【文献】
Org. Biomol. Chem.,2017年,15,8361−8370
【文献】
Org. Biomol. Chem.,2012年,10,7078−7090
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記がんが、リンパ腫、黒色腫、直腸結腸がん、乳がん、急性骨髄性白血病、結腸がん、肝臓がん、前立腺がん、膵臓がん、腎臓がん、及びグリア細胞腫からなる群から選択される、請求項20又は請求項22に記載の医薬組成物。
【実施例】
【0118】
以下の略語が実施例を通して使用するされる場合がある。
All:アリル
BOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
DMT:4,4’−ジメトキシトリチル
(DMTO−:
【化54】
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)
Bz:ベンゾイル
ib:イソブチリル
ヒューニッヒ塩基:i−Pr
2NEt(ジイソプロピルエチルアミン)
アリルOH:アリルアルコール
OAll:−OCH
2CHCH
2
ACN:アセトニトリル
All:−CH
2CHCH
2
2−ニトロBnBr:2−ニトロベンジルブロミド
Bz:ベンゾイル
ib:イソブチリル
i−Pr:イソプロピル
CE:シアノエチル
【化55】
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DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
DIAD:ジイソプロピルアゾジカルボキシレート
DCM:ジクロロメタン
DDTT:N,N−ジメチル−N’−(3−チオキソ−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−イル)ホルムイミドアミド
【化56】
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DMOCP:2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド
【化57】
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TBS:t−ブチルジメチルシリル
3H−ベンゾ[c][1,2]ジチオール−3−オン:
【化58】
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【0119】
実施例1−−化合物1aの合成
この合成の全スキームは
図1に示されている。
【0120】
ステップA
【化59】
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【0121】
(2R,3R,4R,5R)−5−(6−ベンズアミド−9H−プリン−9−イル)−2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−4−フルオロテトラヒドロフラン−3−イル(2−シアノエチル)ジイソプロピルホスホルアミダイト(化合物100)(亜リン酸ジアステレオマーの混合物;80.0g、91.332mmol、1当量、ChemGenes社カタログ番号ANP−9151)、アリルアルコール(9.63ml、142mmol、1.55当量)及びトリフェニルホスフィン(38.3g、146mmol、1.60当量)のTHF(1.1L)中混合物に、周囲温度でDEAD(トルエン中40重量%溶液;54.2ml、137mmol、1.5当量)を加えた。周囲温度で撹拌を続け、反応をLC/MSにより監視した。完了した時点(19時間)で、混合物を真空で濃縮(35℃)し、得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(800g×2カラム、0.5%トリエチルアミンで緩衝したn−ヘプタン中40〜60%EtOAc)により精製して、化合物101を白色泡状物として得た(84.2g、定量的収率、亜リン酸ジアステレオマーの混合物)。
1H NMR(3:2 亜リン酸ジアステレオマーの混合物,400MHz,CDCl
3)δ1.14〜1.21(m,12H)2.40(t,J=6.2Hz,1.2H)2.59(t,J=6.2Hz,0.8H)3.27(d,J=8.6Hz,1H)3.52〜3.66(m,5H)3.78(s 2.4H)3.79(s 3.6H)4.28〜4.34(m,1H)4.84〜4.96(m,0.4H)4.99(d,J=5.5Hz,2H)4.95〜5.10(m,0.6H)5.05(d,J=10.9Hz,1H)5.22(br d,J=17.6Hz,1H)5.64(br d,J=53.2Hz,0.6H)5.70(br d,J=51.6Hz,0.4H)5.96〜6.75(m,1H)6.20(d,J=16.0Hz,0.6H)6.24(d,J=17.2Hz,0.4H)6.74〜6.79(m,4H)7.02〜7.06(m,2H)7.17〜7.24(m,8H)7.32〜7.34(m,2H)7.41〜7.44(m,2H)8.11(s,1H)8.52(s,0.4H)8.54(s,0.6H)。
【0122】
ステップB
【化60】
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【0123】
化合物101(3.00g、3.28mmol、1当量)のアセトニトリル(30ml)中溶液に、水(0.118ml、6.55mmol、2.0当量)及びピリジントリフルオロ酢酸塩(0.759g、3.93mmol、1.2当量)を加えた。周囲温度で1分間撹拌した後、tert−ブチルアミン(14.5g、21.0ml、0.20mol、60当量)を加えた。シアノエチル基の開裂が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、反応混合物を真空で濃縮し、アセトニトリルで2回共沸させた。粗製の混合物をDCM(45.0ml)に溶解し、周囲温度で水(0.118ml、6.55mmol、2.0当量)及びNaHSO
4−SiO
2(1.18g、6.55mmol、2当量)で処理した。DMT基の開裂が完結した時点(LC/MSにより監視した、およそ1時間)で、反応混合物を濾過し、DCM/MeOH(9/1、20ml)で2回濯いだ。合わせた濾液を真空で濃縮し、n−ヘプタン/トルエンの1:1混合物(約30ml)で処理した。上層をデカント除去した。同じ操作をn−ヘプタン/トルエン(1/1、30ml)でもう1回繰り返し、下層をアセトニトリルで2回共沸させて、化合物102(100%理論的収率と仮定)を得た。生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
【0124】
ステップC
【化61】
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【0125】
化合物102(1.56g、3.27mmol、1当量)及び化合物101(3.00g、3.28mmol、1当量)のアセトニトリル(30ml)中混合物に、ピリジントリフルオロ酢酸塩(ピリジンを用いて共沸乾燥した;0.760g、3.94mmol、1.25当量)を加えた。5分後、DDTT(0.840g、4.09mmol、1.30当量、ChemGenes社カタログ番号RN−1588)を加え、硫化が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、反応混合物を真空で濃縮した。残留物をDCM(30ml)に溶解し、水(0.57ml、32mmol、10当量)及びDCM(30ml)中6%ジクロロ酢酸(1.56ml、18.9mmol、6.0当量)で処理した。20分後、反応物をピリジン(20ml)でクエンチし、真空で濃縮した。残留物をピリジンで共沸させて、化合物103(3.22g、100%理論的収率と仮定)を得た。生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
【0126】
ステップD
【化62】
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【0127】
化合物103(3.22g、3.15mmol、1当量)のピリジン(100ml)中溶液に、周囲温度でDMOCP(1.45g、7.88mmol、2.50当量)を加えた。マクロ環化が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、水(1.7ml、94.5mmol、DMOCPに対して×10倍)を、続いて3H−ベンゾ[c][1,2]ジチオール−3−オン(0.795g、4.73mmol、1.5当量)を加えた。硫化が完結した時点(およそ40分)で、反応混合物を真空で部分的に濃縮しておよそ15mlにし、飽和NaHCO
3水溶液(50ml)と水(30ml)との混合物中に注ぎ入れた。周囲温度で10分撹拌した後、混合物をEtOAc/MTBEの1:1混合物(60ml×3回)で抽出した。有機層を合わせ、ブライン(25ml)で洗浄し、Mg
2SO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中0〜20%MeOH)により精製して、化合物104(3.31g、3.20mmol、100%理論的収率と仮定)を茶褐色油状物として得た。生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
【0128】
ステップE
【化63】
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【0129】
