(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6672334
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】ミネラル水取得装置
(51)【国際特許分類】
C02F 1/68 20060101AFI20200316BHJP
C02F 9/04 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
C02F1/68 530B
C02F1/68 510B
C02F1/68 520B
C02F1/68 520K
C02F1/68 520M
C02F1/68 520V
C02F1/68 540A
C02F1/68 540D
C02F9/04
C02F1/68 540C
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2017-557519(P2017-557519)
(86)(22)【出願日】2015年12月21日
(86)【国際出願番号】JP2015006344
(87)【国際公開番号】WO2017109812
(87)【国際公開日】20170629
【審査請求日】2018年11月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】316017055
【氏名又は名称】株式会社テクノシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】生田 一誠
【審査官】
小久保 勝伊
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−107031(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3115191(JP,U)
【文献】
特表平07−501746(JP,A)
【文献】
特開平11−090457(JP,A)
【文献】
特開2007−125534(JP,A)
【文献】
特開平11−145503(JP,A)
【文献】
特開2006−102726(JP,A)
【文献】
特開昭59−092089(JP,A)
【文献】
国際公開第2009/059600(WO,A1)
【文献】
米国特許第06080313(US,A)
【文献】
登録実用新案第3023422(JP,U)
【文献】
特開2006−51428(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C02F 1/00− 1/78
B01J 39/00−49/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
可搬式のハウジング(1)内に、駆動ポンプ(15)によって圧送される被処理水又はイオン交換樹脂再生用の塩水のいずれかを送り込むことができる被処理水供給管(45)と、この被処理水供給管に接続しかつ前記イオン交換樹脂を有する第1浄水槽(21)と、この第1浄水槽に流路を介して接続しかつ少なくとも活性炭又は中空糸膜のいずれか一つを含む第2浄水槽(22)と、この第2浄水槽に接続するミネラル添加槽(23)と、前記第1浄水槽と前記第2浄水槽の間の流路切替え弁(24)を有する流路に設けられかつ前記塩水を排出する排出管(52)を備えるミネラル水取得装置であって、
前記ハウジング(1)は、上端開口の箱型本体と、該箱型本体に開閉自在に設けられたケース状の蓋体とから成り、把手を利用して引いて歩くことができる直方体の旅行用トランク型のものであり、この旅行用トランク型のハウジング内には、さらに、電気を蓄えるバッテリ(7)と、このバッテリからの給電を受ける制御部(8)と、この制御部に制御され、かつ前記バッテリを電源とする前記駆動ポンプ(15)が内設されており、
加えて、前記第1浄水槽と前記第2浄水槽の流路には継手(51)が設けられ、該継手の一方側には前記第2浄水槽の流入口に接続する第1切換え弁(24a)及び接続ホースが設けられ、一方、該継手の他方側には第2切換え弁(24b)及び前記排水管(52)が設けられており、
前記イオン交換樹脂の再生時、前記第2浄水槽側の第1切換え弁を「閉」に切り換えると共に、前記排出管側の第2切換え弁を「開」の状態に切り換え、前記駆動ポンプ(15)の駆動力を駆動して前記被処理水供給管(45)から前記第1浄水槽内に前記再生水としての塩水を満たした後、該駆動ポンプを停止させ、前記イオン交換樹脂の再生後、前記駆動ポンプを再び起動して前記第1浄水槽内に前記被処理水を導入しながら前記排出管(52)を介して前記第1浄水槽内の前記塩水を排出することを特徴とするミネラル水取得装置。
【請求項2】
