特許第6671907号(P6671907)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671907
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】加工食品用ケーシング剥離性向上剤
(51)【国際特許分類】
   A23L 13/60 20160101AFI20200316BHJP
   A23L 13/00 20160101ALI20200316BHJP
   A23L 17/00 20160101ALI20200316BHJP
   A22C 13/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   A23L13/60 A
   A23L13/00 Z
   A23L17/00 101Z
   A23L17/00 102Z
   A22C13/00 B
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2015-192050(P2015-192050)
(22)【出願日】2015年9月29日
(65)【公開番号】特開2017-63684(P2017-63684A)
(43)【公開日】2017年4月6日
【審査請求日】2018年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】390010674
【氏名又は名称】理研ビタミン株式会社
(72)【発明者】
【氏名】藤井 淳
(72)【発明者】
【氏名】吉川 隆一
(72)【発明者】
【氏名】中西 祐輔
【審査官】 飯室 里美
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−271324(JP,A)
【文献】 特開2004−065020(JP,A)
【文献】 特開2007−306840(JP,A)
【文献】 特開平07−170910(JP,A)
【文献】 特開平09−313133(JP,A)
【文献】 特開2009−065906(JP,A)
【文献】 特開平08−070823(JP,A)
【文献】 特開2005−048109(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 13/00
A23L 17/00
A22C 13/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モノエステル体含有量が0質量%以上であるジグリセリンオレイン酸エステル、モノエステル体含有量が0質量%以上であるトリグリセリンオレイン酸エステル、グリセリンクエン酸オレイン酸エステルからなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする加工食品添加用ケーシング剥離性向上剤。
【請求項2】
さらに油脂を含有することを特徴とする請求項1に記載の加工食品添加用ケーシング剥離性向上剤。
【請求項3】
加工食品の製造において、モノエステル体含有量が0質量%以上であるジグリセリンオレイン酸エステル、モノエステル体含有量が0質量%以上であるトリグリセリンオレイン酸エステル、グリセリンクエン酸オレイン酸エステルからなる群から選択される1種以上をケーシングに充填される生地に添加することを特徴とする加工食品のケーシング剥離性向上方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加工食品用ケーシング剥離性向上剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハム、プレスハムなどの畜肉加工食品は、畜肉その他の原材料を混合して生地を得た後、該生地をケーシングといわれる包装資材に充填し、燻煙・加熱等の処理を行った後、該ケーシングを剥離して得られる食品であるが、ケーシング剥離工程において、生地がケーシングに付着してしまうという問題があった。
また、魚肉ソーセージ、ケーシング蒲鉾などの水産練り製品は、魚肉のすり身その他の原材料を混合して生地を得た後、該生地をケーシングに充填し、加熱等の処理を行うことにより製造され、ケーシングに充填された状態で流通される食品であるが、喫食時にケーシングを剥離する際、生地がケーシングに付着してしまうという問題があった。
【0003】
このような加工食品のケーシングの剥離性の向上を目的として、ポリソルベートを含むことを特徴とする水産練り製品用品質改良剤(特許文献1参照)が開示されている。しかし、上記技術は一長一短があり、必ずしも満足の得られるものとは言えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−65020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、加工食品の製造時又は喫食時におけるケーシングの剥離性を向上させることができる加工食品用ケーシング剥離性向上剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、加工食品を製造する際に、特定の乳化剤を配合することにより、上記課題を解決することを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づきさらに研究を重ね、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、
