(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記インプラント本体は、前記インプラント本体と骨の第一の部分との間の第一接続点及び前記インプラント本体と骨の第二の部分との間の第二接続点を更に有する、請求項1に記載の装置。
前記測定可能なパラメータは、血流、温度、歪み、pH、応力、骨組成、骨量、骨密度、骨厚み、骨潅流、骨強度、骨酸素化、電気伝導度、及び活性媒体の存在のうちの少なくとも一つである、請求項1に記載の装置。
【背景技術】
【0002】
長さ及び角度姿勢が調整可能な外部固定装置は、肢の長骨のいくつかの角度及び長さ異常を矯正するために一般的に利用される。そのような固定装置は元来、異常によって影響を受けた骨の部分に挿入される骨ねじの群を保持するクランプを有し、そのようなクランプは、治療されるべき肢に対して外側に、長手方向に配置可能な要素又はガイド上に摺動可能に取り付けられる。
【0003】
矯正は、仮骨がそれ自体を再生させる間に可動性のクランプに作用し、所望の矯正が得られるまでその操作を可能にする圧縮/伸延装置の補助を用いて、通常漸進的に行われる。
【0004】
例えば、肢延長において、骨は一般的に外科的に二つのセグメントに分割され、ワイヤ及び半ピンは、外科的な骨切断の上及び下の骨セグメントの中に挿入され、ストラット又は伸縮式接続ロッドによって相互接続される固いフレームワークの環に取り付けられる。固いフレームワークは、ある期間にわたって、(例えば1日に1ミリメートル)長手方向に離れるように二つの骨セグメントを漸進的に押すために使用される。これは、この伸延技術によって創り出された骨セグメントの間の隙間に骨が漸進的に形成することを可能にする。ひとたび所望の量の延長が達成されると(例えば5−6cm)、外部の器具は、固定位置に安定化され、新たに形成された骨の完全なミネラル化が起こるまで骨セグメント上に残される(例えば、病状の特質及び延長の量に依存して3−6ヵ月)。
【0005】
同様に、変形部矯正において、骨は(通常は変形部の頂点において)外科的に二つのセグメントに分割され、ワイヤ及び半ピンは、外科的な骨切断の上及び下の骨セグメントの中に挿入され、固いフレームワークの環に取り付けられる。固いフレームワークの反対側の環は、取り付けられた単平面又は多平面のヒンジ及び角度伸延器(angular distractors)を備えたねじ付きロッドによって共に接続され、角度伸延器は、ある期間にわたって、角度が離れるように二つの骨セグメントを漸進的に押すために使用される。
【0006】
そのような外部固定装置の使用は、いくつかの不利益を提示し得る。外部の固定器は、大き過ぎて扱いにくく、患者にとって苦痛であるかも知れず、また患者をピン跡感染、関節剛性、食欲不振、抑鬱、軟骨損傷及び他の副作用の危険にさらす。外部の固定器を定位置に有することはまた、リハビリテーションの開始を遅らせる。いくつかの環境において、外部の固定器の可視性は、患者の困惑又は不安感につながり得る。
【0007】
これらの短所に応じて、当該分野は、皮膚の下及び/又は骨の中に配置されることができる移植可能な装置を開発した。これらの装置は、治癒を促進するための圧縮力、延長を促進するための伸延力、及び骨の角度/曲率を変化させるための角度力を含む、力を骨に加えることによって骨の変形を矯正するように設計された。これらの移植可能な装置のいくつかの望ましい側面は、それらは所定の期間にわたって安定した力を加えることができ、患者を悩ませるか若しくは痛みを引き起こし得る外部のワイヤ又はロッドを有しておらず、感染の危険性を低下させ、容易には見えないことであった。
【0008】
けれども、これらの移植可能な装置でさえ、いくつかの場合には同様に制限を有し得る。例えば、皮膚の下のそれらの位置が原因で、いくつかのインプラントは、観察、監視及び調整することがケア提供者にとって困難であり得る。そのため、治療上要求されるときにインプラントを付加的に調整するために、追加的な外科的処置が時々実行される。追加的な外科的処置は、患者を、増大した感染の危険性、より長い治癒時間、傷害、及び増大した痛みに曝した。
【0009】
他の場合において、インプラントの調整が皮膚を通して行われ得る場合でさえ、インプラントの治療効果は、最適よりも低いかも知れない。不足した力の適用は、不十分な骨の是正につながるかも知れず、且つ/或いはより長い回復期間を要求するかも知れない。過剰な力の適用は、傷害、更なる骨の変形、及びまたより長い回復期間につながるかも知れない。その上に、調整のために施術者に会うための頻繁な訪問は、患者にとって時間を消費するものであるかも知れず、又は別の面で不便であるかも知れない。
【0010】
したがって、先行技術の努力にも関わらず、それらの性能及び有効性を改善するために、移植可能な骨再形成装置を制御するための改良された技術の必要性が依然として存在する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な実施形態が、本明細書において記述される。それらは、インプラントによって測定されるパラメータに応じて外部から制御及び調整されることができ、インプラント上のセンサから得られる生物学的反応の測定可能な兆候に応じて治療が各患者のために最適化されることを可能にする、骨再形成装置に関係する方法及びシステムを提供する。
【0016】
図示された代替の形態及び詳細における様々な省略、置換、及び変更が、本開示の精神から逸脱することなく行われ得ることが、もちろん理解されるであろう。加えて、本明細書において記述される様々な特徴及びプロセスは、互いに独立して使用されてもよく、又は様々な方法で組み合わされてもよい。全ての可能な組み合わせ及びサブコンビネーションは、本開示の範囲に含まれるように意図されている。本明細書において記述される代替の多くは同様の構成要素を含み、そのため、これらの同様の構成要素は、本発明の異なる態様において互いに置き換えられてもよい。
【0017】
治療のために効果的に及び/又は適応的に調整されることができる移植可能な骨の形成装置の必要性が長く感じられてきた。本開示は、インプラントが生物学的状態(例えば、骨形成(osteogenesis))を示す患者のパラメータをどのように測定し、更なる治療処置のためにそのような情報を解釈又は表示し得るかを詳述する、多数の例示的な実施例を記述する。
【0018】
本発明によって潜在的に治療可能であると予期される状態の例は、先天性大腿骨短縮;腓骨半肢症(膝と足首との間の二本の骨のうちの一つである腓骨の非存在);半側萎縮(体の半分の萎縮);及び(多発性内軟骨腫症(multiple endochondromatosis)、軟骨形成不全症、及び内軟骨腫症としても知られている)オリエ病(Ollier's disease)、等の先天性奇形(先天性欠損);神経線維腫症(片足に過増殖を引き起こすまれな状態);及びくる病(rickets(rachitis)又は二次的関節炎の結果として生じるO脚、等の発育性変形;成長板骨折;変形癒合(malunion)又は非癒合(骨が完全には接合していない場合、又は骨折後に誤った位置に接合している場合);短縮及び変形;骨欠損、等の外傷後傷害;骨髄炎(通常は細菌によって引き起こされる骨感染症);敗血症性関節炎(感染症又は細菌性関節炎);及び(急性)灰白髄炎(ポリオ)(筋肉の萎縮を結果として生じさせ、永続的な変形を引き起こし得るウイルス性疾患)、等の感染症及び疾患;腫瘍の除去の後の再構成;軟骨無形成症(腕及び脚が非常に短い小人症の一種であるが、体幹は大きさがより正常である);構成上の低身長等の低身長;並びに、本明細書の開示を考慮して当業者にとって明らかであるような他のもの、を含む。
