特許第6671744号(P6671744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671744
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】自己組織化ユニットを生産する方法
(51)【国際特許分類】
   C08G 73/02 20060101AFI20200316BHJP
   C12N 15/00 20060101ALN20200316BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20200316BHJP
【FI】
   C08G73/02
   !C12N15/00
   !C07K14/47
【請求項の数】18
【外国語出願】
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2014-161746(P2014-161746)
(22)【出願日】2014年8月7日
(65)【公開番号】特開2016-36298(P2016-36298A)
(43)【公開日】2016年3月22日
【審査請求日】2017年6月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】301023238
【氏名又は名称】国立研究開発法人物質・材料研究機構
(72)【発明者】
【氏名】ゴッシュ スブラタ
(72)【発明者】
【氏名】バンディオパダヤイ アニルバン
(72)【発明者】
【氏名】藤田 大介
【審査官】 坂崎 恵美子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2001/091201(WO,A1)
【文献】 特開2006−321719(JP,A)
【文献】 特表2002−537426(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/132597(WO,A1)
【文献】 特表2009−528260(JP,A)
【文献】 分子の自己組織化 『長さ』の制御に世界で初めて成功,国立研究開発法人 物質・材料研究機構 プレスリリース,2014年 2月 3日,URL,http://www.nims.go.jp/news/press/2014/01/p201402030.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08G 73/02
C07K 14/47
C12N 15/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/WPIDS/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的な自己組織化物質の基本シードからの成長が、外部の電磁共鳴周波数帯域をポンピングすることによってトリガされる自己組織化ユニットを生産する方法であって;
前記自己組織化物質は、PAMAMデンドリマであり
前記自己組織化物質中の特定の有機超分子アーキテクチャが3個の電磁共鳴帯域を有し;
前記自己組織化物質の生成物の構造が一つの共通領域を伴う3つの共鳴帯域を有するように、数個の発振器を自己組織化し;
前記自発的な自己組織化プロセスが続行して、単一の自己組織化プロセスでの出力生成物次の自己組織化プロセスの基本シードとして使用
これによって、共鳴のチェーンが形成されたものであることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項2】
請求項1に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
任意の層のシード構造を構成する振動子間の共鳴振動は、少なくとも3つの異なるダイナミクスをトリガするものであって、
(i)最高周波数帯域は、下位の層と結合するために使用され、
(ii)1つの帯域は、固有の共鳴振動用のために結合されておらず、
(iii)別の帯域は、他の結合する物質と通信するために、より高い周波数領域であり、
これによって、連続的な自己組織化ユニットはさらに成長することを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項3】
請求項2に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
唯一のシードの分子構造が出発物質であり、残りのすべてが当該シードから成長し、そして
前記発振器の三つの異なるセットは、単一のシードに設定する必要があり、
一つは前記シードに必須である前身シードから継承されたものであり、
一つは次の層のシードによって継承されることになることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項4】
請求項2に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
複数のシードの分子構造が出発物質であり、
すべてが溶液中に一緒に入れてあるとき、複数のシードが、別々に、または相互作用的に自己の周波数フラクタル構造体を成長させることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項5】
請求項2に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
前記自己組織化プロセスは、複数の製品に分岐するか三叉になることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項6】
請求項1又は2に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
自己組織化構造は、フラクタル構造と同様な、AC信号の放射対周波数のプロットと同じものを与えるものであり;
所望の対称性が連続的な成長の間に達成されない場合には、各層の前記共鳴帯域に設定された特定の周波数の繰り返しがエラーを含み、
複数の共鳴振動の間の結合が、一緒に参加するコンポーネントを結合するのに十分である場合、当該成長が継続し、それが新たな層を発展させることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項7】
請求項6に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
いくつかのシードの成分は、共鳴した振動をする共にスパイラル対称性を生成し、
前記スパイラル対称性は次の周波数範囲内の共鳴帯域を繰り返すことを特徴とする連続的に自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項8】
請求項6に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
前記特定の周波数範囲において、反復関数系のフラクタルが生成されることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項9】
請求項6に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
複数の周波数値の異なるセットを同時に繰り返しており、
溶液中に残存するシードが不純物として自己組織化を開始するように、自己組織化構造が共鳴した振動をすると共に、
