特許第6672306号(P6672306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6672306消防システムをテストするためのシステムと方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6672306
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】消防システムをテストするためのシステムと方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 37/50 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   A62C37/50
【請求項の数】26
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2017-531990(P2017-531990)
(86)(22)【出願日】2015年9月4日
(65)【公表番号】特表2017-529982(P2017-529982A)
(43)【公表日】2017年10月12日
(86)【国際出願番号】US2015048725
(87)【国際公開番号】WO2016037152
(87)【国際公開日】20160310
【審査請求日】2018年8月31日
(31)【優先権主張番号】14/479,261
(32)【優先日】2014年9月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517077201
【氏名又は名称】ルンド・ファイアー・プロダクツ・カンパニー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LUND FIRE PRODUCTS CO. INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー,リチャード・エフ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー,イアン・アール
(72)【発明者】
【氏名】カープ,ローレンス・アイ
【審査官】 二之湯 正俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−029968(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0154763(US,A1)
【文献】 英国特許出願公開第02280369(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A62C 2/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
消防システムのためのテストシステムであって、
a) 第一端部と第二端部とを有する供給ラインを含む少なくとも一つの流体導管であって、単一のフロアにある少なくとも一つの流体導管
b) 前記流体導管に接続された少なくとも一つの仕切バルブ、
c) 前記流体導管に接続された少なくとも一つの圧力制御バルブ、
d) 前記流体導管に接続され且つ前記少なくとも一つの圧力制御バルブの上流側に配置された第一圧力センサ、および前記流体導管に接続され且つ前記少なくとも一つの圧力制御バルブの下流側に配置された第二圧力センサ、
) 前記流体導管に接続されるとともに、前記第一端部と前記第二端部との間に位置する少なくとも一つのタップであって、流体が前記流体導管から流出して前記圧力制御バルブを通って流れることを可能にするタップ、を含む少なくとも一つの三方バルブ
f)前記圧力制御バルブの下流側において前記三方バルブに接続された、ベントを有する少なくとも一つの容器であって、前記少なくとも一つの圧力制御バルブのテスト中に前記流体導管から流体を受けるように構成され、且つ前記圧力制御バルブのテスト中に前記三方バルブを介してスプリンクラシステムから分離されるように構成された少なくとも一つの容器、を備えるテストシステム。
【請求項2】
前記流体導管は、複数のパイプである請求項1に記載のテストシステム。
【請求項3】
前記流体導管は、該流体導管に沿って水を通過させるように構成されている請求項2に記載のテストシステム。
【請求項4】
前記少なくとも一つの仕切バルブは、少なくとも一つの第一仕切バルブと少なくとも一つの第二仕切バルブとを含み、
前記少なくとも一つの圧力制御バルブは、前記少なくとも一つの第一仕切バルブと前記少なくとも一つの第二仕切バルブとの間に位置している請求項1に記載のテストシステム。
【請求項5】
前記流体導管は、消防ポンプと、消防ポンプコントローラと、重力タンクと、加圧タンクとを含むスプリンクラシステムを含む請求項1に記載のテストシステム。
【請求項6】
