特許第6672375号(P6672375)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アンリツ株式会社の特許一覧

特許6672375誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法
<>
  • 特許6672375-誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法 図000002
  • 特許6672375-誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法 図000003
  • 特許6672375-誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法 図000004
  • 特許6672375-誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法 図000005
  • 特許6672375-誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法 図000006
  • 特許6672375-誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6672375
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20200316BHJP
   H04L 1/00 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   H04L25/02 302B
   H04L1/00 C
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-94409(P2018-94409)
(22)【出願日】2018年5月16日
(65)【公開番号】特開2019-201311(P2019-201311A)
(43)【公開日】2019年11月21日
【審査請求日】2019年1月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000572
【氏名又は名称】アンリツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】清水 智可良
(72)【発明者】
【氏名】南 昂孝
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2017−142090(JP,A)
【文献】 特表2016−529840(JP,A)
【文献】 特開2004−015807(JP,A)
【文献】 特開2018−019213(JP,A)
【文献】 米国特許第09419746(US,B1)
【文献】 特開2011−015142(JP,A)
【文献】 特開2010−278720(JP,A)
【文献】 特開2003−018140(JP,A)
【文献】 米国特許第09665289(US,B1)
【文献】 特開平03−104436(JP,A)
【文献】 特開平04−269034(JP,A)
【文献】 中国特許出願公開第101119185(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 25/02
H04L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テスト信号を被測定物(W)に送信し、前記テスト信号の送信に伴う前記被測定物からの出力を受信してビット誤り率を測定する誤り率測定装置(1)において、
時間軸方向を決めるDataDelay、基準電圧軸であるVth、フィルタの各パラメータの設定に要する測定時間に関し、
前記測定時間に対して信頼のできる前記ビット誤り率の下限値を算出するBER下限値算出手段(11a)と、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、位相を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記位相の左右のエラーフリー境界の差分を位相マージンとして測定する位相マージン測定手段(11b)と、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、閾値電圧を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記閾値電圧の上下のエラーフリー境界の差分を閾値電圧マージンとして測定する閾値電圧マージン測定手段(11c)と、
前記位相マージンの値と前記閾値電圧マージンの値とを乗算した値をアイマージンの値として算出するアイマージン算出手段(11d)とを備えたことを特徴とする誤り率測定装置。
【請求項2】
テスト信号を被測定物(W)に送信し、前記テスト信号の送信に伴う前記被測定物からの出力を受信してビット誤り率を測定する誤り率測定装置(1)のアイマージン測定方法であって、
時間軸方向を決めるDataDelay、基準電圧軸であるVth、フィルタの各パラメータの設定に要する測定時間に関し、
