特許第6671765号(P6671765)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671765マルチコピー端末、マルチコピー端末利用方法及びマルチコピー端末利用システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671765
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】マルチコピー端末、マルチコピー端末利用方法及びマルチコピー端末利用システム
(51)【国際特許分類】
   G07F 17/26 20060101AFI20200316BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20200316BHJP
【FI】
   G07F17/26
   G06Q30/02 470
   G06Q30/02 320
【請求項の数】17
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-155786(P2015-155786)
(22)【出願日】2015年8月6日
(65)【公開番号】特開2017-33496(P2017-33496A)
(43)【公開日】2017年2月9日
【審査請求日】2018年5月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】398067904
【氏名又は名称】株式会社ビーマップ
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】杉野 文則
(72)【発明者】
【氏名】馬谷 聡
(72)【発明者】
【氏名】白井 利顕
(72)【発明者】
【氏名】志田 知子
(72)【発明者】
【氏名】平本 佳子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 ももこ
【審査官】 永石 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−272720(JP,A)
【文献】 特開2008−059499(JP,A)
【文献】 特開2006−178972(JP,A)
【文献】 特開2010−061589(JP,A)
【文献】 特開2011−154611(JP,A)
【文献】 特開2001−338195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07F 17/00 − 17/42
G06Q 10/00 − 50/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンビニエンスストアに設置されるマルチコピー端末であって、
特定識別情報の入力を受け入れる特定識別情報入力ユニットと、
前記入力された前記特定識別情報に対応する有価値情報を抽出する有価値情報抽出ユニットと、
前記有価値情報抽出ユニットによって抽出された前記有価値情報を出力する有価値情報出力ユニットと
を有し、
前記コンビニエンスストアの位置情報もしくはエリア情報によって前記有価値情報を変更することが可能であることを特徴とする、マルチコピー端末。
【請求項2】
前記有価値情報の出力についての課金を行う課金ユニットを更に有することを特徴とする請求項1に記載のマルチコピー端末。
【請求項3】
前記特定識別情報は、数字文字記号を備えてなることを特徴とする請求項1に記載のマルチコピー端末。
【請求項4】
前記特定識別情報は、通信回線または放送を介して提供されるものであることを特徴とする請求項1に記載のマルチコピー端末。
【請求項5】
前記特定識別情報は、食料・飲料・入場券を含む商品に添付されて提供されるものであることを特徴とする請求項1に記載のマルチコピー端末。
【請求項6】
前記有価値情報は、写真・絵画を含む著作物及び/もしくはその複写物であることを特徴とする請求項1に記載のマルチコピー端末。
【請求項7】
前記有価値情報は、割引券・引換券を含むサービス特典であることを特徴とする請求項1に記載のマルチコピー端末。
【請求項8】
前記有価値情報抽出ユニットは、通信回線を介して前記有価値情報の提供先にアクセスし前記有価値情報の提供先から前記有価値情報を抽出して、前記マルチコピー端末へとダウンロードさせることを特徴とする請求項1に記載のマルチコピー端末。
【請求項9】
前記有価値情報出力ユニットは、前記課金ユニットによる課金処理が完了したら前記有価値情報を出力する、請求項2記載のマルチコピー端末。
【請求項10】
カウントダウン機能を更に有する、請求項1記載のマルチコピー端末。
