(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ファンフォールド紙に印刷を行う印刷装置の高さを抑えるために、収容部と印刷部とを横並びに配置することが考えられる。このように収容部と印刷部とが横並びに配置される印刷装置では、省スペース化の観点では、収容部と印刷部とが互いに近接するように配置されることが望ましい。
【0005】
図7は、参考技術における、ファンフォールド紙の供給動作を説明するための右側面図である。なお、
図7では、説明の便宜上、
図7の紙面における左右を前後方向とした場合の前後及び上下左右の方向を図示する。
【0006】
図7に示すように、印刷装置の装置本体110においては、感熱紙であるファンフォールド紙Fに印刷を行うサーマルヘッド117と、ファンフォールド紙Fを搬送するプラテンローラ118とが互いに対向するように配置されている。
【0007】
印刷が行われたファンフォールド紙Fは、カッター119によって切断され、排出用ローラ116によって排出口115から前方に排出される。
【0008】
トレイ120は、装置本体110の後方に配置されており、ファンフォールド紙Fを収容する収容部121と、ファンフォールド紙Fをガイドするガイド部122と、を有する。
【0009】
収容部121には、ファンフォールド紙Fのミシン目により区切られた1枚ずつが前後に折り返されて積層されている。
【0010】
ガイド部122は、収容部121とサーマルヘッド117との間に位置し、例えば上面が半円状の凹部となるように湾曲することでファンフォールド紙Fの底面をガイドする。
【0011】
ファンフォールド紙Fは、収容部121からサーマルヘッド117へ前方に搬送されながら印刷が行われる。但し、カッター119がサーマルヘッド117よりも排出側である前方に位置する。そのため、カッター119によって切断されたファンフォールド紙Fの前端からサーマルヘッド117によって印刷を行うには、ファンフォールド紙Fが後方に逆搬送されることになる。
【0012】
このようにファンフォールド紙Fが後方に逆搬送されると、収容部121と装置本体110との間隔が狭いほど、
図7に示すように、サーマルヘッド117と収容部121との間の搬送過程のファンフォールド紙Fが、収容部121に収容されたファンフォールド紙Fの束や収容部121自体に衝突又は接触しやすくなる。これにより、ファンフォールド紙Fの搬送不良、屈曲、ジャムなどが発生する。
【0013】
また、収容部121と装置本体110との間隔が狭いほど、装置本体110に供給されるファンフォールド紙Fが、装置本体110側で小さい曲率半径で湾曲することになるため、装置本体110にファンフォールド紙Fを供給する際の搬送負荷が増大することにもなる。
【0014】
本発明の目的は、このような点に鑑みてなされたものであり、ファンフォールド紙の搬送を妨げずに省スペース化を図ることができる印刷装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
開示の印刷装置は、ファンフォールド紙を収容する収容部と、前記ファンフォールド紙に印刷を行う印刷部と、前記収容部と前記印刷部との間に位置し、前記ファンフォールド紙をガイドするガイド部と、を備え、前記ガイド部は、前記ファンフォールド紙が前記収容部側から下向きに挿入されるように上方に開口する挿入口を構成する上搬送ガイド及び下搬送ガイドを有し、前記上搬送ガイド及び前記下搬送ガイドは、前記下向きに挿入されたファンフォールド紙を前記印刷部へ向けて横方向に湾曲させるようにガイドする。
【発明の効果】
【0016】
開示の撮像装置によれば、ファンフォールド紙の搬送を妨げずに省スペース化を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の第1実施形態及び第2実施形態に係る印刷装置1について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る印刷装置1を示す斜視図である。
