(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施形態]
以下、本発明の実施の形態の1つについて詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。また、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。さらに、当業者であれば、以下に述べる各要素を均等なものに置換した実施の形態を採用することが可能であり、かかる実施の形態も本発明の範囲に含まれる。
【0012】
<1.システムの概要>
図1は、本実施形態に係るシステム1の構成の一例を示している。
図1に示すように、システム1は、給与前払いシステム10に、導入企業Aとサービス提供企業Bとのユーザがアクセス可能に構成されている。一例として、導入企業Aのユーザのうち従業員が利用する端末を従業員端末30、給与管理者が利用する端末を管理端末20とする。また、サービス提供企業Bのユーザ(提供者)が利用する端末を提供端末40とする。
【0013】
給与管理者は、管理端末20を用いて給与前払いシステム10にアクセスし、サービスの申込みを行うことで、当該給与前払いシステム10が提供する給与前払いサービスを従業員に受けさせることができる。給与管理者が給与前払いサービスに申し込んだ企業の従業員は、従業員端末30を用いて給与前払いシステム10にアクセスし、サービスの申込みを行うことで、給与前払いサービスを受けることができる。サービスに申し込んだ従業員は、従業員端末30から給与前払いシステム10に、前払い依頼を送信することで、限度額に応じた前払い(融資)を受けることができる。
【0014】
管理端末20、従業員端末30、及び提供端末40は、それぞれネットワークNに接続されたコンピュータである。具体的には、管理端末20、従業員端末30、及び提供端末40は、例えば携帯電話やスマートフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistants)、タブレット、ウェアラブル(Wearable)端末等によって実現される。給与管理者、従業員、及び提供者は、それぞれ管理端末20、従業員端末30、及び提供端末40から、給与前払いシステム10にアクセスし、当該給与前払いシステム10が提供するブラウザ上で、サービスの申込みや、前払い依頼、依頼内容や振込状況、請求状況の照会を行うことができる。
【0015】
なお、上記の各処理は給与前払いシステム10が提供するブラウザ上で行われる構成に限定されない。例えば、給与管理者、従業員、及び提供者は、それぞれ管理端末20、従業員端末30、及び提供端末40にあらかじめサービスの提供に必要なアプリケーションをインストールしておくことで、上記の処理を実現する機能がアプリケーション上で実現される構成でもよい。
【0016】
<2.給与前払いシステム10の機能構成>
給与前払いシステム10は、インターネットや専用線等のネットワークNに接続されたPCやサーバ装置等によって実現される。
図2を参照して、本実施形態に係る給与前払いシステム10の機能構成について説明する。
図2は、給与前払いシステム10の機能ブロック図の一例を示す図である。給与前払いシステム10は、学習部100と、算出部101と、受付部102と、振込管理部103と、請求管理部104と、表示制御部105と、記憶部130とを有している。
【0017】
図2に示すように、記憶部130には、複数の企業データ131が登録されている。複数の企業データ131には、それぞれ複数の従業員データ132が紐づけられている。また、複数の従業員データ132にはそれぞれ勤務データ133が紐づけられている。さらに記憶部130には、申込データ、振込データ、及び請求データが登録されている。
【0018】
図3は企業データ131のデータ構造の一例を示す図である。
図3の例では、企業データとして、企業コードに、企業名、住所、電話番号、担当者、契約日、融資限度額、前払い残高、融資算出係数、端数単位、与信スコア等が登録されている。与信スコアは、企業の信用情報等に基づいてあらかじめスコアリングされた値である。
【0019】
図4は従業員データ132のデータ構造の一例を示す図である。
図4の例では、従業員データとして、従業員コードに、氏名、住所、電話番号、メールアドレス、雇用区分、給与支払いサイクル、融資限度額、融資可能額、口座情報(振込銀行・支店コード、口座種目、口座番号、口座名義等)、最終申込日、性別、職業、学校/勤務先、学年/勤続年数等の情報が登録されている。
【0020】
図5は勤務データのデータ構造の一例を示す図である。勤務データには、企業コードと従業員コードとに対応付けられて勤務日と勤務時間とが登録されている。
【0021】
