特許第6672521号(P6672521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6672521
(24)【登録日】2020年3月6日
(45)【発行日】2020年3月25日
(54)【発明の名称】金具類及び金釘無し棺
(51)【国際特許分類】
   A61G 17/00 20060101AFI20200316BHJP
【FI】
   A61G17/00 S
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-197559(P2019-197559)
(22)【出願日】2019年10月30日
【審査請求日】2019年10月30日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511242498
【氏名又は名称】山下 健治
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100140327
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 千秋
(74)【代理人】
【識別番号】100206117
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 光章
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(72)【発明者】
【氏名】山下 健治
【審査官】 小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−148428(JP,A)
【文献】 特開2002−282311(JP,A)
【文献】 特開平11−155916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 17/00−17/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
全ての構成要素が可燃性素材で形成されている金具類及び金釘無し棺であって、
第1底板と、
前記第1底板の底面側を支持する第1桟木と、
前記第1桟木の底面側を支持し、前記第1桟木を前記第1底板とで挟み込むことにより二重構造の棺底板を構成する第2底板と、
第1側板と、
前記第1側板の外面側に接合させる第2桟木と、
前記第2桟木の外面側に接合され、前記第2桟木を前記第1側板とで挟み込むことにより二重構造の棺側板を構成する第2側板と、を備え、
前記棺底板と前記棺側板とが接合された状態で前記第1底板が嵌合される嵌合溝が、前記第1側板と前記第2桟木とに設けられた金具類及び金釘無し棺。
【請求項2】
前記第2底板の側面側が、前記第1側板の内側面に接合され、前記第2底板の底面と、前記棺側板の底面と、が面一になっている請求項1に記載の金具類及び金釘無し棺。
【請求項3】
前記棺側板は、前記第1側板と前記第2桟木の下端部に段差部が形成され、
前記第2底板は、前記第1側板及び前記第2桟木の、前記段差部に接合され、
前記第2底板の底面と、前記第2桟木の底面の一部と、前記第2側板の底面と、が面一になっている請求項1に記載の金具類及び金釘無し棺。
【請求項4】
前記第2底板は、上面側の側端部が前記棺側板の底面側と接し、前記棺側板を支持するように形成されている請求項1に記載の金具類及び金釘無し棺。
【請求項5】
前記第1底板の厚さは、前記第2底板の厚さより大きい、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金具類及び金釘無し棺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金具類及び金釘無し棺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遺体を納め火葬に付する棺は、主構造を木製とし可燃性材料によって箱体が製造されている。一般に、直方体に形成された棺は、2枚の側板、2枚の妻板、底板及び蓋板で構成されている。また、蓋板には、遺体を拝顔するための扉が設けられている。
【0003】