請求項1に於いて、前記ミネラル添加槽(23)に接続可能な流出ホースからミネラル水を取得するときは、前記流路に接続する排出管側の第2切換え弁を「閉」の状態に切り換えると共に、第1切換え弁を「開」の状態に切り換え、駆動ポンプの駆動力を駆動して被処理水供給管から処理水を前記浄水装置に通すことを特徴とするミネラル水取得装置。
【請求項3】
請求項1に於いて、ケース状蓋体内に、バッテリと制御部と駆動ポンプが配置され、一方、箱型本体内に、少なくとも第1浄化槽と、第2浄化槽と、ミネラル添加槽が併設されていることを特徴とするミネラル水取得装置。
【請求項4】
請求項1に於いて、ミネラル添加槽に内設されたミネラル剤は、少なくとも調整された風化サンゴ、天然鉱石、バイオセラミックス、カルシウム材とマグネシウム材を粒状或いは顆粒状にしたミネラル添加剤のいずれか一つ以上を含むことを特徴とするミネラル水取得装置。
【請求項5】
請求項1に於いて、ハウジングに内設されたバッテリは、入力端子を介して太陽光発電装置と電気的に接続可能であり、前記太陽光発電装置は、横長直方体のソーラーボツクスと、このソーラーボツクスに回転軸を介して回転自在に内装されたソーラーパネルと、このソーラーパネルの自由端部に取付けられたハンドルとから成り、前記ソーラーパネルは、前記ハンドルを操作することにより、前記ソーラーボツクスの一側壁に形成された横長の切欠窓から絨毯状に引き出すことができることを特徴とするミネラル水取得装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、旅行先、キャンプ場、宿泊施設等の所望する場所に手軽に持ち運べるミネラル水取得装置に関する。
【背景技術】
【0002】
普通一般に「浄水器」と称される浄水装置は、残留塩素を活性炭等の濾過材によって除去し、いわゆる浄化するものである。しかし、前記浄水器では、被処理水に含まれているカルシウムやマグネシウムを取り除けない。そこで、特許文献1の浄水装置は、イオン交換樹脂槽と活性炭等を含む濾過槽を組み合わせ、硬水を軟水化すると共に雑菌処理をしている。前記イオン交換樹脂槽は、周知のように、Ca2+、Mg2+イオンを除去し、硬水を軟水化して、「おいしい水」を得るものである。
【0003】
しかしながら、前記浄水装置は、硬水を軟水化することができるものの、軟水化した被処理水にミネラル成分を添加するものではない。また、旅行先、キャンプ場、宿泊施設等の所望する場所に手軽に持ち運べるものでいない。さらに、イオン交換樹脂槽のイオン交換樹脂を再生するための再生容器をイオン交換樹脂槽の上部に接続するので、再生処理の際、非常に労力を必要とするという問題点がある。
【0004】
特許文献2は、水道の蛇口に接続し、水道水を、イオン交換樹脂槽を介して軟水化するものである。この特許文献2も特許文献1と同様に活性炭等を含む濾過槽を組み合わせた浄水装置であるが、ミネラル添加槽を有していない、水道水を原水とする、イオン交換樹脂槽の上部の流路に再生容器を別個に配設する等の理由から、構成が複雑であると共に、特許文献1と同様の問題点があった。
【0005】
特許文献3は、流路中に複数の濾過槽と「ミネラル添加槽」を配設した浄水装置である。しかし、この特許文献3は水道水を原水とするものであるから、旅行先、キャンプ場、宿泊施設等の所望する場所に手軽に持ち運べるものでいない。
特許文献4は小型浄水器である。この小型浄水器は、濾過装置として、交換式の逆浸透膜濾過装置(RO膜)とイオン交換樹脂槽を可搬式の箱体に組み込み、主として旅行先に手軽に持ち運べるものであるが、前記濾過装置は交換する必要があった。また原水は旅行先の水道水であると共に、もっぱら商業用電源を使用することから、幾つか改良すべき点があった。
【0006】
ところで、軟水化装置で用いられるイオン交換樹脂は、硬水を軟水化する過程で次第に処理能力が落ちていくので、長時間運転をするためには定期的に、再生水(塩水)を利用して再生処理をする必要がある。しかし、この再生処理を行う間は、軟水化装置の運転を一時中止しなければならないので、軟水化装置の稼動効率は低下せざるをえない。この観点から、特許文献5の電池駆動の可搬式軟水化装置は、軟水化装置の稼動効率を低下させないため、再生用タンク9に、流路切替え弁6、10を介して接続された複数のイオン交換樹脂カートリッジ7、8と、原水供給管に設けられた通水センサー4と、通水センサーからの信号が給水信号であるとき電池から動作モードで動作する回路へ回路電流を供給し、止水信号であるときには該回路電流を供給しない電力モード切り替え制御手段(マイコン)17とを備えるものである。この特許文献5の可搬式軟水化装置は、小型の箱体内に電池、制御手段17等を含むので、操作性に優れ、どこにでも持ち運べ、消費電力が小さいという利点を有するものの、原水は「水道水」なので、使用場所(例えば蛇口がある場所、一般家庭の台所)が限定されるという問題点がある(符号は特許文献5に記載のもの)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−47761号公報