【請求項11】
コンビニエンスストアに設置されるマルチコピー端末の利用方法であって、
前記マルチコピー端末が、特定識別情報の入力を受け入れるステップと、
前記マルチコピー端末が、前記入力された前記特定識別情報に対応する有価値情報を抽出するステップと、
前記マルチコピー端末が、前記抽出された前記有価値情報を出力するステップと
を有し、
前記コンビニエンスストアの位置情報もしくはエリア情報によって前記有価値情報を変更することが可能であることを特徴とする、マルチコピー端末利用方法。
【請求項12】
前記マルチコピー端末が、前記有価値情報の出力についての課金を行うステップを更に有することを特徴とする請求項11に記載のマルチコピー端末利用方法。
【請求項13】
前記有価値情報は、有価値情報抽出ユニットによって通信回線を介して前記有価値情報の提供先から抽出され前記マルチコピー端末へとダウンロードされるものであることを特徴とする請求項11に記載のマルチコピー端末利用方法。
【請求項14】
信回線又は放送を介して特定識別情報を受領する特定識別情報受領装置と、
コンビニエンスストアに設置されるマルチコピー端末であって、前記特定識別情報の入力を受け入れる特定識別情報入力ユニットと、前記入力された前記特定識別情報に対応する有価値情報を抽出する有価値情報抽出ユニットと、前記有価値情報抽出ユニットによって抽出された前記有価値情報を出力する有価値情報出力ユニットとを有するマルチコピー端末と
を有し、
前記コンビニエンスストアの位置情報もしくはエリア情報によって前記有価値情報を変更することが可能であることを特徴とするマルチコピー端末利用システム。
【請求項15】
前記有価値情報の出力についての課金を行う課金ユニットを更に有することを特徴とする請求項14に記載のマルチコピー端末利用システム。
【請求項16】
前記有価値情報出力ユニットは、前記課金ユニットによる課金処理が完了したら前記有価値情報を出力する、請求項15記載のマルチコピー端末利用システム。
【請求項17】
前記コンビニエンスストアに携帯電話を持つ利用者が来店した際に、前記マルチコピー端末利用システムは前記携帯電話のMacアドレスを認識し、前記有価値情報出力ユニットは前記認識した情報を用いて前記有価値情報を出力する、請求項14記載のマルチコピー端末利用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンビニエンスストアなどに設置されるマルチコピー端末及びそのマルチコピー端末の利用方法及び利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年は、極めて多数のコンビニエンスストアが日本国中に展開されており、利用者にとって、種々のサービスが享受でき、利便性が高まっているが、更なるサービスを求める声も高い。
【0003】
一方、コンビニエンスストアにとっては、店舗数の増加による過当競争の懸念があり、売上高の確保のために、利用者の来店頻度を増す方策が必要となっている。
【0004】
特に、コンビニエンスストアに設置されているマルチコピー端末は、コピーのほか、FAX送信、コンテンツ(著作物及びその複写物など)の印刷などの機能を備えており、更に、現金やプリペイドカードなどによる料金の決済機能を有している場合が多い。
【0005】
このようなマルチコピー端末を利用して、様々なコンテンツを販売することも考えられている。例えば、特許文献1には、コンテンツサーバで販売されるコンテンツを、ネットワークを介してネットワーク端末(マルチコピー端末)にて印字出力することによって顧客に提供すると共に、その購入代金を、コンテンツ料金、印刷料金、ネットワーク媒体使用料金の合計として課金装置によって徴収する技術思想が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−351167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1におけるコンテンツ販売については、そのコンテンツの選択の方法などが煩雑であると共に、コンテンツ販売の手法を活用したビジネスの発展が考えられていないという問題があった。
【0008】
そこで、上記問題を解決するため、本発明は、コンビニエンスストアにおいて簡便な入力方法で入力することで、コンテンツ(著作物及びその複写物など)の購入やサービス特典などの受領ができるマルチコピー端末、及び、マルチコピー端末利用方法・利用システムを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するため、本発明では、マルチコピー端末であって、特定識別情報の入力を受け入れる特定識別情報入力ユニットと、特定識別情報に対応する有価値情報を抽出する有価値情報抽出ユニットと、有価値情報を出力する有価値情報出力ユニットとを有することを特徴とする。
