特許第6671934号(P6671934)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6671934
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】昇降装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/08 20060101AFI20200316BHJP
   E03D 11/02 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   E03D9/08 A
   E03D11/02 Z
【請求項の数】6
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2015-228513(P2015-228513)
(22)【出願日】2015年11月24日
(65)【公開番号】特開2017-95957(P2017-95957A)
(43)【公開日】2017年6月1日
【審査請求日】2018年9月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(73)【特許権者】
【識別番号】000114215
【氏名又は名称】ミネベアミツミ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】後藤 大
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 弘明
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 智也
(72)【発明者】
【氏名】古谷 保行
(72)【発明者】
【氏名】秦 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】師岡 聖
(72)【発明者】
【氏名】根岸 央樹
(72)【発明者】
【氏名】赤間 有祐
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 滋
【審査官】 下井 功介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−285169(JP,A)
【文献】 特開2002−097697(JP,A)
【文献】 特開2001−231715(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/058575(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K13/00〜17/02
E03D 1/00〜13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器装置の便器の上部に配置される上部構成部の一部又は全部を昇降させる昇降装置であって、
前記上部構成部の一部又は全部を支持するベース部材と、
前記ベース部材の一の面に配置され前記一の面において前記ベース部材を固定する第1固定面、及び前記ベース部材の他の面に配置され前記他の面において前記ベース部材を固定する第2固定面を有する可動部材と、を備え
前記第1固定面は、前記ベース部材の受け面の上部に配置され前記受け面において前記ベース部材を固定する昇降装置。
【請求項2】
前記第2固定面は、前記ベース部材の下面に配置され前記下面において前記ベース部材を固定する請求項に記載の昇降装置。
【請求項3】
前記第2固定面は、前記ベース部材の側面に配置され前記側面において前記ベース部材を固定する請求項に記載の昇降装置。
【請求項4】
前記第1固定面と前記ベース部材とは、前記可動部材及び前記ベース部材を固定位置に位置させた状態で、前記第1固定面の上方から第1固定部材により固定されるように構成され、
前記第2固定面と前記ベース部材とは、前記可動部材及び前記ベース部材を固定位置に位置させた状態で、前記ベース部材の上方から第2固定部材により固定されるように構成される請求項に記載の昇降装置。
【請求項5】
前記第1固定面と前記ベース部材とを固定する第1固定位置と、前記第2固定面と前記ベース部材とを固定する第2固定位置とは、前記便器の前後方向において位置がずれている請求項2又は4に記載の昇降装置。
【請求項6】
前記ベース部材は、後方に突出して形成される接続部を有し、
前記可動部材は、前記接続部において、前記ベース部材と固定される請求項1からのいずれかに記載の昇降装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器装置の便器の上部に配置される上部構成部の一部又は全部を昇降させる昇降装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、便器装置の便器の上部に配置される上部構成部の一部又は全部を昇降させる昇降装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の昇降装置は、上部構成部の一部又は全部を支持するベース部材と、ベース部材を固定する可動部材と、を備える。特許文献1に記載の昇降装置は、可動部材を上昇させることで、上部構成部の一部又は全部を支持するベース部材を上昇させる。これにより、特許文献1に記載の昇降装置は、ベース部材と便器との間の隙間を広げて、ベース部材と便器との間の隙間に手を入れやすくすることで、便器の上面などの清掃を行いやすくするように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−166271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の可動部材は、垂直プレート及び下部水平プレートを有し、L字形状に形成されている。下部水平プレートは、上部構成部の一部又は全部を支持するベース部材の下面に配置されており、ベース部材の下面においてベース部材を固定する。そのため、下部水平プレートに上部構成部からの荷重がかかり、可動部材は、下部水平プレートの先端側が下方に移動して、下部水平プレートと垂直プレートとの角度が鈍角となるような形状に変形しやすい。これにより、可動部材が変形することでベース部材が上昇しきれずに、ベース部材と便器との間の隙間が小さくなる可能性がある。可動部材が変形すると、ベース部材と便器との間の隙間に手を入れにくくなり、便器の上面などを清掃する際の清掃性が低下する可能性がある。
【0005】
本発明は、便器装置の便器の上部に配置される上部構成部の一部又は全部を支持するベース部材と、ベース部材を固定する可動部材と、を備え、可動部材の変形を低減することができる昇降装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、便器装置の便器の上部に配置される上部構成部の一部又は全部を昇降させる昇降装置であって、前記上部構成部の一部又は全部を支持するベース部材と、前記ベース部材の一の面に配置され前記一の面において前記ベース部材を固定する第1固定面、及び前記ベース部材の他の面に配置され前記他の面において前記ベース部材を固定する第2固定面を有する可動部材と、を備える昇降装置に関する。
【0007】
また、前記第1固定面は、前記ベース部材の受け面の上部に配置され前記受け面において前記ベース部材を固定することが好ましい。
【0008】
また、前記第2固定面は、前記ベース部材の下面に配置され前記下面において前記ベース部材を固定することが好ましい。
【0009】
また、前記第2固定面は、前記ベース部材の側面に配置され前記側面において前記ベース部材を固定することが好ましい。
【0010】
また、前記第1固定面と前記ベース部材とは、前記可動部材及び前記ベース部材を固定位置に位置させた状態で、前記第1固定面の上方から第1固定部材により固定されるように構成され、前記第2固定面と前記ベース部材とは、前記可動部材及び前記ベース部材を固定位置に位置させた状態で、前記ベース部材の上方から第2固定部材により固定されるように構成されることが好ましい。
【0011】
また、前記第1固定面と前記ベース部材とを固定する第1固定位置と、前記第2固定面と前記ベース部材とを固定する第2固定位置とは、前記便器の前後方向において位置がずれていることが好ましい。
【0012】
また、前記ベース部材は、後方に突出して形成される接続部を有し、前記可動部材は、前記接続部において、前記ベース部材と固定されることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、便器装置の便器の上部に配置される上部構成部の一部又は全部を支持するベース部材と、ベース部材を固定する可動部材と、を備え、可動部材の変形を低減することができる昇降装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態に係る昇降装置10を示す図であって、フロントベース部材6が上昇前の位置に配置された状態を示す図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る昇降装置10を示す図であって、フロントベース部材6が上昇後の位置に配置された状態を示す図である。
図3】昇降装置10の全体構成を示す斜視図である。
図4】昇降装置10の主要部分の構成を拡大した斜視図である。
図5】昇降装置10においてフロントベース部材6を可動部材20から取り外した状態を示す斜視図である。
図6】フロントベース部材6の接続ボックス部63と可動部材20との固定の状態を示す断面斜視図である。
図7】フロントベース部材6の接続ボックス部63と可動部材20との固定の状態を示す断面図である。
図8】フロントベース部材6の接続ボックス部63を示す斜視図である。
図9】可動部材20の構成を示す斜視図である。
図10】可動部材20の構成を示す平面図である。
図11】第1実施形態の変形形態における可動部材20Aを示す斜視図である。
図12A】第1実施形態の変形形態における接続ボックス部63の下面取付用ベース部材側貫通穴634a,634bを示す図である。
