特許第6672515号(P6672515)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6672515まつげエクステンション用人工毛の装着方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6672515
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】まつげエクステンション用人工毛の装着方法
(51)【国際特許分類】
   A41G 5/02 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   A41G5/02
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2019-130479(P2019-130479)
(22)【出願日】2019年7月12日
【審査請求日】2019年9月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】515293517
【氏名又は名称】株式会社EYELASH.BEAUTY.JAPAN
(74)【代理人】
【識別番号】100080654
【弁理士】
【氏名又は名称】土橋 博司
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 明美
【審査官】 小笠原 恵理
(56)【参考文献】
【文献】 特開2018−44254(JP,A)
【文献】 特開2018−204165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41G 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
付け根の付近に凹面を設けた、最大径部の直径がまつげよりも細径に形成されたまつげエクステンション用人工毛を用意するとともに、
該まつげエクステンション用人工毛を、前記まつげエクステンション用人工毛の複数本を束状にした中間用人工毛と、該まつげエクステンション用人工毛の1本または前記中間用人工毛よりも少数の束状にした積層用人工毛として、
付け根の付近のまつげ側と前記積層用人工毛側に接着剤を塗布した前記中間用人工毛をまつげに接着した上、
前記積層用人工毛を前記中間用人工毛の積層用人工毛側に接着することにより、
簡単に複数本を固定できるようにしたことを特徴とするまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項2】
前記まつげエクステンション用人工毛は、まつげに接着する凹面の反対側に同様の凹面を形成されていることを特徴とする請求項1に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項3】
前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側に塗布された接着剤は、前記中間用人工毛に前記積層用人工毛を接着した際に、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側から流出することにより、該流出した接着剤が略自然にまつげの前記中間用人工毛の接着部分の周囲を前記まつげと前記中間用人工毛と前記積層用人工毛の全体を覆うようにして行き渡ってから硬化することで、簡単にかつ強固に複数本の人工毛をまつげに固定できるようにしたことを特徴とする請求項1または2に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項4】
前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側に塗布された接着剤は、該接着剤の量が0.02mg〜0.04mgで、かつ該接着剤の粘度が300mPa/s〜700mPa/sであって、前記中間用人工毛に前記積層用人工毛を接着した際に、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側から流出することにより、該流出した接着剤が略自然にまつげの前記中間用人工毛の接着部分の周囲を前記まつげと前記中間用人工毛と前記積層用人工毛の全体を覆うようにして行き渡ってから硬化することで、簡単にかつ強固に複数本の人工毛をまつげに固定できるようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【請求項5】
