特許第6672421号(P6672421)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6672421シリコン及びシリコンゲルマニウムのナノワイヤ構造
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6672421
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】シリコン及びシリコンゲルマニウムのナノワイヤ構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20200316BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20200316BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20200316BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20200316BHJP
   H01L 27/088 20060101ALI20200316BHJP
【FI】
   H01L29/78 301X
   H01L29/78 626C
   H01L27/088 B
【請求項の数】21
【外国語出願】
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-195794(P2018-195794)
(22)【出願日】2018年10月17日
(62)【分割の表示】特願2017-107611(P2017-107611)の分割
【原出願日】2011年11月23日
(65)【公開番号】特開2019-9476(P2019-9476A)
(43)【公開日】2019年1月17日
【審査請求日】2018年10月17日
(31)【優先権主張番号】12/958,179
(32)【優先日】2010年12月1日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593096712
【氏名又は名称】インテル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】クーン,ケリン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】キム,セヨン
(72)【発明者】
【氏名】リオス,ラファイエル
(72)【発明者】
【氏名】シーア,スティーヴン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ジャイルズ,マーティン ディー.
(72)【発明者】
【氏名】カッペラーニ,アンナリサ
(72)【発明者】
【氏名】ラクシット,ティタシュ
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ラフマディ,ウィリー
【審査官】 市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−340810(JP,A)
【文献】 特表2009−522760(JP,A)
【文献】 特表2010−501122(JP,A)
【文献】 国際公開第2005/036651(WO,A1)
【文献】 国際公開第2010/003928(WO,A2)
【文献】 国際公開第2009/150999(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0017934(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 21/8234
H01L 27/088
H01L 29/78
H01L 29/786
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の上の水平ナノワイヤチャネル構造と、
前記水平ナノワイヤチャネル構造を取り囲むゲート電極であり、当該ゲート電極の一部が前記水平ナノワイヤチャネル構造の上に最上面を持ち、当該ゲート電極の他の一部が前記水平ナノワイヤチャネル構造の下に最下面を持つ、ゲート電極と、
前記ゲート電極の長さ方向の前記ゲート電極のそれぞれの端面に沿って前記ゲート電極に隣接した一対の側壁スペーサであり、当該一対の側壁スペーサの各々の一部が、前記水平ナノワイヤチャネル構造の上の前記ゲート電極の前記一部に横方向で隣接し、当該一対の側壁スペーサの各々の他の一部が、前記水平ナノワイヤチャネル構造の下の前記ゲート電極の前記他の一部に横方向で隣接し、当該一対の側壁スペーサの各々が、一体化された側壁スペーサを形成している、一対の側壁スペーサと、
前記水平ナノワイヤチャネル構造のそれぞれの側のソース/ドレイン構造であり、当該ソース/ドレイン構造の一部が、前記水平ナノワイヤチャネル構造の上の前記ゲート電極の前記一部に横方向で隣接している前記側壁スペーサの前記一部に横方向で隣接及び接触し、且つ当該ソース/ドレイン構造は、前記側壁スペーサの最底面よりも下に底面を有する、ソース/ドレイン構造と、
有する集積回路構造体。
【請求項2】
前記水平ナノワイヤチャネル構造はシリコン水平ナノワイヤチャネル構造である、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項3】
前記水平ナノワイヤチャネル構造はシリコンゲルマニウム水平ナノワイヤチャネル構造である、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項4】
前記ゲート電極は、前記水平ナノワイヤチャネル構造を取り囲むゲート誘電体材料と、該ゲート誘電体材料を取り囲むメタルゲートとを有する、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項5】
前記ゲート誘電体材料は、high−kゲート誘電体材料を有する、請求項4に記載の集積回路構造体。
【請求項6】
前記ソース/ドレイン構造は、エピタキシャルシリコンゲルマニウムを有する、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項7】
前記ソース/ドレイン構造は、前記水平ナノワイヤチャネル構造の底面よりも下に底面を持つ、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項8】
