【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造する方法を提供し、方法は、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを有するドラムを提供するステップであって、ドラムは、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とを備え、各収縮部には半径方向に可動である収縮面が設けられている、提供するステップを含み、方法は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面を中心軸に対して、収縮面が第1の直径になる水平位置へと移動させ、続いて、第1のタイヤ層をドラムの主周面の周りに配置し、第1の収縮部および第2の収縮部にある収縮面上に延伸させるステップと、第1の収縮部および第2の収縮部における収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を形成しながら、収縮面を中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、収縮面においてドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置に移動させるステップと、部分真空の影響下で収縮位置の収縮面に第1のタイヤ層を収縮させるステップとをさらに含む。
【0009】
欧州特許第1847830号明細書の可変直径ドラムのような従来のドラムは、弾性張力の影響下で、補強要素を支持する本体がドラムの溝に対して平らにされる間に、第1の直径から第2のより大きな直径に半径方向に外側に拡張される。直径拡張の結果として、タイヤ層全体が伸張され、シワおよび他の不規則性が生じる。公知の本体は、ドラムの周面に対して内側に移動するが、ドラムの中心軸に対して内側には移動しない。事実、欧州特許第1847830号明細書の本体は、最初、拡張の第1の部分の間に同じ半径方向位置に留まり、最終的にはより大きな第2の直径に向かって周面と共に拡張する。対照的に、本発明の方法におけるドラムは、上述の方法のステップの間には拡張されない。代わりに、収縮部分のみがドラムの中心軸に対して収縮する。
【0010】
欧州特許第1847830号明細書のように、第1のタイヤ層の残りの部分を伸張させることにまさる、第1のタイヤ層を収縮部で局所的に収縮させる利点は、収縮部のそれぞれの軸方向位置でのみ局所的に第1のタイヤ層を収縮させることによって、第1のタイヤ層の残りの部分、特に主周面から収縮部分への移行部にシワまたは他の不規則性が形成される危険性を低減することができることである。最終的にカーカスの1つまたは複数のさらなるタイヤ層と直接接触する不規則性の量を低減することにより、上記カーカスのスプライス精度が向上する。第1のタイヤ層を収縮面上に吸引または引っ張るために部分的な真空を使用することにより、第1のタイヤ層の、収縮位置における収縮面の形状への一致を改善することができる。さらに、第1のタイヤ層は、典型的には第1の直径で典型的に既に延伸されているので、収縮の間に第1のタイヤ層はより予測可能に挙動することができる。第1のタイヤ層の収縮の少なくとも一部について、第1のタイヤ層は、元の未伸張状態に単純に戻すことができる。したがって、正味収縮量は、従来技術で必要とされるであろう余分な伸張量よりもかなり小さくすることができる。
【0011】
一実施形態では、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間、ドラムの主周面は第1の直径のままである。したがって、収縮の影響を受けている第1のタイヤ層の部分は、収縮部分の領域のみに縮小することができる。
【0012】
一実施形態では、収縮面は、水平位置にある主周面と同じ高さまたは実質的に同じ高さである。したがって、第1のタイヤ層は、収縮する表面がスプライスの精度に影響を及ぼすことなく、水平円周面上に被着およびステッチングすることができる。
【0013】
一実施形態では、本方法は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを配置するステップをさらに含む。補強ストリップは、最終的に製造されるランフラットタイヤの堅牢性または剛性を高めることができる。
【0014】
一実施形態では、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さに実質的に等しい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。収縮面に補強ストリップを適用することにより、収縮を使用して、収縮距離にわたって補強ストリップを、補強ストリップの半径方向外面がドラムの主周面における第1のタイヤ層と実質的に同じ高さである収縮位置へと沈下させまたは下げることができる。
【0015】