【特許文献2】特開平11−226571号公報
【特許文献3】特開平11−104617号公報
【特許文献4】特開2013−107031号公報
【特許文献5】特許第3603323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような従来の問題点を解決するものであって、旅行先、キャンプ場、宿泊施設等の所望する場所に手軽に持ち運べると共に、「硬水を軟水化し」かつ「ミネラル成分を含むおいしい水」を得ることができ、さらに、メンテナンスの際には一時的に稼動を停止する必要があるものの、イオン交換樹脂槽を交換する必要はなく、しかも、イオン交換樹脂を再生する際には、駆動ポンプを利用することにより、極力、労力がかからないようにすることである。第2の目的は、操作性及び安全性に優れていることである。第3の目的は、ハウジングに内設されたバッテリは、少なくとも一つ以上の電源供給手段から直流電源を得ることができることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のミネラル水取得装置は、
可搬式のハウジング(1)内に、駆動ポンプ(15)によって圧送される被処理水又はイオン交換樹脂再生用の塩水のいずれかを送り込むことができる被処理水供給管(45)と、この被処理水供給管に接続しかつ前記イオン交換樹脂を有する第1浄水槽(21)と、この第1浄水槽に流路を介して接続しかつ少なくとも活性炭又は中空糸膜のいずれか一つを含む第2浄水槽(22)と、この第2浄水槽に接続するミネラル添加槽(23)と、前記第1浄水槽と前記第2浄水槽の間の流路切替え弁(24)を有する流路に設けられかつ前記塩水を排出する排出管(52)を備えるミネラル水取得装置であって、
前記ハウジング(1)は、上端開口の箱型本体と、該箱型本体に開閉自在に設けられたケース状の蓋体とから成り、
把手を利用して引いて歩くことができる直方体の旅行用トランク型のものであり、この
旅行用トランク型のハウジング内には、
さらに、電気を蓄えるバッテリ(7)と、このバッテリからの給電を受ける制御部(8)と、この制御部に制御され、かつ前記バッテリを電源とする前記駆動ポンプ(15)が内設されており、
加えて、
前記第1浄水槽と前記第2浄水槽の流路には継手(51)が設けられ、該継手の一方側には前記第2浄水槽の流入口に接続する第1切換え弁(24a)及び接続ホースが設けられ、一方、該継手の他方側には第2切換え弁(24b)及び前記排水管(52)が設けられており、
前記イオン交換樹脂の再生時、前記第2浄水槽側の第1切換え弁を「閉」に切り換えると共に、
前記排出管側の第2切換え弁を「開」の状態に切り換え、前記駆動ポンプ(15)の駆動力を駆動して
前記被処理水供給管(45)から前記第1浄水槽内に
前記再生水としての塩水を満たした後、該駆動ポンプを停止させ、
前記イオン交換樹脂の再生後、前記駆動ポンプを再び起動して前記第1浄水槽内に前記被処理水を導入しながら前記排出管(52)を介して前記第1浄水槽内の
前記塩水を排出することを特徴とする。
【0010】
上記構成に於いて、
前記ミネラル添加槽(23)に接続可能な流出ホースからミネラル水を取得するときは、前記流路に接続する排出管側の第2切換え弁を「閉」の状態に切り換えると共に、第1切換え弁を「開」の状態に切り換え、駆動ポンプの駆動力を駆動して被処理水供給管から処理水を前記浄水装置に通すことを特徴とする。またケース状蓋体内に、バッテリと制御部と駆動ポンプが配置され、一方、箱型本体内に、少なくとも第1浄化槽と、第2浄化槽と、ミネラル添加槽が横状態に併設されている。
【0011】
またミネラル添加槽のミネラル剤は、少なくとも粒状に調整された風化サンゴ、天然鉱石、バイオセラミックス、カルシウム材とマグネシウム材を粒状或いは顆粒状にしたミネラル添加剤のいずれか一つ以上を含む。
【0012】
またハウジングに内設されたバッテリは、シガライターを含む接続手段を介して車両搭載のバッテリに接続可能である。またハウジングに内設されたバッテリは、入力端子を介して太陽光発電装置と電気的に接続可能である。前記太陽光発電装置は、横長直方体のソーラーボツクスと、このソーラーボツクスに回転軸を介して回転自在に内装されたソーラーパネルと、このソーラーパネルの自由端部に取付けられたハンドルとから成る。そして、前記ソーラーパネルは、ハンドルを操作することにより、ソーラーボツクスの一側壁に形成された横長の切欠窓から絨毯状に引き出すことができる。
【0013】
さらに、ハウジングに内設されたバッテリは太陽光発電装置に電気的に接続し、該太陽光発電装置は、ハウジングの内部の回転軸に巻きつけられたソーラーパネルであり、このソーラーパネルは、該ハウジングの一側壁に形成された横長の切欠窓から絨毯状に引出すことができる。
【0014】