当該プロセスが継続して、新しい共鳴チェーンが形成されることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項10】
請求項1−6の何れか1項に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
発振器の部品を構成する開始分子配列は、相補的である周波数分布を放棄しており、
すべての参加する発振器は互いにコヒーレントに動作し、そして、
同期および非同期化は、典型的な幾何学的制御の構造の形成によって、結合とエネルギー伝送を行うように一緒に働くことを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項11】
請求項10に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
異なる周波数範囲における原子配列の電磁振動が一緒に動作しており、
従って、時間遅延が特定の構造を一緒にもたらすことに根本的な役割を果たすことを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項12】
請求項10に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
共鳴周波数のチェーンは、シード構造自体によって定められることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項13】
請求項1−10の何れか1項に記載の連続的に連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
その技術は、シード構造および化学的又は非化学的結合を介して作成されたアーキテクチャ内の自由エネルギー伝達を含むと共に、これにより自己組織化プロセス中の周波数フラクタル測定は量子力学的に精密かつ正確であることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項14】
請求項13に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
その成長が熱的ノイズおよび他の形態のノイズを使用することを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項15】
請求項13に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
その成長はエネルギーを非放射で移動させることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項16】
請求項13に記載の連続的に自己組織化ユニットを生産する方法において、
エネルギー伝達の量子力学的経路は、自己組織化を誘発することを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項17】
請求項16に記載の連続的に自己組織化ユニットを生産する方法において、
出力フラクタル周波数は周波数軸の全領域でデジタル識別可能であることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【請求項18】
請求項1−13の何れか1項に記載の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、
前記共鳴周波数の振幅を制御する唯一のパラメータは、特定の対称性を定義するための特定の期間を規定する物質の長さであり、
他のパラメータは、発振器を作る副発振器との間の角度であることを特徴とする連続的自己組織化ユニットを生産する方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己組織化物質の新しい生産方法に関し、特に電磁共鳴振動によってトリガされ、この電磁共鳴振動での共鳴周波数のセットのパターンは新しい帯域を生成し、その特定の共鳴帯域を有する溶液中の任意の物質が近くに来て、自己組織化されると共に、システムが当該帯域を埋めるために他の構造を見つけなくなるまでこれが継続されるものに関する。
【背景技術】
【0002】
自己組織化は、1つ以上の物質を溶液に添加することによる技術であり、それらの物質が組み合わされるように一体になる。自己組織化は古い技術であり、ここでアーキテクチャの製造は「鍵と鍵穴」の配置に従い、構造体の構築は、溶液中の「エネルギー最小化」の原則に従う。
【0003】
これは、自己組織化を推進するための興味深い基準である。その理由は、構造の対称性は、外部の電磁場を印加することによって探査されていると共に、その電磁場は、構造の対称性とその遷移経路に基づいて、共鳴振動ダイナミクスをトリガする。ここで一つ一つの発振器がアンテナであると同時に受信機であることに留意すべきである。[非特許文献1]、[非特許文献2]、[非特許文献3]
【0004】
対称性を定義するキー構造の配置は、特定の様式で配置する必要がある。これは、要素を定義する対称の対称性と呼ばれている。この高レベルの対称性は重要であるが、その理由は、それが要素の典型的な形状を定義するためである。当該要素の典型的な形状は、その上位の層を構築した場合に、重要な要因である。
【0005】
残念ながら、文献中には、共鳴レベルのエンジニアリングが見つからない。研究者コミュニティと技術者は、単一の共鳴ピークのエンジニアリングを実施する上で非常に満足している。しかし、変調する複数の共鳴ピークはまだ今のところ、研究されていない。我々はある構造体を合成するために共鳴ピークの操作を使用しているため、ここでは一歩進んでいる。
それは、産業界、特に通信技術、における広い応用を有しているので、この技術は非常に重要である。通信に加えて、構造体を成長させることを可能とし、その電子的、磁気的、光学的性質は、アーキテクチャが完全形に成長する前に定義できるような技術を、我々は考え出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第7502769号公報
【特許文献2】米国特許公開第2013/0155516号公報
【特許文献3】WO2007/143327A3号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】http://en.wikipedia.org/wiki/Fractal_antenna
【非特許文献2】Hohlfeld R, Cohen N (1999). "Self-similarity and the geometric requirements for frequency independence in Antennae". Fractals 7 (1): 79-84.
【非特許文献3】Pourahmadazar, J.; Ghobadi, C.; Nourinia, J.; Shirzad, H. (2010). Mutiband Ring Fractal Monopole Antennas For Mobile Devices. New York: IEEE. pp. 863-866.
【非特許文献4】“Cooperative self-assembly and crystallization into fractal patterns by PNIPAM-based nonlinear multihydrophilicblock copolymers under alkaline conditions”; Shengtong Sun et. Sl.; Polym. Chem., 2013,