前記三方バルブは、前記圧力制御バルブ(PRV)の後、かつ、該圧力制御バルブの後に位置する第一スプリンクラの前に配置されている請求項1に記載のテストシステム。
【請求項7】
前記少なくとも一つの容器は、少なくとも一つのタンク圧センサをさらに備える請求項に記載のテストシステム。
【請求項8】
前記少なくとも一つの容器は、さらに、前記圧力制御バルブがテストされた後、前記少なくとも一つの容器を選択的に加圧して、該少なくとも一つの容器から流体を選択的に排出するように構成された少なくとも一つの加圧装置を含む請求項に記載のテストシステム。
【請求項9】
さらに、前記少なくとも一つの流体導管に沿って並列に接続された少なくとも一つの流量計と少なくとも一つの差圧センサとを備え、
前記流量計は前記圧力制御バルブを通る流量を測定する請求項に記載のテストシステム。
【請求項10】
前記加圧装置は、前記容器を加圧するように構成された少なくとも一つのエアコンプレッサを含み、
前記テストシステムは、さらに、少なくとも一つのドレンを含み、該ドレンは、前記容器から流体が排出されるときに、該容器から流体を排出するように構成されている請求項に記載のテストシステム。
【請求項11】
さらに、前記少なくとも一つの流体導管から流体を受け入れて、該流体を濾過してその閉塞容器内において前記流体から粒子を分離するように構成された少なくとも一つの閉塞容器を備える請求項1に記載のテストシステム。
【請求項12】
前記三方バルブは、前記圧力制御バルブのテスト中に、前記スプリンクラを流体の流れから分離するように構成されている請求項6に記載のテストシステム。
【請求項13】
前記容器がポータブル容器である請求項1に記載のテストシステム。
【請求項14】
少なくとも一つのマイクロプロセッサをさらに備え、前記少なくとも一つのマイクロプロセッサは、前記少なくとも一つの第一圧力センサと前記少なくとも一つの第二圧力センサとを含む前記システムと通信し、且つ圧力制御バルブがプリセットされた基準のセットを満たすか否かを判定するように構成されている請求項1に記載のテストシステム。
【請求項15】
前記少なくとも一つの流体導管に沿って並列に接続された少なくとも一つの流量計および少なくとも一つの差圧センサをさらに備え、前記流量計は前記圧力制御バルブを通る流量を測定し、前記マイクロプロセッサは前記流量計および前記差圧センサと通信し、前記マイクロプロセッサは、前記圧力制御バルブがプリセットされた基準のセットを満たすか否かを判定するように構成されている請求項14に記載のテストシステム。
【請求項16】
消防システムをテストする方法であって、
a) 少なくとも一つの第一バルブを流体導管に接続する工程、
b) 前記流体導管からスプリンクラヘッドを接続解除する工程、
c) 圧力制御バルブを通して水を流す工程、
d) 前記圧力制御バルブを通る流量を測定する工程、
e) 前記圧力制御バルブの下流側の圧力を測定する工程、
f) テストを停止する工程、そして
g) 結果を報告する工程
を備える方法。
【請求項17】
前記少なくとも一つの第一バルブを接続する工程は、少なくとも一つの三方バルブ又はテストバルブを前記流体導管に接続する工程を含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記工程a)と工程b)の間に行われる、少なくとも一つの容器を前記少なくとも一つの第一バルブに接続する工程を更に含み、前記少なくとも一つの容器を前記少なくとも一つの第一バルブに接続する工程は、少なくとも一つの加圧された容器を前記少なくとも一つの第一バルブに接続する工程を含む請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記圧力制御バルブの下流側の圧力を測定する工程は、前記圧力制御バルブの近傍に位置する差圧センサにおいて圧力を測定する工程を含む請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記流量を測定する工程は、前記圧力制御バルブの下流側かつ近傍に位置する流量計において流量を測定する工程を含む請求項16に記載の方法。
【請求項21】
さらに、少なくとも一つの容器を前記流体導管に接続する工程を備える請求項16に記載の方法。
【請求項22】
前記テストを停止する工程は、前記少なくとも一つの容器が流体で満たされたときに行われる請求項21に記載の方法。
【請求項23】
さらに、前記少なくとも一つの容器を加圧して、該少なくとも一つの容器から前記流体を強制して、前記流体が前記少なくとも一つの容器から排出させるようにする工程を備える請求項22に記載の方法。
【請求項24】
さらに、前記圧力制御バルブがコンピュータのメモリに格納されたプリセットされた流量基準を満たすか否かを判定することによって、該圧力制御バルブを交換するか否かを判定するために前記コンピュータを使用する工程を備える請求項16に記載の方法。
【請求項25】
