボビンフランジ83bとしているが、仮に、リミッタ7を尖軸にすると、外面1cの内側に傷が付いたり、破損したりするので曲面またはボビンフランジ83a程度の曲面とするのが望ましい。
【0054】
なお、可動子87の鍔部81の上面面積を広くしているのは、押圧力の集中により、基体60及び発泡意匠体10にストレスが入らないようにしている。また、円筒状部材(71)は発泡タイプの樹脂で形成しても良いし、ソリッドタイプとしてもよい。
このように、発泡意匠体10の外面1cの位置にリミッタ7としての円筒状部材(71)が立設されると、発泡意匠体10の外面1cから外力を加えることにより、外面1cは許容間隙δの間及びリミッタ7からずれた位置の外力により、発泡意匠体10の体積が減少する。したがって、体積変化は空気圧となって図示しないセンサSENに入るから、センサSENは発泡意匠体10に加えた圧力に関する検出出力となる。
【0055】
しかし、発泡意匠体10にリミッタ7としての円筒状部材(71)が立設されていないとき、発泡意匠体10の外面1cに押圧力を加えると、意匠面が伸びたり、場所によっては縮んだりするストレスとなる。外力を解くと、外面1cは発泡意匠体10が保持するストレスによって、それらのストレスを解こうとする。したがって、体積変化は空気圧となってセンサSENに入るから、センサSENは発泡意匠体10に加えた圧力に関する検出出力となる。
なお、ここで、図1及び図2の実施の形態のリミッタ7は、円筒状部材(71)からなる。また、リミッタ7は発泡意匠体10側に配設しても良いし、基体60側に配設してもよい。
【0056】
このとき、リミッタ7としての円筒状部材(71)が立設されていると、発泡意匠体10が伸びる物理的変量が少なくなり、必要に応じてリミッタ7の密度及び高さを変更することにより、物理的変化量との関係を任意に設定でき、センサSENの内蔵する物理的変化量を検出するセンサSENの出力値を任意に設定できる。
特に、本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、必要に応じて金型で射出成形できるので、コストの低減が可能である。
【0057】
円筒状部材(71)の上端は発泡意匠体10に固着されず、自由端とし、外面1cの内側の面と同一長にしてもよいし、円筒状部材(71)の上面を外面1cの内側の面との間に隙間を形成してもよい。即ち、円筒状部材(71)の上面を外面1cの変動する内側のリミッタ7とし、δ=0.5〜15mm(図2参照)の許容間隙δを形成し、δ=0.5〜15mmの許容間隙の移動を許容することにより、外部圧力を加える限界を特定しておいてもよい。これにより、発泡意匠体10の表面に大きな張力が加わって、意匠性を劣化させ、伸びが生ずるのを防止できる。
この円筒状部材(71)の上端と外面1cの内側の面は、その許容間隙δの0.5〜10mmとしているが、本発明を実施する場合の発泡意匠体10の厚み、形状、円筒状部材(71)の間隔等によって決定される。
【0058】
図8に示すフローセンサとしてのセンサSENからなる検出回路は、抵抗R1、フィードバック抵抗Rfにより反転増幅器を構成し、更に、ポテンショメータの出力を入力する非反転回路を接続している。これにより差動増幅器の出力Vは、V=(V2−V1)・Rf/R1として表れる。
抵抗R2はフォトカプラ74としてのLED入力の限流抵抗であり、そのLED出力は、フォトトランジスタに入力され、オペアンプOPを用いた差動増幅器と絶縁状態でセンサSENとしての検出出力が得られる。したがって、センサSENからなる検出回路の配線が予測しない場所でショートすることがない。
【0059】
ここで、特定形状に形成された基体60、基体60に接合されて被覆し、特定形状にしてなる発泡意匠体10、前記発泡意匠体10の反意匠面10B側に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間4を有する第1のチェック構成体100を構成している。即ち、フローセンサとしてのセンサSENからなる検出回路、抵抗R1、フィードバック抵抗Rfにより反転増幅器を構成し、更に、オペアンプOPの出力を入力する非反転回路を接続している。これにより差動増幅器の出力Vは、V=(V2−V1)・Rf/R1として表れ、第1のチェック構成体100を構成している。
【0060】
また、第1のチェック構成体100の動作に関係なく駆動自在なアクチュエータ200を構成し、また、前記第1のチェック構成体100の容積空間4の容積をアクチュエータ200で変化させ、容積空間4で形成した物理的変化量を得る第2のチェック構成体300を構成する。
第2のチェック構成体300は、「5時間以上連続稼働」のように、第1のチェック構成体100の動作は異常を生じることなく的確に動作していることを明確にする。したがって、稼働時間は0.5時間〜12時間或いは24時間に設定するのが望ましい。
【0061】
または、第1のチェック構成体100が「異常停止直後」であるかを判断し、異常停止直後のとき、異常停止直後の稼働には、故障の程度が不明であるから、第2のチェック構成体300の出力も確認する。
また、「5時間以上連続稼働」でなくても、メイン電源を切った時には、何らかの確認動作が必要であるから、「メイン電源投入直後」であるか否かを判断し、また、「メイン電源投入直後」の場合には、異常が伴っていないか第2のチェック構成体300の出力も確認する。
【0062】
本実施の形態において、前記第1のチェック構成体100の投入結果、第2のチェック構成体200の出力結果は、カウンタ動作を行うマイクロプロセッサ400で「5時間以上連続稼働」、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」を判断するものであり、それをもってセンサSENの機能を確認するタイミングとして出力している。このときの信号は、第1のチェック構成体100の出力結果、第2のチェック構成体200の出力結果が、センサSENの異なる信号を出力するものであるから、センサSENの検討がセンサSENの動作結果に基づき、異常または正常を確認できるから、それだけ信頼性を向上できる。
【0063】
本実施の形態のセンサSENは、対向する基材60と発泡合成樹脂体10の片側または両側に容積空間4が形成されるものであり、容積空間4が蛇行して曲がっていたり、容積空間4の隙間間隔に違いが生じたりする場合もある。
また、本発明の実施例においては、基本的に容積空間4の1個を判断するものであり、アクチュエータ200が動作したときには第1のチェック構成体100の出力を反転するものである。