【非特許文献5】“Fractal intermediates in the self-assembly of silicatein filaments” Meredith M. Murr and Daniel E. Morse vol. 102 no. 33; 11657-11662 (2005).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、次のシード分子を設計し、合成することである。即ち、電気的、磁気的、電磁気的、機械的または電気的なエネルギーのいずれかの形式によって外部的にトリガしたとき、シード分子は自己組織化の取得を開始すると共に、自己組織化の過程において、物質の電磁共鳴特性は自己組織化アーキテクチャの全層に対して一定のままの状態である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の発明者は、その合成が開始される前であっても、その特性がプログラムできる自己組織化の絶対的に新しい種類のプロトコルを着想した。第一に、一つのシード構造が次の構造用シードとして働く出力として成長するようにのみ設計され、第二に、構造体のすべての層は、同一の共鳴周波数帯域を示し、第三に、共鳴周波数の全サブバンドの間で、エネルギーレベルの通信が維持され、第四に、超分子アーキテクチャは、任意の周波数帯域と任意の形状をカバーできると共に、これらのパラメータに制限はない。
【0010】
本発明による第一の態様は、連続的な自己組織化物質の基本シードからの成長が、外部の電磁共鳴周波数帯域をポンピングすることによってトリガされる自己組織化ユニットを生産する方法であって;前記自己組織化物質は、PAMAMデンドリマであり;前記自己組織化物質中の特定の有機超分子アーキテクチャが3個の電磁共鳴帯域を有し;前記自己組織化物質の生成物の構造が一つの共通領域を伴う3つの共鳴帯域を有するように、数個の発振器を自己組織化し;前記自発的な自己組織化プロセスが続行して、単一の自己組織化プロセスの出力生成物次の自己組織化プロセスの基本シードとして使用;これによって、共鳴のチェーンが形成されたものであることを特徴とする。
【0011】
本発明による第二の態様は、第一の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、任意の層のシード構造を構成する振動子間の共鳴振動は、少なくとも3つの異なるダイナミクスをトリガするものであって、
(i)最高周波数帯域は、下位の層と結合するために使用され、
(ii)1つの帯域は、固有の共鳴振動用のために結合されておらず、
(iii)別の帯域は、他の結合する物質と通信するために、より高い周波数領域であり、これにより、連続自己組織化ユニットはさらに成長することを特徴とする。
これは、トリプレット共鳴帯域と呼ばれている。一つの共鳴帯域は、下位の層のシーズと結合するために使用され、別の共鳴帯域は上位の層のシーズと結合するために使用される。少なくとも3つの帯域が不可欠であるが、より多くてもよい。
【0012】
第一の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、唯一のシードの分子構造が出発物質であり、残りのすべてが当該シードから成長し、そして前記発振器の三つの異なるセットは、単一のシードに設定する必要があり、一つは前記シードに必須である前身シードから継承されたものであり、一つは次の層のシードによって継承されることになることを特徴とする。
第一の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、複数のシードの分子構造が出発物質であり、すべてが溶液中に一緒に入れているとき、複数のシードが、別々に、または相互作用的に自己の周波数フラクタル構造体を成長させることを特徴とする。
第一の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、前記自己組織化プロセスは、複数の製品に分岐するか三叉になることを特徴とする。したがって、開始時には、単一の共鳴チェーンが存在し得るが、自己組織化プロセスの間に、共鳴帯域の複数のサブチェーンが形成され得る。
【0013】
本発明による第三の態様は、第一又は第二の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、自己組織化構造は、フラクタル構造と同様な、AC信号の放射対周波数のプロットと同じものを与えるものであり、ここでフラクタル構造の一つは「周波数フラクタル」と呼ばれている。そして、所望の対称性が連続的な成長の間に達成されない場合には、各層の共鳴帯域に設定された特定の周波数の繰り返しがエラーを含み、複数の共鳴振動の間の結合が一緒に参加するコンポーネントを結合するのに十分である場合、当該成長が継続し、それが新たな層を発展させることを特徴とする。
【0014】
第三の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、数個のシードの成分は、共鳴した振動をする共にスパイラル対称性を生成し、前記スパイラル対称性は次の周波数範囲内の共鳴帯域を繰り返すことを特徴とする。
第三の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、前記特定の周波数範囲において、反復関数系(iterative function systems)のフラクタルが生成されることを特徴とする。
第三の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、複数の周波数値の異なるセットを同時に繰り返しており、溶液中に残存するシードが不純物として自己組織化を開始するように、自己組織化構造が共鳴した振動をすると共に、当該プロセスが継続して、新しい共鳴チェーンが形成されることを特徴とする。
【0015】
本発明による第四の態様は、第一乃至第三の何れか一つの態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、発振器の部品を構成する開始分子配列は、相補的である周波数分布を放棄しており、すべての参加発振器は互いにコヒーレントに動作し、そして、同期および非同期化は、典型的な幾何学的制御の構造の形成によって、結合とエネルギー伝送を行うように一緒に働くことを特徴とする。
【0016】
第四の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、異なる周波数範囲における原子配列の電磁振動が一緒に動作しており、従って、時間遅延が特定の構造を一緒にもたらすことに根本的な役割を果たすことを特徴とする。複数の周波数の組成が物質を合成するシーケンスプログラムとして機能する。
第四の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、共鳴周波数のチェーンはシード構造自体によって定められることを特徴とする。これは、目に見えない振動のチェーンであり、ここで、成長はチェーンの複数の部分や任意の一方向から発生する可能性がある。それらは、統合されたアーキテクチャを形成するように結合する。
【0017】