代替的な実施形態では、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さよりも小さい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。したがって、補強ストリップは、第1のタイヤ層に対してわずかに突出しているので、補強ストリップを収縮面によって形成されたキャビティ内に、たとえば、圧力ホイールによって確実に圧入することができる。
【0016】
一実施形態では、収縮面は、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを配置する前に、収縮位置へと移動される。したがって、第1のタイヤ層を、補強ストリップの存在によって妨げられることなく、部分真空の影響下で収縮面上に引き寄せることができる。
【0017】
代替的な実施形態では、収縮面を収縮位置へと移動させる前に、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、それぞれ第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップが配置される。この実施形態は、既に収縮した収縮面に補強ストリップを配置することにより、空気が第1のタイヤ層と補強ストリップとの間のポケットに閉じ込められることが予想される場合に特に有用であり得る。第1のタイヤ層がまだ水平に保持されている間に補強ストリップを第1のタイヤ層に配置することにより、空気ポケットの量を減らすことができる。
【0018】
一実施形態では、本方法は、半径方向において第1の補強ストリップと第2の補強ストリップが第1のタイヤ層と1つまたは複数のさらなるタイヤ層との間に配置されているカーカスを形成するために、第1のタイヤ層、第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップの周りに1つまたは複数のさらなるタイヤ層を配置するステップをさらに含む。したがって、補強ストリップは、タイヤまたはランフラットタイヤの堅牢性または剛性を高めるためにカーカスの一体部分を形成することができる。
【0019】
一実施形態では、方法は、第1のビードおよび第2のビードを、1つまたは複数のさらなるタイヤ層の周りに配置するステップであって、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間に、第1の収縮部および第2の収縮部が位置付けられる、配置するステップをさらに含み、方法は、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間に配置されているカーカスの部分を成形するステップをさらに含む。その好ましい実施形態では、成形するステップは、第1の収縮部と第2の収縮部との間に成形部を設けるステップと、軸方向において第1のビードと第2のビードとの間でカーカスの上記部分を膨張させるために、成形部内に過圧を生成するステップとを含む。したがって、ランフラットタイヤのカーカスは、同じドラムに構築および形成することができる。したがって、ドラムは、一段または単一段のドラムと考えることができる。
【0020】
一実施形態では、成形部、第1の収縮部および第2の収縮部が流体連通状態で配置され、第1の収縮部および第2の収縮部において収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を生成するステップは、成形部内に部分真空を生成するステップと、成形部内の部分真空が第1の収縮部と第2の収縮部において収縮面と第1のタイヤ層との間から空気を引き出すことを可能にするステップとを含む。したがって、成形部は、収縮部と連通する部分真空を形成するために使用することができる。有利には、成形部は、過圧による成形と、部分真空による収縮部での収縮の両方に使用することができる。
【0021】
第
2の態様によれば、本発明は、タイヤ、特にランフラットタイヤを製造するためのドラムを提供し、ドラムは、中心軸と、上記中心軸の周りに同心円状に第1の直径で延伸する主周面とを備え、ドラムは、ドラムの軸方向に離間した位置に第1の収縮部と第2の収縮部とを設けられ、各収縮部は、収縮面が第1の直径においてドラムの主周面と同じ高さになる水平位置と、収縮面が中心軸に対して半径方向内側に、水平位置から、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面において、ドラムが第1の直径より小さい第2の直径を有する周を有する収縮位置との間で移動可能である収縮面を設けられており、ドラムは、主周面の周りで第1のタイヤ層を受け入れ、第1の収縮部および第2の収縮部にある収縮面にわたって延伸するように配置されており、ドラムは、収縮面と第1のタイヤ層との間に部分真空を生成するために、収縮部に動作可能に接続されたエアポンプ装置をさらに設けられている。