基材60と発泡合成樹脂体10で形成された容積空間4の空気は、第1のチェック構成体100に対して押圧力を加えない限り変化しないが、押圧力を加えることにより、LEDが点灯し、フォトカプラ74のトランジスタがスイッチオン状態となり、その出力が接地抵抗状態となる。
また、第1のチェック構成体100に対して押圧力が加わっている、いないに無関係でアクチュエータ200が動作すると、容積空間4の空気が変化する。そこで、第2のチェック構成体300は容積空間4の空気量の変化を検出する。通常、第2のチェック構成体300が容積空間4に接続されているから、第1のチェック構成体100が動作しないように停止させて検出している。
【0064】
したがって、アクチュエータ300が動作していないとき、第1のチェック構成体100の出力、センサSENの出力が正常なときには「正常」、異常なときには「異常」とする。第2のチェック構成体200のセンサSENの出力を正常信号とする。
しかし、特定の条件によりアクチュエータ200が動作したとき、第1のチェック構成体100の出力を「正常」出力とし、第2のチェック構成体300のセンサSENの出力を「異常」信号(反転された信号)とする。この第2のチェック構成体300のセンサSENの出力の異常信号こそ、接触検出チェック装置の正常信号となる。
【0065】
次に、図9のフローチャートについて説明する。
まず、ステップS0で初期化を行う。この初期化では0.1〜24時間の何れを選択してもよいが、この事例では、「5時間以上連続稼働」の要件を設定する。また、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」の判断を行うもので、通常は、特定の設定条件を格納する。本実施例に於いても、「5時間以上連続稼働」、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」の他の条件を入れてもよい。または省いてもよい。
【0066】
まず、ステップS1で第1のチェック構成体100の動作が5時間以上継続して稼働しているか否かを判断する。前述したように、5時間以上の継続に限定されるものではなく、稼働時間の蓄積であってもよい。ステップS1で第1のチェック構成体100の動作が5時間以上継続して稼働していないと判断した場合には、ステップS2で「異常停止直後」であるか、ステップS3で「メイン電源投入直後」であるかを判断する。
【0067】
ステップS1で5時間以上の稼働が確認されると、ステップS4で第1のチェック構成体100の動作を停止させ、ステップS5で第2のチェック構成体300の動作を確認し、異常停止すべき状態を検出した場合には、ステップS7で異常停止させる。
しかし、ステップS5で第2のチェック構成体300の動作の停止に入らないときには、ステップS6で第1のチェック構成体100の動作に入り、繰り返し、第1のチェック構成体100の動作に入る。
【0068】
「5時間以上連続稼働」が確認されず、かつ、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」も確認されないとき、ステップS8で第1のチェック構成体100の継続動作に入る。
したがって、「5時間以上連続稼働」、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」のように、第2のチェック構成体300に入る必要があるかを判断し、第2のチェック構成体300に入る必要がないとき、ステップS8の第1のチェック構成体100の動作を継続する。
【0069】
しかし、「5時間以上連続稼働」、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」の何れか1個以上が、その要件を肯定されるとき、それをステップS5の第2のチェック構成体300の動作に入り、第2のチェック構成体300の動作によって異常を検出し、異常停止を行う。
異常でないときには、ステップS5の第2のチェック構成体300の動作でそれが判断され、通常の第1のチェック構成体100が行う運転モードに入るものである。
【0070】
図10において、(a)はアクチュエータの印加電圧波形であり、矩形波を印加している。(b)の波形は、アクチュエータの電流波形である。アクチュエータの印加電圧波形はP-Pで6Vを使用している。(c)と(d)のセンサSEN01及びセンサSEN02は、センサSEN1個で検出したセンサSEN01の出力を描いたもので、(c)の波形は全体に抵抗値が高いもの、また、(d)の波形は全体に共振時の抵抗に近いものである。
【0071】
図1乃至図10と同様に、発泡意匠体10の側面1b及び側面1d並びに外面1cは、意匠面10Aを形成している。故に、反意匠面10B側は側面1b及び側面1d、外面1cで形成されていることになるが、側面1b及び側面1dの内面のように、基体60に対して垂直に形成されている面及びそれに近似する角度の面、例えば、直角な角度に対して±20度の傾斜面以下は、ここで云う反意匠面10Bから外してもよい。即ち、外面1cから下方向に外力が加えられると、外面1cの中央は大きく下がるが、基体60に対して垂直中心に±20度以下の傾斜面は、意匠面10Aが大きく変化しない。
このときでも、外面1cの内側の中央に下方向の外力が加えられると、リミッタ7としての円筒状部材(71)が立設されているから、その垂直方向の変位量が制限され、物理的検出される変量も少なくなる。
【0072】
図2に示す実施の形態では、図7の円筒状部材(71)の下側は、公知の合成樹脂接着剤または公知の市販の両面テープからなる接合手段2で基体60に接合している。そして、円筒状部材(71)の上端は接合していない。
また、リミッタ7は基体60または発泡意匠体10に一体化または取付けられ、そして、リミッタ7は基体60及び発泡意匠体10に一体化または取付けられてもよい。
【0073】
ここで、円筒状部材(71)は中を空洞にした略円筒で、中空の円錐形、円錐台形等も含むものである。また、円筒状部材(71)は中実状の略円柱で、円錐形、円錐台形等も含むものである。多角柱状または多角筒状は、中実状または中空の略円筒または略円柱で、円錐形、円錐台形等も含むものである。
【0074】
前述したように、円筒状部材(71)の上面は、外面1cの内側の面と同一にしてもよいし、円筒状部材(71)の上面を外面1cの内側の面との間に許容間隙δ=0.5〜15mmを形成してもよい。即ち、円筒状部材(71)の上面を外面1cの内側の変動を制限するリミッタ7とし、0.5〜15mmの許容間隙δの移動を許容することにより、外部圧力を加える限界を特定してもよい。
