特許第6672012号(P6672012)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6672012コンクリート冷却装置及びコンクリート冷却方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6672012
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】コンクリート冷却装置及びコンクリート冷却方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/02 20060101AFI20200316BHJP
   F25D 9/00 20060101ALI20200316BHJP
   B28B 11/24 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   E04G21/02 104
   F25D9/00 B
   B28B11/24
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-35423(P2016-35423)
(22)【出願日】2016年2月26日
(65)【公開番号】特開2017-150266(P2017-150266A)
(43)【公開日】2017年8月31日
【審査請求日】2018年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000174943
【氏名又は名称】三井住友建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】樋口 正典
(72)【発明者】
【氏名】斯波 明宏
(72)【発明者】
【氏名】村尾 光則
【審査官】 松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−089357(JP,A)
【文献】 特開2014−005716(JP,A)
【文献】 特開2013−185296(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2012−0082559(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02G21/00−21/10
B28B11/24
F25D9/00
E21D11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
打設されるコンクリート内に配置された冷却管に所望の温度の流体を供給して該コンクリートの温度を制御するコンクリート冷却装置において、
前記打設されるコンクリートよりも低い温度である第1の温度の第1流体を収容する第1流体収容手段と、
該第1の温度よりも低い第2の温度の第2流体を収容する第2流体収容手段と、
前記コンクリートの温度を測定する温度測定手段と、
前記第1流体収容手段に収容されている第1流体と前記第2流体収容手段に収容されている第2流体とを前記冷却管に供給する流体供給手段と、
前記温度測定手段により測定される温度が所定の温度となるように前記冷却管に供給される第1流体の供給量及び前記冷却管に供給される第2流体の供給量の割合を制御する流体供給制御手段とを備え、
前記流体供給手段を、前記流体供給制御手段と前記冷却管との間に介装したことを特徴とするコンクリート冷却装置。
【請求項2】
前記第1の温度は室温である
ことを特徴とする請求項1に記載のコンクリート冷却装置。
【請求項3】
前記第1流体及び前記第2流体は水である、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート冷却装置。
【請求項4】
前記第1流体及び前記第2流体は空気であり、
前記流体供給制御手段は、前記冷却管に供給される第1流体の供給量及び該冷却管に供給される第2流体の供給量の割合と、これらの流体の前記冷却管への単位時間当たりの供給量と、を制御するように構成された、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のコンクリート冷却装置。
【請求項5】
請求項1記載のコンクリート冷却装置におけるコンクリート冷却方法は、
前記打設されるコンクリートよりも低い温度である第1の温度の第1流体を第1流体収容手段に収容する工程と、
該第1の温度よりも低い第2の温度の第2流体を第2流体収容手段に収容する工程と、
前記コンクリートの温度を温度測定手段により測定する工程と、
前記第1流体収容手段に収容されている第1流体と前記第2流体収容手段に収容されている第2流体とを流体供給手段により前記冷却管に供給する工程と、