【0020】
図2Aは、第1のファンフォールド紙F1が収容された印刷装置1を示す斜視図であり、
図2Bは、第2のファンフォールド紙F2が収容された印刷装置1を示す斜視図である。
【0021】
図3A及び
図3Bは、第1のファンフォールド紙F1の供給動作を説明するための右側面図である。
図4は、第2のファンフォールド紙F2の供給動作を説明するための右側面図である。なお、第1のファンフォールド紙F1及び第2のファンフォールド紙F2を区別せずに表現する場合には、単にファンフォールド紙Fと記す。
【0022】
図1〜
図4、並びに、後述する第2実施形態における
図5A、
図5B、及び
図6では、説明の便宜上、前後左右及び上下の方向を図示する。前後左右の方向は水平方向であり、上下の方向は鉛直方向である。
【0023】
図1に示すように、印刷装置1は、装置本体10と、トレイ20と、制御部30と、を備える。装置本体10は印刷装置1の右前側に配置され、トレイ20は印刷装置1の右後側に配置され、制御部30は印刷装置1の左側に配置されている。
【0024】
装置本体10は、上カバー11と、下カバー12と、開閉ボタン13と、表示部14と、排出口15と、排出用ローラ16と、を有する。また、
図3A〜
図4に示すように、装置本体10は、サーマルヘッド17と、プラテンローラ18と、カッター19と、を更に有する。
【0025】
上カバー11及び下カバー12は、装置本体10の筐体を構成するが、上カバー11は、上カバー11の後部に設けられた回動軸を中心に回動することで開閉する。上カバー11を開放させる際には、カバー11の前面に設けられた開閉ボタン13を押下することにより上カバー11が前方から上向きに開放する。なお、上カバー11を閉じる際には、上カバー11を手動で上から押すことで閉じることになる。
【0026】
上カバー11の上面には、印刷状態等を表示するための表示部14が設けられている。
排出口15は、装置本体10の前面に設けられ、サーマルヘッド17によって印刷が行われた後にカッター19によって切断されたファンフォールド紙Fを排出する。
【0027】
排出用ローラ16は、ファンフォールド紙Fの上側に左右2つ、下側に左右2つ、計4つ配置されている。例えば、下側の2つの排出用ローラ16は、駆動ローラである。
【0028】
図3A〜
図4に示すサーマルヘッド17は、ファンフォールド紙Fに印刷を行う印刷部の一例であり、プラテンローラ18と対向するように、ファンフォールド紙Fの上側に配置されている。プラテンローラ18は、ファンフォールド紙Fを搬送する搬送ローラであり、制御部30に配置されたリリースボタン34(
図1参照)を押下されることによって、サーマルヘッド17との間でファンフォールド紙Fを挟持する位置から退避する。
【0029】
例えば、サーマルヘッド17は、複数の発熱素子の発熱が後述する制御部30によって制御されることで、プラテンローラ18との間で、感熱紙であるファンフォールド紙Fに印刷を行う。このように、本第1実施形態及び後述する第2実施形態では、ファンフォールド紙Fとして感熱紙を用い、印刷部の一例としてサーマルヘッド17が配置されている感熱印刷方式を用いた印刷装置1について説明する。しかしながら、印刷装置1の印刷方式は、インクジェット方式や電子写真方式であってもよく、特に制限されない。
【0030】
カッター19は、サーマルヘッド17の前方に配置され、印刷が行われたファンフォールド紙Fを1枚ずつに切断する。この切断された1枚ずつは、ATB券(例えば、前後方向の長さ205mm×左右方向の幅83mm)などとして用いられる。
【0031】
トレイ20は、ファンフォールド紙Fを収容する収容部21と、ファンフォールド紙Fをガイドするガイド部22と、を有する。収容部21及びガイド部22は、トレイ20に一体に設けられているが、互いに分離して設けられていてもよい。また、ガイド部22及び収容部21は、装置本体10と一体に設けられていてもよい。