図12B】第1実施形態の変形形態における接続ボックス部63の下面取付用ベース部材側貫通穴635a,635bを示す図である。
図13】本発明の第2実施形態に係る昇降装置10Bを示す図である。
図14】本発明の第3実施形態に係る昇降装置10Cを示す図である。
図15】本発明の第4実施形態に係る昇降装置10Dを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の昇降装置10を含む便器装置1の第1実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては、便器装置1を正面から視た場合(便器装置1に対面した場合)における左右の向きを左右方向Xといい、左右方向Xの左方をX1、左右方向Xの右方をX2という。また、便器装置1を正面から視た場合(便器装置1に対面した場合)における前後の向きを前後方向Yといい、前後方向Yの前方をY1、前後方向Yの後方をY2という。垂直方向Zは、左右方向X及び前後方向Yと直交する。
【0016】
第1実施形態の便器装置1は、図1及び図2に示すように、便座2と、便蓋3と、便器4と、便器側部カバー部材41と、上部構成部としての機能部5と、本発明の昇降装置10と、を備える。便座2及び便蓋3は、便器4の上方において、便器4に対して回動可能に取り付けられる。便器側部カバー部材41は、便器装置1の下方における後部の側部に配置される。便器側部カバー部材41は、便器装置1の後部において、便器4の後部及び配管等を側方から覆う。
【0017】
機能部5は、便器4の後部の上部に配置される。機能部5は、機能部材(図示せず)と、ベース部材としてのフロントベース部材6と、リアベース部材7と、機能部材を覆う上部カバー部材81と、を有する。機能部材としては、図示を省略するが、例えば、洗浄タンクや、ホースや、洗浄ノズルや、電源ユニットや、制御回路基板や、便座2及び便蓋3を電動で開閉させる電動開閉ユニットや、バルブユニットや、各種配管等が挙げられる。機能部材は、各種機能や他の部材との位置関係などを考慮して、フロントベース部材6やリアベース部材7やその他の設置位置に設置される。
【0018】
フロントベース部材6は、便器4の後部の上方に配置される。フロントベース部材6は、樹脂材料により形成され、便器装置1の左右方向X及び前後方向Yに延びるように形成される。フロントベース部材6は、機能部5の機能部材(一部)を支持する。
フロントベース部材6の後部は、後述する昇降装置10の可動部材20に固定されている。フロントベース部材6は、昇降装置10の可動部材20が昇降されることで、上昇前の定位置(図1参照)又は上昇後の上昇位置(図2参照)に移動可能である。これにより、昇降装置10は、機能部5の機能部材を昇降させる。フロントベース部材6は、後述する本発明の昇降装置10の一部を構成する。昇降装置10の詳細については後述する。
【0019】
フロントベース部材6は、図1及び図2に示すように、前後方向Yの前方Y1側の下部において、左右方向Xの略中央において下面部65よりも下方に膨出する膨出部64と、左右方向Xの両端部側に形成される下面部65と、を有する。膨出部64は、フロントベース部材6が昇降することにより、便器4の後部の左右方向Xの中央に形成された凹部42に収容可能である。下面部65は、左右方向Xの両端部側において、便器4の後部の上面43に対向して配置され、フロントベース部材6が昇降することにより、便器4の後部の上面43から離れる方向又は便器4の後部の上面43に近づく方向に移動可能である。
【0020】
リアベース部材7は、フロントベース部材6の後方Y2側に配置される。フロントベース部材6は、樹脂材料により形成され、便器装置1の左右方向X及び前後方向Yに延びるように形成される。リアベース部材7には、機能部5の機能部材が設置される。
リアベース部材7には、後述する昇降装置10の駆動装置30が配置される。可動部材20が駆動装置30により昇降されることで、リアベース部材7に対して、可動部材20に固定されたフロントベース部材が昇降する。昇降装置10の詳細については後述する。
【0021】
上部カバー部材81は、便器装置1の上方における後部に配置される。上部カバー部材81は、便器装置1の後部において、機能部5の機能部材を上方から覆う。上部カバー部材81は、フロントベース部材6に取り付けられている。上部カバー部材81には、便座2及び便蓋3が、便器4に対して開閉可能に取り付けられる。上部カバー部材81、便座2及び便蓋3は、可動部材20の昇降に連動して、フロントベース部材6が昇降することで、垂直方向Zに移動する。
【0022】
次に、本発明の昇降装置10の詳細について、図面を参照しながら説明する。
昇降装置10は、図3図7に示すように、フロントベース部材6と、可動部材20と、駆動装置30と、を備える。本実施形態においては、フロントベース部材6は、可動部材20に固定される。駆動装置30により可動部材20が昇降されることで、可動部材20に固定されたフロントベース部材6は、垂直方向Zに移動する。
【0023】
まず、フロントベース部材6について説明する。
フロントベース部材6は、図1図3に示すように、可動部材20に固定される。フロントベース部材6は、便器4の後部の上方側に配置される。フロントベース部材6は、機能部5の機能部材を支持する。
【0024】
フロントベース部材6は、図5に示すように、底部側プレート61と、周壁プレート62と、接続部としての接続ボックス部63と、を有する。
底部側プレート61は、フロントベース部材6の底部側に配置され、左右方向X及び前後方向Yに延びるように形成される。底部側プレート61の上面には、機能部5の機能部材(図示せず)が配置される。
周壁プレート62は、底部側プレート61の周縁において、立ち上がるように形成される。
【0025】
接続ボックス部63は、図5及び図8に示すように、フロントベース部材6における周壁プレート62の後部に設けられる。接続ボックス部63は、フロントベース部材6の後部において、後方に突出するように形成される。接続ボックス部63は、フロントベース部材6において、機能部5の機能部材が配置される部分よりも後方に突出するように配置される。接続ボックス部63は、外形が箱状に形成され、前後方向Yに所定の幅を有し、垂直方向Zに厚みを有し、左右方向Xに延びている。
【0026】
接続ボックス部63は、図8に示すように、一の面としての上面60aと、他の面としての下面60bと、側面としての後ろ面60cと、一対の側面60d、60dと、を有する。
上面60aは、接続ボックス部63における上方側を向く面により形成される。本実施形態では、上面60aは、接続ボックス部63における上端部側の面であり、左右方向X及び前後方向Yに平行な上方側を向く水平面により形成される。上面60aは、後述する可動部材20の第1水平プレート21を受ける受け面である。なお、上面60aは、接続ボックス部63の上部が凹凸を有する場合には少なくともその凹凸の一部で構成されていればよく、上方側を向く面であればよい。上面60aは、最上部の面に限定されず、水平面にも限定されない。
【0027】
下面60bは、接続ボックス部63における下方側を向く面により形成される。本実施形態では、下面60bは、接続ボックス部63における下端部側の面であり、左右方向X及び前後方向Yに平行な下方側を向く水平面により形成される。なお、下面60bは、接続ボックス部63の下部が凹凸を有する場合には少なくともその凹凸の一部で構成されていればよく、下方側を向く面であればよい。下面60bは、最下部の面に限定されず、水平面にも限定されない。
【0028】
後ろ面60cは、接続ボックス部63における後方側を向く面により形成される。本実施形態では、後ろ面60cは、接続ボックス部63の後端部における枠状の部分の面であり、左右方向X及び垂直方向Zに平行な後方側を向く面である。本実施形態においては、接続ボックス部63の後部が凹凸を有しているが、後ろ面60cは、接続ボックス部63の後部が凹凸を有する場合には少なくともその凹凸の一部で構成されていればよく、後方側を向く面であればよい。後ろ面60cは、最後部の面に限定されず、垂直面にも限定されない。
【0029】
一対の側面60d、60dは、接続ボックス部63における左右方向Xの両端部の側部に形成される。側面60dは、前後方向Y及び垂直方向Zに平行な面である。
【0030】
接続ボックス部63は、図4及び図5に示すように、可動部材20に固定される。接続ボックス部63は、垂直方向Zにおいて、可動部材20における第1水平プレート21(後述)と第2水平プレート23(後述)との間に配置される。接続ボックス部63は、第1水平プレート21と第2水平プレート23とに挟まれるように配置された状態で、第1水平プレート21の固定下面201(第1固定面)(後述)及び第2水平プレート23の固定上面203(第2固定面)(後述)において、第1水平プレート21及び第2水平プレート23に固定されている。
【0031】
接続ボックス部63は、図8に示すように、2つの下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a,631bと、2つのモータ枠体用ベース部材側貫通穴632a,632bと、2つの上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633a,633bと、を有する。
2つの下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a,631b及び2つのモータ枠体用ベース部材側貫通穴632a,632bは、断面が円形状に形成され、接続ボックス部63を垂直方向Zに貫通し、接続ボックス部63の上面60aと下面60bとを連通する。2つの上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633a,633bは、断面が円形状に形成され、接続ボックス部63の上面60aから所定の長さで下方側に窪んで延び、内周面にねじ山が形成される。
【0032】
