(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ハイドロフォビンは、水/空気界面で自己集合して両親媒性界面膜になり、前記集合した両親媒性膜は室温でエタノール水溶液(60%v/v)中、少なくとも0.1%(w/w)の濃度まで再溶解する、請求項1に記載の組成物。
前記ハイドロフォビンは、水/空気界面で自己集合して両親媒性界面膜になり、前記集合した両親媒性膜は室温でドデシル硫酸ナトリウム水溶液(2%w/w)中、少なくとも0.1%(w/w)の濃度まで再溶解する、請求項1に記載の組成物。
B1、B2、B3、B4、B5、B6、B7及びB8はそれぞれ独立に、Cys、Leu又はSerから選択されるアミノ酸であり、残基B1〜B8のうちの少なくとも7個はCysである、請求項4又は5に記載の組成物。
前記アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホネート及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェートとアルキルアルコキシサルフェートとの混合物であり、前記アルキルアルコキシサルフェートがアルキルエトキシサルフェートである、請求項11に記載の組成物。
前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェートとアルキルアルコキシサルフェートとの混合物であり、前記両性界面活性剤がアルキルジメチルアミンオキシドであり、前記アニオン性界面活性剤及び前記両性界面活性剤は、4:1〜2:1の重量比である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
前記組成物は、リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オレイン酸ヒドラターゼ、脂肪酸リポキシゲナーゼ、脂肪酸デカルボキシラーゼ、及びこれらの混合物からなる群から選択される酵素をさらに含む、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、手洗いにおける泡立ちの長寿命を改善する新しい組成物を見出す必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、好ましくは液体形態の洗浄組成物が提供される。この組成物は界面活性剤系及びクラスIIハイドロフォビンを含む。
【0007】
本発明の組成物の「クラスIIハイドロフォビン」は、本明細書において「本発明のハイドロフォビン」と称されることがある。
【0008】
本発明の組成物の「界面活性剤系」は、本明細書において「本発明の界面活性剤系」と称されることがある。
【0009】
ハイドロフォビンは、糸状菌によって発現されるシステインに富むタンパク質である。これらは、疎水性・親水性界面で両親媒性膜への自己集合(self-assemble)を形成するこれらの能力について知られている。この研究の過程で、クラスIIハイドロフォビンは、本発明の界面活性剤系を含む洗浄組成物の泡立ちの長寿命を改善することが判明した。
【0010】
組成物は、全てのタイプの表面から良好なグリース除去を提供する。好ましくは、本組成物は、食器手洗い用洗浄組成物である。
【0011】
本発明の組成物の界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤及びこれらの混合物からなる群から選択される一次補助界面活性剤とを含む。この組成物は、非イオン性界面活性剤をさらに含むことができる。
【0012】
アニオン性界面活性剤は、任意のアニオン性洗浄界面活性剤であり得、特に好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホネート及びこれらの混合物からなる群から選択される。好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート及びこれらの混合物から選択され、好ましいアルキルアルコキシサルフェートはアルキルエトキシサルフェートである。本明細書で使用するのに好ましいアニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェートとアルキルエトキシサルフェートとの混合物である。
【0013】
本明細書で使用するための非常に有用な界面活性剤系には、アミンオキシド、特にアルキルジメチルアミンオキシドと組み合わせたアニオン性界面活性剤、及び/又はベタイン界面活性剤を含むものが含まれる。
【0014】
好ましくは、界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤を含み、より好ましくは2:1〜4:1の重量比で含む。より好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェートとアルキルエトキシサルフェートとの混合物であり、両性界面活性剤はアミンオキシドであり、アニオン性界面活性剤及び両性界面活性剤は、2:1〜4:1の重量比である。
【0015】
本明細書で使用するための別の好ましい界面活性剤系は、アニオン性及び両性/双性イオン性の系であり、両性対双性イオン性の重量比が好ましくは、約2:1〜約1:2である。特に、両性界面活性剤がアミンオキシド界面活性剤であり、双性イオン性界面活性剤がベタインであり、アミンオキシド対ベタインの重量比が約1:1であるような系である。
【0016】
非イオン性界面活性剤をさらに含む界面活性剤系も、本発明における使用のために好ましい。特に好ましい非イオン性界面活性剤は、アルキルアルコキシル化非イオン性界面活性剤、特にアルキルエトキシル化界面活性剤である。
【0017】
本発明の組成物のための特に好ましい界面活性剤系は、好ましくはアルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤と、両性界面活性剤、好ましくはアミノオキシド界面活性剤と、非イオン性界面活性剤と、を含む。要約すると、本明細書で使用するのに最も好ましい界面活性剤系は、アルキルサルフェートとアルキルアルコキシサルフェートとの混合物と、アミンオキシドと、非イオン性界面活性剤、特にアルキルエトキシル化サルフェート界面活性剤、アルキルジメチルアミンオキシド及びアルキルエトキシレート非イオン性界面活性剤と、を含む。
【0018】
好ましくは、本発明の組成物は酵素を含む。酵素は基質からの脂肪質汚れ除去を促進することにより泡立ちに負の影響を及ぼし、この負の影響は組成物中にハイドロフォビンの存在によって克服することができる。リパーゼは、本明細書での使用に好ましい酵素である。本明細書で使用するのに好適な他の酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及び脂肪酸変換酵素、例えばオレイン酸ヒドラターゼ、リポキシゲナーゼ、及び脂肪酸デカルボキシラーゼ、並びにこれらの混合物からなる群から選択される。リパーゼと、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及び脂肪酸変換酵素、例えばオレイン酸ヒドラターゼ、リポキシゲナーゼ、及び脂肪酸デカルボキシラーゼからなる群からの酵素とを含む組成物が特に好ましい。
