(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
  本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、バルーンカテーテル1は、所謂、迅速交換型(RX(Rapid  eXchange)型)のカテーテルである。バルーンカテーテル1は、第1シャフト2、第2シャフト3、チューブ4、及び、バルーン5を有する。なお、第1シャフト2は、ディスタルシャフト等と呼ばれる場合がある。第2シャフト3は、プロキシマルシャフト等と呼ばれる場合がある。チューブ4の内腔は、(ガイドワイヤ用)ルーメン等と呼ばれる場合がある。以下、それぞれの詳細について説明する。なお、本発明の各部位は、上記の通称(ディスタルシャフト、プロキシマルシャフト、ルーメン)によって一般的に規定される部位に限定されない。以下、バルーンカテーテル1に沿って延びる方向を、「延伸方向」という。バルーンカテーテル1の延伸方向の両側のうち、バルーン5が設けられる側を、「先端側」といい、先端側と反対側を、「基端側」という。
図1の左側が先端側に対応し、右側が基端側に対応する。延伸方向と直交する方向において、バルーンカテーテル1の断面中心に近接する側を「内側」といい、バルーンカテーテル1の断面中心から離隔する側を「外側」という。
 
【0014】
<第1シャフト2>
  
図1に示すように、第1シャフト2は、管状の部材である。第1シャフト2は可撓性を有する。第1シャフト2は、ポリアミド系樹脂により形成される。第1シャフト2は、延伸方向に延びる。第1シャフト2の内径は、延伸方向の全域に亘って略同一である。第1シャフト2は、周壁の内側の面である内面21Aで囲まれた空間を有する。以下、内面21Aで囲まれた空間を、「内腔211」という。第1シャフト2の延伸方向の両端部のうち、基端側の開口端部を、「第1基端部2A」といい、先端側の開口端部を、「第1先端部2B」という。
 
【0015】
  上記において、第1シャフト2の材料は、ポリアミド系樹脂に限定されず、可撓性を有する他の材料に変更可能である。例えば、第1シャフト2の材料として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂などの合成樹脂材料が用いられてもよい。合成樹脂材料に添加剤が混合されてもよい。 
 
【0016】
<バルーン5>
  バルーン5は、第1シャフト2の第1先端部2Bに設けられる。バルーン5は、内側の面である内面51Aで囲まれた空間を有する。以下、内面51Aで囲まれた空間を、「内腔511」という。バルーン5の基端側の端部は、第1シャフト2の第1先端部2Bに接続する。バルーン5は、内側に収縮した状態と、外側に膨張した状態とに変形可能である。バルーン5は、後述するハブから圧縮流体が供給された状態で膨張し、圧縮流体が供給されない状態で収縮する。
図1では、膨張した状態のバルーン5が示されている。バルーン5は、ポリアミド系樹脂により形成される。以下、バルーン5の基端側の端部を、「バルーン基端部5A」といい、先端側の端部を、「バルーン先端部5B」という。
 
【0017】
  上記において、バルーン5は、第1シャフト2の第1先端部2Bに、第1シャフト2と一体となって設けられていてもよい。即ち、バルーンは、第1シャフト2の先端側の端部の一部として形成されてもよい。バルーン5の材料は、ポリアミド系樹脂に限定されず、可撓性を有する他の材料に変更可能である。例えば、バルーン5の材料として、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリイミド系樹脂、シリコンゴム、天然ゴムなどが用いられてもよい。
 
【0018】
<チューブ4>
  
図1、
図2に示すように、チューブ4は、管状の部材である。チューブ4は可撓性を有する。チューブ4の材料は、第1シャフト2の材料と同一である。チューブ4は延伸方向に延びる。チューブ4の内径は、延伸方向の全域に亘って略同一である。チューブ4の外径は、第1シャフト2の内径よりも小さい。チューブ4の基端側の端部は、第1シャフト2の周壁に連通する。第1シャフト2の周壁のうち、チューブ4の基端側の端部が連通する部分に、周壁穴41が形成される。以下、チューブ4の基端側の端部を、「チューブ基端部4A」という。なお、チューブ4の材料は第1シャフト2の材料と異なっていてもよい。また、チューブ4は複数の層を含んでもよい。
 