2つの下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a,631b、2つのモータ枠体用ベース部材側貫通穴632a,632b及び2つの上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633a,633bは、左右方向Xにおける左方X1側から右方X2側に向かって、第1下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a、第1上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633a、第1モータ枠体用ベース部材側貫通穴632a、第2上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633b、第2モータ枠体用ベース部材側貫通穴632b、第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631bの順に並んで配置される。
【0033】
2つの下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a,631bは、図8に示すように、前後方向Yの第2固定位置K2において、左右方向Xに離間して配置される。第2固定位置K2は、後述する可動部材20においても説明する通り、下面固定用長尺ねじ部材102(図5参照)により、可動部材20の第2水平プレート23の固定上面203とフロントベース部材6とが固定される前後方向Yにおける固定位置である。2つの下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a,631bは、接続ボックス部63と可動部材20の第2水平プレート23の固定上面203とを、下面固定用長尺ねじ部材102(図5参照)により固定するために、下面固定用長尺ねじ部材102の棒状部分が挿通される貫通穴である。
【0034】
左方X1側の第1下面取付用ベース部材側取付貫通穴631aは、図6及び図7に示すように、可動部材20の第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、上方から下方に向かって、可動部材20の下面取付用上面側貫通穴211、第1下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a、可動部材20の第1下面取付用ねじ穴232aの順に配置されて連通するように、可動部材20の下面取付用上面側貫通穴211及び第1下面取付用ねじ穴232aに対応して形成される。
【0035】
右方X2側の第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631bは、図6及び図7に示すように、可動部材20の第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、上方から下方に向かって、第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631b、可動部材20の第2下面取付用ねじ穴232bの順に配置されて連通するように、可動部材20の第2下面取付用ねじ穴232bに対応して形成される。
【0036】
上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633a,633bは、接続ボックス部63と可動部材20の第1水平プレート21の固定下面201とを、上面固定用ねじ部材101により固定するためのねじ穴である。
2つの上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633a,633bは、図8に示すように、前後方向Yの第1固定位置K1において、左右方向Xに離間して配置される。第1固定位置K1は、後述する可動部材20においても説明する通り、上面固定用ねじ部材101により、可動部材20の第1水平プレート21の固定下面201とフロントベース部材6とが固定される前後方向Yにおける固定位置である。第1固定位置K1は、前後方向Yにおいて、前述の第2固定位置K2とずれて位置する。
【0037】
左方X1側の第1上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633aは、図6及び図7に示すように、可動部材20の第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、上方から下方に向かって、可動部材20の第1上面取付用取付穴213a、第1上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633aの順に配置されて連通するように、可動部材20の第1上面取付用取付穴213aに対応して形成される。
【0038】
右方X2側の第2上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633bは、図6及び図7に示すように、可動部材20の第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、上方から下方に向かって、可動部材20の第2上面取付用取付穴213b、第2上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633bの順に配置されて連通するように、可動部材20の第2上面取付用取付穴213bに対応して形成される。
【0039】
2つのモータ枠体用ベース部材側貫通穴632a,632bは、モータ枠体固定用ねじ部材103及びモータ枠体固定用ねじ部材103を回すためのドライバー(図示せず)の軸部分が挿通される貫通穴である。
【0040】
左方X1側の第1モータ枠体用ベース部材側貫通穴632aは、図6及び図7に示すように、可動部材20の第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、上方から下方に向かって、可動部材20のモータ枠体用上面側貫通穴212、第1モータ枠体用ベース部材側貫通穴632a、可動部材20の第1モータ枠体用下面側貫通穴231aの順に配置されて連通するように、可動部材20のモータ枠体用上面側貫通穴212及び第1モータ枠体用下面側貫通穴231aに対応して形成される。
【0041】
右方X2側の第2モータ枠体用ベース部材側貫通穴632bは、図6及び図7に示すように、可動部材20の第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、上方から下方に向かって、第2モータ枠体用ベース部材側貫通穴632b、可動部材20の第2モータ枠体用下面側貫通穴231bの順に配置されて連通するように、可動部材20の第2モータ枠体用下面側貫通穴231bに対応して形成される。
【0042】
次に、可動部材20について説明する。
可動部材20は、図9に示すように、第1水平プレート21と、垂直プレート22と、第2水平プレート23と、を有する。可動部材20の第1水平プレート21、垂直プレート22及び第2水平プレート23は、第1水平プレート21の固定下面201(後述)、垂直プレート22の固定側面202(後述)及び第2水平プレート23の固定上面203(後述)において、フロントベース部材6を固定する。
【0043】
第1水平プレート21の固定下面201(後述)は、図7に示すように、フロントベース部材6の接続ボックス部63の上面60a(受け面)の上部に配置され、接続ボックス部63の上面60aにおいて、上面固定用ねじ部材101により、フロントベース部材6を固定する。上面固定用ねじ部材101は、頭部と棒状部分とを有する。上面固定用ねじ部材101の棒状部分の先端側には、ねじ山状のねじ部分が形成されている。
【0044】
第1水平プレート21は、図9に示すように、水平方向に広がる板状に形成され、前後方向Yに所定幅を有し、左右方向Xに連続して延びる。第1水平プレート21は、固定下面201(第1固定面)を有する。固定下面201は、第1水平プレート21におけるフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置される側の面である。本実施形態においては、固定下面201は、第1水平プレート21の下面である。第1水平プレート21の後端部には、垂直プレート22の上端部が接続される。第1水平プレート21は、下面取付用上面側貫通穴211と、モータ枠体用上面側貫通穴212と、2つの上面取付用取付穴213a,213bと、を有する。下面取付用上面側貫通穴211、モータ枠体用上面側貫通穴212及び2つの上面取付用取付穴213a,213bは、左右方向Xにおける左方X1側から右方X2側に向かって、下面取付用上面側貫通穴211、第1上面取付用取付穴213a、モータ枠体用上面側貫通穴212、第2上面取付用取付穴213bの順に並んで配置される。
【0045】
下面取付用上面側貫通穴211、モータ枠体用上面側貫通穴212及び2つの上面取付用取付穴213a,213bは、断面が円形状に形成され、第1水平プレート21を垂直方向Zに貫通して形成される。
下面取付用上面側貫通穴211は、下面固定用長尺ねじ部材102(図5参照)の頭部の径よりも大きな径の大きさで形成される。下面取付用上面側貫通穴211には、下面固定用長尺ねじ部材102(図5参照)の頭部及び棒状部分が通り抜け可能である。
モータ枠体用上面側貫通穴212は、ドライバー(図示せず)の軸部分が通ることが可能な径の大きさで形成される。
【0046】
上面取付用取付穴213a,213bは、上面固定用ねじ部材101(図5参照)の頭部の径よりも小さな径の大きさで形成され、上面固定用ねじ部材101(図5参照)の棒状部分が通り抜け可能で且つ頭部が通り抜け不能である。