【0019】
本発明の組成物は、二価カチオンの塩をさらに含むことができる。特に、マグネシウムの塩。マグネシウムカチオンは、グリース洗浄プロファイル並びに組成物の泡立ちの長寿命を強化し、広げることによって、本発明のハイドロフォビンと界面活性剤系と組み合わせて働くことができる。
【0020】
本発明の組成物は、環状ジアミンをさらに含むことができる。環状ジアミンは、グリース洗浄プロファイル及び組成物の泡立ち持続時間を強化し、広げることによって、本発明のハイドロフォビン及び界面活性剤系と組み合わせて働くことができる。
【0021】
本発明の組成物は好ましくはキレート剤をさらに含み得る。キレート剤は、本発明のハイドロフィンと組み合わせて作用して、改善されたグリース洗浄を提供することができる。本明細書での使用に好ましいキレート剤は、アミノホスホネート及びアミノカルボキシル化キレート剤、特にMGDA及びGLDAなどのアミノカルボキシル化キレート剤である。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、本発明の組成物を使用して食器を手洗いで洗浄する方法が提供される。本発明の組成物は、未希釈の形態(直接塗布)で使用することができる。あるいは、本発明の組成物は、希釈形態(フルシンク(full sink))で使用することもできる。アニオン性界面活性剤と、両性、双性イオン性及びこれらの混合物からなる群から選択される一次補助界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む洗浄組成物における、泡立ちの長寿命の改善、特に油脂性及び/又は油性の汚れの存在下での泡立ち持続時間の改善のための、食器手洗い洗浄におけるクラスIIハイドロフォビンの使用もまた提供される。アニオン性界面活性剤と、両性、双性イオン性及びこれらの混合物からなる群から選択される一次補助界面活性剤とを含む界面活性剤系を含む洗浄組成物における、グリース乳化のための食器手洗い洗浄におけるクラスIIハイドロフォビンの使用もまた提供される。
【0023】
本発明の第1の態様に関して記載される本発明の組成物の各要素は、本発明の他の態様に準用する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、特定の界面活性剤系及びクラスIIハイドロフォビンを含む洗浄組成物、好ましくは食器手洗用洗浄組成物を想定する。本発明の組成物は、特に脂肪及び/又は油性汚れの存在下で非常に良好な泡立ち持続時間を提供する。本発明はまた、食器手洗い洗浄方法、及び泡立ち持続期間を延長するための組成物の使用を想定する。
【0025】
ハイドロフォビン
Wosten,Annu.Rev.Microbiol.2001,55,625646に記載されるように、ハイドロフォビンは、一般に糸状菌の増殖及び発達において広範な役割を果たす真菌起源のタンパク質である。例えば、それらは、空中構造の形成及び疎水性表面への菌糸の付着に関与する。ハイドロフォビンがその機能を果たすメカニズムは、疎水性−親水性界面で両親媒性膜へ自己集合する特性に基づいている。典型的には、ハイドロフォビンは、クラスI及びIIに分類される。本明細書により記載されているように、クラスIIハイドロフォビンの集合した両親媒性膜は、室温で様々な溶媒(特に限られないが、水性エタノール)に再溶解することができる。対照的に、クラスIハイドロフォビンの集合した両親媒性膜は、溶けにくく、トリフルオロ酢酸又はギ酸のような強酸のみに再溶解する。ハイドロフォビンを含む洗剤組成物は、当技術分野では既知である。例えば、米国特許出願公開第2009/0101167号(国際公開第2007/014897号に対応する)は織物の洗浄のための、ハイドロフォビン、特に融合ハイドロフォビンの使用、及びそれらを含む洗浄組成物を記載している。米国特許出願公開第2014/0031272号は、表面から脂質ベースの汚れを除去するためのハイドロフォビン及び脂肪分解酵素を含む洗浄組成物を記載している。
【0026】
驚くべきことに、本発明のクラスIIハイドロフォビンと界面活性剤系とを含む洗浄組成物は、界面活性剤レベルの低下にもかかわらず長期間の泡立ちを示すことが判明した。
【0027】
ハイドロフォビンは、微生物から得られた、又は微生物から得ることができるポリペプチドである。微生物は、好ましくは細菌又は真菌であり、より好ましくは真菌であり得る。本明細書において、用語「ハイドロフォビン」は、親水性/疎水性界面で自己集合することができるポリペプチドを意味し、以下の一般式:
(Y
1)
n−B
1−(X
1)
a−B
2−(X
2)
b−B
3−(X
3)
c−B
4−(X
4)
d−B
5−(X
5)
e−B
6−(X
6)
f−B
7−(X
7)
g−B
8−(Y
2)
m
(式中、m及びnは独立に0〜2000であり、B
1、B
2、B
3、B
4、B
5、B
6、B
7及びB
8は、それぞれ独立に、Cys、Leu、Ala、Pro、Ser、Thr、Met又はGlyから選択されるアミノ酸であり、残基B
1〜B
8のうちの少なくとも6個はCysであり、X
1、X
2、X
3、X
4、X
5、X
6、X
7、Y
1及びY
2は独立に任意のアミノ酸を表し、aは1〜50であり、bは0〜5であり、cは1〜100であり、dは1〜100であり、eは1〜50であり、fは0〜5であり、gは1〜100である)を有すると定義される。
【0028】
クラスI及びIIハイドロフォビン
当該分野では、ハイドロフォビンはクラスI及びIIに分類される。クラスIハイドロフォビンは、本発明の範囲外である。本発明の組成物は、クラスIIハイドロフォビンを含む。クラスI及びIIのハイドロフォビンは、構造的にも溶解度を含む物理的パラメータ基づいても多くの理由で区別され得ることが当該技術分野において知られている。本明細書に記載されるように、ハイドロフォビンは、界面(特に水/空気界面)で自己集合して両親媒性界面膜になる。クラスIハイドロフォビンの集合した両親媒性膜は、一般に、強酸(典型的には、4未満のpKaを有するもの、例えばギ酸又はトリフルオロ酢酸)中でのみ再可溶化されるが、クラスIIのものは、より広い範囲の溶媒に可溶性である。
【0029】
一実施形態では、用語「クラスIIハイドロフォビン」は、水/空気界面で上述の自己集合特性を有するハイドロフォビンを意味し、集合した両親媒性膜は、室温でエタノール水溶液(60% v/v)中、少なくとも0.1%(w/w)の濃度まで再溶解することができる。対照的に、この実施形態では、用語「クラスIハイドロフォビン」は、上述の自己集合特性を有するが、この特定の再溶解特性を有しないハイドロフォビンを意味する。
【0030】