【0019】
図1は、骨を形成するインプラント1000の例示的な高レベルの概略図を示す。骨を形成するインプラント1000は、多数の動作モジュール1004を有する。これらの動作モジュールは、センサ1005、アクチュエータ1006及び送受信機1007を含んでもよい。いくつかの実施形態において、センサ1005は、本実施例において示されるようにインプラントに対してオンボードであってもよい。しかしながら、センサはまた、オフ‐ボードであるか又はプロセッサに隣接していてもよく、それは後に説明及び記述されるであろう。センサ1005は:箔歪みゲージ;半導体歪みゲージ;応力(stress)センサ;pHセンサ;温度計;圧力センサ;変位センサ(例えば、膜が引き伸ばされるにつれて抵抗が変化する膜抵抗器);電気伝導度/抵抗センサ;音響伝導度/抵抗センサ;バイオセンサ(例えば、血小板、赤血球、成長因子、及び骨治癒の他の生物学的助長因子(facilitators)の存在又は集合を感知するように構成されたセンサ);及び/又は、当該分野で知られる生物学的又は生理学的に関連するデータを測定するための任意の他のセンサ、を含んでもよい。
【0020】
これらの前述のセンサは、骨形成(osteogenesis)、骨化(ossification)、骨コンダクション(osteoconduction)、骨誘導(osteoinduction)及び骨プロモーション(osteopromotion)のような生物学的状態を示すパラメータを測定するために使用されてもよい。いくつかの場合において、測定されるパラメータは、再生不良性貧血、追加の骨折、脆い骨又は不適切な骨治癒等の、欠陥を示してもよい。測定されるパラメータはまた、血流、骨量、骨組成、骨密度、骨厚み、骨灌流(bone perfusion)、骨強度及び骨酸素化(bone oxygenation)の計算を可能にしてもよい。センサはまた、温度、脈拍、血流、血液酸素化、体組成、呼吸、心臓活動、運動(movement)、血液量、pH、心拍、代謝及び血液組成等の、他の生物学的パラメータを測定するように概して構成されてもよい。
【0021】
アクチュエータ1006は、駆動される磁石システム、電気モータ、ソレノイド/ラチェットシステム、圧電システム(例えば、インチワーム(シャクトリムシ)式モータ)、形状記憶合金(例えば、ニチノール(Nitol))、磁気歪み要素、ジェスティキュレーション(gesticulation)、及び/又は当該分野において知られるアクチュエータを駆動する任意の方法によって作動させられてもよい。アクチュエータ1006の運動は:軸方向の延長;軸方向の短縮; 曲げ(例えば、変形矯正;捻れ(例えば、外傷);活性媒体(active media)の発現(例えば、治療因子又は成長因子の放出);骨折又は骨を横切る治療的な電流、超音波、電波又は磁束の供給;骨折又は骨にわたる治療的な圧縮又は振動(例えば、1Hzの振動)の供給;運動、エネルギー、又は物質の任意の治療的供給;及び/又は前述の条項の任意の組み合わせ等の、骨を形成するインプラントの修正を駆動してもよい。活性媒体は、HMG−CoA還元酵素、上皮成長因子(EGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、抗微生物剤(anti-microbials)及び/又は抗菌剤(antibacterials)を含んでもよい。骨成長を促進する更なる活性媒体は、米国特許出願公開第2012/0276205号明細書に記載されており、当該明細書は、参照により本明細書に取り込まれる。これらの活性媒体は、アクチュエータ1006によって供給されてもよく、又は骨調整を容易にするために別の方法で患者に投与されてもよい。
【0022】
送受信機1007は、他の内部及び外部構成要素と通信するように構成されてもよい。例えば、送受信機1007は、センサ1005等の内部センサに情報を送信及び受信するように構成されてもよい。また、例えば、送受信機1007は、外部遠隔制御装置(ERC)のデバイスなどの外部ソースにデータを送信/受信してもよい。いくつかの実施形態において、送受信機1007は、センサ1005、プロセッサ/制御部1001、メモリ1002、又は骨再形成インプラント1000の任意の部分によって得られたデータをERCなどの外部ソースに送信してもよい。このデータは、生データ(例えば、電流の変化)、測定されたパラメータ(例えば、温度、変位若しくは歪み)、処理された情報(例えば、ステータス若しくは生物学的状態)、命令、質問信号(interrogatory signals)、又は、インプラント若しくは外部装置に関連する如何なるデータ、情報若しくは信号を含んでもよい。いくつかの場合において、送受信機1007は、作動後ステータス情報をERC等の外部装置に送信してもよい。例えば、そのような情報は、治療履歴、ステータスログ、診断情報、センサ1005からの記録されたデータ、及び/又は生物学的状態に関するデータを含んでもよい。
【0023】
送受信機1007はまた、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetooth low energy)、ZigBee(登録商標)、Wi‐Fi(登録商標)、誘導無線データ送信、医療インプラント通信サービス(MICS)、無線周波数、近距離無線通信(NFC)、汎欧州デジタル移動電話方式(global system for mobile communications)(GSM)、又は任意の他の形式の無線データ送信を使用して通信するように構成されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態において、送受信機1007は更に、データクラウド、パーソナルコンピュータ、携帯電話、ページャ(pager)、タブレット、モバイルデバイス、病院システム、又は患者若しくはケア提供者によって使用される任意の他のデバイス等の、他の外部装置と直接的又は間接的に通信するように構成されてもよい。いくつかの場合において、ケア提供者がインプラント1000のような移植可能な装置の性能を評価し、患者に対して推薦を提供するか又は治療を実行することができるように、診断、ステータス及び/又は治療の情報をケア提供者に送信することが、インプラントについて望ましいことがある。いくつかの場合において、その外部装置は、ステータス情報、ファームウェア更新、治療命令(treatment instructions)、推薦、安全ロック、又は、インプラントの性能及び/又は患者の治療に関連する他のデータ、情報若しくはプロトコルを、そのインプラントに対して送信し返してもよい。
【0025】