化合物104(3.31g、3.20mmol、1当量)のアセトニトリル(66.2ml)中溶液に、2−ニトロベンジルブロミド(2.42g、11.2mmol、3.50当量)及びトリエチルアミン(1.78ml、12.8mmol、4.00当量)を加えた。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した、周囲温度でおよそ20時間)で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(60%酢酸エチル/n−ヘプタンから100%酢酸エチル)により精製して、生成物0.568gを亜リン酸ジアステレオマーの混合物として得た。ジアステレオマーを分取HPLC分離して、化合物105(SR異性体;0.225g、0.180mmol、化合物101からの合計収率5.6%)及び化合物106(RR異性体;0.187g、0.149mmol、化合物1からの合計収率4.7%)を得た。
化合物105(SpRp)
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.63(s,1H)、δ=8.61(s,1H)、8.04〜8.00(m,2H)、7.99(s,1H)、7.90(s,1H)、7.65〜7.44(m,8H)、7.40〜7.31(m,4H)、7.25〜7.21(m,4H)、6.15〜5.89(m,5H)、5.61(dd,J=52.0,5.1Hz,1H)、5.55(ddd,J=51.2,4.7,2.7Hz,1H)5.51〜5.42(m,1H)、5.31〜5.22(m,2H)、5.11(dd,J=3.9,9.8Hz,2H)、5.04〜4.95(m,4H)、4.55〜4.37(m,7H)、4.29〜4.12(m,3H)
化合物106(RpRp)
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.65(s,2H)、8.06(dd,J=1.4,8.0Hz,2H)、7.98(s,2H)、7.57〜7.52(m,6H)、7.47〜7.32(m,6H)、7.25〜7.21(m,4H)、6.15(d,J=18.7Hz,2H)、6.09〜5.99(m,2H)、5.82〜5.76(m,2H)、5.60(dd,J=51.8,4.9Hz,2H)、5.27(dd,J=1.2,17.2Hz,2H)、5.12(dd,J=1.0,10.4Hz,2H)、5.06〜4.96(m,4H)、4.55〜4.40(m,4H)、4.36〜4.24(m,4H)、4.21〜4.02(m,2H)
【0130】
分取HPLC条件:
【0131】
【表4】
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【0132】
ステップF
【化64】
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【0133】
化合物105(519mg、0.414mmol、1当量)のトルエン(519ml)中加熱(90℃)溶液に、ホベイダ−グラブス触媒(Hoveyda−Grubbs Catalyst)(商標)第2世代((1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム;(シグマ−アルドリッチ(SIGMA−ALDRITCH)(登録商標)カタログ番号569755にて入手可能;CAS301224−40−8;91mg、0.15mmol、0.35当量)及びキノン(0.102ml、1.243mmol、3.0当量)を加えた。混合物を加熱還流し、反応の進行をLC/MSにより監視した。3時間後、更に触媒(91mg、0.15mmol、0.35当量)を加え、反応を更に3時間続けた。冷却した後、混合物を周囲温度でDMSO(0.59ml、8.3mmol、20当量)にて15時間処理し、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、n−ヘプタン中66%酢酸エチルから100%酢酸エチル)により精製して、化合物107(200mg、0.163mmol、収率39%)を茶褐色乾燥泡状物として得た。
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.19(s,1H)、8.12(dd,J=7.8Hz,1.9Hz,1H)、8.10(s,1H)、8.02(d,J=8.2Hz,1H)、7.89(s,1H)、7.63(br d,J=7.0Hz,1H)、7.53〜7.41(m,10H)、7.35〜7.30(m,2H)、7.25〜7.20(m,4H)、6.23(d,J=17.6Hz,1H)、6.14(d,J=18.8Hz,1H)、5.86〜5.75(m,1H)、5.75(dt,J=15.3,5.0Hz,1H)、5.67(dt,J=15.3,4.7Hz,1H)、5.60(dd,J=52.0,3.9Hz.1H)、5.48(dd,J=50.4,3.9Hz.1H)5.50〜5.39(m,1H)、4.91〜4.64(m,4H)、4.57〜4.25(m,9H)、4.15(d,J=7.03Hz,1H)、4.11(d,J=7.03Hz,1H)。
【0134】
ステップG
【化65】
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【0135】
化合物107(88mg、0.072mmol、1当量)の1,4−ジオキサン(1.76ml)中溶液に、チオフェノール(0.88mL、8.55mmol、119当量)及びトリエチルアミン(0.88mL、6.31mmol、88当量)を加えた。得られた混合物を周囲温度で撹拌した。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した、13時間)で、メタノール(5.28ml)及び28%水酸化アンモニウム(3.52ml)を加え、得られた混合物を50℃に加熱した。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した、5時間)で、混合物を周囲温度に冷却し、得られた茶褐色がかったスラリー液を濾過し、水(15ml)で濯いだ。濾液を再度濾過して、更に固体を除去した。最後の濾液をトルエンとヘプタンとの1:1混合物(30ml)で2回抽出した。水層を真空で濃縮し、次いで水(6ml)に再度懸濁させた。得られた固体を濾別し、濾液を分取HPLCに供して、化合物1のジアンモニウム塩(化合物1aとも称される)(39mg、0.050mmol、収率70%)を白色固体として得た。
化合物1a(SpRp、trans)
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ=9.05(s,1H)、8.33(s,1H)、8.25(s,1H)、8.12(s,1H)、6.34(br s,2H)、5.88(br s,2H)、5.66(br d,J=51.6Hz,1H)、5.59(br d,J=52.2Hz,1H)5.01(br s,2H)、4.68〜4.34(m,6H)、4.07〜3.82(m,2H)、3.79〜3.55(m,2H);
31P NMR(162MHz,CD
3OD)δ=55.48(s,1P)、55.16(s,1P)。
【0136】
化合物1a分取HPLC条件:
【0137】
【表5】
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【0138】
実施例1.1−−化合物1aの代替合成
化合物1aの代替合成経路を
図2Cと同様に
図2A及び
図2Bに示し、以下に報告する。
【0139】
ステージ1
【化66】
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【0140】
化合物129(570g、1.53mol、1重量部、1容量、1当量)をピリジン(2.85L、35.2mol、4.89重量部、5.0容量、23当量)に溶解した。混合物を2.6℃に冷却し、4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(DMTCl;543g、1.60mol、0.953重量部、1.05当量)で処理した。混合物を0〜5℃で2時間撹拌し、次いで周囲温度に加温した。反応をLC/MSにより監視し、終夜撹拌した後、完全に転化していることを確認した。反応混合物を5℃未満に冷却し、MeOH(124ml、3.05mol、0.172重量部、0.217容量、2.0当量)で15分間処理することによりクエンチした。混合物を真空下トルエン(2.00L、3.04重量部、3.51容量)で共蒸発させ、次いでEtOAc(2.850L、4.5重量部、5.0容量)とn−ヘプタン(2.85L、3.42重量部、5.0容量)との混合物で希釈した。有機層を飽和NaHCO