前記測定時間に対して信頼のできる前記ビット誤り率の下限値を算出するステップと、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、位相を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記位相の左右のエラーフリー境界の差分を位相マージンとして測定するステップと、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、閾値電圧を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記閾値電圧の上下のエラーフリー境界の差分を閾値電圧マージンとして測定するステップと、
前記位相マージンの値と前記閾値電圧マージンの値とを乗算した値をアイマージンの値として算出するステップとを含むことを特徴とする誤り率測定装置のアイマージン測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既知パターンのテスト信号を被測定物(DUT:Device Under Test )に送信し、テスト信号の送信に伴う被測定物からの出力を受信してビット誤り率を測定する誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種のディジタル通信装置は、利用者数の増加やマルチメディア通信の普及に伴い、より大容量の伝送能力が求められている。そして、この種のディジタル通信装置におけるディジタル信号の品質評価の指標の一つとしてビット誤り率(以下、BERと言う)がある。BERは、受信データのうち符号誤りが発生した数と受信データの総数との比較として定義されるものであり、例えば下記特許文献1に開示される誤り率測定装置にて測定される。
【0003】
従来、この種の誤り率測定装置は、送信側と受信側に分かれており、送信側から既知のパターン信号を被測定物(DUT)に送信し、パターン信号の送信に伴う被測定物(DUT)からの出力を受信側で受けることでBERを測定する。
【0004】
ところで、BERを測定するためには、測定内容や測定条件などに応じて複数のパラメータを最適値に設定する必要がある。この設定が必要なパラメータとしては、例えば時間軸方向を決めるData Delay、基準電圧軸であるVth、減衰した信号を読み込むためのCTLE Gainなどがある。これらのパラメータは、複数のポイントで各パラメータをそれぞれ所定値毎に変更してBERを測定し、BERが最小になるポイントの値が最適値として設定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−274474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の測定では、ポイント毎の限られた短い測定時間において、非常に低頻度に発生するエラーを正確に捉えることができなかった。そして、エラーを捉えることができないと、一定の区間においてエラーフリー状態となってしまい、BERの最小点が特定できないという問題が生じる。
【0007】
一般的に、測定時間内にエラーが検出できずにエラーフリー状態になってしまった場合には、エラーフリー区間の幅を示すアイマージンの中心のポイントを各パラメータの最適値と見なしている。
【0008】
一方で、アイマージンによりパラメータの最適値を求める場合には、安定したアイマージンの測定結果が得られる必要がある。しかも、複数のパラメータを設定するためには、パラメータを変更してアイマージンを測定するシーケンスを繰り返すので、1回あたりの測定時間を短くする必要がある。
【0009】
しかしながら、1回あたりの測定時間を短くすると、低頻度のエラーをうまく処理することができず、同じパラメータであっても測定によって探索したエラーが入る点からエラーフリーとなる点のエラーフリー境界が測定する度に変化してしまい、アイマージンの測定結果が安定しないという課題があった。
【0010】
この問題を解決するため、1回あたりの測定時間を長くすると、測定に必要なパラメータが増えるほどパラメータの設定に要する全体時間が長くなるという問題が発生する。
【0011】
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、短い測定時間で安定してアイマージンを測定することができる誤り率測定装置及び該装置のアイマージン測定方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載された誤り率測定装置は、テスト信号を被測定物Wに送信し、前記テスト信号の送信に伴う前記被測定物からの出力を受信してビット誤り率を測定する誤り率測定装置1において、
時間軸方向を決めるDataDelay、基準電圧軸であるVth、フィルタの各パラメータの設定に要する測定時間に関し、
前記測定時間に対して信頼のできる前記ビット誤り率の下限値を算出するBER下限値算出手段11aと、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、位相を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記位相の左右のエラーフリー境界の差分を位相マージンとして測定する位相マージン測定手段11bと、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、閾値電圧を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記閾値電圧の上下のエラーフリー境界の差分を閾値電圧マージンとして測定する閾値電圧マージン測定手段11cと、