動作モジュール1004は、送受信機1007を通してデータを送信/受信すること、センサ1005からのセンサデータを処理すること、アクチュエータ1006を制御すること、システムの機能を管理すること(managing)等のような動作を実行するために、プロセッサ/制御部1001に結合させられてもよい。プロセッサ/制御部1001はまた、メモリ1002に結合させられてもよく、メモリ1002は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリを含んでもよく、プロセッサ/制御部1001に命令及びデータを提供してもよい。プロセッサ/制御部1001は、典型的には、メモリ1002内に保存されたプログラム命令に基づいて論理演算及び算術演算(logical and arithmetic operations)を実行する。メモリ1002内の命令は、本明細書において記述される方法を実施するために実行可能であってもよい。プロセッサ/制御部1001はまた、治療の時期(時間)を決めるためにクロックを包含するか又はクロックに結合させられてもよい。
【0026】
電源1003は、動作エネルギーを提供するために、プロセッサ/制御部1001、メモリ1002、及び/又は動作モジュール1004に結合させられてもよい。電源1003は、リチウム電池、リチウムイオン電池、ニッケル‐カドミウム電池、ニッケル‐金属水素化物電池、ニッケル‐水素電池、炭素‐亜鉛電池、銀‐酸化物電池、亜鉛‐炭素電池、亜鉛‐空気電池、水銀酸化物電池、アルカリ電池、又は当該分野において知られ、皮下移植に適した任意の他の種類の電池等の、電池であってもよい。いくつかの電池は、外部刺激(external stimulus)又は一時的な経皮接続によって再充電可能であってもよい。電源はまた、燃料電池、キャパシタ、誘導結合器(inductive coupling)、運動により電力供給される圧電(motion powered piezoelectric)、運動により電力供給される電磁発電器、(液圧接続、電気接続及び動力を伝えるための他の接続のためのポート等の)経皮ポート、及び/又は(身体の熱、呼吸サイクル、身体運動又は生化学反応を使用するシステム等の)エネルギー捕集システムを有してもよい。電源1003は、寿命(例えば、電池寿命)、生体適合性、電力、再充電可能性、大きさ、電流及び電圧の出力、費用、交換可能性、可動部品の存在又は不存在、並びに移植可能な装置における性能に関係する他の因子等の、因子に基づいて選択されてもよい。
【0027】
電源はまた、電力需要に応じて電力管理方策によって管理されてもよい。例えば、電力管理方策は、電力供給、スリープ及びアイドルのサイクルを設けてもよい。いくつかの場合において、電力管理方策は、インプラント1000の総電力及び意図される総耐用年数を考慮に入れてもよい。いくつかの場合において、電力管理方策は、プロセッサ/制御部1001によって実施される。
【0028】
図2は、ERC2000の例示的な高レベルの概略図を示す。ERC2000は、多数の動作モジュールを有する。任意的なインプラントへの電源2005は、電源1003、プロセッサ1001、メモリ1002、又はいずれかの動作モジュール1004を含むインプラント1000の任意の部分に電力を供給するために使用されてもよい。インプラントへの電源2005は、電気接続若しくは液圧接続のための経皮ポート等の経皮ポート、又は任意の種類の経皮接続(例えば、電力又は燃料を供給するための針貫通)を通して電力を供給してもよい。インプラントへの電源2005はまた、エネルギー捕集システムの働きを助長することによって電力を供給してもよい。例えば、骨再形成インプラント1000は、身体の熱、呼吸サイクル、身体運動、生化学反応、及び/又は人体において既に利用可能であり得る任意の形のエネルギーから熱を得ることによって、電力を受け取ってもよい。インプラントへの電源2005は、より大きな電力をインプラント1000に供給するように、それらの動作を段階的に増大させてもよい。説明のために、インプラント1000が身体の熱からエネルギーを受け取った場合、インプラントへの電力は、インプラントの位置における温度を上昇させるために与えられる化学及び/又は加熱装置を包含してもよい。
【0029】
インプラントへの電源2005はまた、インプラント1000に電源を供給するために、運動、振動、電流、磁力、インダクタンス又はキャパシタンスを生み出してもよく、それは、例えば、運動により電力供給される電磁発電器、運動により電力供給される圧電モータ、結合インダクタ、キャパシタ、電池、及び/又は本開示において記述されるか又は当該分野において知られる如何なる電源を包含してもよい。
【0030】
発動部(mover)2006は、骨再形成インプラント1000を動かしてもよい(例えば、刺激してもよい)。例えば、発動部2006は、機械的、電気的、磁気的、容量性、誘導性、又は任意の他の種類の力若しくはエネルギーをアクチュエータに供給することによってアクチュエータ1006を動かしてもよい。そのような動きのいくつかの例示的な例は、本開示において更に議論されるであろう。例えば、発動部2006は、駆動される磁石を伸縮式のインプラント内で回転させる磁石を含んでもよい。発動部2006の回転は、インプラントを延長及び/又は短縮させる。
【0031】
送受信機2007は、他の内部及び外部構成要素と通信するように構成されてもよい。例えば、送受信機2007は、情報を送信するように、又はインプラント1000等の移植可能な装置から受信してもよい。いくつかの実施形態において、送受信機2007は、送受信機1007のようなインプラントの送受信機と通信して、生データ(例えば、電流の変化)、測定されたパラメータ(例えば、温度、変位若しくは歪み)、処理された情報(例えば、ステータス若しくは生物学的状態)、命令、質問信号、又は、インプラント若しくは外部装置に関連する如何なるデータ、情報若しくは信号を含む情報を交換してもよい。
【0032】
いくつかの実施形態において、送受信機2007は更に、データクラウド、パーソナルコンピュータ、携帯電話、ページャ、タブレット、モバイルデバイス、病院システム、又は患者若しくはケア提供者によって使用される任意の他のデバイス等の、他の外部装置と通信するように構成されてもよい。いくつかの場合において、ケア提供者がインプラント1000のような移植可能な装置の性能を評価し、患者に対してサービスを提供することができるように、診断、ステータス及び/又は治療の情報をケア提供者に送信することが、ERCについて望ましいことがある。いくつかの場合において、その外部装置は、ステータス情報、ファームウェア更新、治療命令、推薦、安全ロック、又は、インプラントの性能及び/又は患者の治療に関連する他のデータを、そのERCに対して送信し返してもよい。
【0033】
送受信機2007は、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetooth low energy)、ZigBee(登録商標)、Wi‐Fi(登録商標)、誘導無線データ送信、医療インプラント通信サービス(MICS)、無線周波数、近距離無線通信(NFC)、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)、又は任意の他の形式の無線データ送信を使用して通信するように構成されてもよい。
【0034】