前記基板はSOI基板である、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項9】
前記基板はバルクシリコン基板である、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項10】
前記ソース/ドレイン構造のうちの第1のものに結合された第1のトレンチコンタクトと、前記ソース/ドレイン構造のうちの第2のものに結合された第2のトレンチコンタクトと、を更に有する請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項11】
前記ソース/ドレイン構造は、p+ドープされたシリコンゲルマニウムを有し、当該集積回路構造体は更に、前記ソース/ドレイン構造と前記基板との間にシリコンエピタキシャルチップを有する、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項12】
前記ソース/ドレイン構造は、n+ドープされたシリコンを有し、当該集積回路構造体は更に、前記ソース/ドレイン構造と前記基板との間にシリコンエピタキシャルチップを有する、請求項1に記載の集積回路構造体。
【請求項13】
基板と、
前記基板の上の水平シリコンナノワイヤチャネル構造と、
前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造を取り囲むPMOSゲート電極であり、当該PMOSゲート電極の一部が前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造の上に最上面を持ち、当該PMOSゲート電極の他の一部が前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造の下に最下面を持つ、ゲート電極と、
前記PMOSゲート電極の長さ方向の前記PMOSゲート電極のそれぞれの端面に沿って前記PMOSゲート電極に隣接した一対の側壁スペーサであり、当該一対の側壁スペーサの各々の一部が、前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造の上の前記PMOSゲート電極の前記一部に横方向で隣接し、当該一対の側壁スペーサの各々の他の一部が、前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造の下の前記PMOSゲート電極の前記他の一部に横方向で隣接し、当該一対の側壁スペーサの各々が、一体化された側壁スペーサを形成している、一対の側壁スペーサと、
前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造のそれぞれの側の、p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造であり、当該p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造の一部が、前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造の上の前記PMOSゲート電極の前記一部に横方向で隣接している前記側壁スペーサの前記一部に横方向で隣接及び接触し、且つ当該p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造は、前記側壁スペーサの最底面よりも下に底面を有する、p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造と、
有する集積回路構造体。
【請求項14】
前記PMOSゲート電極は、前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造を取り囲むゲート誘電体材料と、該ゲート誘電体材料を取り囲むメタルゲートとを有する、請求項13に記載の集積回路構造体。
【請求項15】
前記ゲート誘電体材料は、high−kゲート誘電体材料を有する、請求項14に記載の集積回路構造体。
【請求項16】
前記p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造は、p+ドープされたエピタキシャルシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造である、請求項13に記載の集積回路構造体。
【請求項17】
前記p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造は、前記水平シリコンナノワイヤチャネル構造の底面よりも下に底面を持つ、請求項13に記載の集積回路構造体。
【請求項18】
前記基板はSOI基板である、請求項13に記載の集積回路構造体。
【請求項19】
前記基板はバルクシリコン基板である、請求項13に記載の集積回路構造体。
【請求項20】
前記p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造のうちの第1のものに結合された第1のトレンチコンタクトと、前記p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造のうちの第2のものに結合された第2のトレンチコンタクトと、を更に有する請求項13に記載の集積回路構造体。
【請求項21】
前記p+ドープされたシリコンゲルマニウムソース/ドレイン構造と前記基板との間にシリコンエピタキシャルチップを有する、請求項13に記載の集積回路構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、シリコン及びシリコンゲルマニウムのナノワイヤ構造に関する。
【背景技術】
【0002】