3(水中9重量%溶液;2.0L、3.5容量)で洗浄した。更にEtOAc(2.85L、4.5重量部、5.0容量)を加えて粗生成物を完全に溶解させた。5分間撹拌した後、2層を分離した。有機層を水(2.0L、3.5重量部、3.5容量)で洗浄した。固体が有機層からゆっくり沈澱してきた。水層を分離した。次いで有機層をおよそ1容量に濃縮した。粗生成物をn−ヘプタン(2.00L、2.40重量部、3.51容量)とトルエン(0.50L、0.76重量部、0.88容量)との混合物でスラリー化した。15分間撹拌した後、淡黄色固体を真空濾過により集めた。濾過ケーキを(1)n−ヘプタン(0.60L、0.72重量部、1.05容量)とトルエン(0.30L、0.46重量部、0.53容量)との混合物、次いで(2)n−ヘプタン(3.00L,3.6重量部、5.26容量)で順次濯いだ。固体を30分間加熱せずに乾燥し、次いでトレイに移して真空乾燥機中50℃で終夜乾燥して、化合物130を淡黄色固体として得た(996.7g、1.47mol、1.75重量部、収率97%)。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.99(s,1H)、8.76(s,1H)、8.21(s,1H)、8.04〜8.00(m,2H)、7.64〜7.59(m,1H)、7.57〜7.50(m,2H)、7.41〜7.36(m,2H)、7.32〜7.15(m,7H)、6.83〜6.76(m,4H)、6.31(dd,J=2.5,17.0Hz,1H)、5.68(ddd,J=2.3,4.7,52.7Hz,1H)、4.88〜4.77(m,1H)、4.26〜4.21(m,1H)、3.77(s,6H)、3.57(dd,J=3.1,10.9Hz,1H)、3.43(dd,J=4.1,10.7Hz,1H)、2.60(br s,1H)
【0141】
ステージ1’
【化67】
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【0142】
化合物129(430g、1.15mol、1重量部、1容量、1当量)及びイミダゾール(118g、1.73mol、0.274重量部、1.50当量)をDMF(1.72L、3.78重量部、4.0容量)に溶解し、得られた混合物を5℃に冷却した。TBS−Cl(191g、1.27mol、0.444重量部、1.10当量)を加えた。混合物を0〜11℃で2時間撹拌し、周囲温度にゆっくり加温した(進行をLCMSにより監視した)。TBS−Cl添加後、反応は6時間で完結し、周囲温度で更に20時間更に撹拌した。混合物を2℃に冷却し、メタノール(93ml、74g、2.3mol、0.17重量部、0.22重量部、2.0当量)で10分間処理した。反応混合物をMTBE(1.72L、1.23kg、2.96重量部、4.0容量)とEtOAc(1.72L、1.55kg、3.60重量部、4.0容量)との混合物、続いて飽和NH
4Cl(水中28重量%溶液;2.15L、5.0容量)で希釈した。固体が溶液からゆっくり沈澱してきた。混合物を24℃に加温し、水(1.08L、1.08kg、2.5重量部、2.5容量)を(内温=22℃)に加えた。更に固体が混合物から沈澱し始めた。更に水(1.08L、1.08kg、2.5重量部、2.5容量)及びMTBE(1.40L、1.04kg、2.4重量部、3.3容量)を混合物に加えた。灰白色固体を真空濾過により集めた。反応器を水(320ml、0.74容量)で、次いでMTBE(1.80L、1.33kg、3.10重量部、4.19容量)で濯いで、多少残った固体をフィルターに移した。濾過ケーキを(1)水(1.80L、1.80kg、4.2重量部、4.2容量)、(2)水(1.80L、1.80kg、4.2重量部、4.2容量)、(3)MTBE(0.90L、0.67kg、1.5重量部、2.1容量)とn−ヘプタン(0.90L、0.62kg、1.4重量部、2.1容量)との混合物、(4)MTBE(0.90L、0.67kg、1.5重量部、2.1容量)とn−ヘプタン(0.90L、0.62kg、1.4重量部、2.1容量)との混合物で順次濯いだ。回収固体を40℃で2日かけて真空乾固して、化合物133を白色固体として得た(483g、0.991mol、1.12重量部、収率86%)。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.97(s,1H)、8.82(s,1H)、8.36(s,1H)、8.04〜8.00(m,2H)、7.64〜7.58(m,1H)、7.56〜7.51(m,2H)、6.40(dd,J=2.3,16.0Hz,1H)、5.45(ddd,J=2.7,4.3,53.1Hz,1H)、4.75〜4.66(m,1H)、4.22〜4.17(m,1H)、4.07(dd,J=2.3,11.7Hz,1H)、3.91(dd,J=2.7,11.7Hz,1H)、2.38(dd,J=2.7,7.0Hz,1H)、0.92(s,9H)、0.11(s,3H)、0.11(s,3H)。
【0143】
ステージ2
【化68】
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【0144】
化合物130(993g、1.47mol、1重量部、1容量、1当量)及びイミダゾール(150g、2.20mol、0.151重量部、1.5当量)をDMF(3.48L、3.28kg、3.3重量部、3.5容量)に溶解し、混合物を5℃に冷却した。TBS−Cl(244g、1.62mol、0.245重量部、1.10当量)を加えた。反応物を0〜5℃で2時間撹拌し、周囲温度にゆっくり加温し、LCMSにより監視した。17時間後、更にイミダゾール(100g、1.47mol、0.10重量部、1.0当量)及びTBS−Cl(111g、735mmol、0.112重量部、0.50当量)を加え、周囲温度で2時間及び35℃で2時間撹拌を続けた。得られた混合物を13.6℃に冷却し、MeOH(119ml、2.94mol、2当量)で10分間処理した。分離反応器に、氷(5kg、5重量部)及び飽和NH
4Cl(水中28重量%溶液;5.0L、5容量)を加えた。反応混合物を氷/NH
4Cl混合物に加えた。灰白色固体が溶液から直ちに沈澱し始めた。更に氷2kg(2kg、2重量部)及び水(3.0L、3容量)を混合物に加えた。反応フラスコを水(0.50L、0.5容量)で濯ぎ、濯ぎ液を混合物に加えた。n−ヘプタン(2.00L、2容量)を混合物に加え、10分間撹拌を続けた。灰白色固体を真空濾過により集めた。濾過ケーキを:(1)水(4.0L、4.0容量)、(2)水(4.0L、4.0容量)、(3)n−ヘプタン(4.0L、4.0容量)、(4)n−ヘプタン(4.0L、4.0容量)で濯いだ。回収固体を45℃で4日間真空乾固して、化合物131を灰白色固体として得た(1.095kg、1.39mol、1.10重量部、収率94%)。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=9.09(s,1H)、8.78(s,1H)、8.28(s,1H)、8.02(d,J=7.4Hz,2H)、7.63〜7.59(m,1H)、7.55〜7.50(m,2H)、7.37(d,J=7.1Hz,2H)、7.29〜7.17(m,7H)、6.79(d,J=7.9Hz,4H)、6.29(dd,J=2.9,16.2Hz,1H)、5.60(ddd,J=2.7,3.9,53.1Hz,1H)、4.78(ddd,J=4.7,6.4,15.8Hz,1H)、4.26〜4.22(m,1H)、3.77(s,6H)、3.58(dd,J=3.1,10.9Hz,1H)、3.26(dd,J=3.7,10.7Hz,1H)、0.85(s,9H)、0.10(s,3H)、0.02(s,3H)
【0145】
ステージ3
【化69】
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【0146】
化合物131(1000g、1.27mol、1重量部、1容量、1当量)及びtrans−2−ブテン−1,4−ジオール(オレフィンジオメトリーは
1H−NMRにより確認;335g、3.80mol.0.335重量部、3.0当量)を、THF(3.0L、3.0容量)で2回共沸させた。残留物をTHF(10L、10容量)とトルエン(15L、15容量)との混合物に溶解した。トリフェニルホスフィン(432g、1.65mol、0.432重量部、1.3当量)を加え、次いで反応混合物を−5℃に冷却した。内温を5℃未満に維持しながら、DIAD(0.320L、1.65mol、333g、0.333重量部、0.320容量、1.3当量)を20分かけてゆっくり加えた。反応物を0〜5℃で1時間撹拌し、LCMSにより監視した。氷浴を除去し、混合物を室温に加温した。終夜撹拌した(17時間)後、トリフェニルホスフィン(83g、0.32mol、0.083重量部、0.25当量)及びDIAD(62ml、0.32mol、64g、0.064重量部、0.062容量、0.25当量)を加えた。室温で更に1時間後、反応混合物をMTBE(10L、10容量)で希釈し、半飽和NaCl(水中18重量%溶液;2×4L)で2回洗浄し、真空で濃縮して、濃厚油状物を得た。混合物をMTBE(4.00L、4容量)とn−ヘプタン(0.50L、0.5容量)との混合物に再度溶解し、次いで0℃に冷却した。トリフェニルホスフィンオキシドの種結晶を溶液に加えた。固体が溶液からゆっくり沈澱し始め、終夜撹拌した。白色固体を真空濾過により集め、MTBE(2L、2容量)で濯いで、トリフェニルホスフィンオキシド540gを単離した。濾液を濃縮し、Biotage 150L KP−Sil(SiO
2 5kg;Hep/EtOAc中1%TEAで前処理;溶出液:ヘプタン/EtOAc(1%TEAを含む33%EtOAc(48L)、1%TEAを含む50%EtOAc(24L)、TEAを含む66%EtOAc(24L))→1%TEAを含む100%EtOAc)により精製した。カラムをTLC(2:1EtOAc/n−ヘプタン)により監視した。透明の生成物フラクションを合わせ、真空で濃縮して、化合物132を淡白色泡状固体として得た(634g、14重量%のDIADから誘導された副生成物を含有、正味545g、0.63mol、調整収率50%)。混合物フラクションを合わせ、真空で濃縮して、淡黄色泡状固体(750g)を得、これをBiotage 150M HP−Sphere(SiO