【0010】
ここで、有価値情報とは、それ自体で価値があるコンテンツ(あるいは、著作物またはその複製物)、それ自体に価値はないが、商品などと交換可能あるいは商品購入時に割引などのサービス特典が与えられるような情報であり、特定識別情報とは、その有価値情報を特定するための個々に識別できる情報をいう。
【0011】
これによれば、予め入手してある特定識別情報を入力するだけで、煩雑な選択ステップを経ることなく、マルチコピー端末への入力が可能となり、利便性が高い。
【0012】
また、本発明では、有価値情報の出力の課金を行う課金ユニットを、更に有することを特徴としてもよい。
【0013】
このようにすると、有料で有価値情報を提供する場合に、速やかに課金を行うことができるという利点がある。
【0014】
また、本発明では、特定識別情報は、数字文字記号からなることを特徴としてもよい。
【0015】
このようにすると、例えば、マルチコピー端末に付属のテンキーボード、あるいは、マルチコピー端末表示するタッチ式のフルキーボードなどから、簡便に入力できるという利点がある。
【0016】
また、本発明では、特定識別情報は、通信回線または放送を介して提供されるものであることを特徴としてもよい。
【0017】
これによれば、例えば、インターネットあるいはTV画面などから、事前に、特定識別情報を入手しておくことによって、マルチコピー端末における入力操作が極めて容易になるという利点がある。
【0018】
また、本発明では、特定識別情報は、食料・飲料・入場券を含む商品に添付されて提供されるものであることを特徴としてもよい。
【0019】
このようにすると、例えば、コンビニエンスストアの店舗内で購入した飲料に添付されている紙札などに書かれている記番号を、マルチコピー端末から入力することで、種々のサービスが受けられるという利点がある。
【0020】
また、本発では、有価値情報は、写真・絵画を含む著作物及びその複写物であることを特徴としてもよい。
【0021】
このようにすると、例えば、有名人のブロマイド、風景写真、絵画・漫画・イラスト・文字などや、それらの組み合せ、例えばカレンダーなど、種々の著作物やそのコピーが、有料で、あるいは、商品購入に伴い無料で、その場で受け取ることができ、利用者の利便性は極めて高い。
【0022】
また、有価値情報は、割引券・引換券を含むサービス特典であることを特徴としてもよい。
【0023】
これによれば、この場合の有価値情報は、そのもの自体に価値はなくとも、それを使用することで価値が得られる情報であり、例えば、インターネットで予め取得しておいた記番号を入力することで、ある商品の試供品が提供される引換券が発行されたり、価格の割引がなされる割引券が発行されたりすることにより、利用者の満足は高まることが期待できる。
【0024】
また、本発明では、有価値情報は、通信回線または放送を介して提供されるものであることを特徴としてもよい。
【0025】
このようにすると、例えば、マルチコピー端末は、特定識別情報が入力されると、インターネットなど回線を用いて、有価値情報の提供先から、情報をダウンロードして提供することができ、マルチコピー端末自体に情報を記憶しておく必要がないため、システム構成が簡素化されるという利点がある。
【0026】
また、かかる課題を解決するため、本発明では、マルチコピー端末利用方法という、方法の態様であって、マルチコピー端末が、特定識別情報の入力を受け入れるステップと、特定識別情報に対応する有価値情報を抽出するステップと、有価値情報を出力するステップとを有することを特徴としてもよい。
【0027】
これによれば、マルチコピー端末の機器構成によらず、利用方法に特徴を有しており、それによって本発明の課題の解決が可能となる。
【0028】
同様に、本発明のその他の特徴についても、マルチコピー端末利用方法という方法の態様として実現するようにしてもよい。
【0029】
更に、かかる課題を解決するため、本発明では、マルチコピー端末利用システムというシステムの態様であって、通信回線又は放送を介して特定識別情報を受領する特定識別情報受領装置と、特定識別情報入力ユニットと有価値情報抽出ユニットと有価値情報出力ユニットとを有するマルチコピー端末とを含むことを特徴としてもよい。
【0030】
これによれば、インターネット端末あるいはTV受像機などの特定識別情報を提供しうる装置も含むシステムとしたため、マルチコピー端末利用システム全体として本発明の課題の解決が可能となる。