前記温度測定手段により測定される温度が所定の温度となるように前記冷却管に供給される第1流体の供給量及び前記冷却管に供給される第2流体の供給量の割合を流体供給制御手段により制御する工程と、
を備えたことを特徴とするコンクリート冷却方法。
【請求項6】
前記第1の温度は室温である、
ことを特徴とする請求項5に記載のコンクリート冷却方法。

【請求項7】
前記第1流体及び前記第2流体は水である、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のコンクリート冷却方法。
【請求項8】
前記第1流体及び前記第2流体は空気であり、
前記冷却管に供給される第1流体の供給量及び該冷却管に供給される第2流体の供給量の割合、並びにこれらの流体の前記冷却管への単位時間当たりの供給量を制御する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のコンクリート冷却方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、打設されるコンクリート内に配置された冷却管に所望の温度の流体を供給して該コンクリートの温度を制御するコンクリート冷却装置及びコンクリート冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、打設されるコンクリート内に配置された冷却管に所望の温度の流体を供給して該コンクリートの温度を制御することによりひび割れの発生を抑制又は防止するコンクリート冷却装置については種々の構造のものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
図4は、そのようなコンクリート冷却装置の従来構成の一例を示すブロック図であり、符号Cは、打設されるコンクリートを示し、符号13は、該コンクリートCに埋設される温度測定手段(熱電対)を示し、符号14は、該コンクリートCに埋設される冷却管を示し、符号12は、該冷却管14に供給される流体(水)FL0を収容する水槽を示し、符号17は、該流体FL0を冷却するチラーユニット(流体冷却手段)を示している。該チラーユニット17により冷却された流体FL0は前記水槽12に溜められ、適宜前記冷却管14に送られて前記コンクリートCを冷却し、ひび割れの発生を抑制又は防止することとなる。そして、前記温度測定手段13により測定される温度が適正となるように前記チラーユニット17による温度調整が行われるようになっていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】「NETIS、新技術情報提供システム、自立水温制御パイプクーリングシステム“WITP−Cool 3A”」、[online]、[平成27年11月30日検索]、インターネット(http://www.netis.mlit.go.jp/NetisRev/Search/NtDetail1.asp?REG_NO=QSK-150003)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のコンクリート冷却装置11では前記流体FL0の温度制御は前記チラーユニット17によって行うようになっているので、前記冷却管14に供給される流体の温度を短時間で一気に変えることはできずにタイムラグが生じてしまい、打設されるコンクリートの温度を最適に制御することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、上述の問題を解消することのできるコンクリート冷却装置及びコンクリート冷却方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、図1に例示するものであって、打設されるコンクリート(C)内に配置された冷却管(4)に所望の温度の流体を供給して該コンクリート(C)の温度を制御するコンクリート冷却装置(1)において、
前記打設されるコンクリート(C)よりも低い温度である第1の温度の第1流体(FL1)を収容する第1流体収容手段(2A)と、
該第1の温度よりも低い第2の温度の第2流体(FL2)を収容する第2流体収容手段(2B)と、
前記コンクリート(C)の温度を測定する温度測定手段(3)と、
前記第1流体収容手段(2A)に収容されている第1流体(FL1)と前記第2流体収容手段(2B)に収容されている第2流体(FL2)とを前記冷却管(4)に供給する流体供給手段(5)と、
前記温度測定手段(3)により測定される温度が所定の温度となるように前記冷却管(4)に供給される第1流体(FL1)の供給量及び前記冷却管(4)に供給される第2流体(FL2)の供給量の割合を制御する流体供給制御手段(6)と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2の観点は、前記第1の温度が室温程度の温度であることを特徴とする。