【0032】
図1に示すように、収容部21は、上方に開口する箱体である。
図2A及び
図2Bに示すように、収容部21の前後方向の中央には、右側面の上端から底面に亘って、ファンフォールド紙Fを取り扱うユーザの手を挿入するための切り欠き21aが設けられている。なお、
図3A〜
図4では、収容部21の高さが
図1〜
図2Bに示す高さよりも低くなっている点で収容部21の形状が互いに異なるが、収容部21の形状はいずれの形状であってもよい。
【0033】
図2Aに示す第1のファンフォールド紙F1は、四つ角がR面取りされた矩形状の1枚ずつにミシン目によって区切られている。この第1のファンフォールド紙F1は、1枚ずつ前後に折り返されて水平となるように上下に積層されている。
【0034】
また、
図2Bに示す第2のファンフォールド紙F2は、上記の第1のファンフォールド紙F1の1枚ずつに、サーマルヘッド17へ供給される際の前後方向の後方部分に位置するミシン目F2aと、前後方向の前端近傍に位置するミシン目F2bとが形成されたものである。
【0035】
ガイド部22は、収容部21とサーマルヘッド17(装置本体10)との間に位置する。また、収容部21、ガイド部22、及びサーマルヘッド17(装置本体10)は、前後方向に横並びに配置されている。
【0036】
図3A〜
図4に示すように、ガイド部22は、上搬送ガイド22aと、下搬送ガイド22bと、挿入口22cと、ガイド用ローラ22dと、を有する。
【0037】
上搬送ガイド22a及び下搬送ガイド22bは、ファンフォールド紙Fが収容部21側から下向きに挿入されるように上方に開口する挿入口22cを構成する。なお、上搬送ガイド22a及び下搬送ガイド22bは、ガイド面を構成する湾曲したパネルを有するとよい。
【0038】
ファンフォールド紙Fの挿入口22cへの挿入を容易にするためには、上搬送ガイド22aと下搬送ガイド22bとの間隔は、
図3Aに示すように、挿入口側端部22a−1,22b−1で挿入口22cに近づくほど広くなることが望ましい。なお、一例ではあるが、上搬送ガイド22aと下搬送ガイド22bとの間隔は、挿入口側端部22a−1,22b−1を除いて2mmである。
【0039】
また、上搬送ガイド22a及び下搬送ガイド22bは、収容部21側から下向きに挿入されたファンフォールド紙Fを、サーマルヘッド17へ向けて横方向に湾曲させるようにガイドする。上搬送ガイド22a及び下搬送ガイド22bは、挿入口22cから装置本体10にかけて滑らかに湾曲するようにファンフォールド紙Fをガイドすることが望ましい。
【0040】
ガイド用ローラ22dは、上搬送ガイド22aに設けられ、ファンフォールド紙Fをガイドする。例えば、ガイド用ローラ22dは、ファンフォールド紙Fの搬送経路の3箇所に配置されている。
【0041】
図1に示すように、制御部30は、装置本体10の前面から、トレイ20の前後方向の中央近傍に亘って、装置本体10及びトレイ20の左側に配置されている。
【0042】
制御部30の前面には、印刷装置1の電源のオンとオフとを切り換えるための電源スイッチ31が設けられている。また、制御部30の上面には、電源のオン又はオフの状態を表示するための電源ランプ32、及び、エラー発生時やファンフォールド紙Fがなくなったときに点灯するエラーランプ33が設けられている。また、制御部30の上面には、プラテンローラ18をサーマルヘッド17と接近する位置から退避させることでファンフォールド紙Fの挟持状態を解除するためのリリースボタン34が設けられている。
【0043】
上述のように、ファンフォールド紙Fは、収容部21側から挿入口22cに下向き(例えば、鉛直下方から45°以内の傾きの範囲)に挿入されて上搬送ガイド22aと下搬送ガイド22bとの間でガイドされる。このようにファンフォールド紙Fが下向きに挿入されるためには、