δ=0.5〜15mmの許容間隙の移動を許容しても、確実に物理的変量として検出でき、また、発泡意匠体10の外面1cの意匠性を乱すことがない。
即ち、発泡意匠体10と基体60との間には、許容間隙δ=0.5〜15mmを設けてリミッタ7を形成すると、発泡意匠体10にストレスを入れることがないので、その意匠性を低下させることなく使用できる。
【0075】
本実施の形態では、図11乃至図14に示す発泡意匠体10の意匠面10Aは側面1b及び側面1d並びに外面1cであり、発泡意匠体10の基体60側の接着剤を塗った接着面1a及び接着面1eは基体60が接合される接着面1a及び接着面1eの位置に配設する。勿論、発泡意匠体10の意匠面10Aの側面を薄くして、或いは側面を基体60側とすることにより、側面をなくし、発泡意匠体10の意匠面10Aを外面1cのみとすることもできる。結果的に、発泡意匠体10の反意匠面10B側は、一部の意匠面10A側であればよい。何れにせよ、発泡意匠体10と基体60は封止できればよい。
【0076】
基体60と発泡意匠体10との間に形成された容積空間4は、容積空間4自体がセンサSENを除き閉じられた空間となっている。したがって、外部から発泡意匠体10に圧力を加えると、その加えた圧力に応じてストレスが生じ、容積空間4の体積変化が生じ、圧力変化が生じる。容積空間4の体積変化は空気圧となってセンサSENに入るから、センサSENは発泡意匠体10に加えた圧力の検出となる。
【0077】
なお、センサSENとして、市販のマイクロフローセンサ(D6F−V03A1;オムロン製)を使用する場合には、センサSENに空気の流れを形成する必要がある。したがって、容積空間4の体積変化が生じるように、図2に示す容積空間4から外部に空気の流れを発生させ、そこにリード線Lを挿入している。この状態で空気流が生じるようになっている。また、基体60と発泡意匠体10との間に形成された容積空間4に付与する外力を解放すると、容積空間4の復元力で、センサSENには逆方向の空気の流れとなる。容積空間4に付与する外力はセンサSENで付与するものではないが、爾後、センサSENのみの説明とする場合もある。
【0078】
本実施の形態の接触検出チェック装置で使用する発泡意匠体10は、図4に示すように、1枚以上の熱可塑性樹脂材料、または2枚以上を接着剤15で積層接着した熱可塑性樹脂材料としての発泡合成樹脂材料11,12,13を特定の形状に形成したものである。1枚以上の発泡合成樹脂材料11,12,13は、発泡意匠体10で容積空間4の容積変化が出現する硬度を有するものであり、特に、発泡意匠体10は、存在する内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体、存在する内部気泡同士が繋がっている連続気泡体の何れであってもよい。しかし、空気の漏れを少なくするには、極めて柔らかく、復元性がある独立気泡体が好ましく、これら発泡意匠体10の発泡倍率は10〜50倍程度である。スポンジ硬度は10〜50(JIS−k−6253)の範囲内が好ましく、通常、スポンジ硬度は15〜45がより好適であり、構造によっては多少変化する。
【0079】
即ち、特定形状に形成された基体60と、基体60に接合されて被覆し、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成してなる発泡意匠体10と、発泡意匠体10の反意匠面10B側が、外部からの押圧力による物理的変位を拘束する基体60及び/または発泡意匠体10に取付けたリミッタ7と、基体60と発泡意匠体10とその端部が基体60及び/または発泡意匠体10に一体化したリミッタ7とで形成された所定の容積空間4と、容積空間4に加えられた外部からの押圧力を、容積空間4で形成した物理的変化量として検出するセンサSENとを具備するものであればよい。
【0080】
本実施の形態においても、特定形状に形成された基体60と、基体60に接合されて被覆し、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成してなる発泡意匠体10と、発泡意匠体10の反意匠面10B側が、外部からの押圧力による物理的変位を拘束する基体60を介して取付けた円筒状部材(71)または多角柱状部材、多角筒状部材、リブからなるリミッタ7と、基体60と発泡意匠体10とその端部が基体60及び/または発泡意匠体10に一体化したリミッタ7で形成された所定の容積空間4と、容積空間4に加えられた外部からの押圧力を、容積空間4であるリミッタ7で形成した物理的変化量として検出するセンサSENとを具備するものであればよい。
【0081】
次に、図11乃至図14の本実施の形態の接触検出チェック装置の全体について詳述する。
本発明を実施する場合の発泡意匠体10は、人形ロボット等のロボットの被覆、各種機器のハウジングの被覆は、アルミニウム板、ステンレス板、鉄板、銅板、黄銅板等で形成されるのが一般的である。合成樹脂の場合には発泡合成樹脂も使用されているものの、主に、射出成形等で形成されている。この射出成形で形成した基体60の殆どは、1ブロックの熱可塑性樹脂材料から構成したものであるが、本実施の形態の接触検出チェック装置では、射出成形等で形成された1ブロックの発泡意匠体10の事例で説明する。
【0082】
本実施の形態で使用する発泡合成樹脂材料としては、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))、また、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等の発泡化した樹脂が使用でき、内部気泡同士が繋がっている連続気泡体または内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体の利用が可能である。しかし、発泡意匠体10及び基体60から空気が外気に漏れ難い容積空間4を形成するには、内部気泡同士が繋がっていない独立気泡体の使用が好ましい。
【0083】
なお、念のため記載するが、容積空間4は、発泡合成樹脂材料の連続気泡体からなり、通常状態で大気圧に等しくなるように形成されている。このセンサSENは圧力センサであっても、空気の流れを検出する市販のマイクロフローセンサ(D6F−V03A1;オムロン製)でも使用方法は同じである。
【0084】
ここで使用したセンサSENは変量を検出している。このセンサSENは、市販の歪ケージを内蔵するセンサ、ダイヤフラムを介して検出するセンサ、ピエゾ効果素子を使用したセンサ、静電容量型のセンサであれば使用可能である。
【0085】