加えて、ハウジングに内設されたバッテリは、コンバータ及び導電ケーブルを介して商業用交流電源と接続可能であることを特徴とする。本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、次の説明を添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかになるであろう。ただし、図面はもっぱら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【発明の効果】
【0015】
(a)請求項1に記載の発明は、旅行先、キャンプ場、宿泊施設等の所望する場所に手軽に持ち運べると共に、「硬水が軟水化し、かつミネラル成分を含むおいしい水」を簡単に得ることができる。そして、メンテナンスの際には一時的に稼動を停止する必要があるものの、イオン交換樹脂槽を交換する必要はなく、しかも、イオン交換樹脂を再生する際には、駆動ポンプを利用するので、労力がかからない。
また第2浄水槽の濾過材は、少なくとも活性炭又は中空糸膜のいずれか一つを含むので、被処理水に含まれる臭気、着色成分、その他の有機物、イオン交換樹脂により溶出した分解物、低分子物質等が吸着除去され、さらに活性炭と共に中空糸膜を含む実施形態の場合には、細菌類、微細な懸濁物等が除去され、安全で美味しい水を得ることができる。
さらに、第2浄水槽は、第1浄水槽よりも下流に配置され、かつ、第1浄水槽と第2浄水槽を接続する流路の管に設けられた流路切替え弁よりも下流に配置されているので、第1浄水槽のイオン交換樹脂の再生時、第2浄水槽まで再生水を入れないようにすることができる。つまり、流路切換え弁を適宜に切り換えて、第1浄水槽から再生水を取り出すことができる。
(b)請求項2に記載の発明は、流路に接続可能な流出ホースからミネラル水を取得するときは、前記流路に接続する排出管側の第2切換え弁を「閉」の状態に切り換えると共に、前記第1切換え弁を「開」の状態に切り換え、前記駆動ポンプの駆動力を駆動して前記被処理水供給管から処理水を前記浄水装置に通すので、操作が簡単である。特に前記切換え弁を手動で切り替える方式の場合には、流量センサー、電磁弁等が不要である。
(c)請求項3に記載の発明は、ケース状蓋体内に、バッテリと制御部と駆動ポンプが配置され、一方、箱型本体内に、少なくとも第1浄化槽と、第2浄化槽と、ミネラル添加槽が併設されているので、導電ケーブを箱型本体側に延す必要性が全くない。したがって、蝶番を介してケース状蓋体の開閉を繰返しても、導電ケーブに影響を与えないので、該導電ケーブを包む保護具が必要でない。
(d)請求項4に記載の発明は、ミネラル添加槽のミネラル剤は、少なくとも粒状に調整された風化サンゴ、天然鉱石、バイオセラミックス、カルシウム材とマグネシウム材を粒状或いは顆粒状にしたミネラル添加剤のいずれか一つ以上含むので、最終的には、硬水が軟水化し、かつミネラル成分を含んだおいしいミネラル水MWを得ることができる。好ましくは、前記ミネラル剤は、適宜に選択された二種以上ならば、より一層、ミネラル成分を含んだおいしいミネラル水を得ることができる。
(e)請求項5に記載の発明は、ハウジングに内設されたバッテリは、太陽光発電装置と電気的に接続し、横長直方体のソーラーボツクスと、このソーラーボツクスに回転軸を介して回転自在に内装されたソーラーパネルと、このソーラーパネルの自由端部に取付けられたハンドルとから成り、前記ソーラーパネルは、前記ハンドルを操作することにより、前記ソーラーボツクスの一側壁に形成された横長の切欠窓から絨毯状に引き出すことができるので、自然エネルギーを活用することができると共に、発電量を増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1乃至
図10は本発明の第1実施形態を示す各説明図。
図11及び
図12は本発明の第2実施形態を示す各説明図。
【
図3】ハウジングの内部に収納される各部の概略説明図。
【
図4】ハウジングの内部に設けられた各部の概略説明図(太陽光発電機をハウジングから取出した状態も含む)。
【
図12】本発明の第2実施形態の斜視図(太陽光発電機をハウジングに組み込んだ状態)。
【
図13】ハウジングの側壁からソーラーパネルを引出した状態の説明図。
【符号の説明】
【0017】
X…ミネラル水取得装置、1…ハウジング、1a…箱型本体、1b…ケース状蓋体、3…把手、4…流出ホース、5…止め具、7…バッテリ、8…制御部、9…操作盤、11…入力端子、12…シガライター、15…駆動ポンプ(駆動手段)、L…流路、W…被処理水、MW…ミネラル水、S…再生水(塩水)、20…浄水装置、21…第1浄水槽、22…第2浄水槽、23…ミネラル添加槽、24…流路切替え弁、24a…第1切換え弁、24b…第2切換え弁、30、30A…太陽光発電装置、38…車両搭載バッテリ、39…商業用電源、40…コンバータ(AC/DC変換器)、45…被処理水供給管(吸引ホース)、51…継手、52…排出管、53…流出ホース。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1乃至