【0009】
本発明の第3の観点は、前記第1流体(FL1)及び前記第2流体(FL2)が水であることを特徴とする。
【0010】
本発明の第4の観点は、前記第1流体(FL1)及び前記第2流体(FL2)が空気であり、
前記流体供給制御手段(6)は、前記冷却管(4)に供給される第1流体(FL1)の供給量及び該冷却管(4)に供給される第2流体(FL2)の供給量の割合と、これらの流体(FL1,FL2)の前記冷却管(4)への単位時間当たりの供給量と、を制御するように構成されたことを特徴とする。
【0011】
本発明の第5の観点は、打設されるコンクリート(C)内に配置された冷却管(4)に所望の温度の流体を供給して該コンクリート(C)の温度を制御するコンクリート冷却方法において、
前記打設されるコンクリート(C)よりも低い温度である第1の温度の第1流体(FL1)を第1流体収容手段(2A)に収容する工程と、
該第1の温度よりも低い第2の温度の第2流体(FL2)を第2流体収容手段(2B)に収容する工程と、
前記コンクリート(C)の温度を温度測定手段(3)により測定する工程と、
前記第1流体収容手段(2A)に収容されている第1流体(FL1)と前記第2流体収容手段(2B)に収容されている第2流体(FL2)とを流体供給手段(5)により前記冷却管(4)に供給する工程と、
前記温度測定手段(3)により測定される温度が所定の温度となるように前記冷却管(4)に供給される第1流体(FL1)の供給量及び前記冷却管(4)に供給される第2流体(FL2)の供給量の割合を流体供給制御手段(6)により制御する工程と、を備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の第6の観点は、前記第1の温度が室温程度の温度であることを特徴とする。
【0013】
本発明の第7の観点は、前記第1流体(FL1)及び前記第2流体(FL2)が水であることを特徴とする。
【0014】
本発明の第8の観点は、前記第1流体(FL1)及び前記第2流体(FL2)が空気であり、
前記冷却管(4)に供給される第1流体(FL1)の供給量及び該冷却管(4)に供給される第2流体(FL2)の供給量の割合、並びにこれらの流体(FL1,FL2)の前記冷却管(4)への単位時間当たりの供給量を制御することを特徴とする。
【0015】
なお、括弧内の番号などは、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【発明の効果】
【0016】
上記した第1乃至8の観点によれば、前記冷却管に供給される流体(前記第1及び第2流体が混合された流体)の温度を短時間で一気に変えることができ、打設されるコンクリートの温度を最適に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明に係るコンクリート冷却装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2図2(a)は、10℃、15℃、20℃、25℃及び30℃の各水の流量と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図であり、同図(b)は、0m/s、2m/s、5m/s及び10m/sの流速の水の水温と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図である。
図3図3(a)は、10℃、15℃、20℃、25℃及び30℃の各空気の風速と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図であり、同図(b)は、0m/s、2m/s、5m/s、10m/s、15m/s及び20m/sの風速の空気の温度と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図である。
図4図4は、コンクリート冷却装置の従来構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図1乃至図3に沿って、本発明の実施の形態について説明する。
【0019】
