特許第6671834号(P6671834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6671834情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671834
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/30 20120101AFI20200316BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   G06Q50/30
   G01C21/26 P
【請求項の数】24
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2014-83924(P2014-83924)
(22)【出願日】2014年4月15日
(65)【公開番号】特開2015-204042(P2015-204042A)
(43)【公開日】2015年11月16日
【審査請求日】2017年3月2日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】松 崎 里 恵
【審査官】 加舎 理紅子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−168588(JP,A)
【文献】 特開2002−293241(JP,A)
【文献】 特開2005−024279(JP,A)
【文献】 特開2008−151570(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
G01C 21/00 − 21/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通機関に関する時刻表、混雑情報および運行情報のうち少なくともいずれか一つである交通関連情報の出力要求であって目的地に関する情報を含まない出力要求を受付ける要求受付手段と、
前記出力要求が受け付けられると、使用状況情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する判定手段と、
ステーションおよび路線が一意に特定される場合には、前記特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称を選択可能に提示する情報提示手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記使用状況情報は、基準位置を示す基準位置情報を含み、
前記判定手段は、前記基準位置に基づくエリアに存在するステーションが一つのみであり且つ前記ステーションを通る路線が一つのみである場合に、ステーションおよび路線が一意に特定されると判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記基準位置情報は、ユーザの現在位置を示す現在位置情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記基準位置情報は、ユーザにより指定された指定位置を示す指定位置情報であることを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記使用状況情報は、ユーザにより予め登録された登録情報を含み、
前記判定手段は、前記登録情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込んだ後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記登録情報は、第1のステーションおよび第2のステーション間の移動経路を示す登録経路情報を含み、
前記判定手段は、前記登録経路情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションを、前記第1のステーションまたは前記第2のステーションに絞り込むことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記登録情報は、ユーザの行き先および登録時刻を含むスケジュール情報を含み、
前記判定手段は、前記行き先、前記登録時刻および現在時刻に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込むことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記登録情報は、地点、ステーションおよび路線のうち少なくともいずれか一つに関する情報を含み、
前記判定手段は、当該情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込むことを特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記使用状況情報は、ステーションもしくは路線の検索、または移動経路の探索に関する履歴情報を含み、
前記判定手段は、前記履歴情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込んだ後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記履歴情報は、経路探索結果を含む経路探索履歴情報を含み、
前記判定手段は、前記経路探索結果に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションを、前記経路探索結果の出発ステーションまたは到着ステーションに絞り込むことを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記履歴情報は、ステーションまたは路線の検索ワードを含む検索履歴情報を含み、
前記判定手段は、前記検索ワードに基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込むことを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記履歴情報は、交通関連情報の検索ワードを含む検索履歴情報を含み、
前記判定手段は、前記検索ワードに基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込むことを特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項13】
前記使用状況情報は、基準位置を示す基準位置情報と、ユーザが予め登録した登録情報とを含み、
前記判定手段は、前記基準位置に基づくエリアにステーションまたは路線が複数存在する場合に、前記登録情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込んだ後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項14】
前記使用状況情報は、基準位置を示す基準位置情報と、ステーションもしくは路線の検索、または移動経路の探索に関する履歴情報とを含み、