2 2.5kg;Hep/EtOAc中1%TEAで前処理;トルエン溶出液で試料を装填:Hep/EtOAc/1%TEA(1%TEAを含む50%EtOAc(12L)、1%TEAを含む66%EtOAc(16L))→1%TEAを含むEtOAc)による再精製に供した。カラムをTLC(2/1/0.03EtOAc/n−hep/TEA)により監視した。透明の生成物フラクションを合わせ、真空で濃縮して、更に化合物132を淡白色泡状固体として得た(206g、0.24mol、収率18%)。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.58(s,1H)、8.10(s,1H)、7.43〜7.37(m,2H)、7.32〜7.28(m,2H)、7.24〜7.15(m,8H)、7.03〜6.98(m,2H)、6.78〜6.73(m,4H)、6.18(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.88(td,J=5.5,15.6Hz,1H)、5.77(td,J=5.1,15.6Hz,1H)、5.60(ddd,J=2.7,4.3,53.1Hz,1H)、5.03〜4.96(m,2H)、4.91(ddd,J=4.5,6.6,16.6Hz,1H)、4.18〜4.14(m,1H)、3.88〜3.82(m,2H)、3.78(s,6H)、3.52(dd,J=2.7,10.9Hz,1H)、3.14(dd,J=3.5,10.9Hz,1H)、0.85(s,9H)、0.10(s,3H)、0.01(s,3H)。
【0147】
ステージ4
【化70】
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【0148】
化合物132(800g、0.930mol、1重量部、1容量、1当量)及び化合物133(522g、1.07mol、0.652重量部、1.15当量)をTHF(2×3L、2×3.8容量)を用いて共沸乾燥し、室温でTHF(9.60L、8.45kg、12.0容量)に再度溶解した。トリフェニルホスフィン(317g、1.21mol、0.396重量部、1.30当量)を加え、混合物を−5℃未満に冷却した。DIAD(226ml、1.16mol、235g、0.294重量部、0.283容量、1.25当量)を7℃未満の内温で加えた。反応物を室温にゆっくり加温した。反応をLCMSにより監視した。21時間後、反応混合物を真空で濃縮して濃厚油状物にし、n−ヘプタン(2.00、1.37kg、1.71重量部、2.50容量)で共沸させ、次いでMTBE(2.40L、1.78kg、2.2重量部、3.0容量)とn−ヘプタン(800ml、547g、0.68重量部、1.0容量)との混合物に再度溶解した。溶液をトリフェニルホスフィンオキシドで播種し、5℃に冷却し、n−ヘプタン(400ml、274g、0.34重量部、0.50容量)で希釈し、5℃で30分間撹拌した。白色固体沈澱物を真空濾過により集め、MTBEとn−ヘプタンとの2:1(容量/容量)混合物(1.8L)で濯いで、トリフェニルホスフィンオキシド(455g)を得た。濾液を真空下で濃縮し、Biotage 150L KP−Sil(SiO
2 5kg;1%TEAで前処理;トルエン溶出液に溶解することにより試料を装填:9:1ヘプタン/EtOAc(16L)及び15TEA、3.6:1(46L)、2:1(20L)及び1%TEA、1:1(30L)及び1%TEA並びに100%EtOAc(16L)及び1%TEA)により精製した。合わせた透明生成物フラクションを真空で濃縮して、化合物134を灰白色固体泡状物として得た(662.2g)。混合物フラクションを合わせ、真空下で濃縮した(480g)。Biotage 150L上に装填する前にトルエン(300ml)で希釈することにより、生成した白色の不溶性固体を真空濾過により除去した。トルエンに可溶の物質をBiotage 150M HP−Sphere(SiO
2 2.5kg(1%TEAで前処理);トルエンで試料を装填;溶出液:1%TEAを含む2:1ヘプタン/EtOAc(26L)、1%TEAを含む1:1(25L)、1%TEAを含む1:4(34L))により精製した。カラムをTLC(1:1ヘプタン/EtOAc)により監視した。合わせた透明生成物フラクションを真空で濃縮して、更に化合物134を灰白色固体泡状物として得た(165.5g.合計662.2+165,5g=827.7g、930mmol、1.03重量部、収率67%)。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.47(s,1H)、8.39(s,1H)、8.20(s,1H)、8.01(s,1H)、7.38〜7.31(m,5H)、7.27〜7.19(m,6H)、7.14〜7.06(m,3H)、6.93〜6.87(m,2H)、6.76(d,J=8.6Hz,4H)、6.26(dd,J=2.0,16.0Hz,1H)、6.15(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.86(dd,J=4.7,15.2Hz,1H)、5.80(dd,J=4.7,15.2Hz,1H)、5.51(ddd,J=2.7,4.3,52.8Hz,1H)、5.31(ddd,J=2.0,4.3,52.8Hz,1H)、4.87(d,J=4.7Hz,2H)、4.85〜4.81(m,1H)、4.79(d,J=4.3Hz,2H)、4.71〜4.59(m,1H)、4.20〜4.13(m,2H)、4.06(dd,J=2.7,11.3Hz,1H)、3.90(dd,J=2.7,11.7Hz,1H)、3.77(s,6H)、3.52(dd,J=3.1,10.9Hz,1H)、3.18(dd,J=3.9,10.9Hz,1H)、0.92(s,9H)、0.84(s,9H)、0.10(s,3H)、0.09(s,6H)、0.07(s,3H)
【0149】
ステージ5〜6
【化71】
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【0150】
化合物134(410.7g、309mmol、1重量部、1容量、1当量)のピリジン(1.23L、1.21kg、15.2mol、2.9重量部、3.0容量、49当量)中溶液に、亜リン酸ジフェニル(90ml、109g、0.46mol、0.26重量部、0.22容量、1.5当量)を加えた。反応物を室温で撹拌し、LCMSにより監視した。2時間後(転化率80%)、更に亜リン酸ジフェニル(29.9ml、36.2g、155mmol、0.088重量部、0.073容量、0.50当量)を加えた。更に1時間後、更に亜リン酸ジフェニル(6.0ml、7.2g、31mmol、0.018重量部、0.015容量、0.10当量)を加え、反応を更に0.5時間続けた(転化率98%)。内温を4.7〜12℃に維持しながら、反応混合物を飽和NaHCO
3(水中9重量%溶液;2.1L、5容量)と水(1.0L、2.5容量)との混合物に加えた。反応器を少量のEtOAcで濯いだ。室温で30分間撹拌を続け、反応をLCMSにより監視した(転化率100%)。反応混合物をEtOAcとMTBEとの1:1混合物(2×8.2L、2×20容量)で2回抽出した。合わせた有機層を水(4.1L、10容量)で洗浄し、真空で濃縮し、トルエン(3×4.1L、3×10容量;連続供給)と共沸させてピリジンを除去して、化合物135(0.55当量のピリジンが残っていた)を得た。
【0151】
ステージ6−粗製の化合物135を周囲温度でジクロロメタン(3.08L、4.07kg、9.9重量部、7.5容量)に溶解した。内温を25℃未満に維持しながら、水(55.7ml、0.136容量、10当量)を、続いてジクロロ酢酸(77ml、120g、0.93mol、0.29重量部、0.19容量、3.0当量)のDCM(3.08L、7.5容量)中溶液を加えた。(オレンジ色溶液に変化した)。30分後、トリエチルシラン(Et
3SiH;494ml、359g、3.09mol、0.875重量部、1.20容量、10.0当量)(内温は18.2℃から17℃になった)を加え、20分間撹拌を続けた。トリエチルアミン(431ml、313g、3.09mol、0.762重量部、1.05容量、10.0当量)を加えた(内温は17.8℃から22℃になった)。混合物を1.55kg(3.8重量部)に濃縮し、EtOAc(6.2L、5.5kg、14重量部、15容量)に再度溶解し、(1)水(1.0L、2.5容量)及び飽和NaHCO
3(水中9重量%溶液、0.82L、2.0容量)で順次洗浄した。粗生成物EtOAc溶液を−20℃で終夜保管し(0.82L、2.0容量)、翌日溶液を真空で25℃にて濃縮した。このように得られた粗製の混合物(654g)を(1)n−ヘプタン(3.01L、7.5容量)、(2)n−ヘプタン(2.46L,6.0容量)とトルエン(0.82L、2.0容量)との混合物で摩砕した。溶液部分(上澄み液)をデカント除去し、底に残った固体をアセトニトリル(4.1L、10容量)に溶解した。混合物を真空で25℃にて濃縮し、アセトニトリルで2回共沸させて、化合物136を得た。生成物を精製せずに引き続くステージに使用した(理論的収率100%と仮定)。
【0152】
ステージ7
【化72】
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【0153】
ステージ7a 化合物136(337g、309mmol、1重量部、1容量、1当量)を室温で無水ピリジン(13.5L、13.2kg、39重量部、40容量)に溶解した。トリエチルアミン(129ml、927mmol、94g、0.28重量部、0.38容量、3.0当量)を、続いて2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド(DMOCP;103g、556mmol、0.31重量部、1.80当量)を加えた。得られた混合物を周囲温度で30分間撹拌し、化合物137が生成することをLCMS(転化率100%)により監視した。