【0022】
これは、ここでも、第1のタイヤ層を収縮部のそれぞれの軸方向位置においてのみ局所的に収縮させるという利点を有し、シワまたは他の不規則性の形成の危険性を低減することができる。方法と同様に、部分真空の使用は、収縮位置における収縮面の形状に対する第1のタイヤ層の一致を改善することができる。最後に、第1のタイヤ層は、典型的には第1の直径に既に延伸されているので、収縮の間に第1のタイヤ層はより予測可能に挙動することができる。
【0023】
一実施形態では、ドラムの主周面は、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間、第1の直径のままであるように構成される。
【0024】
一実施形態では、収縮面は、水平位置にある主周面と同じ高さまたは実質的に同じ高さである。したがって、収縮の影響を受けている第1のタイヤ層の部分は、収縮部分の領域のみに縮小することができる。
【0025】
一実施形態では、ドラムは、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面で第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを受け入れるように配置され、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さに実質的に等しい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。収縮面に補強ストリップを受け入れることにより、収縮を使用して、収縮距離にわたって補強ストリップを、補強ストリップの半径方向外面がドラムの主周面における第1のタイヤ層と実質的に同じ高さである収縮位置へと沈下させまたは下げることができる。
【0026】
代替的な実施形態では、ドラムは、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面で第1のタイヤ層の周りに第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップを受け入れるように構成され、収縮面は、収縮位置において、それぞれの補強ストリップの厚さよりも小さい収縮距離にわたって水平位置に対して凹んでいる。したがって、補強ストリップは、第1のタイヤ層に対してわずかに突出しているので、補強ストリップを収縮面によって形成されたキャビティ内に、たとえば、圧力ホイールによって確実に圧入することができる。
【0027】
好ましくは、収縮位置における収縮面の断面形状は、組み合わされた第1のタイヤ層およびそれぞれの補強ストリップの断面形状に実質的に対応する。収縮面の形状を補強ストリップの形状に合わせることにより、収縮位置における第1のタイヤ層に対する補強ストリップの均一性または平滑化がさらに増大する。
【0028】
一実施形態では、収縮面は、その第1のタイヤ層に面する側において、第1のタイヤ層と収縮面との間から空気が引き出されることを可能にするために、第1のタイヤ層と収縮面との間に通気空間を形成するように配置された通気要素を設けられる。したがって、通気要素は、エアポンプ装置が第1のタイヤ層と収縮面との間から空気を引き込む能力をさらに向上させる。
【0029】
一実施形態では、ドラムは、収縮部の各々に第1のシール部を設けられ、第1のシール部の各々は、軸方向においてそれぞれの収縮部の端部の1つにおいて第1のタイヤ層にシールするように当接するように配置される。第1のシール部は、部分真空が生成された後に空気が収縮部に再び入るのを防ぐことができ、それによって部分真空の有効性が改善される。
【0030】
一実施形態では、ドラムは、収縮部の各々に第2のシール部を設けられ、第2のシール部のそれぞれは、それぞれの第1のシール部に対向する、軸方向におけるそれぞれの収縮部の端部で第1のタイヤ層にシールするように当接するように配置される。第2のシール部は、第1のシール部と協働して、部分真空が生成された後に空気が収縮部に再び入ることを防止し、それによって部分真空の有効性を改善する。
【0031】
一実施形態では、エアポンプ装置は、収縮面、第1のタイヤ層、およびそれぞれの収縮部の第1のシール部および第2のシール部の間に部分真空を生成するために、第1の収縮部および第2の収縮部に動作可能に接続される。
【0032】
一実施形態では、第1のシール部または第2のシール部には、収縮面、第1のタイヤ層、およびそれぞれの収縮部の第1のシール部および第2のシール部の間の領域にエアポンプ装置を動作可能に接続するための流体接続部が設けられる。流体接続部は、空気が上記領域からシール部の1つを通って引き込まれることを可能にする。
【0033】