前記圧力制御バルブを交換するか否かを判定する工程は、圧力に関するテスト値が前記コンピュータに格納されたプリセットされた圧力範囲内であるか否かを判定する工程を含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記圧力制御バルブを交換するか否かを判定する工程は、流量に関するテスト値が前記コンピュータに格納されたプリセットされた流量範囲内であるか否かを判定する工程を含む請求項24に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、ここにその開示全体を参考文献として組み込まれる2014年9月5日出願の米国特許出願公開第14/479261号明細書の一部継続出願である。
本発明の少なくとも一つの実施形態は、消防システムをテストするためのシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
前記システム及び方法は、消防システムの少なくとも一つのコンポーネント、例えば、バルブ、を分離する、少なくとも一つのコントローラ及び/又はコンピュータ、を含むことができる。少なくとも一つの実施形態において、前記バルブは、該バルブに水を通して流すことによってテストすることが可能な圧力制御バルブ(PRV)として構成することができる。次に、前記システム及び方法は、その結果を記録し、前記バルブがテストをパスしたか否かを判定することができる。
【0003】
圧力制御バルブは、消防システムの重要な部分を構成しうる。防火用途のための圧力制御バルブは、防火システムにおいて、熱膨張又はラインサージによって引き起こされる過度の水圧に対する保護を提供するように構成される。例えば、少なくとも一つの実施形態において、ある建物の各フロアに、スプリンクラシステムに沿って、スプリンクラシステムの各フロア上、スプリンクラヘッドの手前、又はその上流側に、圧力リリーフバルブを設けることができる。この構成によれば、前記圧力リリーフバルブによって、スプリンクラヘッドに流体を早期に放出させたり、不良な水の噴霧パターンを作り出させる虞のある過度の圧力がスプリンクラヘッドに到達することが防止される。例えば、少なくとも一つの実施形態において、圧力制御バルブの上流側の流体導管における圧力は、225〜175psiの間になる可能性がある。しかしながら、流体が圧力制御バルブ(PRV)を通過した後は、スプリンクラシステムのスプリンクラヘッドにおける水の不適切な分布を防止するため、流体圧は175psi以下に低下することができる。
【0004】
ここに参考文献として組み込まれるTaylorの米国特許出願公開第2012/0298381号明細書等、その他の消防システムも知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第14/479261号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2012/0298381号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、消防システムを効率的にテストするためのシステムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
少なくとも一つの実施形態は、第一端部と第二端部とを有する少なくとも一つの流体導管を有することが可能な消防システム用のテストシステムを含む。前記システムは、仕切バルブと、前記導管に接続された少なくとも一つの圧力制御バルブとを備えることができる。前記流体導管にはタップ又は三方バルブが接続され、これは前記第一端部と前記第二端部との間に位置し、流体が前記流体導管から流出して前記圧力制御バルブを通過、又はそれを通って流れることを選択的に許容するように構成されている。
【0008】
次に、このシステムは、前記圧力制御バルブを前記システムから取り外すことなく、該圧力制御バルブをテストすることを可能にする。
【0009】
少なくとも一つの実施形態において、消防システムをテストするための方法は、少なくとも一つの第一バルブを流体導管に接続する工程、前記流体導管からスプリンクラヘッドを接続解除する工程、前記圧力制御バルブを通して水を流す工程、前記圧力制御バルブを通る流量を測定する工程、前記圧力制御バルブの下流側の圧力を測定する工程、テストを停止する工程、そして、結果を報告する工程を含むことができる
【0010】
この方法は、圧力制御バルブをシステムから取り外すことなく、該圧力制御バルブをテストするために使用することができる。
【0011】
本発明のその他の課題及び特徴は、添付の図面を参照して下記の詳細説明から明らかになるであろう。但し、これらの図面は例示としてのみ意図されるものであつて、本発明の限定の定義として意図されるものではないことが明記される。
【0012】