【0154】
ステージ7b TEA(129ml、927mmol、94g、0.28重量部、0.38容量、3.0当量)、水(100ml、5.56mol、0.30重量部、0.30重量部、18当量)及び硫黄(34.7g、1.08mol、0.10重量部、3.5当量)を、化合物137の上記混合物に加えた。90分後(転化率100%)、内温を30℃未満(16.6℃〜27℃)に維持しながら、NaHCO
3(水中9重量%溶液;3.37L、10容量)を加えた。得られた混合物を濾過して塩を除去した。濾液を真空で濃縮し、MTBE(5.1L、15容量)で希釈し、NaCl(水中30重量%溶液;2×1.35L、2×4容量)で2回洗浄した。不溶の固体を濾別し、濾液を真空で濃縮し、トルエン(4.0L、12容量)で共沸させた。得られた固体を濾別し、粗製の混合物をトルエンに溶解し、Biotage 150L KP−Sil(SiO
2 5kg;Hep/EtOAc/TEA(1.5/1.5/0.03CV)で前処理;EtOAc/TEA(3/0.03CV)、EtOAc/MeOH/TEA(4/0.2/0.04CV)、EtOAC/MeOH/TEA(2/0.2/0.02CV)で溶出)により精製した。カラムをTLC(EtOAC/MeOH/TEA=9/1/0.1)により監視した。Sp異性体を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、化合物138を薄ピンク色泡状固体として得た(Sp異性体;154g、128mmol、0.46重量部、収率41.3%)。Rp異性体を含むフラクションを合わせ、真空で濃縮して、化合物240を薄ピンク色泡状固体として得た(Rp異性体;64g、53mmol、0.19重量部、収率17%)。
化合物138(Sp異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.51(s,1H)、8.50(s,1H)、8.22(s,1H)、8.14(s,1H)、7.49〜7.44(m,2H)、7.38〜7.27(m,4H)、7.25〜7.21(m,2H)、7.14(t,J=7.1Hz,2H)、6.44(dd,J=2.5,13.9Hz,1H)、6.18(d,J=15.2Hz,1H)、5.78(td,J=6.3,15.6Hz,1H)、5.69(td,J=4.7,15.6Hz,1H)、5.56(dd,J=3.9,50.8Hz,1H)、5.20〜5.06(m,1H)、4.95〜4.79(m,4H)、4.69(dd,J=4.3,16.0Hz,1H)、4.54〜4.38(m,3H)、4.35(d,J=5.5Hz,1H)、4.32〜4.29(m,1H)、4.05(dd,J=1.6,11.7Hz,1H)、3.91(dd,J=3.1,11.7Hz,1H)、3.14〜3.06(m,6H)、1.30(t,J=7.4Hz,9H)、0.91(s,9H)、0.90(s,9H)、0.12(s,3H)、0.08(s,3H)、0.06(s,3H)、0.05(s,3H)
化合物240(Rp異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.54(s,1H)、8.38(s,1H)、8.33(s,1H)、8.01(s,1H)、7.39〜7.09(m,10H)、6.39(dd,J=2.3,14.1Hz,1H)、6.13(d,J=17.2Hz,1H)、5.72(d,J=3.1Hz,2H)、5.68(dd,J=4.3,51.2Hz,1H)、5.43〜5.29(m,1H)、5.10〜4.96(m,3H)、4.90〜4.83(m,2H)、4.78〜4.72(m,1H)、4.52(ddd,J=3.9,6.6,17.2Hz,1H)、4.44〜4.35(m,2H)、4.31〜4.26(m,1H)、4.20〜4.12(m,2H)、3.87(dd,J=3.5,11.7Hz,1H)、3.79〜3.77(m,1H)、3.15〜3.09(m,6H)、1.33(t,J=7.4Hz,9H)、0.94(s,9H)、0.89(s,9H)、0.13(s,3H)、0.12(s,3H)、0.10(s,3H)、0.09(s,3H)
【0155】
ステージ8
【化73】
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【0156】
化合物138(221g、183mmol、1重量部、1容量、1当量)を、ピリジン(530ml、6.56mol、519g、2.3重量部、2.4容量)とTEA(2.65L、19.0mol、1.93kg、8.7重量部、12容量、104当量)との混合物に溶解した。トリエチルアミン三フッ化水素酸塩(264ml、1.62mol、262g、1.2重量部、1.2容量、錯体として8.9当量、27当量HF)を加え、転化率をLCMSにより監視しながら、混合物を室温で撹拌した。3時間後(転化率97%)、メトキシトリメチルシラン(TMSOMe;1.40L、10.2mol、1.06kg、4.8重量部、6.3容量、55当量)を加え、30分間撹拌を続けた。粘着性固体が反応器に被覆した。溶液部分(上澄み液)をデカント除去した。固体をトルエン(2×2.2L、2×10容量;上澄み液はデカント除去した)で2回摩砕した。反応器中に残った粗製の固体をジクロロメタン(2.2L、10容量)に溶解し、NH
4Cl(水中28重量%溶液;2.2L、10容量)で洗浄した。水層をジクロロメタン(2.2L、10容量)で逆抽出した。合わせた有機層をNaCl(水中36重量%溶液;1.1L、5容量)と水(1.1L、5容量)との混合物で洗浄し、次いで真空で濃縮して、化合物139を黄褐色乾燥泡状物として得た(152g、155mmol、0.70重量部、収率85%)。粗生成物を精製せずに次のステップに使用した。
【0157】
ステージ9
【化74】
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【0158】
化合物139(150g、153mmol、1重量部、1容量、1当量)をアセトニトリル(4L、27容量)で共沸させ、次いで室温でアセトニトリル(1.05L、0.83kg、5.5重量部、7.0容量)に再度溶解した。2−ニトロベンジルブロミド(44.4g、205mmol、0.30重量部、1.34当量)を室温で加え、反応をLCMSにより監視した。23時間後(転化率100%)、EtOAc(1.50L、10容量)、NH
4Cl(水中28重量%溶液;300ml、2容量)及び水(300ml、2容量)を加え(pH=6)、得られた混合物を真空下25℃で部分的に濃縮して重量を1.11kgにした。EtOAc(2.25L、15容量)を加え、混合物を5分間撹拌した。2層を分離した。水層を酢酸エチル(750ml、5容量)で抽出した。合わせた有機層を(1)NaCl(水中36重量%溶液;300ml、2容量)と水(300ml、2容量)との混合物及び(2)水(600ml,4容量)で順次洗浄した。次いで有機層を真空下で濃縮し、n−ヘプタン(1.50L、10容量)で共沸させた。MTBE(0.95L、6.3容量)を粗製の固体に加え、混合物を40℃で加熱した。混合物をEtOAc(300ml、2容量)で希釈し、0℃にゆっくり冷却した。濃厚固体を安定化させ、上澄み液をガラス製フィルターチューブに通してポンプ除去した。固体をMTBE(2×300ml、2×2容量;各回上澄み液をガラス製フィルターチューブに通してポンプ除去した)で2回濯ぎ、40℃で終夜真空乾固して、化合物140を淡黄色固体として得た(156g)。濾液を真空下で濃縮して茶褐色油状物(17.8g)を得、これをBiotage Snap−Ultra340g(溶出液:EtOAc中0〜5%MeOH)による精製に供して、更に化合物140を淡黄色固体として得た(5.8g)。合計156g+5.8g=161.8g(正味152mmol、純度95%、収率99%)
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.46(s,1H)、8.15(s,1H)、8.10(s,1H)、8.09〜8.06(m,1H)、7.89(s,1H)、7.54〜7.51(m,1H)、7.49〜7.45(m,4H)、7.37〜7.28(m,3H)、7.24〜7.19(m,3H)、7.16〜7.11(m,2H)、6.22(d,J=16.8Hz,1H)、6.14(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.83〜5.61(m,3H)、5.60〜5.48(m,1H)、5.07(dd,J=3.5,51.6Hz,1H)、5.06〜4.96(m,1H)、4.79(dd,J=4.9,15.8Hz,1H)、4.69(d,J=5.9Hz,2H)、4.67〜4.56(m,1H)、4.48〜4.40(m,3H)、4.37〜4.30(m,1H)、4.27(d,J=5.9Hz,2H)、4.19〜4.13(m,1H)、3.93〜3.85(m,1H)、3.85〜3.78(m,1H)
【0159】
ステージ10〜11
【化75】
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【0160】