【0019】
  図1に示すように、チューブ4は、周壁穴41から、第1シャフト2の内腔211を通って、第1シャフト2の第1先端部2B側に向けて延びる。チューブ4は、第1先端部2Bから先端側に向けて更に延びる。チューブ4は、バルーン5の内腔511を通って、バルーン先端部5Bに向けて延びる。チューブ4は、バルーン先端部5Bから先端側に向けて更に延びる。チューブ4の先端側の端部は、バルーン先端部5Bよりも先端側に配置される。以下、チューブ4の先端側の端部を、「チューブ先端部4B」という。チューブ4の外側の面である外面42Bのうち、チューブ先端部4Bよりも僅かに基端側の部分に、バルーン先端部5Bが接続する。
 
【0020】
  上記において、チューブ4とバルーン5とは別の態様で接合してもよい。例えば、チューブ4のチューブ先端部4Bがバルーン5の先端側の周壁に挿通してもよい。
 
【0021】
<第2シャフト3>
  第2シャフト3は、可撓性を有する管状の部材である。第2シャフト3の材料は、ステンレス鋼である。第2シャフト3の剛性は、第1シャフト2の剛性よりも大きい。第2シャフト3は、延伸方向に延びる。第2シャフト3の外径は、第1シャフト2の内径よりも僅かに小さい。
図2に示すように、第2シャフト3の内径は、チューブ4の内径よりも大きい。
図1に示すように、第2シャフト3は、周壁の内側の面である内面31Aで囲まれた空間を有する。以下、内面31Aで囲まれた空間を、「内腔311」という。第2シャフト3の延伸方向の両端部のうち、基端側の開口端部を、「第2基端部3A」といい、先端側の開口端部を、「第2開口先端部3B」という。
 
【0022】
  第2基端部3Aには、図示しないハブが接続される。ハブは、第2シャフト3及び第1シャフト2を介して、バルーン5に圧縮流体を供給することができる。
 
【0023】
  第2開口先端部3Bは、延伸方向と直交する仮想的な平面(以下、「第1仮想平面S1」という。)に対して傾斜する別の仮想的な平面(以下、「第2仮想平面S2」という。)に沿って配置される。第1仮想平面S1と第2仮想平面S2とのなす角度の鋭角θ1は、好ましくは、85度以上90度未満の範囲内の値である。第2開口先端部3Bは、筒状の部材を第2仮想平面S2で切断した形状を有している。このため、第2開口先端部3Bのうち最も基端側の部分31よりも基端側(矢印D2側)の部分の剛性よりも、先端側(矢印D1側)の部分の剛性の方が小さい。又、第2シャフト3の部分31よりも先端側の部分の剛性は、部分31から部分32に近づくに従って小さくなる。以下、第2開口先端部3Bのうち、最も先端側の部分32を、「第2先端部32」ともいう。
 
【0024】
  上記において、第2シャフト3の材料は、ステンレス鋼に限定されず、他の材料に変更可能である。例えば、第2シャフト3の材料として、SUS等の金属材料が用いられてもよい。
 
【0025】
  図1、
図2に示すように、第2シャフト3の第2開口先端部3Bは、第1シャフト2の第1基端部2Aから内腔211内に進入する。第2開口先端部3Bは、全域に亘って、第1シャフト2の第1基端部2Aよりも先端側且つ第1先端部2Bよりも基端側、即ち、内腔211内に配置される。第2開口先端部3Bのうち最も基端側の部分31の位置P11は、第1シャフト2の周壁穴41の第1基端部2A側の端部(以下、「端部41A」という。)の位置P12よりも、第1基端部2A側に配置される。第2開口先端部3Bの第2先端部32の位置P13は、第1シャフト2の周壁穴41の第1先端部2B側の端部(以下、「端部41B」という。)の位置P14よりも、第1先端部2B側に配置される。
 
【0026】
<第1シャフト2と第2シャフト3との接合>
  
図3に示すように、第2シャフト3の周壁の外側の面である外面31Bのうち、第2先端部32よりも僅かに基端側の部分は、第1シャフト2の内面21Aに接着剤22によって接合される。なお、上記のように、第2先端部32の位置P13は、周壁穴41の端部41Bの位置P14よりも第1先端部2B(
図1参照)側に配置される。接着剤22が付着する部分、言い換えれば、第2先端部32よりも僅かに基端側の部分も、位置P14よりも第1先端部2B側に配置される。従って、第1シャフト2と第2シャフト3とは、位置P14よりも第1先端部2B側で接着剤22によって接合される。
 