15nmノードより先までのマイクロエレクトロニクスデバイス寸法のスケーリング時に移動度向上及び短チャネル制御を維持することは、デバイス製造における難題をもたらすものである。デバイスを製造するために使用されるナノワイヤは、短チャネル制御の改善をもたらす。例えば、シリコンゲルマニウム(SiGe1−x)ナノワイヤチャネル構造(ただし、x<0.5)は、より高電圧での動作を利用する数多くの従来製品での使用に適した妥当なEgで移動度向上をもたらす。また、シリコンゲルマニウム(SiGe1−x)ナノワイヤチャネル(ただし、x>0.5)は、(例えば、移動式/手持式の分野における低電圧製品に好適な)より低いEgsで高められた移動度をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ナノワイヤデバイス及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様において、デバイスを製造する方法は、基板上にエピタキシャルシリコンゲルマニウムを形成し、前記エピタキシャルシリコンゲルマニウム上にエピタキシャルシリコンを形成し、前記エピタキシャルシリコンゲルマニウム上に配置された前記エピタキシャルシリコンをパターニングして複数のフィン構造を形成し、前記複数のフィン構造上にそれらを横切って複数のスペーサを形成し、前記複数のスペーサに隣接した前記基板のソース/ドレイン領域から前記フィン構造の一部を除去し、その後、前記ソース/ドレイン領域上にソース/ドレイン構造を形成し、前記スペーサ同士の間に配置された前記フィン構造から前記エピタキシャルシリコンの層及び前記エピタキシャルシリコンゲルマニウムの層のうちの一方を除去することを有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書は、特定の実施形態に注目し且つ区別して要求する請求項で締めくくられるが、以下の図を含む添付図面とともに以下の実施形態の説明を読むことで、様々な実施形態の利点を更に容易に解明することができる。
図1a】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1b】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1c】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1d】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1e】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1f】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1g】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1h】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1i】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1j】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1k】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1l】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1m】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図1n】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2a】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2b】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2c】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2d】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2e】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2f】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2g】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2h】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図2i】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図3a】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図3b】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図3c】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図3d】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図3e】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図3f】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図3g】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4a】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4b】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4c】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4d】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4e】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4f】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4g】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4h】