動作モジュール2004は、送受信機2007を通してデータを送信/受信すること、インプラントへの電源2005を制御すること、発動部2006を制御すること、システムの機能を管理すること等のような動作を実行するために、プロセッサ/制御部2001に結合させられてもよい。プロセッサ/制御部2001はまた、メモリ2002に結合させられてもよく、メモリ2002は、揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよく、プロセッサ/制御部2001に命令及びデータを提供してもよい。プロセッサ/制御部2001は、典型的には、メモリ2002内に保存されたプログラム命令に基づいて論理演算及び算術演算を実行する。メモリ2002内の命令は、本明細書において記述される方法を実施するために実行可能であってもよい。プロセッサ/制御部2001はまた、治療の時期(時間)を決めるためにクロックを包含するか又はクロックに結合させられてもよい。いくつかの環境において、プロセッサ/制御部2001は、プログラムされたデータ及び/又はインプラントから得られるデータに基づいてインプラントに対して自動的に調整を行うようにプログラムされてもよい。
【0035】
電源2003は、動作エネルギーを提供するために、プロセッサ/制御部2001、メモリ2002、及び/又は動作モジュール2004に結合させられてもよい。電源2003は、本開示において記述される如何なる形式を取ってもよく(例えば、電源1003と同様の装置)、電気ソケットにプラグで接続するか、又は当該分野において知られる任意の他の電力若しくはエネルギー供給を使用してもよい。
【0036】
電源2003はまた、電力需要に応じて電力管理方策によって管理されてもよい。例えば、電力管理は、電力供給、スリープ及びアイドルのサイクルを設けてもよい。いくつかの場合において、電力管理方策は、ERC2000の総電力及び意図される総耐用年数を考慮に入れてもよい。いくつかの場合において、電力管理方策は、プロセッサ/制御部2001によって実施される。
【0037】
加えて、表示部(Display)/UIは、ERC2000に対してオンボードであってもよく、ERC200の外部にあってもよい。例えば、表示部/UI2008は、ERC2000に対してオンボードであるように図示されている。しかしながら、表示部/UI2008はまた、ERC2000の外部にあり、高精細マルチメディアインターフェイス、ディスプレイポート、Bluetooth(登録商標)(例えば、Bluetooth low energy)、ZigBee(登録商標)、Wi‐Fi(登録商標)、誘導無線データ送信、医療インプラント通信サービス(MICS)、無線周波数、近距離無線通信(NFC)、汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)、又は当該分野において知られる任意の他の形式の無線データ送信等の、無線若しくは有線のデータ経路を通じて、(例えば、プロセッサ/制御部2001と通信して)ERC2000に接続されてもよい。いくつかの実施形態において、表示部/UI2008は、タッチスクリーン、モニタ、テレビ受像機、液晶ディスプレイ、又は視覚的に情報を示す他の方法を有する。表示部/UI2008はまた、タッチパネル、ボタン選択、キーボード、マウス、音声入力、ローラーボール、ジェスチャーインターフェース、又は当該分野で知られる任意の他の情報入力方法を含んでもよい。いくつかの場合において、表示部/UI2008は、例えば音声データを再生したり、ビープ音を鳴らしたり、アラーム音を鳴らすことができるスピーカー又は音声生成装置に結合されられてもよい。
【0038】
いくつかの環境において、測定されたパラメータ及び/又は生物学的状態をケア提供者に示すことが、表示部/UI2008について望ましいことがある。その結果、ケア提供者は、表示された情報に基づいて治療の決定を行うことができる。例として、表示部/UI2008は、移植可能な装置に取り付けられたセンサの変位を示してもよい。センサが骨の二つの点に取り付けられ、センサが更に離れるように移動する場合は、この事象は、骨形成及び/又は骨の延長が起こっていることを示唆し得る。その結果、ケア提供者は、この情報を検討した結果として、骨にかけられる力又は調整速度を増大又は低下させることができる。いくつかの場合において、ケア提供者は、インプラントによって出力される力を直接的に制御してもよい。例えば、ケア提供者は命令をERC2000に送ってもよく、それは、インプラント1000にアップロードされることができる。代替的に、いくつかの実施形態において、ケア提供者はインプラント1000に直接的に命令を送ってもよい。
【0039】
他の実施形態において、ケア提供者はERC2000に制限を送ることができ、ERC2000を用いたインプラント1000の調整において患者が有する制御の量は、ある範囲の値に制限される。例えば、ケア提供者は安全カットオフ及び/又はオーバーライド機能を置くことができる。いくつかの状況において、ケア提供者又は患者は、緊急事態が発生した場合などに、オーバーライド制御を使用して完全にインプラント動作を停止させることができる。
【0040】
いくつかの場合において、ERC2000は、超音波、X線、磁気共鳴イメージング又はコンピュータ断層撮影等のイメージャに追加的に結合させられてもよい。いくつかの場合において、骨領域を画像化するために、超音波等の持ち運びできるイメージャと外部遠隔制御装置を結合させることが望ましいことがある。この情報は、表示部/UI2008を用いて表示されることができ、且つ/或いは使用者(例えば、ケア提供者)が見るために外部装置に送信されることができる。画像は、骨治癒、治療の進行及び/又は他の臨床的に関連するデータに関する追加的な情報を提供することができる。その追加的な情報は、骨再形成インプラントの調製を更に通知することができる。
【0041】
インプラント1000とERC2000との間の一つの例示的な相互作用は、以下の通りである。インプラント1000は、(例えば、センサ1005を使用して)生物学的状態を示す測定可能なパラメータを検出する。次いでインプラント1000は、(例えば、継続的に、周期的に又は質問(interrogation)に応じて)データをERC2000に送信する。データは、ERC2000にとって処理すべき生データであってもよく、又はインプラント1000によって既に処理されたデータであってもよい。次いでERC2000は、保存された患者情報を考慮してデータを解釈し、且つ/或いはケア提供者にそのデータを表示することができる。次いでERC2000はインプラント1000に命令を送信し、インプラント1000はそれらの命令に応じて作動する。いつくかの場合において、インプラント1000はまた、治療履歴等の作動後ステータス情報をERC2000に送信してもよい。
【0042】
例えば、大腿骨延長処置を受けている特定の患者のために、最適な伸延の速度は、1日当たり1mmであり得る。しかしながら、骨形成の速度は、患者によって異なることがあり、同様に異なる伸延の速度に関連付けられる不快感のレベルも異なることがある。インプラントによって記録された、骨形成の速度を示すフィードバックは、所与の環境のために伸延速度を最適化するために利用されてもよい。歪みゲージデータ又はオンボードセンサからの他のデータは、骨形成の進行を監視するために利用されてもよい。そのデータは、ERCによってインプラントから回収(リトリーブ)されてもよく、それは、内部的に、又は臨床従事者との組み合わせで、ある特定の患者が、1日当たり約0.5mm以下又は1日あたり約0.75mm以下までの、伸延速度の低下をもつことができるか或いはもつべきであることを、決定することができる。代替的に、本明細書において開示されるインプラント及び制御システムは、内部的又は臨床スタッフとの組み合わせのいずれかで、一つの所与の例において、患者が、1日当たり約1.5mm以下又は1日当たり約2mm以下にまで伸延速度を増大させることによって恩恵を受け得るか、又は増大することを歓迎し得ることを決定してもよい。