上面取付用取付穴213a,213bは、図6及び図7に示すように、第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、上面取付用取付穴213a,213bに上面固定用ねじ部材101が挿通され、上面取付用取付穴213a,213bの上面側の開口の周縁に上面固定用ねじ部材101の頭部が係止された状態で、上面固定用ねじ部材101の先端側のねじ部分が、接続ボックス部63の上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633a,633bに螺合される。つまり、上面取付用取付穴213a,213bの中心部分において、第1水平プレート21の第1固定面201には、上面固定用ねじ部材101により、フロントベース部材6が固定される。上面取付用取付穴213a,213bの中心部分は、図10に示すように、前後方向Yにおける第1固定位置K1に位置する。第1水平プレート21の第1固定面201は、フロントベース部材6を、上面固定用ねじ部材101により、前後方向Yにおける第1固定位置K1で固定する。
【0047】
垂直プレート22は、図9に示すように、第1水平プレート21の後端部から垂直方向Zの下方に延びる。垂直プレート22は、垂直方向Zに広がる板状に形成され、垂直方向Zに所定長さを有し、左右方向Xに連続して延びる。垂直プレート22は、固定側面202を有する。固定側面202は、垂直プレート22におけるフロントベース部材6が配置される側の面である。垂直プレート22の固定側面202は、フロントベース部材6の接続ボックス部63の後ろ面60cに配置され、接続ボックス部63の後ろ面60cにおいて、フロントベース部材6を固定する。
垂直プレート22の下端部には、第2水平プレート23が接続される。垂直プレート22の後方側の面には、取付板311を介して、駆動装置30(後述)のラック31が接続されている。
【0048】
第2水平プレート23の固定上面203(後述)は、図7に示すように、フロントベース部材6の接続ボックス部63の下面60bに配置され、接続ボックス部63の下面60bにおいて、下面固定用長尺ねじ部材102により、フロントベース部材6を固定する。下面固定用長尺ねじ部材102は、頭部と長尺状の棒状部分とを有する。下面固定用長尺ねじ部材102の棒状部分の先端側には、ねじ山状のねじ部分が形成されている。
【0049】
第2水平プレート23は、図9に示すように、垂直プレート22の下端部から前後方向Yの前方Y1に延びる。第2水平プレート23は、水平方向に広がる板状に形成され、左右方向Xに連続して延びる。第2水平プレート23は、固定上面203(第2固定面)を有する。固定上面203は、第2水平プレート23におけるフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置される側の面である。本実施形態においては、固定上面203は、第2水平プレート23の上面である。第2水平プレート23は、第1水平プレート21の下方に配置され、第1水平プレート21と平行に配置される。これにより、第1水平プレート21と第2水平プレート23との間には、フロントベース部材6の接続ボックス部63(後述)が配置可能である。本実施形態においては、第1水平プレート21の固定下面201と第2水平プレート23の固定上面203との間の距離は、フロントベース部材6の接続ボックス部63の高さとほぼ同じである。これにより、フロントベース部材6の接続ボックス部63は、第1水平プレート21と第2水平プレート23とに挟まれるように配置される。第2水平プレート23は、前後方向Yにおいて、垂直プレート22からの長さが、第1水平プレート21よりも長く形成される。つまり、前後方向Yにおいて、第2水平プレート23の先端部は、第1水平プレート21の先端部よりも、前方Y1側に位置する。また、第2水平プレート23は、第1水平プレート21よりも右方X2に長く形成される。
【0050】
第2水平プレート23は、2つのモータ枠体用下面側貫通穴231a,231bと、2つの下面取付用ねじ穴232a,232bと、を有する。2つのモータ枠体用下面側貫通穴231a,231b及び2つの下面取付用ねじ穴232a,232bは、第2水平プレート23の後方Y2側において、左右方向Xにおける左方X1側から右方X2側に向かって、第1下面取付用ねじ穴232a、第1モータ枠体用下面側貫通穴231a、第2モータ枠体用下面側貫通穴231b、第2下面取付用ねじ穴232bの順に並んで配置される。
2つのモータ枠体用下面側貫通穴231a,231b及び2つの下面取付用ねじ穴232a,232bは、断面が円形状に形成され、第2水平プレート23を垂直方向Zに貫通して形成される。
【0051】
第1下面取付用ねじ穴232a及び第2下面取付用ねじ穴232bは、図9に示すように、左右方向Xにおいて駆動装置30のラック31を挟むように、左右方向Xに離間して配置される。第1下面取付用ねじ穴232a及び第2下面取付用ねじ穴232bがこのような位置に配置されることで、駆動装置30から動力が伝達される動力伝達部としてのラック31の左右方向Xの両側において、下面固定用長尺ねじ部材102により、第2水平プレート23の固定上面203とフロントベース部材6とを固定する。
【0052】
可動部材20が動力伝達部としてのラック31の両側において固定されるため、ラック31の片側で固定するよりも、ラック31(動力伝達部)から可動部材20へ伝達される動力の伝達効率を向上できる。
また、可動部材20が機能部5の重心の左右方向Xの両側において固定されるため、固定部分の下面固定用長尺ねじ部材102の負担を軽減させることができる。これにより、下面固定用長尺ねじ部材102により固定される固定部分の耐久性を向上させることができると共に、下面固定用長尺ねじ部材102の緩みを防止することができる。
また、可動部材20を固定する下面固定用長尺ねじ部材102の左右方向Xの間隔が広がるため、可動部材20の全体がフロントベース部材6と密着しやすくなる。これにより、可動部材20の変形を一層低減させることができる。
【0053】
左方X1側の第1下面取付用ねじ穴232aは、第1水平プレート21の下面取付用上面側貫通穴211に対応して、下面取付用上面側貫通穴211の下方に配置される。左方X1側の第1下面取付用ねじ穴232aには、下面固定用長尺ねじ部材102(図5参照)の先端側のねじ部分が螺合される。
【0054】
左方X1側の第1下面取付用ねじ穴232aは、図6及び図7に示すように、第1水平プレート21と第2水平プレート23との間にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、下面固定用長尺ねじ部材102(図5参照)が第1水平プレート21の下面取付用上面側貫通穴211とフロントベース部材6の接続ボックス部63の第1下面取付用ベース部材側取付貫通穴631aとに挿通され、接続ボックス部63の第1下面取付用ベース部材側取付貫通穴631aの上面側の開口の周縁に下面固定用長尺ねじ部材102の頭部が係止された状態で、下面固定用長尺ねじ部材102の先端側のねじ部分が螺合される接続部分である。
【0055】
右方X2側の第2下面取付用ねじ穴232bには、下面固定用長尺ねじ部材102(図5参照)の先端側のねじ部分が螺合される。第2下面取付用ねじ穴232bは、第2水平プレート23の上方にフロントベース部材6の接続ボックス部63が配置された状態において、下面固定用長尺ねじ部材102がフロントベース部材6の接続ボックス部63の第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631bに挿通され、接続ボックス部63の第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631bの上面側の開口の周縁に下面固定用長尺ねじ部材102の頭部が係止された状態で、下面固定用長尺ねじ部材102の先端側のねじ部分が螺合される接続部分である。
【0056】
下面取付用ねじ穴232a,232bの中心部分において、第2水平プレート23の固定上面203には、下面固定用長尺ねじ部材102により、フロントベース部材6が固定される。下面取付用ねじ穴232a,232bの中心部分は、図10に示すように、前後方向Yにおける第2固定位置K2に位置する。第2水平プレート23の固定上面203は、フロントベース部材6を、下面固定用長尺ねじ部材102により、前後方向Yにおける第2固定位置K2で固定する。
【0057】
可動部材20において、図10に示すように、上面固定用ねじ部材101により第1水平プレート21の固定下面201とフロントベース部材6とを固定する第1固定位置K1と、下面固定用長尺ねじ部材102により第2水平プレート23の固定上面203とフロントベース部材6とを固定する第2固定位置K2とは、便器4の前後方向Yにおいてずれた位置となっている。これにより、可動部材20に掛かるフロントベース部材6からの荷重による垂直方向Z及び前後方向Yへの曲げ応力に対して、ガタツキが低減され、ねじ部材の緩みを低減することができる。よって、可動部材20の変形を一層低減できる。
【0058】
モータ枠体用下面側貫通穴231a,231bは、図9に示すように、モータ枠体固定用ねじ部材103(図5参照)の頭部よりも大きな径の大きさで形成される。モータ枠体用下面側貫通穴231a,231bには、モータ枠体固定用ねじ部材103(図5参照)の頭部及び棒状部分が通り抜け可能である。モータ枠体用下面側貫通穴231a,231bは、モータ枠体固定用ねじ部材103及びモータ枠体固定用ねじ部材103を回すためのドライバー(図示せず)の軸部分が挿通される貫通穴である。
【0059】
左方X1側の第1モータ枠体用下面側貫通穴231aは、図9に示すように、第1水平プレート21のモータ枠体用上面側貫通穴212に対応して、モータ枠体用上面側貫通穴212の下方に配置される。右方X2側の第2モータ枠体用下面側貫通穴231bは、左方X1側の第1モータ枠体用下面側貫通穴231aの右方X2側に離間して配置される。
【0060】
モータ枠体用下面側貫通穴231a,231bの下方には、図6及び図7に示すように、モータ支持枠体34の枠体底部プレート341の底部プレート取付穴342a,342bが配置され、底部プレート取付穴342a,342bの下方には、リアベース部材7のリアベース底部側プレート71の底部側プレート取付ねじ穴711aが配置されている。
【0061】
底部プレート取付穴342a,342bには、モータ枠体固定用ねじ部材103が挿通され、モータ枠体固定用ねじ部材103の頭部が底部プレート取付穴342aの上面側の開口の周縁に係止される。リアベース部材7のリアベース底部側プレート71には、底部側プレート取付ねじ穴711aが形成され、底部側プレート取付ねじ穴711aには、底部プレート取付穴342a,342bを挿通されたモータ枠体固定用ねじ部材103の先端側が螺合される。