図3Aに示すように、上搬送ガイド22aの湾曲するガイド面の接線と挿入口22cとを通る直線である仮想線L1は、鉛直方向から収容部21側への傾き角度θ1が45°以内であることが望ましい。或いは、この角度θ1は、仮想線L1が収容部21に収容されたファンフォールド紙Fの束と交わらない角度であることが望ましい。
【0044】
図3Aに示すように、第1のファンフォールド紙F1は、収容部21において、ミシン目により区切られた1枚ずつが前後に折り返されて水平となるように上下に積層されている。
【0045】
その後、
図3Bに示すように第1のファンフォールド紙F1の1枚目F1−11が挿入口22cに挿入される際などには、ガイド部22の内部における1枚目F1−11の湾曲に連続するように1枚目F1−11及び2枚目F1−12が湾曲しながら挿入口22cに挿入される。なお、
図3Bの状態では、1枚目F1−11が後端(屈曲部分)において、2点鎖線で示す直前の1枚目F1−11Aの状態から、上方に弾けるように立ち上がり、挿入口22cに挿入される。
【0046】
次に、
図4に示すように、収容部21に第2のファンフォールド紙F2が収容される場合にも、この第2のファンフォールド紙F2が挿入口22cに挿入される際に、1枚ずつ(F2−11,F2−12)湾曲しながら挿入口22cに挿入される。第2のファンフォールド紙F2では、1枚ずつに上述のミシン目F2a,F2b(
図2B参照)が形成されているため、ミシン目F2a(
図4では一方のミシン目F2aのみ図示)において屈曲しながら1枚ずつ挿入口22cに挿入される(二点鎖線で示す直前の状態の1枚目F2−11A〜F2−11Dのミシン目F2a参照)。なお、1枚目F2−11の後端(屈曲部分)は、直線の状態(F2−11A〜F2−11D)までは、ファンフォールド紙Fの束から分離していないが、その後、弾けるように上方に移動している。
【0047】
以上説明した本第1実施形態では、印刷装置1は、ファンフォールド紙Fを収容する収容部21と、ファンフォールド紙Fに印刷を行う印刷部の一例であるサーマルヘッド17と、収容部21とサーマルヘッド17との間に位置し、ファンフォールド紙Fをガイドするガイド部22と、を備える。ガイド部22は、ファンフォールド紙Fが収容部21側から下向きに挿入されるように上方に開口する挿入口22cを構成する上搬送ガイド22a及び下搬送ガイド22bを有する。上搬送ガイド22a及び下搬送ガイド22bは、下向きに挿入されたファンフォールド紙Fをサーマルヘッド17へ向けて横方向に湾曲させるようにガイドする。
【0048】
このようにガイド部22の挿入口22cが上方に開口するため、収容部21とサーマルヘッド17との間隔を狭くして印刷装置1の省スペース化を図っても、ファンフォールド紙Fが収容部21側へ逆搬送される場合に、搬送過程のファンフォールド紙Fが、収容部21に収容されたファンフォールド紙Fの束に衝突又は接触するのを防ぐことができる。また、ガイド部22が、挿入口22cに下向きに挿入されたファンフォールド紙Fを、サーマルヘッド17へ向けて横方向に湾曲させるようにガイドするため、ファンフォールド紙Fの搬送負荷が増大するのを防ぐことができる。
【0049】
よって、本第1実施形態によれば、ファンフォールド紙Fの搬送を妨げずに印刷装置1の省スペース化を図ることができる。
【0050】
また、本第1実施形態では、ガイド部22は、上搬送ガイド22aに設けられファンフォールド紙Fをガイドするガイド用ローラ22dを有する。そのため、ファンフォールド紙Fの搬送負荷が増大するのをより確実に防ぐことができる。また、サーマルヘッド17がファンフォールド紙Fの上方に位置する場合には、ファンフォールド紙Fの印刷面に対し搬送時に摩擦が生じるのを抑えることができる。
【0051】
<第2実施形態>
図5A及び
図5Bは、第1のファンフォールド紙F1の供給動作を説明するための右側面図である。
図6は、第2のファンフォールド紙F2の供給動作を説明するための右側面図である。
【0052】
本第2実施形態は、収容部41の載置面41aを傾かせた点、及び、ガイド部42の構造の一部を変更した点において、上述の第1実施形態と相違し、その他は同様にすることができる。そのため、重複する説明は省略する。