これら図面において、複数の図示において類似の部材は類似の参照符号によって示されている。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、テストシステムが接続された消防システムの概略ブロック図である。
図2A図2Aは、前記システムとともに使用することが可能なコンピュータの概略ブロック図である。
図2B図2Bは、前記消防システムの始まり及び終わり領域の概略ブロック図である。
図3図3は、建物内の消防システムの一例の概略ブロック図である。
図4図4は、図1に示された実施形態に使用される消防システム用のテストシステムの概略ブロック図である。
図5図5は、図1に示された実施形態に使用される消防システム用のテストシステムの別実施形態の概略ブロック図である。
図6図6は、消防システムをテストするための方法の第一実施形態のフローチャートである。
図7図7は、消防システムをテストするための方法の別実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、テストシステム10が接続された消防システム5の概略ブロック図である。例えば、前記消防システム5は、第一端部において消防ポンプ14及び第一消防ポンプコントローラ16に接続されたライザライン22を含む流体導管を含む。前記流体導管は、パイプ等の技術において知られている任意の適当な流体導管として構成することができる。前記消防ポンプコントローラ16は、前記ライザライン22等の前記流体導管内の流体を加圧するために前記消防ポンプ14を制御する。少なくとも一つの実施形態において、前記流体は、都市用水を提供する水道本管から採られる水である。少なくとも一つの追加の実施形態において、前記流体は、追加の消防用流体と混合されたなんからの形態の水として構成することができる。水は、又、加圧タンクや重力ウォータタンクから供給することも可能である。
【0015】
前記消防ポンプコントローラ16は、中央コントローラとして機能することも可能であるし、中央コントローラ若しくはコンピュータ19に接続されるように、又は、それと通信するように構成することも可能である。中央コントローラがコンピュータ19等として使用される場合には、それはLinux,Apple又はWindowsベースのオペレーティングシステムを実行する典型的なIntelベースのパーソナルコンピュータ等のコンピュータとして構成することができる。コンピュータ19は、他の制御装置に無線接続されたり、又は、イーサネット接続等の有線接続19.1を介して他の制御装置に接続されることも可能である。
【0016】
図2Aは、前記コンピュータ19の構成を示し、これは、マザーボード191と、マイクロプロセッサ192と、フラッシュやEEPROMメモリや該技術で知られるその他の適当なメモリ等のメモリ193と、ハードドライブやフラッシュドライブ等のマスストレージデバイス195と、トランシーバ又は通信ポート196と、キーボード、マウス又はスクリーン等用の入力ポート等の少なくとも一つのI/Oポート197と、前記マザーボードと前記諸コンポーネントに対して電力を供給する電源198と、を有する。これらのコンポーネントは、互いに、前記マザーボード191上で電気的かつ通信可能に、接続され、互いに通信して前記マイクロプロセッサが、図6に示す工程の少なくともいくつかを実行可能する。
【0017】
図2Bに示されているように、消防ポンプコントローラ16は、通信ライン17.1を介して消防ポンプ14に接続されている。又は、消防ポンプコントローラ16は、消防ポンプ14に指令を出すために無線接続されることも可能である。消防ポンプコントローラ16の近傍には、消防ポンプコントローラ電源によって発生する熱を測定するためのセンサ13が配置されている。さらに、前記消防ポンプ14の近傍には、該消防ポンプによって発生される熱を測定するために、センサ15.1及び15.2等の熱センサが配置されてもよい。圧力センサ15.3、タコメータ15.4又はその他の圧力センサ15.5等の別のセンサも、このラインに沿って接続することが可能である。この情報は、コンピュータ19に対して有線又は無線によって送ることができる。
【0018】
図1図2Bとの両方に示されているように、消防ポンプ14の反対側の端部には、バルブ25.1,25.2,25.3を含む一連のバルブ25と、圧力センサ27.1,27.2,27.3及び27.4を含む対応する圧力センサ27とが設けられている。これらのラインのそれぞれは、さらに、前記流体導管からの流体を選択的に排出するために使用される対応する流量計29.1も含むことができる。
【0019】
図1に示されているように、前記流体導管の二つの端部の間には、少なくとも一つの供給ライン24を構成する中間接続部が設けられている。供給ライン24等のラインは、図3に示されているサービスライン52,54,56及び58のいずれかのような、フロア用の導管又はサービスラインを構成する。このように、供給ライン24のそれぞれは異なるフロア上で繰り返され、これらの異なるフロアはライン52,54,56及び58によって例示されている。