従来、側板と妻板との接合部、底板と、側板又は妻板との接合部は、金釘やタッカー針などの金具類及び金釘等により固定されていた。このため、1本当たりの棺に使用される金属類及び金釘等は、金釘が45本〜60本、タッカー針が45本〜50本、ヒ°ンタッカーが8本〜12本、飾り金具が6個〜10個で、全体の平均重量は、150g〜170g程度にもなる。また、年間葬儀施行数を130万件とすると、火葬による年間の金属類及び金釘等の廃棄量は、195t〜221tにもなる。
【0004】
また、発明者は、全国150カ所以上の市役所と火葬場の訪問を重ねたところ、火葬場に於けるCO、ダイオキシン群類の排出に関係する、納棺時の副葬品、ドライアイス、棺に使用される金属類及び金釘の火葬後の処理問題、火葬炉の損傷等の問題が共通していることが判明した。
【0005】
さらに、火葬炉の内部を直視し、火葬中に金釘等が肉体や遺骨に刺さる悲惨な状況や火葬後に残る無数の金属類を目にして強く心を痛めた。火葬後に残った金属類は処理業者によって仕分け整理される。火葬場は金属類による配管の損傷にも大きな問題を抱えていた。
【0006】
上述のように、多量の金具類及び金釘等の存在により、棺の火葬燃焼時に、金具類及び金釘等が飛散し、遺体や遺骨を傷つけることが遺体の尊厳上、問題となっている。また、火葬後に現場スタッフによる金具類及び金釘等を回収する手間が発生したり、最終的に残った灰などに金属類や金釘等が混ざり吸引パイプで吸い上げるときにパイプを傷つけメンテナンス等で時間と費用を要し、使用できない炉が生じたりするという問題もあった。
【0007】
また、一般に、棺の製造において金具類及び金釘を用いた場合、棺の燃焼において、有害物質(例:ダイオキシン又は二酸化炭素)が発生する。この有害物質の発生は、火葬場を管轄する役所又は火葬場の現場担当者にとって解決すべき重要な課題となっている。
【0008】
以上により、棺の製造時には、金具類及び金釘等をできるだけ使用しないことが好ましい。例えば、特許文献1には、金具類及び金釘等を用いず、組立てを容易に短時間で行うことができる棺が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2002−282311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に開示の構成は、棺桶の運搬保管の観点から想到された構成であって、有害物質の発生の抑制、環境改善、火葬業務の合理化、及びご遺体の尊厳を守る観点から想到されたものではない。そのため、特許文献1において、上述のように金具類等が用いられる可能性がある。
【0011】
また、土葬から火葬に代わり長い年月が経っているのにも関わらず、なぜ上記のような悲惨な事実が知られていないのか。多くの疑問を覚え、この実態を知ったからには何とかしなくてはいけない。環境改善をはじめ火葬業務の合理化とご遺体の尊厳や御霊の尊厳を守るため、従来型の棺の調査と金具類及び金釘を使わない棺の開発をはじめた。
【0012】
その結果、本発明者は、鋭意研究の末、全ての構成要素が可燃性素材で形成された棺を想到するに至った。具体的に、金具類及び金釘に代わる可燃性の留め具を用いて、可燃性素材で形成された複数の側板を接合する棺を想到するに至った。
【0013】
一方、このように全ての構成要素が可燃性素材で形成された棺を製造する場合、その耐荷重性が問題となる。例えば、上記特許文献1に基づいて棺を製作して80kgの荷重を加え、大人4人で棺を持つと、キシム音がし、底が抜けた。次に、底板に桟木を入れ荷重に耐える棺を製作して葬儀で使用してみた。耐荷重が何kgあればよいのか棺メーカー・葬儀社に伺うと、重さはバラバラであるが、副葬品やお別れに生花をいれるので120kg〜150kgは必要であるとのことであった。現状、棺は4cm〜6cmの金釘で製作している。底抜けの事故を防ぐために通常50本くらいの金釘を使って製作している。また、霊柩車に乗せるときや火葬炉に移動するとき棺の底が平らでないと作業が円滑にできないことを指摘された。以上のように、遺体や副葬品などの総重量を勘案すると、約180kgの高い耐荷重性が求められる。
【0014】