本発明による第五の態様は、第一乃至第四の何れか一つの態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、その技術は、シード構造および化学的又は非化学的結合を介して作成されたアーキテクチャ内の自由エネルギー伝達を含むと共に、これにより自己組織化プロセス中の周波数フラクタル測定は量子力学的に精密かつ正確であることを特徴とする。周波数軸の全領域において、出力フラクタル周波数はデジタル識別可能である。
【0018】
第五の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、その成長が熱的ノイズおよび他の形態のノイズを使用することを特徴とする。
第五の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、その成長はエネルギーを非放射で移動させることを特徴とする。
第五の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、エネルギー伝達の量子力学的経路は、自己組織化を誘発することを特徴とする。このように、自己組織化プロセス中の周波数フラクタル測定は量子力学的に精密かつ正確である。
上記の態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、出力フラクタル周波数は周波数軸の全領域でデジタル識別可能であることを特徴とする。したがって、情報処理はノイズフリーであり、全く確率的ではない。
【0019】
本発明による第六の態様は、第一乃至第五の何れか一つの態様の連続的自己組織化ユニットを生産する方法において、前記共鳴周波数の振幅を制御する唯一のパラメータは、特定の対称性を定義するための特定の期間を規定する物質の長さであり、他のパラメータは、発振器を作る副発振器との間の角度であることを特徴とする。自己組織化は、何兆という有機発振器、有機金属発振器を生成し、すべては共鳴周波数を定義するために同じ規則に従う。
【発明の効果】
【0020】
以下にすべての有利な変更点を要約する。本発明による態様のそれぞれは、有利な変更点の少なくとも一つを有する。
1)第一の有利な変更点は、巨大な電子的及び光学的な集積チップが化学ビーカー内に作成されるような、技術の新世代を作成することを提供することである。これ以前には、全体の特性ベースのアーキテクチャ作りが着想されていなかった。
2)第二の有利な変更点は、唯一のシード構造を作成して、それを適さない空間や他の環境に送ることを可能にすることである。環境が適合する場合は、アーキテクチャは自分で成長することになる。
【0021】
3)第三の有利な変更点は、すべての層で同一の共鳴帯域を示す典型的なアーキテクチャを提供できる事である。我々は任意の帯域幅のアンテナと受信機を設計することができ、さらには強度ベースの運用設計もできる。そして、単に分子設計を変更することにより、共鳴レベルの何百万の特性を制御できる。
4)第四の有利な変更点は、単に基本的なシードの構造的対称性を変更することにより、大規模な機械をプログラムすることができる、典型的な設計のプロトコルを提供できる事である。
5)第五の有利な変更点は、いかなる配線も熱損失もなしに、同時に何百万もの異なるエネルギーレベルで動作するような、デバイスを提供できる事である。
【0022】
6)第六の有利な変更点は、その時間応答が他の基本的な電子デバイスよりも高速であるデバイスを提供できる事である。
7)第七の有利な変更点は、我々が容易く強度を変更できるように、コンピュータで使用されるバイナリ処理システムを越えたマルチレベルのロジックを処理できる、超分子アーキテクチャを提供できる事である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、周波数フラクタルの構築原理を説明する概略図を示している。シード発振器は自己組織化し、自己組織化製品がシードとして動作して、自己組織化が継続する。一つの発振器用のトリプレット共鳴帯域を示し、周波数フラクタルがどのように形成されるか、説明している。
図2図2は、周波数フラクタルの構成を示す走査型電子顕微鏡写真の実験結果の概略図を示しており、すべて区分けされた状態の画像を示している。
図3図3は、周波数フラクタルを形成するための吸収分光データ、及び蛍光分光データを示している。
図4図4は、PAMAMデンドリマーには複数の分子がドープされていることを示している。右側の走査型電子顕微鏡写真画像に示すように、各分子に対してのフラクタル展開は根本的に異なる。
図5図5(a)は、溶液中の周波数フラクタルの大規模な成長時の顕微鏡画像を示している。図5(b)は、周波数フラクタルの第三段階のアセンブリであるらせんナノワイヤの高解像度画像を示している。図5(c)は、表面上のフラクタルのSEM画像を示している。
図6図6は、3個の周波数フラクタル物質の相互作用を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この明細書では、この電子デバイス又は光素子を、「周波数フラクタルアーキテクチャ」または単に「ユニバーサル共鳴物質」と呼ぶ。広帯域のアンテナ及び受信機と同様に、全体のアーキテクチャが動作し、そのダイナミクスを究極にコントロールすることによって、全種類の電磁的特性を制御できる。
以下、特許請求の範囲に対応して詳細に本発明を説明する。
【0025】
第1の態様は主請求項であり、製品全体を包含する。発明した製品は、連続的に成長し又は減衰する超分子アーキテクチャである。多相自己組織化で誘導されるアーキテクチャは、外部の電磁共鳴周波数帯域によってトリガされる。自己組織化物質では、構成シード部品は、特定の共鳴周波数帯域を有するが、これは外部周波数帯域との周波数結合に関与して、その結果として共鳴振動が生じる。
【0026】
自動的に周波数フラクタルを作成する物質を合成することは重要な問題である。したがって、全体のプロセスでは、以下の自己組織化が起こるはずである。これは非常に複雑なアーキテクチャであるため、合成中での原子を単位としての操作は不可能である。基本シード分子の振動の共鳴周波数は、原子スケールでの操作とシード部品(発振器)での分子スケールの取り決めに従って符号化される。
このように、周波数変調は、シード中に、ある関連する周波数帯域の振動子を生成できる。この技術の鍵は、対称性を生成するその基本的な共鳴帯域に加えて、シード構造に一段階高いレベルの対称性を符号化することである。次に、本発明の冒頭で説明したように、その追加的な対称性は、全体のアーキテクチャの形成をトリガする。
【0027】
3つの問題が、第一の態様において重要である。第一に、我々は環境から物質を取得し、連続的に成長する物質を持っている。第二に、見ることの出来ない共鳴チェーンの概念が導入されるが、最終的なアーキテクチャを作成するために、物質によって充填されている。第三に、共鳴帯域の性質は、複数のトリプレットの中のトリプレットとして分布する電磁共鳴ピークである。これは重要である。
【0028】
第二の態様にカバーされている3つの基本的な問題は、唯一のシードを設計し、合成する必要があり、当該唯一のシードは、3つの共鳴帯域を有し、それが成長するものであるが、しかし、複数の種類のシードが使用され、同時に複数の経路への成長が続くものである。第二に、自己組織化プロセスが分岐するか三叉化して、複数の共鳴チェーンになる可能性があると共に、単一シードまたは複数のシードが成長過程に参加し始めると、これが発生する可能性がある。