図10は、本発明の第1実施形態である。まず、本発明の使用場所を簡単に説明する。Xは、旅行先、キャンプ場、宿泊施設等の所望する場所に手軽に持ち運べると共に、「硬水を軟水化し」かつ「ミネラル成分を含むおいしい水」を得ることができるミネラル水取得装置である。
【0019】
このミネラル水取得装置Xは、後述する電気を蓄えるバッテリ7と、このバッテリからの給電を受ける制御部8と、電源スイッチ10等が設けられた操作盤9と、前記制御部に制御され、かつ前記バッテリを電源とする駆動ポンプ15と、この駆動ポンプによって圧送される被処理水(原水)を軟水化し、かつ「おいしい水」にする浄水装置を可搬式のハウジング1に備えている。
【0020】
被処理水は、井戸水、川の水、湖水等の水源であるが、もちろん、家庭や職場でも、水道水を、バケツ、タンク等の被処理水容器に入れ、これを被処理水にすることもできる。
ミネラル水取得装置Xのハウジング1は、アルミニウム又はジュラルミン製の収納ケースである。ハウジング1は、旅行用トランクの様に、片手又は両手で持ち運び可能な直方体の形状である。
【0021】
次に、
図1及び
図2を参照にしてハウジング1の構成を説明する。ハウジング1は、全体として六面を有する直方体に形成されている。
図1は蓋体を閉じた状態のハウジング1の正面図である。一方、
図2は蓋体を開いた状態のハウジング1の斜視図である。
【0022】
図2で示すように、ハウジング1は、上端開口の箱型本体1aと、該箱型本体に複数の蝶番3を介して開閉自在に設けられたケース状蓋体1bとから成り、前記箱型本体1aの底は、例えば普通一般の旅行ケースと比較すると、略二倍程度の深さがある。
【0023】
しかしながら、DC12Vで駆動する駆動ポンプを「一つ」にすると共に、後述する浄水装置20の数を減らすと、普通一般の旅行ケースのように小型化することができる。
図1を基準にすると、ケース状蓋体1bの左右の側壁の略中央部には、左右一対の回転式把手4,4が軸支されている。また箱型本体1a及びケース状蓋体1bの開口端部(各縁部)には、左右一対の止め金具5,5が設けられている。なお、特に図示しないが、例えば箱型本体1aの底壁或いは一側壁の四隅に合計4個の自在キャスターを設けても良い。また回転式把手4は適当な箇所に設けても良い。
【0024】
次に、
図3はハウジング1の内部に収納することができる各部の概略説明図である。また
図4はハウジング1の内部に収納された各部の状態を示す。これらの図から明らかなように、ケース状蓋体1bに電気系統と駆動ポンプが収納或いは配置され、これに対して箱型本体1a内にもっぱら、浄水装置20と太陽光発電装置30が収納或いは配置されている。
【0025】
すなわち、ケース状蓋体1b内に、太陽光発電装置30等の外部電源と接続可能なバッテリ7と、不番のコントロールボックスに内装された制御部8と、前記コントロールボックスの上端部に設けられた操作盤9と、この操作盤9に設けられた電源スイッチ10等と、前記バッテリ7及び制御部8と電気的に接続する駆動ポンプ15が配置され、一方、箱型本体1a内に、少なくとも、第1浄化槽21と、第2浄化槽22と、ミネラル添加槽23が横状態に併設されている。
【0026】
そして、実施形態では、前記第2浄水槽22は、第1浄水槽21よりも下流に配置され、かつ、第1浄水槽21と第2浄水槽22を接続する流路の管に設けられた流路切替え弁24よりも下流に配置されている。なお、第1浄化槽21は、正面視帯状の第1支持手段16、16で支持されている。また第2浄水槽22も正面視帯状第2支持手段17で支持されている。
【0027】
ところで、制御部8、操作盤9等の電気系統をケース状蓋体1bに配設し、一方、バッテリ(蓄電部)7又は/及び駆動ポンプ15を箱型本体1aに配設すると、例えば制御部8と駆動ポンプ15を電気的に接続するケーブルがケース状蓋体1bから箱型本体1aへと延ばす必要があり、そのために、ケーブル用の保護部材(例えばコイルスプリングや可撓性部材、支持具等)が必要となる。
【0028】
そこで、ハウジング1の内部に、バッテリ(蓄電部)7、制御部8、操作盤9、電源スイッチ10、駆動ポンプ15、1つの流路Lに設けられた浄水装置20、加えて、太陽光発電装置30を内装するものの、実施形態では、ケース状蓋体1b内に、バッテリ7と、制御部8と、操作盤9、電源スイッチ10、駆動ポンプ15等を適宜に配置し、一方、箱型本体1a内に前記浄水装置20を構成する第1浄化槽21と、第2浄化槽22と、ミネラル添加槽23が横状態或いは縦状態に併設すると共に、
図4で示すように、太陽光発電装置30を収納するスペースも確保している。
【0029】