【0053】
図5A〜
図6に示すトレイ40は、ファンフォールド紙Fを収容する収容部41と、ファンフォールド紙Fをガイドするガイド部42と、を有する。収容部41及びガイド部42は、トレイ40に一体に設けられているが、互いに分離して設けられていてもよい。また、ガイド部42及び収容部41は、装置本体10と一体に設けられていてもよい。
【0054】
図5A〜
図6に示すように、収容部41は、上方に開口する箱体であり、ミシン目によって1枚ずつ矩形に区切られたファンフォールド紙Fが上下に積層されている。収容部41のうちファンフォールド紙Fが載置される載置面41aは、ガイド部42に近づくほど高くなるように傾斜している。
図5Aに示すように、載置面41aの水平方向からの傾き角度θ3は、ファンフォールド紙Fが滑り落ちない観点や省スペース化の観点では45°以下であることが望ましいが、15°以下であることがより望ましい。
図5A〜
図6の例では上記の角度θ3は、9°である。
【0055】
ガイド部42は、収容部41とサーマルヘッド17(装置本体10)との間に位置する。また、収容部41、ガイド部42、及びサーマルヘッド17(装置本体10)は、前後方向に横並びに配置されている。
【0056】
図5A〜
図6に示すように、ガイド部42は、上搬送ガイド42aと、下搬送ガイド42bと、挿入口42cと、ガイド用ローラ42dと、を有する。
【0057】
上搬送ガイド42a及び下搬送ガイド42bは、ファンフォールド紙Fが収容部41側から下向きに挿入されるように上方に開口する挿入口42cを構成する。なお、上搬送ガイド42a及び下搬送ガイド42bは、ガイド面を構成する湾曲したパネルを有するとよい。また、ガイド部42の前後方向の幅は、上述の第1実施形態におけるガイド部22の前後方向の幅と同一であるが、ガイド部42の挿入口42cは、ガイド部22の挿入口22cよりも前方に位置する。例えば、挿入口42cの前後方向の中心は、ガイド部42の前後方向の中心よりも前方に位置するとよい。
【0058】
下搬送ガイド42bは、ファンフォールド紙Fの搬送経路に沿ってファンフォールド紙F側に突出するリブ42eを有し、このリブ42eによってファンフォールド紙Fをガイドする。リブ42eは、左右方向に複数並べて設けられているとよい。なお、リブ42eは、ファンフォールド紙Fとの接触面積を減らすことで搬送抵抗を抑えるために設けられている。
【0059】
ファンフォールド紙Fの挿入口42cへの挿入を容易にするためには、
図5Aに示すように、上搬送ガイド42aと下搬送ガイド42b(リブ42eの先端)との間隔は、挿入口側端部42a−1,42b−1で挿入口42cに近づくほど広くなることが望ましい。なお、一例ではあるが、上搬送ガイド42aと下搬送ガイド42bとの間隔は、挿入口側端部42a−1,42b−1を除いて2mmである。
【0060】
図5A〜
図6の例では、下搬送ガイド42bの挿入口側端部42b−1が鉛直方向に延びるのに対し、上搬送ガイド42aの挿入口側端部42a−1は、挿入口42cに向かって鉛直方向よりも装置本体10側に傾いている。
【0061】
また、上搬送ガイド42a及び下搬送ガイド42bは、収容部41側から下向きに挿入されたファンフォールド紙Fを、サーマルヘッド17へ向けて横方向に湾曲させるようにガイドする。上搬送ガイド42a及び下搬送ガイド42bは、挿入口42cから装置本体10にかけて滑らかに湾曲するようにファンフォールド紙Fをガイドすることが望ましい。
【0062】
ガイド用ローラ42dは、上搬送ガイド42aに設けられ、ファンフォールド紙Fをガイドする。例えば、ガイド用ローラ42dは、ファンフォールド紙Fの搬送経路の2箇所に配置されている。
【0063】