【0029】
二つの異なるダイナミクスが、任意の層のシード構造によって演じられる必要がある。2つの異なる種類の対称性が少なくとも符号化されていることを確認するように、高い帯域が出力シードを創製するために使用される。これは不可欠であるが、その理由は、そうでない場合には、より高いレベルの構造的成長が停止するからである。振動的な同期に達すると、すべての発振器は平衡状態に至り、動的な力学平衡が存在するから、ここでは、発振器間のエネルギー交換は、発振器が創製した大きなアーキテクチャの物理的な崩壊につながる。
【0030】
第一又は第二の態様の連続的な自己組織化製品において、自己組織化構造は、フラクタル構造のそれと同じ周波数対AC信号の放射のプロットを提供するもので、これは「周波数フラクタル」と呼ばれる。それは、個々の構成部品に対して許され、自己組織化構造は幅広く異なるように見える。一方では、第2の態様の放射された周波数パターンでは、自己組織化プロセスの各段階で、すべての単一のアーキテクチャから互いにフラクタルである必要がある。自己相似性は同じではなく、カップリングが成長を誘導し、新たな段階に発展するのに十分である限り、そのずれは許容される。
【0031】
この請求項には、3つの基本的な側面がある。まず第一に、周波数フラクタルの対称性についてである。我々の合成した物質のほとんどでは、らせんの特定の形態が観察されることを見出した。らせん状の対称性を使用することの利点は、数個の異なるらせん状の対称性は、単一の構造に重ね合わせられることである。第二に、特定の層において、周波数フラクタルアーキテクチャが拡張する時には、一つの特定の基本的な対称性が数回繰り返される必要がある。数学用語では、この繰り返しは、反復関数系(IFS)と呼ばれている。このように、単層の内側において、成長はIFSシステムに準拠して続くが、これは特定の対称性を繰り返して複製している。しかし、上限周波数と下限周波数が交差する場合、それは時間のハードウェアを抜け出すが、このことはその共鳴周波数分布のパターンが同様のままであることを意味する。
【0032】
第三の態様は、「周波数フラクタル」概念の実装の柔軟性の問題に対処する。これは、本発明の唯一の目的が、エネルギー交換が2つのシード構造の間で適切に起こることを保証することに留意すべきである。各層は次の層用のシード構造であることに留意すべきであり、そのため、隣接層のシードとの間のカップリングは、任意の種類の「周波数フラクタル」ハードウェアの構築及び特性チューニングのためのキーである。また、カップリング強度が2つのピークの重なりに依存することに留意すべきである。従って、周波数が周波数フラクタルの成長中に変更された場合、我々は重複領域をチェックする必要があり、その領域はアーキテクチャを作成するための決定的な要因を演じる。他の複数の同時に動作する共鳴チェーンのダイナミクスの調節が非常に重要な要因である。
【0033】
第三の態様は、主共鳴チェーンから作成された別のサブチェーンの自然発生的創造物であり、これは主成長プロセスを構成する基本発振器の相互作用を介して可能である。
【0034】
第1から第3の態様の少なくとも一つの連続的な自己組織化製品において、発振器構成部品の出発分子の配置は、相補的な周波数分布を放棄しており、すべての参加発振器は互いにコヒーレントに動作する。三つの異なるセットの発振器が単一のシード内に構成される必要があり、一つは当該シードの基本である前身シードから継承されたものであり、別の一つは次層のシードによって継承されるものである。したがって、三つの異なる対称性とその関連のダイナミクスは、システムと独立して担うべきある。
【0035】
第4の態様は、構造的なシードを設計するための基本的な前提条件の詳細を示す。実際に、シード構造を設計するだけで、アーキテクチャの残りの部分が自動的に構成される。したがって、単一構造の内部における3つの異なるクラスの発振器における3つの異なる種類のダイナミクスが互いに阻害しないように、システムの分子動力学を研究する必要がある。我々が行うならば、アーキテクチャが形成されない。我々は非常に多くの原子発振器とその双極子誘導性の共鳴の振る舞いを知っているので、原子スケールから設計を開始できる。誘電体の理論は非常によく確立されており、双極性の配置、対称性と共鳴周波数との間に1対1の対応が存在する。共鳴帯域は複数の理由から由来する可能性がある。例えば、弾性共鳴帯域、減衰ダイナミクス、高調波、不協和倍音などである。したがって、システム中には複数の複雑な関連するダイナミクスが発生する可能性があり、最も重要な高レベルのダイナミクスは、請求項に要約されるように、推量される必要がある。
原子双極子は、一般的に、らせん状の配置とらせん状を生成するもので、そして、双極子ダイナミクス、らせん状ダイナミクス及び双極子の配置もまたダイナミクスを生成する。三つのダイナミクスは、同時に一つ一つを重ね合わされるもので、分子動力学研究と誘電体の理論を用いて、これは設計され、シードが形成されている。
【0036】
第4の態様には二つのサブ態様がある。第一には、我々は数個の周波数を使用する場合、2つのコンポーネント発振器間の同期時間は周波数の性質に依存する。そこで、複数のクロックは、一緒に次々と動作する。自己組織化プロセスのある部分はスピードアップすることになり、ある部分はゆっくりと成長する。第二に、共鳴チェーンは目に見えないが、共鳴チェーンのある部分が物質で満たされており、全コンポーネントが接続されて、最終的な周波数フラクタル構造が作成される。
【0037】
第1乃至第4の態様の少なくとも一つの連続的な自己組織化製品において、前記技術は、化学的又は非化学的結合を介して、シード構造および作成されたアーキテクチャ内の自由エネルギー伝達を伴う。このように、自己組織化プロセス中の周波数フラクタル測定は量子力学的に精密かつ正確である。周波数軸の全領域では、出力フラクタル周波数はデジタル識別可能である。
【0038】
選択に応じて、化学結合または非化学結合を誘導するために、システム内の条件がありえるが、しかし、アーキテクチャ全体の自由エネルギーの流れを停止しない。この理由は、あらゆるシードは3つの共鳴帯域を有しており、二つの両端帯域が低いシードと高いシードへのエネルギー伝達用のチャネルであるためである。正確な原子レベルの結合によって全体のアーキテクチャが結合されるが、何百万ものエネルギーレベルが同時にエネルギー伝達プロセスに従事する可能性がある理由である。しかし、これはクロストークによってシステムを停止させない。同じ理由で、巨大なアーキテクチャが形成された後も、チャンネルが数十億または数十億のそれぞれが個別に対処および/または区別することができる。
【0039】
第5の態様では、3個の顕著な特徴がある。最初はそれがノイズを活用することである。利用可能なエネルギーkT及び環境で利用可能な他の電磁ポンピングは、単一のシードから巨大なアーキテクチャへのアーキテクチャを成長させるために使用することができる。請求項の第2の部分は、成長プロセス中での異なる物質部分間のエネルギー移動プロセスは、量子化されたエネルギー準位を介して行われる点である。したがって、物質の共鳴電磁振動を介して純粋に量子化されたエネルギー移動プロセスである。よって、プロセス中にはアクティブな確率誤差補正モードはない。
【0040】