さて、本発明の浄水装置24は、被処理水供給管(吸引ホース)45に接続すると共に、流路切替え弁24を有する1つの流路Lに設けられ、かつ、イオン交換樹脂を有する第1浄水槽21と、前記流路Lに配置され、かつ、濾過材を有する第2浄水槽22と、前記流路Lに配置され、かつ、ミネラル添加剤を有するミネラル添加槽23とから成る。そして、前記イオン交換樹脂を再生するときは、前記流路切替え弁24を手動で切替え、前記駆動ポンプ15の駆動力を利用して、前記第1浄水槽21内に再生水(塩水)を満たすと共に、再生水を前記第1浄水槽21から排出するときは、再び前記駆動ポンプの駆動力を利用して前記被処理水を該ミネラル添加槽23へと導きながら前記流路に接続する排水管を介して前記再生水(塩水)を外部に放出することができる。
【0030】
また太陽光発電装置30は、ハウジング1内のバッテリ7と入力端子11を介して電気的に接続可能である。そして、実施形態では、
図3で示すように、太陽光発電装置30は、横長直方体のソーラーボツクス31と、このソーラーボツクスに回転軸32を介して回転自在に内装された矩形状のソーラーパネル33と、このソーラーパネルの自由端部に取付けられたハンドル34とから成り、前記ソーラーパネル33は、前記ハンドル34を操作することにより、前記ソーラーボツクスの一側壁に形成された横長の切欠窓35からそのまま引き出すことができる。なお、矩形状のソーラーパネル33は図示しない回転軸32の端部に設けた復帰バネを含む巻取り手段を介して巻き取ることができる。また端部に接続端子36を有する接続コード37を備えている。
【0031】
図5は、ケース状蓋体1bの内部に配設したバッテリ(蓄電部)7、制御部8、操作盤9等の電気系統及び駆動ポンプ15と、箱型本体1aに配設した浄水装置20と、前記電気系統及びバッテリ7と接続する複数の外部電源を概念的に示したものである。外部電源は、実施形態では、少なくとも「2つの直流電源」がある。その一つは車両搭載のバッテリ38である。
【0032】
したがって、ハウジング1内のバッテリ7は、シガライター12を含む接続手段13を介して車両搭載のバッテリ38に接続可能である。もう一つは、前述した太陽光発電装置30である。太陽光発電装置30は、
図4で示すように、箱型本体1aから自由に取り出し、その接続端子36を入力端子11に接続すると共に、ハンドル34を操作することにより、ソーラーボツクス31の切欠窓35からそのまま引き出すと、シート或いは絨毯の如く長くなる。
【0033】
さらに、実施形態では必ずしも必要ではないが、旅行の際に使用する場面を考慮すると、交流電源を利用しても良い。この場合には、ハウジング1内のバッテリ7は、コンバータ(AC/DC変換器)40、導電ケーブル41、プラグ42を介して、100Vや200Vの商業用交流電源39と接続可能である。
【0034】
なお、ケース状蓋体1bの内壁面には、DC12Vで駆動するモータを有する駆動ポンプ15を介して1つの流路Lに接続可能な被処理水供給管(吸引ホース)45を支持する複数個の第1支持具46と、前述した導電ケーブル41を支持する第2支持具47が適宜に設けられている。
【0035】
図6は、源水Wからミネラル水MWを取得する一連の流れを示す概略説明図である。源水Wは旅行先ではホテルの蛇口から出した水道水、井戸水等の硬水である。またキャンプ場では、湖や川の水である。この源水Wを、吸引ホース45を介して駆動ポンプ15で汲み上げ、浄水装置20に流路Lを介して圧送する。実施形態では、前述した流路切替え弁24は、第1浄水槽21と第2浄水槽22を接続する流路にチーズ型の継手51を介して設けられ、前記継手51を基準にすると、継手51の一端部に設けられた第1流路切替え弁24aは、第2浄水槽22の流路を開閉するものであり、一方、排出管52が接続する継手51の他端部に設けられた第2流路切替え弁24bは、再生水(塩水)を排出するためのものである。
【0036】
すなわち、実施形態では、
図11で示すようにイオン交換樹脂の再生時、第2浄水槽側の第1切換え弁24aを「閉」に切り換えると共に、排出管側の第2切換え弁24bを「開」の状態に切り換え、駆動ポンプ15の駆動力を駆動して被処理水供給管45から第1浄水槽21内に再生水Sを満たした後、該駆動ポンプ15を停止させ、再生後、前記駆動ポンプ15を再び起動して前記第1浄水槽21内に前記被処理水Wを導入しながら排出管52を介して前記第1浄水槽21内の再生水Sを排出する。
【0037】
そして、前記流路Lに接続可能な流出ホース53からミネラル水を取得するときは、前記流路Lに接続する排出管側の第2切換え弁24bを「閉」の状態に切り換えると共に、前記第1切換え弁24aを「開」の状態に切り換え、前記駆動ポンプ15の駆動力を駆動して前記被処理水供給管45から処理水Wを前記浄水装置20に通す。このように、「ミネラル成分を含むおいしい水MW」を得る場合には、弁の開閉状態を逆にする必要がある。付言すると、1流路切替え弁24aを「開」及び第2流路切替え弁24bを「閉」の状態にし、電源スイッチ10を「ON」にすると、駆動ポンプ15は、例えばDC12、又は実施形態如何によってはDC24Vのモータが用いられているので、「安全」に駆動し、源水Wは吸引ホース45、駆動ポンプ15を介して第1浄水槽21に十分に流れ込む。