前記判定手段は、前記基準位置に基づくエリアにステーションまたは路線が複数存在する場合に、前記履歴情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込んだ後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記判定手段が第1の交通機関の候補となるステーションが存在しないと判定した場合、前記情報提示手段は、前記第1の交通機関と異なる第2の交通機関の交通関連情報を提示することを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項16】
前記判定手段は、前記第2の交通機関について、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定し、
前記情報提示手段は、前記第2の交通機関のステーションおよび路線が一意に特定される場合には、前記特定された前記第2の交通機関のステーションおよび路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、前記第2の交通機関の候補となるステーションおよび/または路線の名称を選択可能に提示することを特徴とする請求項15に記載の情報処理システム。
【請求項17】
前記要求受付手段は、対話型インタフェースを介して前記出力要求を受付けることを特徴とする請求項1〜16のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項18】
ステーションおよび路線が一意に特定される場合には、前記情報提示手段は、前記交通関連情報を上りおよび下りの各々について区別して提示することを特徴とする請求項1〜17のいずれかに記載の情報処理システム。
【請求項19】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
交通機関に関する時刻表、混雑情報および運行情報のうち少なくともいずれか一つである交通関連情報の出力要求であって目的地に関する情報を含まない出力要求を受付ける要求受付手段と、
前記出力要求が受け付けられると、使用状況情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する判定手段と、
ステーションおよび路線が一意に特定される場合には、前記特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称を選択可能に提示する情報提示手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項20】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記情報処理装置のうちの1つを請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項21】
コンピュータを、請求項1〜18のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項22】
コンピュータを、
交通機関に関する時刻表、混雑情報および運行情報のうち少なくともいずれか一つである交通関連情報の出力要求であって目的地に関する情報を含まない出力要求を受付ける要求受付手段、
前記出力要求が受け付けられると、使用状況情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する判定手段、
ステーションおよび路線が一意に特定される場合には、前記特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称を選択可能に提示する情報提示手段、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項23】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
交通機関に関する時刻表、混雑情報および運行情報のうち少なくともいずれか一つである交通関連情報の出力要求であって目的地に関する情報を含まない出力要求を受付ける要求受付手段と、
前記出力要求が受け付けられると、使用状況情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する判定手段と、
ステーションおよび路線が一意に特定される場合には、前記特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称を選択可能に提示する情報提示手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項24】
要求受付手段が、交通機関に関する時刻表、混雑情報および運行情報のうち少なくともいずれか一つである交通関連情報の出力要求であって目的地に関する情報を含まない出力要求を受付けるステップと、
判定手段が、前記出力要求が受け付けられると、使用状況情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定するステップと、
情報提示手段が、ステーションおよび路線が一意に特定される場合には、特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、前記候補となるステーションおよび/または路線の名称を選択可能に提示するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザからの要求に応じて時刻表を提示する情報処理システムが知られている(特許文献1)。この情報処理システムは、まず、ユーザが駅を指定するためのユーザインタフェースを表示する。そして、ユーザから駅名を受け付けると、路線を指定するためのユーザインタフェースを表示する。ユーザから路線名を受け付けると、情報処理システムは、指定された駅および路線の時刻表をユーザに提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−262349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して適切な情報を提示することが可能な情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態に係る情報処理システムは、
交通機関に関する交通関連情報の出力要求を受付ける要求受付手段と、
使用状況情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する判定手段と、