本発明の一態様は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、約180kgの荷重に耐え全ての霊柩車や火葬炉への移動が円滑にできる金具類及び金釘無し棺を実現することにある。さらに、実際の葬儀社が葬儀で使用するためには、全ての霊柩車及び火葬炉に円滑に移動できる構造が必要である。本発明の開発者は実際に本発明の金具類及び金釘無し棺を何度も試作を繰返し製作してあらゆる問題を解決した。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様に係る金具類及び金釘無し棺は、全ての構成要素が可燃性素材で形成されている金具類及び金釘無し棺であって、第1底板と、第1底板の底面側を支持する第1桟木と、第1桟木の底面側を支持し、第1桟木を第1底板とで挟み込むことにより二重構造の棺底板を構成する第2底板と、第1側板と、第1側板の外面側に接合させる第2桟木と、第2桟木の外面側に接合され、第2桟木を第1側板とで挟み込むことにより二重構造の棺側板を構成する第2側板と、を備え、棺底板と棺側板とが接合された状態で第1底板が嵌合される嵌合溝が、第1側板と第2桟木とに設けられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、約180kgの荷重に耐え、かつ、霊柩車や火葬炉への移動の際に円滑に移動させることができる金具類及び金釘無し棺を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】棺の外観を示す斜視図である。
図2A】側板2の内面を示す正面図(裏面図)である。
図2B】側板3の内面を示す正面図(裏面図)である。
図2C図2A中のB−B断面における側板2の断面図である。
図3A】底板の内面を示す上面図である。
図3B図3A中のC−C断面における底板の断面図である。
図3C図3A中のD−D断面における底板の断面図である。
図4図1中のA−A断面における棺1の断面図である。
図5】第1の実施形態における、図1中のA−A断面の、紙面向かって右下端部における断面図である。
図6】第2の実施形態における、図1中のA−A断面の、紙面向かって右下端部における断面図である。
図7】第3の実施形態における、図1中のA−A断面の、紙面向かって右下端部における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。なお、図示した構成における各部材の寸法および部材間の寸法比率は、実際の寸法および寸法比率を表すものではない。また、本明細書中において、「留め具」とは、可燃性を有する留め具を意味する。また、後述する留め具は、木ダボであってもよく、プラスチック釘、プラスチックタッカー、木釘、竹釘、ポリマー樹脂製ステープル・ピンネルであってもよい。また、留め具の材質としては、可燃性素材であれば特に限定されず、例えば、桐材、紙材等が挙げられる。
【0019】
また、留め具の材料としてはその他、可燃性の非金属材料、可燃性のプラスチック材料や、可燃性のガラス材料(例えば、グラスファイバーなど)なども含まれる。また、たとえ金属製のものであってもチタンのように可燃性の金属類は、留め具の材料として使用できる。また、貝殻のように石灰質で作られたようなものでも、留め具の材料として使用できる。
【0020】
[第1の実施形態]
図1は、棺1の外観を示す斜視図である。棺1は、棺1の長手方向の側面を構成する2枚の側板2、棺1の短手方向の側面を構成する2枚の側板3、底板4及び蓋板5を備える。
【0021】
棺1は、留め具も全て可燃性素材を用いて側板2、3と、底板4と、を互いに接合して壁面及び底面が構成される。ここで、留め具としての可燃性素材は、以下の具体例においては接着剤を用いるものとするが、その他に、例えば、ダボ、プラスチック釘、木釘、竹釘、プラスチックネジ、プラスチック蝶番及びプラスチックタッカー等を用いることができる。また、互いに接合される複数の側板2と側板3とを接合するためにも、上述の可燃性素材が用いられる。
【0022】
また、側板2、側板3、底板4及び蓋板5のそれぞれの材質としては、可燃性素材であれば限定されず、例えば、桐材、檜材、樅材等が挙げられる。さらに、側板2、側板3及び蓋板5の外面においては、外観を向上させるための装飾が施されていてもよい。以下、側板2、側板3、底板4及び蓋板5のそれぞれの構成、及びこれらの部材の接合の仕方について説明する。
【0023】