【0038】
しかして、この第1浄水槽21は、実施形態では、
図7で示すように、円筒状のイオン交換タンク本体21aと、このイオン交換タンク本体21aに内設されたイオン交換樹脂21bとから成り、前記イオン交換タンク本体21aは、上部の流入口と上部の流出口を有している。前記イオン交換樹脂21bは塩化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂が望ましく、この塩化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂により、源水に含まれる硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素がイオン交換によって除去される。このように第1浄水槽21のイオン交換樹脂21bは、源水のpHに左右されずに中性塩を分解することが可能な陰イオン交換樹脂である。なお、この第1浄水槽21は、イオン交換タンク本体21a内にイオン交換樹脂21bのみを内装する場合するのみならず、該イオン交換樹脂21bと共に、重金属吸着剤であるセラミックス系吸着剤等を併存していても良い。
【0039】
さて、第1浄水槽21の上部の流入口から入った被処理水は、陰イオン交換樹脂を通過して上部の流出口から出て行くが、この第1浄水槽21を通過した被処理水は、次に第2浄水槽22へと流れ込む。
【0040】
しかして、この第2浄水槽22の濾過材は、
図8で示すように、少なくとも活性炭と中空糸膜のいずれか一つを含むものである。実施形態では、第2浄水槽22は、円筒状の活性タンク本体22aと、この活性タンク本体22aの略中央部に内設された中空糸膜22bと、この中空糸膜22bの周胴部外面と前記活性タンク本体22aの内面に充填され、かつ、繊維状或いは粒状に調整された活性炭21cと、さらに、より好ましくは繊維状或いは粒状に調整されたバイオセラミックス21dとから成り、前記活性タンク本体22aは不番の流入口と出口を有している。
【0041】
この第2浄水槽22においては、活性炭により、被処理水に含まれる臭気、着色成分、その他の有機物、イオン交換樹脂により溶出した分解物、低分子物質等が吸着除去され、さらに中空糸膜22bにより、細菌類、微細な懸濁物等が除去され、安全で美味しい水を得ることができる。ところで、この第2浄水槽22に用いる活性炭は、通常浄水器に使用しうる活性炭であれば、特に制限されるものではなく、ヤシガラ炭、骨炭、木炭等の天然物活性炭、ピッチ系、石油コークス系、樹脂またはゴム系等の合成活性炭等が挙げられ、活性炭の賦活も水蒸気賦活法、化学的賦活法等任意の方法によってもよい。また、粉末状、粒状、繊維状等のいずれの形態であってもよい。さらに、活性炭は、銀等の抗菌性金属をメッキ等により添着されたものであってもよい。
【0042】
また第2浄水槽33に用いる中空糸膜22bは、通常浄水器に使用しうる多孔質中空糸膜であれば、特に制限されるものではなく、セルロース系、ポリエチレン等のポリオレフィン系、ポリスルホン系、ポリビニルアルコール系等の素材からなる多孔質中空糸膜が用いられ、また、通水性の向上、再通水性を確保するためエチレン−ビニルアルコール共重合体等により中空糸膜22bが親水化されていることは好ましいことである。この第2浄水槽を通過することにより、塩化物イオン型強塩基性陰イオン交換樹脂より溶出し、また含まれる分解物、低分子物質、着色成分、臭気成分、細菌、微細有害物質の除去を行ってより安全な水を得ることができる。
【0043】
最後に第2浄水槽22を通過した被処理水は、ミネラル添加剤を有するミネラル添加槽23へと流れ込む。このミネラル添加槽23のミネラル剤は、少なくとも粒状に調整された風化サンゴ、天然鉱石、バイオセラミックス、カルシウム材とマグネシウム材を粒状或いは顆粒状にしたミネラル添加剤のいずれか1つ以上を含む。実施形態では、
図9で示すように、ミネラル添加槽23は、タンク本体23aと、このタンク本体23aの流入口から流出口に向かって該タンク本体内に積層状態に設けられた粒状サンゴ23bと、粒状天然鉱石(例えば麦飯石)23cと、粒状バイオセラミックス23d、その他のミネラル添加剤を含む。
【0044】
ところで、上記ミネラル添加槽23は交換可能である。また実施形態の浄水装置20の最終流路には、図示しないRO膜ろ過器(海水用逆浸透膜)を設けても良いが、この浄水槽を加味した場合には駆動ポンプ15は、例えばDC24Vのモータが用いることが望ましい。
【0045】
したがって、ミネラル添加槽23を通過した被処理水は、ミネラル添加剤からミネラル成分が溶出することにより、単なる綺麗な飲料水ではなく、「硬水が軟水化し」かつ「ミネラル成分を含んだおいしいミネラル水MW」を流出ホース53から得ることができる。