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4i】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4j】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4k】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4l】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図4m】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図5a】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図5b】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図5c】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図5d】実施形態に係る構造を形成する方法を示す図である。
図6】実施形態に係るシステムを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の詳細な説明においては、実施され得る特定の実施形態を例として示す添付図面を参照する。それらの実施形態は、当業者がそれら実施形態を実施することができるように十分に詳細に説明される。理解されるように、様々な実施形態は、相異なるものであったとしても、必ずしも相互に排他的なものではない。例えば、1つの実施形態に関連してここに記載される特定の機能、構造又は特徴は、それらの精神及び範囲を逸脱することなく、その他の実施形態内で用いられ得る。また、理解されるように、開示の各実施形態内の個々の要素の位置又は構成は、それらの精神及び範囲を逸脱することなく変更され得る。故に、以下の詳細な説明は限定的な意味で解されるべきものではなく、実施形態の範囲は、適切に解釈される添付の請求項、並びに請求項の権利範囲に均等な範囲全体、によってのみ定められるものである。図面において、複数の図を通して、同一あるいは同様の機能は似通った参照符号によって参照することとする。
【0007】
例えばナノワイヤデバイス構造などのマイクロエレクトロニクス構造の形成方法及び使用方法、並びに関連構造を説明する。これらの方法及び構造は、ソース/ドレイン構造を有する基板とソース/ドレイン構造間の複数のナノワイヤとを有するナノワイヤデバイスを形成することを含み得る。これら複数のナノワイヤチャネル構造は、互いに上下に積層される。ここに含まれる様々な実施形態は、15nmノードより先のデバイス寸法スケーリング時にも移動度向上及び短チャネル制御を可能にする。実施形態は更に、基板からのチャネルのアイソレーションの強化、スペーサ−ギャップ分離に付随するキャパシタンスの低減、及びナノワイヤを用いた縦方向アーキテクチャのスケーリングを可能にする。
【0008】
図1a−1nは、例えばナノワイヤデバイス構造を形成するなどの、マイクロエレクトロニクス構造を形成する実施形態を例示している。図1aは基板100を示している。一実施形態において、基板100はバルクシリコン基板100を有し得る。他の実施形態において、基板100は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板を有し得るが、好適な如何なる種類の基板材料を含んでいてもよい。一実施形態において、基板100上に、エピタキシャル成長により、第1のシリコンゲルマニウム材料102が成長され得る。一実施形態において、第1のエピタキシャルシリコンゲルマニウム102上に、第一のシリコン材料104がエピタキシャル成長され得る。第1のシリコン層104上に第2層のシリコンゲルマニウム102’が形成され、第2のシリコンゲルマニウム102’上に第2層のシリコン104’が形成され得る。他の一実施形態において、基板上に形成される交互のエピタキシャルシリコンゲルマニウム層102/エピタキシャルシリコン層104の数は、具体的な用途に応じて様々になり得る。他の一実施形態において、層の順序は、エピタキシャルシリコン104及びエピタキシャルシリコンゲルマニウム102の交互層が基板100上に形成されるように逆にされてもよい。
【0009】
一実施形態において、シリコンゲルマニウム/シリコン/シリコンゲルマニウム/シリコンのエピタキシャルスタック(積層体)120が、従来からのパターニング/エッチング技術を用いてパターニングされ得る(図1b)。例えば、スタック構造120は、例えばシャロートレンチアイソレーション(STI)プロセスにおけるものなどの、トレンチエッチプロセスにてエッチングされることができ、複数のフィン構造107を形成するように基板100内に複数のトレンチ101が形成され得る。形成されたフィン構造107の各々は、トレンチ101内に形成され得る酸化物103によって互いに分離され得る。
【0010】
一実施形態において、フィン構造107は、ゲートオールアラウンド(gate all around;GAA、全周ゲート)ナノワイヤデバイスのデュアルチャネル部を有し得る。デバイス内のチャネルの数は、フィン構造107内の層数に依存することになる。フィン構造107はナノワイヤ構造を有し得る。スペーサ106が、フィン構造107に対して直交配置されて、フィン構造107上にこれらフィン構造107を横切って形成され得る(図1c)。一実施形態において、スペーサ106は、プロセスにおいてフィン構造107の材料に対して選択的な材料を有し得る。
【0011】
一実施形態において、ゲート電極材料108が、スペーサ106同士内/間に、スペーサ106同士の間に位置するフィン構造107部分の周りに形成され得る。一実施形態において、ゲート電極材料がフィン構造107の一部の周りに形成されて、ゲートの両側にスペーサ106が形成されてもよい。ゲート108は、一部の例においてポリシリコンを有することができ、また、犠牲ゲート構造108を有していてもよい。一実施形態において、フィン構造107の一部が基板100から除去されて、ソース/ドレイン領域109が露出され得る(図1d)。一実施形態において、フィン構造107の該一部は、ソース/ドレイン領域109を露出させるように、ドライエッチングプロセスによってエッチングされ得る。一実施形態において、ソース/ドレイン領域109は、基板100又は底部ワイヤ(102又は104)の何れか上で終端するようにエッチングされ得る。具体的なデバイスニーズに応じて、必要に応じてのアンダーカット・ウェットあるいはドライエッチングプロセスを用いて、ゲート108領域/チップ(tip)オーバーラップ領域の更なる材料を除去してもよい。