別の実施形態では、用語「クラスIIハイドロフォビン」は、水/空気界面で上述の自己集合特性を有するハイドロフォビンを意味し、集合した両親媒性膜は、室温でドデシル硫酸ナトリウム水溶液(2% w/w)中で少なくとも0.1%(w/w)の濃度まで再溶解することができる。対照的に、この実施形態では、用語「クラスIハイドロフォビン」は、上述の自己集合特性を有するが、この特定の再溶解特性を有しないハイドロフォビンを意味する。
【0031】
クラスI及びIIのハイドロフォビンはまた、イドロフォビンタンパク質の多くの領域の疎水性/親水性によって区別され得る。ハイドロフォビンタンパク質の種々の領域の相対的な疎水性/親水性は、Kyte and Doolittle,J.Mol.Biol.,1982,157,105〜132に記載の方法を用いてハイドロフォビンのハイドロパシーパターンを比較することによって確立することができる。この参考文献の教示によれば、コンピュータプログラムを使用して、タンパク質の親水性及び疎水性をそのアミノ酸配列に沿って漸進的に評価することができる。この目的のために、この方法は、20アミノ酸側鎖のそれぞれの親水性及び疎水性を比較するハイドロバシースケール(文献から得られた多数の実験的観察に基づく)を使用する。このプログラムは、配列内を進むにつれて所定の長さのセグメント内の平均ハイドロパシーを連続的に決定する移動セグメントアプローチを使用する。連続的なスコアは、アミノ末端からカルボキシ末端までプロットされる。同時に、ほとんどの配列決定されたタンパク質に見られるアミノ酸組成のハイドロバシーの全体平均に対応する中点の線が印刷される。この方法は、ハイドロフォビンについてWessels,Adv.Microbial Physiol.1997,38,1〜45)においてさらに記載される。
【0032】
用語「クラスIIハイドロフォビン」は、上記の自己集合特性を有し、残基B
3とB
4との間の領域、すなわち部分(X
3)
cが主として疎水性であるハイドロフォビンを意味する。対照的に、用語「クラスIハイドロフォビン」は、上記の自己集合特性を有するが、残基B
3とB
4との間の領域、すなわち基(X
3)
cが主として親水性であるハイドロフォビンを意味する。あるいは、残基B
7とB
8との間の領域、すなわち部分(X
7)
gは、「クラスIIハイドロフォビン」では主に疎水性であるが、「クラスIハイドロフォビン」では主として親水性である。
【0033】
構造的にクラスIIハイドロフォビンは、それらの配列により特徴付けられ得る。一実施形態では、本発明で使用されるクラスIIハイドロフォビンは、一般式(I):
(Y
1)
n−B
1−(X
1)
a−B
2−B
3−(X
3)
c−B
4−(X
4)
d−B
5−(X
5)
e−B
6−B
7−(X
7)
g−B
8−(Y
2)
m (I)
(式中、m及びnは独立に0〜200であり、B
1、B
2、B
3、B
4、B
5、B
6、B
7、及びB
8は、それぞれ独立に、Cys、Leu、Ala、Ser、Thr、Met又はGlyから選択されるアミノ酸であり、残基B
1〜B
8のうちの少なくとも6個はCysであり、aは6〜12であり、cは8〜16であり、dは2〜20であり、eは4〜12であり、gは5〜15である。X
1、X
3、X
4、X
5、X
7、Y
1、及びY
2は独立に任意のアミノ酸を表す)を有する。
【0034】
式(I)中、好ましくはm及びnは独立に0〜10である。
【0035】
式(I)中、aは好ましくは7〜11である。
【0036】
式(I)中、cは好ましくは10〜12、より好ましくは11である。
【0037】
式(I)中、dは好ましくは4〜18、より好ましくは4〜16である。
【0038】
式(I)中、eは6〜10、より好ましくは9又は10である。
【0039】
式(I)中、gは好ましくは6〜12、より好ましくは7〜10である。
【0040】
好ましくは、式(I)中、B
1、B
2、B
3、B
4、B
5、B
6、B
7、及びB
8は、それぞれ独立に、Cys、Leu又はSerから選択されるアミノ酸であり、残基B
1〜B
8のうちの少なくとも7個、好ましくは、8個の全てがCysである。残基B
1〜B
8のうちの7個がCysである場合、(a)B
1及びB
3〜B
8はCysであり、B
2はCys以外であり、(b)B
1〜B
7はCysであり、B
8はCys以外であり、(c)B
1はCys以外であり、B
2〜B
8はCysである。残基B
1〜B
8のうちの7個がCysである場合、他の残基は、Ser、Pro又はLeuであることが好ましい。
【0041】
式(I)中、好ましくは基(X
3)が配列モチーフZZXZを含み、式中、Zは脂肪族アミノ酸であり、Xは任意のアミノ酸である。本明細書において、用語「脂肪族アミノ酸」は、グリシン(G)、アラニン(A)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、バリン(V)及びプロリン(P)からなる群から選択されるアミノ酸を意味する。より好ましくは、基(X
3)は、LLXV、ILXV、ILXL、VLXL及びVLXVからなる群から選択される配列モチーフを含む。最も好ましくは、基(X
3)は、配列モチーフVLXVを含む。
【0042】
あるいは、式(II)において、好ましくは、基(X
3)は、配列モチーフZZXZZXZを含み、式中、Zは脂肪族アミノ酸であり、Xは任意のアミノ酸である。より好ましくは、基(X
3は)、配列モチーフVLZVZXLを含み、式中、Zは脂肪族アミノ酸であり、Xは任意のアミノ酸である。
【0043】
好ましい実施形態において、ハイドロフォビンは、トリコデルマ属(特に、Trichoderma harzianum、Trichoderma longibrichiatum、Trichoderma asperellum、Trichoderma Koningiopsis、Trichoderma aggressivum、Trichoderma stromaticum又はTrichoderma reesei)の真菌から得られる。真菌由来のハイドロフォビンの他の供給源には、Cryphonectria parasitica、Ophiostoma ulmi、Gibberella moniliformis及びMagnaporthe griesaが含まれる。好ましい実施形態において、このハイドロフォビンはTrichoderma reesei種の真菌から得られる。
【0044】
特に好ましい実施形態において、ハイドロフォビンは、タンパク質「HFBII」(配列番号1、Trichoderma reeseiから入手可能)、又は配列番号1と少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%若しくは少なくとも99%の配列同一性を有するタンパク質である。
【0045】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の約0.001〜約5重量%、好ましくは約0.005〜約2重量%、より好ましくは約0.01〜約1重量%、最も好ましくは約0.03〜約0.5重量%を含む。
【0046】
洗浄組成物