前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側に塗布された接着剤は、該接着剤の量が0.03mgで、かつ該接着剤の粘度が500mPa/sであって、前記中間用人工毛に前記積層用人工毛を接着した際に、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側から流出することにより、該流出した接着剤が略自然にまつげの前記中間用人工毛の接着部分の周囲を前記まつげと前記中間用人工毛と前記積層用人工毛の全体を覆うようにして行き渡ってから硬化することで、簡単にかつ強固に複数本の人工毛をまつげに固定できるようにしたことを特徴とする請求項4に記載のまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まつげにボリューム感を持たせるエクステンション用人工毛を簡単に効率よく、かつ容易に外れることがないように強固に取り付けられるまつげエクステンション用人工毛の装着方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のまつげに装着されるまつげエクステンション用人工毛の装着方法としては、まつげエクステンション用人工毛は、最大径部の直径がまつげよりも細径に形成されており、上記まつげエクステンション用人工毛が、上記まつげに対して、所定の角度を有するように、上記まつげエクステンション用人工毛をまつげの長さ方向において互いに異なる位置に固定する作業を1本のまつげに対して繰り返し行うことにより、複数本の上記まつげエクステンション用人工毛が装着されるようにしたものが特開2016−33270号公報(特許文献1参照)において提案されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に開示されたまつげエクステンション用人工毛はまつげ1本に対して、まつげエクステンション用人工毛1本を順次複数本装着することが開示されているのみである。
したがってまつげエクステンション用人工毛の取付に手間がかかる上、施術者の熟練度によって完成した後の見映えに大きな差が出やすいという問題が生じていた。
【0004】
また、従来のエクステンション用まつげの取付け方法として、エクステンション用まつげは、先端部と末端部とを有する人工まつげ本体部を備え、前記人工まつげ本体部は、樹脂から構成されており、記人工まつげ本体部には、湾曲部が形成されており、前記人工まつげ本体部の断面形状は扁平形状を有しており、前記扁平形状の幅に対して厚さが半分以下の寸法であり、前記扁平形状を有する前記人工まつげ本体部を、地まつげの上側および下側の両方に接着させる工程を含む取付け方法であって、1本の前記地まつげの前記上側において複数本積層して接着され、接着部分の全体を接着剤で覆うように硬化させるようにしたものが特開2019−094588号公報(特許文献2参照)において提案されている。
【0005】
しかしながら、特許文献2に開示されたエクステンション用まつげの取付け方法では、まつげエクステンション用人工毛の根元に接着剤を塗布してまつげと接着させているため、まつげと人工毛との接着部分が極めて狭小であって、容易に接着状態が解かれてまつげエクステンション用人工毛が外れてしまうという問題があった。さらに、まつげエクステンション用人工毛1本に対して略同径の人工毛1本を積層させてあるため、積層部分に扁平形状を備えてあったとしても施術者の熟練度によって見映えや仕上がりに著しい差が出てしまうという問題も生じていた。
【0006】
また、特許文献2に開示されたまつげとまつげエクステンション用人工毛の接着部分の全体を覆うように接着剤を付与する場合においては、予めまつげエクステンション用人工毛に全体を覆うことができる量の接着剤を塗布しておくか、まつげにまつげエクステンション用人工毛を一旦接着させたあとに再度接着剤を接着部分の全体を覆うように塗布するかのいずれか一の方法をとることとなる。
しかしながら、予めまつげエクステンション用人工毛に全体を覆うことができるような多量の接着剤を塗布する場合は施術前に接着剤がまつげエクステンション用人工毛から流出・液だれしてしまうという問題があり、まつげとまつげエクステンション用人工毛を一旦接着させたあとに再度接着剤を全体を覆うように塗布する場合には施術の工程を少なくとも1以上追加することとなり、いずれにしても施術の容易さが失われるという問題があった。
【特許文献1】特開2016−033270号公報
【特許文献2】特開2019−094588号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、複数本のまつげエクステンション用人工毛をまつげの略同一部分に密集・積層して接着することができるようにして、よりまつげのボリューム感を与えることができ、しかも施術の工程を増やすことなく効率よく強固にまつげへの接着を行うことができるまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち本発明のまつげエクステンション用人工毛の装着方法は、付け根の付近に凹面を設けた、最大径部の直径がまつげよりも細径に形成されたまつげエクステンション用人工毛を用意するとともに、該まつげエクステンション用人工毛の複数本を束状にした中間用人工毛の前記付け根の付近のまつげ接着側と積層用人工毛側に接着剤を塗布してまつげに接着した上、前記まつげエクステンション用人工毛の1本または前記中間用人工毛よりも少数の束状にした積層用人工毛を前記中間用人工毛の積層用人工毛側に接着することにより、簡単に複数本を固定できるようにしたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明のまつげエクステンション用人工毛の装着方法において、前記まつげエクステンション用人工毛は、まつげに接着する凹面の反対側に同様の凹面を形