本実施の形態で使用したセンサSENは、SMC小形空気圧用圧力センサPSE540Aを使用した。入力の圧力と出力電圧Vとの関係は略比例関係で感度の良いものである。
センサSENの出力は電源線2本、出力信号線OUT1本の計3本からなり、本実施の形態では、人形ロボットの危険信号として急停止させる信号として使用している。
【0086】
例えば、発泡意匠体10と基体60は封止から空気を導く案内路5aの流入口に容積空間4の圧力を加えている。このとき、容積空間4の圧力をセンサSENの案内路5aの流入口に導くものであるから、補助空間は大気圧であることが望ましい。
センサSENの出力は、リード線Lを介して、必要に応じてコネクタ等を介してマイクロプロセッサCPUの内蔵するオペアンプOP等に導かれ、そのオペアンプOPの出力は“H(オン)”、“L(オフ)”に変換される。また、オン時間またはオフ時間の長短の条件によって信号検出出力ACの“H”、“L”の検出出力の判断を行う。
【0087】
図11乃至図14は本実施の形態における接触検出チェック装置の人形ロボットの斜視図である。発泡意匠体10を人形ロボットの全体である基体60に接合手段2で取付け、所定の位置でリミッタ7としての円筒状部材(71)を配設したものである。
この人形ロボットは、内部に図示しない汎用のハードウェア及びソフトウェアを搭載している。発泡意匠体10の上面の周囲に接合手段2により基体60に接合可能な構造になっている。発泡意匠体10には一体にリミッタ7としての円筒状(71)が設けられている。リミッタ7は、図7に示すように、直接機能する当接部分を有している。このリミッタ7としては、円筒状部材、円柱状部材、他に多角柱状部材、多角筒状部材、リブ、円形の切り欠き、多角形の切り欠き等とすることができる。
【0088】
図11の要部斜視図で人形ロボットの胸部51及び肩部52の外観を示している。図12のコーナ(角)55は、二次元的または三次元的に空間を形成し、そこに、センサSENから離れた位置に配置したマイクロプロセッサCPUを取付けてもよい。また、必要に応じてそこに電池を配設してもよい。勿論、センサSENや電池は、意匠性を維持できれば、人形ロボットの何れに配設してもよい。
図13は胸部51の外側、即ち、反意匠面10B側から観た斜視図で、胸部51の内側から観た斜視図は図14のようになる。
【0089】
そして、本実施の形態の人形ロボットは、基体60の内側に、図示しない連続気泡体の発泡合成樹脂材料板を入れて体積を確保し、基体60(人形ロボット)を被覆する発泡意匠体10との間に容積空間4を形成し、更に、容積空間4を閉じる空気を通過させない、かつ、センサSENのみに圧力が加わるようにしている。結果的に、基体60(人形ロボット)が金属でありセンサSENがそこに固定される。
本実施の形態では、図14のコーナ(角)55の押圧と、頚部56の押圧に対するセンサSENのセンサ出力を任意に設定できる。
【0090】
図15は、回転情報をステッピングモータ91、そのステッピングモータ91のカム92を、その軸に螺合するボルトにより直接接続している。また、発泡合成樹脂材料11,12,13に対しては、合成樹脂板93を接合し、その中央には薄い銅板94を接合している。
したがって、アクチュエータ200のステッピングモータ91を駆動させると、その回転は、カム92の回転となり、カム92の回転は薄い銅板94を上下させるから、容積空間4の体積変化を発生することができる。
【0091】
ステッピングモータ91等の回転情報は、発泡意匠体の反意匠面側に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間を有する第1のチェック構成体100と、第1のチェック構成体100の動作に関係なく駆動するアクチュエータ200は、第1のチェック構成体100の容積空間4の容積を直線変化するまたは回転変化するアクチュエータ200で変化させ、容積空間4で形成した物理的変化量を変化させることができる。
【0092】
ここで、実施の形態をまとめると、図16に示すようになる。
図16(a)は、基体60と発泡意匠体10を対向させ、発泡意匠体10の反意匠側の全体周囲の最外周の接着面1a及び接着面1eに接合手段2を形成することにより、許容間隙δ=0.5〜15mmを形成して発泡意匠体10の周囲を堤(許容間隙だけ高い)とし、容積空間4を形成している。本実施の形態のリミッタ7は同一発泡合成樹脂または同一発泡合成ゴム材料からなり、円筒状部材(71)及び意匠基部で形成されている。
発泡意匠体10は、発泡合成樹脂材料としては、ポリウレタン(PUR)、ポリスチレン(PS)、ポリオレフィン(主に、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP))、また、フェノール樹脂(PF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ユリア樹脂(UF)、シリコーン(SI)、ポリイミド(PI)、メラミン樹脂(MF)等の発泡化した樹脂である。
【0093】
アクチュエータ200との間に容積空間4のような空間が形成されている。その空間は、容積空間4として構成され、そこに格納されている。アクチュエータ200は、その出力が左右の水平方向でもよいが、図示しない垂直方向に配設してもよい。
例えば、水平方向の振動出力を出す事例であると、リミッタ7の水平方向の振動が発生する。振動はアクチュエータ200の左右の端部を振動させ、結果的には、アクチュエータ200を中心に左右に振動するから、第2のチェック構成体300として動作する。アクチュエータ200が目立たない配設とし、容積空間4の変化を得ることができる。
図16(a)は、アクチュエータ200の出力が左右の水平方向の振動となり、リミッタ7からなり円筒状部材(71)の振動となる。ここで、鍔部81は円筒状部材(71)にインサートされていても、いなくてもよい。
【0094】
図16(b)は、基体60と発泡意匠体10で容積空間4を形成している。容積空間4はリミッタ7と基体60と発泡意匠体10で形成されている。アクチュエータ200は、リミッタ7と基体60と発泡意匠体10で形成されている空間に縦に配設している。
特に、アクチュエータ200の図6に示すボビン83の幅をリミッタ7間で保持しており、大きな
容積空間4の変化を得ることができる。アクチュエータ200の振動は、図の上下振動となる。しかし、本実施の形態のアクチュエータ200は、リミッタ7間で保持されているから、無駄のない振動が得られる。