【0012】
一実施形態において、エピタキシャル成長技術を用いて、シリコン又はシリコンゲルマニウムのソース・ドレイン構造110が、ソース/ドレイン領域109に成長され(図1e)、スペーサ106間に配置されたフィン構造107の部分に結合され得る。一実施形態において、エピタキシャルソース/ドレイン構造110は、具体的な用途のデバイス型に応じて、NMOSデバイスではnドープされたシリコン、PMOSデバイスではpドープされたシリコン/シリコンゲルマニウムとし得る。ドーピングは、エピタキシャルプロセスにて、イオン注入によって、プラズマドーピングによって、固体ソース(源)ドーピングによって、あるいは技術的に知られたその他の方法によって導入され得る。
【0013】
チップとソース/ドレインとのジャンクション(接合)は、異なるドーパント種及び濃度でドープされたエピタキシャルレイヤ群を組み合わせることによって工学設計されることができる。例えば、PMOSデバイスのシリコンチャネルに歪みを付与するためにシリコンゲルマニウムのソース/ドレインが使用される場合、ソース/ドレインのシリコンゲルマニウムエピタキシャル構造110を成長させる前に、先ず、シリコンエッチング停止層/チップ112を成長させることで、後続のシリコンゲルマニウムエッチング中にソース/ドレイン領域109をエッチングしてしまうことが回避される(図1f)。換言すれば、PMOSチップ材料は、後のシリコンゲルマニウムエッチングプロセスに耐性を有する必要がある。
【0014】
基板100上に、ソース/ドレイン構造110、ゲート108及びスペーサ106を覆って、層間誘電体(ILD)(図示せず)が形成され得る。一実施形態において、化学的機械的研磨(CMP)により、犠牲ポリゲート108の頂部が開放され得る。そして、スペーサ材料106同士の間から犠牲ゲート電極材料108が除去され得る(図1g)。図1hは、スペーサ材料106間の内側の様子を示しており、2つのスペーサ(一方のみが示されている)間にフィン構造107が配置されている。一実施形態において、フィン構造107からシリコン層104、104’が選択的に除去され、シリコンゲルマニウムチャネル102、102’間にギャップ(間隙)111が空けられ得る(図1i)。一実施形態において、シリコン層104、104’は、シリコンゲルマニウムナノワイヤ構造102、102’をエッチングせずにシリコン104、104’を選択的に除去するウェットエッチングを用いて、選択的にエッチングされ得る。シリコンを選択的にエッチングすることには、例えば、水酸化アンモニウム及び水酸化カリウムを含む含水水酸化物ケミストリなどのエッチングケミストリが使用され得る。
【0015】
他の一実施形態においては、フィン構造107及び側壁からシリコンゲルマニウム層102、102’が選択的に除去され、シリコンチャネル層104、104’間にギャップ(間隙)113が空けられ得る(図1j)。一実施形態において、シリコンゲルマニウム102、102’は、シリコンナノワイヤチャネル104、104’をエッチングせずにシリコンゲルマニウムを選択的に除去するウェットエッチングを用いて、選択的にエッチングされ得る。シリコンゲルマニウムを選択的にエッチングすることには、例えばカルボン酸/硝酸/HFケミストリ及びクエン酸/硝酸/HFなどのエッチングケミストリが使用され得る。故に、スペーサ106間で、フィン構造107からシリコン層が除去されてシリコンゲルマニウムナノワイヤ102、102’を形成するか、フィン構造107からシリコンゲルマニウム層が除去されてシリコンチャネルナノワイヤ104、104’構造を形成するか、の何れかが行われ得る。一実施形態において、例えば、インバータ構造内のNMOSのSi及びPMOSのSiGeのように、同一ウェハ上、同一ダイ内、あるいは同一回路上に、シリコンチャネル材料とシリコンゲルマニウムチャネル材料との双方が存在し得る。同一回路内にNMOSのSi及びPMOSのSiGeを有する一実施形態において、Siチャネル厚さ(SiGe層間)及びSiGeチャネル厚さ(Si層間)は共に、回路性能及び/又は回路最小動作電圧を改善するように選定され得る。一実施形態において、回路性能及び/又は回路最小動作電圧を改善するために、エッチングプロセスにより、同一回路内の異なるデバイス間でワイヤ数が変えられてもよい。
【0016】
スペーサ106間のチャネル領域を囲むようにゲート誘電体材料115が形成され得る。一実施形態において、ゲート誘電体材料115は、誘電率が約4より高い値を有し得るhigh−kゲート誘電体材料を有することができる。一実施形態において、ゲート誘電体材料115は、スペーサ106間のシリコンナノワイヤ構造104、104’の四方にコンフォーマル(共形)に形成され得る(図1k)。他の一実施形態において、ゲート誘電体材料115は、スペーサ106間のシリコンゲルマニウムナノワイヤ構造102、102’の四方に形成され得る(図示せず)。
【0017】
そして、ゲート誘電体材料115の周りにゲート電極材料117が形成され得る(図1l)。ゲート電極材料117は、例えばTi、W、Ta、Alの純金属及び合金などのメタルゲート電極材料(例えばTaN、TiNなどの窒化物を含む)を有することができ、また、例えばEr、Dyなどのレアアースとの合金、又は例えばPtなどの貴金属を含み得る。シリコンナノワイヤ構造104、104’間のギャップ113は、ゲート電極材料117で充填され得る。他の一実施形態において、シリコンゲルマニウムナノワイヤ構造102、102’間のギャップ111は、ゲート電極材料117で充填され得る(図示せず)。一実施形態において、基板100上で更に標準CMOSプロセスが実行され、ここでの実施形態に従ったCMOSデバイスが製造され得る。
【0018】