【0027】
  接着剤22による接合方法の具体例は、次の通りである。第1シャフト2のうち、第2シャフト3の第2先端部32近傍が接合される部分に対応する位置に、小さな穴が設けられる。設けられた穴を介して、第1シャフト2の内腔211に接着剤22が外部から注入される。注入された接着剤22は、第1シャフト2の内面21Aと、第2シャフト3の第2先端部32よりも僅かに基端側の部分とを接合する。
 
【0028】
  図1に示すように、第1シャフト2の第1基端部2Aは、第2シャフト3の外面31Bに接続される。即ち、第1シャフト2と第2シャフト3とは、第2シャフト3の第2先端部32近傍と、第1シャフト2の第1基端部2Aとの2箇所で接合される。
 
【0029】
  なお、第1シャフト2の内面21Aと、第2シャフト3の第2先端部32近傍とを接着剤22によって接合する方法は、上記の例に限定されず、別の方法で接合されてもよい。例えば、第1シャフト2の周壁の外側の面のうち、第2シャフト3の第2先端部32近傍が接合される部分に、外部からレーザ光が照射されてもよい。第1シャフト2の内面21Aのうち、レーザ光が照射された位置に対応する部分が溶融してもよい。そして、第1シャフト2の内面21Aのうち溶融した部分が、第2シャフト3の第2先端部32近傍と溶着することによって、双方が接合してもよい。
 
【0030】
<バルーンカテーテル1の使用態様>
  バルーンカテーテル1の使用態様の概要は、次の通りである。血管内に配置されたガイドワイヤに、バルーンカテーテル1のチューブ4がチューブ先端部4Bから通される。第2シャフト3が血管内に向けて押し込まれる。第2シャフト3が押し込まれることに応じた力が、第1シャフト2を介してバルーン5に作用する。バルーン5は、ガイドワイヤに沿って血管内を移動し、血管の狭窄した箇所に配置される。第2シャフト3の第2基端部3Aに接続されたハブ(図示外)から、内腔311に圧縮流体が供給される。なお、第1シャフト2の第1基端部2Aは、第2シャフト3の外面31Bに接続されているので、圧縮流体は、第1シャフト2及び第2シャフト3の外部に流出しない。
 
【0031】
  供給された圧縮流体は、第2シャフト3から、第2開口先端部3Bを介して第1シャフト2の内腔211に流入する。圧縮流体は、更に、第1シャフト2から、第1先端部2Bを介してバルーン5の内腔511に流入する。バルーン5に流入した圧縮流体は、バルーン5を膨張させる。これによって、血管の狭窄した箇所が拡張される。
 
【0032】
<本実施形態の主たる作用、効果>
  以上説明したように、バルーンカテーテル1において、第1シャフト2の内面21Aのうち、周壁穴41よりも第1先端部2B側に、第2シャフト3が接合される。このため、バルーンカテーテル1は、ガイドワイヤに沿ってバルーン5を血管の狭窄した部分に配置させるために第2シャフト3が血管内に押し込まれたときの力を、第1シャフト2の第1先端部2B側の部分に適切に伝達させることができる。このため、バルーン5が血管内を移動する場合において、移動方向と反対方向の力がバルーン5に作用した場合でも、第1シャフト2の第1先端部2B側の部分に移動方向の力を作用させることによって、第1シャフト2が歪むことを抑制できる。従って、バルーンカテーテル1は、血管内の狭窄した位置までバルーン5を適切に移動させることが可能となる。
 
【0033】
  バルーンカテーテル1において、第2シャフト3のうち第2先端部32よりも僅かに基端側の部分は、第1シャフト2の内面21Aのうち、周壁穴41の第1先端部2B側の端部41Bよりも第1先端部2B側に、接着剤22によって接合される。このため、バルーンカテーテル1は、第1シャフト2のうちバルーン5により近い位置に、第2シャフト3が血管内に押し込まれたときの力を伝達させることができる。従って、バルーンカテーテル1は、血管内をバルーン5が移動した場合に第1シャフト2が歪むことを、更に適切に抑制できる。又、バルーンカテーテル1において、第2シャフト3の第2先端部32の近傍の位置が、第1シャフト2の内面21Aに接着剤22によって接合される。この場合、バルーンカテーテル1は、第2シャフト3のうちよりバルーン5に近い部分を介して、第2シャフト3が血管内に押し込まれたときの力を第1シャフト2に伝達できる。
 