例えば、発泡意匠体10の周囲の最外周の接着面1a及び接着面1eに接合手段2を形成することにより、許容間隙δ=0.5〜15mmを形成して発泡意匠体10の周囲を堤(許容間隙だけ高い)とし、容積空間4を形成している。本実施の形態のリミッタ7は同一発泡合成樹脂または同一発泡合成ゴム材料からなる意匠基部と、基体60側に形成したリミッタ7で形成している。発泡意匠体10及び意匠基部の材料は図16(a)と相違するものではない。この基体60にリミッタ7の上端を取付けても、許容間隙を形成してもよい。
【0095】
図16(c)は、基体60と発泡意匠体10を対向させ、発泡意匠体10の周囲の最外周の接着面1a及び接着面1eに接合手段2を形成することにより、許容間隙δ=0.5〜15mmを形成して発泡意匠体10の周囲を堤(許容間隙だけ高い)とし、容積空間4を形成している。本実施の形態のリミッタ7は同一発泡合成樹脂または同一発泡合成ゴム材料からなる意匠基部と、基体60側に形成したリミッタ7で形成している。発泡意匠体10及び意匠基部の材料は図16(b)と相違するものではない。図16(b)との相違点は、基体60にリミッタ7を取付けるものであり、許容間隙を形成しても、許容間隙を形成せず接合してもよい。
図16(c)は、図16(b)のアクチュエータ200を、リミッタ7間で保持されないで自立させるものであり、基体60に接着剤で接合またはビス止めすることができる。基体60が板材で形成されているから、振動発生の効率を高くすることができる。
【0096】
図16(d)は、基体60と発泡意匠体10を対向させ、発泡意匠体10の周囲の最外周の接着面1a及び接着面1eに接合手段2を形成することにより、許容間隙δ=0.5〜15mmを形成して発泡意匠体10の周囲を堤(許容間隙だけ高い)とし、容積空間4を形成している。本実施の形態のリミッタ7は発泡合成樹脂または発泡合成ゴム材料からなる意匠基部と、基体60の間に配設されている。リミッタ7としてはソリッドタイプまたは発泡性の熱可塑性樹脂材料、アルミニウム、ステンレススチール、鉄、銅、黄銅等の金属板から構成される。発泡意匠体10及び基体60はシンプルな形状として構成されている。この基体60にリミッタ7を取付けるものであるから、発泡意匠体10側に許容間隙を形成しても、基体60に許容間隙を形成してもよい。
また、リミッタ7の両端に発泡意匠体10または基体60を接合しても良いし、片側のみ開放し、そこに許容間隙を設けてもよい。
図16(d)は、図16(b)のアクチュエータ200を、リミッタ7間で保持されないで自立させるものであり、基体60に接着剤で接合またはビス止めするものである。基体60が板材で形成されているから、振動発生の効率を高くすることができる。このとき、この基体60に取付けたリミッタ7を軽量ピース66として形成すると、高効率の振動を発生させることができる。
【0097】
図16(e)は、基体60と発泡意匠体10を対向させ、発泡意匠体10の全体周囲の最外周の接着面1a及び接着面1eに接合手段2を形成することにより、許容間隙δ=0.5〜15mmを形成して発泡意匠体10の周囲を堤(許容間隙だけ高い)とし、容積空間4を形成している。本実施の形態のリミッタ7は円筒状部材で形成している。
図16(c)の実施の形態と相違するのは、発泡意匠体10の全体周囲の最外周の接着面1a及び接着面1eに接合手段2を形成し、許容間隙δ=0.5〜15mmをそれによって得ている。
図16(e)も図16(c)と同様に、基体60を切曲形成したものであり、振動は水平方向に発生するが、このとき、鍔部81とボビン83との間に発泡意匠体10が一部挿入されているが、発泡意匠体10が発泡体であることから、殆ど振動特性には影響しなかった。
【0098】
図16(f)は、基体60と発泡意匠体10を対向させ、発泡意匠体10の全体周囲の最外周の接着面1a及び接着面1eに接合手段2を形成し、そこにピース66を挟み、そして、そのピース66に接合手段2を塗布し、また、他には、リミッタ7としてはソリッドタイプまたは発泡性の熱可塑性樹脂材料、アルミニウム、ステンレススチール、鉄、銅、黄銅等の金属板から構成され部材を配置し、許容間隙δ=0.5〜15mmを形成して発泡意匠体10の周囲を堤(許容間隙だけ高い)とし、容積空間4を形成している。本実施の形態のリミッタ7は発泡合成樹脂または発泡合成ゴム材料からなる意匠基部と、基体60の間に配設されている。
なお、図16(d)と相違するところは、ピース66を用いてアクチュエータ200を水平に振動させていることにある。したがって、アクチュエータ200の水平方向の振動は、基体60の振動振幅を最小限とするものである。
【0099】
このように、リミッタ7は、発泡意匠体10の反意匠面側が外部からの押圧力による物理的変位を制限し、基体60及び/または発泡意匠体10に形成するもので、その両端を発泡意匠体10及び/または基体60に固着するよりも、一端を自由端とするのが望ましい。リミッタ7は、基体60と同一部材であってもよいし、他の部材で形成してもよい。
基体60と発泡意匠体10と端部が基体60及び/または発泡意匠体10に一体化したリミッタ7とで形成された所定の容積空間4は、その空間のように弾性体で形成されていてもよい。
また、その形状についても格別限定されるものではない。
【0100】
上記実施の形態の接触検出チェック装置において、リミッタ7とは、円筒状部材(71)のように、基体60及び/または発泡意匠体10に取付けたまたは形成したもので、多角柱状部材、多角筒状部材、リブの形状を持つものであればよい。また、図7に示すように、意匠基部と分離していても、円筒状部材(71)、多角柱状部材、多角筒状部材、リブと一体に形成されたものでもよい。そして、発泡樹脂材料で形成しても良いし、ソリッドタイプの合成樹脂で形成してもよい。
【0101】
したがって、特定形状に形成した発泡意匠体10の反意匠面10B側に発泡合成樹脂材料及び/または発泡ゴム材料と一体に形成したリミッタ7とで形成された所定の容積空間4または容積空間4を変化させる部材は、特定形状に形成した発泡意匠体10が基体60に接合されて被覆され、センサSENの空気の入出力を除き封止状態のところに圧力を加えられるから、ロボット等の特定の外装として使用できる。そこで、発泡意匠体10の意匠面10A側に外部からの押圧力を加えると、例えば、逆U字形の意匠面10A側に押圧力を加えると、逆U字形の反意匠面10B側の取付け間隔によって、押圧する箇所を変化させると発泡意匠体10の彎曲が変化し、物理的変量も変化する。しかし、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料と一体に形成したリミッタ7で発泡意匠体10の彎曲を均一化し、物理的変量も均一化できる。リミッタ7としては、円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブ、円形の切り欠きまたは多角形の切り欠きとすることも、均一厚さの可撓性テープに円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブを形成することもできる。また、リミッタ7は基体60及び/または発泡意匠体10に一体化または取付けられる。
