特許第6672009号(P6672009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6672009
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】車両のハンドル装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 79/06 20140101AFI20200316BHJP
   E05B 85/12 20140101ALI20200316BHJP
【FI】
   E05B79/06 A
   E05B85/12 B
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-32919(P2016-32919)
(22)【出願日】2016年2月24日
(65)【公開番号】特開2017-150205(P2017-150205A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年10月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000170598
【氏名又は名称】株式会社アルファ
(74)【代理人】
【識別番号】100093986
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 雅男
(74)【代理人】
【識別番号】100128864
【弁理士】
【氏名又は名称】川岡 秀男
(72)【発明者】
【氏名】大熊 諒也
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−336380(JP,A)
【文献】 実開昭59−160754(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0038074(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 − 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のドアへの取付部を備えたハンドルベースと、
前記ハンドルベースに初期回転位置と操作回転位置との間で回転自在に連結されるロックノブとを有し、
前記ロックノブは、軸形成部を備えてハンドルベースの表面側から裏面方向に所定の移動経路を移動可能に形成されるとともに、
該ロックノブには、ドア内に配置されるドアロック装置に一端が連結される操作力伝達部材の他端部に形成されたノブ連結端に弾発的に係止可能な伝達部材連結部が設けられ、
前記ハンドルベースには、前記移動経路に沿ったロックノブの移動操作により前記軸形成部を弾発的に係止可能な軸形成部受容部と、
前記ノブ連結端を前記伝達部材連結部の連結操作力に比して大きな保持力で離脱可能に保持する保持部とが設けられ、
かつ、前記ハンドルベースのドアへの取付部が、前記ロックノブの全回転姿勢におけるハンドルベースへの正面からの投影領域に配置されている車両のハンドル装置。
【請求項2】
ハンドルベース、およびハンドルベースに回転自在に連結されるロックノブを有するハンドル装置を車両のドアに取り付けるハンドル装置の取付方法であって、
前記ハンドルベースには、ドアに固定されるドアロック装置に一端が連結される操作力伝達部材の他端部に形成されたノブ連結端が保持され、
前記ドアに前記ハンドルベースを前記ロックノブにより覆われる位置において固定した後、
ロックノブをハンドルベースの表面側から該ハンドルベースに弾発係止させて前記ハンドルベースのドアへの固定部位をロックノブにより覆うとともに、該ロックノブをハンドルベースに対して回転自在に連結し、
かつ、前記ロックノブのハンドルベースの弾発係止動作時に該ロックノブに前記ノブ連結端を弾発係止させて連結するハンドル装置の取付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハンドル装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両のハンドル装置としては、特許文献1に記載のものが知られている。この従来例において、ハンドル装置は、ベース(ハンドルベース)にインサイドハンドルとロックノブとを連結して形成され、ハンドルベースに開設した挿通孔を挿通するネジ部材を使用してドアに固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-87600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来例において、ハンドル装置をドアに固定した状態において、ネジ部材の頭部が外部に露出するために、見栄えが悪いという問題がある。