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明のまつげエクステンション用人工毛の装着方法において、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側に塗布される接着剤は、前記中間用人工毛に前記積層用人工毛を接着した際に、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側から流出することにより、該流出した接着剤がまつげの前記中間用人工毛接着部分の周囲をまつげと中間用人工毛と積層用人工毛の全体を覆うようにして行き渡ったのちに硬化することで、簡単にかつ強固に複数本の人工毛をまつげに固定できるようにしたことを特徴とするものである。
【0011】
本発明のまつげエクステンション用人工毛の装着方法において、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側に塗布される接着剤は、該接着剤の量が0.02mg〜0.04mgで、かつ該接着剤の粘度が300mPa/s〜700mPa/sであって、前記中間用人工毛に前記積層用人工毛を接着した際に、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側から流出することにより、該流出した接着剤がまつげの前記中間用人工毛接着部分の周囲をまつげと中間用人工毛と積層用人工毛の全体を覆うようにして行き渡ったのちに硬化することで、簡単にかつ強固に複数本の人工毛をまつげに固定できるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
本発明のまつげエクステンション用人工毛の装着方法において、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側に塗布される接着剤は、該接着剤の量が0.03mgで、かつ該接着剤の粘度が500mPa/sであって、前記中間用人工毛に前記積層用人工毛を接着した際に、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側から流出することにより、該流出した接着剤がまつげの前記中間用人工毛接着部分の周囲をまつげと中間用人工毛と積層用人工毛の全体を覆うようにして行き渡ったのちに硬化することで、簡単にかつ強固に複数本の人工毛をまつげに固定できるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、まつげエクステンション用人工毛からなる束状の中間用人工毛と、該束状の中間用人工毛より少数本のまつげエクステンション用人工毛からなる積層用人工毛を用いることにより、まつげの略同一部分にまつげエクステンション用人工毛を密集・積層して接着することができ、よりまつげのボリューム感を与えることができる。
【0014】
また、前記積層用人工毛として用いるまつ毛エクステンション用人工毛を前記中間用人工毛として用いるまつげエクステンション用人工毛よりも少数本とすることで、前記積層用人工毛の前記中間用人工毛上への載置・接着が非常に容易となり、施術者の熟練度によらず、安定してまつげエクステンション用人工毛を積層して接着することができる。さらに、積層用人工毛を中間用人工毛に接着することで、略自動的に接着剤がまつげと中間用人工毛と積層用人工毛の接着部分の全体を覆うように行き渡って硬化することで、剥がれにくくもちが良いまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供することができる。
【0015】
請求項2記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、まつげエクステンション用人工毛の両面に凹部が形成してあるため、まつげに接着する際にどちらの面で接着してもよいので、装着作業のスピードアップを図ることができる。
【0016】
請求項3ないし5記載の発明におけるまつげエクステンション用人工毛の装着方法にあっては、前記中間用人工毛の付け根の付近の積層用人工毛側に塗布された接着剤が、前記中間用人工毛に積層用人工毛を接着した際に流出して、まつげの前記中間用人工毛の接着部分の周囲においてまつげと中間用人工毛と積層用人工毛の全体を覆うように行き渡って硬化するので、極めて強固に接着することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法の第1実施例を示し、まつげエクステンション用人工毛を装着する前の段階の概略斜視図である。
図2】その概略断面図である。
図3】まつげに中間用人工毛を取り付けた状態を示す概略斜視図である。
図4】その概略断面図である。
図5】中間用人工毛に積層用人工毛を接着した途中の状態の概略斜視図である。
図6】その概略断面図である。
図7】まつげエクステンション用人工毛の装着が完了した状態の概略斜視図である。
図8】その概略断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法について実施の形態に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