ステージ10 化合物140(純度95%、正味73.2g、72.3mmol、1重量部、1容量、1当量)及び2−シアノエチルN,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(25.3ml、79.5mmol、0.33重量部、0.35容量、1.10当量)を、無水アセトニトリル(3×2L)で3回共沸させ、ジクロロメタン(0.73L、10容量)に再度溶解し、0〜5℃に冷却した。ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(6.19g、36.1mmol、0.085重量部、0.50当量)を加えた。得られた反応混合物を0℃で10時間撹拌し、2時間かけて10℃に加温し、10℃で10時間保持し、2時間かけて室温に加温した。反応をLCMS及びTLC(0.5%TEAを含むEtOAc)により監視した。18時間後、無水アセトニトリル(0.73L、10容量)を加え、混合物を−20℃で3日間かけて保存した。
【0161】
ステージ11a ステージ10からの混合物を周囲温度に加温し、滴下漏斗によりピリジントリフルオロ酢酸塩(予めピリジンで2回共沸させた;41.9g、217mmol、0.57重量部、3.0当量)とアセトニトリル(5.85L、80容量)との混合物中に少しずつ(30分毎に100mL、9時間かけて)加えた。反応をLCMSにより監視した。13時間後、2−シアノエチルN,N,N’,N’−テトライソプロピルホスホロジアミダイト(5.8mL、18mmol、0.25当量)のアセトニトリル(24mL)中溶液を4時間かけて加えた。更なる量の試薬を残った化合物140を基にして決定した(LCMSを基に約30%)。ジオールの更なる転化が6時間後に観察された。
【0162】
ステージ11b ((ジメチルアミノメチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアゾリン−3−チオン(DDTT;20.8g、101mmol、0.28重量部、1.4当量)を加え、1時間撹拌を続けた。反応混合物を約800mLに部分的に濃縮し、MTBE(1.46L、20容量)、NaHCO
3(水中9重量%溶液;1.1L、15容量)及び水(0.37L、5容量)で希釈した。pH=8。層を分離し、水層をMTBE(1.46L、20容量)とEtOAc(1.10L、15容量)との混合物で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(2×0.73L、2×10容量)で2回洗浄し、真空下35℃で濃縮し、トルエン(1.46L、20容量)で共沸させた。LCMS及びTLC(EtOAc)は、化合物143(SpRp、所望物):化合物241(SpSp)=5:1を示した。
粗生成物をBiotage 150M KP−Sil、(SiO
2 2.5kg;溶出液:EtOAc/Hep:2:1(4CV)、3:1(2.5CV)、4:1(2.5CV)、100%EA(3CV)、EA中5〜10%MeOH(4CV))により精製して、化合物143(36g、31.5mmol、収率44%)を得た。
化合物143(SpRp):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.59(s,1H)、8.10(s,1H)、8.03〜7.99(m,1H)、7.91(s,1H)、7.56〜7.53(m,2H)、7.49〜7.40(m,5H)、7.35〜7.28(m,2H)、7.24〜7.16(m,4H)、6.92(s,1H)、6.29(d,J=14.9Hz,1H)、6.08(d,J=20.7Hz,1H)、5.97〜5.83(m,1H)、5.76(td,J=4.7,15.6Hz,1H)、5.61〜5.51(m,2H)、5.40(d,J=4.3Hz,1H)、5.29〜5.17(m,1H)、4.91(dd,J=7.4,14.9Hz,1H)、4.86〜4.75(m,3H)、4.63(dd,J=3.7,9.2Hz,1H)、4.58〜4.43(m,5H)、4.34〜4.19(m,4H)、2.79(td,J=5.9,16.8Hz,1H)、2.66(td,J=6.3,16.8Hz,1H)。
化合物241(SpSp)
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.11(s,1H)、8.03(d,J=8.2Hz,1H)、7.94(s,1H)、7.90(s,1H)、7.61(s,1H)、7.56〜7.40(m,7H)、7.33〜7.28(m,2H)、7.23〜7.17(m,4H)、6.22(d,J=17.6Hz,1H)、6.15(d,J=18.8Hz,1H)、5.85(dd,J=3.5,51.2Hz,1H)、5.75〜5.45(m,5H)、4.95〜4.23(m,14H)、2.82(t,J=6.1Hz,2H)。
【0163】
ステージ12
【化76】
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【0164】
化合物143(71.6g、62.6mmol、1重量部、1容量、1当量)を1,4−ジオキサン(0.43L、6容量)に溶解した。チオフェノール(215ml、2.09mol、230g、3.2重量部、3容量、>30当量)を、続いてトリエチルアミン(215ml、1.54mol、156g、2.2重量部、3容量)を加えた。多少の発熱が観察され(内温で約7℃の上昇)、そのため水/氷浴を使用して冷却し、内温を27℃未満に制御した。反応をLCMSにより監視した。2時間後、MeOH(0.57L、8容量)及びNH
4OH(28重量%;15mol、0.57L、8容量、>200当量)を加えた。得られた混合物を50℃で5時間加熱し、室温に冷却し、終夜撹拌した。14時間後、水(0.72L、10容量)を加え(固体は観察されなかった)、混合物をn−ヘプタンとトルエンとの1:1(容量/容量)混合物(3×0.86L、3×12容量)で3回、続いてトルエン(0.57L、8容量)で抽出した。水層を真空下40〜50℃で濃縮し、水(1.07L、15容量)で希釈した。得られたスラリー液を室温で終夜維持した。得られた固体を濾別し、水(0.36L、5容量)で濯いだ。濾液はまだ濁っており、セライト及びKunoフィルターに通して濾過した。濁りはまだ残っていた。HCl(水中1.0M溶液;132ml、132mmol、2.1当量)を1時間かけて加え、pHをチェックした(pH<2)。室温で1時間撹拌を続け、混合物を濾過した。濾過ケーキを水(8×0.20L)で濯ぎ、真空乾燥機中35℃で2日間及び加熱せずに1日間乾燥して、化合物1を淡オレンジ色固体として得た(44.88g、60.1mmol、0.63重量部、収率96%)。
【0165】
ステージ13
【化77】
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【0166】
遊離酸の化合物1(22.42g、30.03mmol、1重量部、1容量、1当量)に、アンモニア(MeOH中2.0M溶液;220ml、440mmol、10容量、15当量)を加えた。EtOH(55ml、2.5容量)を加え、得られた溶液をKunoフィルター(0.45ミクロン;PTFE)に通して濾過し、MeOHとEtOHとの1:1(容量/容量)混合物(90mL、4容量)で濯いだ。濾液を真空下30℃で濃縮して灰白色固体を得、これを室温で終夜乾燥し、スパチュラで細かく砕き(砕きやすい)、室温で更に真空乾固した。次いで単離した固体をトルエン(250ml)中で懸濁させ、室温で30分間撹拌した。次いで固体を真空濾過により集め、トルエン(2×50ml)で2回濯いだ。次いで固体を真空乾燥機中で真空乾固して、化合物1a(22.4g、化合物1のジアンモニウム塩)を得た。
【0167】
再結晶化:化合物1a(22.14g、28.36mmol、1重量部、1容量、1当量)を水(664ml、30容量)と水酸化アンモニウム(28重量%;2.5ml、18mmol、0.63当量)(pH=9〜10)との混合物に溶解し、トルエン(3×300ml、3×14容量)で3回、EtOAc(3×200ml、3×9容量)で3回及びトルエン(3×300ml、3×14容量)で3回抽出した。得られた水層をHCl(水中1.0M溶液;90ml、90mmol、3.2当量)で3.5時間かけて処理した(pH≦2)。混合物を30分間撹拌し、次いで固体の沈澱物を真空濾過により集めた。濾過ケーキを水(3×200ml、3×9容量)で3回洗浄し、終夜真空乾固した。アンモニア(MeOH中2.0M溶液;250ml、500mmol、17.6当量)及びエタノール(100ml)を固体に加え、得られた混合物を結晶が生成するまで真空で濃縮(約100ml)し、この時点で濃縮を止め、混合物を20分間撹拌した。エタノール(45mL)を加え、混合物を部分的に濃縮した(45mLを除去)。同じ操作を更に2回繰り返し、次いで混合物を0℃に冷却し、3.5時間撹拌した。白色固体を真空濾過により集め、冷エタノール(20ml)で、続いて酢酸エチル(2×50mL)で洗浄した。白色固体を室温で3日間真空乾固して、化合物1aを白色固体として得た(16.6g、21.3mmol、0.75重量部、収率75%)。濾液を真空下で濃縮し、室温で3日間真空乾固して、化合物1aを灰白色固体として得た(4.16g、5.3mmol、収率18%)。
【0168】
実施例1.2−化合物1の
1H NMR分析
化合物1aの
1H NMRスペクトログラフを
図3に示す。得られたスペクトルは:
1H−NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d
6,δ
H 2.49ppm,80℃)
δ(ppm):3.05〜3.13(4H,m)、3.70(1H,dd,J=13,5Hz)、3.78(1H,dd,J=12,4Hz)、4.21〜4.24(2H,m)、4.28(1H,m)、4.38(1H,m)、4.53〜4.68(2H,m)、5.22(1H,m)、5.76(2H,s)、5.78(1H,m)、6.26(1H,m)、6.29(1H,m)、8.13(1H,s)、8.14(1H,s)、8.36(1H,brs)、8.59(1H,brs)。