【0043】
加えて、ERCには、任意的に、患者によって行われるべき微調整用の調整が設けられてもよい。これは、現在の速度から、約5%以下、いくつかの実施においては約10%以下、他の実施においては約25%以下の量で増大又は低下させることによって、患者がプログラムされた伸延速度から逸脱することを可能にするであろう。所定の階層(bracket)の外側に調整を行うことの試みは、効果を有しないであろう。このようにして、患者には、不快感レベル又はその患者の他の欲求を考慮に入れて、伸延速度の微調整を可能にするのに十分な制御が与えられるであろう。
【0044】
図3は、一つの実施形態を示す。未修正の腓骨10は、それに取り付けられた骨再形成インプラント12を有する。骨再形成インプラント12は、軸方向の拡張若しくは圧縮、及び/又は捻転、又は所望の臨床結果を達成するために必要な他の動きに適するように構成されてもよい。
【0045】
骨再形成インプラント12には、骨10への取り付けのために、少なくとも第一取付点14及び第二取付点16が設けられる。図示された実施形態において、第一及び第二取付点14及び16は、第一骨ねじ15及び第二骨ねじ17を受容するための開口であってもよい。骨10への骨再形成インプラント12の取り付けは、例えば、第一取付点及び第二取付点のそれぞれにおいて一つ若しくは二つ又はそれ以上の骨ねじを利用することによる等、様々な方法のいずれで達成されてもよい。代替的に、第一取付点及び第二取付点は、プレートに接続されてもよく、骨に接着固定されてもよく、骨の少なくとも一部を取り囲むか又は潜在的に骨を取り囲むカラー若しくはリングに固定されてもよく、或いは所望の臨床結果を達成するために十分な構造的一体性(integrity)を有する他の取り付け構造であってもよい。
【0046】
第一骨ねじ15と第二骨ねじ17との間に位置する骨の部分が治療帯域であり、治療帯域にわたって、骨再形成インプラント12によって生成される力が分配される。図示されていないが、第一骨ねじ15と第二骨ねじ17との間の骨10は、通常一つ又はそれ以上の骨変形を含み、その矯正が望まれる。また、描写されていないが、第一骨ねじ15と第二骨ねじ17との間の骨10は、骨折などの骨傷害を含むことがある。
【0047】
一つ又はそれ以上のセンサが、設けられてもよい。一つ又はそれ以上のセンサは、インプラント本体12上のある場所に固定されてもよい。センサはまた、接続点15及び17上、又は骨と接触する場所に望ましく位置付けられてもよい。センサ23及び24は、生物学的状態(例えば、骨形成又は本開示において記述される生物学的状態のいずれか)を示すパラメータを測定するように構成されている。それらはまた、本開示において記述されるか又は当該分野で知られる、如何なる種類のもの(又は如何なる種類の組み合わせ)であってもよい。例えば、図示されている具体的な構成において、二つのセンサ23及び24は、例えば、赤外光(IR)等の光、レーザー、電流、インダクタンス、膜抵抗器、音響、又は当該分野で知られる物体間の距離を測定する任意の他の方法を使用して、応力(歪みゲージ)又は互いの間の距離を感知してもよい。この距離測定は、骨形成と相関し得る。例えば、センサが互いに更に離れるように動いている場合、好結果の骨形成が起こっており、それによってセンサ間の距離を長くしているかも知れない。
【0048】
プロセッサ25は、センサの出力を解釈して測定パラメータを計算してもよい。例えば、骨の歪みの測定において、センサ23及び24は、歪みと相関する電流を出力してもよい。次いでプロセッサは、それらの電気出力に基づいて歪みを計算してもよい。加えて、プロセッサ25はまた、生物学的結論のために、センサによって得られたデータ(例えば、経時的な歪み及び/又はセンサによって測定された異なるパラメータ)をコンパイルしてもよい。例えば、pH、温度、歪み及び変位を因子として考慮することによって、プロセッサ25は、骨形成が起こっているかどうか、並びに骨形成の速度及び円周方向の規則性又は不規則性の兆候を決定してもよい。プロセッサ25は、有効な治療処置のために又は治療の有効性を高めるために骨に適用され得る、力の量、増大した力の量若しくは低下した力の量を追加的に計算してもよい。
【0049】
いくつかの実施形態において、プロセッサ25は、治療の修正を制御してもよい。例えば、プロセッサ25は、インプラント本体12に結合させられたアクチュエータを駆動してもよく、そのアクチュエータは、骨に加えられる力の量又は角度を変化させてもよい。例えば、インプラント本体12は、インプラント本体12を収縮(contract)又は伸張(expand)させるモータ、磁気コイル及び/又は弾性部材を包含してもよい。収縮は、より大きな圧縮力を骨の少なくとも一方の側に加えてもよく、一方で、伸張は、より大きな伸延力を骨の少なくとも一方の側に加えてもよい。いずれの場合においても、インプラント本体12は、骨の一方の側のその位置の故に、骨に角度力を加えてもよい。
【0050】
一つ又はそれ以上の送受信機18もまた、設けられてもよい。送受信機18は、ケーブル20によって又は他の実施形態においては無線で、骨再形成インプラント12又は一つ又はそれ以上のセンサ23及び24と通信してもよい。代替的に、送受信機18は、インプラント内にあってもよく又はインプラントによって保持されていてもよい。ケーブル20は、インプラントの機能性に応じて、電気的、光学的、流体又は他の導管を含んでもよい。送受信機18は、情報を送信及び受信するように構成されてもよい。例えば、送受信機18は、誘導無線データ送信又は任意の他の形式の無線データ送信等の、先に述べられたモダリティ(modalities)のいずれかを使用して、外部装置と通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態において、送受信機18は、ERC22にデータを送信するように構成されている。データは、センサ23及び24によって生成されたデータ、プロセッサ25によって出力されたデータ、ステータス情報、生物学的状態、外部装置からの情報のためのリクエスト、又は本開示において記述される任意の他の関連する情報であってもよい。
【0051】
いくつかの実施形態において、送受信機18は、継続的にデータを送信するように構成されてもよい。そのような継続的な送信は、外部遠隔制御装置が患者の状態を監視し、必要なときに反応的な措置に着手することを可能にするために望ましいことがある。しかしながら、いくつかの環境において、計測的な送信は、より多くの電力を要求し、移植可能な装置の短い電池寿命につながり得る。他の実施形態において、変換器(transducer)18は、毎分、毎時、毎日、毎週、毎月、毎年、及び/又は、前述の期間のうちの任意の二つの間の任意の時間を含む任意の期間のように、周期的にデータを送信するように構成されてもよい。他の実施形態において、送受信機18は、ERC22又はいくつかの他の外部装置による質問信号に応じてデータを送信するように構成されてもよい。更に他の実施形態において、送受信機18は、ある事象、例えば、測定されたパラメータにおける突然の変化、測定されたパラメータにおける予め設定されたトリガ閾値への到達、検出された生物学的状態、又はインプラントステータスの変化(例えば、インプラントへの損傷又はインプラントが電池切れである)、に応じてデータを送信するように構成されてもよい。