図2Aは、側板2の内面を示す図である。また、図2Bは、側板3の内面を示す図である。側板2及び側板3の内面の下部には、左右方向の一端から他端に向かって水平方向へ、嵌合溝7が形成されている。図2Cは、図2Aの一点鎖線B−Bにおける側板2の断面図である。図2Cに示すように、側板2は、内側の第1側板2a及び外側の第2側板2bで、2つの桟木21、22を挟み込む構造となる。第1側板2a及び第2側板2bと桟木21、22は、接着剤により接合される。図2Cに示すように、第1側板2a及び桟木21には、上述の嵌合溝7が形成されている。なお、側板3の断面図は、図2Cに示す側板2の断面図と同様な構成となる。このように側板2及び側板3においては、上下に備える桟木21、22を2枚の板で挟み込む二重構造となり、上下の桟木21、22の間には空間が設けられる。これにより、側板2及び側板3の軽量化を図ることができる。また、側板2及び側板3を二重構造とし、内部に空間を設けることにより、火葬場での燃焼時間が短縮できる。これにより、火葬における燃料の削減を図ることができる。
【0024】
図3Aは、底板4の内面を示す上面図である。また、図3Bは、図3Aの一点鎖線C−Cにおける底板4の断面図である。図3Cは、図3Aの一点鎖線D−Dにおける底板4の断面図である。すなわち、図3Bは、底板4の短手方向に沿った断面を示し、図3Cは、底板4の長手方向に沿った断面を示す。図3Bに示すように、底板4の内部には上面側の第1底板4aと、第1底板4aを支持する2本の桟木41とが設けられている。第1底板4aは、全体にわたって均一な厚さを有する1枚の面材である。さらに、底板4は、桟木41の底面側に第2底板4bを備える。第2底板4bも、全体にわたって均一な厚さを有する1枚の面材である。なお、桟木41と第1底板4a及び第2底板4bとは、接着剤により接合される。桟木41は、図3A及び図3Bに示すように、第2底板4bの短手方向両端において、第2底板4bの長手方向全体にわたって設けられている。2本の桟木41は、対向する2枚の側板2のそれぞれの内面に当接する。桟木41の長手方向における両端は、対向する2枚の側板3のそれぞれの内面に当接する。
【0025】
また、図3Cに示すように、底板4の内部には、底板4の短手方向に平行な、6本の桟木42が設けられている。6本の桟木42は、図3A及び図3Cに示すように、ほぼ均等な間隔で設けられている。6本の桟木42のうち、底板4の長手方向において両端にある2本の桟木42は、対向する2枚の側板3のそれぞれに当接する。上述の桟木41と同様に、桟木42と、第1底板4a及び第2底板4bとは、接着剤により接合される。また、桟木41と桟木42とは、当接される箇所において接着剤により接合される。このように底板4においては、長手方向及び短手方向の両方向において、平行な桟木41、42を設けることで、長手方向又は短手方向のみならず、底板4がねじれる方向への強度が向上する。また、底板4においては、桟木41、42を上下2枚の板で挟み込む二重構造となり、各桟木の間には空間ができる。これにより、底板4の軽量化を図ることができる。このように、底板4を二重構造とすることにより、上述の側板2及び側板3と同様に、火葬場での燃焼時間が短縮できる。さらには、火葬における燃料の削減を図ることができる。
【0026】
図4は、図1の一点鎖線A−Aにおける棺1の断面図である。図4では、底板4と、底板4の左右に接続された側板2と、その上に置かれた蓋板5とを示している。図4に示すように棺1は、左右の側板2の嵌合溝7に、底板4の第1底板4aが嵌合されることにより、側板2と底板4とが接合される。同様に側板3の嵌合溝7にも、底板4の第1底板4aが嵌合されることにより、側板3と底板4とが接合される(図示なし)。このように段差のない一枚の面材である第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合することにより、棺1の耐荷重性を高くすることができる。以下、底板4と側板2の嵌合部分の詳細な構造を説明する。なお、底板4と側板3の嵌合部分は、底板4と側板2の嵌合部分と同様の構成となるため、説明を省略する。
【0027】
図5は、図4の右側下端部の拡大図である。図5に示すように、棺1は、側板2の嵌合溝7に、第1底板4aの端部が嵌合される。なお、側板2の嵌合溝7と第1底板4aの端部との嵌合部分は、接着剤によって接合される。また、第1底板4aの底面側を支持するように、桟木41が第1底板4aの底面と接する形で設けられる。これにより、収容物の重みにより、底板4が変形するのを防ぐことができる。また、桟木41の底面側を支持するように、第2底板4bが設けられる。第2底板4bの側面部は、側板2の第1側板2aと接している。これにより、棺1の底面は、第2底板4bの底面と、側板2の第1側板2a、桟木21及び第2側板2bの底面とで、全面が面一となる。これにより、霊柩車や火葬炉への移動が円滑にできる。また、桟木41の側面部及び第2底板4bの側面部は、側板2の第1側板2aと接着剤により接合してもよい。これにより、底板4と側板2の接合の強度を向上させることができる。