【0005】
この問題は、ネジ頭部をハンドルベースに装着されるキャップ等により覆い隠すことにより解消可能であるが、この場合、キャップ等が必要となり、コスト上昇要因となる。
【0006】
本発明は、以上の欠点を解消すべくなされたものであって、美観を損なうことなく安価な車両のハンドル装置の提供を目的とする。
【0007】
また、本発明に他の目的は、上記ハンドル装置の取付方法の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば上記目的は、
車両のドアへの取付部1を備えたハンドルベース2と、
前記ハンドルベース2に初期回転位置と操作回転位置との間で回転自在に連結されるロックノブ3とを有し、
前記ロックノブ3は、軸形成部4を備えてハンドルベース2の表面側から裏面方向に所定の移動経路を移動可能に形成されるとともに、
該ロックノブ3には、ドア内に配置されるドアロック装置6に一端が連結される操作力伝達部材7の他端部に形成されたノブ連結端8に弾発的に係止可能な伝達部材連結部9が設けられ、
前記ハンドルベース2には、前記移動経路に沿ったロックノブ3の移動操作により前記軸形成部4を弾発的に係止可能な軸形成部受容部5と、
前記ノブ連結端8を前記伝達部材連結部9の連結操作力に比して大きな保持力で離脱可能に保持する保持部10とが設けられ、
かつ、前記ハンドルベース2のドアへの取付部1が、前記ロックノブ3の全回転姿勢におけるハンドルベース2への正面からの投影領域に配置されている車両のハンドル装置をハンドル装置により達成される。
【0009】
ハンドル装置は、ハンドルベース2に連結されるロックノブ3を有して構成され、ハンドルベース2に形成された取付部1においてドアに固定される。
【0010】
また、ロックノブ3は、ハンドルベース2に連結された状態で非操作状態に対応する初期回転位置と、所定のストローク回転操作してドアロック装置6に対するラッチ解除動作等を行う操作回転位置との間で回転操作される。
【0011】
ハンドルベース2の取付部1をロックノブ3の全回転姿勢におけるハンドルベース2への正面からの投影領域に配置する本発明において、取付部1が孔状に形成され、止着子等を使用した取り付け作業が行われるような場合には、取付部1に装着される止着子の頭部はロックノブ3により覆われて視界から遮断されるために、特別な頭部を覆う部材が不要になり、コスト低減が可能になる。
【0013】
本発明において、ハンドル装置は、ハンドルベース2とロックノブ3とを有し、ロックノブ3にはハンドルベース2に形成される軸形成部受容部5に弾発係止可能な軸形成部4が設けられる。
【0014】
ロックノブ3は、ハンドルベース2に形成される適宜のガイド部にガイドされてハンドルベース2の表面側から裏面方向に所定間隔、所定の移動経路に沿って移動可能に形成され、結果、軸形成部4も所定の移動経路に沿って移動することができる。
【0015】
一方、ハンドルベース2に形成される軸形成部受容部5は、ロックノブ3がハンドルベース2の表面側から裏面に向かう移動経路を移動操作されると、軸形成部4と軸形成部受容部5とが弾発的に係止し合ってロックノブ3の回転軸が形成される。
【0016】
したがって本発明において、まず、ハンドルベース2を車両に固定した後、単にロックノブ3を押し込むだけで車両に取り付けることができるために、別途ロックノブ3のハンドルベース2への連結操作が不要となり、車両への取り付け作業性を向上させることが可能になる。
【0018】
ロックノブ3には操作力伝達部材7のノブ連結端8を弾発的に係止可能な伝達部材連結部9が設けられ、さらに、ハンドルベース2には、ノブ連結端8を移動経路の終端方向に離脱可能に保持する保持部10が設けられる。
【0019】
したがって本発明において、ノブ連結端8を保持部10に予め保持した状態でロックノブ3の連結操作を行うと、ロックノブ3の伝達部材連結部9は連結動作途上においてノブ連結端8を弾発係止するために、別途の連結操作が不要となり、ドアへの取り付け作業性をさらに向上させることが可能になる。
【0020】
また、上記目的を達成するための本発明の他の態様として、
ハンドルベース2、およびハンドルベース2に回転自在に連結されるロックノブ3を有するハンドル装置を車両のドアに取り付けるハンドル装置の取付方法であって、