洗浄組成物は、好ましくは、食器手洗い用洗浄組成物であり、好ましくは液体形態である。洗剤は、典型的には、30重量%〜95重量%、好ましくは40重量%〜90重量%、より好ましくは50重量%〜85重量%の液体担体を含有し、この担体には他の必須成分及び任意選択成分が溶解、分散、又は懸濁している。液体担体の好ましい1つの成分は、水である。
【0047】
組成物のpHは、25℃で、かつ蒸留水中で10%の水中濃度で測定した場合、好ましくは約6〜約12、より好ましくは約7〜約11、最も好ましくは約8〜約10である。組成物のpHは、当該技術分野において既知のpH調整成分を使用して調整することができる。
【0048】
界面活性剤系
洗浄組成物は、組成物の約1重量%〜約60重量%、好ましくは約5重量%〜約50重量%、より好ましくは約8重量%〜約40重量%の、界面活性剤系を含む。界面活性剤系としては、アニオン性界面活性剤、より好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、特にアルキルエトキシサルフェート、アルキルベンゼンスルホネート、パラフィンスルホネート及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤が好ましい。系はまた、両性及び/又は双性イオン性界面活性剤と、任意に非イオン性界面活性剤とを含む。
【0049】
アルキルサルフェート、特にアルキルエトキシサルフェート、より好ましくは、5未満、好ましくは3未満、より好ましくは2未満、かつ0.5超の組み合わせ平均エトキシル化度、及び約5%〜約40%の平均分枝度を有するアルキルサルフェート及びアルキルエトキシサルフェートの組み合わせが本明細書における使用のために好ましい。
【0050】
本発明の組成物は、好ましくは、両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤を含み、好ましくは、両性界面活性剤はアミンオキシド、好ましくはアルキルジメチルアミンオキシドを含み、双性イオン性界面活性剤はベタイン界面活性剤を含む。
【0051】
本発明の洗剤組成物に最も好ましい界面活性剤系は、全組成物の1重量%〜40重量%、好ましくは6重量%〜35重量%、より好ましくは8重量%〜30重量%のアニオン性界面活性剤、好ましくはアルキルアルコキシサルフェート界面活性剤、より好ましくはアルキルエトキシサルフェートを、組成物の0.5重量%〜15重量%、好ましくは1重量%〜12重量%、より好ましくは2重量%〜10重量%の両性界面活性剤及び/又は双性イオン性界面活性剤、より好ましくは両性界面活性剤、さらにより好ましくはアミンオキシド界面活性剤、特にアルキルジメチルアミンオキシドと組み合わせて含む。好ましくは、組成物は、非イオン性界面活性剤、特に、とりわけアルコールアルコキシレート及びアルコールエトキシレート非イオン性界面活性剤をさらに含む。このような界面活性剤系は、本発明のハイドロフォビンと組み合わせて、優れた泡立ち長寿命、グリース洗浄及び洗浄された物品の良好な仕上げを提供することが判明している。好ましくは、本発明の組成物は、約8:1未満、より好ましくは約5:1未満、より好ましくは約4:1〜約2:1の重量比のアルキルサルフェートとアルキルエトキシサルフェートとの混合物及びアルキルジメチルアミンオキサイドを含む。
【0052】
アニオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤としては、その分子構造中に一般に8〜22個の炭素原子又は一般に8〜18個の炭素原子を含む有機疎水性基と、スルホネート、サルフェート、及びカルボキシレートから好ましくは選択される、水溶性化合物を形成するための少なくとも1つの水可溶化基と、を含有する表面活性化合物が挙げられるが、これらに限定されない。通常、疎水基は、C 8〜C 22のアルキル基、又はアシル基を含む。かかる界面活性剤は水溶性塩の形態で使用され、塩形成カチオンは、通常、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、マグネシウム、及びモノ、ジ又はトリ−C 2−C 3アルカノールアンモニウムから選択され、通常選択されるカチオンはナトリウムである。
【0053】
アニオン性界面活性剤は単一の界面活性剤であることができるが、通常はアニオン性界面活性剤の混合物である。好ましくはアニオン性界面活性剤は、サルフェート界面活性剤、より好ましくは、アルキルサルフェート、アルキルアルコキシサルフェート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるサルフェート界面活性剤を含む。本明細書に用いるのに好ましいアルキルアルコキシサルフェートは、アルキルエトキシサルフェートである。
【0054】
硫酸化アニオン性界面活性剤
好ましくは硫酸化アニオン性界面活性剤はアルコキシル化されており、より好ましくは、約0.2〜約4、さらにより好ましくは約0.3〜約3、さらにより好ましくは約0.4〜約1.5、特に約0.4〜約1のアルコキシル化度を有するアルコキシル化分枝状硫酸化アニオン性界面活性剤である。好ましくは、アルコキシ基は、エトキシである。硫酸化アニオン性界面活性剤が硫酸化アニオン性界面活性剤の混合物であるとき、平均アルコキシル化度は、混合物の全ての成分の重量平均アルコキシル化度(重量平均アルコキシル化度)である。重量平均アルコキシル化度の計算には、アルコキシレート基を有しない硫酸化アニオン性界面活性剤成分の重量も含めなければならない。
重量平均アルコキシル化度=(x1
*界面活性剤1のアルコキシル化度+x2
*界面活性剤2のアルコキシル化度+...)/(x1+x2+...)
(式中、x1、x2は、混合物の各硫酸化アニオン性界面活性剤のグラム単位の重量であり、アルコキシル化度は、各硫酸化アニオン性界面活性剤のアルコキシ基の数である)。
【0055】
好ましくは、分岐基はアルキルである。典型的には、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、環状アルキル基、及びこれらの混合物から選択される。単一又は複数のアルキル分枝が、本発明の洗剤で使用される硫酸化アニオン性界面活性剤を作製するために使用される出発アルコールのヒドロカルビル主鎖に存在し得る。最も好ましくは、分枝状硫酸化アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート、及びこれらの混合物から選択される。
【0056】
分岐状硫酸化アニオン性界面活性剤は、単一のアニオン性界面活性剤、又はアニオン性界面活性剤の混合物であり得る。単一の界面活性剤の場合、分岐の割合は、界面活性剤が誘導される元のアルコールにおいて分岐しているヒドロカルビル鎖の重量%を指す。
【0057】
界面活性剤混合物の場合、分岐の割合は重量平均であり、以下の式に従って定義され、
分岐の重量平均(%)=[(x1
*アルコール1中の分岐アルコール1の重量%+x2
*アルコール2中の分岐アルコール2の重量%+...)/(x1+x2+...)]