【0034】
  バルーンカテーテル1において、第2シャフト3における周壁穴41よりも第1先端部2B側の部分のうち、第2先端部32よりも僅かに基端側の部分のみが、接着剤22によって第1シャフト2の内面21Aと接合する。この場合、第1シャフト2と第2シャフト3との接合領域を最小限に抑制できるので、バルーンカテーテル1を容易に作製できる。
 
【0035】
  第2シャフト3は第1シャフト2に比べて剛性が大きいので、バルーンカテーテル1の延伸方向の剛性の変化は、第1シャフト2と第2シャフト3との境界部分で大きくなる。なお、剛性の変化が大きい部分は、第2シャフト3が血管内に押し込まれたときに歪みやすい。これに対し、第2シャフト3の延伸方向の剛性は、第2開口先端部3Bのうち最も基端側の部分31よりも第2先端部32側の部分で、第2先端部32に近づくに従って小さくなる。これによって、バルーンカテーテル1の延伸方向の急激な剛性変化を軽減できる。従って、バルーンカテーテル1は、バルーン5が血管内を移動する場合において、移動方向と反対方向の力がバルーン5に作用した場合に、延伸方向の剛性の変化部分で歪むことを抑制できる。
 
【0036】
<変形例>
  本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変更が可能である。上記実施形態において、第2シャフト3の外面31Bのうち、第2先端部32よりも僅かに基端側の部分が、第1シャフト2の内面21Aに接着剤22によって接合された。これに対し、第2シャフト3の外面31Bのうち、第2先端部32を含む部分が、第1シャフト2の内面21Aに接着剤22によって接合されてもよい。言い換えれば、第2シャフト3の第2先端部32が、第1シャフト2の内面21Aに接合されてもよい。
 
【0037】
  バルーンカテーテル1の第2シャフト3の第2開口先端部3Bが配置される第2仮想平面S2と第1仮想平面S1とのなす角度の鋭角θ1は、85度以上90度未満の範囲内に限定されず、他の角度であってもよい。例えば、第2仮想平面S2と第1仮想平面S1とのなす角度の鋭角θ1は0度であってもよい。即ち、第2シャフト3の第2開口先端部3Bは、筒状の部材を第1仮想平面S1で切断した形状を有してもよい。又、このような形状である場合において、第2シャフト3の第2開口先端部3Bから基端側に向けて延びる少なくとも1つの溝が、第2シャフト3の周壁に設けられてもよい。また、この溝の幅は、先端側から基端側に向けて徐々に大きくなってもよい。この場合の第2シャフト3の剛性は、上記実施形態と同様、第2先端部32に向かうに従って小さくなる。
 
【0038】
  図4、
図5を参照し、変形例におけるバルーンカテーテル1A(
図4参照)、1B(
図5参照)について説明する。バルーンカテーテル1A、1Bは、第1シャフト2の内面21Aと、第2シャフト3の外面31Bとの接合領域が、バルーンカテーテル1と異なる。
図4に示すように、第1変形例におけるバルーンカテーテル1Aにおいて、第1シャフト2と第2シャフト3とは、接着剤22Aによって接合される。接着剤22Aの付着する領域は、
図3において接着剤22が付着する領域と比べて、基端側に長い。この場合、バルーンカテーテル1Aは、バルーンカテーテル1と比べて、第1シャフト2と第2シャフト3とを強固に接合できる。
 
【0039】
  なお、バルーンカテーテル1Aにおいて、接着剤22Aの付着する領域は、
図4の場合よりも更に基端側に長くてもよい。例えば、接着剤22Aは、第2シャフト3の外面31Bのうち、周壁穴41の端部41Bの位置P14よりも基端側まで付着してもよい。更に、例えば、接着剤22Aは、第2シャフト3の外面31Bのうち、周壁穴41の端部41Aの位置P12よりも基端側まで付着してもよい。更に、例えば、接着剤22Aは、第2シャフト3の外面31Bのうち、第1シャフト2の第1基端部2Aまで付着してもよい。即ち、第1シャフト2と第2シャフト3とは、延伸方向に重なる部分の全域に亘って接合してもよい。
 
【0040】
  又、バルーンカテーテル1Aにおいて、接着剤22Aの付着する領域は、
図4の場合よりも先端側に長くてもよい。例えば、接着剤22Aは、第2シャフト3の外面31Bのうち、第2先端部32まで付着してもよい。
 