図1ないし図8において、まつげ11には、付け根の付近に凹面を設けた、最大径部の直径がまつげよりも細径に形成されたまつげエクステンション用人工毛12の複数本の束状からなる中間用人工毛13を接着するようにしてあり、該中間用人工毛13には、まつげエクステンション用人工毛12の1本または前記中間用人工毛13より少数本の積層用人工毛14を接着するようにしてある。該まつげエクステンション用人工毛12は、直径が上記まつげ11よりも約1/3〜1/5程度となるように細径に形成されている。
【0019】
ちなみに、前記まつげエクステンション用人工毛12は、まつげエクステンション用人工毛12の長さ方向の端部が最大径となるよう形成されており、直径は0.07mm程度であり、まつげエクステンション用人工毛12の長さ方向の毛先側の端部に向って直径が次第に小さくなるように形成されている。
また、まつげエクステンション用人工毛12には、微小な湾曲(カール)が形成されている。
【0020】
前記中間用人工毛13は、予め複数本のまつげエクステンション用人工毛12を接着剤(図示せず)で連結することにより束状としておく。
一般に、このような接着剤はグル―とも称され、アクリレート系の物質からなるものなどが従来より広く利用されている。
また、まつげエクステンション用人工毛12は、付け根の付近に凹面12aを設けてある。
【0021】
本実施例のまつげエクステンション用人工毛の装着方法は、各部材を準備した図1および図2の状態において、中間用人工毛13の付け根の付近の接着部分のまつげ側13aと積層用人工毛側13bにそれぞれ接着剤15,16を塗布する。このとき、前記まつげ側13aに塗布する接着剤15は、前記中間用人工毛13を前記まつげ11に接着した際に横ずれや剥落が起きない程度の量であればよい。
【0022】
一方、前記積層用人工毛側13bに塗布する接着剤16は、後述の前記積層用人工毛14を前記中間用人工毛13の積層用人工毛側13bに接着させた際に、前記接着剤16が積層用人工毛側13bから流出して、まつげ11の前記中間用人工毛13の接着部分の周囲全体を覆うように行き渡る量であればよく、該接着剤16の量が0.02mg〜0.04mgの範囲で、かつ該接着剤16の粘度が300mPa/s〜700mPa/sの範囲とするのが好ましい。前記接着剤16をこのような範囲とすることで、接着剤16を前記中間用人工毛13の積層用人工毛側13bに塗布した際の接着剤16の液だれを防止しつつ、積層用人工毛14を中間用人工毛13に接着した際に、前記中間用人工毛13の積層用人工毛側13bに塗布した前記接着剤16を流出させて、まつげ11の前記中間用人工毛13の接着部分の周囲全体を覆うように行き渡らせることができるのである。
【0023】
なお、前記接着剤16の上述の範囲については、まつげエクステンションの施術における十分な仕上がり具合を得ることができる。とくに、該接着剤16の量が0.03mgで、かつ該接着剤16の粘度が500mPa/sとした場合には、まつげエクステンションの施術を受ける被施術者ごとのまつげの形状・毛質の違いを問わず、接着剤16を前記中間用人工毛13の積層用人工毛側13bに塗布した際の接着剤16の液だれを防止しつつ、前記接着剤16をまつげ11の前記中間用人工毛13の接着部分の周囲全体を覆うように十分に行き渡らせることができ、かつ、前記接着剤16の硬化によりまつげ11と前記中間用人工毛13と積層用人工毛14とを十分強固に接着することができる。
【0024】
そして、図3および図4のように予め複数本のまつげエクステンション用人工毛12を接着剤で連結した束状の前記中間用人工毛13を接着剤15でまつげ11に接着する。その上で、積層用人工毛14を図5および図6のように前記中間用人工毛13の積層用人工毛側13bに接着すると、前記中間用人工毛13の積層用人工毛側13bに塗布された接着剤16が流出して、略自然にかつ略自動的にまつげ11の接着部分の周囲全体を覆うように行き渡って、図7および図8のように、まつげ11と中間用人工毛13と積層用人工毛14の接着部分の全体を覆うように硬化して、まつげ11と中間用人工毛13と積層用人工毛14の接着部分の全体をより強固に接着することができるのである。
【0025】
本発明のまつげエクステンション用人工毛の装着方法においては、複数本のまつげエクステンション用人工毛12を中間用人工毛13および積層用人工毛14として積層して接着するので、まつげ11の略同一部分にまつげエクステンション用人工毛12を密集・積層して固定できるようになっている。また、前記積層用人工毛14として用いるまつ毛エクステンション用人工毛12を前記中間用人工毛14として用いるまつげエクステンション用人工毛12よりも少数本とすることで、前記積層用人工毛14の前記中間用人工毛13上への載置・接着が非常に容易となり、施術者の熟練度によらず、安定してまつげエクステンション用人工毛12を積層して接着することができるのである。
【0026】