本発明に係るコンクリート冷却装置は、打設されるコンクリート内に配置された冷却管に所望の温度の流体を供給して該コンクリートの温度を制御するものである。このコンクリート冷却装置は、図1に符号1で例示するものであって、前記コンクリートCを冷却するための流体FL1,FL2を収容する流体収容手段2A,2Bを2つ備えている。ここで、一方の流体収容手段2Aを“第1流体収容手段”とし、他方の流体収容手段2Bを“第2流体収容手段”とし、該第1流体収容手段2Aにより収容される流体FL1を“第1流体”とし、該第2流体収容手段2Bにより収容される流体FL2を“第2流体”とすると、該第1流体FL1の温度(第1の温度)は、前記打設されるコンクリートCよりも低い温度であって、該第2流体FL2の温度(第2の温度)は該第1の温度よりも低くなるように設定されている。ここで、該第1の温度は室温程度の温度にすると良い。例えば、該第1の温度を30℃程度とし、前記第2の温度を10℃程度にすると良い。
【0020】
なお、前記第1流体FL1及び前記第2流体FL2には種々の液体や気体を用いることができるが、コスト及び手軽さの点からは水又は空気を用いることが好ましい。これらの流体FL1,FL2に水を用いる場合には、前記第1及び第2流体収容手段2A,2Bには水槽を用いれば良く、これらの流体FL1,FL2に空気を用いる場合には、前記第1及び第2流体手段2A,2Bにはタンクを用いれば良い。
【0021】
また、本発明に係るコンクリート冷却装置1は、
・ 前記コンクリートCの温度を測定する温度測定手段3と、
・ 前記第1流体収容手段2Aに収容されている第1流体FL1と前記第2流体収容手段2Bに収容されている第2流体FL2とを前記冷却管4に供給する流体供給手段5と、
・ 前記温度測定手段3により測定される温度が所定の温度となるように前記冷却管4に供給される第1流体FL1の供給量及び前記冷却管4に供給される第2流体FL2の供給量の割合を制御する流体供給制御手段6と、
を備えている。この温度測定手段3には、熱電対等の公知の温度センサを用いれば良く、前記流体供給手段5には、渦流ポンプ等の公知のポンプを用いれば良い。また、前記流体供給制御手段6には、三方調節弁(電動混合三方調節弁)などの公知の手段を用いると良い。なお、図1に例示する流体供給手段5は、前記流体供給制御手段6と前記冷却管4との間に介装されているが、もちろんこれに限られるものではなく、その他の場所に配置されていても良い。
【0022】
ここで、前記第1及び第2流体FL1,FL2に水を使用する場合には、前記流体供給制御手段6は、前記冷却管4に供給される流体(水)FL1,FL2の単位時間当たりの供給量(つまり、前記第1流体FL1及び前記第2流体FL2が混合された流体(水)の単位時間当たりの流量)は変化させないで、該第1及び第2流体FL1,FL2の単位時間当たりの供給量の“割合”を制御するようにすると良い。つまり、例えば、該第1及び第2流体FL1,FL2の単位時間当たりの供給量を50%:50%にするとか、100%:0%にするとかの制御を行うようにすると良い。それによって、前記冷却管4に供給される流体(前記第1及び第2流体FL1,FL2が混合された流体)の温度を短時間で一気に変えることができ、打設されるコンクリートCの温度を最適に制御することができる。図2(a)は、10℃、15℃、20℃、25℃及び30℃の各水の流量と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図であり、同図(b)は、0m/s、2m/s、5m/s及び10m/sの流速の水の水温と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図であるが、これらの図から、水の流量を変化させても最高温度はあまり変化しないのに対し(同図(a)参照)、水温を変化させれば最高温度は顕著に変化することが分かり(同図(b)参照)、本発明の有効性が確認された。ただし、前記流体供給制御手段6が、前記第1及び第2流体FL1,FL2の単位時間当たりの供給量の“割合”だけでなく、前記冷却管4に供給される流体(水)FL1,FL2の単位時間当たりの供給量(つまり、流速)をも制御する態様を本発明の範囲から除外するものではない。
【0023】
一方、前記第1及び第2流体FL1,FL2に空気を使用する場合には、前記流体供給制御手段6によって、前記供給量の割合(つまり、前記冷却管4に供給される第1流体FL1の供給量及び該冷却管4に供給される第2流体FL2の供給量の割合)だけでなく、これらの流体FL1,FL2の前記冷却管4への単位時間当たりの供給量(つまり、風速)を制御するようにすると良い。図3(a)は、10℃、15℃、20℃、25℃及び30℃の各空気の風速と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図であり、同図(b)は、0m/s、2m/s、5m/s、10m/s、15m/s及び20m/sの風速の空気の温度と最高温度(コンクリートCの最高温度)との関係を解析した結果を示す図であるが、これらの図から、空気の風速を変化させても最高温度は顕著に変化し(同図(a)参照)、空気の温度を変化させても最高温度は顕著に変化することが分かり(同図(b)参照)、本発明の有効性が確認された。