【0028】
また、図5に示すように、側板2に設けられる嵌合溝7の水平方向の長さ(深さ)をXとし、側板3に設けられる嵌合溝7の水平方向の長さをY(図示なし)とした場合、X及びYの長さは、X>Yの関係であることが望ましい。ただし、X及びYの長さの関係は、これに限定されず、例えば、X=Y、又はX<Yの関係の長さで構成することも可能である。
【0029】
以上のように、第1の実施形態においては、棺1が、第1底板4a、桟木41及び第2底板4bを備えていることにより、棺1の中へ、遺体等の収容物を収容した場合でも、収容物の重みにより、棺1の底板4が変形しない。従って、収容物の重みに耐え、かつ底板4の変形を防ぐ棺を実現する。また、棺1の底部は、平坦な面材である第2底板4bと、側板2及び側板3の下端部が面一になるように構成されている。これにより、霊柩車や火葬炉への移動の際に円滑に棺1を移動させることができる。
【0030】
なお、本実施形態において説明した棺1の、接合の手順は特に限定されない。接合の手順の一例を、以下に簡潔に説明する。まず、第1底板4a、桟木41及び第2底板4bをそれぞれ接合させる。次に、側板2の嵌合溝7へ第1底板4aを嵌合させて接合した後、側板3の嵌合溝7へ第1底板4aを嵌合させて接合し、その後、側板3と側板2とを組み合わせることにより接合する。
【0031】
上述した棺1によれば、第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合された状態で、桟木41が第1底板4aの底面の側端部を支持している。このため、第1底板4aが収容物の重みにより、側板2及び側板3の嵌合溝7から外れることを抑制することができる。また、棺1によれば、第2底板4bが桟木41の底面側を支持している。よって、棺1はいわゆる二重底構造となっている。このため、棺1の耐荷重性を高くすることができる。また、第1底板4aの厚さは、第2底板4bの厚さより、厚い方が好ましい。第1底板4aの厚みが増すことにより、第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合された状態での第1底板4aの耐久性が増す。ただし、第1底板4a及び第2底板4bの厚さは、本実施形態において限定されるものではない。例えば、第1底板4a及び第2底板4bの厚さが同じである構成、あるいは第2底板4bの厚さが第1底板4aの厚さより厚い構成、とすることもできる。
【0032】
また、上述した棺1によれば、底板4は、側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合されており、側板2及び側板3の底面と底板4の外面とが面一になっている。このため、約180kgの荷重に耐え、全ての霊柩車や火葬炉への移動が円滑にできる。
【0033】
[第2の実施形態]
以上のとおり、本発明の具体的な実施形態を一つ説明したが、上述した実施形態は例示であって、本発明を限定するものではない。例えば、上述の実施形態では、第2底板4bが第1側板2aの下端部の内側の側面に接する構成を例示したが、第2底板4bが側板2の下部に入りこむ構成としてもよい。以下、この発明の第2の実施形態に係る底板4、側板2及び側板3の構成について、第1の実施形態と異なる部分について説明する。
【0034】
図6は、第2の実施形態における底板4と側板2とが接合された状態を示す図である。図6に示すように、側板2には、嵌合溝7に加え、最下部に段差部8が設けられる。段差部8は、第1側板2a及び桟木21に形成される。この段差部8に底板4の第2底板4cが接合される。なお、第2底板4cと側板2の段差部8とは、接着剤により接合される。なお、側板3についても、側板2と同様の構成となるため、説明は省略する。
【0035】