さらに、前記積層用人工毛14を前記中間用人工毛13の積層用人工毛側13bに接着するだけで、略自動的にまつげ11と中間用人工毛13と積層用人工毛14の接着部分の全体を接着剤16で覆うことができるので、まつげとまつげエクステンション用人工毛とを単に接着部分のみで接着させる従来のまつげエクステンション用人工毛の装着方法に比べてまつげとまつ毛エクステンション用人工毛とを容易にかつ極めて強固に接着させることができる。また、従来のまつげとまつ毛エクステンション用人工毛の接着部分の周囲全体を接着剤で覆うためまつげエクステンション用人工毛をまつげへ一旦接着した後に、再度接着剤を塗布する施術工程を省略することができるので、施術時間の長時間化や、施術者・被施術者の負担増大といった施術の容易さが失われることはない。
【0027】
図において前記まつげエクステンション用人工毛12は、付け根付近の下面に凹面12aを、上面に凹部12bを形成してある。したがって複数本のまつげエクステンション用人工毛12を接着剤で連結した束状の前記中間用人工毛13は、まつげ側13aに複数の凹面12aからなる凹面群17を形成し、その反対の積層用人工毛側13bの面に複数の凹面12bからなる凹面群18を形成してあることになる。中間用人工毛13をまつげ11に接着する際にどちらの面で接着してもよいので、装着作業のスピードアップを図ることができる。
【0028】
また、前記中間用人工毛13は両面に凹面群を形成してあるので、まつげ11やまつげエクステンション用人工毛12のカールの方向等をみながら、凹面群17と凹面群18のどの面をまつげ11に接着するかを適宜決定することができ、実際のまつ毛11等の状況に応じて簡易迅速に対応することができる。
【0029】
前記中間用人工毛13の積載用人工毛側13bの凹面群18には、前記接着剤16を該接着剤16の量が0.02mg〜0.04mgの範囲で、かつ該接着剤16の粘度が300mPa/s〜700mPa/sの範囲で塗布するようにする。このとき、接着剤16は凹面群18を構成する各凹面12bの凹部および互いに隣り合う凹面の縁部同士で形成される凹部に入り込むことで、凹部群18に収まりよく載置されるので、まつげの前記中間用人工毛13の接着部分の全体を覆うための上述の範囲からなる前記接着剤16を液だれなく凹部群18に塗布することができるのである。
【0030】
そして、前記積載用人工毛14を前記中間用人工毛13の積載用人工毛側13bに形成された凹面群18に接着する。このとき、前記積載用人工毛14が1本または前記中間用人工毛13より少数本のまつげエクステンション用人工毛12からなるため、前記積載用人工毛14の前記中間用人工毛13との接触部分は前記中間用人工毛14の凹面群18より狭小となっている。したがって、前記積載用人工毛14を凹面群18内に接着することは容易であり、施術者の高度な熟練度を要しない。
【0031】
さらには、前記凹面群18に塗布した接着剤16は、積層用人工毛14の凹面群18への接着により凹面群18から流出した際に、まつげの前記中間用人工毛13の接着部分の周囲の全体を覆うように略自然に行き渡って硬化するため、積層用人工毛14を接着した後に再度まつげの人工毛接着部分の周囲の全体を覆うように接着剤を付与する必要がなく、非常に効率よくかつ強固に接着することができるのである。すなわち、従来のまつげエクステンションの施術方法において行われている、人工毛をまつげに接着した後さらに接着部分の全体を覆うように接着剤を付与する工程を省略することができるのである。
【0032】
以上のような構成とすることで、本発明のまつげエクステンション用人工毛の装着方法を用いると、まつげの略同一部分にまつげエクステンション用人工毛を容易かつ強固に接着することができ、よりボリューム感を与え、かつ施術の工程を増やすことなく施術が可能であって、施術者と被施術者双方の負担を軽減することができるようになるのである。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明に係るまつげエクステンション用人工毛の装着方法は、まつげエクステンションを施す専門店等において広く利用されるものであり、産業上利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0034】
11 まつげ
12 まつげエクステンション用人工毛
12a 凹面
12b 凹面
13 中間用人工毛
13a まつげ側
13b 積層用人工毛側
14 積層用人工毛
15 接着剤
16 接着剤
17 凹部群
18 凹部群
【要約】
【課題】
複数本のまつげエクステンション用人工毛をまつげの略同一部分に密集・積層して接着することができるようにして、よりまつげのボリューム感を与えることができ、しかも施術の工程を増やすことなく効率よく強固にまつげへの接着を行うことができるまつげエクステンション用人工毛の装着方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
まつげに接着する凹面を付け根の付近に設けた中間用人工毛と、最大径部の直径がまつげよりも細径に形成されたまつげエクステンション用人工毛を用意するとともに、
前記中間用人工毛をまつげに接着した上、予め複数本を接着剤で連結した束状のまつげエクステンション用人工毛を前記中間用人工毛に接着することにより、簡単に複数本を固定できるようにしたことを特徴とするまつげエクステンション用人工毛の装着方法。
【選択図】図7
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8