上述のように、ファンフォールド紙Fは、収容部41側から挿入口42cに下向き(例えば、鉛直下方から45°以内の傾きの範囲)に挿入されて上搬送ガイド42aと下搬送ガイド42bとの間でガイドされる。このようにファンフォールド紙Fが下向きに挿入されるためには、上搬送ガイド42aの湾曲するガイド面の接線と挿入口42cとを通る直線である仮想線L2は、鉛直方向から収容部41側への傾き角度θ2が45°以内であることが望ましい。或いは、この角度θ2は、仮想線L2が収容部41に収容されたファンフォールド紙Fの束と交わらない角度であることが望ましい。
【0064】
図5Aに示すように、第2のファンフォールド紙F2は、収容部41において、ミシン目により区切られた1枚ずつが前後に折り返されて、載置面41a上で水平方向から傾いて上下に積層されている。
【0065】
その後、
図5Bに示すように第1のファンフォールド紙F1の1枚目F1−21が挿入口42cに挿入される際などには、ガイド部42の内部における1枚目F1−21の湾曲に連続するように1枚目F1−21が湾曲しながら挿入口42cに挿入される(二点鎖線で示す直前の状態F1−21A〜F1−21C参照)。なお、
図5Bの状態では、収容部41の載置面41aが上述のように傾いていることで、収容部41に収容されたファンフォールド紙Fの束の上端と挿入口42cとの間隔を広げることができる。そのため、1枚目F1−21の後端(屈曲部分)は、直線の状態(F1−21A〜F1−21C)までは、ファンフォールド紙Fの束から分離していないが、その後、上方に移動している。但し、収容部41の載置面41aが上述のように傾いていることで、上方に弾けるように移動するのが抑えられている。
【0066】
次に、
図6に示すように、収容部41に第2のファンフォールド紙F2が収容される場合にも、この第2のファンフォールド紙F2が挿入口42cに挿入される際に、1枚ずつ(F2−21,F2−22)湾曲しながら挿入口42cに挿入される。第2のファンフォールド紙F2では、1枚ずつに上述のミシン目F2aが形成されているため、このミシン目F2aにおいて屈曲しながら1枚ずつ挿入口42cに挿入される(二点鎖線で示す直前の状態F2−21A〜F2−21C参照)。なお、1枚目F2−21の後端(屈曲部分)は、直線の状態(F2−21A〜F2−21C)までは、ファンフォールド紙Fの束から分離していないが、その後、上方に移動している。但し、収容部41の載置面41aが上述のように傾いていることで、上方に弾けるように移動するのが抑えられている。
【0067】
以上説明した本第2実施形態によれば、上述の第1実施形態と同様の効果、すなわち、ファンフォールド紙Fの搬送を妨げずに印刷装置1の省スペース化を図ることができるなどの効果を得ることができる。
【0068】
更には、本第2実施形態では、収容部41のうちファンフォールド紙Fが載置される載置面41aは、ガイド部42に近づくほど高くなるように傾斜している(
図5Aに示す傾き角度θ3)。そのため、収容部41とガイド部42とを近接させるように配置しても、収容部41に収容されたファンフォールド紙Fの束の上端と挿入口42cとの間隔を広げることができる。これにより、上述の第1実施形態のように、
図3Bのファンフォールド紙F1の1枚目F1−11が挿入口42cに挿入される際に1枚目F1−11の後端が弾けるように立ち上がったり、
図4の1枚目F2−11の後端が弾けるように立ち上がったりするのを抑えることができる。したがって、ファンフォールド紙Fが屈曲部分において弾けるように移動する際に下搬送ガイド42b(ガイド部42)に接触するのを防ぐことができる。これにより、ファンフォールド紙Fが下搬送ガイド42b(ガイド部42)に接触することにより異音が生じることも防ぐことができる。
【0069】
なお、本発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施の形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このように、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。