【0169】
実施例1.3−化合物1のX線解析
化合物1約2mgを水600uLに溶解した。この溶液120uLを他のガラスバイアルに入れ、次いでこのバイアルを、固定容器中MeCN(3mL)と共に室温で1週間保管した。これは試料調製のH
2O/MeCN蒸気拡散方法である。
【0170】
結晶化溶液に見られた無色板状単結晶(0.1×0.1×0.1mm)を液体のParabar 10312に分散し、Dual−Thicknessマイクロマウント(MicroMounts)(商標)(MiTeGen)上に取り付けた。回折データを−160℃でXtaLAB PRO P200 MM007HF(Rigaku)上にて多層ミラー単色Cu−Kα照射を使用するω軸振動法を用いて集めた。
【0171】
図4Aは、多くの乱れた水分子と共に、非対称単位中の化合物1の分子のORTEP図を示す。
図4Bは、
図4Aからの化合物1の分子の一つの結晶構造を示す。
図4Cは、
図4Aに示した化合物1の他の分子の結晶構造を示す。
【0172】
化合物1の結晶構造を最終R−因子0.1354で解いた。Flackパラメーターはほぼゼロ(0.083(17))であり、化合物1の絶対立体配置が(R、S)であることを示した。結晶構造解析は、多くの水分子が化合物1の大きなチャンネル中に存在していることも示し、これは水分子がチャンネルから容易に抜け出すことができることを示した。解析は、非対称単位の両方の結晶学的に独立している分子の立体配置はほぼ同じであることも示した。
【0173】
更にX線解析のパラメーターを以下に示す:
【0174】
【表6】
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【0175】
実施例2−化合物2の合成
実施例1、ステップEから得られた化合物106(化合物105のRpRp異性体)を実施例1、ステップF及び実施例1、ステップGに通して単独に処理して、化合物2a(化合物1aのRR異性体)を得た:
【化78】
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【0176】
化合物108(RpRp)
1H NMR(400MHz,CDCl
3)δ=8.12(dd,J=8.2,0.8Hz,2H)、7.99(s,2H)、7.96(s,2H)、7.65〜7.48(m,10H)、7.38〜7.33(m,2H)、7.26〜7.24(m,4H)、6.22(d,J=17.6Hz,2H)、5.95〜5.84(m,2H)、5.71(dd,J=50.8,3.9Hz,2H)5.73〜5.71(m,2H)、4.88〜4.77(m,4H)、4.59〜4.38(m,8H)、4.19(m,2H)。
化合物2a(RpRp、trans)
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ=8.70(s,1H)、8.49(s,1H)、8.23(s,1H)、8.09(s,1H)、6.34(br s,2H)、5.83(br s,2H)、5.73〜5.53(m,2H)、5.38〜5.01(m,2H)、4.76〜4.32(m,6H)、3.95(br s,2H)、3.69〜3.64(m,2H);
31P NMR(162MHz,CD
3OD)δ=55.57(s,1P)、55.32(s,1P)。
【0177】
実施例2.1−化合物2のX線解析
化合物2(0.5mg)を秤量し、アセトニトリル/28%アンモニア溶液に溶解した。次いで、この溶液を緩く固定したキャップを用い室温下で貯蔵した。2週間後、棒状形結晶が現れた。
【0178】
結晶化溶液に見られた無色板状単結晶(0.1×0.1×0.5mm)を液体のParabar 10312に分散し、Dual−Thicknessマイクロマウント(商標)(MiTeGen)上に取り付けた。回析データを−160℃でXtaLAB PRO P200 MM007HF(Rigaku)上にて多層ミラー単色Cu−Kα照射を使用するω軸振動法を用いて集めた。
【0179】
図4Dは、化合物2の分子のORTEP図を示す。
【0180】
このX線解析の更なるパラメーターを以下に示す:
【0181】
【表7】
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【0182】
実施例3−化合物3の合成
実施例1、ステップEから得られた化合物109(化合物105のSpSp異性体)を実施例1、ステップF及び実施例1、ステップGに通して単独に処理して、化合物3a(化合物1aのSS異性体)を得た:
【化79】
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【0183】
化合物109(化合物105のSpSp異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.52(s,2H)、7.99(d,J=8.2Hz,2H)、7.91(s,2H)、7.63〜7.40(m,10H)、7.35〜7.28(m,2H)、7.23〜7.16(m,4H)、6.10〜5.93(m,4H)、5.92〜5.75(m,2H)、5.62〜5.50(m,2H)、5.26〜5.16(m,2H)、5.09〜5.03(m,2H)、4.98〜4.91(m,4H)、4.61〜4.25(m,10H)
化合物3a(SpSp,トランス):
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ=8.97(br s,1H)、8.84(br s,1H)、8.21(br s,2H)、6.31(br s,2H)、6.08(br d,J=53.5Hz,1H)、5.89(br s,2H)、5.63(br d,J=52.4Hz,1H)、5.13〜4.96(m,2H)、4.72〜4.32(m,6H)、4.01(br d,J=9.8Hz,2H)、3.67(br s,2H)。
【0184】
実施例4−−化合物4aの合成
シリカゲルクロマトグラフィーによりcis異性体のみとして単離した、実施例2、ステップFから得られた化合物107を実施例1、ステップGに通して単独に処理して、化合物4aを得た。
【化80】
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【0185】
化合物107:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.13(s,2H)、8.12〜8.08(m,2H)、7.91(s,2H)、7.65〜7.55(m,4H)、7.54〜7.45(m,6H)、7.33〜7.27(m,2H)、7.23〜7.16(m,4H)、6.14(d,J=17.6Hz,2H)、5.88(dd,J=3.9,50.8Hz,2H)、5.76〜5.61(m,4H)、5.21〜4.99(m,4H)、4.60〜4.46(m,4H)、4.45〜4.37(m,2H)、4.30〜4.13(m,4H)、3.49(d,J=5.1Hz,2H)
化合物4a(RpRp、1aのcis、化合物4a):
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.48(br s,2H)、8.02(br s,2H)、6.29(d,J=14.8Hz,2H)、5.99(br s,2H)、5.43(d,J=51.2Hz,2H)、5.03〜4.88(m,2H)、4.43(br d,J=11.7Hz,2H)、4.32(br d,J=9.4Hz,2H)、4.27〜4.17(m,2H)、4.21〜4.02(m,2H)、3.97(br dd,J=6.1,12.3Hz,2H)。
【0186】
実施例5−−化合物5の合成
実施例1、ステップFから得られたcis異性体を実施例1、ステップGに通して単独に処理して、化合物5aを得た。
【化81】
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【0187】
化合物111(化合物107のcis異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.48(s,1H)、8.15〜8.09(m,1H)、8.03(d,J=8.2Hz,1H)、7.94(s,1H)、7.75(s,1H)、7.65〜7.06(m,11H)、6.07(d,J=17.2Hz,1H)、5.98(d,J=20.3Hz,1H)、5.97〜5.79(m,1H)、5.84(dd,J=3.5,51.2Hz,1H)、5.54〜5.47(m,1H)、5.50(dd,J=3.9,52.0Hz,1H)、5.38〜5.21(m,2H)、5.18〜5.02(m,2H)、5.02〜4.95(m,1H)、4.78〜4.69(m,1H)、4.60〜4.16(m,10H)
化合物5a(SpRp、1aのcis):
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.88(br s,1H)、8.51(br s,1H)、8.16(s,1H)、8.05(s,1H)、6.38(d,J=15.6Hz,1H)、6.33(d,J=14.1Hz,1H)、6.14〜6.09(m,2H)、6.01(d,J=49.2Hz,1H)、5.42(d,J=49.6Hz,1H)、5.02〜4.87(m,2H)、4.76〜3.92(m,8H)、3.75〜3.56(m,2H)
【0188】
実施例6−−化合物6a(SpRp)の合成
【化82】
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【0189】