【0052】
送受信機18はまた、ERC22から送信されるデータを受信するように構成されてもよい。このデータは、アクチュエータを駆動するための、プロセッサのための指示等の命令を包含してもよい。それはまた、データを送信するための、送受信機のためのステータス又はリクエストを提供してもよい。それはまた、ファームウェアの更新及び/又はアルゴリズム、プロトコル又は治療に対する更新を提供してもよい。
【0053】
いくつかの実施形態において、電源26もまた、設けられてもよい。電源26は、電池又は本開示において議論される任意の電源であってもよい。電源は、インプラント12の中若しくはインプラント12上に保持されてもよく、又は図示されているようにインプラントの付近に保持されてもよい。
【0054】
いくつかの実施形態において、メモリは、例えば、プロセッサデータ、ファームウェア、命令、電力管理データ、及び質問に対して送受信機によって出力されるべき情報を保存するために、プロセッサ25に結合させられてもよい。
【0055】
ERC22は、ERC2000と同じ機能性を有するERCであってもよい。具体的には、ERC22は、インプラントからデータを受信し、インプラントに応答性の命令を送るために送受信機18と通信してもよい。いくつかの場合において、インプラントはERC22の命令に応答して作動する。例えば、ERC22の命令は、インプラント本体12に結合させられたアクチュエータを作動させてもよい。
【0056】
図4は、他の実施形態を示す。この実施形態は、二つの骨再形成インプラント40及び50を有する。いくつかの実施形態において、インプラント本体40及び50のそれぞれは、それ自体のセンサに結合させられてもよい。例えば、インプラント本体40はセンサ55及び57を有し、インプラント本体50はセンサ52及び54を有する。複数のインプラントに電力供給をすることが望ましいときに、一つ又はそれ以上の内部又は外部の電源58が存在してもよい。また、インプラント本体40及び50にとって情報を送信及び受信することが望ましいときに、一つ又はそれ以上の内部又は外部の送受信機51が存在してもよい。また、データを処理することが望ましいときに、一つ又はそれ以上のプロセッサ53が存在してもよい。
【0057】
インプラント40及び50のような、二つ(又はそれ以上)のインプラントを骨上に有することは、いくつかの状況において、骨構造をより良好に支持するために望ましいことがある。これらのインプラントは、治療用途に応じて、共同で又は独立して動作させられてもよい。例えば、骨に対して同じ圧力を同じ方向に二つの側部から同時に印加する二つのインプラントは、骨形成中の骨への湾曲及び/又は他の変形を防止するか又は矯正する傾向があり得る。他方では、骨の湾曲を改善するために、一方のインプラントを圧縮し且つ他方のインプラントを伸延する、且つ/或いは異なるインプラントに異なる力を加えることによって、骨に更なる角度力が加えられてもよい。更に別の用途では、いくつかの環境において、一つの骨にわたって、異なる複数の速度で骨形成が起こってもよい。複数のインプラントを使用することは、補償的な圧縮又は伸延療法を適用することによって、これらの骨成長の差異を補償することができる。
【0058】
一つ又はそれ以上のインプラントが骨に固定されることができる多くの構成が存在し得ることが、明確に理解されるべきである。例えば、様々な点で大腿骨又は脊柱に取り付けられた四つ又はそれ以上のインプラント本体を使用する構成が当該分野において存在する。本開示の実施形態は、インプラントを骨に取り付ける如何なる具体的な形態又は方法にも限定されない。
【0059】
図5は、類似のインプラント装置が身体の他の部分に置かれ得ることを示す。例えば、一つ又はそれ以上の移植可能な装置510及び520は、脊柱の湾曲を調整するために、脊柱に沿って移植されてもよい。説明のために、インプラント510は、二つのアンカー装置511及び512によって二つの隣接する椎骨に取り付けられて示されており、一方では、別の装置520は、二つのアンカー装置521及び522によって隣接していない椎骨に、典型的に別個の処置で(便宜上同じ骨上に図示されている)取り付けられて示されている。この実施形態は、椎間板ヘルニア又は同様なものを緩和するため等、脊柱の湾曲を調整するために使用されることができる。
【0060】
いくつかの実施形態において、インプラントは、外部から調整されるように構成されている。例えば、
図6は、伸張する又は伸縮式のロッド410を示す。ロッド410の反対側の両端は、従来の外科用ねじを使用して骨上の選択された位置に固定される。例えば、ロッド410は、
図7又は
図3に描かれているようにねじ542を使用して骨に固定されてもよい。追加的又は代替的に、ロッド410は、髄間インプラントとして使用されてもよく、又はインプラント12,40,50,510及び/又は520の一部として若しくはそれらと併せて使用されてもよい。このようにして、ロッド410に対する外部から制御される調整は、生物学的状態を示す測定されたパラメータに基づいて行われることができることが、明確に理解されるべきである。例えば、インプラント12,40,50,510及び/又は520のセンサは、本開示において記述されるように、関連するデータ又は情報をERCに送信することができる。ERC又はケア提供者は、ERCがインプラントを調整するべきかどうかを決定するためにその情報を使用することができる。
【0061】
ロッド410は、正確な外部からの制御下で、経時的にゆっくりと、制御された力を生み出してもよく、また、完全に皮膚の下に隔離又は移植され、皮膚が提供する自然のバリアによって保護されてもよい。ロッド410はまた、小型、強力、容易に製造されるために十分に単純であり、偶発的活性化に免疫されず、生物学的に不活性であってもよい。
【0062】
ピックアップコイル430は、コイル430と近接する状態にされる電磁放射線の低周波発生器等の、外部のエネルギーの手持ち式供給源からエネルギーを受け取る。そのようなエネルギーの手持ち式供給源のいくつかの例は、ERC22,62及び/又は522である。ロッド410は皮膚バリアよりも下に移植され、一方でエネルギーの供給源は身体の外側にある。外部の誘導性電源は、従来の線周波数で駆動されてもよい。コイル430が筋ワイヤ438を効率的に駆動することが可能であるべき場合には、そのときは制御ダイオードを備えた貯蔵キャパシタがコイル430を備えた回路内に追加されることができるか、或いはより大きな複雑性をもって、ダイオード電圧マルチプライヤ(multiplier)を備えた電池及び制御ダイオードが使用され得るかのいずれであってもよい。一方ではコイル430とワイヤ438との間、他方ではコイル430と誘導性電源との間のインピーダンス整合の如何なる手段が採用されてもよい。外部の電源及び誘導的に電力供給される移植型コイルの使用は、当該分野においてよく知られており、例えば、移植型ペースメーカー装置の充電において日常的に使用されている。
【0063】