(1)ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上を含有することを特徴とする加工食品用ケーシング剥離性向上剤、
(2)さらに油脂を含有することを特徴とする上記(1)に記載の加工食品用ケーシング剥離性向上剤、
(3)加工食品の製造において、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上をケーシングに充填される生地に添加することを特徴とする加工食品のケーシング剥離性向上方法、
からなっている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤により、加工食品の製造時又は喫食時におけるケーシングの剥離性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステルは、ジグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。
【0009】
ジグリセリン脂肪酸エステルを構成するジグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸又はアルカリを触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば180℃以上の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が1.5〜2.4、好ましくは平均重合度が2.0のジグリセリン混合物が挙げられる。また、ジグリセリンはグリシドール又はエピクロルヒドリン等を原料として得られるものであっても良い。反応終了後、必要であれば中和、脱塩、脱色等の処理を行っても良い。
【0010】
本発明においては、上記ジグリセリン混合物を、例えば蒸留又はカラムクロマトグラフィー等自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン2分子からなるジグリセリンを50質量%以上、好ましくは85質量%以上に高濃度化した高純度ジグリセリンが、好ましく用いられる。
【0011】
ジグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖状の飽和又は不飽和脂肪酸(例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の直鎖状の不飽和脂肪酸(例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)である。
【0012】
本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステルの好ましい製造方法の概略は次のとおりである。例えば、撹拌機、加熱用のジャケット、邪魔板等を備えた通常の反応容器に、ジグリセリンと脂肪酸とをモル比で約1:0.8〜1:1.6、好ましくは約1:1で仕込み、触媒として水酸化ナトリウムを加えて撹拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、180〜260℃の範囲、好ましくは200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下又は常圧下で、反応時間は0.5〜15時間、好ましくは1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、酸価12以下を目安に決められる。
得られた反応液は、未反応の脂肪酸、未反応のジグリセリン、ジグリセリンモノ脂肪酸エステル、ジグリセリンジ脂肪酸エステル、ジグリセリントリ脂肪酸エステル、ジグリセリンテトラ脂肪酸エステル等を含む混合物である。反応終了後、得られた反応液を120℃以上180℃未満、好ましくは130〜150℃に冷却し、次いで酸を加えて触媒を中和し、好ましくは15分間〜1時間放置し、未反応のジグリセリンを含むポリオールが下層に分離した場合はそれを除去し、ジグリセリン脂肪酸エステルが得られる。
【0013】
該ジグリセリン脂肪酸エステルは、モノエステル体の含有量が通常30質量%以上50質量%未満のものであるが、所望により、該ジグリセリン脂肪酸エステルを、例えば流下薄膜式分子蒸留装置又は遠心式分子蒸留装置等を用いて分子蒸留するか、又はカラムクロマトグラフィー若しくは液液抽出等自体公知の方法を用いて精製することにより、全体に対してモノエステル体を50質量%以上、好ましくは70質量%以上含むジグリセリン脂肪酸エステルを得ることができる。
【0014】
ジグリセリン脂肪酸エステルとしては、例えば、ポエムDO−100V(商品名;ジグリセリンオレイン酸エステル;モノエステル体含有量約80質量%;理研ビタミン社製)が商業的に製造及び販売されており、本発明ではこれを用いることができる。