前記位相マージンの値と前記閾値電圧マージンの値とを乗算した値をアイマージンの値として算出するアイマージン算出手段11dとを備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載された誤り率測定装置のアイマージン測定方法は、テスト信号を被測定物Wに送信し、前記テスト信号の送信に伴う前記被測定物からの出力を受信してビット誤り率を測定する誤り率測定装置1のアイマージン測定方法であって、
時間軸方向を決めるDataDelay、基準電圧軸であるVth、フィルタの各パラメータの設定に要する測定時間に関し、
前記測定時間に対して信頼のできる前記ビット誤り率の下限値を算出するステップと、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、位相を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記位相の左右のエラーフリー境界の差分を位相マージンとして測定するステップと、
前記ビット誤り率の下限値未満のビット誤り率をエラーフリーと見なし、閾値電圧を所定ステップで可変して前記ビット誤り率が測定可能なポイントおよび前記エラーフリーとなるポイントの2点の間を二分探索して見つけた前記閾値電圧の上下のエラーフリー境界の差分を閾値電圧マージンとして測定するステップと、
前記位相マージンの値と前記閾値電圧マージンの値とを乗算した値をアイマージンの値として算出するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、低頻度で発生するエラーによる影響を小さくすることができ、短い測定時間で安定して位相マージンおよび閾値電圧マージンを測定しつつ、安定した測定結果によるパラメータ探索が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明に係る誤り率測定装置の概略構成を示すブロック図である。
図2】(a)ビット誤り率の最小値の一例を示す図、(b)エラーフリー区間の一例を示す図である。
図3】位相マージンと閾値電圧マージンの一例を示す図である。
図4】本発明に係る誤り率測定装置のアイマージン測定方法のフローチャート図である。
図5図4の位相マージン測定のフローチャート図である。
図6図4の閾値電圧マージン測定のフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施の形態の誤り率測定装置1は、既知パターンのテスト信号を被測定物Wに送信し、テスト信号の送信に伴う被測定物Wからの出力を受信してBER(ビット誤り率)を測定するものであり、パターン送信部2とパターン受信部3を備えて概略構成される。
【0018】
また、本実施の形態の誤り率測定装置1は、被測定物WのBERの測定に必要な複数のパラメータから選択されるパラメータの最適値を探索して設定するオートサーチ機能を有する。
【0019】
なお、オートサーチ機能により設定されるパラメータとしては、例えば時間軸方向を決めるData Delay、基準電圧軸であるVth、減衰した信号を読み込むためのCTLE Gain、フィルタのパラメータなどがある。
【0020】
パターン送信部2は、被測定物WのBERを測定するときに、被測定物Wに入力する既知のパターン信号(テスト信号)を発生して被測定物Wに送信する。
【0021】
なお、特に図示はしないが、パターン送信部2は、例えばPRBSパターン発生部とプログラマブルパターン発生部を含んで構成される。PRBSパターン発生部は、被測定物Wに入力する既知パターンのテスト信号として、PRBS(Pseudo-random bit sequence:擬似ランダム・ビット・シーケンス)パターンを発生する。また、プログラマブルパターン発生部は、被測定物Wに入力する既知パターンのテスト信号として、任意のパターンからなるプログラマブルパターンを発生する。
【0022】
パターン受信部3は、パターン送信部2から被測定物Wへのパターン信号の送信に伴う被測定物Wからの信号を受信するもので、パラメータ設定部11、誤り率測定部12、表示部13を備える。
【0023】
パラメータ設定部11は、パラメータの設定や変更を行うもので、誤り率測定部12からBERを取得して動作し、BER下限値算出手段11a、位相マージン測定手段11b、閾値電圧マージン測定手段11c、アイマージン算出手段11dを備える。
【0024】
BER下限値算出手段11aは、例えば図2(a)に示すように、BERの下限値bを算出する。このBERの下限値bは、測定時間に対して信頼のできる値であり、統計に基づく下記式(1)による計算式を用いて算出する。
【0025】
BERの下限値bの算出には、t=−ln(1−c)/(b*r)…式(1)が用いられる。式(1)において、tは各パラメータの設定に要する測定時間(実機に依存する時間)、cは信頼度(例えば0.95)、bはBERの下限値、rは伝送速度(例えば2.4Gbps〜32Gbps)である。
【0026】