前記ハンドルベース2には、ドアに固定されるドアロック装置6に一端が連結される操作力伝達部材9の他端部に形成されたノブ連結端8が保持され、
前記ドアに前記ハンドルベース2を前記ロックノブ3により覆われる位置において固定した後、
ロックノブ3をハンドルベース2の表面側から該ハンドルベース2に弾発係止させて前記ハンドルベース2のドアへの固定部位をロックノブ3により覆うとともに、該ロックノブ3をハンドルベース2に対して回転自在に連結し、
かつ、前記ロックノブ3のハンドルベース2の弾発係止動作時に該ロックノブ3に前記ノブ連結端8を弾発係止させて連結するハンドル装置の取付方法を構成することができる。
【0021】
ハンドル装置を車両に固定するに際し、まず、ハンドルベース2を車両のドアに固定し、その後、固定部位を覆うようにしてロックノブ3を装着して該ロックノブ3をハンドルベース2に回転自在に連結する。
【0022】
したがって本発明において、ハンドルベース2のドアへの固定部位がその後に装着されるロックノブ3により覆われるために、別途固定部を覆う部品を要することがないために、製造コストを低減させることが可能になる。
【0024】
本発明において、ロックノブ3の装着操作とともに、ロックノブ3へのノブ連結端8の連結操作も行うことができるために、組み付け作業性を向上させることが可能になる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ハンドルベースのドアへの取付部をロックノブにより覆うために、美観が向上し、かつ、特別の遮蔽部品を要しないために、コスト上昇をもたらすこともない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明を示す正面図である。
図2】本発明の背面図である。
図3図1の3A-3A線断面図である。
図4】本発明の要部断面図で、(a)は図1の4A-4A線断面図、(b)は図2の4B-4B線断面図である。
図5】ハンドル装置の組立状態を示す図で、(a)はドアにハンドルベースを固定した状態を示す図、(b)は(a)の5B-5B線断面図である。
図6】ロックノブの装着操作を示す図で、(a)は図4(a)に対応する図、(b)は図6(a)の要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1以下に車両のインサイドハンドル装置として構成された本発明の実施の形態を示す。
【0028】
図1に示すように、インサイドハンドル装置は、ハンドルベース2に操作ハンドル11とロックノブ3とを回転中心(C)周りに回転自在に連結して形成される。操作ハンドル11とロックノブ3は、各々操作力伝達部材7としてのケーブル装置を介してドア内に固定されるドアロック装置6に連結される。
【0029】
操作ハンドル11とロックノブ3は各々独立に、図4(a)に示す初期回転位置と、図4(a)において回転中心(C)周りに時計回りに回転させた操作回転位置との間で回転操作可能であり、操作ハンドル11を操作することにより、ドアの閉塞状態を保持するためにドアロック装置6に組み込まれたラッチの解除を行うことができ、ロックノブ3を操作回転位置まで回転操作すると、操作ハンドル11によるラッチ解除操作を禁止することができる。
【0030】
上記ハンドルベース2は周縁を立ち上がり壁としたトレイ形状に形成されており、操作ハンドル11は、図3に示すように、対向する一対の周壁13間に設けられるヒンジ支持壁12と一方の対向周壁13との間に固定されるハンドル用枢軸14によりハンドルベース2に軸支される。
【0031】
また、操作ハンドル11のハンドル用枢軸14周りにはトーションスプリング15が巻装されており、操作ハンドル11を初期位置側に付勢している。
【0032】
これに対して、ロックノブ3は、他方の対向周壁13とヒンジ支持壁12に形成される突出軸状の軸形成部受容部5を孔状の軸形成部4に嵌合させることによりハンドルベース2に連結される。
【0033】
さらに、上記ケーブル装置7は、図2に示すように、アウターケーブル7a内にインナーケーブル7bを移動自在に挿通させて形成されており、インナーケーブル7bの先端には、インナーケーブルの挿通方向に対してL字形状に折れ曲がったピン状のノブ連結端8が固定される。
【0034】
図4に示すように、上記ケーブル装置7とロックノブ3とは、ケーブル装置7側のノブ連結端8をロックノブ3に形成された伝達部材連結部9に弾発的に係止させることにより相互に連結される。