【発明の効果】
【0031】
本発明に係るマルチコピー端末、あるいは、マルチコピー端末利用方法またはシステムでは、コンビニエンスストアにおいて簡便な入力方法で入力することで、コンテンツ(著作物及びその複写物など)の購入やサービス特典などの受領ができるマルチコピー端末、あるいは、マルチコピー端末利用方法またはシステムを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の第1及び第2の実施形態に係るマルチコピー端末利用システムの構成図である。
図2】本発明の第1及び第2の実施形態に係るマルチコピー端末のブロック図である。
図3】本発明の第1及び第2の実施形態に係るマルチコピー端末の外観図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係るマルチコピー端末利用方法のフローチャートである。
図5】本発明の第2の実施形態に係るマルチコピー端末利用方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照し、本発明の第1及び第2の実施形態にかかるマルチコピー端末利用システムについて説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0034】
図1は本発明の第1及び第2の実施形態に係るマルチコピー端末利用システムの構成図であり、図2は本発明の第1及び第2の実施形態に係るマルチコピー端末のブロック図であり、図3は本発明の第1及び第2の実施形態に係るマルチコピー端末の外観図である。
【0035】
図1に示すように、マルチコピー端末利用システム100は、マルチコピー端末1、コンテンツ・サービス提供サーバ2、店舗端末3が、ネットワーク4を介して接続され、特定識別情報受領装置5、特定識別情報提供装置6などが、ネットワーク7(放送を含む)を介して接続されて構成されている。なお、ネットワーク4とネットワーク7は、統合されていてもよく、あるいは、双方向または片方向に接続されていてもよい。また、本システムは、それらの装置の全てを含まなくてもよく、逆に、それ以外の装置を含んでいてもよい。
【0036】
マルチコピー端末1は、コンビニエンスストアなどに設置されるコピー機能を主とした端末であるが、FAX送信、デジカメプリント、チケット販売などの多様な機能を有しているものである。
【0037】
コンテンツ・サービス提供サーバ2は、コンテンツ(著作物やそのコピー)あるいは購入に際してのサービス特典(試供品提供・割引)などの情報を外部からの供給を受けて、あるいは自ら作成し、特定識別情報と対応させて、内蔵の、あるいは外付けの記憶部に記憶してあるものである。
【0038】
店舗端末3は、コンビニエンスストアの店舗のレジなどに設置される端末で、商品情報・価格などの商品販売に係る情報を管理し、現金やカードによる決済の機能も有しているものである。
【0039】
ネットワーク4は、上記の端末やサーバが接続され、その間で情報の交換がなされるものであり、例えばインターネットが好適であるが、それ以外の回線によるものでもよい。
【0040】
図2及び図3に示すように、マルチコピー端末1は、利用者が入力などの操作をする操作部101、種々の情報やガイダンスを表示する表示部102、紙などの媒体に描かれた画像を走査などして取り込む画像取得部103、取り込んだ画像を処理する画像処理部104、画像や文字の情報を出力するための用紙を給紙する給紙部105、用紙などに印刷する印刷部106、これらのサービスの提供に対する料金の支払いを処理する課金部107、外部の回線や機器とのインターフェースを司るインターフェース部108、これらの機能の実現のために種々の情報やプログラムなどを記憶しておくメモリー109、及びマルチコピー端末全体を制御する制御部110などを備えてなる。
【0041】
なお、そのほかにも、図示しないが、FAX送信を行うFAX送信部、USBメモリー、スマートホン、SDメモリーなどの種々のメモリー媒体からの情報入出力を受けつける情報入出力部などを有していてもよい。
【0042】
操作部101としては、数字キーのほか少数のファンクションキーを配したハードウェアキーボードのほか、表示部102にタッチパネルを設けて、表示された選択キーの押下による入力操作、フルキーボードのような多数のキーを表示しての入力操作に供するものなども含まれる。
【0043】
表示部102は、液晶ディスプレイが好適であるが、それ以外の表示装置であってもよい。利用者の操作についてのガイダンスや操作結果の表示など、様々な表示を行う。
【0044】