BERの下限値bは、1回あたりの測定時間t、信頼度c、伝送速度rが予め設定され、上記式(1)を変形したb=−ln(1−c)/(t*r)…式(2)にて算出することができる。本実施の形態では、BER下限値算出手段11aにて算出したBERの下限値b未満のBERを擬似的にエラーフリーと見なしている。
【0027】
位相マージン測定手段11bは、BER下限値算出手段11aにて算出したBERの下限値b未満のBERを擬似的にエラーフリーと見なし、位相を所定ステップで振って可変し、後述する図5のフローチャートの手順に従って位相マージンを測定する。
【0028】
閾値電圧マージン測定手段11cは、BER下限値算出手段11aにて算出したBERの下限値b未満のBERを擬似的にエラーフリーと見なし、閾値電圧を所定ステップで振って可変し、後述する図6のフローチャートの手順に従って閾値電圧マージンを測定する。
【0029】
アイマージン算出手段11dは、位相マージン測定手段11bおよび閾値電圧マージン測定手段11cの測定結果、すなわち、測定した位相マージンの値と閾値電圧マージンの値とを乗算した値をアイマージンの値として算出する。
【0030】
誤り率測定部12は、BERの測定に必要な各パラメータがパラメータ設定部11にて設定された状態において、パターン送信部2から既知のパターン信号を被測定物Wに送信し、このパターン信号の送信に伴う被測定物Wからの出力を受信し、送信した既知のパターン信号と受信したパターン信号とをビット比較してBERを測定する。
【0031】
表示部13は、例えば液晶表示器で構成され、BERの測定に関わる各パラメータの設定画面の表示、誤り率測定部12によるBERの測定結果の表示などを行う。
【0032】
次に、上記のように構成される誤り率測定装置1のアイマージン測定方法について図4図6を参照しながら説明する。
【0033】
アイマージンを測定するにあたっては、図4のフローチャートに示すように、まず、最初に測定時間に対して信頼のできるBERの下限値bを前述した式(2)を用いて算出する(ST1)。その際、測定時間は、実機に依存する時間に設定される。
【0034】
次に、BER下限値算出手段11aにて算出したBERの下限値b未満のBERを擬似的にエラーフリーと見なし、図5のフローチャートに示す手順に従って位相マージンを測定する(ST2)。位相マージンを測定する場合には、図5に示すように、まず、粗いステップで位相を振って可変し、BER測定可能なポイントおよびエラーフリーとなるポイントを見つける(ST11)。次に、ST11で発見した2点の間を二分探索し、左側のエラーフリー境界(図2(b)や図3のP1)を見つける(ST12)。その後、再びエラーが発生するポイントまで位相を可変し(ST13)、右側のエラーフリー境界(図2(b)や図3のP2)を二分探索により見つける(ST14)。そして、左側のエラーフリー境界と右側のエラーフリー境界の差分を位相マージンとする(ST15)。
【0035】
次に、BER下限値算出手段11aにて算出したBERの下限値b未満のBERを擬似的にエラーフリーと見なし、図6のフローチャートに示す手順に従って閾値電圧マージンを測定する(ST3)。閾値電圧マージンを測定する場合には、図6に示すように、まず、粗いステップで閾値電圧を振って可変し、BER測定可能なポイントおよびエラーフリーとなるポイントを見つける(ST21)。次に、ST21で発見した2点の間を二分探索し、下側のエラーフリー境界(図3のP3)を見つける(ST22)。その後、再びエラーが発生するポイントまで閾値電圧を可変し(ST23)、上側のエラーフリー境界(図3のP4)を二分探索により見つける(ST24)。そして、下側のエラーフリー境界と上側のエラーフリー境界の差分を閾値電圧マージンとする(ST25)。
【0036】
なお、位相マージンのエラーフリー境界および閾値電圧マージンのエラーフリー境界は、式(2)で算出したBERの下限値bを探索し、このBERの下限値bとの境界ポイントを二分探索により見つける。
【0037】
そして、測定した位相マージンと閾値電圧マージンからアイマージンを算出する(ST4)。すなわち、測定した位相マージンの値と閾値電圧マージンの値とを乗算した値をアイマージンの値として算出する。
【0038】
このように、本実施の形態では、測定時間に対して信頼のできるBERの下限値を統計に基づいた式(2)で算出し、算出したBERの下限値未満のBERを擬似的にエラーフリーとして扱い、位相マージンおよび閾値電圧マージンを測定してパラメータの最適値の探索に必要なアイマージンを算出する。これにより、オートサーチ機能において、ノイズに強いアイマージン測定により、低頻度で発生するエラーによる影響を小さくすることができ、短い測定時間で安定して位相マージンおよび閾値電圧マージンを測定しつつ、安定したアイマージンの測定結果によりパラメータ探索が可能になる。
【0039】
以上、本発明に係る誤り率測定装置及び誤り率測定方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0040】
1 誤り率測定装置
2 パターン送信部
3 パターン受信部
11 パラメータ設定部
11a BER下限値算出手段
11b 位相マージン測定手段
11c 閾値電圧マージン測定手段
11d アイマージン算出手段
W 被測定物(DUT)
b BERの下限値 P1〜P4 エラーフリー境界
図1
図2
図3
図4
図5
図6