【0062】
次に、駆動装置30について説明する。
駆動装置30は、図4に示すように、リアベース部材7の上面に配置される。駆動装置30は、垂直方向Zに延びるラック31と、ラック31に噛み合うピニオン32と、ピニオン32を回転させるモータ33と、モータ支持枠体34と、を有する。
【0063】
モータ支持枠体34は、モータ33を支持する。モータ支持枠体34は、図6及び図7に示すように、底部側において、枠体底部プレート341を有する。枠体底部プレート341には、底部プレート取付穴342a,342bが形成されており、モータ支持枠体34は、底部プレート取付穴342a,342bを介して、モータ枠体固定用ねじ部材103により、リアベース部材7に固定される。
ラック31は、可動部材20に接続されている。
【0064】
以上の駆動装置30においては、モータ33が駆動することにより、ピニオン32が回転する。これにより、ピニオン32に噛み合うラック31は、垂直方向Zに移動する。そして、ラック31に接続される可動部材20が垂直方向Zに移動することで、可動部材20に固定されたフロントベース部材6は、フロントベース部材6に配置された機能部5の機能部材と共に、垂直方向Zに移動する。
【0065】
以上のように構成されるフロントベース部材6及び可動部材20について、フロントベース部材6を可動部材20に固定する方法について説明する。
【0066】
まず、可動部材20が取付られた駆動装置30をリアベース部材7に固定する。具体的には、図5に示すように、駆動装置30のモータ33を支持するモータ支持枠体34を、リアベース部材7のリアベース底部側プレート71に固定する。駆動装置30のラック31には、可動部材20が取り付けられている。
図5に示すように、モータ枠体固定用ねじ部材103を、第1モータ枠体用下面側貫通穴231aに挿入する。そして、ドライバー(図示せず)の軸部分を、モータ枠体用上面側貫通穴212及び底部プレート取付穴342a(図5及び図6)に挿通させて、ドライバーを用いて、図6及び図7に示すように、モータ枠体固定用ねじ部材103の頭部を底部プレート取付穴342aの上面側の開口の周縁に係止させた状態で、モータ枠体固定用ねじ部材103の先端部を、リアベース底部側プレート71の底部側プレート取付ねじ穴711aに螺合させる。
【0067】
また、図5に示すように、モータ枠体固定用ねじ部材103を、第2モータ枠体用下面側貫通穴231bに挿入する。そして、ドライバー(図示せず)を用いて、図6及び図7に示すように、モータ枠体固定用ねじ部材103の頭部を底部プレート取付穴342bの上面側の開口の周縁に係止させた状態で、モータ枠体固定用ねじ部材103の先端部を、リアベース底部側プレート71の底部側プレート取付ねじ穴711bに螺合させる。
このようにして、図6及び図7に示すように、モータ支持枠体34を、リアベース部材7のリアベース底部側プレート71に固定する。
【0068】
次に、フロントベース部材6の接続ボックス部63を、可動部材20の第1水平プレート21と第2水平プレート23との間に配置する。この状態においては、接続ボックス部63は、第1水平プレート21と第2水平プレート23との間に挟まれるように配置されている。
【0069】
続けて、フロントベース部材6の接続ボックス部63を、第2水平プレート23の固定上面203において、第2水平プレート23に固定する。
図5に示すように、可動部材20の下面取付用上面側貫通穴211の上方において、下面固定用長尺ねじ部材102を上方から下方に移動させて、下面固定用長尺ねじ部材102を、可動部材20の左方側の下面取付用上面側貫通穴211及び第1下面取付用ベース部材側取付貫通穴631aに挿通させる。そして、図6及び図7に示すように、下面固定用長尺ねじ部材102の頭部を下面取付用上面側貫通穴211の上面側の開口の周縁に係止させた状態で、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部を、第2水平プレート23の第1下面取付用ねじ穴232aに螺合させる。
【0070】
また、図5に示すように、フロントベース部材6の接続ボックス部63の第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631bの上方において、下面固定用長尺ねじ部材102を上方から下方に移動させて、下面固定用長尺ねじ部材102を、第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631bに挿通させる。そして、図6及び図7に示すように、下面固定用長尺ねじ部材102の頭部を第2下面取付用ベース部材側取付貫通穴631bの上面側の開口の周縁に係止させた状態で、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部を、第2水平プレート23の第2下面取付用ねじ穴232bに螺合させる。
このようにして、図6及び図7に示すように、フロントベース部材6の接続ボックス部63を第2水平プレート23の固定上面203に固定する。
【0071】
次に、フロントベース部材6の接続ボックス部63を、第1水平プレート21の固定下面201において、第1水平プレート21に固定する。
図5に示すように、可動部材20の第1上面取付用取付穴213aの上方において、上面固定用ねじ部材101を上方から下方に移動させて、上面固定用ねじ部材101を、可動部材20の第1上面取付用取付穴213aに挿通させる。そして、図6及び図7に示すように、上面固定用ねじ部材101の頭部を第1上面取付用取付穴213aの上面側の開口の周縁に係止させた状態で、上面固定用ねじ部材101の先端部を、第1上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633aに螺合させる。
【0072】
また、図5に示すように、可動部材20の第2上面取付用取付穴213bの上方において、上面固定用ねじ部材101を上方から下方に移動させて、上面固定用ねじ部材101を、可動部材20の第2上面取付用取付穴213bに挿通させる。そして、図6及び図7に示すように、上面固定用ねじ部材101の頭部を第2上面取付用取付穴213bの上面側の開口の周縁に係止させた状態で、上面固定用ねじ部材101の先端部を、第2上面取付用ベース部材側取付ねじ穴633bに螺合させる。
このようにして、図6及び図7に示すように、フロントベース部材6の下面60bにおいて、接続ボックス部63を第1水平プレート21の固定下面201に固定する。
【0073】
このようにして、第1水平プレート21の固定下面201とフロントベース部材6とは、可動部材20及びフロントベース部材6を固定位置に位置させた状態で、第1水平プレート21の上方から移動される下面固定用長尺ねじ部材102により固定される。また、第2水平プレート23の固定上面203とフロントベース部材6とは、可動部材20及びフロントベース部材6を固定位置に位置させた状態で、フロントベース部材6の上方から移動される上面固定用ねじ部材101により固定される。また、垂直プレート22の固定側面202とフロントベース部材6とが固定される。
【0074】
ここで、フロントベース部材6において、機能部5の機能部材が配置される部分よりも後方に突出するように接続ボックス部63を設けた。そのため、フロントベース部材6は、接続ボックス部63において、可動部材20に固定される。これにより、フロントベース部材6における機能部5の機能部材が配置される部分には、可動部材20と固定するための構造を設けなくてよいため、他の機能部材等の配置のレイアウトの自由度が向上する。また、フロントベース部材6を接続ボックス部63において可動部材20に固定すればよいため、フロントベース部材6を可動部材20に固定する作業の作業性を向上できる。
【0075】
また、フロントベース部材6を可動部材20に固定した状態において、モータ支持枠体34を、リアベース部材7のリアベース底部側プレート71から取り外すことができる。
図7に示すような状態において、モータ枠体用上面側貫通穴212の上方から、ドライバー(図示せず)に軸部分を、モータ枠体用上面側貫通穴212、第1モータ枠体用ベース部材側貫通穴632a、第1モータ枠体用下面側貫通穴231aの順に通過させる。そして、ドライバー(図示せず)を用いて、モータ枠体固定用ねじ部材103を、リアベース底部側プレート71の底部側プレート取付ねじ穴711aとの螺合を解除する方向に回転させる。これにより、モータ枠体固定用ねじ部材103を、リアベース底部側プレート71の底部側プレート取付ねじ穴711aから外すことができる。
また、第2モータ枠体用ベース部材側貫通穴632bの上方から、ドライバー(図示せず)を、第2モータ枠体用ベース部材側貫通穴632b、第2モータ枠体用下面側貫通穴231bの順に通過させる。そして、ドライバー(図示せず)を用いて、モータ枠体固定用ねじ部材103を、リアベース底部側プレート71の底部側プレート取付ねじ穴711bとの螺合を解除する方向に回転させる。これにより、モータ枠体固定用ねじ部材103を、リアベース底部側プレート71の底部側プレート取付ねじ穴711bから外すことができる。
このようにして、フロントベース部材6を可動部材20に固定したままで、モータ支持枠体34を、リアベース部材7のリアベース底部側プレート71から取り外すことで、リアベース部材7から、駆動装置30、可動部材20及びフロントベース部材6を取り外すことができる。
【0076】
なお、第1モータ枠体用ベース部材側貫通穴632a及び第2モータ枠体用ベース部材側貫通穴632bは、フロントベース部材6に昇降装置10を取り付けない場合に、フロントベース部材6をリアベース部材7に固定する際に、固定用の長尺のねじ部材(図示せず)を挿通させるための貫通穴として用いることができる。
【0077】
次に、本発明の昇降装置10の動作について説明する。