【0041】
  図5に示すように、第2変形例におけるバルーンカテーテル1Bにおいて、第1シャフト2と第2シャフト3とは、接着剤22B、22Cによって接合される。接着剤22Bの付着する領域は、
図3において接着剤22が付着する領域よりも先端側である。具体的には、接着剤22Bの付着する領域は、第2先端部32を含む領域である。一方、接着剤22Cは、接着剤22Bに対して基端側に所定距離離隔した領域に付着される。つまり、第1シャフト2と第2シャフト3とは、周壁穴41よりも第1基端部2A(
図1参照)側の部分において、2箇所で接合されることになる。この場合、バルーンカテーテル1Bは、バルーンカテーテル1(
図1参照)と比べて、第1シャフト2と第2シャフト3とを強固に接合できる。又、バルーンカテーテル1A(
図4参照)と比べて、接着剤によって接着される領域を抑制できるので、バルーンカテーテル1Bを容易に作製できる。
 
【0042】
  なお、バルーンカテーテル1Bにおいて、接着剤22Cの付着する領域は、
図5の場合よりも更に基端側であってもよい。例えば、接着剤22Cは、第2シャフト3の外面31Bのうち、周壁穴41の端部41Bの位置P14よりも基端側に付着してもよい。更に、例えば、接着剤22Cは、第2シャフト3の外面31Bのうち、周壁穴41の端部41Aの位置P12よりも基端側に付着してもよい。又、バルーンカテーテル1Bにおいて、接着剤22Bの付着する領域は、
図5の場合よりも基端側であってもよい。例えば、接着剤22Bは、
図3において接着剤22が付着する領域と同一の位置でもよい。
 
【0043】
  又、
図5において、周壁穴41よりも第1先端部2B(
図1参照)側の部分における、第1シャフト2と第2シャフト3との接合箇所は、2箇所に限定されず、3箇所以上であってもよい。又、第1シャフト2と第2シャフト3とが、接着剤22Cのみによって接合してもよい。つまり、第2シャフト3は、第2先端部32を除く部分で第1シャフト2と接合してもよい。
 
【0044】
  図6を参照し、第3変形例におけるバルーンカテーテル1Cについて説明する。バルーンカテーテル1Cは、第2シャフト3の第2開口先端部3Bの形状が、バルーンカテーテル1、1A、1Bと異なる。
図6に示すように、第2開口先端部3Bのうち、最も基端側の部分31の位置P21の延伸方向の位置は、第1シャフト2の第1基端部2Aと略同一である。第2開口先端部3Bの第2先端部32の位置P23は、第1シャフト2の第1先端部2Bの僅かに基端側に配置される。このため、第2開口先端部3Bが配置される仮想的な平面を、第3仮想平面S3と定義した場合、第1仮想平面S1と第3仮想平面S3とのなす角度の鋭角θ2は、第1仮想平面S1と第2仮想平面S2とのなす角度の鋭角θ1(
図1参照)よりも大きくなる。第2シャフト3の延伸方向の剛性は、部分31から第2先端部32に近づくに従って小さくなる。第2シャフト3の外面31Bのうち、第2先端部32よりも僅かに基端側の部分は、バルーンカテーテル1(
図1参照)、1A(
図4参照)、1B(
図5参照)と同様、第1シャフト2の内面21Aに接着剤によって接合される。なお、バルーンカテーテル1Cにおいて、接着剤22の付着する領域は、
図6の場合よりも先端側であってもよい。例えば、第1シャフト2内面21Aのうち第1先端部2Bを含む部分と、第2シャフト3の外面31Bのうち第2先端部32を含む部分とが接合してもよい。
 
【0045】
  上記のバルーンカテーテル1Cでは、バルーンカテーテル1、1A、1Bと比べて、第1シャフト2のうちよりバルーン5に近い位置で、第1シャフト2と第2シャフト3とが接合する。このため、バルーン5が血管内を移動する場合に第1シャフト2が歪むことを更に適切に抑制できる。又、バルーンカテーテル1Cでは、バルーンカテーテル1、1A、1Bと比べて、延伸方向の急激な剛性変化を更に軽減できる。従って、バルーンカテーテル1Cは、バルーン5が血管内を移動する場合において、剛性の変化部分で歪むことを更に適切に抑制できる。