【0015】
本発明で用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルは、トリグリセリンと脂肪酸とのエステル化生成物であり、エステル化反応等自体公知の方法で製造される。
【0016】
トリグリセリン脂肪酸エステルを構成するトリグリセリンとしては、通常グリセリンに少量の酸又はアルカリを触媒として添加し、窒素又は二酸化炭素等の任意の不活性ガス雰囲気下で、例えば180〜260℃の温度で加熱し、重縮合反応させて得られるグリセリンの平均重合度が2.5〜3.4、好ましくは平均重合度が3.0のトリグリセリン混合物が挙げられる。また、トリグリセリンはグリシドール又はエピクロルヒドリン等を原料として得られるものであっても良い。反応終了後、所望により中和、脱塩、又は脱色等の処理を行って良い。
【0017】
本発明においては、上記トリグリセリン混合物を、例えば蒸留又はカラムクロマトグラフィー等自体公知の方法を用いて精製し、グリセリン3分子からなるトリグリセリンを50質量%以上、好ましくは85質量%以上に高濃度化した高純度トリグリセリンが、好ましく用いられる。
【0018】
トリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はなく、例えば炭素数6〜24の直鎖状の飽和又は不飽和脂肪酸(例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の直鎖状の不飽和脂肪酸(例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)である。
【0019】
本発明で用いられるトリグリセリン脂肪酸エステルの好ましい製造方法の概略は次のとおりである。例えば、撹拌機、加熱用のジャケット、邪魔板等を備えた通常の反応容器に、トリグリセリンと脂肪酸とをモル比で約1:0.8〜1:1.6、好ましくは約1:1で仕込み、触媒として水酸化ナトリウムを加えて撹拌混合し、窒素ガス雰囲気下で、エステル化反応により生成する水を系外に除去しながら、所定温度で加熱する。反応温度は通常、180〜260℃の範囲、好ましくは200〜250℃の範囲である。また、反応圧力条件は減圧下又は常圧下で、反応時間は0.5〜15時間、好ましくは1〜3時間である。反応の終点は、通常反応混合物の酸価を測定し、酸価12以下を目安に決められる。
得られた反応液は、未反応の脂肪酸、未反応のトリグリセリン、トリグリセリンモノ脂肪酸エステル、トリグリセリンジ脂肪酸エステル、トリグリセリントリ脂肪酸エステル、トリグリセリンテトラ脂肪酸エステル等を含む混合物である。反応終了後、得られた反応液を120℃以上180℃未満に冷却し、次いで酸を加えて触媒を中和し、好ましくは15分間〜1時間放置し、未反応のトリグリセリンを含むポリオールが下層に分離した場合はそれを除去し、トリグリセリン脂肪酸エステルが得られる。
【0020】
さらに、該トリグリセリン脂肪酸エステルを、例えば流下薄膜式分子蒸留装置又は遠心式分子蒸留装置等を用いて分子蒸留するか、又はカラムクロマトグラフィー若しくは液液抽出等自体公知の方法を用いて精製することにより、全体に対してモノエステル体を50質量%以上、好ましくは70質量%以上含むトリグリセリン脂肪酸エステルを得ることができる。
【0021】
ここで、本発明で用いられるジグリセリン脂肪酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルについてモノエステル体の含有量は、下記分析条件にてHPLCを用いて分析することにより求められる。具体的には、ジグリセリン脂肪酸エステル又はトリグリセリン脂肪酸エステルを下記HPLC分析条件で分析後、データ処理装置によりクロマトグラム上に記録された被検試料の各成分に対応するピークについて、積分計を用いてピーク面積を測定し、測定されたピーク面積に基づいて、面積百分率としてモノエステル体の含有量を求めることができる。
【0022】
[HPLC分析条件]
装置 高速液体クロマトグラフ(型式:LC−10AS;島津製作所社製)
検出器 RI検出器(型式:RID−6A、島津製作所社製)
カラム GPCカラム(型式:SHODEX KF−802;昭和電工社製)
2本連結
温度 40℃
移動相 THF
流量 1.0mL/min
検液注入量 15μL
【0023】
本発明で用いられるグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、グリセリンモノ脂肪酸エステルと有機酸(又は有機酸の酸無水物)との反応、又はグリセリンと有機酸と脂肪酸との反応等自体公知の方法で製造される。グリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、例えばグリセリンクエン酸脂肪酸エステル、グリセリン酢酸脂肪酸エステル、グリセリン乳酸脂肪酸エステル、グリセリンコハク酸脂肪酸エステル、グリセリンジアセチル酒石酸脂肪酸エステル等が挙げられ、好ましくはグリセリンクエン酸脂肪酸エステルである。これらグリセリン有機酸脂肪酸エステルは、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0024】