ステーションおよび路線が一意に特定される場合には、前記特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称を選択可能に提示する情報提示手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して適切な情報を提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る情報処理システム1の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図3A図2に続く、第1の実施形態に係る情報処理システム1の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図3B図2に続く、第1の実施形態に係る情報処理システム1の処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図4】ユーザが音声入力により交通関連情報を要求した場合における、端末装置2の出力部24の画面の表示例である。
図5】(a)は駅および路線が一意に特定される場合を示す図であり、(b)はエリアA内に駅および路線が複数存在し、駅および路線が一意に特定されない場合を示す図である。
図6】(a)はエリアA内に路線が複数存在し、路線が一意に特定されない場合を示す図であり、(b)はエリアA内に駅が一つも存在しない場合を示す図である。
図7】(a)は時刻表を出力する出力部24の画面の表示例であり、(b)はユーザのタップ操作により拡大表示された下りの時刻表の表示例である。
図8】(a)は候補となる駅の名称を選択可能に出力する出力部24の画面の表示例であり、(b)は候補となる路線の名称を選択可能に出力する出力部24の画面の表示例である。
図9】エリアA内に駅が存在せず、バスの停留所Tが存在する場合における、端末装置2の出力部24の表示例である。
図10】本発明の第2の実施形態に係る情報処理システム1Aの概略的な構成を示す図である。
図11】第2の実施形態に係る情報処理システム1Aの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図12】本発明の第3の実施形態に係る情報処理システム1Bの概略的な構成を示す図である。
図13】第3の実施形態に係る情報処理システム1Bの処理動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理システム1の概略的な構成を示している。
【0010】
情報処理システム1は、図1に示すように、端末装置2およびサーバ3を備えている。端末装置2とサーバ3とは、ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。
【0011】
なお、端末装置2およびサーバ3の少なくとも一部は、コンピュータにより実現される。また、ネットワーク4は、有線回線および無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0012】
まず、端末装置2について説明する。端末装置2は、ユーザが使用するものであり、例えば、携帯電話、スマートフォンまたはタブレット端末装置等のモバイル電子機器である。その他、端末装置2は、モバイル機器に限らず、デスクトップ型パソコン等の固定式の情報端末であってもよい。
【0013】
端末装置2は、図1に示すように、通信部21と、制御部22と、操作入力部23と、出力部24と、測位部25とを有する。
【0014】
まず、通信部21、操作入力部23、出力部24および測位部25について説明する。
【0015】
通信部21は、ネットワーク4を介して制御部22とサーバ3との間で情報を送受信するためのインターフェースである。
【0016】
操作入力部23は、ユーザが端末装置2に操作(情報)を入力するためのインターフェースであり、例えば内蔵マイクロフォン、タッチパネル、キーボード等である。ユーザは、例えば、対話型アプリケーションソフトを立ち上げ、内蔵マイクロフォンを介して要求内容(例えば、“時刻表”)を音声入力することで交通関連情報を要求する(図4参照)。
【0017】
交通関連情報の要求は、音声入力以外にも、タッチパネルに表示された所定のボタン(例えば、時刻表要求ボタン)をユーザがタップすることで行ってもよいし、あるいは、キーボードを介してディスプレイに表示されたテキスト入力ボックスにユーザがテキストを入力することで行ってもよい。
【0018】
出力部24は、ユーザに向けて、交通関連情報等の各種情報を出力する。この出力部24は、例えば、液晶ディスプレイ等の映像表示手段、またはスピーカやイヤホン等の音声出力手段である。なお、操作入力部23がタッチパネルの場合には、操作入力部23が出力部24を兼ねてもよい。
【0019】
測位部25は、ユーザ(端末装置2)の現在位置を測定する。この測位部25は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの信号を受信してユーザ(端末装置2)の絶対位置を測定する。あるいは、測位部25は、WiFi測位のように、アクセスポイントからの電波を受信して測位を行うものであってもよい。
【0020】
次に、制御部22について説明する。制御部22は、要求受付部221と、情報提示部222と、位置情報取得部223とを有する。
【0021】
要求受付部221は、ユーザが操作入力部23を介して入力した交通関連情報の出力要求を受付ける。ここで、交通関連情報とは、交通機関(列車、バス、飛行機、船等)に関連する情報のことをいい、例えば、時刻表、交通機関の混雑情報、運行情報(運休、遅延、運転再開等)である。なお、交通関連情報は、これらの情報のうちいずれか一つでもよいし、あるいは、任意の組み合わせであってもよい。
【0022】
情報提示部222は、サーバ3から交通関連情報を受信した場合には、出力部24を介して当該交通関連情報をユーザに提示し、一方、サーバ3から候補となるステーションの名称を受信した場合には、当該ステーションの名称をユーザが選択可能なように出力部24を介して提示する。また、情報提示部222は、サーバ3から候補となる路線の名称を受信した場合には、当該路線の名称をユーザが選択可能なように出力部24を介して提示する。ユーザへの情報提示の具体例については、後ほど図面(図7図9)を参照して説明する。
【0023】
なお、「ステーション」は、交通機関が乗客を乗り降りさせるために停留する場所を意味し、例えば、交通機関が列車の場合には駅、交通機関がバスの場合には停留所、交通機関が船の場合には港、交通機関が飛行機の場合には空港をそれぞれ意味する。
【0024】
位置情報取得部223は、測位部25から、ユーザ(端末装置2)の現在位置を示す現在位置情報を取得する。なお、位置情報取得部223は、測位部25から、所定の時間間隔で現在位置情報を定期的に取得してもよい。
【0025】
次に、サーバ3について説明する。サーバ3は、交通関連情報、または候補となるステーションや路線の名称を端末装置2に通知する。
【0026】
図1に示すように、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。
【0027】
まず、サーバ3の通信部31および記憶部33について説明する。
【0028】
通信部31は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3の制御部32との間で情報を送受信するインターフェースである。
【0029】