【0102】
このように、特定形状に形成された基体60と、基体60に接合されて被覆された発泡意匠体10と、発泡意匠体10と一体に形成されたリミッタ7とで形成された所定の容積空間4と、容積空間4に加えられた外部からの押圧力を、容積空間4で形成した物理的変化量として検出するセンサSENは、容積空間4に外部圧力として加え、その物理的変化量を電気的信号として検出するとき、外部圧力の加えられる場所が変化しても、外部圧力が変化しないので、そのセンサSEN出力も大きく乱れることがない。故に、前記容積空間4に加えられた押圧力を均一のセンサSEN出力として判断することができる。
【0103】
特定の形状に形成された基体60に接合されて被覆された発泡意匠体10は、前記発泡意匠体10の一部に意匠面10Aを有している。しかし、発泡意匠体10の一部に外力が加わるのみであるから、意匠面10Aにストレス等が入ることがない。また、発泡意匠体10と基体60との間に拘束力を設定できるリミッタ7を配設するものであるから、発泡意匠体10の意匠面10Aの変化を調節により任意の弾性に設定できる。そして、発泡意匠体10の反意匠面10Bと許容間隙0〜5mmの間隔で変位するから、発泡意匠体10にストレスを残すことなく、復帰することができる。
【0104】
特に、本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、必要に応じて金型で射出成形できるので、コスト低減が可能である。
また、本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、必要に応じてリミッタ7の密度及び高さを変更することにより、物理的変化量との関係を任意に設定できる。したがって、センサSENの内蔵する物理的変化量を検出するセンサSENの出力値を任意に設定できる。
【0105】
上記接触検出チェック装置の基体60を支持する特定形状に形成してなるリミッタ7は、
円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状、リブとしたものである。
したがって、容積空間4に外部圧力を加え、その物理的変量を電気的信号として検出するとき、外部圧力の加えられる場所の違いによってそのセンサSEN出力が大きく変化しない。円筒状部材(71)、多角柱状部材、多角筒状部材、リブは各々支柱として使用でき、所定の範囲で、発泡意匠体10の彎曲を抑えることができる。この円筒状部材(71)、多角柱状部材、多角筒状部材、リブは、平面に対して垂直に配設することで、外部圧力を分圧化し、容積空間4に加えられた押圧力を均一のセンサSEN出力として判断することができる。
【0106】
また、基体60を支持する特定の形状に形成してなるリミッタ7は、円形の切り欠きまたは多角形の切り欠きとしたものである。したがって、円形の切り欠きまたは三角形以上の多角形の切り欠きによって空気の流通路を形成し、三角形以上の多角形の切り欠きによって空気の流通路を形成するとともに、流体抵抗を任意に設定でき、特定の形状に形成した発泡意匠体の意匠面10Aを乱すことなく使用できる。
特に、特定の形状に形成してなるリミッタ7は、円形の切り欠きまたは多角形の切り欠きとしたものであるから、円形の切り欠きまたは多角形の切り欠きは基体側に空気流を作るから、空気の温度が急冷され、水滴等を発生することがない。
【0107】
そして、基体60を支持する特定の形状に形成してなるリミッタ7は、均一厚さの可撓性テープに円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブを形成したものであるから、円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブを形成した均一厚さの可撓性テープを貼ることにより、連続的に弾性を変化させることができる。
特に、可撓性テープは基体の一部として機能させ、可撓性テープを前記基体に張り付けることにより、先に可撓性テープを基体に張り付け、後に発泡意匠体を組み付けることができる。なお、可撓性テープの使用は、基体60の樹脂化を否定するものではない。
【0108】
また、基体60を支持する特定の形状に形成してなるリミッタ7は、均一厚さの可撓性テープに円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブを形成したものであるから、円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブを形成した均一厚さの可撓性テープを貼ることにより、連続的に弾性を変化させることができる。
特に、可撓性テープは基体60の一部として機能させ、可撓性テープを前記基体に張り付けることにより、先に可撓性テープを前記基体に張り付け、後に発泡意匠体10を組み付けることができる。
【0109】
本発明を実施する場合の第1のチェック構成体100は、特定形状に形成された基体60と、基体60に接合されて被覆し、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定の形状に形成してなる発泡意匠体10と、発泡意匠体10の意匠面10A側からの押圧力による物理的変位を拘束する基体60及び/または発泡意匠体10に取付けたリミッタ7と、基体60と発泡意匠体10と前記端部が基体60及び/または発泡意匠体10に一体化したリミッタ7とで形成された所定の容積空間4と、容積空間4に加えられた外部からの押圧力を、容積空間4で形成した物理的変化量として検出するセンサSENとを具備する。
【0110】
基体60及び/または発泡意匠体10に取付けたリミッタ7は、基体60及び/または発泡意匠体10に取付けたもの或いは、基体60及び/または発泡意匠体10に一体に形成したものとすることができる。
また、リミッタ7は、基体60及び/または発泡意匠体10に対して円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブを一対に形成したものでもよいし、または厚み部分の共通基部、即ち、意匠基部の上及び/または下に形成してもよい。
【0111】