グリセリン有機酸脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、食用可能な動植物油脂を起源とする脂肪酸であれば特に制限はないが、例えば炭素数6〜24の直鎖状の飽和又は不飽和脂肪酸(例えばカプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、エルカ酸等)が挙げられ、好ましくは炭素数16〜18の直鎖状の不飽和脂肪酸(例えばオレイン酸、リノール酸、リノレン酸等)である。
【0025】
グリセリン有機酸脂肪酸エステルとしては、例えば、ポエムK−37V(商品名;グリセリンクエン酸オレイン酸エステル;理研ビタミン社製)が商業的に販売されており、本発明ではこれを用いることができる。
【0026】
本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤は、ジグリセリン脂肪酸エステル、トリグリセリン脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルからなる群から選択される1種以上(以下、「本発明で用いられる食品用乳化剤」という)の他に、さらに油脂を含有することが好ましい。
該油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はないが、例えば菜種油、サフラワー油、大豆油、ヒマワリ油、コーン油、綿実油、米糠油、椰子油、パーム油、パーム核油、カポック油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油及びハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂、牛脂、ラード、魚油及び乳脂等の動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加又はエステル交換したもの、並びに中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる他、グリセリンジ脂肪酸エステル及びプロピレングリコールジ脂肪酸エステルもこれらに含まれる。中でも、本発明においては菜種油、サフラワー油、大豆油、ヒマワリ油又はコーン油が好ましく用いられる。
【0027】
本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤が油脂を含有する場合、該加工食品用ケーシング剥離性向上剤100質量%中の本発明で用いられる食品用乳化剤としては、例えば1〜99質量%、好ましくは5〜20質量%であり、油脂の含有量としては、例えば1〜99質量%、好ましくは80〜95質量%である。
【0028】
本発明で用いられる食品用乳化剤が、上記の群から選択される1種のみである場合、該乳化剤そのものを本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤として用いることができる。
一方、本発明で用いられる食品用乳化剤が、上記の群から選択される2種以上である場合又は油脂を含有する場合の本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤の製造方法に特に制限はないが、例えば本発明で用いられる食品用乳化剤を、又は本発明で用いられる食品用乳化剤と油脂とを、20〜100℃ 、好ましくは50〜70℃にて撹拌下、溶融及び混合することにより、液状の加工食品用ケーシング剥離性向上剤を製造する方法等が挙げられる。
【0029】
本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤には、本発明の目的を阻害しない範囲で他の任意の成分が含まれていても良く、例えば、食品用乳化剤(但し、本発明で用いられる食品用乳化剤を除く)、糖類、調味料、風味原料、香辛料、蛋白質(大豆蛋白、卵白粉末等)、pH調整剤等が挙げられる。
【0030】
上記食品用乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル(但し、グリセリン有機酸脂肪酸エステルを除く)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(但し、ジグリセリン脂肪酸エステル及びトリグリセリン脂肪酸エステルを除く)、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノール酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル(但し、プロピレングリコールジ脂肪酸エステルを除く)、レシチン等が挙げられる。ここでレシチンには、分別レシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチン等が含まれる。
【0031】