画像取得部103は、紙や布などの媒体に描かれた画像、あるいは媒体自体の画像を、スキャナの走査などにより、デジタル信号として取得するものである。連続的に画像を取得するために図示しない自動原稿送り装置などを付加することもある。
【0045】
画像処理部104は、取得した画像について、メモリーへの保管・FAX送信・印刷出力などのために、適宜、拡大縮小・画質調整などを行うものであり、周知の画像処理手法を用いればよい。
【0046】
給紙部105及び印刷部106は、主に書類を普通紙などの比較的低品質の用紙に高速大量に印刷するための第1給紙部105a、第1印刷部106aと、主に写真などの画像を光沢紙などの高品質用紙に印刷するための第2給紙部105b、第2印刷部106bとを有するものとするが、簡便には、単一の給紙部105、印刷部106とすることも可能である。
【0047】
課金部107は、コピー、プリント、またはコンテンツの出力、FAX送信、スキャナなど、機能に応じて、用紙代、印刷代のほか、コンテンツ使用料などを合わせて課金することができるものであり、課金金額を算出し、現金(紙幣・硬貨)や、プリペイドカード、ポイントカード、クレジットカードなどでの決済を可能とするものであり、周知の課金装置を用いることができる。また、課金部107については、マルチコピー端末1の制御部110とは別に、制御部を設けるようにしてもよく、また、課金部107を独立した機器として、マルチコピー端末1と接続するようにしてもよい。
【0048】
インターフェース部108は、外部の回線や機器との接続を行うものであり、外部回線は、インターネットなどの通信回線、電話回線、あるいは放送などを含み、外部機器とは、店舗端末、他の課金端末などを含み、それらと接続される場合もあり得る。
【0049】
なお、これまでに述べたマルチコピー端末1の各要素は、複数の機能が複合されてもよく、あるいは、単独の機能が分割されていてもよい。
【0050】
ここで、マルチコピー端末1には、図1に示すように、機能要素として、特定識別情報入力ユニット11、有価値情報抽出ユニット12、有価値情報出力ユニット13を含んでいる。
【0051】
特定識別情報入力ユニット11は、利用者が予め入手している特定識別情報の入力を受け入れる。特定識別情報は、例えば、TV放送におけるTV局のような特定識別情報提供装置6から、TV番組あるいはコマーシャルを介して提供され、TV受像機のような特定識別情報受領装置5にて受信されて利用者が入手できるものとする。
【0052】
特定識別情報の内容としては、例えば、コンテンツ(著作物やその複製物)を特定する記号番号や、試供品・割引サービスや入場券の提供における特定の記番号を含むことができる。
【0053】
なお、特定識別情報の入手は、この方法に限定されず、インターネットを介しての特定識別情報提供者(特定識別情報提供装置6に相当)のホームページからの入手や、商品(コンビニエンスストアで販売されるものが望ましいがそれに限定されない)に貼付された紙札に表示されていてもよい。
【0054】
特定識別情報入力ユニット11は、マルチコピー端末1の、主として操作部101及び表示部102によって実現される。表示部102の表示によって案内され、所定の画面に到達した後、操作部101(タッチパネルを含む)から、英数字などの記号番号を入力する。
【0055】
なお、入力は、キーボード(タッチキーを含む)からの記号番号入力が簡便であるが、例えば、スキャナなどの画像取得部102を用いて、記号番号を走査し、自動認識させるとか、バーコード、QRコード(登録商標)、ARマーカなどの自動認識が容易なコードを自動読取させるようにしてもよい。この場合は、利用者による入力ミスが防止できる。
【0056】
有価値情報抽出ユニット12は、主としてマルチコピー端末1の制御部110、インターフェース108、メモリー109などを用いて実現される。入力された特定識別情報を、制御部110からインターフェース108を介して、適切なコンテンツ・サービス提供サーバ2にアクセスし、そこから所定のコンテンツあるいは有価値情報を抽出して、マルチコピー端末1へとダウンロードさせる。また、有価値情報あるいはコンテンツがメモリー109に内蔵されている場合は、マルチコピー端末1の内部で抽出が完了する。
【0057】
有価値情報出力ユニット13は、主としてマルチコピー端末1の給紙部105a、105b、印刷部106a、106bを用いて実現される。抽出された有価値情報を、例えば、ブロマイドや絵画のような著作物であれば、印画紙様の用紙を用いて高品質で印刷し、商品引換券・割引券のようなものであれば、コピー用紙に簡易に印字するなどの対応を行う。
【0058】
なお、有価値情報出力ユニット13は、印刷部106a、106bを用いず、記憶媒体への媒体入出力部(図示せず)を介して、記憶媒体に出力するようにしてもよい。