特に図示しないが、実施形態の流路Lの適宜箇所には、例えば圧力調整弁が設けられ、流路Lの圧力状態を圧力計48で監視することができる。
【0046】
図10はソーラーパネル33、コントロールボックス内の制御部8、バッテリ7、駆動ポンプ15等の駆動制御システムを示すブロック図ある。
図4で示すようにケース状蓋体1bを開いたとき、コントロールボックス上面の操作盤9が現れ、この操作盤9には、駆動手段の電源スイッチ10、駆動手段15の圧力状態をそれぞれ示す圧力計48、外部機器のプラグ接続用のコンセント49が設けられている。
【0047】
前述したように、実施形態のハウジング1の内部には、太陽光発電装置30と電気的に接続可能な内部電源としてのバッテリ7が設けられていることから、前記太陽光発電装置で発電された電気を、図示しない充電回路を介して蓄えるバッテリ7は、単数よりも複数であることが好ましい。
【0048】
図11は第1浄水槽21のイオン交換樹脂21bを再生する際の概略説明図である。前述したように、再生時、第1浄水槽21に再生水(塩水)を満タン状態に満たすときは、第1流路切替え弁24aを「閉」及び第2流路切替え弁24bを「開」の状態にする。そして、駆動ポンプ15を起動する前に、予め適宜に「塩水」を作っておく。例えばバケツで塩水を作り、或いは塩水容器55を利用し、その中に被処理水供給管(吸引ホース)45の自由端部を入れる。その状態で駆動モータ15を起動させる。そうすると、流路Lに入り込んだ再生水(塩水)Sは、流入口からイオン交換タンク本体21a内に入り込む。このイオン交換タンク本体21a内に入り込むだ再生水(塩水)Sは、該イオン交換タンク本体21a内に残留していた被処理水を継手51、第2流路切換え弁24bを通過して排出管52から外部へと排出される。この状態が続くと、前記イオン交換タンク本体21a内は「再生水(塩水)S」に切り替わるので、ユーザが十分と判断してときには、駆動ポンプ15を停止すれば良い。再生水(塩水)Sがイオン交換タンク本体21aに満タンとなった場合には、20分〜30分程度、そのまま放置しておくとイオン交換樹脂21bが再生する。
【0049】
イオン交換樹脂21bが再生したならば、駆動ポンプ15を再度起動させ、被処理水供給管45を介して被処理水Wを第1浄化槽21に導入しながら、満タン状態の再生水(塩水)Sを、継手51、第2流路切換え弁24b、排出管52を介して徐々に外部へと排出すれば良い。これにより、再生水(塩水)Sを持ち上げる等の労力を用いなくても、簡単に再生水(塩水)Sから被処理水に切替えることができる。
【0050】
その後、前述したように、第1流路切替え弁24aを「開」及び第2流路切替え弁24bを「閉」の状態にすれば良い。そうすると、第1浄水槽21で処理された水は、第2流路切替え弁24bから排出されることなく、第1流路切替え弁24aを介して第2浄水槽22へと流れ込む。
【実施例】
【0051】
この欄では、
図12及び
図13を参照にして第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態を説明するに当って、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付して重複する説明を割愛する。
【0052】
第2実施形態が前記第1実施形態と主に異なる事項は、太陽光発電装置30Aである。この太陽光発電装置30Aは、ハウジング1Aから自由に取り出す形式ではなく、ハウジング1Aの箱型本体1a内に浄水装置20と共に、一側壁の内面側に常に配設されている。
【0053】
すなわち、太陽光発電装置30Aは、横長直方体のソーラーボツクス31と、このソーラーボツクスに回転軸32を介して回転自在に内装された矩形状のソーラーパネル33と、このソーラーパネルの自由端部に取付けられたハンドル34とから成り、前記ソーラーパネル33は、前記ハンドル34を操作することにより、前記ソーラーパネル33から引き出すことができる点は、第1実施形態のそれと同様であるが、この第2実施形態では、ハウジング1Aの一側壁に形成された横長の切欠窓1cからそのまま略水平方向に引出すことができる。ソーラーパネル33を前記切欠窓1cから引き出すとき、前記回転軸32は、ソーラーボツクス31或いは箱型本体1a内に固定的に設けた支持部材の左右の側壁に支持された状態で回転する。そして、ハウジング1Aから引き出されたソーラーパネル33は、床面或いは地面上に幅広く展開した状態に成る。したがって、発電量を増やすことができる。なお、矩形状のソーラーパネル33は図示しない回転軸の端部に設けた巻取り手段を介して巻き取ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、特に、旅行先、キャンプ地、家庭等で「ミネラル成分を含んだ美味しい水を得るときに使用される。