本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤の使用対象である加工食品は、製造工程中にケーシングへの充填工程を含む、畜肉加工食品又は水産練り製品である。該畜肉加工食品としては、皮なしソーセージ(製造工程でケーシングを取り除いて得られるソーセージ)、ハム、プレスハム等が挙げられ、該水産練り製品としては、魚肉ソーセージ、ケーシング蒲鉾等が挙げられる。
【0032】
前記畜肉加工食品の一般的な製造方法としては、例えば畜肉その他の原材料を混合して生地を得た後、該生地をケーシングに充填し、燻煙・加熱等の処理を行った後、該ケーシングを剥離して製造する方法等が挙げられる。
また、前記水産練り製品の一般的な製造方法としては、例えば魚肉のすり身その他の原材料を混合して生地を得た後、該生地をケーシングに充填し、加熱等の処理を行うことにより製造する方法等が挙げられる。
【0033】
上記ケーシングの種類としては特に制限はなく、例えばビスコースケーシング、ファイブラスケーシング、塩化ビニリデンケーシング等の人工のケーシング等が挙げられる。
【0034】
本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤の使用方法としては、加工食品の製造において、本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤をケーシングに充填される生地に添加する方法であれば特に制限はないが、例えば、加工食品の製造において、生地の原材料と、本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤を混合すれば良い。
【0035】
本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤の、加工食品に対する添加量としては、加工食品の生地の原材料100質量%中、例えば、0.1〜2.0質量%、好ましくは0.5〜1.5質量%である。
【0036】
加工食品の製造において、本発明で用いられる食品用乳化剤をケーシングに充填される生地に添加することを特徴とする加工食品のケーシング剥離性向上方法も本発明の形態の一つである。
より具体的には、加工食品の製造において、本発明で用いられる食品用乳化剤と、生地の原材料を混合することにより、加工食品の製造時又は喫食時におけるケーシングの剥離性を向上させることができる。
【0037】
本発明のケーシング剥離性向上方法において、本発明で用いられる食品用乳化剤を添加する際に、さらに油脂を併せて添加することが好ましい。該油脂としては、食用可能な油脂であれば特に制限はないが、例えば菜種油、サフラワー油、大豆油、ヒマワリ油、コーン油、綿実油、米糠油、椰子油、パーム油、パーム核油、カポック油、落花生油、オリーブ油、ハイオレイック菜種油、ハイオレイックサフラワー油、ハイオレイックコーン油及びハイオレイックヒマワリ油等の植物油脂、牛脂、ラード、魚油及び乳脂等の動物油脂、さらにこれら動植物油脂を分別、水素添加又はエステル交換したもの、並びに中鎖脂肪酸トリグリセリド(MCT)等が挙げられる他、グリセリンジ脂肪酸エステル及びプロピレングリコールジ脂肪酸エステルもこれらに含まれる。中でも、本発明においては菜種油、サフラワー油、大豆油、ヒマワリ油又はコーン油が好ましく用いられる。
【0038】
以下に本発明を実施例で具体的に説明するが、これは本発明を単に説明するだけのものであって、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0039】
<製造例>
<トリグリセリン脂肪酸エステルの製造>
撹拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた反応釜にグリセリン20kgを仕込み、触媒として水酸化ナトリウム20w/v%水溶液100mLを加え、窒素ガス気流中250℃で4時間グリセリン縮合反応を行った。
得られた反応生成物を90℃まで冷却し、リン酸(85質量%)約20gを添加して触媒と中和した後ろ過した。ろ液を160℃、400Paの条件下で減圧蒸留してグリセリンを除き、続いて200℃、20Paの高真空条件下で分子蒸留し、ジグリセリンを主成分とする留分約3.7kgを除き、さらに、240℃、20Paの高真空条件下で分子蒸留し、グリセリン1質量%、ジグリセリン4質量%、トリグリセリン88質量%、テトラグリセリン3質量%、環状ポリグリセリン4質量%を含む留分約1.5kgを得た。次に、該留分に活性炭を1質量%加え、減圧下にて脱色処理した後ろ過して、トリグリセリン混合物を得た。得られたトリグリセリン混合物の水酸基価は約1164で、その平均重合度は約3.0であった。
【0040】
攪拌機、温度計、ガス吹込管及び水分離器を取り付けた1Lの四つ口フラスコに、上記トリグリセリン混合物240g(約1.0モル)、及びオレイン酸(商品名:PM810−B;ミヨシ油脂社製)270g(約0.96モル)を仕込み、触媒として水酸化ナトリウム10w/v%溶液10mLを加え、窒素ガス気流中240℃で、酸価12以下となるまで、約2時間エステル化反応を行わせた。得られた反応混合物を約150℃まで冷却し、リン酸(85質量%)2gを添加して触媒を中和し、その温度で約1時間放置し、分離した未反応のトリグリセリン約40gを除去し、トリグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル体含有量約42質量%)約440gを得た。