便器4と機能部5の機能部材との間に隙間を広く形成して、便器4の上面などを清掃したい場合には、例えば、リモコン操作部(図示せず)を操作することで、機能部5の機能部材が配置されたフロントベース部材6を上昇させる。
例えば、リモコン操作部(図示せず)を操作することで、駆動装置30のモータ33を駆動させて、可動部材20及びフロントベース部材6を、上昇前の定位置(図1参照)から上昇後の上昇位置(図2参照)に移動させる。これにより、便器4とフロントベース部材6との間の隙間が広がって、便器4とフロントベース部材6との間の隙間に手を入れやすくなる。よって、便器4の上面43などを容易に清掃することができる。
【0078】
本実施形態においては、フロントベース部材6が第1水平プレート21と第2水平プレート23とにより垂直方向Zにおいて挟まれるように配置された状態で、フロントベース部材6は、接続ボックス部63の上面60aにおいて第1水平プレート21の固定下面201に固定され、接続ボックス部63の下面60bにおいて第2水平プレート23の固定上面203に固定される。従って、可動部材20が変形することを低減して、フロントベース部材6が前方側の下方に傾くことを低減できる。これにより、フロントベース部材6を上昇させても、便器4とフロントベース部材6との間の隙間を広く確保して、使用者が便器4とフロントベース部材6との間の隙間に手を入れて、便器4の上面43などを容易に清掃することができる。
【0079】
また、第1水平プレート21は、左右方向Xに連続して延びる。第2水平プレート23は、左右方向Xに連続して延びる。そのため、可動部材20の剛性が高い状態で、接続ボックス部63は、第1水平プレート21と第2水平プレート23とに挟まれるように配置される。これにより、ガタツキを低減できる。
【0080】
以上説明した本実施形態の昇降装置10によれば、以下のような効果を奏する。
【0081】
本実施形態の昇降装置10は、便器装置1の便器4の上部に配置される機能部5の機能部材を昇降させる昇降装置10であって、機能部の機能部材を支持するフロントベース部材6と、フロントベース部材6の上面60aに配置され上面60aにおいてフロントベース部材6を固定する第1水平プレート21の固定下面201、及びフロントベース部材6の下面60bに配置され下面60bにおいてフロントベース部材6を固定する第2水平プレート23の固定上面203を有する可動部材20と、を備える。
そのため、フロントベース部材6が第1水平プレート21の固定下面201と第2水平プレート23の固定上面203との間に挟まれるように配置された状態で、可動部材20は、フロントベース部材6の上面60a及び下面60bにおいて、フロントベース部材6を固定する。よって、可動部材20の変形が少ない状態でフロントベース部材6を可動部材20に固定するため、可動部材20が変形することを低減できる。
【0082】
また、本実施形態の昇降装置10においては、第1水平プレート21の固定下面201とフロントベース部材6とは、可動部材20及びフロントベース部材6を固定位置に位置させた状態で、第1水平プレート21の固定下面201の上方から下面固定用長尺ねじ部材102により固定されるように構成され、第2水平プレート23の固定上面203とフロントベース部材6とは、可動部材20及びフロントベース部材6を固定位置に位置させた状態で、フロントベース部材6の上方から上面固定用ねじ部材101により固定されるように構成される。
そのため、下面固定用長尺ねじ部材102と上面固定用ねじ部材101とを可動部材20の上方側から移動させて、フロントベース部材6の上面60a及び下面60bにおいて、可動部材20とフロントベース部材6とを固定することができる。これにより、ねじ部材を可動部材20の上方側から移動させるだけで、フロントベース部材6の上面60a及び下面60bにおいて、フロントベース部材6を可動部材20に容易に固定することができる。
【0083】
また、本実施形態の昇降装置10においては、第1水平プレート21の固定下面201とフロントベース部材6とを固定する第1固定位置K1と、第2水平プレート23の固定上面203とフロントベース部材6とを固定する第2固定位置K2とは、便器4の前後方向Yにおいて位置がずれている。
そのため、可動部材20に掛かるフロントベース部材6からの荷重による垂直方向Z及び前後方向Yへの曲げ応力に対して、ガタツキが低減され、ねじ部材の緩みを低減することができる。これにより、可動部材20の変形を一層低減できる。特に、可動部材20を手動で昇降させるように外力を加えての操作をする場合には、ねじ部材の緩みを低減するという効果は高い。
【0084】
次に、第1実施形態の変形形態について説明する。
第1実施形態においては、第1水平プレート21を左右方向Xに連続して形成したが、これに限定されない。例えば、図11に示すように、第1水平プレート21Aを、左右方向に離間した2つのプレート部材210a,210bにより構成してもよい。この場合、第1水平プレート21Aの下面を固定下面211A,211B(第1固定面)として構成することができると共に、第2水平プレート23Aの上面を固定上面203A(第2固定面)として構成することができる。また、第1水平プレートを、3つ以上のプレート部材により分割して構成してもよい。
【0085】
また、第1実施形態においては、接続ボックス部63の下面取付用ベース部材側取付貫通穴631a,631bの断面を垂直方向Zの全体に亘って同じ径の円形状に形成したが、これに限定されない。例えば、図12A又は図12Bに示すように、下面取付用ベース部材側貫通穴634a,634b又は下面取付用ベース部材側貫通穴635a,635bは、縮径部を有していてもよい。
【0086】
例えば、図12Aに示すように、下面取付用ベース部材側貫通穴634a,634bを、上方側において、上方から下方に向かって径が次第に小さくなるように縮径するテーパ状に形成し、かつ、下方側において、上下方向において径が同じ直線状に形成してもよい。この場合には、下面固定用長尺ねじ部材102を挿通させる場合に、上方側において、下面固定用長尺ねじ部材102の先端が径の中央に向かうように移動するため、下面固定用長尺ねじ部材102の先端を径の中心に位置させた状態で、下面固定用長尺ねじ部材102を、下面取付用ねじ穴232a,232bに対して傾きが低減された状態で良好に螺合させることできる。また、下面取付用ベース部材側貫通穴634a,634bを下方側において直線状に形成するため、下面固定用長尺ねじ部材102は、下面取付用ベース部材側貫通穴634a,634bの下方側において、下面取付用ベース部材側貫通穴634a,634bに沿って配置される。これにより、フロントベース部材6を第2水平プレート23を取り付けた場合に、フロントベース部材6のガタツキをより抑制することができる。
また、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部は、進行方向に突出するR形状に形成される。そのため、下面取付用ベース部材側貫通穴634a,634bへの下面固定用長尺ねじ部材102の先端部の引っ掛かりを低減することができる。
【0087】
また、例えば、図12Bに示すように、下面取付用ベース部材側貫通穴635a,635bを、上方側において、上方から下方に向かって径が小さくなるように縮径するテーパ状に形成し、かつ、下方側において、上方から下方に向かって径が大きくなるように拡径するテーパ状に形成してもよい。この場合には、下面固定用長尺ねじ部材102を挿通させる場合に、下面取付用ベース部材側貫通穴635a,635bの上方側において下面固定用長尺ねじ部材102の先端が径の中央に向かうように移動し、下方側において下面固定用長尺ねじ部材102の先端がそのまま径の中央に沿って移動するため、全体に亘ってテーパ状に形成する場合と同様に、下面固定用長尺ねじ部材102を、下面取付用ねじ穴232a,232bに対して傾きが低減された状態で良好に螺合させることできる。
また、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部は、進行方向に突出するR形状に形成される。そのため、下面取付用ベース部材側貫通穴635a,635bへの下面固定用長尺ねじ部材102の先端部の引っ掛かりを低減することができる。
【0088】
次に、本発明の第2実施形態に係る便器装置1Bの構成について、図13を参照して説明する。なお、第2実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、第2実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
【0089】
図13に示すように、第2実施形態に係る便器装置1Bの昇降装置10Bにおいては、第1実施形態の昇降装置10に比べて、可動部材20Bが、第1実施形態の第2水平プレート23を有していない点及び垂直プレート22Bの固定側面202B(第2固定面)においてフロントベース部材6Bを固定している点において主に異なる。
【0090】
第2実施形態の昇降装置10Bは、フロントベース部材6Bと、可動部材20Bと、駆動装置30と、を備える。
【0091】
接続ボックス部63Bは、図13に示すように、一の面としての上面60aと、下面60bと、他の面としての後ろ面60c(側面)と、一対の側面60d、60dと、を有する。フロントベース部材6Bの接続ボックス部63Bには、垂直取付穴636と、水平貫通穴637と、が形成される。
垂直取付穴636は、接続ボックス部63Bの上面60aから下方に延びる。垂直取付穴636は、フロントベース部材6Bが可動部材20Bに配置された状態において、可動部材20Bの第1水平プレート21Bの上面側取付穴215及び垂直取付穴636が連通するように、可動部材20Bの第1水平プレート21Bの上面側取付穴215(後述)に対応して配置される。
水平貫通穴637は、接続ボックス部63Bの後ろ面60cから前後方向Yに貫通する。水平貫通穴637は、フロントベース部材6Bが可動部材20Bに配置された状態において、可動部材20Bの垂直プレート22Bの垂直面側取付ねじ穴225及び水平貫通穴637が連通するように、可動部材20Bの垂直プレート22Bの垂直面側取付ねじ穴225(後述)に対応して配置される。