記憶部33は、地図データベース331および交通関連情報データベース332を有する。地図データベース331は、交通機関のステーションの位置情報、およびステーションを通る路線の情報を格納したデータベースである。なお、ステーションの位置情報と、ステーションを通る路線の情報とが異なるデータベースにそれぞれ格納されていてもよい。
【0030】
交通関連情報データベース332は、交通関連情報を格納したデータベースである。この交通関連情報データベース332は、例えば、ステーションおよび路線ごとの時刻表、ステーションごとの混雑情報、および、路線ごとの運行情報のうち少なくともいずれか一つを有している。
【0031】
なお、記憶部33は、例えば、ハードディスク等の固定型データストレージである。また、記憶部33は、必ずしもサーバ3内に設けられなくてもよく、ネットワーク4を介して通信可能に接続された別の装置内に設けられてもよい。また、地図データベース331および交通関連情報データベース332は、異なる記憶装置に別々に格納されてもよい。
【0032】
次に、サーバ3の制御部32について説明する。
【0033】
制御部32は、判定部321と、出力情報制御部322とを有する。
【0034】
判定部321は、使用状況情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する。具体的な判定方法については、後ほどフローチャート等を参照して説明する。
【0035】
ここで、使用状況情報とは、端末装置2ないし当該端末装置2のアプリケーションソフトの使用状況に関連した情報であって、具体的には、端末装置2(ユーザ)の現在位置を示す現在位置情報、アプリケーションソフトの登録情報、端末装置2のユーザによる検索・探索履歴情報が挙げられる。使用状況情報は、これらの情報のいずれか一つであってもよいし、あるいは、これらの情報の任意の組み合わせであってもよい。
【0036】
第1の実施形態では、使用状況情報として、現在位置情報を用いる。使用状況情報が登録情報および履歴情報である場合については、それぞれ第2の実施形態および第3の実施形態において詳しく説明する。
【0037】
出力情報制御部322は、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が判定部321により一意に特定される場合には、特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を出力する。一方、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が判定部321により一意に特定されない場合には、出力情報制御部322は、候補となるステーションの名称を出力する。出力情報制御部322は、ステーションが一意に特定されても路線が一意に特定されない場合には、特定されたステーションの名称とともに、候補となる路線の名称を出力する。
【0038】
なお、出力情報制御部322は、候補となるステーションの名称と、候補となる路線の名称とを併せて出力してもよい。ここで、候補となる路線とは、候補となるステーションを通る路線のことである。
【0039】
次に、図2図3Aおよび図3Bを参照して、情報処理システム1の処理動作の一例について説明する。この例では、ユーザが列車の時刻表を要求した場合の処理動作を示す。なお、以下の説明では、事前に対話型アプリなどのアプリケーションソフトが立ち上げられているものとする。
【0040】
まず、端末装置2の要求受付部221は、ユーザにより操作入力部23を介して入力された交通関連情報の出力要求を受付ける(ステップS11)。図4は、ユーザが対話型アプリケーションソフトを利用した音声入力により交通関連情報を要求した場合における、端末装置2の出力部24の画面の表示例を示している。図4の例では、ユーザは時刻表を要求している。なお、図4の場合、ユーザは、所要の交通関連情報の種別を入力しているのみであり、駅名や路線名等の、絞り込み用の付加情報は入力していない。
【0041】
次に、端末装置2の位置情報取得部223は、測位部25から、ユーザ(端末装置2)の現在位置を示す現在位置情報を取得する(ステップS12)。なお、位置情報取得部223は、ステップS11よりも前に行われてもよい。
【0042】
次に、端末装置2の通信部21は、交通関連情報の出力要求および現在位置情報をサーバ3に送信する(ステップS13)。そして、サーバ3の通信部31は、端末装置2から、交通関連情報の出力要求および現在位置情報を受信する(ステップS21)。
【0043】
次に、サーバ3の判定部321は、現在位置情報に基づいて、ユーザが利用しようとする駅および路線が一意に特定されるか否かを判定する(ステップS22)。判定の結果、駅および路線が一意に特定される場合(S22:Yes)、ステップS23に進み、一方、駅および路線が一意に特定されない場合(S22:No)、ステップS25に進む。
【0044】
ステップS22の判定処理の内容についてより詳しく説明する。まず、判定部321は、記憶部33の地図データベース331にアクセスして、現在位置周辺の地図を取得し、現在位置情報が示す現在位置に基づくエリアA内に存在する駅を確認する。そして、エリアA内に駅が存在する場合には、地図データベース331にアクセスして、当該駅を通る路線を確認する。なお、路線の確認処理において使用するデータベースは、地図データベース331に限るものではなく、例えば、駅および路線に関する情報を関連付けて格納した路線網データベースでもよい。
【0045】
判定部321は、図5(a)に示すように、エリアA内に存在する駅が一つのみであり且つ当該駅を通る路線が一つのみである場合に、ステーションおよび路線が一意に特定されると判定する。図5(a)の場合、エリアA内に存在する駅はSのみであり、駅Sを通る路線はRのみである。なお、エリアAは、例えば、現在位置を中心とする所定の半径rの円形の領域である。
【0046】
ステップS23においては、サーバ3の出力情報制御部322は、特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を出力する。
【0047】
より詳しくは、出力情報制御部322は、交通関連情報データベース332にアクセスして、特定されたステーションおよび路線の交通関連情報を取得する。図5(a)の例の場合、出力情報制御部322は、路線Rの駅Sの時刻表を交通関連情報データベース332から取得する。そして、出力情報制御部322は取得した情報を通信部31に出力する。
【0048】
なお、ユーザが要求している交通関連情報が混雑情報の場合、出力情報制御部322は、交通関連情報データベース332にアクセスして、特定された駅および路線の混雑情報を出力する。混雑情報(交通関連情報)は、上り方面、下り方面を区別して出力してもよい。
【0049】
また、出力情報制御部322は、特定された路線を走る列車のうち、特定された駅に今後到着する列車の混雑情報を出力してもよい。今後到着する列車としては、例えば、特定された駅に次に到着する列車でもよいし、あるいは、特定された駅まで移動するのに要する時間が経過した後に到着する列車であってもよい。駅までの移動時間は、現在位置から駅までの距離に基づいて算出することが可能である。