【0041】
以上の工程を3回繰り返しトリグリセリン脂肪酸エステル(モノエステル体含有量約42質量%)約1300gを得た。次に、該トリグリセリン脂肪酸エステルを、遠心式分子蒸留装置(実験機;CEH−300II特;ULVAC社製)を用いて蒸留し、温度約240℃、20Paの真空条件下で未反応のトリグリセリン等の低沸点化合物を留去し、続いて温度約250℃、1Paの高真空条件下で分子蒸留し、留分として、トリグリセリン脂肪酸エステル(試作品;トリグリセリンオレイン酸エステル;モノエステル体含有量約80質量%)約300gを得た。
【0042】
<加工食品用ケーシング剥離性向上剤の作製>
(1)原材料
1)ジグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムDO−100V;ジグリセリンオレイン酸エステル;モノエステル体含有量約80質量%;理研ビタミン社製)
2)トリグリセリン脂肪酸エステル(試作品;トリグリセリンオレイン酸エステル;
モノエステル体含有量約80質量%)
3)グリセリンクエン酸脂肪酸エステル(商品名:ポエムK−37V;グリセリンクエン酸オレイン酸エステル;理研ビタミン社製)
4)グリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムOL−200V;理研ビタミン社製)
5)デカグリセリン脂肪酸エステル(商品名:ポエムJ−0081HV;理研ビタミン社製)
6)ソルビタン脂肪酸エステル(商品名:ポエムO−80V;理研ビタミン社製)
7)菜種油(商品名:ナタネ白絞油;辻製油社製)
【0043】
(2)配合
上記原材料を用いて作製した加工食品用ケーシング剥離性向上剤の配合組成を表1及び2に示した。この内、表1の加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜6は、本発明に係る実施例であり、表2の加工食品用ケーシング剥離性向上剤7〜12はそれらに対する比較例である。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
(3)作製
上記表1及び2に記載の量の4倍量の原材料を、500mL容のステンレス製ジョッキに入れ、セラミックホットスターラー(型式:CHPS−250A;アズワン社製)で60℃に加温しながら、スリーワンモータ(型式:BL600;新東科学社製)を用いて10分間760rpmで溶融及び混合し、加工食品用ケーシング剥離性向上剤4〜6及び10〜12を作製した。加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜3及び7〜9は、原材料が1種のみであるため、該原材料そのものを加工食品用ケーシング剥離性向上剤とした。
【0047】
<皮なしソーセージの作製とケーシング剥離性の評価>
(1)皮なしソーセージの作製
鶏胸肉(皮を取り除いたもの)176g、豚腕肉(脂肪20質量%)190g、豚背脂150gを合わせて、ミートチョッパー(型式:M−22A;なんつね社製)を用いて挽き目3mmでチョッピングし、鶏豚合挽肉366gを得た。
粉末状大豆蛋白(商品名:ニューフジプロSEH;不二製油社製)25g、冷水120g、加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜12のいずれか8gを、卓上ミキサー(型式:KSM150WH;エフ・エム・アイ社製)で混合した後、さらに、前記鶏豚合挽肉366g、食塩14g、ポリリン酸ナトリウム〔商品名:食品添加物 トリポリリン酸ナトリウム(ポリリン酸ナトリウム):太平化学産業社製〕3g、亜硝酸ナトリウム製剤(商品名:亜硝酸ナトリウム製剤Z;オルガノフードテック社製;亜硝酸ナトリウム10質量%含有)1g、アスコルビン酸ナトリウム(商品名:L−アスコルビン酸Na;BASF社製)0.5gを加え、3分間混合した。
最後に、還元澱粉分解物(商品名:H−PDX;松谷化学工業社製)70g、グルタミン酸ナトリウム(商品名:MSGペーパー;MCフードスペシャリティーズ社製)4g、香辛料4g、小麦澱粉(商品名:小麦澱粉浮粉;三和澱粉工業社製)75g、冷水159.5gを加えて2分30秒間混合し、練り生地を得た。
得られた練り生地を、真空包装機(型式:V−380G;東静電気社製)を用いて減圧下で60秒間脱気した後、折径7cmのビスコースケーシング(商品名:VISCOFAN 22/70 CEFP;イムペックスケミカルス謙信洋行社製)に充填し、冷蔵庫(庫内温度5℃)で60分間保管した。
保管後、スモークチャンバー(型式:ESH−40HC型;アイディー技研社製)内に移し、まず50℃で20分間乾燥し、次いで55℃で25分間燻煙し、最後に80℃で40分間蒸煮した。蒸煮後直ちに氷水中で1時間冷却した。
冷却後、カッターで切り込みを入れてケーシングを剥がし、皮なしソーセージ1〜12を得た。
【0048】
(2)剥離性の評価