【0092】
可動部材20Bは、図13に示すように、第1水平プレート21Bと、垂直プレート22Bと、を有する。可動部材20Bの第1水平プレート21B及び垂直プレート22Bは、第1水平プレート21Bの固定下面201B(第1固定面)及び垂直プレート22Bの固定側面202B(第2固定面)において、フロントベース部材6Bを固定する。
【0093】
第1水平プレート21Bは、水平方向に広がるように延びる。第1水平プレート21Bは、固定下面201B(第1固定面)を有する。固定下面201Bは、第1水平プレート21Bにおけるフロントベース部材6Bが配置される側の面である。第1水平プレート21Bの後端部には、垂直プレート22Bが接続される。第1水平プレート21Bは、垂直方向Zに貫通する上面側取付穴215を有する。
第1水平プレート21Bの固定下面201Bは、フロントベース部材6Bの接続ボックス部63Bの上面60aに配置され、接続ボックス部63Bの上面60aにおいて、ねじ部材104により、フロントベース部材6Bを固定する。
【0094】
垂直プレート22Bは、第1水平プレート21Bに直交して配置され、垂直方向に広がるように延びる。垂直プレート22Bは、第1水平プレート21Bの後方側の端部から下方に延びる。垂直プレート22Bは、固定側面202B(第2固定面)を有する。固定側面202Bは、垂直プレート22Bにおけるフロントベース部材6Bが配置される側の面である。垂直プレート22Bは、前後方向Yに貫通する垂直面側取付ねじ穴225を有する。
垂直プレート22Bの固定側面202Bは、フロントベース部材6Bの接続ボックス部63Bの後ろ面60cに配置され、接続ボックス部63Bの後ろ面60cにおいて、ねじ部材105により、フロントベース部材6Bを固定する。
【0095】
以上のように構成される第1水平プレート21Bの固定下面201B及び垂直プレート22Bの固定側面202Bには、次のように、フロントベース部材6Bが固定される。
まず、フロントベース部材6Bが可動部材20Bに配置された状態において、ねじ部材104を、可動部材20Bの第1水平プレート21Bの上面側取付穴215の上方から下方に移動させる。これにより、第1水平プレート21Bの上面側取付穴215にねじ部材104の棒状部分を挿通させて、上面側取付穴215の上面側の開口の周縁にねじ部材104の頭部が係止された状態で、ねじ部材104の先端側のねじ部分が、フロントベース部材6Bの垂直取付穴636に螺合される。このようにして、第1水平プレート21Bの固定下面201Bは、フロントベース部材6Bの上面60aにおいて、フロントベース部材6Bを固定する。
【0096】
また、フロントベース部材6Bが可動部材20Bに配置された状態において、ねじ部材105を前方Y1側から後方Y2側に移動させる。これにより、フロントベース部材6Bの水平貫通穴637にねじ部材105の棒状部分を挿通させて、水平貫通穴637の前面側の開口の周縁にねじ部材105の頭部が係止された状態で、ねじ部材105の先端側のねじ部分が、垂直プレート22Bの垂直面側取付ねじ穴225に螺合される。このようにして、垂直プレート22Bの固定側面202Bは、フロントベース部材6Bの後ろ面60cにおいて、フロントベース部材6Bを固定する。
【0097】
以上説明した第2実施形態の昇降装置10Bによれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の昇降装置10Bは、便器装置1Bの便器4の上部に配置される機能部5の機能部材を昇降させる昇降装置10Bであって、機能部5の機能部材を支持するフロントベース部材6Bと、フロントベース部材6Bの上面60aに配置され上面60aにおいてフロントベース部材6Bを固定する第1水平プレート21Bの固定下面201B、及びフロントベース部材6Bの後ろ面60cに配置され後ろ面60cにおいてフロントベース部材6Bを固定する垂直プレート22Bの固定側面202Bを有する可動部材20Bと、を備える。
そのため、可動部材20Bは、フロントベース部材6Bの上面60a及び後ろ面60cにおいて、フロントベース部材6Bを固定する。よって、可動部材20Bの変形が少ない状態でフロントベース部材6Bを可動部材20Bに固定するため、可動部材20Bが変形することを低減できる。
また、可動部材20Bは、フロントベース部材6を下方から支持するプレート(例えば、第1実施形態における第2水平プレート23)を備えていない。そのため、フロントベース部材6の下方側の凸凹を無くすことができる。よって、フロントベース部材6の上昇時において、フロントベース部材6の下方側の清掃性を向上させることができる。
【0098】
次に、本発明の第3実施形態に係る便器装置1Cの構成について、図14を参照して説明する。なお、第3実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第3実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、第3実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
【0099】
図14に示すように、第3実施形態に係る便器装置1Cの昇降装置10Cにおいては、第1実施形態の昇降装置10に比べて、可動部材20Cが、第1実施形態の第1水平プレート21を有していない点及び第2水平プレート23Cの固定上面203C(第1固定面)においてフロントベース部材6Cを固定している点において主に異なる。
【0100】
第3実施形態の昇降装置10Cは、フロントベース部材6Cと、可動部材20Cと、駆動装置30と、を備える。
【0101】
接続ボックス部63Cは、図14に示すように、上面60aと、他の面としての下面60bと、一の面としての後ろ面60cと、一対の側面60d、60dと、を有する。フロントベース部材6Cの接続ボックス部63Cには、水平貫通穴638と、垂直貫通穴639と、が形成される。
水平貫通穴638は、接続ボックス部63Cの後ろ面60cから前後方向Yに貫通する。水平貫通穴638は、フロントベース部材6Cが可動部材20Cに配置された状態において、可動部材20Cの垂直プレート22Cの垂直面側取付ねじ穴226及び水平貫通穴638が連通するように、可動部材20Cの垂直プレート22Cの垂直面側取付ねじ穴226(後述)に対応して配置される。
垂直貫通穴639は、接続ボックス部63Cの上面60aから下方に延びる。垂直貫通穴639は、フロントベース部材6Cが可動部材20Cに配置された状態において、可動部材20Cの第2水平プレート23Cの上面側取付ねじ穴236及び垂直貫通穴639が連通するように、可動部材20Cの第2水平プレート23Cの上面側取付ねじ穴236(後述)に対応して配置される。
【0102】
可動部材20Cは、図14に示すように、垂直プレート22Cと、第2水平プレート23Cと、を有する。可動部材20Cの垂直プレート22Cの及び第2水平プレート23Cは、垂直プレート22Cの固定側面202C(第1固定面)及び第2水平プレート23Cの固定上面203C(第2固定面)において、フロントベース部材6Cを固定する。
【0103】
垂直プレート22Cは、垂直方向に広がるように延びる。垂直プレート22Cは、固定側面202C(第1固定面)を有する。固定側面202Cは、垂直プレート22Cにおけるフロントベース部材6Cが配置される側の面である。垂直プレート22Cは、前後方向Yに貫通する垂直面側取付ねじ穴226を有する。
垂直プレート22Cの固定側面202Cは、フロントベース部材6Cの接続ボックス部63Cの後ろ面60cに配置され、接続ボックス部63Cの後ろ面60cにおいて、ねじ部材107により、フロントベース部材6Cを固定する。
【0104】
第2水平プレート23Cは、垂直プレート22Cに直交して配置され、水平方向に広がるように延びる。第2水平プレート23Cは、垂直プレート22Cの下端部から前方Y1に延びる。第2水平プレート23Cは、固定上面203C(第2固定面)を有する。固定上面203Cは、第2水平プレート23Cにおけるフロントベース部材6Cが配置される側の面である。第2水平プレート23Cは、垂直方向Zに貫通する上面側取付ねじ穴236を有する。
第2水平プレート23Cの固定上面203Cは、フロントベース部材6Bの接続ボックス部63Cの下面60bに配置され、接続ボックス部63Cの下面60bにおいて、ねじ部材106により、フロントベース部材6Cを固定する。
【0105】
以上のように構成される垂直プレート22Cの固定側面202C及び第2水平プレート23Cの固定上面203Cには、次のように、フロントベース部材6Cが固定される。
まず、フロントベース部材6Cが可動部材20Cに配置された状態において、ねじ部材106を上方から下方に移動させる。これにより、フロントベース部材6Cの垂直貫通穴639にねじ部材106の棒状部分を挿通させて、垂直貫通穴639の上面側の開口の周縁にねじ部材106の頭部が係止された状態で、ねじ部材106の先端側のねじ部分が、第2水平プレート23Cの垂直面側取付ねじ穴236に螺合される。このようにして、第2水平プレート23Cの固定上面203Cは、フロントベース部材6Cの下面60bにおいて、フロントベース部材6Cを固定する。
【0106】
また、フロントベース部材6Cが可動部材20Cに配置された状態において、ねじ部材107を前方Y1側から後方Y2側に移動させる。これにより、フロントベース部材6Cの水平貫通穴638にねじ部材107の棒状部分を挿通させて、水平貫通穴638の前面側の開口の周縁にねじ部材107の頭部が係止された状態で、ねじ部材107の先端側のねじ部分が、垂直プレート22Cの垂直面側取付ねじ穴226に螺合される。このようにして、垂直プレート22Cの固定側面202Cは、フロントベース部材6Cの後ろ面60cにおいて、フロントベース部材6Cを固定する。
【0107】
以上説明した第3実施形態の昇降装置10Cによれば、以下のような効果を奏する。