第6の態様は、周波数フラクタル発振器の任意のレベルで任意の発振器の特性を制御する基本的なパラメータを扱っている。発振器の長さとサブ発振器間の角度は、ピークの位置とサブ発振器間の非線形カップリングが非常に核心を突いたものであるように、なっており、ピーク位置とカップリングの両方が排他的にこれら2つのパラメータで定義されている。
【実施例】
【0041】
本明細書では、上記で説明しているように、電磁エネルギーがそれにポンピングされると直ぐに、溶液中では自己組織化を開始するように、特定の構造の対称性が発振器で符号化されている。自己組織化は長い間知られていたが、しかし、ここでは、自己組織化と成長の間、らせん状の対称性を形成するような物質を選択する。しかし、それは1層ではなく、2層以上、上位である。このことは、仮に、A、B、C及びDの4個の基本発振器があり、それらは自己組織化であるとしたら、それが完全な自己組織化ではない直鎖上の周期のような反復を形成することを意味する。さて、完璧ではないが、自己組織化のトリガとなる欠陥は何であろうか。欠陥は、線形期間におけるポテンシャルの二次元勾配である。
【0042】
A、B、C及びDを一列に組み立てると仮定し、この自己組織化に沿って仮にX軸と言うと、Y軸に向かって少しの角度偏差と、Z軸に向けて別の偏差を見ることになる。これは、らせん対称性の起源である。らせん対称性ベースの自己組織化は非常によく研究されてきた。これは、本発明のポイントではない。A、B、C及びDの線形符号化の間に、別の非常に重要なことが行われる。即ち、ある期間の間、一つの追加の欠陥点が当該期間に追加される。このように、らせんの成長は完全ではなく、それが歪みを取得し、その歪みは他のらせん対称性や別の周期性を経由して補償される。我々がスパイラルを列を作るように垂直方向に見ると、その付加的な周期性を見ることができる。これは三層の周期性であり、一つはA、B、C、Dのセットに対して、別のはらせん構造に対して、さらに別のは垂直アセンブリに対するもので、これは我々がスーパーらせん形として名付けるものである。
【0043】
我々は、自己組織化プロセスにおいて、これらの三つの特徴を符号化するとき、自己組織化の形成を誘発することができる。自己組織化は、その生成体が最早そのらせん形の成長を継続するために、任意の物質を追加することが出来なくなる形状に到達するまで成長し続ける。したがって、この対称性を、例えばAと言う構造内でプログラムできる。それは成長してBになり、数個のBが自己組織化する。次に、それは成長してCになり、数個のCが自己組織化する。そして、それは成長してDになる等である。さて、図1に示すように、複数の独立した増殖物へと成長するような数個の基本シーズを設計することができる。本発明は、このような数個の成長のチェーンが並んで相互作用的に成長するようなアーキテクチャを構築することに関する。
【0044】
図1は、複数のフラクタルシードが自己組織化し、より大きな形状のシードを作成する為の、次のアセンブリ形成に対する大きなシードを生成する概略図を示している。ここで、矢印は、共鳴カップリングに到達することができる、同じまたは異なるシードの成長プロセスの2つ以上のシードを表している。そして、情報が転送され、したがって、新しいシード成長プロセスを生じさせる。例えば、シードA1は、図1に示し説明されているパスに従って成長する。ここで、A1及びA2の二つの異なる成長プロセスがシステム内で連続的に生成される。特定の構造のA1チェーンの成長(K1という)及び別のチェーンの成長(A2という)はS2を引き起こす。今、K1とS2が相互作用し、新たな成長のチェーンA3を開始する。A3がトリガされるや否や、それはB3に成長し、数個のB3がC3になり、数個のC3がD3になる等である。一般的な状況は、図1の矢印で示されている。
【0045】
これは成長の一つのチェーン、例えばA1が物質を捕獲し、他のチャンネルA2、A3、A4、…、Anを誘発し、数個の自発的な成長プロセスが続行されることは明らかである。したがって、一つのコードは、自己組織化プロセスの数個の他のコードを生成することができる。これは、単一細胞から人体全体のいくつかのアーキテクチャが形成される、ヒト受精卵細胞に類似している。自己組織化技術のさらなる詳細について、このようなチェーンを説明する。
【0046】
単一細胞の受精卵A1から成長プロセスがトリガされ、その後のある時点で、脳の成長は独立して行われる(詳細については付録Iを参照)。図2は周波数フラクタルを構築するための実証実験を示している。PAMAM系有機分子のプラットフォームから、多相構造が成長し、最終的に大規模な固体シリンダが形成され、自己組織化の旅は最も小さいシードである7nmの側で始まり、それが肉眼で見えるような数センチの最大のシードで終わる。高周波数のフラクタルシードは、低い周波数の別のフラクタルのシードを作成するように自己組織化し、したがって、共鳴のチェーンが構築される。ここで、複数の周波数フラクタルのシードが大きなフラクタルシードの内側に存在している。
【0047】
図3では、周波数フラクタルの合成に対する実験結果を説明する。自己組織化のシードは、上述したように設計された有機分子の発振器である。しかし、一つの分子を有する必要はなく、複数の分子の発振器が一緒になって自己組織化し、単一のユニットを形成して、それはシードとして機能する。電磁エネルギーがポンピングされ、または化学的エネルギー源を設ける場合には、シードは共鳴チェーンを構築するように成長し始める。図3では、自己組織化の種々の段階での異なるシードの吸収スペクトルが示される。これは、このようなユニークな物質の構築は実質的に実現可能であることを示す、直接の実験的証拠である。図3の右側では、ナノワイヤのトリプレット帯域を示したが、これは概略的に以下に示すような周波数フラクタルチェーンの全体の一部である。
【0048】
特定のシードがトリガされ、それが継続してより大きくより大きな構造に自己組織化する場合に、自己組織化によって形成される共鳴チェーンが別の共鳴チェーンまたは自己組織化プロセスと相互作用する。したがって、自己組織化の成長速度は、互いにより調節される。共通の周波数が存在する場合、類似の周波数が劇的に自己組織化をスピードアップすることができ、数個の共鳴振動がさらなる成長を停止させる。
トリプレット帯域からなる共鳴チェーンは、利点を有する。一つの帯域は、より高い周波数領域に結合されている。より低い周波数帯域は、さらに多くの物質を収集し、成長プロセスを継続するために使用される。必ず、特定の帯域が空いたままになっている。立体的特性のために、特定の構造的次元で、物質が成長を停止するが、当該帯域はまだ空いたままにされ、ある物質はその特定の帯域とのエネルギー交換に非常に敏感である。
【0049】
仮に、発振器Aが自己組織化してBを形成すると、その後、発振器Bが自己組織化してCを形成し、数個のCが自己組織化してDを形成する。さて、全A発振器を単層と呼ぶと、全B発振器を別の層と呼ぶ等々である。ここで、A、B、C、D層等のハードウェアを構成する非常に興味深い側面の一つは、類似の共鳴周波数の分布を有することである。類似の周波数分布は、我々がアスペクト比と呼ぶ、ピーク間の比が維持されることを意味し、数個の層での周波数の線形の差異はここでは何の意味もない。我々は高い周波数からより低い周波数領域に移動するので、我々は自動的により高次のロジックを考慮する。共鳴チェーンにどのくらいトリプレットがあるによって、最大次元のロジックが決定される。すべての層が高度に相互接続されているので、ここでは集合の定理(set theorem)を適用することができず、したがって高次のロジックは2次元のロジックに変換できないことに留意する。