【0050】
また、ユーザが要求している交通関連情報が運行情報(運休、遅延、運転再開等)の場合、出力情報制御部322は、交通関連情報データベース332にアクセスして、特定された路線の運行情報を出力する。また、ユーザが運行情報の出力要求とともに、特急列車等の列車の号番号を入力した場合には、当該号番号の運行情報を出力してもよい。
【0051】
次に、サーバ3の通信部31は、出力情報制御部322から受信した交通関連情報を端末装置2に送信する(ステップS24)。そして、端末装置2の通信部21は、サーバ3から交通関連情報を受信する(ステップS14)。
【0052】
次に、端末装置2の情報提示部222は、出力部24を介して、サーバ3から受信した交通関連情報をユーザに提示する(ステップS15)。図7(a)は、路線RのS駅における時刻表の表示例を示している。この例では、上りの時刻表と下りの時刻表が表示されている。図7(b)に示すように、ユーザが下りの時刻表をタップした場合、出力部24が下りの時刻表を拡大表示するようにしてもよい。
【0053】
なお、端末装置2は、現在時刻に基づいて時刻表を表示してもよい。例えば、図7(b)に示すように、現在時刻(例えば19時13分)が属する時間帯(19時台)と次の時間帯(20時台)の時刻表を表示するようにしてもよい。あるいは、ユーザが時刻表の出力要求を行う際に時刻を指定した場合には、指定時刻以降の時刻表を表示してもよい。
【0054】
一方、駅および路線が一意に特定されない場合、候補となる駅が複数であるか否かを判定する(ステップS25)。
【0055】
ステップS25の判定の結果、複数の駅が候補となる場合(S25:Yes)、サーバ3の出力情報制御部322は、候補となる駅の名称を出力する(ステップS26)。図5(b)に示すように、エリアA内に複数の駅(S1,S2,S3)が存在する場合、出力情報制御部322は、候補となる駅の名称であるS1,S2およびS3を通信部31に出力する。
【0056】
なお、ステップS26において、サーバ3の出力情報制御部322は、候補となる駅の名称に加えて、候補となる駅を通る路線の名称を出力してもよい。即ち、出力情報制御部322は、候補となる駅の名称と当該駅を通る路線の名称とを一組の情報として出力してもよい。このようにした場合、ステップS17において、情報提示部222は、出力部24を介して、候補となる駅の名称および路線の名称を選択可能にユーザに提示する。これにより、候補となる駅および路線がそれぞれ複数ある場合であっても、ユーザは1回の選択によって、利用しようとする駅および路線の両方を指定することができ、より早く所望の交通関連情報を得ることができる。
【0057】
次に、サーバ3の通信部31は、出力情報制御部322から受信した候補となる駅の名称を端末装置2に送信する(ステップS27)。そして、端末装置2の通信部21は、サーバ3から候補となる駅の名称を受信する(ステップS16)。
【0058】
次に、端末装置2の情報提示部222は、出力部24を介して、サーバ3から受信した候補となる駅の名称を選択可能に提示する(ステップS17)。図8(a)は、候補となる駅の名称を選択可能に出力する出力部24の画面の表示例を示している。ユーザは、画面に表示された候補駅の中からいずれかをタップすることで、利用しようとする駅を選択することが可能である。
【0059】
ユーザが駅を選択すると、当該駅を通る路線が一つのみの場合、当該路線の当該駅における時刻表が図7で示したように出力部24の画面に表示される。画面表示するための時刻表のデータは、端末装置2がユーザにより選択された駅名を用いてサーバ3に問い合わせて入手してもよいし、あるいは、サーバ3が候補となる駅の名称とともに端末装置2に予め送信しておいてもよい。一方、当該駅を通る路線が複数ある場合は、端末装置2は当該駅の名称をサーバ3に送信し、サーバ3の出力情報制御部322は、地図データベース331にアクセスして駅S2を通る路線を知得し、当該駅を通る候補路線の名称を出力する。出力された候補路線の名称は端末装置2に送信され、端末装置2の情報提示部222は、出力部24を介して、サーバ3から受信した候補となる路線の名称を選択可能に提示する。
【0060】
ステップS25の判定の結果、1つの駅のみが候補となる場合(即ち、駅については一意に特定される場合)、サーバ3の出力情報制御部322は、候補となる路線の名称を出力する(ステップS28)。図6(a)に示すように、エリアA内に存在する駅はS1のみであるものの、駅S1を通る路線が複数(R1,R2)存在する場合、出力情報制御部322は、候補となる路線の名称であるR1およびR2を通信部31に出力する。
【0061】
次に、サーバ3の通信部31は、出力情報制御部322から受信した候補となる路線の名称を端末装置2に送信する(ステップS29)。そして、端末装置2の通信部21は、サーバ3から候補となる路線の名称を受信する(ステップS18)。
【0062】
次に、端末装置2の情報提示部222は、出力部24を介して、サーバ3から受信した候補となる路線の名称を選択可能に提示する(ステップS19)。図8(b)は、候補となる路線の名称を選択可能に出力する出力部24の画面の表示例を示している。ユーザは、画面に表示された候補路線の中からいずれかをタップすることで、利用しようとする路線を選択することが可能である。情報提示部222は、図8(b)に示すように、路線ごとに上り/下りを選択可能なように提示してもよい。
【0063】
なお、図6(b)に示すように、エリアA内に駅が一つも存在しない場合がある。このような場合、サーバ3はエリアA内に駅が一つも存在しないことを端末装置2に通知し、端末装置2は現在地周辺に駅が存在しないことをユーザに通知してもよい。あるいは、端末装置2は、次のようにして、バス等の別の交通機関の交通関連情報をユーザに提示してもよい。
【0064】
まず、判定部321は、列車の駅がエリアA内に存在しないと判定した場合、別の交通機関であるバスについて、ステーション(停留所)および路線が一意に特定されるか否かを判定する。次に、出力情報制御部322は、停留所および路線が一意に特定される場合には、特定された停留所および路線の交通関連情報を出力し、そうでない場合には、候補となる停留所および/または路線の名称を出力する。
【0065】
なお、判定部321がエリアA内に列車の駅が存在しないと判定した場合、判定部321は停留所および路線が一意に特定されるか否かを判定せず、出力情報制御部322がバスの交通関連情報(例えば、エリアA内に存在する停留所の時刻表)を出力するようにしてもよい。バスの交通関連情報は、端末装置2の情報提示部222によりユーザに提示される。
【0066】
次に、情報提示部222は、停留所および路線が一意に特定される場合には、特定された停留所および路線の交通関連情報を提示し、そうでない場合には、候補となる停留所および/または路線の名称を選択可能に提示する。図9は、エリアA内に候補となる駅が存在せず、バスの停留所Tが存在する場合における、端末装置2の出力部24の表示例である。より詳しくは、図9は、エリアA内にバスの停留所Tのみが存在し、停留所Tを2つの路線TR1,TR2が通っている場合における、出力部24の表示例を示している。