本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、特定形状に形成された基体60、前記基体60に接合されて被覆し、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定形状にしてなる発泡意匠体10、発泡意匠体10の反意匠面10B側に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間4を有する第1のチェック構成体100と、前記第1のチェック構成体100の動作に関係なく駆動自在なアクチュエータ200と、前記第1のチェック構成体100の容積空間4の容積をアクチュエータ200で変化させ、容積空間4で形成した物理的変化量を得る第2のチェック構成体300を具備するものである。
【0112】
本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、第1のチェック構成体100を構成する特定形状に形成された基体60と、基体60に接合され被覆された発泡意匠体10と、特定形状に形成した発泡意匠体10の内面側、即ち、反意匠面10B側に一体に形成または取付けて形成し、外部からの押圧力による物理的変位を制限するリミッタ7とで形成された容積空間4は、容積空間4に加えられた外部からの押圧力をセンサSENで、物理的変量の発生としている。
【0113】
しかし、第2のチェック構成体300を構成する基体60と、基体60に接合され被覆された発泡意匠体10と、発泡意匠体10の反意匠面10B側に一体に形成された所定の容積空間4は、容積空間4の容積をアクチュエータ200で変化させ、前者同様、容積空間4で形成した物理的変化量を得るものである。
【0114】
まず、基体60と発泡意匠体10の反意匠面10B側に一体に配設された第2のチェック構成体300の容積空間4は、第1のチェック構成体100を構成する基体60、発泡意匠体10、リミッタ7で容積空間4を構成する構成は同一である。また、アクチュエータ200は、基体60、発泡意匠体10で形成される容積空間の一部を拡張または縮小させるもので、第1のチェック構成体として機能する容積空間4に比較して、何方の容積空間が大きくてもよいし、何方の容積空間4の変化が大きくてもよい。
【0115】
図8に示すように、第1のチェック構成体100を構成する基体60、発泡意匠体10、リミッタ7及び容積空間4からなり、前記容積空間4は第2チェック構成体300の容積空間4と同一であり、構成部品として両者の共通回路を構成している。回路装置としては、アアクチュエータ200を前記容積空間4に配設し、そのアアクチュエータ300を駆動するマイクロプロセッサ400を配設すれば良い。
【0116】
基体60と発泡意匠体10の反意匠面10B側に一体に配設された第2のチェック構成体300の容積空間4は、容積空間4の容積をアクチュエータ200で形成した物理的変化量を変化させ、第2のチェック構成体300を構成する基体60、発泡意匠体10、リミッタ7で形成される容積空間4の容積変化で検出し、それをもって正常であることを判断するものである。
また、第1のチェック構成体100の特定形状に形成した発泡意匠体の反意匠面10B側にリミッタ7で形成された所定の容積空間4は、特定の形状に形成した発泡意匠体10が前記基体60に接合されて被覆され、センサSENの空気の入出力を除き封止状態のところに圧力を加えられるから、ロボット等の特定の外装に形成される。
【0117】
そして、発泡意匠体10の意匠面10A側に外部から、例えば、逆U字形の意匠面10A側に第2のチェック構成体300の押圧力を加えると、逆U字形の反意匠面10B側の両取付け間隔によって、押圧する箇所を変化させると発泡意匠体10の彎曲が変化し、物理的変量も変化する。しかし、前記発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料と一体に形成したリミッタ7で発泡意匠体10の彎曲を均一化し、物理的変量も均一化できる。リミッタ71としては、均一厚さの可撓性テープに円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブ、或いは、それらに切り欠きを設けることもできる。また、リミッタ7は基体60及び/または発泡意匠体10に一体化または取付けられ、使用態様に応じて基体60及び/または発泡意匠体10に一体化または取付けられる。
【0118】
このように、特定形状に形成された基体60と、基体60に接合されて被覆された発泡意匠体10と、発泡意匠体10と一体に形成されたリミッタ7とで形成された所定の容積空間4と、容積空間4に加えられた外部からの押圧力を、容積空間4で形成した物理的変化量として検出するセンサSENは、容積空間4に外部圧力として加え、その物理的変化量を電気的信号として検出するとき、外部圧力の加えられる場所が変化しても、外部圧力が変化しないので、そのセンサSEN出力も大きく乱れることがない。故に、容積空間4に加えられた押圧力を均一のセンサSEN出力として判断することができる。
【0119】
特定の形状に形成された基体60に接合されて被覆された発泡意匠体10は、発泡意匠体10の一部に外力が加わるのみであるから、意匠面にストレス等が入ることがない。また、発泡意匠体10と基体60との間に拘束力を設定できるリミッタ7を配設するものであるから、発泡意匠体10の意匠面の変化を調節により任意の弾性に設定できる。そして、発泡意匠体10の反意匠面10Bと許容間隙δ=0.5〜15mmの間隔で変位するから、発泡意匠体10にストレスを残すことなく、意匠性を乱すことなく、復帰することができる。許容間隙δ=0.5〜15mmは、それ以上の間隔にすることは問題ないが、見栄えからこの間隔内にするのが好ましい。
【0120】
特に、本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、必要に応じて金型でリミッタ7が射出成形できるので、コストの低減が可能である。また、本発明の実施の形態の接触検出チェック装置は、必要に応じてリミッタ7の密度及び高さを変更することにより、物理的変化量との関係を任意に設定でき、センサSENの内蔵する物理的変化量を検出するセンサSENの出力値を任意に設定できる。
また、発泡合成樹脂材料及び/または発泡ゴム材料と一体に形成または取付けて形成し、外部からの押圧力による物理的変位を制限するリミッタ7は、当該リミッタ7によって外部からの押圧力に対する反応を任意に設定できる。
【0121】