いくつかの代替において、エネルギーは、モータ428を駆動するために十分になるまでキャパシタに貯蔵されるまで、ピックアップコイルに送り込まれることができる。モータ428が始動するとすぐに、手持ち式装置は、放電を感知し、予め規定されたロックアウト期間にわたって停止することができる。他の代替において、オンボードの電池又は電源は、キャパシタを充電することを補助し、従って有意により多くの制御エレクトロニクスを要求する。例えば、そのようなオンボードの電池又は電源は、電源26,58及び/又は516であってもよい。
【0064】
いくつかの実施形態及び代替において、プロセッサ25,53及び/又は515のような内部のプロセッサは、例えばロッド410の伸長/収縮を可能にすること若しくは不可能にすること、又はそのような伸長/収縮に制限を設けることによって、電源及び/又はモータ428を追加的に制御してもよい。プロセッサはまた、ERCからの更なる命令、データ、ステータスを処理してもよい。
【0065】
いくつかの場合においてインプラントは、髄間の内側のような骨の内側に置かれてもよい。
図8は、骨の内側に置かれた、そのようなインプラント110を示す。インプラントは、インプラント本体に結合させられた、歪みゲージ又は本明細書において他の箇所で開示される他のもの等の、少なくとも一つの、図示された実施においては二つのセンサ301及び303を有する。それはまた、プロセッサ302,電源304及び送受信機305を有する。
【0066】
図9は、一つの具体的なインプラント110及びどのようにそれが作動するかを更に詳述する。インプラント110は、伸延シャフト114内に、一つ又はそれ以上の伸延シャフトねじ穴122を有し、その伸延シャフトねじ穴122を通してねじが配置され得る。同様に、ハウジング112は、一つ又はそれ以上のハウジングねじ穴124を有する端部キャップ130に取り付けられ、そのハウジングねじ穴124を通してねじが配置され得る。
図10aは、髄内延長装置110のハウジング112が磁石ハウジング128及びスプラインハウジング126を含むことを示す。ハウジング126,128は、溶接、接着剤による接着又は他の接合技術を用いて互いに取り付けられてもよい。磁石ハウジング128は、端部キャップ130の取り付けによって一端部(スプラインハウジング126との接続箇所の反対側の端部)に封止可能に閉じられる。端部キャップ130は、溶接、接着剤による接着又は他の接合技術を用いて磁石ハウジング128に取り付けられてもよい。使用中、伸延シャフト114は、主ねじ(lead screw)136を用いてハウジング112から駆動され、その主ねじ136は、伸延シャフト114の空洞137に隣接する内表面に固定されているナット140を内側で回転させる。主ねじ136は、間接的な方法で、磁石ハウジング128内に包含される円筒状の永久磁石134に機械的に結合させられている。円筒状の永久磁石134の回転は、外部の調整装置180(
図11)によって磁力で駆動され、主ねじ136の回転をもたらす。
【0067】
円筒磁石134は、例えば、エポキシ等の接着剤を使用して磁石ケーシング158内に固定的に包含されている。磁石ケーシング158は、磁石ハウジング128に対して回転する。円筒磁石134は、Nd‐Fe‐B等の希土類磁石であってもよく、磁石ケーシング158の中で保護されること、例えばエポキシ用いて密封して埋め込まれることに加えて、パリレン又は他の保護被膜を用いて被膜されてもよい。磁石ケーシング158は、一方の端部に、ラジアル軸受132の内部に取り付ける軸160を含む。ラジアル軸受132の外径は、ラジアル軸受132の内部に固定される。ラジアル軸受132の外径は、端部キャップ130の内部に固定される。この構成は、円筒磁石134が最小の捻れ抵抗で回転することを可能にする。その他の、反対側の端部において、磁石ハウジング158は、第1のプラネタリギヤセット154に取り付けられる軸161を含む。
図10bに示されるように、軸161は、第1のプラネタリギヤセット154のサンギヤを具え、サンギヤは第1のプラネタリギヤセット154のプラネタリギヤを回転させる。第1のプラネタリギヤセット154は、回転速度を低下させ、且つ円筒磁石134から主ねじ136への、結果として生じるトルク伝達を増大する働きをする。第2のプラネタリギヤセット156は、更なる減速とトルク増強のために、第1のプラネタリギヤセット154と主ねじ136との間に示されている。所望の速度及びトルク伝達を達成するために、プラネタリギヤセットの数及び/又はギヤ内の歯の数が調整されてもよい。例えば、大腿骨遠位側に位置する磁石を備えた9mmの装置の内側のそれぞれ4:1のギヤ比の二つのプラネタリギヤセットに取り付けられた、1インチ当たり80のねじ山を備えた主ねじは、外部装置からの平均距離又は隙間より大きい位置で少なくとも100ポンドの伸延力を達成することができる。
【0068】
図12において、ハウジング構成要素は、ハウジング112内での伸延シャフト114の摺動を可能にし、また伸延シャフト114がハウジング112内で回転可能となることを避けるカラーを含む、様々な内部機構を見せるために取り除かれている。これは、骨100の完全な安定性を可能にする。
【0069】
図11は、トルクを伝達する磁性結合を用いて骨再形成インプラント110を非侵襲的に制御するために使用されるERC180の一つの実施例を示す。ERC180は、磁性ハンドピース178(例えば発動部)、ハンドピースに統合されてもよい(プロセッサを含む)制御ボックス176、及び電池又は標準の電源出力への接続のための外部プラグ等の電源174を有する。制御ボックスは、一つ又はそれ以上の制御装置(ボタン、スイッチ、又は触覚、運動、音響若しくは光センサ)及び表示部184を有する制御パネル182を含む。表示部184は、視覚的、聴覚的、触覚的若しくは同種のもの、又は前述の機構のいくつかの組み合わせ、又は本開示において記述される如何なる他の表示部/UIであってもよい。制御ボックス176は、インプラントの送受信機305及び/又は他の外部装置との通信のための送受信機を更に包含してもよい。インプラント110を用いて、送受信機は、生データ(例えば、電流の変化)、測定されたパラメータ(例えば、温度、変位又は歪み)、処理されたデータ(例えば、ステータス又は生物学的状態)、命令、質問信号、又はインプラント若しくは外部装置に関連する任意の他のデータ、上方若しくは信号を含む、情報を得るか又は送信してもよい。ケア提供者がインプラント1000のような移植可能な装置の性能を評価し、患者に対してサービスを提供することができるように、他の外部装置を用いて、ERCは、例えば、診断、ステータス、治療情報、及び/又はインプラントから得られる任意のデータを、ケア提供者に送信又は受信してもよい。
【0070】
ERC180はまた、インプラントから得られるデータに基づいて、プロトコルをプログラムされるか且つ/或いは実施してもよい。例えば、ERC180(又はケア提供者)は、圧縮又は伸延の速度が減速又は加速されるべきであることを決定して、それに応じてインプラントを調整してもよい。代替的にERCは、その患者のために、そのERCに入力するか又はERCにインプラントへ送信させるための適切な調整を表示してもよい。加えて、いくつかの環境において、ERC180は、治療制限に応じて、治療に対して調整を行う使用者の能力を制限してもよい。
【0071】