*100
式中、x1、x2、...は、本発明の洗剤のアニオン性界面活性剤のための出発原料として使用したアルコールの全アルコール混合物中の各アルコールのグラム単位の重量である。重量平均分枝化度の計算には、分枝基を有しないアニオン性界面活性剤成分の重量も含めなければならない。
【0058】
本明細書で使用するのに好適なサルフェート界面活性剤としては、C8〜C18のアルキル若しくはヒドロキシアルキル、サルフェート及び/又はエーテルサルフェートの水溶性塩が挙げられる。好適な対イオンとしては、アルカリ金属カチオン又はアンモニウム若しくは置換アンモニウムが挙げられるが、ナトリウムが好ましい。
【0059】
サルフェート界面活性剤は、C8〜C18の第一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS、alkyl sulfate)、C8〜C18の第二級(2,3)アルキルサルフェート、C8〜C18のアルキルアルコキシサルフェート(AExS、alkyl alkoxy sulfate)(式中、好ましくは、xは1〜30であり、アルコキシ基はエトキシ、プロポキシ、ブトキシ、又はさらにはより高級なアルコキシ基、及びこれらの混合物から選択することができる)から選択することができる。
【0060】
アルキルサルフェート及びアルキルアルコキシサルフェートは、様々な鎖長、エトキシ化度及び分枝度で市販されている。市販されているサルフェートとしては、Shell社製のNeodolアルコール、Sasol社製のLial−Isalchem及びSafol、Procter & Gamble Chemicals社製の天然アルコールをベースにしたものが挙げられる。
【0061】
好ましくは、アニオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤の少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%のサルフェート界面活性剤を含む。洗浄観点から特に好ましい洗剤は、アニオン性界面活性剤がその50重量%超、より好ましくは少なくとも60重量%、特に少なくとも70重量%のサルフェート界面活性剤を含み、このサルフェート界面活性剤がアルキルサルフェート、アルキルエトキシサルフェート及びこれらの混合物からなる群から選択される、洗剤である。アニオン性界面活性剤が約0.2〜約3、より好ましくは約0.3〜約2、さらにより好ましくは約0.4〜約1.5、特に約0.4〜約1のエトキシル化度を有するアルキルエトキシサルフェートであるものがさらに好ましい。それらはまた、約5%〜約40%、さらにより好ましくは約10%〜35%、特に約20%〜30%の分枝レベルを有する好ましいアニオン性界面活性剤である。
【0062】
スルホネート界面活性剤
本明細書における使用に適したスルホネート界面活性剤としては、C8〜C18アルキル又はヒドロキシアルキルスルホネートの水溶性塩;国際公開第99/05243号、同第99/05242号、同第99/05244号、同第99/05082号、同第99/05084号、同第99/05241号、同第99/07656号、同第00/23549号、及び同第00/23548号に記載されるC11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS、alkyl benzene sulphonate)、修飾アルキルベンゼンスルホネート(MLAS、modified alkylbenzene sulphonate);メチルエステルスルホネート(MES、methyl ester sulphonate);及びα−オレフィンスルホネート(AOS、alpha-olefin sulphonate)が挙げられる。スルホネート界面活性剤としては、モノスルホネート及び/又はジスルホネートであり得るパラフィンスルホネートも挙げられ、10〜20個の炭素原子を有するパラフィンのスルホン化により得られる。スルホネート界面活性剤としては、アルキルグリセリルスルホネート界面活性剤も挙げられる。
【0063】
非イオン性界面活性剤
存在する場合、非イオン性界面活性剤は、組成物の0.1重量%〜40重量%、好ましくは0.2重量%〜20重量%、最も好ましくは0.5重量%〜10重量%の典型量で含まれる。好適な非イオン性界面活性剤としては、脂肪族アルコールと1〜25モルのエチレンオキシドとの縮合生成物が挙げられる。脂肪族アルコールのアルキル鎖は、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、一級であっても二級であってもよく、一般的に8〜22個の炭素原子を含有し得る。特に好ましいのは、10〜18個の炭素原子、好ましくは10〜15個の炭素原子を含有するアルキル基を有するアルコールと、アルコール1モル当たり2〜18モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは5〜12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。極めて好ましい非イオン性界面活性剤は、ゲルベアルコールと、アルコール1モル当たり2〜18モル、好ましくは2〜15モル、より好ましくは5〜12モルのエチレンオキシドとの縮合生成物である。
【0064】
本明細書での使用に好適なその他の非イオン性界面活性剤には、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルポリグルコシド、及び脂肪酸グルカミドが挙げられる。
【0065】
両性界面活性剤
好ましいアミンオキシドは、アルキルジメチルアミンオキシド又はアルキルアミドプロピルジメチルアミンオキシド、より好ましくはアルキルジメチルアミンオキシド、特にココジメチルアミンオキシドである。アミンオキシドは、直鎖又は中鎖分枝状アルキル部分を有し得る。典型的な直鎖アミンオキシドとしては、1つのR1 C8〜18アルキル部分と、C1〜3アルキル基及びC1〜3ヒドロキシアルキル基からなる群から選択される2つのR2及びR3部分とを含有する水溶性アミンオキシドが挙げられる。好ましくは、アミンオキシドは、式R1−N(R2)(R3)O(式中、R1はC8〜18アルキルであり、R2及びR3は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、及び3−ヒドロキシプロピルからなる群から選択される)により特徴付けられる。直鎖アミンオキシド系界面活性剤としては、特に、直鎖C10〜C18アルキルジメチルアミンオキシド及び直鎖C8〜C12アルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドを挙げることができる。好ましいアミンオキシドとしては、直鎖C10、直鎖C10〜C12、及び直鎖C12〜C14アルキルジメチルアミンオキシドが挙げられる。本明細書で使用するとき、「中鎖分枝状(mid-branched)」とは、アミンオキシドが、n1個の炭素原子を有する1つのアルキル部分を有し、このアルキル部分における1つのアルキル分枝がn2個の炭素原子を有することを意味する。アルキル分枝は、アルキル部分の窒素のα炭素に位置する。アミンオキシドにおけるこの種の分岐は、当該技術分野において、内部アミンオキシドとしても知られている。n1とn2との合計は、10〜24個の炭素原子、好ましくは12〜20個、より好ましくは10〜16個である。1つのアルキル部分と1つのアルキル分岐とが対称となるように、1つのアルキル部分の炭素原子数(n1)は、1つのアルキル分岐の炭素原子数(n2)とおよそ同じでなければならない。本明細書で使用するとき、「対称」とは、本明細書で使用される中鎖分枝状アミンオキシドの少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%〜100重量%において、|n1−n2|が5以下、好ましくは4、最も好ましくは0〜4の炭素原子であることを意味する。