前記第1のチェック構成体100と前記第2のチェック構成体300とは、基体60及び発泡意匠体10からなる物理的変位を制限された容積空間4を共通としたものである。
当該接触検出チェック装置の上記第1のチェック構成体100と上記第2のチェック構成体300とは、基体60及び発泡意匠体10からなる物理的変位を制限された容積空間4を共通としたものであるから、基体60及び発泡意匠体の前記容積空間4の異常、前記センサの異常を第1のチェック構成体100と上記第2のチェック構成体300の共通回路としてマイクロプロセッサ400に設定した条件により、異常・正常検出できるから、アクティブチェックとパッシブチェックを備えることになる。
よって、それだけ第1のチェック構成体100の信頼性が高くなる効果がある。
前記アクチュエータ200は、その可動部分の長さ方向に変化するものとした。
【0122】
前記第2のチェック構成体300の共通回路としてマイクロプロセッサ400に設定した条件は、「5時間以上連続稼働」、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」を採用しているが、本発明を実施する場合には、「異常停止直後」、「メイン電源投入直後」或いは「稼働時間の開始」、「1〜50時間以上連続稼働」の場合には、オペレータが意識しないで本実施の形態の接触検出チェック装置のチェックに入ることができる。しかし、前記設定条件は、必ずしも、これに限定されるものではない。
【0123】
また、センサSENの動作は、第1のチェック構成体100の動作よりも、第2のチェック構成体300の動作を大きくしているが、この関係も、第1のチェック構成体100の動作よりも第2のチェック構成体300の動作を小さくすることができる。何れにせよ、第1のチェック構成体100の信号と第2のチェック構成体300の信号の大きさは何れを大きくしてもよい。
【0124】
また、第1のチェック構成体100の信号と第2のチェック構成体300の信号のタイミングも、何れを先にしてもよいが、スタートの安定化するタイミングからすれば、第2のチェック構成体300の信号の選考が望ましい。
本実施の形態の前記アクチュエータ200は、第1のチェック構成体100の信号を停止させているが、第2のチェック構成体300の信号のタイミングも同一周波数化で動作させてもよい。或いは、特定の位相を待って動作させてもよいが、第2のチェック構成体300が動作しているときには、第1のチェック構成体100の動作を停止するのが望ましい。
【0125】
上記実施の形態では、第1のチェック構成体100の動作を停止と、第2のチェック構成体300の動作停止は、第1のチェック構成体100の動作を停止と第2のチェック構成体300の動作のタイミングを特定の周波数に一致させることなく、第2のチェック構成体300の動作時に第1のチェック構成体100の動作を停止させているが、特定の周波数で判断してもよいし、周波数に依存しないでもよい。
【0126】
加えて、本実施の形態の接触検出チェック装置のアクチュエータ200は、電磁石、エアシリンダ、油圧シリンダ等のシャフトの長さ方向に変化するものであるから、容積空間4の体積を大きく変化させることができる。上下、左右に直線運動をさせ、その膨張と圧縮から第2のチェック構成体300の正常・異常を判断し、第1のチェック構成体100の監視の元に運転を行うことができる。
なお、サーボモータ、ステッピンクモータ等を使用した場合に、シャフトの長さ方向に変化することができないものではなく、シャフトの長さ方向に変化するには他の部品を必要とするものである。
【0127】
アクチュエータ200の可動部分の長さ方向の両端は、その長さ方向に変位する軸の太さ、即ち、可動子87よりも大径で、かつ、前記軸の外周の表面積を大きく接合したものである。
また、接触検出チェック装置のアクチュエータ200のシャフトの長さ方向の両端は、その長さ方向に変位するシャフトの太さよりも大径で、かつ、前記シャフトの外周の表面積を大きくしたボビン83で接合したものである。
【0128】
即ち、可動子87からなるシャフトの長さの両端は、そのシャフトの径よりも、大きく接合することにより容積空間4の容積変化を大きく取り、第1のチェック構成体100と第2のチェック構成体300の変化を大きくすることができる。
また、リミッタ7は、円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブのうちの1以上を形成したものである。
【0129】
更に、本発明の接触検出チェック装置における基体60を支持する特定形状に形成してなるリミッタ7は、円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブの何れかとしたものである。
したがって、容積空間4に外部圧力を加え、その物理的変量を電気的信号として検出するとき、外部圧力の加えられる場所の違いによってそのセンサSEN出力が大きく変化しない。円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブは各々支柱として使用でき、所定の範囲で、発泡意匠体の彎曲を抑えることができる。この円筒状部材、円柱状部材、多角柱状部材、多角筒状部材、リブは、平面に対して垂直に配設することで、外部圧力を分圧化し、容積空間4に加えられた押圧力を均一のセンサSEN出力として判断することができる。
【符号の説明】
【0130】
2 接合手段
4 容積空間
7 リミッタ
10 発泡意匠体
10A 意匠面
10B 反意匠面
60 基体
71 円筒状部材
87 可動子
SEN センサ
100 第1のチェック構成体
200 アクチュエータ
300 第2のチェック構成体
400 マイクロプロセッサ
【要約】
【課題】物理的変化量の検出に向けて基材、発泡体、容積空間、センサの構成部品の何れかに原因があることを検討できること。
【解決手段】特定形状に形成された基体、前記基体に接合されて被覆し、発泡合成樹脂材料または発泡ゴム材料を特定形状に形成してなる発泡意匠体、前記発泡意匠体の反意匠面側に形成され、外部からの押圧力による物理的変位を制限された所定の容積空間を有する第1のチェック構成体と、前記第1のチェック構成体の動作に関係なく駆動するアクチュエータは、前記第1のチェック構成体の前記容積空間の容積をアクチュエータで変化させ、前記容積空間で形成した物理的変化量を変化させる第2のチェック構成体を具える。
【選択図】図1
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図2
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