【0050】
上記の議論の一つの重要な側面は、実部と虚空間内で共鳴周波数の座標をプロットした場合に、下位の層の周波数座標に接続することによって作成された基本な幾何学的パターンが、上位層の幾何学的パターンの内側に存在することである。ここで提案されている周波数フラクタルハードウェアの最も重要な特徴は、メモリを保存することである。メモリには、相転移に対する周波数の集合の情報が符号化して格納されている。図3に示したように、共通の重複領域が存在する吸収帯を使用するように、偏角は2つの共鳴ピークの結合を意味する。類似の重複が電磁共鳴スペクトルや磁気共鳴等に存在しうる。我々は、特定のプロトコルへのエネルギー移動を制限できない。
【0051】
一つの共鳴ピークが一定時間トリガされると、それは数個の他のレベルにエネルギーを方向づけると共に、その情報は発振器の立体構造の変化によってシステムに格納される。立体構造変化は、共鳴ピークのセットがかなりの量のエネルギーを減少させることを確認し、そのエネルギーを他の共鳴チャネルに方向づけるのである。この事象は、相転移(phase transition)と呼ばれる。これは、共鳴チェーンまたは周波数フラクタルハードウェアの構築途中を意味し、より高いレベルの発振器が構造的な変化を受けるか、または対称性を変更できるようにオプションが維持されるが、しかし、それは内部の全発振器に対して影響しない。
【0052】
図4は、周波数フラクタルアーキテクチャの構築物の中で最も重要な側面である最小のシードの構築を示している。構築は、Pと呼ばれるPAMAMデンドリマー分子から始まり、その後、中央制御分子C、分子機械Mとセンサ分子Sを追加することができる。我々は、特別な構造の設計を提案する文字を接続する。ここでは、我々は、これらのシードの要素によって作られた周波数フラクタルを提供する。シード要素は左にあり、シード画像の周波数フラクタルの走査型電子顕微鏡写真画像はその右側に示されている。C、M、及びSをランダムに選択し、数個の種類の周波数フラクタルを生成する。さらにPは、他のポリマー構造体に置き換えることができる。
【0053】
発振器はお互いに結合し、「シード内部のシード」構造を形成する。この構造内部の等周波数領域の3Dマップは、どのようにエネルギー伝送が階層化アーキテクチャで発生するかという、非常に基本的な情報を提供する。これは、図5aに示すように、この構造体の形成でも一目瞭然である。多層周波数フラクタルハードウェアでの3層の重ね合わせを示す。層の球面上に、パターンが描画され、それらは等周波数面または、発振器が類似の共鳴周波数を有する領域を表す。図5bに示すように、2つのナノワイヤ間のエネルギー分布であっても、エネルギー移動の極端なレベルを示す。全体考え方は、図6に記載されている。融合した三つの異なる周波数フラクタルハードウェアがある場合は、図5cに示すように、どのようにして彼らは共同で存在するか。我々の周波数フラクタル合成の一つの基本的な側面は、数個のシードが独立した共鳴チェーンをトリガする可能性があることである。一般的な周波数フラクタルハードウェアの全体の機能システムが、複数のフラクタルと効果的に一緒に動作する。
【0054】
周波数フラクタルハードウェアのクラスタの機能マップを結成して、視覚処理や音声処理は、単一共鳴チェーンの一部である。周波数フラクタルハードウェアの一つの非常に興味深い点は、構造変化がハードウェアおいて凝集の態様で発生することである。一つの共鳴トリプレット帯域は他の数個と接続され、このネットワークは、最終的には複雑な経路のすべての機能モジュールと接続する。
しかし、複雑な経路では、スケールフリーの電力分配法則に従ってハードウェア全体にエネルギー分布する。その理由は、発振器のサイズがより小さくなると、共鳴チェーンの数が増加するため、少量のエネルギーでもこれらの発振器を一緒に駆動するのに十分となり、他方で大規模スケールでは大きなエネルギーが必要となるからである。これは、図6のような機能的なプロットから推定できる。ここでは、我々は、しばしば、ガウス分布をみることになるが、立体配座の変化または外部環境と相互作用モードがこの領域内に保持される。
【0055】
ハードウェアのあらゆるレベルで、発振器の間の角度とその長さとは、共鳴周波数とカップリング動作を決定する。ハードウェアとその変化の許容値に応じて、特定のコンピュータの層に関係なく、すべてのシードは原子スケールから始まって最大のスケールに至ることに留意して、図6に示すように、それはプロットの特定の性質に従う。発振器の間の角度とその長さは非常に重要な要素を担っている。周波数フラクタルハードウェアを作成するためには、発振器を設計する場合、二つの問題が非常に重要である。発振器の長さの下限値と上限値は常に存在すると共に、基本共鳴ピークの結合係数の別の微調整は、特定の長さの発振器を構成するサブ発振器との間の角度を調節することによって行われる。
【0056】
付録I:人間の脳の共鳴帯域
図2に示すように、我々は、DNA、タンパク質について直接実験的に電子的な共鳴帯域測定を行った。微小管と有機構造、神経細胞とそのクラスタ、全体的な規模での測定のために脳波図(EEG)およびその他のデータを採取した。ノイズの問題なくマイクロヘルツ分解能で測定できた。マイクロヘルツ未満では、大きな時間領域データを収集して、その傾きに基づいてナノヘルツからフェムトヘルツのデータが生成された。トリプレット共鳴帯域のトリプレットは、すべての単一の層を観察している。単一のトリプレット中での3つのサブ帯域のそれぞれで、図2に示すように、8個の「基本共鳴ピーク」と、多数の他の共鳴ピークが存在する。
【0057】
図2に示すように、最後に、脳全体の共鳴帯域を生成した。ここでは、脳の12帯域があり、最初の6帯域が実験データであり、残りの6帯域は、他の研究者の脳のデータから導出されている。
【0058】
(1)EKAM:DNA分子は、単一の分子の発振器のように作用し、3つの共鳴帯域を有する(1010〜1016Hz、ギャップは6桁)。トリプレット1(1〜15GHz、16〜40GHz、50〜75GHz)、トリプレット2(10〜19THz、50〜80THz、100〜228THz)、トリプレット3(1〜5PHz、7〜10PHz、12〜18PHz)。400〜800THzは可視光領域であり、PHzは極端な青のドメインである。
【0059】
(2)DITIYA:単独のチューブリンは、ちょうど単一分子の振動子のように動作し、3つの共鳴の帯域がある(10〜1013Hz、ギャップは6桁)。トリプレット1(50〜140MHz、180〜250MHz、300〜400MHz)、トリプレット2(12〜18GHz、25〜50GHz、100〜300GHz)、トリプレット3(8〜20THz、22〜30THz、35〜60THz)。300GHzから1THzは、アクセスできないTHz帯で、長い時間我々は技術的なギャップを有していた。THz放射は約10ケルビンを超える温度で何らかの黒体放射の一部として放出される。そこでDNA、チューブリン、およびDNAとチューブリンの両方が、赤外線(IR)および紫外線(UV)と共鳴する。
【0060】
(3)TRITIYA:単一微小管は、単に単一分子の振動子のように動作する。それは共鳴帯域がある(10〜1010Hz、ギャップは6桁)。トリプレット1(15〜20kHz、25〜80kHz、100〜300kHz)、トリプレット2(10〜19MHz、20〜40MHz、100〜228MHz)、トリプレット3(1〜5GHz、7〜10GHz、15〜30GHz)。