一実施形態では、ドラムには、軸方向において第1の収縮部と第2の収縮部との間に成形部が設けられ、エアポンプ装置は成形部に動作可能に接続され、成形部は、第1の収縮部および第2の収縮部と流体連通して配置される。好ましい実施形態では、流体接続部は、流体連通状態にある成形部を、それぞれの収縮部の収縮面、第1のタイヤ層、第1のシール部および第2のシール部の間の領域に接続する。したがって、成形部は、収縮部と連通する部分真空を形成するために使用することができる。有利には、成形部は、過圧による成形と、部分真空による収縮部での収縮の両方に使用することができる。
【0034】
一実施形態では、エアポンプ装置は、交互に空気を引き込み、もしくは、空気を供給するように構成された可逆エアポンプを備え、または、エアポンプ装置は、空気を供給および引き込むための複数のエアポンプを備える。したがって、エアポンプ装置は、成形と収縮の両方に使用することができる。
【0035】
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部の収縮面は、それぞれ第1の収縮部および第2の収縮部の半径方向外側周りに弾性張力で延伸する第1のシール部材および第2のシール部材によってそれぞれ形成される。シール部材の弾性的な張力は、シール部材がそれぞれの収縮部でドラムの周りに緊密に配置されることを保証する。その結果、第1のタイヤ層に対するそれぞれの収縮部のシールを向上させることができる。
【0036】
その好ましい実施形態では、第1のシール部材および第2のシール部材は、それぞれ、第1の収縮部および第2の収縮部の半径方向外側周りに均一に伸張される。これにより、収縮面が水平位置から収縮位置に移動する間のシール部材の周方向の収縮の均一性を向上させることができる。
【0037】
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部には、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板が設けられ、これらはそれぞれの収縮部の周りに周方向に均一に分布し、上記それぞれの収縮面を水平位置および収縮位置で支持するために、それぞれの収縮面に対して半径方向内側に、半径方向において移動可能に配置される。
【0038】
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、それぞれの収縮面を水平位置で支持する第1の状態と、収縮位置でそれぞれの収縮面を支持する第2の状態との間で、半径方向に弾性的に可撓性を有するように構成される。
【0039】
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、アクチュエータによって第2の状態から第1の状態に移動するように構成されている。これにより、支持板を能動的に第1の状態に移動させて第1の状態に保持することができ、収縮面を水平位置に確実に支持することができる。
【0040】
一実施形態では、第1の支持板および第2の支持板は、第1の状態から第2の状態に戻るように付勢され、好ましくは第2の状態は第1の支持板および第2の支持板の自然状態である。したがって、支持板は、外部アクチュエータを使用することなく、第2の状態に戻ることができる。弾性シール部材と組み合わせて、収縮面は、支持板の半径方向内向きの動きに追従する傾向がある。
【0041】
一実施形態では、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板の各支持板には、ドラムの周方向において直接的に隣接する支持板に面する長辺が設けられ、長辺は、より小さい第2の直径で第2の状態において支持板が互いに接近することを可能にするように、支持板の第1の状態において凹んでいる。これにより、より小さい第2の直径における支持板間の干渉の可能性が低減する。
【0042】
一実施形態では、複数の第1の支持板および複数の第2の支持板の各支持板は、第1の状態から第2の状態へ戻る動きの間に支持板の挙動を変化させるために脆弱化される。好ましくは、支持板は、ドラムの軸方向においてその長さに沿って非対称な位置で脆弱化され、第2の状態において支持板の非対称形状をもたらす。したがって、同様の形状の補強ストリップを収容するために、多平面または非対称の断面形状を達成することができる。
【0043】
一実施形態では、第1の収縮部および第2の収縮部は各々、中心軸に平行な方向に互いに隣接して配置された複数のプロファイルセグメントを設けられ、複数のプロファイルセグメントは、すべてのプロファイルセグメントが中心軸から同じ半径方向距離まで延伸する水平位置と、プロファイルセグメントが、収縮位置で収縮面を支持するための非水平支持プロファイルを形成するように個々に半径方向内側に移動する後退位置との間で、半径方向に個別に移動可能に配置される。支持プロファイルは、プロファイルセグメントの数に応じて高度に構成可能とすることができる。支持プロファイルは、対称もしくは非対称、滑らかもしくは急、より鋭いもしくはより急激な角度、または前述の特徴の組み合わせであり得る。特に、高度に構成可能な収縮部は、補強ストリップ以外のタイヤ構成要素、たとえば側壁を支持または収容するために使用することができる。