図6は申込データのデータ構造の一例を示す図である。申込データは、従業員が前払い依頼を給与前払いシステム10に送信した際に生成される。申込データには、申込番号に、企業コードと、従業員コードと、申込日と、返済予定日と、希望金額と、利息と、手数料とが対応付けられて登録されている。申込日は、従業員が従業員端末30から給与前払いシステム10に前払い依頼を送信した日である。なお、申込データにはさらにステータスが紐づけられていることが好ましい。詳細は後述するが、ステータスは例えば、未振込、振込済み、請求済み、返済済み、否認等である。
【0022】
図7は振込データのデータ構造の一例を示す図である。振込データは、申込データが生成された際に、生成される。振込データには、管理番号に、依頼日と、金融機関コードと、金融機関店舗コードと、口座種目と、口座番号と、口座名義と、振込金額とが対応付けられて登録されている。振込データにおける金融機関コードと、金融機関店舗コードと、口座種目と、口座番号と、口座名義とは、前払い依頼を行った従業員の口座に関する情報である。振込金額は、申込データで指定された希望金額に応じた金額である。
【0023】
図8は請求データのデータ構造の一例を示す図である。請求データは、例えば振込データに応じて振込がされた際に生成される。請求データには、請求番号に、請求先と、請求日と、返済予定日と、請求金額と、請求ステータスとが対応付けられている。請求先は、前払い依頼を行った従業員の所属する企業の企業コードが指定される。
【0024】
学習部100は、例えば機械学習により、与信モデルの学習を行う。与信モデルは、任意の従業員の従業員データ、当該従業員の所属する企業データ、及び当該従業員の勤務データが入力データとして与えられた際に、これらの入力データに対して与えるパラメータ(融資算出係数ともいう。)を出力するモデルである。後述する算出部101は、ある従業員に対する融資可能額を、融資算出係数と、従業員データに登録された融資限度額に基づいて算出する。
【0025】
図9は、学習部100が学習を行う際のデータの流れを模式的に示している。学習部100が機械学習に用いる学習用データは、企業データと従業員データと当該従業員の勤務データとに基づいて生成される。
図9の例では、学習用データとして、企業コードと、企業の与信スコアと、対象となる従業員の性別、職業(又は学校)、勤続年数(又は学年)、前払いの対象となる月の日数、前払いの対象となる月において従業員が出勤した日数、勤務時間とを含むレコードが複数与えられている。
【0026】
学習部100は与えられた学習用データに基づいて、与信モデルが用いる融資算出係数を学習する。融資算出係数は、従業員データ、企業データ、及び勤務データに所定の重みづけをしたパラメータである。一例として、融資算出係数は、次式で表される。
融資算出係数=α×企業与信スコア+β×性別+γ×職業(又は学校)+δ×勤続年数(又は学年)+ε×勤務時間
【0027】
なお、融資算出係数は上記のものに限定されず、対象月の日数や出勤日数等を用いてもよい。また、学習部100は給与前払いシステム10の必須の構成ではなく、外部の学習装置において学習された与信モデルが後述する算出部101に設定される構成でもよい。
【0028】
算出部101は、学習部100が学習した与信モデルに基づいて、従業員ごとに前払い可能額(融資可能額)を算出する。本実施形態では、算出部101は前払い依頼を受付部102が受信した際に融資可能額を算出する構成を説明するがこれに限定されない。算出部101は、融資可能額を従業員がサービスに申し込んだ際に算出してもよいし、所定の周期(例えば毎月等)で算出してもよい。
【0029】
算出部101は、記憶部130を参照して、前払い依頼に対応する従業員データ、当該従業員データに対応する企業データ、及び対応する勤務データを取得する。算出部101は取得した各種データと与信モデルとに基づいて、従業員の融資可能額を判定する。具体的には、取得した従業員データに含まれる融資限度額と、与信モデルが出力した融資算出係数と、取得した入力データとを乗算して融資可能額を算出する。算出部101は算出した融資可能額を従業員データに登録することが好ましい。なお、算出部101は、企業に対する融資可能額を算出してもよい。
【0030】
受付部102は、従業員や給与管理者からサービスの申込みや、前払い依頼を受け付ける。例えば、受付部102は、所定のサービス申込み画面(
図10参照)を管理端末20や従業員端末30に提示してサービスの申込みを受け付ける。このとき受付部102は、給与管理者には企業データの登録を要求し、従業員には従業員データの登録を要求してもよい。受付部102は、企業データが登録されると記憶部130に登録する。また、受付部102は、従業員データが登録されると、企業データと紐づけて記憶部130に登録する。
【0031】
また、受付部102は、新規依頼画面(