皮なしソーセージ1〜12を得た際に剥がしたケーシングについて、ケーシングに付着した生地の付着量を目視にて評価した。生地の付着量の評価は、下記表3に示す評価基準に従い10名のパネラーで行った。また、結果はそれぞれ10名の評価点の平均値として求め、下記基準にて記号化した。結果を表4に示す。
◎◎:平均値4.0
◎ :平均値3.5以上4.0未満
○ :平均値2.5以上3.5未満
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】
表4の結果から明らかなように、本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜6を添加して得られた皮なしソーセージ1〜6は、ケーシングへの生地の付着が少なく、剥離性を向上させることができた。
一方、比較例の加工食品用ケーシング剥離性向上剤7〜12を添加して得られた皮なしソーセージ7〜12は、ケーシングへの生地の付着が多く、剥離性を向上させることできなかった。
【0052】
<プレスハムの作製とケーシング剥離性の評価>
(1)プレスハムの作製
食塩30g、砂糖26g、ポリリン酸ナトリウム〔商品名:食品添加物 トリポリリン酸ナトリウム(ポリリン酸ナトリウム):太平化学産業社製〕4g、亜硝酸ナトリウム製剤(商品名:亜硝酸ナトリウム製剤Z;オルガノフードテック社製;亜硝酸ナトリウム10質量%含有)1.4g、アスコルビン酸ナトリウム(商品名:L−アスコルビン酸Na;BASF社製)0.6g、グルタミン酸ナトリウム(商品名:MSG;キリンフードテック社製)4g、粉末状大豆蛋白質(商品名:ニューフジプロ2000;不二製油社)30g、乳清蛋白質(商品名:エンラクトHG;日本新薬社製)20g、乾燥卵白(商品名:リケンランパクR;理研ビタミン社製)20g、カゼインナトリウム(商品名:ALANATE180;フォンテラ社製)15g、カラギーナン(商品名:J2380;三栄源エフエフアイ社)7gを水842gに溶解してピックル液を作製した。
このピックル液500gを、冷蔵庫(庫内温度0℃)に保存していた豚もも肉500gに、インジェクション装置(FBM−46;双葉電機工業社製)を用いてインジェクションし、1.5mmの目のついたプレートを装填したミートチョッパー(型式:M−22A;なんつね社製)を用いて挽肉1000gとした。次に、この挽肉に油脂加工澱粉(商品名:日食バッタースターチ#500、日本食品化工社製)25g、加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜12のいずれか10gを添加し、卓上ミキサー(型式:KSM150WH;エフ・エム・アイ社製)で3分間練り合わせた。
得られた練り生地を、真空包装機(型式:V−380G;東静電気社製)を用いて減圧下で60秒間脱気した後、油圧腸詰機(型式:EB−6;大道産業社製)を用いて折径3cmの塩化ビリニデンケーシング(商品名:シーム D−84 30×25MロールNO 4.0;クレハ社製)に充填し、たこ糸で結束して冷蔵庫(庫内温度4℃)で24時間保存した。
これをスモークチャンバー(型式:ESH−40HC;アイディー技研社製)内に移し、まず50℃で60分間乾燥し、次いで55℃で90分間燻煙し、最後に80℃で60分間蒸煮した。蒸煮後直ちに氷水中で1時間冷却した。
冷却後、カッターで切り込みを入れてケーシングを剥がし、プレスハム1〜12を得た。
【0053】
(2)剥離性の評価
プレスハム1〜12を得た際に剥がしたケーシングについて、ケーシングに付着した生地の付着量を目視にて評価した。生地の付着量の評価は、下記表5に示す評価基準に従い10名のパネラーで行った。また、結果はそれぞれ10名の評価点の平均値として求め、下記基準にて記号化した。結果を表6に示す。
◎◎:平均値4.0
◎ :平均値3.5以上4.0未満
○ :平均値2.5以上3.5未満
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
【0054】
【表5】
【0055】
【表6】
【0056】
表6の結果から明らかなように、本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜6を添加して得られたプレスハム1〜6は、ケーシングへの生地の付着が少なく、剥離性を向上させることができた。
一方、比較例の加工食品用ケーシング剥離性向上剤7〜12を添加して得られたプレスハム7〜12は、ケーシングへの生地の付着が多く、剥離性を向上させることができなかった。
【0057】
<魚肉ソーセージの作製とケーシング剥離性の評価>
(1)魚肉ソーセージの作製
馬鈴薯でん粉(商品名:松谷かめ;松谷化学工業社製)24.0g、コーンスターチ(商品名:コーンスターチ;王子スターチ社製)15.0g、小麦たん白(商品名:エマソフトM−1000;活性グルテン;理研ビタミン社製)12.0g、粉末状分離大豆たん白(商品名:ニューフジプロSEH;不二製油社製)12.0g、菜種油(商品名:ナタネ白絞油;辻製油社製)24.0g、加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜9のいずれか3.0g、砂糖7.5g、みじん切り生玉ねぎ4.5g、炭酸カルシウム(商品名:ホワイトンF;白石カルシウム社製)1.8g、香辛料1.2g、グルタミン酸ナトリウム(商品名:MSG;キリンフードテック社製)0.9g、コチニール色素(商品名:リケカラーCP−80T;理研ビタミン社製)の16.0%水溶液3.75g、冷水107.25gをフードプロセッサー(型式:MK−K48P;パナソニック社製)を用いて、30秒間混合し、カード216.9gを得た。