【0024】
ところで、図1に例示するコンクリート冷却装置1では、流体を収容する流体収容手段2A,2Bの数は2つであるが、もちろんこれに限られるものではなく、3つ以上配置するようにしても良い。また、同図に例示するコンクリート冷却装置1では、温度が異なる2種類の流体(つまり、前記第1流体FL1と前記第2流体FL2)を使用しているが、流体収容手段を3つ以上配置する場合には、各流体収容手段に収容する流体の温度を異ならせても良い(つまり、温度が異なる3種類以上の流体を使用しても良い)。
【0025】
さらに、図1に例示するコンクリート冷却装置1では、前記コンクリートC内の前記冷却管4を通り抜けてきた流体FL1,FL2は前記第1流体収容手段2Aに戻されるようになっている。そのようにした場合には、該流体FL1,FL2の消費量を減らすことができる。また、前記コンクリートC内の前記冷却管4を通り抜けてきた流体は該コンクリートCにより暖められることとなり、該流体を再び該冷却管4に送り込むことにより、(暖められていない流体を該冷却管4に送り込む場合に比べて)コンクリートCの冷却速度は遅くなる。そのため、ひび割れの発生条件が具備されるタイミング(つまり、該コンクリートCの温度が、最高温度から所定温度だけ下がった温度(臨界温度)に到達するタイミング)が、暖められていない流体を該冷却管4に送り込む場合に比べて遅くなり、その時点ではコンクリートの強度が十分に生じることとなってひび割れが発生しにくくなるという効果を奏する場合がある。
【0026】
なお、該冷却管4を通り抜けてきた流体FL1,FL2を再利用するのではなく廃棄する態様を本発明の範囲から除外するものではない。
【0027】
また、同図に例示する第2流体収容手段2Bには流体冷却手段(例えば、チラーユニット)7が接続して、該第2流体収容手段2Bに収容される第2流体FL2を所定の温度にまで冷却するように構成すると良い。本発明によれば、前記コンクリートCの冷却には、通常は前記第1流体FL1を使用し、冷却能力を高めたい場合にのみ前記第2流体FL2を使用するので、該第2流体FL2の使用量は前記第1流体FL1の使用量に比べると多くは無く、前記流体冷却手段7の稼働率を抑えることができ、その分、省エネルギーを実現することができる。なお、例えば、10℃程度の温度の井戸水を確保できるならば、上述のような流体冷却手段7を用いずに該井戸水を直接前記第2流体収容手段2Bに溜めるようにしても良い。また、寒冷地であれば冷たい水道水を第2流体FL2として用い、該水道水を加温したものを第1流体FL1としても用いても良い。さらに、前記第1流体収容手段2Aにのみ第1流体FL1を供給するようにしておいて、前記第2流体収容手段2Bの第2流体FL2が使用されて少なくなれば、該第1流体FL1を該第1流体収容手段2Aから該第2流体収容手段2Bに供給するようにしても良い。そのようにした場合には、配管を簡素化できる。
【0028】
一方、本発明に係るコンクリート冷却方法は、打設されるコンクリートC内に配置された冷却管4に所望の温度の流体を供給して該コンクリートCの温度を制御する方法であって、
・ 前記打設されるコンクリートCよりも低い温度である第1の温度の第1流体FL1を第1流体収容手段2Aに収容する工程と、
・ 該第1の温度よりも低い第2の温度の第2流体FL2を第2流体収容手段2Bに収容する工程と、
・ 前記コンクリートCの温度を温度測定手段3により測定する工程と、
・ 前記第1流体収容手段2Aに収容されている第1流体FL1と前記第2流体収容手段2Bに収容されている第2流体FL2とを流体供給手段5により前記冷却管4に供給する工程と、
・ 前記温度測定手段3により測定される温度が所定の温度となるように前記冷却管4に供給される第1流体FL1の供給量及び前記冷却管に供給される第2流体FL2の供給量の割合を流体供給制御手段6により制御する工程と、
を備えている。
【0029】
ここで、前記第1の温度は室温程度の温度にすると良い。また、前記第1流体FL1及び前記第2流体FL2は水又は空気にすると良く、該流体FL1,FL2を空気にする場合には、前記冷却管4に供給される第1流体FL1の供給量及び該冷却管4に供給される第2流体FL2の供給量の割合、並びにこれらの流体FL1,FL2の前記冷却管4への単位時間当たりの供給量を制御するようにすると良い。
【符号の説明】
【0030】
1 コンクリート冷却装置
2A 第1流体収容手段
2B 第2流体収容手段
3 温度測定手段
4 冷却管
5 流体供給手段
6 流体供給制御手段
C コンクリート
FL1 第1流体
FL2 第2流体
図1
図2
図3
図4