図11参照)を従業員の従業員端末30に提示して、前払いの依頼を受け付ける。このとき受付部102は、少なくとも前払い依頼をする従業員の従業員コードと、前払い依頼額との指定を受け付けることが好ましい。なお、受付部102は、従業員端末30から返済予定日の指定を受付けてもよい。受付部102は前払い依頼を受け付けると、記憶部130に登録された従業員データ132から前払い依頼を行った従業員の従業員データを抽出し、抽出した従業員データから申込データを生成する。受付部102は生成した申込データを、抽出した従業員データと紐づけて記憶部130に登録する。
【0032】
振込管理部103は、受付部102が登録した申込データに基づいて振込データを生成する。振込管理部103は、生成した振込データを記憶部130に登録する。
本実施形態では、生成された振込データを、提供者が照会し、提供端末40を介して外部の金融機関に送信することで振込が実行される構成として説明する。この場合、振込管理部103は振込データを生成する度に提供端末40に通知を行うことが好ましい。
ただし、振込管理部103は、生成した振込データを外部の金融機関に直接送信してもよい。この場合、振込管理部103は、所定の周期(1日1回等)で外部の金融機関に振込データを送信してもよいし、振込データを生成する度に送信してもよい。
【0033】
振込管理部103は、提供端末40(又は外部の金融機関)から、生成した振込データに基づいて振込が完了した旨の通知(振込結果データ)を受領した場合に、記憶部130に登録した振込データのステータスを振込済みに更新する。振込結果データは、例えば実際に行われた振込の明細データ(一例として、依頼日、金融機関コード、口座番号、金額等を含むデータである)でもよい。この場合、振込管理部103は、振込結果データに対応する振込データを選択して消去することが好ましい。なお、振込管理部103は、振込データのステータスを更新する代わりに、振込データを記憶部130から消去する構成でもよい。
【0034】
請求管理部104は、所定の期日が到来した場合に、サービスを申し込んだ企業に対して請求データを生成する。請求データは、振込結果データを提供端末40(又は外部の金融機関)から受信済みの振込データに基づいて生成される。より具体的には、請求管理部104は、サービスを申し込んだ企業における従業員たちが、ある月において依頼した前払い金額分の請求を企業にするための請求データを生成する。請求管理部104は生成した請求データを対応する企業データに紐づけて記憶部130に登録する。さらに請求管理部104は、生成した請求データを、対応する企業の管理端末20に送信する。なお、請求管理部104は、返済予定日が到来した前払い依頼に応じた請求データを生成する構成でもよいし、振込結果データを受信する度に請求データを生成する構成でもよい。
【0035】
請求管理部104は、提供者の提供端末40から、請求データに基づく返済が完了されたことを確認した旨の通知を受領した場合に、記憶部130に登録した請求データのステータスを支払い済みに更新する。なお、支払済みに更新する代わりに、請求管理部104は対応する請求データを消去する構成でもよい。また、管理端末20(又は外部の金融機関)から、生成した請求データに基づいて支払いが完了した旨の通知(支払データ)を受領した場合に、記憶部130に登録した請求データのステータスを支払い済みに更新する構成でもよい。さらに請求管理部104は、企業ごとに従業員の前払い依頼の利用明細を生成することができる。利用明細には、所定の期間(例えば1か月間)において前払い依頼を利用した従業員について、従業員コードと、前払い依頼によって前払された振込金額とが対応付けられて記録されている。
【0036】
サービスを申し込んだ企業では、例えば、管理端末20から給与支払いの際に、従業員の前払い依頼の利用明細を給与前払いシステム10から取得する。給与管理者は、利用明細に基づいて、従業員に支払う給与から前払い金額を控除することができる。
【0037】
<3.画面例>
表示制御部105は、給与前払いシステム10にアクセスした、管理端末20、従業員端末30、及び提供端末40に対して各種の画面を提供する。
図10乃至
図14を参照して、表示制御部105が提供する画面の一例について説明する。
【0038】
図10は従業員端末30に提供されるサービス申込画面の一例を示している。従業員は、サービス申込画面において、所定の情報を登録することで、給与前払いサービスの提供を受けることができるようになる。
図10の例では、ユーザID、メールアドレス、パスワード、従業員番号、氏名、振込先の銀行等の入力が求められている。ユーザID、及びは従業員が、給与前払いサービスにログインする際に必要になる情報で、従業員が任意に設定可能である。
【0039】
図11は、申込内容確認画面の一例を示している。申込内容確認画面には、