冷凍すり身(スケソウダラ陸上2級36.0g、ホッケ24.0g、エソ17.1g)を1cm角にダイスカットし、急速冷凍機(型式:233FFB;大和冷機工業社製)を用いて−20℃で30分間保管し、保管後の冷凍すり身77.1gを、前記カードを得た際に使用したフードプロセッサーとは別のフードプロセッサー(型式:MK−K48P;パナソニック社製)を用いて、3分間混合した後、食塩6.0gを投入し、60秒間混合した。これに前記カード216.9gを投入し、生地の温度が10℃になるまで混合し、練り生地を得た。
得られた練り生地を、真空包装機(型式:V−380G;東静電気社製)を用いて減圧下で60秒間脱気した後、折径1.8cmの塩化ビニリデンケーシング(商品名:シーム D−84 30×25MロールNO 4.0;クレハ社製)に充填し、レトルト殺菌機(型式:RCS−40RTGN;日阪製作所社製)を用いて125℃15分間レトルト加熱を行った。その後直ちに氷水中で30分間冷却し、魚肉ソーセージ1〜12を得た。
【0058】
(2)剥離性の評価
得られた魚肉ソーセージ1〜12を冷蔵庫(庫内温度5℃)で16時間保存した。保存後の魚肉ソーセージにカッターで切り込みを入れてケーシングを剥がし、ケーシングに付着した生地の付着量を目視にて評価した。生地の付着量の評価は、下記表7に示す評価基準に従い10名のパネラーで行った。また、結果はそれぞれ10名の評価点の平均値として求め、下記基準にて記号化した。結果を表8に示す。
◎◎:平均値4.0
◎ :平均値3.5以上4.0未満
○ :平均値2.5以上3.5未満
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
表8の結果から明らかなように、本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜6を添加して得られた魚肉ソーセージ1〜6は、ケーシングへの生地の付着が少なく、剥離性を向上させることができた。
一方、比較例の加工食品用ケーシング剥離性向上剤7〜12を添加して得られた魚肉ソーセージ7〜12は、ケーシングへの生地の付着が多く、剥離性を向上させることができなかった。
【0062】
<ケーシング蒲鉾の作製とケーシング剥離性の評価>
(1)ケーシング蒲鉾の作製
冷凍すり身(スケソウダラ、等級KA)300gを1cm角にダイスカットし、急速冷凍機(型式:233FFB;大和冷機工業社製)を用いて−20℃で30分間保管した。
保管後、冷凍すり身をフードプロセッサー(型式:MK−K48P;パナソニック社製)を用いて、3分間混合し、これに食塩9gを加え、さらに1分間混合した。最後に馬鈴薯でん粉(商品名:松谷かめ;松谷化学工業社製)15.0g、加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜12のいずれか3.0g、食塩9.0g、グルタミン酸ナトリウム(商品名:MSG;MCフードスペシャリティーズ社製)0.9g、氷45gを加え、該フードプロセッサーを用いて生地の温度が10℃になるまで混合し、練り生地を得た。
得られた練り生地を、真空包装機(型式:V−380G;東静電気社製)を用いて減圧下で60秒間脱気した後、折径1.8cmの塩化ビニリデンケーシング(商品名:シーム D−84 30×25MロールNO 4.0;クレハ社製)に充填した。その後、蒸煮釜(型式:ESH‐40HC型;アイディー技研社製)を用いて95℃45分間スチーム加熱を行い、直ちに氷水中で30分間冷却し、ケーシング蒲鉾1〜12を得た。
【0063】
(2)剥離性の評価
得られたケーシング蒲鉾1〜12を冷蔵庫(庫内温度5℃)で16時間保存した。保存後のケーシング蒲鉾にカッターで切り込みを入れてケーシングを剥がし、ケーシングに付着した生地の付着量を目視にて評価した。生地の付着量の評価は、下記表9に示す評価基準に従い10名のパネラーで行った。また、結果はそれぞれ10名の評価点の平均値として求め、下記基準にて記号化した。結果を表10に示す。
◎◎:平均値4.0
◎ :平均値3.5以上4.0未満
○ :平均値2.5以上3.5未満
△ :平均値1.5以上2.5未満
× :平均値1.5未満
【0064】
【表9】
【0065】
【表10】
【0066】
表10の結果から明らかなように、本発明の加工食品用ケーシング剥離性向上剤1〜6を添加して得られたケーシング蒲鉾1〜6は、ケーシングへの生地の付着が少なく、剥離性を向上させることができた。
一方、比較例の加工食品用ケーシング剥離性向上剤7〜12を添加して得られたケーシング蒲鉾7〜12は、ケーシングへの生地の付着が多く、剥離性を向上させることができなかった。