一実施形態において、NMOSデバイス及び/又はPMOSデバイスが形成され得る。図1mは、形成され得るNMOSデバイス(単一のシリコンチャネルが描写されている)を示しており、具体的な用途に応じて、トレンチコンタクト119がソース・ドレイン構造110に結合し得る。ソース・ドレイン構造110は、一部の例において、n+にドープされたシリコンとし得る。一部の例においてn−ドープされ得るシリコンエピタキシャルチップ112が、ソース・ドレイン構造110と基板100との間に配置され得る。ゲート電極材料117がシリコンナノワイヤチャネル104を取り囲み得る。
【0019】
図1nは、PMOSデバイス(単一のシリコンチャネル104が描写されている)を示しており、具体的な用途に応じて、トレンチコンタクト119がソース・ドレイン構造110に結合し得る。ソース・ドレイン構造110は、一部の例において、P+にドープされたシリコンゲルマニウムとし得る。一部の例においてp−ドープされ得るシリコンエピタキシャルチップ/エッチングストッパ120が、ソース・ドレイン構造110と基板100との間に配置され得る。ゲート電極材料117が、一部の例において歪みシリコンチャネル104を有し得るシリコンチャネル104を取り囲み得る。
【0020】
一部の例において、シリコンゲルマニウムチャネル構造(例えば、図1iに示したものなど)を使用するデバイスは、シリコンゲルマニウム特性による高キャリア移動度を有することによって有利となり得る。一実施形態において、ゲートアールアラウンド・シリコンゲルマニウムチャネルデバイスプロセスは、エピタキシャルレイヤスタック120が逆にされることを除いて、すなわち、基板上に先ずシリコン材料104が形成され、該シリコン上にシリコンゲルマニウムが形成されることを除いて、ゲートアールアラウンド・シリコンチャネルデバイスプロセスと同様とし得る。この下層のシリコンはシリコンゲルマニウムに対して選択的に除去されることになるので、ソース/ドレインはシリコンゲルマニウムを有し、犠牲ゲート電極材料の下のエッチングストッパも同様にシリコンゲルマニウムを有し、基板エッチングが回避される。
【0021】
ここでの実施形態は、セルフアラインされるゲートオールアラウンド(GAA)型のシリコンチャネル及びシリコンゲルマニウムチャネルのトランジスタ構造及びデバイスの製造を可能にする。ナノワイヤチャネルデバイスは、短チャネル効果(SCE)の低減により、より低いサブスレッショルドリークを示す。GAA型SiGe高移動度チャネルデバイスの実装は、例えば、SCE効果を抑圧する。(GAA)デバイスは、チャネルに対する静電的ゲート制御を最大化することができる。
【0022】
一実施形態において、ここでの様々な実施形態に従って製造されるデバイスは、強化された基板アイソレーションを備え得る。図2aを参照するに、基板200上に配置される底部ナノワイヤチャネル202は、一部の例において、劣悪なサブフィンリークを有する短絡されたトライゲートを有し得る。1つの対策は、シリコン・オン・インシュレータ(SOI)基板201上にデバイスを形成することを有し(図2b−2c)、その場合、ソース/ドレイン構造210及びナノワイヤ構造204は、(図2aに示したように)バルクシリコン基板200上に配置されるのでなく、例えば酸化物材料203などの絶縁体材料203上に配置される。SOI基板201を用いることにより、底部ナノワイヤ204の幾何学形状は、ナノワイヤフィン構造(例えば、図1bのナノワイヤフィン構造107と同様)のシリコンゲルマニウムエッチングの後、且つゲート電極材料(例えば、図1lのゲート電極材料117と同様)を形成する前に、底部酸化物をエッチングすることによって画成され得る。
【0023】
例えば、図2dは、誘電体をエッチングして1つのナノワイヤと1つのトライゲートとを形成することを示しており、図2eは、誘電体をエッチングして2つのナノワイヤを有するデバイスを形成することを示している。他の一実施形態において、強化された基板アイソレーションは、トレンチエッチング後にフィン207の側壁にフィンスペーサ211(図2f)を形成することによって達成され得る。その後、底部フィン領域216を露出させるように第2のトレンチエッチング214が行われ、そして、底部フィン領域216のシリコン部分が酸化され得る(図2g)。故に、デバイスの底部ナノワイヤが酸化物上に配置されて基板アイソレーションが改善される。他の一実施形態において、フィンスペーサ211は、トレンチのエッチング及び充填の後にフィン207の側壁に形成されてもよい(図2h)。基板アイソレーションを強化するために、STIリセス形成/酸化物充填の後にフィン207の底部シリコン部分216が酸化され得る(図2i)。故に、デバイスの底部ナノワイヤが酸化物上に配置されて基板アイソレーションが改善され得る。
【0024】
一実施形態において、ナノワイヤスタック307のシリコン領域の除去によって、スペーサ306内に空隙311が残され得る(図3a)。例えばメタルゲート構造(例えば、図1lのゲート構造117と同様)などのゲートの付与後、空隙311は、後で形成されたゲートとソース・ドレイン構造310との間の非常に高キャパシタンスの寄生領域を作り出し得る。一実施形態において、この潜在的な寄生領域は、開始スタックに、シリコンではなく、エピタキシャル酸化物302を使用すること(シリコン基板300の方位の変更を要する場合もあるいし要しない場合もある)によって回避され得る(図3b)。一実施形態において、エピタキシャル半導体材料304の交互層は、基板300上に形成され得るエピタキシャル酸化物材料302上に形成され得る。
【0025】
例えば、(111)シリコン上にGd2O3をエピタキシャル成長させ、その後、Gd2O3の頂部にシリコンゲルマニウムを成長させることで、基板上に、後にシリコンゲルマニウムワイヤを形成し得るフィン構造307へとエッチングされることが可能な多層スタックを構築することができる。他の一実施形態において、多層スタックを形成するように、(111)シリコン上(あるいは代替的に(100)シリコン上)に酸化セリウムが成長され得る。酸化物/半導体/酸化物スタックを用いる場合、フィン構造307の酸化物材料302、302’をエッチングしない、部分的にエッチングする、あるいは完全にエッチングする、という選択肢が存在する(それぞれ、図3c−3e)。エッチングなしの選択肢(図3c)は、キャパシタンスの問題を解決するが、より劣悪な閉じ込め(コンファインメント)という代償を伴う。部分的なエッチングの選択肢(図3d)は、閉じ込めを改善するが、或る程度の寄生キャパシタンスという代償を伴う。