【0059】
更に、マルチコピー端末1は、課金ユニット14を有していてもよい。これは、主としてマルチコピー端末1の課金部107を用いて実現される。例えば、有料で販売するコンテンツについては、印刷料金のほか、コンテンツ提供代金を含めて課金し、コンテンツ代を提供元あるいは第三者が負担する場合には、印刷料金のみを課金するような対応や、全額を課金しない対応も可能とする。
【0060】
なお、商品引換券の場合は代金の課金はせず、商品割引券の場合には、この場では代金の課金はせずに、実際に商品を購入する際に、割り引かれた代金を徴収するようにするが、割引券出力の段階で割引後代金を課金することも可能とする。更に、提供元あるいは第三者が負担することも可能とする。
【0062】
次に、このような構成のマルチコピー端末利用システム100の作用・動作について説明する。
【0063】
図4は、本発明の第1の実施形態に係るマルチコピー端末利用システム100の動作を説明するためのフローチャートである。まず、利用者は、特定識別情報を入手する。(ステップS01)入手方法は、先に述べたように、TV放送、インターネット、商品貼付など、種々の方法がある。ここでは、TV放送のコマーシャル中で、A社が提供する「キャラクタを付したカレンダー15番」(特定識別情報A−CA−15)という有価値情報を例として挙げる。
【0064】
その特定識別情報A−CA−15を持参してコンビニエンスストア出向いた利用者により、マルチコピー端末1に、その特定識別情報の入力がなされる。
【0065】
具体的には、マルチコピー端末1の特定識別情報入力ユニット11が、利用者からの特定識別情報の入力を受けつける。すなわち、マルチコピー端末1の操作部101及び表示部102により、利用者を、例えば、初期画面−コンテンツ販売−A社提供の画面へと誘導し、そこで、タッチキーボードより、特定識別情報A−CA−15を入力させるように促し、当該情報の入力がなされ確認もしくはENTERボタンなどが押下されるまで待機する。(ステップS02)
【0066】
当該情報が入力されると、マルチコピー端末1の有価値情報抽出ユニット12が、この特定識別情報を基に、コンテンツ・サービス提供サーバ2を検索する。ここでは、コンテンツ・サービス提供サーバ2は、単一として全てが含まれるものとしたが、コンテンツ・サービス提供者ごとの、あるいは、グループ分けして、複数のコンテンツ・サービス提供サーバ2を有してもよく、あるいは、サービス提供元の企業のサーバが、コンテンツ・サービス提供サーバ2として機能してもよい。それらの場合には、予め定めた規則により付与された特定識別情報により、適切なコンテンツ・サービス提供サーバ2を検索すればよい。
【0067】
検索の結果、該当の有価値情報「キャラクタを付したカレンダー15番」が抽出されたので、それをダウンロードする。(ステップS03)
【0068】
そこで、マルチコピー端末1は、課金ユニット14を用いて、課金処理を行う。例えば、コンテンツ代金が150円、コピー代金が50円の場合、200円の入金を促すような画面を表示する。なお、コンテンツ代金とコピー代金の内訳を表示するか、あるいは煩雑になるため合計額のみを表示するかのいずれでもよい。
【0069】
利用者が合計金額200円を課金ユニット14の硬貨入金口(図示せず)から投入すると、課金ユニット14側では、当該投入金額の確認を行う。(ステップS04)
【0070】
なお、コンテンツ代金あるいは合計金額を、コンテンツ提供者や第三者が負担する取り決めの場合は、コピー代金のみの支払いあるいは課金処理なしで、次のステップへと進む。
【0071】
課金処理が完了したら、マルチコピー端末1は、該当の有価値情報「キャラクタを付したカレンダー15番」を印刷出力する。この場合は、絵画の著作物であり、精緻な印刷によって出力する。(ステップS05)
【0072】
なお、本実施形態の変形例としては、購入した商品に付された特定識別情報を用いる場合がある。購入した菓子Bには、「アイドルABCのスペシャルコンテンツプレゼント! この番号をコンビニで入力してください。 ABC−00987」のような情報が商品に添付した紙札などに記載されている。これらは商品を購入しないと見られないように梱包の内側に入れられることが望ましい。
【0073】
利用者側の点からすれば、この特定識別情報をコンビニエンスストアに持参し、マルチコピー端末1に入力すると、先に述べたのと同様のステップにより、アイドルABCのブロマイドのようなスペシャルコンテンツが得られることになり、利用者は満足し、また、商品の売り上げ向上、コンビニエンスストアへの集客増などの効果が得られる。
【0074】