【0067】
上記のようにすることで、現在地周辺に第1の交通機関(列車)の候補となる駅が存在しない場合であっても、第2の交通機関(バス)の停留所が存在するときには、第2の交通機関の交通関連情報をユーザに提示することができる。
【0068】
上記の説明では、判定部321は、現在位置情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定したが、その他の位置情報に基づいて判定を行ってもよい。例えば、判定部321は、ユーザにより指定された指定位置を示す指定位置情報に基づいて判定を行ってもよい。指定位置は、例えば、パソコン等のディスプレイに表示された地図の中心位置である。このように、第1の実施形態で使用する使用状況情報としての位置情報は、ユーザの現在位置やユーザが指定した指定位置等の基準位置を示す基準位置情報であればよい。
【0069】
以上説明したように、第1の実施形態では、基準位置を示す基準位置情報を利用し、この基準位置情報に基づいてユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定される場合には、特定されたステーションおよび路線の交通関連情報をユーザに提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称をユーザに選択可能に提示する。これにより、第1の実施形態によれば、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して適切な情報を提示することができる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では現在位置情報等の基準位置情報を利用したが、第2の実施形態では、ユーザにより予め登録された登録情報を利用する。
【0071】
以下、第1の実施形態との相違点を中心に第2の実施形態について説明する。
【0072】
第2の実施形態に係る情報処理システム1Aは、図10に示すように、ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続された端末装置2およびサーバ3を備えている。端末装置2は、通信部21と、制御部22と、操作入力部23と、出力部24と、測位部25とを有し、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。
【0073】
サーバ3の記憶部33は、図10に示すように、地図データベース331と、交通関連情報データベース332と、登録情報データベース333とを有する。
【0074】
登録情報データベース333は、ユーザにより予め登録された登録情報を格納したデータベースである。登録情報は、例えば、地点、ステーション、路線、通勤(通学)経路、スケジュール、時刻表などである。ここで、地点は、自宅、会社または学校の位置(住所)などの登録された地点である。また、ステーションは、自宅、会社または学校の最寄り駅などの登録されたステーションである。また、路線は、通勤・通学に使用する路線などの登録された路線である。
【0075】
サーバ3の判定部321は、登録情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションまたは路線を絞り込んだ後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する。具体的な判定方法については、後ほどフローチャートを参照して説明する。
【0076】
次に、図11を参照して、情報処理システム1Aの処理動作の一例について説明する。
【0077】
まず、端末装置2の要求受付部221は、ユーザにより操作入力部23を介して入力された交通関連情報の出力要求を受付ける(ステップS31)。
【0078】
次に、端末装置2の通信部21は、交通関連情報の出力要求をサーバ3に送信する(ステップS32)。そして、サーバ3の通信部31は、端末装置2から、交通関連情報の出力要求を受信する(ステップS41)。
【0079】
次に、サーバ3の判定部321は、登録情報に基づいて、ユーザが利用しようとする駅および路線が一意に特定されるか否かを判定する(ステップS42)。判定後の処理フローは第1の実施形態と同様である。即ち、判定の結果、駅および路線が一意に特定される場合(S42:Yes)、図3AのステップS23に進み、一方、駅および路線が一意に特定されない場合(S42:No)、図3BのステップS25に進む。
【0080】
ステップS42の判定処理の内容についてより詳しく説明する。まず、判定部321は、記憶部33の登録情報データベース333にアクセスして、移動経路を示す登録経路情報を取得する。移動経路は、例えば、通勤経路または通学経路であり、自宅の最寄り駅と、会社もしくは学校の最寄り駅との間の移動経路を示すものである。
【0081】
登録経路情報を取得した後、判定部321は、登録経路情報に基づいて、ユーザが利用しようとする駅を、自宅の最寄り駅または会社(学校)の最寄り駅に絞り込む。なお、判定部321は、登録経路情報および現在時刻に基づいて、ユーザが利用しようとする駅を絞り込んでもよい。例えば、判定部321は、現在時刻が出勤時間帯に属するならば、ユーザが利用しようとする駅を自宅の最寄り駅に絞り込み、現在時刻が帰宅時間帯に属するならば、ユーザが利用しようとする駅を会社の最寄り駅に絞り込む。
【0082】
そして、判定部321は、記憶部33の地図データベース331にアクセスし、上記のようにして絞り込まれた駅を通る路線を確認する。その結果、当該駅を通る路線が一つのみである場合に、判定部321は、駅および路線が一意に特定されると判定する。なお、当該駅を通る路線が複数存在する場合であっても、自宅の最寄り駅と会社(学校)の最寄り駅との間の移動で使用しない路線については候補から削除することで、候補となる路線を絞り込んでもよい。
【0083】
また、使用するデータベースは、地図データベース331に限るものではなく、例えば、駅および路線に関する情報を関連付けて格納した路線網データベースでもよい。
【0084】
上記の説明では、登録情報として登録経路情報を使用することでユーザが利用しようとする駅や路線を絞り込んだが、このほかにも例えばスケジューラ等のアプリケーションソフトに登録されたスケジュール情報を使用することが可能である。スケジュール情報は、例えば、ユーザの行き先および登録時刻(スケジューラに登録された時刻)を含む情報である。ここで、登録時刻は、外出時刻、会議の開始時刻、訪問時刻などの登録された時刻である。
【0085】
スケジュール情報を用いる場合、判定部321は、登録情報データベース333にアクセスして、スケジュール情報の行き先および登録時刻を取得し、スケジュール情報の行き先、登録時刻、および現在時刻に基づいて、ユーザが利用しようとする駅および/または路線を絞り込む。
【0086】