当業者は、本明細書において開示される態様に関連して記述される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路及びアルゴリズムステップのうちのいずれであっても、電子ハードウェア(例えば、デジタル実装、アナログ実装、又は、ソースコーディング若しくはいくつかの他の技術を使用して設計され得る二つの組み合わせ)、命令を組み込んだ様々な形式のプログラム又は設計コード(本明細書において、便宜上、「ソフトウェア」又は「ソフトウェアモジュール」と呼ばれ得る)、又は、両方の組み合わせとして実装されてもよいことを、更に明確に理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に説明するために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路及びステップは、それらの機能性の観点から上記で一般的に記述されてきた。そのような機能性がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるかどうかは、システム全体に課される具体的な用途及び設計の制約に依存する。技術者(Skilled artisans)は、具体的な用途毎に様々な方法で記述された機能性を実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じさせるものと解釈されるべきではない。
【0072】
本明細書において開示される態様に関連して、また図面に関連して記述される様々な例示的な論理ブロック、モジュール及び回路は、集積回路(IC)、アクセス端末又はアクセスポイント内で実装されても又はそれらによって実行されてもよい。ICは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、電気的構成要素、光学的構成要素、機械的構成要素、又は本明細書において記述される機能を実行するように設計された、それらの任意の組み合わせを含んでもよく、IC内部、ICの外部、又はその両方に存在するコード又は命令を実行してもよい。論理ブロック、モジュール及び回路は、ネットワーク内又は装置内の様々な構成要素と通信するためのアンテナ及び/又は送受信機を含んでもよい。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ又は状態機械であってもよい。プロセッサはまた、計算装置の組み合わせ、例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた一つ又はそれ以上のマイクロプロセッサ、又は如何なる他のそのような構成として実装されてもよい。モジュールの機能性は、本明細書において教示されるようないくつかの他の方法で実施されてもよい。(例えば、一つ又はそれ以上の添付図面に関して)本明細書において記述される機能性は、いくつかの態様において、添付の特許請求の範囲において同様に指定された、機能性“のための手段”に対応し得る。
【0073】
ソフトウェアで実装される場合、機能は、コンピュータ可読媒体上の一つ又はそれ以上の命令又はコードとして保存されてもよく、又は送信されてもよい。本明細書において開示される方法又はアルゴリズムのステップは、コンピュータ可読媒体上に存在し得るプロセッサ実行可能ソフトウェアモジュール内で実施されてもよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ記憶媒体、及び一つの場所から別の場所へコンピュータプログラムを転送することを可能にすることができる任意の媒体を含む通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスされ得る如何なる利用可能な媒体であってもよい。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置又は他の磁気記憶装置、又は命令又はデータ構造の形式で所望のプログラムコードを保存するために使用されることができ且つコンピュータによってアクセス可能であり得る如何なる他の媒体を含んでもよい。また、任意の接続は、コンピュータ可読媒体と適切に称することができる。上記の組み合わせもまた、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。加えて、方法又はアルゴリズムの動作は、機械可読媒体及びコンピュータ可読媒体上のコード及び命令の一つ又は任意の組み合わせ若しくはセットとして存在してもよく、それらは、コンピュータプログラム製品に組み込まれてもよい。
【0074】
任意の開示されたプロセスにおけるステップの任意の特定の順序又は階層は、サンプルアプローチの一例であることが、理解される。設計嗜好に基づいて、本開示の範囲内に留まりながら、プロセスにおけるステップの特定の順序又は階層が再構成されてもよいことが、理解される。添付の方法の請求項は、サンプル順序における様々なステップの要素を提示し、提示された特定の順序又は階層に限定されるように意図されていない。
【0075】
本開示において記述される実施に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、本明細書において規定される一般的な原理は、本開示の精神又は範囲から逸脱することなく他の実施に適用され得る。したがって、本開示は、本明細書において示される実施に限定されるように意図されておらず、特許請求の範囲、本出願において開示される原理及び新規な特徴と一貫する最も広い範囲が認められるべきである。語“例”は、本明細書においては、“例、事例又は説明として役立つ”ことを意味するために排他的に使用される。「例」として本明細書において記述される任意の実施は、必ずしも他の実施形態よりも好ましい又は有利であるものと解釈されるべきではない。
【0076】
また、別個の実装の文脈において本明細書に記述されるいくつかの特徴は、単一の実装で組み合わせて実装することもできる。逆に、単一の実装の文脈で記述される様々な特徴も、別個に又は任意の適切なサブコンビネーションで複数の実装で実装されることができる。その上に、複数の特徴はいくつかの組み合わせで作用するものとして上で記述され、また当初はそのように主張され得るが、請求された組み合わせからの一つ又はそれ以上の特徴をいくつかの場合にはその組み合わせから切り出すことができ、請求された組み合わせは、サブコンビネーション又はサブコンビネーションの変形に向けられてもよい。
【0077】
同様に、複数の動作が特定の順序で図面に描かれているが、これは、所望の結果を達成するために、そのような動作が図示された特定の順序で又は順番に実行されること、又は全ての図示された動作が実行されることを要求するものとして理解されるべきではない。いくつかの環境において、マルチタスク処理と並列処理が有利なことがある。その上に、上述の実装における様々なシステム構成要素の分離は、全ての実装におけるそのような分離を要求するものとして理解されるべきではなく、記述されたプログラム構成要素及びシステムは、概して、単一のソフトウェア製品に共に統合されてもよく、又は複数のフトウェア製品にパッケージ化されてもよいことが理解されるべきである。加えて、他の実施も以下の特許請求の範囲の範囲内にある。いくつかの場合において、特許請求の範囲に列挙された動作は異なる順序で実行され、依然として所望の結果を達成することができる。