図10のサービス申込画面において従業員が入力した情報が表示される。申込内容確認画面において登録ボタンB111が押下されると、申込が完了する。なお、このとき登録ボタンB111が押下されることに応じて、サービス申込画面において入力した従業員のメールアドレスに確認メールが送信される構成でもよい。この場合、確認メールに記載されたURLにアクセスすることによって申し込みを完了させることでセキュリティ強度を向上させることができる。
【0040】
申込みが完了すると従業員用の利用サイトが生成される。利用サイトには
図10の画面で入力したユーザIDとパスワードを入力することでログインすることができる。
図12乃至
図14は、ログイン後に表示可能になる画面の例である。
【0041】
図12は、利用履歴画面の一例を示す図である。利用履歴画面は、対応する従業員に紐づけられた振込データ及び請求データのステータスを参照して生成される。利用履歴画面では、過去に従業員が依頼した前払い依頼の、依頼日、金額、ステータス(未振込、振込済み、未返済、完了)、利息、及び利用料が一覧表示されている。
図12の画面において、利用履歴を選択して登録内容B121ボタンを押下すると、登録内容の詳細が表示される画面(
図14)に遷移する。新規依頼ボタンB122を押下すると、新規依頼画面(
図13)へと遷移する。
【0042】
図13は新規依頼画面の一例を示す図である。新規依頼画面では、ログイン中の従業員の融資可能額と、新規に前払い依頼をした場合の、前払い金の振込予定日、返済予定日、利息、及び手数料が表示されている。
図13の新規依頼画面においては、融資可能金額のうち、何割を前払いするかを選択するためのボタン(全額ボタン、半額ボタン、3分の1ボタン)が表示されている。従業員が選択したボタンの割合を融資可能額に乗じた額が、従業員の口座へと振り込まれる。なお、前払い額を選択する構成は
図13の例に限定されず、融資可能額を上限として、従業員が任意の金額を入力する構成でもよい。
【0043】
図14は登録内容詳細画面の一例を示す図である。登録内容詳細画面において、取消ボタンB141を押下すると、前払い依頼の取り消しを行うことができる。なお、取消ボタン141は、ステータスが未払いの前払い依頼が登録内容詳細画面において表示されている場合のみアクティブであることが好ましい。
【0044】
<4.処理シーケンス>
図15、及び
図16を参照して、本実施形態に係るシステム1の処理シーケンスの一例について説明する。
図15は、前払い依頼時の処理の流れを示すシーケンス図である。
【0045】
給与の前払い依頼を行う際に、従業員は、従業員端末30を操作して給与前払いシステム10にアクセスし、利用サイトにログインする。ログインすると、従業員端末30には
図12に示した利用履歴画面が表示される。利用履歴画面において新規依頼ボタンB122を押下すると、当該情報が給与前払いシステム10に送信される(S103)。
【0046】
給与前払いシステム10では、新規依頼ボタンB122が押下されると、対応する従業員の、従業員データ、企業データ、勤務データに基づいて、与信モデルを用いて融資可能額を算出する(S101)。算出された融資可能額は、
図13に示した新規依頼画面に表示されて従業員に通知される(S102)。なお、算出部101は、メール等によって融資可能額を従業員に通知する構成でもよい。
【0047】
従業員が、従業員端末30に表示された新規依頼画面において前払い金額を決定すると前払い依頼を送信する(S302)と、受付部102は申込データを生成し、記憶部130に登録する(S103)。申込データが登録されると、従業員は、依頼内容を照会可能になる(S303)。具体的には、従業員端末30における利用履歴画面において未振込のステータスで前払い依頼が表示される。給与管理者は、管理端末20を用いて依頼内容を照会することが可能である(S201)。なお、このとき給与管理者は、依頼内容を拒否することができる。この場合、受付部102は生成した申込データを記憶部130から消去することが好ましい。
【0048】
申込データが登録されると、振込管理部103は、振込データを生成し、記憶部130に登録し(S104)、提供端末40に通知する(S105)。提供端末40では、登録された振込データを照会し(S401)、外部の金融機関に振り込み手続きを依頼する(S402)。振込が完了すると、提供端末40を介して振込結果データが給与前払いシステム10に登録される(S403)。このとき、振込管理部103は、対応する振込データのステータスを振込済みに更新する(S105)。これにより、従業員端末30における利用履歴画面において振込済みのステータスで前払い依頼が表示される(S304)。
【0049】
図16は、返済時の処理の流れを示すシーケンス図である。所定の期日が到来すると、給与前払いシステム10では請求データを生成し、給与管理者に通知する(S111)。給与管理者は、管理端末20を用いて請求データを確認し、外部の金融機関に振込(返済)手続を依頼する(S211)。