【0066】
アミンオキシドは、C1〜3アルキル、C1〜3ヒドロキシアルキル基、又は平均して約1〜約3個のエチレンオキシド基を含有するポリエチレンオキシド基から独立して選択される2つの部分をさらに含む。好ましくは、2つの部分は、C1〜3アルキルから選択され、より好ましくはいずれもC1アルキルとして選択される。
【0067】
双性イオン性界面活性剤
他の好適な界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、アミダゾリニウムベタイン、スルホベタイン(INCIスルタイン)並びにホスホベタインなどのベタインが挙げられ、好ましくは次の式(I)に合致する。
R1−[CO−X(CH2)n]x−N+(R2)(R3)−(CH2)m−[CH(OH)−CH2]y−Y−
(I)
(式中、
R1は飽和又は不飽和C6〜22アルキル残基であり、好ましくはC8〜18アルキル残基、特に飽和C10〜16アルキル残基、例えば、飽和C12〜14アルキル残基であり、
Xは、NH、NR4(C1〜4アルキル残基R4を有する)、O、又はSであり、
nは、1〜10の数、好ましくは2〜5、特に3であり、
xは、0又は1、好ましくは1であり、
R2、R3は独立して、ヒドロキシエチル、好ましくはメチルなどの、ヒドロキシ置換される可能性のあるC1〜4アルキル残基であり、
mは、1〜4の数、特に1、2又は3であり、
yは、0又は1であり、
Yは、COO、SO3、OPO(OR5)O又はP(O)(OR5)Oであり、R5は水素原子H又はC1〜4アルキル残基である)。
【0068】
好ましいベタインは、式(Ia)のアルキルベタイン、式(Ib)のアルキルアミドプロピルベタイン、式(Ic)のスルホベタイン、及び式(Id)のアミドスルホベタインであり;
R1−N+(CH3)2−CH2COO− (Ia)
R1−CO−NH(CH2)3−N+(CH3)2−CH2COO− (Ib)
R1−N+(CH3)2−CH2CH(OH)CH2SO3− (Ic)
R1−CO−NH−(CH2)3−N+(CH3)2−CH2CH(OH)CH2SO3−(Id)、式中、R11は、式Iと同じ意味である。特に好ましいベタインは、カルボベタイン[式中、Y−=COO−]であり、特に式(Ia)及び(Ib)のカルボベタインであり、式(Ib)のアルキルアミドベタインが最も好ましい。
【0069】
好適なベタイン及びスルホベタインの例は、アーモンドアミドプロピルベタイン、アプリコットアミドプロピルベタイン、アボカドアミドプロピルベタイン、ババスアミドプロピルベタイン、ベヘナミドプロピルベタイン、ベヘニルベタイン、ベタイン、キャノーラミドプロピルベタイン、カプリル/カプラミドプロピルベタイン、カルニチン、セチルベタイン、コカミドエチルベタイン、コカミドプロピルベタイン、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココベタイン、ココヒドロキシスルタイン、ココ/オレアミドプロピルベタイン、ココスルタイン、デシルベタイン、ジヒドロキシエチルオレイルグリシネート、ジヒドロキシエチル大豆グリシネート、ジヒドロキシエチルステアリルグリシネート、ジヒドロキシエチルタローグリシネート、PG−ベタインのプロピルジメチコーン、エルカミドプロピルヒドロキシスルタイン、水素添加タローベタイン、イソステアラミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ラウリルベタイン、ラウリルヒドロキシスルタイン、ラウリルスルタイン、ミルクアミドプロピルベタイン、ミンクアミドプロピルベタイン、ミリスタミドプロピルベタイン、ミリスチルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルヒドロキシスルタイン、オレイルベタイン、オリーブアミドプロピルベタイン、ヤシアミドプロピルベタイン、パルミタミドプロピルベタイン、パルミトイルカルニチン、ヤシ仁アミドプロピルベタイン、ポリテトラフルオロエチレンアセトキシプロピルベタイン、リシノール酸アミドプロピルベタイン、セサミドプロピルベタイン、ソイアミドプロピルベタイン、ステアラミドプロピルベタイン、ステアリルベタイン、タローアミドプロピルベタイン、タローアミドプロピルヒドロキシスルタイン、タローベタイン、タロージヒドロキシエチルベタイン、ウンデシレンアミドプロピルベタイン、及び小麦胚芽アミドプロピルベタインである[INCIに従って表記]。
【0070】
好ましいベタインは、例えば、ココアミドプロピルベタインである。
【0071】
酵素
本発明の組成物は、好ましくは、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、アミラーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、ペルヒドロラーゼ、オキシダーゼ、例えばラッカーゼ、リポキシゲナーゼ、オレイン酸ヒドラターゼ、脂肪酸デカルボキシラーゼ及び/又はペルオキシダーゼなどの1つ以上の酵素を含む。リパーゼ、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、リポキシゲナーゼ、オレイン酸ヒドラターゼ及び/又は脂肪酸デカルボキシラーゼからなる群から選択される酵素を含む組成物が、本明細書において好ましい。リパーゼを含む組成物が、本明細書において最も好ましい。
【0072】
酵素の好ましい組み合わせは、例えば、プロテアーゼ、リパーゼ、及びアミラーゼを含む。組成物中に存在する場合、上記の酵素は、組成物の0.00001重量%〜2重量%、0.0001重量%〜1重量%、又は0.001重量%〜0.5重量%の酵素タンパク質のレベルで存在してよい。
【0073】
環状ジアミン
本発明の組成物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%、特に約0.3重量%〜約2重量%の環状アミンを含む。本明細書での使用に好ましい環状ジアミンは以下のものである。
【0075】
2価カチオン
本発明の組成物で利用される場合、二価カチオン例えばカルシウム及びマグネシウムイオン、好ましくはマグネシウムイオンは、水酸化物、塩化物、酢酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酸化物、乳酸塩又は硝酸塩として本発明の組成物に、典型的には組成物の0.01重量%〜1.5重量%、好ましくは0.015重量%〜1重量%、より好ましくは0.025重量%〜0.5重量%の活性レベルにて好ましく添加される。