本実施形態の昇降装置10Cは、便器装置1Cの便器4の上部に配置される機能部5の機能部材を昇降させる昇降装置10Cであって、機能部5の機能部材を支持するフロントベース部材6Cと、フロントベース部材6Cの後ろ面60cに配置され後ろ面60cにおいてフロントベース部材6Cを固定する垂直プレート22Cの固定側面202C、及びフロントベース部材6Cの下面60bに配置され下面60bにおいてフロントベース部材6Cを固定する第2水平プレート23Cの固定上面203Cを有する可動部材20Cと、を備える。
そのため、可動部材20Cは、フロントベース部材6Cの下面60b及び後ろ面60cにおいて、フロントベース部材6Cを固定する。よって、可動部材20Cの変形が少ない状態でフロントベース部材6Cを可動部材20Cに固定するため、可動部材20Cが変形することを低減できる。
【0108】
次に、本発明の第4実施形態に係る昇降装置10Dの構成について、図15を参照して説明する。なお、第4実施形態では、主に第1実施形態との相違点について説明する。第4実施形態では、第1実施形態と同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明する。また、第4実施形態では、第1実施形態と重複する説明を適宜に省略する。
【0109】
図15に示すように、第4実施形態に係る便器装置1Dの昇降装置10Dにおいては、第1実施形態において第1水平プレート21の固定下面201(第1固定面)が接続ボックス部63の最も上方側の上面60aにおいてフロントベース部材6を固定するのに対して、第1水平プレート21Dの固定下面201D(第1固定面)が接続ボックス部63Dの垂直方向Zの途中の凹部630の上方側を向く受け面630aにおいてフロントベース部材6を固定する点が、主に異なる。また、第4実施形態においては、第1実施形態と比べて、フロントベース部材6Dの接続ボックス部63Dの形状が異なると共に、可動部材20Dの垂直プレート22Dが第1水平プレート21Dよりも上方まで延びている点において異なる。
【0110】
第4実施形態の昇降装置10Dは、フロントベース部材6Dと、可動部材20Dと、駆動装置30と、を備える。
【0111】
接続ボックス部63Dは、図15に示すように、接続ボックス部63Dの後端部の垂直方向Zの途中において、接続ボックス部63Dの後端部から前方側に略水平方向に窪む凹部630を有する。
【0112】
接続ボックス部63Dは、図15に示すように、一の面としての受け面630aと、他の面としての下面60bと、後ろ面60cと、一対の側面60d、60dと、を有する。
受け面630aは、凹部630における下方側の面で且つ上方側を向く面あって、可動部材20Dの第1水平プレート21D(後述)を受ける面である。
【0113】
可動部材20Dは、図15に示すように、第1水平プレート21Dと、垂直プレート22Dと、第2水平プレート23Dと、を有する。可動部材20Dの第1水平プレート21D及び第2水平プレート23Dは、第1水平プレート21Dの固定下面201D(第1固定面)及び第2水平プレート23Dの固定上面203D(第2固定面)において、フロントベース部材6Dを固定する。
【0114】
第1水平プレート21Dは、水平方向に広がるように延びる。第1水平プレート21Dは、固定下面201D(第1固定面)を有する。固定下面201Dは、第1水平プレート21Dにおけるフロントベース部材6Dの凹部630の受け面630aが配置される側の面である。第1水平プレート21Dの後端部には、垂直プレート22Dが接続される。
第1水平プレート21Dの固定下面201Dは、フロントベース部材6Dの接続ボックス部63Dの受け面630aの上部に配置され、接続ボックス部63Dの受け面630aにおいて、ねじ部材101により、フロントベース部材6Dを固定する。
【0115】
垂直プレート22Dは、第1水平プレート21Dに直交して配置され、垂直方向に広がるように延びる。垂直プレート22Dは、第1水平プレート21Dの後方側の端部よりも上方から第1水平プレート21Dの後方側の端部を通り下方に延びる。
【0116】
第2水平プレート23Dは、垂直プレート22Dに直交して配置され、水平方向に広がるように延びる。第2水平プレート23Dは、垂直プレート22Dの下端部から前方Y1側に延びる。第2水平プレート23Dは、固定上面203D(第2固定面)を有する。固定上面203Dは、第2水平プレート23Dにおけるフロントベース部材6Dが配置される側の面である。
第2水平プレート23Dの固定上面203Dは、フロントベース部材6Dの接続ボックス部63Dの下面60bに配置され、接続ボックス部63Dの下面60bにおいて、ねじ部材102により、フロントベース部材6Dを固定する。
【0117】
以上のように構成される昇降装置10Dにおいては、可動部材20Dの第1水平プレート21D及び第2水平プレート23Dは、第1水平プレート21Dの固定下面201D(第1固定面)及び第2水平プレート23Dの固定上面203D(第2固定面)において、フロントベース部材6Dを固定する。第1水平プレート21Dの固定下面201D(第1固定面)は、フロントベース部材6Dの受け面630aにおいてフロントベース部材6Dを固定する。
このように、本発明には、第1水平プレート21の固定下面201(第1固定面)が接続ボックス部63の最も上方側の上面60aにおいてフロントベース部材6を固定する前記第1実施形態に限定されず、第4実施形態のように、第1水平プレート21Dの固定下面201D(第1固定面)が接続ボックス部63Dの垂直方向Zの途中の凹部630の上方側を向く受け面630aにおいてフロントベース部材6Dを固定する形態も含まれる。
【0118】
以上、本発明の昇降装置の好ましい一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
例えば、前記第1実施形態において、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部を第2水平プレート23の下面取付用ねじ穴232a,232bに螺合して、フロントベース部材6を可動部材20の第2水平プレート23の固定上面203に固定するように構成したが、これに限定されない。例えば、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部を第2水平プレート23を貫通させて、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部をナットにより螺合することで、フロントベース部材6を可動部材20の第2水平プレート23に固定するように構成してもよい。
【0119】
また、前記第1実施形態において、下面固定用長尺ねじ部材102と第2水平プレート23の下面取付用ねじ穴232a,232bとの固定の強度を向上させるために、第2水平プレート23における下面取付用ねじ穴232a,232bの周縁において、第2水平プレート23の上面から上方に突出する凸部を形成するバーリング加工を施してもよい。第2水平プレート23における下面取付用ねじ穴232a,232bの周縁に凸部を形成することで、下面取付用ねじ穴232a,232bにおけるねじ山数を確保して、下面取付用ねじ穴232a,232bにおける固定の強度を向上できる。また、下面固定用長尺ねじ部材102の先端部をナットにより螺合するよりも、コストを低減できる。
【0120】
また、前記実施形態では、可動部材20を駆動装置30により昇降させる構成としたが、これに限定されない。可動部材20を手動で昇降させる構成としてもよい。
【0121】
また、前記第1実施形態においては、可動部材20の第1水平プレート21、垂直プレート22及び第2水平プレート23は、第1水平プレート21の固定下面201、垂直プレート22の固定側面202及び第2水平プレート23の固定上面203において、フロントベース部材6を固定しているが、これに限定されない。例えば、前記第1実施形態において、垂直プレート22を備えない構成であってもよい。この場合には、可動部材20の第1水平プレート21及び第2水平プレート23は、第1水平プレート21の固定下面201及び第2水平プレート23の固定上面203において、フロントベース部材6を固定する。
【0122】
また、前記実施形態では、可動部材20を駆動装置30により垂直方向Zに昇降して移動させる構成としたが、これに限定されない。可動部材20の昇降には、垂直方向に対して傾斜した斜め上下方向に移動する場合や、回動して昇降する場合も含まれる。
【0123】
また、前記第2実施形態及び前記第3実施形態では、フロントベース部材の側面を、後ろ面としたが、これに限定されない。フロントベース部材の側面は、フロントベース部材の後ろ面、前面又は左右方向の両側のいずれかの側面であってもよい。例えば、前記第2実施形態及び前記第3実施形態においては、側面としての後ろ面でフロントベース部材を固定しているが、側面としての前面においてフロントベース部材を固定してもよいし、左右方向の両側のいずれかの側面においてフロントベース部材を固定してもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 便器装置
4 便器
5 機能部(上部構成部)
6、6B、6C、6D フロントベース部材(ベース部材)
10、10B、10C、10D 昇降装置
20、20A、20B、20C,20D 可動部材
60a 上面(一の面、受け面)
60b 下面(他の面)
60c 後ろ面(側面、他の面、一の面)
63、63B、63C、63D 接続ボックス部(接続部)
101 上面固定用ねじ部材(第1固定部材)
102 下面固定用長尺ねじ部材(第2固定部材)
201 固定下面(第1固定面)
201B 固定下面(第1固定面)
201D 固定下面(第1固定面)
202B 固定側面(第2固定面
202C 固定側面(第1固定面)
203 固定上面(第2固定面)
203C 固定上面(第2固定面)
203D 固定上面(第2固定面)
600a 受け面
K1 第1固定位置
K2 第2固定位置
図1
図2
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図10
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図12A
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