【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の態様によれば、セカンダリ基地局がプロトコル・レイヤ再確立を実施するべきであると決定されると、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器への待ち状態のデータ・パケットの継続送信を可能にするステップを含む、セカンダリ基地局における方法が提供される。
【0010】
第1の態様においては、二重接続性が、ユーザ機器が同時にマスタ基地局(MeNB)およびセカンダリ基地局(SeNB)に接続することを含む、と理解される。無線によって信号伝達する無線リソース制御(RRC)という観点から、二重接続性で動作するとき、ユーザ機器へデータ・パケットを送信するためのベアラの構成を制御する、2つの主な信号伝達手順がある。第1の手順は、セカンダリ基地局中のレイヤ2プロトコル・スタックの再確立を含まない、RRCパラメータ再構成である。第2の手順は、セカンダリ基地局におけるレイヤ2プロトコル・スタックの再確立を必要とする、セカンダリ基地局セル・グループ(SCG)変更手順であり、SCGパケット・データ・コンバージェンス・プロトコル(PDCP)レイヤが再確立され、SCG無線リンク制御(RLC)レイヤが再確立され、SCG中間アクセス制御(MAC)がリセットされ、SCG物理レイヤ(PHY)が解放される。第1の態様においては、プロトコル・レイヤ再確立が必要であるとき、変更を有効にするためにかかる時間がネットワーク・インターフェースの非理想的なバックホール特性に起因して比較的長い場合があり、そのことによって、ユーザ機器との通信が中断される場合があることも理解される。
【0011】
したがって、以下の方法が提供される。方法は、セカンダリ基地局のためであってよい。方法は、セカンダリ基地局がプロトコル・レイヤを再確立するべきであると決定され、検出され、もしくは確立される際、または決定され、検出され、もしくは確立されると、任意の待ち状態のデータ・パケットの送信を、セカンダリ基地局ベアラを介して継続できることを含むことができる。再確立が起こるまで待ち状態のデータ・パケットを送信し続けることができ、このことによって、サービスの中断を最小化し、再送信される必要があるデータ・パケットの数を減少させるため、このようにして、サービスの中断を最小化することができる。
【0012】
一実施形態では、方法は、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器にデータ・パケットの送信を継続するステップを含む。
【0013】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局ベアラが別の基地局に移動することに起因する。
【0014】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局のレイヤ2プロトコル・レイヤが再確立されることに起因する。
【0015】
一実施形態では、可能にするステップは、セカンダリ基地局の全てのセカンダリ基地局ベアラを介して、ユーザ機器への待ち状態のデータ・パケットの継続送信を可能にするステップを含む。したがって、送信は、そのセカンダリ基地局のためのあらゆるベアラを介して継続することができる。
【0016】
一実施形態では、可能にするステップは、送信を終了するトリガが生じるまで、継続送信を可能にするステップを含む。したがって、トリガが生じると、データ・パケットの継続送信を停止することができる。
【0017】
一実施形態では、方法は、トリガを生成するステップを含む。したがって、セカンダリ基地局は、それ自体がトリガを生成することができる。
【0018】
一実施形態では、生成するステップは、セカンダリ基地局が利用可能なリソースおよびセカンダリ基地局とユーザ機器との間のベアラ状態のうちの少なくとも1つに応答して起こる。したがって、セカンダリ基地局は、移動される予定であると現在は示されていないベアラに最も良好に割り当てることができるとセカンダリ基地局が考えているそのリソースの既存の制約に起因して、または、移動される予定のベアラの効率が、不十分な無線状態に起因して低いために、トリガを生成することができる。
【0019】
一実施形態では、トリガは、マスタ基地局から受信したメッセージを含む。したがって、マスタ基地局は、継続通信が停止されるべきであると、セカンダリ基地局に示すことができる。
【0020】
一実施形態では、メッセージは、その後に送信が終了する期間をトリガする。したがって、送信の停止は、規定された期間の後に起こることができる。
【0021】
一実施形態では、メッセージは、セカンダリ基地局修正確認メッセージおよびユーザ機器コンテキスト解放メッセージのうちの少なくとも1つを含む。任意の好適なメッセージを使用できることが理解されよう。
【0022】
データ・パケットの損失を防止するための機構が設けられていない限り、SCG変更手順がデータ・パケットの損失をもたらす可能性があることも、実施形態は認識している。これは、SCG変更が実施されると、セカンダリ基地局を介してオフロードされる全てのベアラが、全SCG−PDCP及びSCG−RLCの再確立、並びにSCG−MACのリセットに起因して影響を受けるので、特に当てはまる。これは、具体的には、スプリット・ベアラ二重接続性モードで動作するときに問題である。というのは、これは、RLC確認応答モード(AM)であり、RLC−AMベアラ上にマッピングされるトラフィックについて、無損失通信が確保されるべきであるためである。スプリット・ベアラが、マスタ基地局セル・グループ(MCG)ベアラとして再構成される、または別のセカンダリ基地局に移動されると、セカンダリ基地局に送信されていたがユーザ機器にはまだ首尾よく配信されていないデータを、再び送信しなければならない。