【0044】
一実施形態では、各収縮部には1つまたは複数のリングが設けられ、各リングには、個々のプロファイルセグメントの半径方向内側への移動を、非水平支持プロファイル内でのそれらのそれぞれの半径方向位置に従って停止するための複数の停止面が設けられている。したがって、プロファイルセグメントは、半径方向においてすべて同じ長さを有し、かつ/または、実質的に同一であり得る一方、支持プロファイルは、リングによって規定される。
【0045】
一実施形態では、リングは、それぞれの収縮部に取り外し可能に受け入れられる。したがって、リングは、異なる階段状の停止面を有する他のリングによって容易に置き換えることができ、それにより異なる支持プロファイルが得られる。
【0046】
一実施形態では、リングは収縮部分と一体である。
【0047】
一実施形態では、各収縮部は、複数のプロファイルセグメントを受け入れるための平坦な周方向底部を有する収縮チャンバを備え、複数のプロファイルセグメントは、非水平支持プロファイル内でそれらのそれぞれの半径方向位置に従って半径方向において異なる長さを有する少なくとも2つのプロファイルセグメントを備える。したがって、支持プロファイルは、プロファイルセグメントの半径方向の高さが等しくないように規定することができるので、リングは不要である。
【0048】
さらに別の実施形態では、各収縮部には、非水平支持プロファイル内でそれらのそれぞれの半径方向位置に従って個々のプロファイルセグメントの半径方向内側への移動を停止させるための複数の個別に調整可能な停止要素が設けられている。この実施形態は、それぞれの収縮部のプロファイルセグメント、リングまたは他の構成要素を交換する必要なしに、複数のプロファイルセグメントの各々の半径方向位置を個別に設定して支持プロファイルを変更することができるので、さらにより高いレベルの構成可能性を提供する。
【0049】
一実施形態では、複数のプロファイルセグメントの各々は、半径方向に延伸するスロットを備え、各収縮部は、複数のプロファイルセグメントを半径方向外側に水平位置まで移動させるための、半径方向において移動可能なアクチュエータセグメントを設けられ、アクチュエータセグメントは、それぞれの収縮部の複数のプロファイルセグメントのすべてのスロットを通って延伸し、これと係合して、係合したプロファイルセグメントのすべてを水平位置に移動させるレベリングシャフトを設けられる。したがって、複数のプロファイルセグメントは、単一のアクチュエータセグメントによって水平位置に直接的に移動させることができる。
【0050】
一実施形態では、複数のプロファイルセグメントには、互いに噛合するカムおよび凹部が設けられ、各収縮部には、複数のプロファイルセグメントを半径方向外側に水平位置まで移動させるための半径方向に可動なアクチュエータセグメントが設けられ、アクチュエータセグメントには、アクチュエータセグメントに直に隣接するプロファイルセグメントのカムおよび/または凹部と係合して、上記直接的に係合したプロファイルセグメントを水平位置まで移動させるように構成されたレベリングシャフトが設けられ、それぞれの収縮部の複数のプロファイルセグメントの残りの部分は、カムと凹部との噛合によって間接的に係合して、水平位置に移動するように構成される。したがって、複数のプロファイルセグメントは、単一のアクチュエータセグメントによって水平位置に間接的に移動させることができる。
【0051】
本発明の第3の態様の一実施形態では、アクチュエータセグメントは、複数のプロファイルセグメントのうちの1つとして機能する本体を備え、それぞれの収縮部は、本体の移動範囲を、上記本体の支持プロファイル内での位置に応じて半径方向内側方向において制限するための調整可能ストッパを備える。したがって、アクチュエータセグメントの本体の半径方向の高さは、本体が上記支持プロファイルの一部を形成するように、支持プロファイルと一致するかまたはこれを補完するように設定することができる。
【0052】
一実施形態では、ドラムは、第1のビードおよび第2のビードをそれぞれロックするための第1のビードロック部および第2のビードロック部を備え、第1の収縮部および第2の収縮部は、それぞれ軸方向において、第1のビードロック部と第2のビードロック部との間に配置される。好ましくは、第1の収縮部および第2の収縮部は、それぞれ第1のビードロック部および第2のビードロック部に直に隣接するように配置される。したがって、第1の補強ストリップおよび第2の補強ストリップは、それぞれ第1のビードおよび第2のビードの軸方向内側において、それらのそれぞれの収縮部で受け入れることができる。
【0053】
本明細書に記載および図示されている様々な態様および特徴は、可能な限り個々に適用することができる。これらの個々の態様、特に、添付の従属請求項に記載されている態様および特徴は、分割特許出願の主題になり得る。