本実施形態の別の変形例としては、マルチコピー端末を用いて、寄付行為への対応を行うことができる。TVあるいはインターネットで、寄付金を募る場合があり、その際にも、TVあるいはインターネットを介して特定識別情報を表示することによって、利用者がその番号をコンビニエンスストアに持参し、その番号で予め指定されている金額、あるいは、利用者によって指定される金額を、所望の寄付先に寄付することができる。その場合に、寄付の御礼として、マルチコピー端末からスペシャルコンテンツを印刷出力してもよく、寄付に対するインセンティブを高める効果がある。
【0075】
本実施形態の更に別の変形例としては、これまで述べたようなコンテンツを提供する場合において、コンビニエンスストアの位置情報あるいはエリア情報によって提供するコンテンツを変更するようにしてもよい。すなわち、コンテンツ・サービス提供サーバ2の構成をエリア毎に変更したり、あるいはエリア情報とコンテンツ情報とをリンクしてサーバ2に記憶したりしておけばよい。例えば、地域のアイドルのブロマイドとか、観光地などの絵葉書などを用意しておけば、利用者が、そのエリア毎のコンテンツを集めることによって達成感を感じるとかその場所を訪れたことを実感するというような効果が得られる。
【0076】
本実施形態の更に別の変形例としては、これまで述べたようなコンテンツを提供する場合において、カウントダウン機能を設けてもよい。すなわち、先着順(例えば1000人)でスペシャルコンテンツを印刷出力するなどしてもよい。この場合に、先着人数を超過した場合は、スペシャルコンテンツの提供がなされないとか、無料であったものが有料に切り替わるなどとすればよい。希少感をあおることにより、コンビニエンスストアへの集客に大きな効果がある。
【0077】
本実施形態の更に別の変形例としては、これまで述べたようなコンテンツを提供する場合において、コンビニエンスストアのレシートに特定識別情報を付すようにしてもよい。これは、何枚かに1枚の割合で付してもよいし、全てに付してもよく、同一コンテンツ提供でも異なるコンテンツの提供であってもよい。この特定識別情報をマルチコピー端末1に入力することで、スペシャルコンテンツが提供され、コンビニエンスストア利用者が増加することが期待できる。
【0078】
本実施形態の更に別の変形例としては、これまで述べたようなコンテンツを提供する場合において、当該コンビニエンスストアへの節目の来店客(来店100人目、あるいはWi−Fiアクセス1000人目など)に対して、スペシャルコンテンツを提供してもよい。これは、レシートに印字をしてもよいし、店舗端末3にて商品購入時に声掛けをして特定識別情報を付与するようにしてもよい。なお、当該コンビニエンスストアのみならず、グループまたは地域店舗の合計数であってもよい。
【0079】
本実施形態の更に別の変形例としては、これまで述べたようなコンテンツを提供する場合において、携帯端末を使用している利用者が来店した際に、コンビニエンスストアに敷設されているWi-Fiを通じて、システム側は、その携帯端末のMacアドレスを認識することができるため、その情報を用いて、来店回数が分ることから、所定回数(例えば100回)来店したら希望するコンテンツを印刷できるようにしてもよい。これにより、利用客の囲い込みができる。
【0080】
本実施形態の更に別の変形例としては、これまで述べたようなコンテンツを提供する場合において、商品ではない、各種催し物のチケットやチラシなどの配布物に、特定識別情報を付与しておくと、その特定識別情報がマルチコピー端末1に入力されることで、その催しに関連するコンテンツが印刷出力されるようにしてもよい。これにより、利用者の満足度を高め、リピート利用につながるという利点がある。
【0081】
本実施形態の更に別の変形例としては、これまで述べたようなコンテンツを提供する場合において、そのコンテンツが学校行事(運動会、学芸会、入学式、卒業式など)に関する写真である場合にも利用できる。すなわち、学校のインターネットホームページに、写真と特定識別情報が表示されており、その特定識別情報がコンビニエンスストアに出向いた利用者によってマルチコピー端末1に入力されることで、美麗な写真を利用者に提供することができる。これによれば、利用者サイドとしては、父母だけでなく遠隔地にいる祖父母などにも、特定識別情報を連絡することによって簡便に写真の入手が可能になるのどの利点がある。なお、このような例は学校行事に限らず、サークル、同窓会、企業の催しなどにも活用できる。
【0082】