したがって、マスタ基地局は、どのデータ・パケットを再送信する必要があるのかを知るために、どのパケットがユーザ機器に首尾よく配信されたのかを知る必要がある。したがって、実施形態は、SCG変更の際に、またはスプリットからMCGベアラへとベアラのタイプの変更が生じる場合に、スプリット・ベアラ上にマッピングされるトラフィックの損失を防止するために技法が必要であると理解している。損失データ・パケットの防止を支援をするための技法が存在するが、これらは、ユーザ機器からのPDCP状態報告に依存する。しかし、そのような状態報告はオプションであり、そのため依存することができない。PDCP状態報告が使用されないとき、ネットワークは、第1の未確認の、順番通りのデータ・パケットを再送信する必要があることになる。この確認は、RLC確認応答モードの確認応答に基づく。しかし、セカンダリ基地局中のスプリット・ベアラについて、マスタ基地局は、セカンダリ基地局からなんらRLC確認応答モードの確認応答情報を有さず、そのため、この手法は、スプリット・ベアラにとってやはり好適でない。
【0023】
したがって、一実施形態では、方法は、送信が終了するまで、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを送信するステップを含む。したがって、マスタ基地局には、ユーザ機器に首尾よく配信されたそれらのデータ・パケットのインジケーションがセカンダリ基地局自体から提供される。
【0024】
一実施形態では、方法は、セカンダリ基地局ベアラ上の送信が終了するまで、各セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを送信するステップを含む。したがって、マスタ基地局は、首尾よく配信されなかった、セカンダリ基地局へ提供されたデータ・パケットを決定することになる。
【0025】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、最後に首尾よく配信された順次(シーケンシャル)データ・パケットを示す。これは、既に配信されているため配信されないデータ・パケット、及び再送信される必要があるデータ・パケットを示すために特に有効な技法を提供する。
【0026】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、任意の首尾よく配信された後続の非順次データ・パケットを示す。
【0027】
一実施形態では、インジケーションは、マスタ基地局−セカンダリ基地局インターフェースによって提供される。1つのそのようなインターフェースは、X2インターフェースである。
【0028】
一実施形態では、セカンダリ基地局が経験した状態およびマスタ基地局から受信したメッセージのうちの少なくとも1つに応答して、セカンダリ基地局が、セカンダリ基地局ベアラの変更を実施するべきであると決定する。
【0029】
第2の態様によれば、セカンダリ基地局がプロトコル・レイヤ再確立を実施するべきであると決定されると、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器への待ち状態のデータ・パケットの継続送信を可能にするように動作可能なロジックを備える、セカンダリ基地局が提供される。
【0030】
一実施形態では、ロジックは、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器にデータ・パケットの送信を継続するように動作可能である。
【0031】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局ベアラが別の基地局に移動することに起因する。
【0032】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局のレイヤ2プロトコル・レイヤが再確立されることに起因する。
【0033】
一実施形態では、ロジックは、セカンダリ基地局の全てのセカンダリ基地局ベアラを介して、ユーザ機器にデータ・パケットの継続送信を可能にするように動作可能である。
【0034】
一実施形態では、ロジックは、送信を終了するトリガが生じるまで、継続送信を可能にするように動作可能である。
【0035】
一実施形態では、ロジックはトリガを生成するように動作可能である。
【0036】
一実施形態では、ロジックは、セカンダリ基地局が利用可能なリソースおよびセカンダリ基地局とユーザ機器との間のベアラ状態のうちの少なくとも1つに応答してトリガを生成するように動作可能である。
【0037】
一実施形態では、ロジックは、マスタ基地局から受信したメッセージに応答してトリガを生成するように動作可能である。
【0038】
一実施形態では、メッセージは、その後に送信が終了する期間をトリガする。
【0039】
一実施形態では、メッセージは、セカンダリ基地局修正確認メッセージおよびユーザ機器コンテキスト解放メッセージのうちの少なくとも1つを含む。
【0040】
一実施形態では、ロジックは、送信が終了するまで、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを送信するように動作可能である。
【0041】
一実施形態では、ロジックは、セカンダリ基地局ベアラ上の送信が終了するまで、各セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを送信するように動作可能である。
【0042】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、最後に首尾よく配信された順次データ・パケットを示す。
【0043】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、任意の首尾よく配信された後続の非順次データ・パケットを示す。