【0050】
提供端末40では、入金を確認する(S411)と、返済済みを給与前払いシステム10に登録する(S412)。
【0051】
他方、サービスを申し込んだ企業において、給与の支払い時期が到来すると、給与管理者は管理端末20を用いて給与前払いシステム10から利用明細を取得する(S212、S112)。給与管理者は、取得した利用明細に基づいて控除額を算出(S213)し、給与の支払いを実行する(S214)。
【0052】
このように、本実施形態に係る給与前払いシステム10においては、従業員の属性や勤務データや企業の与信スコア等に基づいて、従業員に対して前払い可能な金額を決定する。すなわち、本実施形態に係る給与前払いシステム10は、従業員が前払い依頼をした日までに勤務した時間に関わらず、融資可能額を算出することができる。これによって、給与の前払い額をより柔軟に決定することが可能になる。
【0053】
<5.ハードウェア構成>
以下、
図17を参照しながら、上述してきた給与前払いシステム10、管理端末20、従業員端末30、提供端末40、をコンピュータ800により実現する場合のハードウェア構成の一例を説明する。なお、それぞれの装置の機能は、複数台の装置に分けて実現することもできる。
【0054】
図17に示すように、コンピュータ800は、プロセッサ801、メモリ803、記憶装置805、入力I/F部807、データI/F部809、通信I/F部811、及び表示装置813を含む。
【0055】
プロセッサ801は、メモリ803に記憶されているプログラムを実行することによりコンピュータ800における様々な処理を制御する。例えば、給与前払いシステム10の学習部100や、算出部101、受付部102、振込管理部103、請求管理部104などは、メモリ803に一時記憶された上で、主にプロセッサ801上で動作するプログラムとして実現可能である。
【0056】
メモリ803は、例えばRAM(Random Access Memory)等の記憶媒体である。メモリ803は、プロセッサ801によって実行されるプログラムのプログラムコードや、プログラムの実行時に必要となるデータを一時的に記憶する。
【0057】
記憶装置805は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体である。記憶装置805は、オペレーティングシステムや、上記各構成を実現するための各種プログラムを記憶する。この他、記憶装置805は、企業データ131や、従業員データ132、勤務データ133、申込データ134、振込データ135、請求データ136を記憶することも可能である。このようなプログラムやデータは、必要に応じてメモリ803にロードされることにより、プロセッサ801から参照される。
【0058】
入力I/F部807は、ユーザからの入力を受け付けるためのデバイスである。入力I/F部807の具体例としては、キーボードやマウス、タッチパネル、各種センサ、ウェアラブル・デバイス等が挙げられる。入力I/F部807は、例えばUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続されても良い。
【0059】
データI/F部809は、コンピュータ800の外部からデータを入力するためのデバイスである。データI/F部809の具体例としては、各種記憶媒体に記憶されているデータを読み取るためのドライブ装置等がある。データI/F部809は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、データI/F部809は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800へと接続される。
【0060】
通信I/F部811は、コンピュータ800の外部の装置と有線又は無線により、インターネットNを介したデータ通信を行うためのデバイスである。通信I/F部811は、コンピュータ800の外部に設けられることも考えられる。その場合、通信I/F部811は、例えばUSB等のインタフェースを介してコンピュータ800に接続される。
【0061】
表示装置813は、各種情報を表示するためのデバイスである。表示装置813の具体例としては、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、ウェアラブル・デバイスのディスプレイ等が挙げられる。表示装置813は、コンピュータ800の外部に設けられても良い。その場合、表示装置813は、例えばディスプレイケーブル等を介してコンピュータ800に接続される。また、入力I/F部807としてタッチパネルが採用される場合には、表示装置813は、入力I/F部807と一体化して構成することが可能である。
【0062】
以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。