【0076】
キレート剤
本明細書の組成物は、任意に、組成物の0.1重量%〜20%重量%、好ましくは0.2重量%〜5重量%、より好ましくは0.2重量%〜3重量%のレベルでキレート剤をさらに含み得る。
【0077】
洗剤分野において通常理解されるように、キレート化は、本明細書において、二座配位子又は多座配位子の結合又は錯化を意味する。多くの場合有機化合物であるこれらの配位子は、キレート剤(chelant)、キレーター、キレート剤(chelating agent)、及び/又は金属イオン封鎖剤と呼ばれる。キレート剤は、単一金属イオンと多重結合を形成する。キレート剤は、特定の金属イオンと可溶性錯体分子を形成する化学物質であり、これらイオンが他の構成成分又はイオンと正常に反応して沈殿物又はスケールを生成することができないように、これらイオンを不活性化する、又はそれに応じて汚れを不安定化させて除去を容易にする。配位子は、基質とキレート錯体を形成する。この用語は、金属イオンがキレート剤の2つ以上の原子と結合する錯体のためにある。
【0078】
好適なキレート剤は、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、多官能置換された芳香族キレート剤、及びこれらの混合物からなる群から選択することができる。
【0079】
アミノカルボキシレートとしては、エチレンジアミン四酢酸、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミン四プロピオン酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、及びエタノールジグリシン、アルカリ金属、アンモニウム、及びその置換アンモニウム塩、並びにその混合物に加えて、MGDA(メチル−グリシン−二酢酸)、並びにその塩及び誘導体、並びにGLDA(グルタミン酸−N,N−二酢酸)、並びにその塩及び誘導体が挙げられる。GLDA(その塩及び誘導体)は、本発明によれば特に好ましく、その四ナトリウム塩が特に好ましい。
【0080】
他の好適なキレート剤としては、アミノ酸系化合物又はサクシネート系化合物が挙げられる。用語「サクシネート系化合物」及び「コハク酸系化合物」は、本明細書において互換的に使用される。他の好適なキレート剤は、米国特許第6,426,229号に記載されている。特定の好適なキレート剤としては、例えば、アスパラギン酸−N−一酢酸(ASMA、aspartic acid-N-monoacetic acid)、アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA、aspartic acid-N,N-diacetic acid)、アスパラギン酸−N−モノプロピオン酸(ASMP、aspartic acid-N-monopropionic acid)、イミノ二コハク酸(IDS、iminodisuccinic acid)、イミノ二酢酸(IDA、Imino diacetic acid)、N−(2−スルホメチル)アスパラギン酸(SMAS、N-(2-sulfomethyl) aspartic acid)、N−(2−スルホエチル)アスパラギン酸(SEAS、N-(2-sulfoethyl) aspartic acid)、N−(2−スルホメチル)グルタミン酸(SMGL、N-(2- sulfomethyl) glutamic acid)、N−(2−スルホエチル)グルタミン酸(SEGL、N-(2-sulfoethyl) glutamic acid)、N−メチルイミノ二酢酸(MIDA、N-methyliminodiacetic acid)、アラニン−N,N−二酢酸(ALDA、alanine-N,N-diacetic acid)、セリン−N,N−二酢酸(SEDA、serine-N,N-diacetic acid)、イソセリン−N,N−二酢酸(ISDA、isoserine-N,N-diacetic acid)、フェニルアラニン−N,N−二酢酸(PHDA、phenylalanine-N,N-diacetic acid)、アントラニル酸−N,N−二酢酸(ANDA、anthranilic acid-N,N-diacetic acid)、スルファニル酸−N,N−二酢酸(SLDA、sulfanilic acid-N,N-diacetic acid)、タウリン−N,N−二酢酸(TUDA、taurine-N,N-diacetic acid)、及びスルホメチル−N,N−二酢酸(SMDA、sulfomethyl-N,N-diacetic acid)、並びにこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩が挙げられる。同様に適しているのは、エチレンジアミンジコハク酸(「EDDS」、ethylenediamine disuccinate)、特に米国特許第4,704,233号に記載のような[S,S]−異性体である。さらに、ヒドロキシエチレンイミノ二酢酸、イミノジコハク酸ヒドロキシ、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸もまた好適である。
【0081】
他のキレート剤としては、ポリカルボン酸、及びその部分又は完全中和塩、モノマーのポリカルボン酸及びヒドロキシカルボン酸、並びにそれらの塩のホモポリマー及びコポリマーが挙げられる。上記の化合物の好ましい塩は、アンモニウム及び/又はアルカリ金属塩、すなわちリチウム、ナトリウム、及びカリウム塩であり、特に好ましい塩はナトリウム塩である。
【0082】
好適なポリカルボン酸は、非環式、脂環式、複素環式及び芳香族カルボン酸であり、この場合、これらは、いずれの場合も、好ましくは2個以下の炭素原子によって互いに離れている少なくとも2つのカルボキシル基を含有する。2個のカルボキシル基を含むポリカルボキシレートとしては、例えば、マロン酸、(エチレンジオキシ)二酢酸、マレイン酸、ジグリコール酸、酒石酸、タルトロン酸、及びフマル酸の水溶性塩が挙げられる。3個のカルボキシル基を含むポリカルボキシレートとしては、例えば水溶性シトレートが挙げられる。これに応じて、好適なヒドロキシカルボン酸は、例えばクエン酸である。別の好適なポリカルボン酸は、アクリル酸のホモポリマーである。スルホネート末端封鎖ポリカルボキシレートが好ましい。
【0083】
アミノホスホネートもまた、キレート剤として使用するのに好適であり、DEQUESTのようなエチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)が挙げられる。約6個を超える炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基を含有しないこれらのアミノホスホネートが好ましい。
【0084】