【0044】
一実施形態では、インジケーションは、マスタ基地局−セカンダリ基地局インターフェースによって提供される。
【0045】
一実施形態では、ロジックは、セカンダリ基地局が経験した状態およびマスタ基地局から受信したメッセージのうちの少なくとも1つに応答して、セカンダリ基地局が、セカンダリ基地局ベアラの変更を実施するべきであると決定するように動作可能である。
【0046】
第3の態様によれば、セカンダリ基地局がプロトコル・レイヤ再確立を実施するべきであると決定されると、送信が終了するまで、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを待つステップを含む、マスタ基地局における方法が提供される。
【0047】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局ベアラが別の基地局に移動することに起因する。
【0048】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局のレイヤ2プロトコル・レイヤが再確立されることに起因する。
【0049】
一実施形態では、方法は、セカンダリ基地局にセカンダリ基地局ベアラによる送信を終了させるため、セカンダリ基地局にメッセージを送信するステップを含む。
【0050】
一実施形態では、メッセージは、その後に送信が終了する期間をトリガする。
【0051】
一実施形態では、メッセージは、セカンダリ基地局修正確認メッセージおよびユーザ機器コンテキスト解放メッセージのうちの少なくとも1つを含む。
【0052】
一実施形態では、方法は、送信が終了するまで、セカンダリ基地局によってユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを受信するステップを含む。
【0053】
一実施形態では、インジケーションは、セカンダリ基地局ベアラ上の送信が終了するまで、データ・パケットが、各セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたことを示す。
【0054】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、最後に首尾よく配信された順次データ・パケットを示す。
【0055】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、任意の首尾よく配信された後続の非順次データ・パケットを示す。
【0056】
一実施形態では、インジケーションは、マスタ基地局−セカンダリ基地局インターフェースによって提供される。
【0057】
一実施形態では、方法は、ユーザ機器への配信のため、任意の未配信のデータ・パケットを再送信するステップを含む。
【0058】
第4の態様によれば、セカンダリ基地局がプロトコル・レイヤ再確立を実施するべきであると決定されると、送信が終了するまで、セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを待つように動作可能なロジックを備える、マスタ基地局が提供される。
【0059】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局ベアラが別の基地局に移動することに起因する。
【0060】
一実施形態では、前記プロトコル・レイヤ再確立は、前記セカンダリ基地局のレイヤ2プロトコル・レイヤが再確立されることに起因する。
【0061】
一実施形態では、ロジックは、セカンダリ基地局にセカンダリ基地局ベアラによる送信を終了させるため、セカンダリ基地局にメッセージを送信するように動作可能である。
【0062】
一実施形態では、メッセージは、その後に送信が終了する期間をトリガする。
【0063】
一実施形態では、メッセージは、セカンダリ基地局修正確認メッセージおよびユーザ機器コンテキスト解放メッセージのうちの少なくとも1つを含む。
【0064】
一実施形態では、ロジックは、送信が終了するまで、セカンダリ基地局によってユーザ機器に首尾よく配信されたデータ・パケットのインジケーションを受信するように動作可能である。
【0065】
一実施形態では、インジケーションは、セカンダリ基地局ベアラ上の送信が終了するまで、データ・パケットが、各セカンダリ基地局ベアラを介してユーザ機器に首尾よく配信されたことを示す。
【0066】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、最後に首尾よく配信された順次データ・パケットを示す。
【0067】
一実施形態では、インジケーションは、そのセカンダリ基地局ベアラについて、任意の首尾よく配信された後続の非順次データ・パケットを示す。
【0068】
一実施形態では、インジケーションは、マスタ基地局−セカンダリ基地局インターフェースによって提供される。
【0069】
一実施形態では、ロジックは、ユーザ機器への配信のため、任意の未配信のデータ・パケットを再送信するように動作可能である。
【0070】
第5の態様によれば、コンピュータ上で実行されたとき、第1または第3の態様の方法ステップを実施するように動作可能な、コンピュータ・プログラム製品が提供される。
【0071】
さらなる具体的で好ましい態様は、添付の独立請求項および従属請求項に記載される。従属請求項の特徴は、適宜、独立請求項の特徴と組み合わせることができ、請求項中に明示的に記載されるもの以外の組合せでもよい。
【0072】
装置の特徴が機能を提供するように動作可能であるものとして記載される場合、これが、その機能を提供する、またはその機能を提供するように適合もしくは構成される装置の特徴を含むことを理解されたい。
【0073】
本発明の実施形態は、添付図面を参照して、ここでさらに記載されることになる。