【0020】
図1図4との両方に示されているように、個々の供給ライン24からライザライン22を分離するために、供給ライン24に沿って少なくとも一つの仕切バルブ30が配置されている。
【0021】
圧力制御バルブ(PRV)60が、供給ライン24に接続され、かつ該ライン24に沿って配置されている。該圧力制御バルブ60の両側には、圧力センサ32及び34が接続されている。圧力センサ32は、圧力制御バルブ60の上流側においてバルブ32.1の近傍に配設されている。圧力センサ34は、圧力制御バルブ60の下流側においてバルブ34.1の近傍に配設されている。圧力センサ32,34はコンピュータ19と無線通信又は有線通信するように構成されている。供給又はサービス供給ライン24には、圧力センサ34の下流側において、バルブ35が接続され、これは、供給ライン24からの流体をドレン31へと選択的に排出するためにドレンライン29に接続されている。さらに、供給ライン24には、テストバルブが接続され、これは、少なくとも一つの実施形態においては、テストライン26内へと供給する、又は、スプリンクラ供給ライン28へと選択的に流す三方バルブ38である。スプリンクラ供給ライン28に沿って、複数のスプリンクラヘッドが接続され、これらは、温度上昇又は熱の検出時に消防するために使用することができる。さらに、オプションの閉塞又は障害物テスト容器又はバレル110へと供給するライン109(図1と5を参照)に接続されたもう一つの仕切バルブ36が設けられている。ライン109は供給ライン28に接続されている。
【0022】
図4は、図1に示された実施形態の変形を示し、この図は、圧力制御(PRV)バルブ60が適切に機能しているか否かをテストするための前記テスト装置への追加を示している。ライザライン22には、バルブ23.1及びライザ圧力センサ23.2が接続されている。
【0023】
図4に示されているように、テストライン26は三方バルブ38に接続されている。三方バルブ38は、テストライン26及び供給ライン24に接続されている。流量計70は、三方バルブ38の下流側において、テストライン26に沿って接続されている。流量計70と並行に、差圧センサ72が接続され、これは並行ライン74に沿って接続されている。これらのライン26及び74の両方が自動制御バルブ80に供給される。自動制御バルブ80を、テスト時において、この自動制御バルブ80を自動的に開放することができる消防ポンプコントローラ16又はコンピュータ19等のコントローラに有線又は無線で接続することができる。さらに、流量計70及び差圧センサ72も、コンピュータ19と通信するとともに、このテスト時において、コンピュータ19に値を送る。
【0024】
テスト時においては、適当なコントローラが自動制御バルブ80を開放し、流体を容器90に流入させる。流れをシミュレーションするために自動制御バルブ80も開放される。
【0025】
容器90は、テストライン26に沿って接続され、これは、フロアからフロアへと移動させて供給ライン24等の選択されたサービスラインに接続することが可能なポータブルタンクを含む。正常な運転条件下では、単純な三方バルブ又はテストアウトレット38が前記ラインに接続されている。したがって、ライン24は、ユーザが三方バルブ38を閉じることを可能にするタップ38.1を有する。例えば、ユーザが、毎年又は5年毎等の定期的に前記ラインをテストすることが必要なときに、ユーザは、三方バルブ38をタップしてスプリンクラを前記ラインから分離し、その代わりに、流体を容器90等の容器に送り込むことができる。テスト中、流体が前記容器に流れ込むと、前記システムは、テスト中に、差圧センサ72の値及び流量計70の値を読み取ることによって、PRVバルブ60が作動しているか否かを判定することができる。
【0026】
容器90は、先ず流体を受け入れ、その後、選択的に流体を排出することができるように、選択的に減圧及び/又は加圧され得る。タンク又は容器90には、ベント92とタンク圧センサ94とが接続されている。さらに、タンク又は容器90を選択的に加圧するために、加圧装置を含むことができ、これは、レギュレータを備えるエアシリンダ96、又はポンプ99を有するエアコンプレッサ等として構成することができる。前記タンクは、この加圧装置に、テストバルブを介して、又は、少なくとも一つの実施形態においては、空気等の加圧流体が前記タンクに流れ込んで、その内部に既に存在する水等の流体を強制排出するために選択的に開放される三方バルブ138を介して、接続されている。タンク又は容器90は、加圧容器又はタンク、又は、重力供給によってラインに圧力を作り出す重力供給タンク等である。重力供給タンクの場合、該タンクの位置決めは、前記システムへの流体の流れを可能にするように、又は、前記システムから流体を押し出すために加圧されるように設定することができる。
【0027】