第2の実施形態においては、第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合されるのに加えて、第2底板4cが側板2及び側板3の段差部8に接合される。すなわち、側板2及び側板3の第1側板2a及び桟木21の嵌合溝7及び段差部8の間に形成される内側向きの凸部を、第1底板4aと、第2底板4cと、で挟み込む形となる。これにより、第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合されるだけの構成に比べ、底板4と側板2及び側板3との結合度が向上する。このため、底板4が収容物の重みにより、側板2及び側板3の嵌合溝7から外れることを抑制することができる。さらに、桟木21の底面の一部と、第2側板2bの底面と、底板4の外面(第2底板4cの底面)とが面一になっている。このため、約180kgの荷重に耐え全ての霊柩車や火葬炉への移動が円滑にできる。
【0036】
[第3の実施形態]
次に、この発明の第3の実施形態に係る底板4、側板2、3について、第1及び第2の実施形態と異なる構成について説明する。
【0037】
図7は、第3の実施形態に係る底板4と側板2とが接合された状態を示す図である。図7に示すように、第3の実施形態に係る底板4の第2底板4dは、第1側板2a、桟木21、及び第2側板2bの底面側に接し、側板2を支持する構成となる。なお、第2底板4dの上面側と、桟木21、第1側板2a及び第2側板2bの底面側とは接着剤により接合される。また、側板3についても、側板2と同様の構成となるため、説明は省略する。
【0038】
第3の実施形態においては、第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合されるのに加えて、第2底板4dが側板2及び側板3の底面側に接合される。すなわち、側板2及び側板3の嵌合溝7より下位の部分を、第1底板4aと、第2底板4dと、で挟み込む形となる。これにより、底板4と側板2及び側板3との結合度が向上する。このため、底板4が収容物の重みにより、側板2及び側板3の嵌合溝7から外れることを抑制することができる。
【0039】
また、第2底板4dは、側板2を支持する構成となり、棺1においては、第2底板4dのみが棺1の底面となる。すなわち、棺1の底部の全面が一枚の第2底板4dで構成されることになる。これにより、第3の実施形態においては、第1及び第2の実施形態に比べ、霊柩車や火葬炉への移動がより円滑に行えることになる。
【0040】
[他の実施形態]
以上、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
【0041】
上述した各実施の形態においては、桟木21、22、41及び42と第1側板2a、第2側板2b、第1底板4a及び第2底板4b、4c、4dとの接合には、接着剤を用いる例を示した。しかし各桟木と側板及び底板とを接合する可燃性部材(留め具)は、接着剤に限定されない。例えば、ダボ、プラスチック釘、木釘、竹釘、プラスチックネジ、プラスチック蝶番及びプラスチックタッカー等の可燃性釘を用いて桟木と側板及び底板を接続することもできる。この場合、可燃性釘を側板及び底板の内側及び/又は外側から入れることにより、桟木と側板及び底板が接合される。また、底板4と側板2および側板3との接合箇所、ならびに、側板2と側板3との接合箇所にも、接着剤以外に、上述した各種の可燃性部材を留め具として使用することができる。
【0042】
上述した各実施の形態においては、側板2及び側板3に水平方向に上下2本の桟木を備える例を示したがこれに限定されない。例えば、水平方向に3本以上の桟木を備える構成とすることもできる。さらに、垂直方向の桟木を備えてもよい。側板2及び側板3に用いる桟木の本数が増えることで側板2及び側板3の強度を高めることができる。
【0043】
また、上述した各実施の形態においては、底板4に長手方向に2本、短手方向に6本の桟木を備える例を示したがこれに限定されない。長手方向の桟木を3本以上備える構成とすることも可能である。同様に短手方向の桟木を7本以上備える構成とすることも可能である。底板4に用いる桟木の本数が増えることで底板4の耐荷重性を高めることができる。
【0044】
また、上述した各実施形態においては、各図に図示した各板、桟木等の長さや厚さは図面上に示す長さや厚さの関係に限定されるものではなく、任意に定めることができる。例えば、図5図7等で、第1底板4aと桟木41の垂直方向の厚さが同じに見える例を図示しているが、実際の第1底板4aと桟木41の厚さを限定するものではない。
【0045】
なお、本発明は、以下のように説明することもできる。