次に、本発明の第2の実施形態との作用について説明する。図5は、この実施形態に係るマルチコピー端末利用システム100の動作を説明するフローチャートである。この実施形態においては、特定識別情報を入手することで、有価値情報として、コンテンツではなく、商品についての無料引換券または割引券、あるいはコンサート・映画・演劇・スポーツ観戦などの催事の入場券(有料、割引、または無料)などのサービスが得られる。
【0083】
まず、利用者は、第1の実施形態と同様に、特定識別情報を入手する。ここでは、TV放送中の告知に従って特定識別情報を入手する例で説明する。インターネットに接続されたデジタルTVのデータ放送用4色ボタンのいずれかが押下されると、番組中またはCM中の商品に関する無料引換券、割引券、あるいはコンサート、演劇、スポーツ競技などの催事に関する入場券などの申し込みがされたものとし、商品または催事の提供元、あるいはTV局などが、特定識別情報を表示する。例えば、B社が提供する商品Yの30%割引の割引券であれば、特定識別情報「B−Y−30」が表示される。(ステップS11)
【0084】
次に、コンビニエンスストアに出向いた利用者によって、その特定識別情報がマルチコピー端末1の操作部101、言いかえれば、特定識別情報入力ユニット11から入力され、マルチコピー端末1が当該特定識別情報を入力情報として受け入れる。具体的には、例えば、初期画面−引換券・割引券・入場券発行のような画面遷移で入力画面を表示し、タッチパネルから、先に述べた記番号を入力させる。(ステップS12)
【0085】
マルチコピー端末1では、入力された特定識別情報によって、コンテンツ・サービス提供サーバ2を検索し、有価値情報を抽出する。ここでは商品Yの30%割引という情報が抽出されたものとする。(ステップS13)
【0086】
マルチコピー端末1は引き続き、給紙部105から給紙される用紙に印刷部106において、例えば「割引券 商品Y 30%割引 この券を商品と一緒にレジまでお持ちください。」のような印字を行い、出力する。(ステップS14)
【0087】
そこで、利用者は、その割引券と商品を店舗端末3に持参し、割引された代金を支払い、割引サービスを享受することとなる。
【0088】
なお、無料引換券、催事の入場券についても同様のステップで進めて、サービスを受けることができる。
【0089】
また、無料以外の場合に、店舗端末3で代金決済をするようにしたが、マルチコピー端末1の課金ユニット14、あるいは課金部107を用いて決済するようにしてもよい。店舗端末3まで行く必要がないという利点がある。
【0090】
また、特定識別情報の入手は、TV放送を介してなされるとしたが、TV放送だけでなく、インターネット経由であってもよい。インターネットでサービス提供元にアクセスし、特定識別情報を得るようにしてもよい。
【0091】
また、本実施形態の変形例としては、製品販売に先立つ試供品の募集をすることもある。TVまたはインターネット経由で、試供品を希望する者を募集する。利用者は、先に述べたのと同様に特定識別情報を入手することができ、それを入力することによって、先に述べたのと同様の手順で試供品の提供を受けることができる。
【0092】
更に、特定識別情報を入力した際に、抽選を行い、当選すれば無料で、外れた場合は割引で試供品を提供するようにしてもよい。利用者にとって興味を惹くという利点もある。
【0093】
また、本実施形態の別の変形例として、本実施形態によって入手したかどうかを問わず、催事チケットに、特定識別情報を付しておいてもよい。これを入力することによって、例えば商品(飲料など)の割引券や無料引換券が印刷出力されるようにしてもよい。これによって、催事に入場する利用者に利便性と満足を与えることができる。
【0094】
なお、本発明の第1の実施形態で述べたその他の変形例を、本発明の第2の実施形態の変形例として適用することも可能である。なお、催事の入場券については、本発明の第1の実施形態における、それ自体が価値を有する有価値情報とみなして種々の変形例を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0095】
本発明に係るマルチコピー端末及びマルチコピー端末利用方法は、コンビニエンスストアなどでのマルチコピー端末の利用の範囲を拡大するもので、簡便に適用することができるため、産業上の大きな利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0096】
1 マルチコピー端末
2 コンテンツ・サービス提供サーバ
3 店舗端末
4 ネットワーク
5 特定識別情報受信装置
6 特定識別情報提供装置
7 ネットワーク(含む放送)
11 特定識別情報入力ユニット
12 有価値情報抽出ユニット
13 有価値情報出力ユニット
14 課金ユニット
図1
図2
図3
図4
図5