例えば、登録時刻が外出時刻であり、外出時刻が近づいている場合には、ユーザがこれから外出すると推定し、判定部321は、ユーザが利用しようとする駅および路線を、経路探索により得られた出発駅および路線に絞り込む。なお、経路探索は、現在位置、自宅の位置、会社の位置、または直前のスケジュールの登録地点などを出発地に設定して行われる。あるいは、外出時刻から所定の時間(例えば3時間)以上が経過している場合には、ユーザは行き先から戻ろうとしていると推定し、判定部321は、ユーザが利用しようとする駅を行き先の最寄り駅に絞り込む。
【0087】
また、経路探索結果をスケジューラに登録した場合など、スケジュール情報が経路探索結果を含む場合には、前述の登録経路情報の場合と同様にして、ユーザが利用しようとする駅および/または路線を絞り込んでもよい。
【0088】
また、判定部321は、予め登録された地点、ステーションおよび路線のうち少なくともいずれか一つに関する情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込んでもよい。例えば、判定部321は、登録された自宅の地点(住所)から最寄り駅を推定することにより、ユーザが利用しようとする駅(および路線)を絞り込む。
【0089】
以上説明したように、第2の実施形態では、ユーザにより予め登録された登録情報を利用し、この登録情報に基づいてユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定される場合には、特定されたステーションおよび路線の交通関連情報をユーザに提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称をユーザに選択可能に提示する。これにより、第2の実施形態によれば、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して適切な情報を提示することができる。
【0090】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第1の実施形態では現在位置情報等の基準位置情報を利用したが、第3の実施形態では、検索・探索履歴情報を利用する。
【0091】
以下、第1の実施形態との相違点を中心に第3の実施形態について説明する。
【0092】
第3の実施形態に係る情報処理システム1Bは、図12に示すように、ネットワーク4を介して互いに通信可能に接続された端末装置2およびサーバ3を備えている。端末装置2は、通信部21と、制御部22と、操作入力部23と、出力部24とを有し、サーバ3は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを有する。
【0093】
サーバ3の記憶部33は、図12に示すように、地図データベース331と、交通関連情報データベース332と、履歴情報データベース334とを有する。
【0094】
履歴情報データベース334は、ステーションや路線の検索、あるいは、移動経路の探索に関する履歴情報を格納したデータベースである。
【0095】
サーバ3の判定部321は、履歴情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションまたは路線を絞り込んだ後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する。具体的な判定方法については、後ほどフローチャートを参照して説明する。
【0096】
次に、図13を参照して、情報処理システム1Bの処理動作の一例について説明する。
【0097】
まず、端末装置2の要求受付部221は、ユーザにより操作入力部23を介して入力された交通関連情報の出力要求を受付ける(ステップS51)。
【0098】
次に、端末装置2の通信部21は、交通関連情報の出力要求をサーバ3に送信する(ステップS52)。そして、サーバ3の通信部31は、端末装置2から、交通関連情報の出力要求を受信する(ステップS61)。
【0099】
次に、サーバ3の判定部321は、履歴情報に基づいて、ユーザが利用しようとする駅および路線が一意に特定されるか否かを判定する(ステップS62)。判定後の処理フローは第1の実施形態と同様である。即ち、判定の結果、駅および路線が一意に特定される場合(S62:Yes)、図3AのステップS23に進み、一方、駅および路線が一意に特定されない場合(S62:No)、図3BのステップS25に進む。
【0100】
ステップS62の判定処理の内容についてより詳しく説明する。まず、判定部321は、記憶部33の履歴情報データベース334にアクセスして、経路探索結果を示す経路探索履歴情報を取得する。経路探索結果は、出発駅、到着駅、出発時間、到着時間、および路線等の情報を含んでいる。
【0101】
経路探索履歴情報を取得した後、判定部321は、経路探索履歴情報に含まれる経路探索結果に基づいて、ユーザが利用しようとする駅を、出発駅または到着駅に絞り込む。例えば、判定部321は、ユーザが利用しようとする駅を、直近の経路探索による経路探索結果の出発駅に絞り込む。
【0102】
また、判定部321は、経路探索結果および現在時刻に基づいて、ユーザが利用しようとする駅を絞り込んでもよい。この場合、判定部321は、現在時刻が出発時間に近いならば、ユーザが利用しようとする駅を出発駅に絞り込む。あるいは、到着時間から所定の時間(例えば3時間)以上が経過している場合には、ユーザは行き先から戻ろうとしていると推定し、判定部321は、ユーザが利用しようとする駅を到着駅に絞り込む。なお、経路探索履歴情報に複数の経路探索結果が含まれる場合、例えば、出発時間が現在時刻に最も近い経路探索結果を使用する。
【0103】
そして、判定部321は、記憶部33の地図データベース331にアクセスし、上記のようにして絞り込まれた駅(出発駅または到着駅)を通る路線を確認する。その結果、当該駅を通る路線が一つのみである場合に、判定部321は、駅および路線が一意に特定されると判定する。なお、特定された駅を通る路線が複数存在する場合であっても、経路探索結果に含まれない路線については候補から削除することで、候補となる路線を絞り込んでもよい。
【0104】
また、使用するデータベースは、地図データベース331に限るものではなく、例えば、駅および路線に関する情報を関連付けて格納した路線網データベースでもよい。
【0105】
また、経路探索結果を用いる場合、端末装置2は、出発時刻以降の時刻表をユーザに提示するようにしてもよい。
【0106】
上記の説明では、履歴情報として経路探索結果情報を使用することでユーザが利用しようとする駅や路線を絞り込んだが、このほかにも、例えば、駅、路線の検索ワードを含む検索履歴情報を使用することが可能である。
【0107】
この場合、判定部321は、履歴情報データベース334にアクセスして、検索履歴情報の検索ワードを取得し、当該検索ワードに基づいて、ユーザが利用しようとする駅および/または路線を絞り込む。例えば、検索ワードが駅を含む場合は、ユーザが利用しようとする駅を、当該検索ワードの駅に絞り込む。同様に、検索ワードが路線を含む場合は、ユーザが利用しようとする路線を、当該検索ワードの路線に絞り込む。また、検索ワードが駅および路線の両方を含む場合は、ユーザが利用しようとする駅および路線を、当該検索ワードの駅および路線に絞り込む。