【0026】
他の一実施形態において、(図3aに示した)フィン構造に隣接するスペーサ内の空隙311は、ソース・ドレインのエピタキシャル成長に先立って、スペーサ306のソース/ドレイン310側から、スペーサ的な材料312又はlow−k材料312を有する第2のスペーサ312で充填され得る(図3f)。第2のスペーサ312の材料は、以下に限られないが例えばSiON、SiN、SiC、SiOBN、及びlow−k酸化物などの材料を有し得る。一実施形態において、スタック307のエッチングにてシリコンの全てが除去されてもよく、その結果、ゲート置換エッチング(犠牲ゲート電極材料の除去)は酸化物のみに突き当たる。他の一実施形態において、空隙311は、ゲート側から(ゲート堆積に先立って)スペーサ的な材料312又はlow−k材料312で充填されてもよい(図3g)。このような実施形態は、スタック307の完全なエッチング又は部分的なエッチングを実行することを含む(完全なエッチングとして図示)。
【0027】
他の一実施形態において、空隙311は、スタック307からの除去工程中のシリコンのエッチアウトを最小化するように、シリコンの異方性エッチングを活用することによって充填されてもよい。例えば、(110)ウェハが<111>に沿ったチャネルとともに使用され得る。この構造は、ソース/ドレイン310に面して、エッチングレートの低い(111)面を有することになり、故に、アンダーカットを制限する。ここで選択されるウェットエッチングはまた、SiGeナノワイヤ間のシリコンの全てを除去した後に、部分的にしかエッチングされていないSiGeナノワイヤを残存させるよう、SiGeをSiよりもゆっくりとエッチングするものでなければならない。故に、スペーサ306内での横方向エッチングを最小化するよう異方性エッチングが使用され、エッチングケミストリは、シリコンには高度に選択的であるがシリコンゲルマニウムには選択的でないようにされ得る。
【0028】
一実施形態において、ナノワイヤを利用して、縦方向アーキテクチャのスケーリングが達成され得る。一実施形態において、基板からトレンチ内にシリコンゲルマニウム又はシリコンがエピタキシャル成長され、その後、例えば酸化プロセス又はエッチングプロセスを用いて、フィン構造が、互いに上下に積層されたものとし得るナノワイヤへと分離され得る。一実施形態において、ソース/ドレイン領域がSiGe(若しくはSi)及び酸化物のレイヤ群として開始するとして、ワイヤ全体の酸化が行われ得る。シリコン基板401上に、交互にされた酸化物層404及び窒化物層402(より多くのワイヤを形成するよう、より多くの層が用いられてもよい)が形成され得る(図4a)。これらの酸化物層及び窒化物層は、トレンチ405と背面部406とを形成するようにパターニング・エッチングされ、トレンチ405が基板401のシリコン材料を露出させ得る(図4b)。シリコンゲルマニウム(又はシリコン)407が、トレンチ405内及び背面部にエピタキシャル成長され、且つ研磨され得る(図4c)。ハードマスク408が、シリコンゲルマニウム(又はシリコン)407上に形成され、且つパターニング・エッチングされて、フィン410の側面が露出される(図4d)。一実施形態において、フィン構造は、ハードマスクによって覆われていない窒化物及び酸化物の交互層の一部を除去することによって形成され得る。
【0029】
フィン410が酸化されて、ナノワイヤが画成され得る(図4e)。フィン410の酸化された部分が除去され、デバイスのチャネル構造として機能し且つ実質的に構造全体を横切って形成されたナノワイヤ412が形成され得る。一実施形態において、第1のナノワイヤ412は、縦方向に第2のナノワイヤ412’より上方に配置され得る。他の一実施形態において、これらのワイヤはチャネル領域内のみに画成されてもよい(図4g−4j)。例えばSiCである第2のマスク材料413がフィン構造410の周りに形成され得る。第2のマスク材料413は、酸化物及び窒化物に対して選択的なものとし得る。フィン構造410は、例えば、図4dにおけるものと同様に、交互にされた酸化膜/窒化膜を有し得る。フィン構造410に隣接するゲート領域を画成するために、後にゲート電極材料が形成されるところにトレンチ414が形成されて、フィン構造410の一部が露出され得る(図4h)。酸化を行ってナノワイヤが画成され(図4i)、そして、ワイヤは更に、フィン構造の酸化された部分を除去することによって画成され得る(図4j)。故に、ワイヤは、ゲート領域/トレンチ414内には形成されるが、ソース/ドレイン領域内には形成されない。
【0030】
ナノワイヤをパターニングすることに関するリソグラフィの懸念を軽減するために、スペーサプロセスを使用することができる。そこで、フィン410を囲む窒化物をエッチングすることによって、Si又はSiGeのフィン410の側部が露出され得る(頂部は、例えばSiCなどのハードマスク421によって覆われ得る)。そして、等方性の堆積及び異方性エッチングの組合せにより、スペーサ420が形成される(図4k)。このスペーサ420は、フィン410の側壁を露出させるエッチングをマスクするために使用される。スペーサ420はその後に除去され得る。
【0031】
他の一実施形態において、異方性ウェットエッチングにより、フィンが、図4lに示すワイヤへと分離される。先ず、ウェットエッチングを用いて酸化物がエッチング除去され得る。その後、Si又はSiGeの異方性ウェットエッチングを用いて、露出されたフィン410のSiGe又はSiがエッチングされる。エッチングレートの結晶方向依存性によって、ナノワイヤが形成され得る。双方のエッチングが行われた後、一実施形態において、ナノワイヤは六角形状に形成され得る。酸化物の除去後、Si又はSiGeのフィンが形成され得る(図4m)。
【0032】