米国特許第3,812,044号に記載されるような、多官能置換された芳香族キレート剤もまた、本明細書の組成物に有用である。このタイプの酸形態の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼンのようなジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0085】
本明細書で使用するのにさらに好適なポリカルボキシレートキレート剤としては、クエン酸、乳酸、酢酸、コハク酸、ギ酸が挙げられ、いずれも好ましくは水溶性塩の形態である。他の好適なポリカルボキシレートは、オキソジスクシネート、カルボキシメチルオキシスクシネート、及び米国特許第4,663,071号に記載されているような酒石酸モノコハク酸と酒石酸ジコハク酸との混合物である。
【0086】
本発明における使用のための最も好ましいキレート剤はジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA、diethylenetetraamine pentaacetic acid)、MGDA、GLDA、シトレート及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0087】
本明細書の組成物は、防腐剤、コンディショニングポリマー、洗浄ポリマー、表面改質用ポリマー、汚れ凝集用ポリマー、構造剤(structurant)、皮膚軟化剤、保湿剤、皮膚再生活性物質(skin rejuvenating active)、カルボン酸、スクラブ粒子、漂白剤及び漂白剤活性化剤、香料、悪臭防除剤、顔料、染料、乳白剤、ビーズ、真珠光沢粒子、マイクロカプセル、抗菌剤、pH調整剤、緩衝手段、水又は組成物に適合する任意の他の希釈剤又は溶媒などの、多くの任意成分を含むことができる。
【0088】
洗浄方法
本発明の第2の態様は、本発明の組成物により食器を洗浄する方法に関する。方法は、好ましくは液体の形態で、食器表面上に直接、又は洗浄用具によって、すなわち未希釈の形態のいずれかで組成物を適用するステップを含む。
【0089】
本明細書では、「その未希釈の形態」とは、組成物が水のフルシンクで希釈されていないことを意味する。組成物は、処理される表面上に、及び/又は適用前に(直ちに)大幅に希釈せずに、布巾、スポンジ又は皿用ブラシのような洗浄装置又は器具上に直接適用される。洗浄装置又は器具は、組成物が供給される前又は後で濡れていることが好ましい。本発明の一実施形態では、本明細書の組成物は、その希釈形態で塗布することもできる。未希釈及び希釈適用の両方は、使用される界面活性剤のレベルが従来の組成物よりも低い場合でさえ、脂肪及び/又は油性汚れの存在下で、良好で持続的な泡立ちを生させる。
【実施例】
【0090】
試験プロトコル
続いて、10mlの洗剤試験製品、0.22mlのオリーブ油及び1mlのハイドロフォビン溶液を40mlのガラスバイアル(寸法:95×27.5mm、VWR社製、コード548−0156)に加えることによって試験溶液を調製する。無ハイドロフォビン試験溶液については、1mlの脱塩水を添加する。無洗剤試験レグについては、0.26g/L(15gpg)の水10mlを添加する。
【0091】
試験溶液を、密閉した試験バイアル中で、1cm×3mmのマグネチックスターラーを用いてマグネチックスターラープレート(Velp Scientifica社製のAM4マルチ加熱マグネチックスターラープレート、攪拌位置4)上、室温で2分間攪拌し、次にサンプルを上向きの方向に20秒間手動で振とうする(毎秒2回のアップ/ダウンサイクル、+/−30cmアップと30cmダウン)ことにより混合する。
【0092】
その結果、試験溶液を上記のように1時間攪拌し、この時点で、密閉した試験バイアルを、35℃の一定温度で水を含むガラスビーカーに浸漬する。その結果、試料を上記のようにさらに20秒間振とうする。振とう終了後5秒後に写真を撮り、泡の高さを定規で測定する。
【0093】
試験結果
以下の表のデータから、クラスIIハイドロフォビンを有する混合アニオン性界面活性剤補助界面活性剤系を含む実施例の配合物は、無洗剤でクラスIIハイドロフォビンだけを含む比較例(比較例1及び2)、無ハイドロフォビン配合物(比較例3)、無補助界面活性剤でアニオン性界面活性剤とクラスIIハイドロフォビンだけを含むもの(比較例4及び5)又はクラスIハイドロフォビンを含む比較例6及び7、と比較して優れた泡プロファイルを有することを明らかに見ることができる。
【0094】
【表1】
【0095】
試験材料
洗剤試験製品
●混合AES/AO洗剤:2015年12月に英国で市販されているFairy Dark Greenを脱塩水(demi water)で濃度の半分まで希釈し、pHをpH9までNaOHで再調整する(室温での脱塩水中の10%製品濃度として測定)。次いで、この製品を0.26g/L(15gpg)の水で、全製品濃度0.12%までさらに希釈して、170ppmのAES/AO濃度が含まれるようにする(AES:AO重量%比3:1)。
○AES=C1213 AE0.6S
○AO=C1214ジメチルアミンオキシド
●SDS洗剤:pH9(脱塩水中の10%製品濃度)までNaOHで調整した、0.4%のNaCl、0.6%のPPG及び1.2%のエタノールをさらに含む14% SDS水性洗剤組成物を、個々の成分の混合によって調製する。得られた洗剤を、総SDS濃度170ppmまで0.26g/L(15gpg)の水で希釈する。
○Sigma Aldrich提供のSDS=ドデシル硫酸ナトリウム(Acmepon SLS 95% USP Kosher grade)
【0096】
オリーブオイル:2016年3月にベルギーで市販されているBertoli(Olio Extra Vergine Di Oliv−Originale)。
【0097】
ハイドロフォビン試験溶液:
ハイドロフォビンクラスI:BASF社(ドイツ)製
●H Star Protein A Granule
HFB試験液:1.8mgを脱塩水1mlに溶解した。
●H Star Protein B Granules
HFB試験液:2.2mgを脱塩水1ml溶解した。
【0098】
ハイドロフォビンポリペプチドクラスII:Leuven KU社(ベルギー)製
●Trichoderma Reesei(MUCL 44908)から35%〜50%アセトニトリル水溶液中に抽出したハイドロフォビンHFB II(カッパグレード)
HFB試験溶液:1mLのハイドロフォビンII(カッパグレード)溶液。−>試験溶液(すなわち、洗剤試験製品+油+ハイドロフォビン溶液)中、2.7ppmの活性タンパク質
●ハイドロフォビンHFB II(アルファグレード)、25%エタノール水溶液のTrichoderma Reesei(MUCL 44908)からの泡状分取抽出物
HFB試験溶液:1mLのハイドロフォビンII(アルファグレード)溶液。−>試験溶液(すなわち、洗剤試験製品+油+ハイドロフォビン溶液)中、5.4ppmの活性タンパク質
【0099】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に指示がない限り、そのような各寸法は、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。