タンク又は容器90は、時間の経過とともに加圧された流体を受けるための設定容積として機能するために使用される。プリセットされた時間に亘って前記流量計と前記差圧センサとを使用し、前記タンクを満たす時間を測定することによって消防ポンプコントローラ16又はコンピュータ19等の前記コントローラが、前記圧力制御バルブが正しく作動しているか否かを判定することができる。
【0028】
タンク又は容器90は、さらに、圧力下の流体が、三方バルブ38を介して該容器から分配されることを可能にするサイフォンチューブ97を含むことができる。これにより、水は圧力下において、この水は、自然に、テストライン26に沿ってサイフォンチューブ97を流れ上がり、三方バルブ38を通過して前記システムから流出し、バルブ35に流れ込み、その後、ドレンライン29に流れる。
【0029】
さらに、前記タンク又は容器は、圧力リリーフバルブ203を含むことができ、これは前記タンクの上部領域に取り付けられる。この圧力リリーフバルブの圧力範囲設定は、200〜600psiの範囲において設定することができる。
【0030】
前記装置に、さらに、シリンダベントバルブ201を含むことができる。これには、シリンダ圧の増加無しに、シリンダをほぼ半分の水で満たすことを可能にするサイフォンチューブが備えられる。したがって、この構成は、大気に対するスプリンクラヘッドの作動をより近似してシミュレートする。適切な水及び圧力の流れの読み取り値に基づいて、前記サイフォンチューブは、水が前記エアリリーフバルブを満たすことを許容するばかりでなく、空気が前記シリンダ/タンク/容器90内に残ってクッションとしてふるまうことを許容し、前記シリンダを空にする圧力上昇を蓄積させる。
【0031】
さらに、ベントバルブ(201)の出口に仕切バルブ202が追加されたことによって、前記シリンダ/タンク/容器90を空にする処理の間、前記仕切バルブが閉鎖され、該シリンダ/タンク/容器90に空気が再流入することを許容しないとともに、前記シリンダが該シリンダ/タンク/容器90から大気中へ水を排出しきることを許容する。
【0032】
少なくとも一つの実施形態において、バルブ201は、モデルVM−49として構成されることができ、これは、前記サイフォンチューブを流れ上る水を感知し、前記フロートバルブが閉じるときに前記バルブチャンバーを満たすフロートを含む。さらに、圧力リリーフバルブ203は、Cash Value Model K−10から構成することも可能である。
【0033】
テスト及び評価が行われると、前記エアコンプレッサ又はエアシリンダを介して前記タンクを加圧し、前記タンク内の水をドレンライン29を通して強制的に排出することによって、前記タンクからその流体を排出され得る。
【0034】
各サービスライン、又は、前記システム全体も、閉塞、障害物又は妨害物等の粒子の存在について自動的又は選択的にテストすることができる。
【0035】
したがって、図1に示されているように、スプリンクラ供給ライン28は、障害物テスト容器110への接続バルブとして機能する仕切バルブ36へ供給される。
【0036】
図5に示されているように、障害物テスト容器110へと供給するライン109に仕切バルブ36が接続されている。障害物テスト容器110は、圧力ゲージ114と、さらに、ベント112とが接続された筒体111を有する。前記筒体内部に流体が流入すると、空気がベント112を介して放出される。さらに、ライン119にはオプションのゲージ113も接続されている。前記流体は、前記筒体内部において、スクリーン115の近傍に配設された偏向スクリーン117に流入する。この流体は、コーンヒッティングフィルタスクリーン115として形成された偏向スクリーン117から跳ね返り、それによってこの内部スクリーン内に存在する障害物を試験のために捕捉する。フィルタスクリーン115は、偏向スクリーン117から流れ出る材料を捕捉するために、偏向スクリーンの周囲に構成される。
【0037】
前記筒体全体を、これをモバイルカート116に取り付けることによって移動可能に構成することができる。さらに、前記筒体には、複数のバルブ127,128、さらに、エアコンプレッサ122、レギュレータ124を備えるエアシリンダ、又は、前記筒体から材料を選択的に押し出すポンプ126、が接続されている。エアホースリール120が、前記筒体の側部に接続されることができ、これは、前記シリンダレギュレータ124、前記エアコンプレッサ122又は前記ポンプ126のいずれかへの接続に使用することができる。さらに、筒体111には、別のライン190が接続され、これは、流体がその内部を流れるときに、前記筒体からの圧力の開放を可能するように構成された圧力リリーフバルブ194を有している。
【0038】