【0035】
以上のハンドルベース2は、底壁部に開設された孔状の取付部1を貫通する図外のビス等の止着子を使用してドアに固定される。ドアに固定した状態で止着子の頭部が外部に露出しないように、図1図4(a)に示すように、取付部1はロックノブ3により覆われる位置に配置される。
【0036】
図5、6に以上のように構成されるインサイドハンドル装置を車両のドアに取り付ける方法を示す。まず、ドアへの取り付けに際し、ハンドルベース2には操作ハンドル11が予め組み込まれ、この状態のハンドルベース2をドアに固定する。上述したように、ドアへの固定は、取付部1に止着子を装着して行われる。
【0037】
以上のようにしてハンドルベース2を固定した後、ロックノブ3を連結する。ロックノブ3のハンドルベース2への連結は、該ハンドルベース2が既にドアに固定されていることから、ハンドルベース2の表面側から裏面方向に押し込んで行われる。
【0038】
ハンドルベース2には、上記ロックノブ3が押し込み方向に移動するスペースが形成されており、ロックノブ3は、図外のガイド部にガイドされて、図5(b)、図6(b)において矢印で示すように、表面側から裏面側に向かう所定の移動経路を移動することができる。
【0039】
ロックノブ3を移動経路に沿って押し込むと、図5(b)に示すように、ロックノブ3の軸形成部4は、移動経路終点に形成されたハンドルベース2上の軸形成部受容部5に当接し、この状態からさらにロックノブ3を押し込むと、ハンドルベース2の対向周壁13が一旦弾性的に撓んで軸形成部4を軸形成部受容部5に受容した後、原位置に復帰し、軸形成部4と軸形成部受容部5とが弾発係止する。
【0040】
ロックノブ3の押し込み操作によって軸形成部受容部5間の間隔を広げる力を発生させるために、ロックノブ3と軸形成部受容部5にはガイド斜面16が形成される。
【0041】
さらに、図6に示すように、ロックノブ3の伝達部材連結部9は、係止操作のための方向が移動経路終点側を向くように、該移動終点側、すなわち、裏面側に開口を向けたほぼ馬蹄形状に形成されている。この伝達部材連結部9は開口端に突出部9aを設けることにより、開口部の間隔(D9)がノブ連結端8の直径(D8)に比してやや狭くされており、ノブ連結端8を弾発的に係止することができるように形成される。
【0042】
また、ハンドルベース2には上記ノブ連結端8を仮保持するための保持部10が設けられる。保持部10はロックノブ3の移動経路終端側を開口させた馬蹄形状を有しており、ロックノブ3の移動経路途上に配置される。
【0043】
この保持部10の開口端の幅寸法は、ノブ連結端8の直径に比してやや小寸(寸法D10)に形成され、該ノブ連結端8を離脱可能に弾発係止することができ、この状態で、ノブ連結端8は、ロックノブ3の伝達部材連結部9の移動経路上に自由端部を突き出した状態で保持される。
【0044】
したがって本例において、ハンドルベース2のドアへの固定後、ロックノブ3の装着動作に先立って、まず、ノブ連結端8を保持部10に嵌合させ、この後、ロックノブ3を押し込むと、ロックノブ3の伝達部材連結部9がノブ連結端8に当接する。
【0045】
図6(b)に示すように、伝達部材連結部9の開口がノブ連結端8に正確に正対するように、軸形成部受容部5にはガイド平面5aが形成されるとともに、ロックノブ3には、上記ガイド平面5aに摺接する円弧状膨隆部3aが形成される。
【0046】
また、伝達部材連結部9と保持部10のノブ連結端8に対する保持力は、開口端間の幅寸法等を調整することによって保持部10の保持力が伝達部材連結部9の保持力に比して大きくなるように設定されている。このために、伝達部材連結部9がノブ連結端8に当接した後、さらに押し込み力をロックノブ3に加えると、保持部10は伝達部材連結部9とノブ連結端8とが弾発係止するまでノブ連結端8を保持することができ、この後、さらにロックノブ3に押し込み操作力を加えると、ノブ連結端8は保持部10から離脱する。
【0047】
したがって本例において、ロックノブ3の装着操作に伴ってノブ連結端8の連結操作も完了するために、組み付け作業性を向上させることができ、さらに、ハンドルベース2をドアに固定した後、適宜タイミングで操作ハンドル11にケーブル装置7を連結することによりドアへの組み付けが完了する。
【符号の説明】
【0048】
1 取付部
2 ハンドルベース
3 ロックノブ
4 軸形成部
5 軸形成部受容部
6 ドアロック装置
7 操作力伝達部材
8 ノブ連結端
9 伝達部材連結部
10 保持部
図1
図2
図3
図4
図5
図6