【0046】
本発明の第1の構成に係る金具類及び金釘無し棺は、全ての構成要素が可燃性素材で形成されている金具類及び金釘無し棺であって、第1底板と、第1底板の底面側を支持する第1桟木と、第1桟木の底面側を支持し、第1桟木を第1底板とで挟み込むことにより二重構造の棺底板を構成する第2底板と、第1側板と、第1側板の外面側に接合させる第2桟木と、第2桟木の外面側に接合され、第2桟木を第1側板とで挟み込むことにより二重構造の棺側板を構成する第2側板と、を備え、棺底板と棺側板とが接合された状態で第1底板が嵌合される嵌合溝が、第1側板と第2桟木とに設けられる。
【0047】
この第1の構成では、第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7に嵌合された状態で、桟木41が第1底板4aの底面側を支持している。このため、第1底板4aが側板2及び側板3の嵌合溝7から外れることを抑制することができる。また、棺1によれば、第2底板4bが桟木41の底面側を支持している。よって、棺1はいわゆる二重底構造となっている。このため、棺1の耐荷重性を高くすることができる。
【0048】
本発明の第2の構成に係る金具類及び金釘無し棺は、第1の構成の金具類及び金釘無し棺において、第2底板の側面側が、第1側板の内側面に接合され、第2底板の底面と、棺側板の底面と、が面一になっている。
【0049】
この第2の構成によれば、第2底板の底面と、棺側板の底面と、が面一になることにより、約180kgの荷重に耐え全ての霊柩車や火葬炉への移動が円滑にできる。
【0050】
本発明の第3の構成に係る金具類及び金釘無し棺は、第1の構成の金具類及び金釘無し棺において、棺側板は、第1側板と第2桟木の下端部に段差部が形成され、第2底板は、第1側板及び第2桟木の、段差部に接合され、第2底板の底面と、第2桟木の底面の一部と、第2側板の底面と、が面一になっている。
【0051】
この第3の構成によれば、第1底板4aが側板2の嵌合溝7に嵌合されるのに加えて、第2底板4cが側板2の段差部8に接合される。これにより、第1底板4aが側板2の嵌合溝7に嵌合されるだけの構成に比べ、底板4と側板2の結合度が向上する。これにより、棺1の耐荷重性を高くすることができる。
【0052】
本発明の第4の構成に係る金具類及び金釘無し棺は、第1の構成の金具類及び金釘無し棺において、第2底板は、上面側の側端部が棺側板の底面側と接し、棺側板を支持するように形成されている。
【0053】
この第4の構成によれば、第1底板4aが側板2の嵌合溝7に嵌合されるのに加えて、第2底板が棺側板の段差部に接合される。これにより、第1底板4aが側板2の嵌合溝7に嵌合されるだけの構成に比べ、底板4と側板2の結合度が向上する。これにより、棺1の耐荷重性を高くすることができる。さらに、第2底板のみが棺1の底面となることにより、霊柩車や火葬炉への移動が円滑にできる。
【0054】
本発明の第5の構成に係る金具類及び金釘無し棺は、第1〜4の構成の金具類及び金釘無し棺において、第1底板の厚さは、第2底板の厚さより大きい。
【0055】
この第5の構成によれば、側板に嵌合された第1底板の耐荷重性を高くすることができるとともに、第2底板の厚さを第1底板の厚さより薄くすることにより、底板、さらには棺の軽量化を図ることができる。
【符号の説明】
【0056】
1…棺、2、3…側板、2a…第1側板、2b…第2側板、4…底板、4a…第1底板、4b、4c、4d…第2底板、21、22、41、42…桟木、5…蓋板、7…嵌合溝、8…段差部
【要約】
【課題】約180kgの荷重に耐え、かつ、霊柩車や火葬炉への移動が円滑にできる金具類及び金釘無し棺を提供する。
【解決手段】第1底板4aと、第1底板の底面側を支持する第1桟木41と、第1桟木の底面側を支持し、第1桟木を第1底板とで挟み込むことにより二重構造の棺底板を構成する第2底板4bと、を備える。また、第1側板2aと、第1側板2aの外面側に接合させる第2桟木21と、第2桟木の外面側に接合され、第2桟木を第1側板とで挟み込むことにより二重構造の棺側板を構成する第2側板2bと、を備える。棺底板と棺側板とが接合された状態で第1底板が嵌合される嵌合溝7が、第1側板2aと第2桟木21とに設けられている。
【選択図】図5
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7