図6は、前記消防システムをテストするための前記方法の第一実施形態のフローチャートである。例えば、前記方法は工程S1から始まり、ここでは、ユーザが三方バルブを供給ライン24等のサービスラインに接続する。次に、工程S2において、容器90等の容器がテストライン26等の流体導管に接続される。次に、工程S3において、前記三方バルブが作動されて、スプリンクラヘッドをシステムの残り部分から分離する。ベント112は、バルブを備えることができ、さらに、必要な場合はフィルタを追加することも可能である。
【0039】
次に、工程S4において、水がPRVバルブ60等の圧力制御バルブを通って流れる。これは、工程S5において行われ、ここでは、自動制御バルブ80が開放し、水がタンク又は容器90内に流入する。
【0040】
次に、工程S6において、前記システムは、PRVバルブ60を通る流量を測定する。この工程は、流れる流体の量、流体が流れる時間を判定し、流体が適切な流量で、適切な圧力で圧力制御バルブ60を通って流れているか否かを判定するために、流量計70からの読み取り値及び差圧センサ72からの読み取り値を取得することによって、判定する。さらに、前記システムは、工程S7において圧力差を測定する。
【0041】
これにより、工程S7においては、圧力センサ32、さらには圧力センサ34からの圧力が、消防ポンプコントローラ16やコンピュータ19等のコントローラによって読み取られて、供給ライン24の内部の圧力を制御する圧力制御バルブ60の能力が判定される。さらに、追加の参照点を提供するために、ライザ圧センサ23.2からの圧力も、消防ポンプコントローラ16又はコンピュータ19によって読み取ることができる。
【0042】
これにより、工程S8においては、水が圧力制御バルブ60を通って流れるときに、前記コントローラが流量と圧力の変化を読み取り測定する。次に、工程S11の前後、コンピュータ19等の前記システムは、工程S10において、容器90内の圧力を高めて、この容器90の外側の流体をドレン容器90へと送り出すことができる。上述したように、コンピュータ19によって行われるこの方法の前記各工程は、前記マスストレージデバイスから前記メモリに供給され、その後、関連するマイクロプロセッサ192等のマイクロプロセッサに供給されるインストラクションを読み取る前記マイクロプロセッサによって行われる。
【0043】
工程S11は、前記PRVバルブが該PRVバルブの製造業者によって設定された流量基準を満たすか否かを判定するために、流量計70及び差圧センサ72の測定を行うものである。例えば、この流量基準は、流量の少ない範囲から多い範囲まで等のプリセットされた値の許容可能範囲として構成することができる。前記流量の代わりに、又は加えて、基準として設定可能なもう一つの値は、許容可能な低圧レベル又は高圧レベルに基づくプリセットされた圧力範囲である。これらの基準は、マスストレージデバイス195、メモリ193に格納することができ、マイクロプロセッサ192を使用して評価することができる。
【0044】
前記PRVバルブが前記プリセットされた流量基準を満たしている場合は、前記バルブは検査に合格する。しかし、PRVバルブ60が前記プリセットされた基準を満たしていない場合は、コンピュータ19は、ユーザに対してこのバルブは交換が必要であることを知らせることができる。
【0045】
最後に、前記テストシステム及び方法は、工程S11に示されるように、前記圧力制御バルブが設計どおりに作動しているか、そして交換しなければならないか否かを判定するために使用される。
【0046】
前記圧力制御バルブをテストするための自動テストを作り出すことによって、前記圧力制御バルブ(PRV)を現場から取り外して、制御されたラボでテストする必要がなくなる。これによってスプリンクラシステム等の消防システムが連続して作動すること、そしてそれを少ないダウンタイムで恐らくは少ないコストでテストすることが可能となる。さらに、前記自動テストシステムは、システム内部の障害物があるかをテストして、消防システム内に腐食又は故障があるか否かを判定することにも使用可能である。
【0047】
図7は、テストの別の実施形態を示している。この実施形態では、追加の工程S12があり、ここで、ユーザは図5に示されている障害物テスト容器110を粒子の存在に関して検討し検査することができる。このテストでは、下部バルブ128が障害物を残したまま流体を排出する。これにより、ユーザは、ラインの健全性を判定するために前記容器110を検査することが可能となる。排水中の粒子のサイズと粒子の濃度とに応じて、供給ライン24等のラインのいずれかを交換することが必要となるかもしれない。したがって、図4のテストシステムと図5の追加のテストシステムとを、建物又は建物の個々のフロアのために、供給ラインの健全性/質又は寿命を判定するために使用することができる。
【0048】
したがって、本発明の少なくとも一つの実施形態を示し説明してきたが、本発明の要旨及び範囲から逸脱することなく、これに対して様々な変更及び改造を行うことが可能であることは当然である。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7