ナノワイヤの縦方向スケーリングが達成され得る。ナノワイヤサイズはフォノン散乱によって約7nmに制限され得るので、このことがこのようなデバイスの長期のスケーリングを制限し得る。1つの対策は、Nチャネル又はPチャネルの一方を底部ワイヤ内に位置付け且つ他方のチャネルを頂部ワイヤ内に位置付けて、デバイス群を縦方向に構築することである。一実施形態において、VssのためにN+基板が使用され得る。他の一実施形態において、頂部コンタクトと底部コンタクトとが位置をずらされ得る。他の一実施形態において、左及び右のウィング部を有するワイヤが形成され得る。図5aは、Vss用のN+基板500とゲート501とを用いて製造されるインバータを示している。なお、これは、N及びPのナノワイヤチャネル514を接続する背の高い(トール)コンタクト512(TCN)と、N及びPのナノワイヤチャネル514のうちの一方と結合する短い(ショート)頂部TCN510と、N及びPのナノワイヤチャネル514のうちの一方及び基板500に結合する基板プラグ508/底部TCNとを必要とする。図5bは、位置をずらされた頂部TCN510及び底部TCN508を示している。図5cは、左右のウィング型ナノ構造514を有するN及びPのナノワイヤを示している。図5dは、左右のウィング型ナノ構造514を用いて配線されたインバータを示している。
【0033】
GAAを具備するナノワイヤは、フィン構造及びトライゲート構造だけでなくGAA型非ナノワイヤ構造に対しても改善を提供する。置換金属ゲート(replacement metal-gate;RMG)式のゲートオールアラウンドプロセスを用いる横方向のナノワイヤの使用は、RMGを用いるプレーナ型からRMGを用いるフィン型へのロードマップの論理的延長である。ゲートオールアラウンド(GAA)型ナノワイヤ構造は、GAA型非ナノワイヤ構造及びフィンに対して短チャネル制御を改善する可能性を提供する。シリコン又はシリコンゲルマニウムのナノワイヤ構造内の底部ワイヤの、基板からのアイソレーションの改善が、ここでの実施形態によって達成され得る。
【0034】
フォノン散乱によって最小ナノワイヤサイズが〜7nmに制限されるときの密度スケーリングが可能にされ得る。シリコン及びシリコンゲルマニウム双方に関して、横方向のナノワイヤ構造が、トライゲート構造に関して開発されたものから改良されたワイヤ用の置換金属ゲートアーキテクチャ及び製造上適合した製造技術と組み合わされ得る。ナノワイヤを用いた縦方向アーキテクチャスケーリングが可能にされる。ナノワイヤを用いてトランジスタ層自体に回路を構築することが可能にされる。
【0035】
図6は、一実施形態に従ったコンピュータシステムを示している。システム600は、プロセッサ610、メモリデバイス620、メモリコントローラ630、グラフィックコントローラ640、入力/出力(I/O)コントローラ650、ディスプレイ652、キーボード654、ポインティングデバイス656、及び周辺装置658を含んでおり、一部の実施形態において、これらは全て、バス660を介して相互に通信可能に結合され得る。プロセッサ610は、汎用プロセッサ又は特定用途向け集積回路(ASIC)とし得る。I/Oコントローラ650は、有線通信又は無線通信のための通信モジュールを含み得る。メモリデバイス620は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)デバイス、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)デバイス、フラッシュメモリデバイス、又はこれらのメモリデバイスの組み合わせとし得る。故に、一部の実施形態において、システム600内のメモリデバイス620はDRAMデバイスを含む必要はない。
【0036】
システム600内に示した構成要素のうちの1つ以上が、ここに含まれる様々な実施形態に係る1つ以上のナノワイヤデバイスを含み得る。例えば、プロセッサ610、若しくはメモリデバイス620、若しくはI/Oコントローラ650の少なくとも一部、又はこれらのコンポーネントの組み合わせが、ここで説明した構造の少なくとも1つの実施形態を含んだ集積回路パッケージに含められ得る。
【0037】
これらの要素は、技術的に周知の従来からの機能を果たす。具体的には、メモリデバイス620は、一部の例において、一部の実施形態に係る構造を形成する方法のための実行可能命令の長期間の記憶を提供するために使用されることができ、また、他の実施形態において、実施形態に係る構造を形成する方法の実行可能命令を、プロセッサ610による実行中に短期ベースで格納するために使用されることができる。また、それらの命令は、システムに通信可能に結合される例えばコンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、搬送波、及び/又はその他の伝播信号などの機械アクセス可能媒体に格納され、あるいはその他の方法で結合され得る。一実施形態において、メモリデバイス620はプロセッサ610に、実行のための実行可能命令を供給し得る。
【0038】
システム600は、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップ、ハンドヘルド、サーバ、Web機器、ルータなど)、無線通信装置(例えば、セル方式電話、コードレス電話、ポケットベル、携帯情報端末など)、コンピュータ関連周辺機器(例えば、プリンタ、スキャナ、モニタなど)、娯楽機器(例えば、テレビジョン、ラジオ、ステレオ、テーププレーヤ及びコンパクトディスクプレーヤ、ビデオカセットレコーダ、ビデオカメラ、デジタルカメラ、MP3(MPEGオーディオレイヤ3)プレーヤ、ビデオゲーム装置、時計など)、及びこれらに類するものを含み得る。
【0039】
以上の説明では、実施形態で使用され得る特定の工程及び材料を詳述しているが、当業者に認識されるように、数多くの変更及び代用が為され得る。そのような変更、改変、代用及び付加は、添付の請求項によって定められる本実施形態の精神及び範囲に入ると見なされるべきものである。また、認識されるように、例えばトランジスタデバイスなどの様々なマイクロエレクトロニクス構造は技術的に広く知られている。故に、ここに提示される図は、典型的なマイクロエレクトロニクス構造のうちの、本実施形態の実施に関係する部分のみを示している。従って、本実施形態はここに記載された構造に限定されるものではない。
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図1f
図1g
図1h
図1i
図1j
図1k
図1l
図1m
図1n
図2a
図2b
図2c
図2d
図2e
図2f
図2g
図2h
図2i
図3a
図3b
図3c
図3d
図3e
図3f
図3g
図4a
図4b
図4c
図4d
図4e
図4f
図4g
図4h
図4i
図4j
図4k
図4l
図4m
図5a
図5b
図5c
図5d
図6