【0108】
なお、判定部321は、直近に検索された検索ワード、または検索回数の多い検索ワードに基づいて、ユーザが利用しようとする駅および/または路線を絞り込むようにしてもよい。
【0109】
また、交通関連情報の種別(時刻表など)に関する検索ワードを含む検索履歴情報を使用することも可能である。例えば、検索ワードが「路線R 駅S 時刻表」であったならば、ユーザが利用しようとする駅および路線を、当該検索ワードの駅および路線に絞り込む。
【0110】
以上説明したように、第3の実施形態では、ユーザが過去に行った経路探索あるいは検索に関する履歴情報を利用し、この履歴情報に基づいてユーザが利用しようとするステーションおよび路線が一意に特定される場合には、特定されたステーションおよび路線の交通関連情報をユーザに提示し、そうでない場合には、候補となるステーションおよび/または路線の名称をユーザに選択可能に提示する。これにより、第3の実施形態によれば、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して適切な情報を提示することができる。
【0111】
以上、本発明に係る3つの実施形態について説明したが、上記実施形態は任意に組み合わせることが可能である。
【0112】
例えば、第1の実施形態と第2の実施形態を組み合わせることが可能である。この場合、使用状況情報は、基準位置を示す基準位置情報と、ユーザが予め登録した登録情報とを含む。
【0113】
そして、判定部321は、基準位置情報に基づいてステーションおよび路線が一意に特定されない場合、即ち、基準位置に基づくエリアにステーションまたは路線が複数存在する場合には、登録情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込み、その後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する。
【0114】
反対に、判定部321は、まず、登録情報に基づいてステーションおよび/または路線を絞り込み、その後、基準位置情報に基づいてステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定してもよい。
【0115】
また、第1の実施形態と第3の実施形態を組み合わせてもよい。この場合、使用状況情報は、基準位置を示す基準位置情報と、上記の履歴情報とを含む。
【0116】
そして、判定部321は、基準位置に基づくエリアにステーションまたは路線が複数存在する場合に、履歴情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込み、その後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する。
【0117】
第1〜第3の実施形態を組み合わせることで、ユーザが利用しようとする駅および路線の絞り込みをより的確に行うことができ、その結果、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して、より適切な情報を提示することができる。
【0118】
上記の説明では、端末装置2の要求受付部221は、操作入力部23を介して交通関連情報の出力要求のみを受付けたが、これに加えて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込むための付加情報を受付けてもよい。この場合、判定部321は、この付加情報に基づいて、ユーザが利用しようとするステーションおよび/または路線を絞り込み、その後、ステーションおよび路線が一意に特定されるか否かを判定する。例えば、前述の図5(b)の場合(エリアA内に複数の駅S1,S2,S3が存在する場合)であっても、要求受付部221が交通関連情報の出力要求とともに乗車駅(駅S1または駅S3)を受付けたときには、駅および路線が一意に特定される。
【0119】
また、要求受付部221が交通関連情報の出力要求とともに乗車駅(駅S2)を受付けた場合には、情報提示部222は、路線R1または路線R2を選択可能に提示する。
【0120】
このようにすることで、ユーザが駅や路線を選択するステップが削減されるため、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して、より適切な情報を提示することができる。
【0121】
使用状況情報に基づいてステーションおよび路線が一意に特定され、かつ、路線の上り/下りについても特定可能な場合がある。例えば、ユーザの現在位置が上りのホームを示している場合、あるいは、通勤経路等の登録経路情報を利用する場合には、路線の上り/下りについても特定可能である。また、後述の付加情報として、ユーザが上り/下りを指定した場合も同様である。
【0122】
このような場合、出力情報制御部322は、上りの交通関連情報(上りの時刻表など)のみ、または、下りの交通関連情報(下りの時刻表など)のみを出力するようにしてもよい。これにより、ユーザからの交通関連情報の出力要求に対して、より適切な情報を提示することができる。
【0123】
なお、上記の実施形態で参照した図1図10図12のシステム構成は一例であり、サーバ3内の構成要件の少なくとも一部がそれぞれ端末装置2内にあってもよい。例えば、サーバ3内の記憶部33および制御部32を端末装置2内に設けて、通信をすることなく端末装置2のみでユーザからの交通関連情報の出力要求に対して適切な情報を提示することが可能な情報処理装置を構成してもよい。
【0124】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD−ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0125】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0126】
さらに、1または複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0127】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容及びその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0128】
1,1A,1B 情報処理システム
2 端末装置
21 通信部
22 制御部
221 要求受付部
222 情報提示部
223 位置情報取得部
23 操作入力部
24 出力部
25 測位部
3 サーバ
31 通信部
32 制御部
321 判定部
322 出力情報制御部
33 記憶部
331 地図データベース
332 交通関連情報データベース
333 登録情報データベース
334 経路探索履歴情報データベース
4 ネットワーク
A エリア
S,S1,S2,S3 駅
T 停留所
R,R1,R2 路線
r 半径
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13