【0061】
(4)CHATURTHI:神経細胞内部の微小管の束は軸索、シナプス、局所コアスケルトンと言うもので、これらは微小管結合たんぱく質(MAP)により複数の微小管を連結して作られており、ちょうど単一分子振動子のように機能し、次のトリプレットを有する(10〜10Hz、ギャップは5桁)。トリプレット1(100〜200Hz、250〜400Hz、500〜800Hz)、トリプレット2(15〜20kHz、25〜80kHz、100〜300kHz)、トリプレット3(500〜800kHz、1〜5MHz、10〜19MHz)。
【0062】
(5)PANCHAMI:単一ニューロンは、数個の軸索の束を結合させることによって作られたもので、ちょうど単一分子の振動子のように動作し、それは以下のトリプレットがある(10−1〜10Hz、5桁のギャップ)。トリプレット1(0.1〜1.2Hz、1.3〜2.5Hz、3〜7Hz)、トリプレット2(8〜13Hz、14〜80Hz、90〜300Hz)、トリプレット3(800Hz〜3kHz、4〜10kHz、12〜30kHz)。
【0063】
(6)SASTHI:皮質コラムのようなニューロンの束が数個の軸索の束を結合させることによって作られており、ちょうど単一分子振動子のように機能し、次のトリプレットを有する(10−4〜10Hzで、5桁のギャップ)。
トリプレット1(1×10−4〜18×10−4Hz、25×10−4〜80×10−4Hz、120×10−4〜260×10−4Hz)、トリプレット2(1×10−1〜8×10−1Hz、10×10−1〜25×10−1Hz、30×10−1〜50×10−1Hz)、トリプレット3(1〜10Hz、10〜15Hz、18〜30Hz)。
【0064】
(7)SAPTAMI:フラクタルユニットのような皮質コラム束が数個の皮質コラムやリズム・クラスタを結合させることによって作られており、ちょうど単一分子振動子のように働き、次のトリプレットを有する(10−6〜10−1Hz、5桁のギャップ)。トリプレット1(6×10−6〜25×10−6Hz、30×10−6〜80×10−6Hz、105×10−6〜260×10−6Hz)、トリプレット2(0.5×10−3〜1×10−3Hz、2×10−3〜12×10−3Hz、15×10−3〜40×10−3Hz)、トリプレット3(0.8×10−1〜1.2×10−1Hz、2×10−1〜4×10−1Hz、5×10−1〜12×10−1Hz)。
【0065】
(8)ASTAMI:数個のフラクタル様皮質コラムアセンブリで作られた機能モジュールは、ちょうど単一分子の振動子のように動作する(10−8〜10−4Hz、4桁のギャップ)。トリプレット1(9×10−8〜16×10−8Hz、19×10−8〜28×10−8Hz、30×10−8〜55×10−8Hz)、トリプレット2(3×10−6〜15×10−6Hz、16×10−6〜26×10−6Hz、35×10−6〜65×10−6Hz)、トリプレット3(7×10−4〜16×10−4Hz、18×10−4〜25×10−4Hz、30×10−4〜55×10−4Hz)。
【0066】
(9)NAVAMI:ニューロンの大規模複雑な線形配線で数個の機能モジュールを回路化することによりドキュメント化された組織の構成要素(海馬、小脳)や感覚とサブ機能・モジュール(感覚器官、核、中脳のサブ器官)は単一の分子発振器のような役割を果たす(10−10〜10−6Hz、4桁のギャップ)。トリプレット1(5×10−10〜12×10−10Hz、14×10−10〜27×10−10Hz、32×10−10〜57×10−10Hz)、トリプレット2(9×10−8〜17×10−8Hz、18×10−8〜31×10−8Hz、35×10−8〜63×10−8Hz)、トリプレット3(8×10−6〜16×10−6Hz、17×10−6〜28×10−6Hz、30×10−6〜53×10−6Hz)。
【0067】
(10)DASAMI:スーパーハイウェイニューロンの束で接続された脳機能モジュールは、単一の巨大な発振器(例えば、脊髄、前脳、左右の脳、全体半ば脳)を形成する(10−12〜10−8Hz、4桁のギャップ)。トリプレット1、(7×10−12〜13×10−12Hz、15×10−12〜29×10−12Hz、33×10−12〜56×10−12Hz)、トリプレット2(5×10−10〜18×10−10Hz、22×10−10〜62×10−10Hz、64×10−10〜69×10−10Hz)、トリプレット3(0.8×10−8〜2.5×10−8Hz、4×10−8〜11×10−8Hz、12×10−8〜20×10−8Hz)。ここに一期間は3年で起こる。
【0068】
(11)EKADASI:スーパーハイウェイニューロンの束で接続されたすべての脳のモジュールは、単一の巨大な発振器を形成する(10−13〜10−9Hz、4桁のギャップ)。トリプレット1(8×10−13〜15×10−13Hz、17×10−13〜22×10−13Hz、29×10−13〜46×10−13Hz)、トリプレット2(3×10−11〜9×10−11Hz、12×10−11〜22×10−11Hz、25×10−11〜40×10−11Hz)、トリプレット3(0.7×10−9〜1.1×10−9Hz、1.8×10−9〜3×10−9Hz、3.1×10−9〜5.5×10−9Hz)。ここでは、一周期は約30年である。
【0069】
(12)DASOSHI:全身の感覚のネットワークは、単一の発振器のように脳とインタフェースする。すべての体の周り全分散センサはちょうど、単一の巨大な発振器のように脳全体と統合されている(10−15〜10−11Hz、4桁のギャップ)。トリプレット1(20×10−15〜30×10−15Hz、33×10−15〜55×10−15Hz、59×10−15〜76×10−15Hz)、トリプレット2(0.9×10−13〜11×10−13Hz、15×10−13〜21×10−13Hz、27×10−13〜42×10−13Hz)、トリプレット3(0.76×10−11〜3×10−11Hz、4×10−11〜12×10−11Hz、15×10−11〜20×10−11Hz)。ここに一期間は3000年で発生し、それは変化が感じされることが3000年を要することを意味するものではない。時間勾配は3000年である。原子中では、核から外側に向かって移動すると、エネルギーレベル間の分離が減少し、エネルギーが減少するもので、共鳴チェーンに対しては、ちょうど反対である。
【0070】
本発明の数個の実施形態について説明をしたが、それらの記述は例示にすぎず、また限定的なものではなく、ただ例示の態様によって提示されたことは、当業者には明らかである。多数の他の実施形態および変形例は、これに添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲内に入るものと考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、技術の新世代を創世するために提供するもので、巨大な電子・光集積チップが化学ビーカーで作成されるものである。したがって、本発明は、唯一のシード構造を作成し、適さない空間や他の環境にそれを送ることで、環境が適合する場合には、アーキテクチャは自分で成長できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6