化合物1a(1.5mg、2.0μmol)のMeOH/H
2O(0.6/0.5ml)中溶液に、周囲温度で炭素担持水酸化パラジウム(乾燥基準で20重量%、2mg)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を水素(風船)で処理した。出発物が完全に消費された時点で、混合物を濾過し、すべての生成物が無くなるまでメタノールで濯いだ。濾液を真空で濃縮し、残留物を水(1ml)に溶解した。RHPLC精製により化合物6a(0.9mg)を得た。
LCMS(MS m/z 749.2[M+H]
+)
【0190】
実施例7−−化合物9の合成
【化83】
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【0191】
107(3.7mg、3.02μmol)のEtOH(1.5mL)中溶液に、水酸化アンモニウム(1mL)を加えた。得られた混合物を50℃で8時間加熱し、周囲温度に冷却した。溶媒を減圧下で除去した。残留物を水2mLで処理し、得られた固体を濾別した。濾液を分取HPLCに供して、化合物9a(2.5mg)を得た。
化合物9a:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.67(br s,1H)、8.50(br s,1H)、8.25(br s,1H)、8.12(br s,1H)、6.47〜6.28(m,2H)、5.92〜5.79(m,2H)、5.74(d,J=50.8Hz,1H)、5.32(d,J=52.4Hz,1H)、5.16〜4.95(m,2H)、4.71〜4.25(m,6H)、4.17〜3.97(m,2H)、3.83〜3.61(m,2H)。
LCMS:MS m/z 715.2[M+H]
+。
【0192】
実施例8−−化合物8a、11a及び12aの合成経路
出発物として化合物112及び化合物102を用い、化合物8、11及び12を実施例1に記載した手順と同様の反応手順により調製した。
【化84】
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【0193】
フラクションA及びBの分取HPLC条件
【0194】
【表8】
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【0195】
化合物8a:フラクションAをステップG、実施例1に通して処理して2種の異性体を得、これをHPLCにより分離した。化合物8aは早く溶出する異性体(保持時間:4.1分)であり、化合物37aは遅く溶出する異性体(保持時間:4.5分)であった。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=9.01(s,1H)、8.61(s,1H)、8.22(s,1H)、8.20(s,1H)、6.34(d,J=10.2Hz,1H)、6.31(d,J=10.9Hz,1H)、5.92(dd,J=2.7,51.2Hz,1H)、5.85〜5.71(m,2H)、5.37(d,J=51.6Hz,1H)、4.81〜4.56(m,6H)、4.52(br d,J=12.1Hz,1H)、4.42(br d,J=9.4Hz,3H)、4.05(dd,J=4.1,11.9Hz,1H)、3.95(br dd,J=4.3,12.1Hz,1H)、3.94〜3.84(m,1H)、3.62(br dd,J=4.9,15.4Hz,1H)、2.71〜2.58(m,1H)、2.46〜2.33(m,1H)
31P NMR(162MHz,メタノール−d
4)δ=55.36(s,1P)、55.18(s,1P)
LCMS:MS m/z 761.2[M+H]
+
化合物37a:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.95(s,1H)、8.40(s,1H)、8.18(s,1H)、8.15(br s,1H)、6.34(d,J=5.5Hz,1H)、6.31(d,J=6.6Hz,1H)、5.96〜5.68(m,3H)、5.40(dd,J=2.7,51.6Hz,1H)、4.85(s,3H)、4.58(br d,J=12.1Hz,1H)、4.49(br d,J=12.1Hz,1H)、4.43〜4.33(m,3H)、4.29(dd,J=8.6,14.1Hz,1H)、4.05(dd,J=4.5,11.9Hz,1H)、3.95(dd,J=4.9,12.3Hz,1H)、3.94〜3.86(m,1H)、2.67〜2.55(m,1H)、2.52〜2.40(m,1H)。
【0196】
化合物8a/37a 分取HPLC条件:
【0197】
【表9】
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【0198】
フラクションBをステップG、実施例1に通して処理して2種の異性体を得、これを以下に記載した分取−HPLCにより分離した。化合物11aは早く溶出する異性体(保持時間:4.5分)であり、化合物12aは遅く溶出する異性体(保持時間:12.1分)である。
化合物11a:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.63(br s,2H)、8.18(br s,1H)、8.17(br s,1H)、6.34(d,J=13.3Hz,1H)、6.32(d,J=12.9Hz,1H)、5.86〜5.65(m,2H)、5.48(d,J=48.5Hz,1H)、5.35(d,J=43.8Hz,1H)、4.84〜4.53(m,6H)、4.47〜4.36(m,2H)、4.05〜3.91(m,2H)、3.96〜3.85(m,1H)、3.70〜3.54(m,1H)、2.66〜2.54(m,1H)、2.43〜2.30(m,1H)
化合物12a:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.56(br s,1H)、8.41(s,1H)、8.17(s,1H)、7.95(br s,1H)、6.35(d,J=14.8Hz,1H)、6.31(d,J=15.2Hz,1H)、5.82〜5.65(m,2H)、5.50(d,J=51.2Hz,1H)、5.36(d,J=53.9Hz,1H)、4.74〜4.33(m,8H)、4.26〜4.16(m,1H)、4.07〜3.93(m,3H)、2.64〜2.44(m,2H)。
【0199】
化合物11a/12a 分取HPLC条件:
【0200】
【表10】
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【0201】
実施例9−−化合物13及び14の合成経路
出発物として化合物114及び化合物115を用い、実施例1に記載した手順と同様の反応手順プラスTBS脱保護化ステップにより化合物13及び14を調製した。
【化85】
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【0202】
化合物116:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=9.36(s,1H)、9.18(s,1H)、8.77(s,1H)、8.76(s,2H)、8.07(br dd,J=1.8,7.6Hz,3H)、8.05〜8.00(m,2H)、7.99(s,1H)、7.87〜7.82(m,1H)、7.70〜7.65(m,1H)、7.63〜7.55(m,3H)、7.55〜7.41(m,6H)、7.39〜7.35(m,1H)、7.30〜7.26(m,1H)、6.37(d,J=8.6Hz,1H)、5.89(d,J=4.7Hz,1H)、5.36〜5.27(m,2H)、5.15(ddd,J=3.7,8.4,11.7Hz,1H)、4.64〜4.43(m,4H)、4.43〜4.38(m,1H)、4.37〜4.30(m,1H)、4.23〜4.13(m,2H)、4.11〜3.98(m,2H)、3.97〜3.86(m,1H)、0.97(s,9H)、0.83(s,9H)、0.25(s,3H)、0.18(s,3H)、0.16(s,3H)、−0.13(s,3H)。
化合物13a:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.78(br s,1H)、8.47(br s,1H)、8.21(br s,1H)、8.08(br s,1H)、6.44〜6.21(m,1H)、6.19〜6.03(m,1H)、6.01〜5.78(m,2H)、5.38〜4.95(m,2H)、4.67〜4.45(m,5H)、4.45〜4.35(m,1H)、4.34〜4.29(m,1H)、4.25(br d,J=11.3Hz,1H)、4.18〜3.89(m,2H)、3.88〜3.54(m,2H)。
31P NMR(162MHz,メタノール−d
4)δ=56.89(br s,1P)、56.37(br s,1P)
化合物117(化合物116のRp
1Rp
2異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=9.36(br s,1H)、9.11(br s,1H)、8.98(s,1H)、8.87(s,1H)、8.78(s,1H)、8.14〜7.96(m,6H)、7.72〜7.27(m,13H)、6.44(d,J=8.6Hz,1H)、5.84(d,J=6.6Hz,1H)、5.59〜5.50(m,1H)、5.48〜5.44(m,1H)、5.33〜5.24(m,1H)、4.75〜3.85(m,11H)、0.90(s,9H)、0.79(s,9H)、0.20(s,3H)、0.11(s,3H)、0.07(s,3H)、−0.21(s,3H)
化合物14a(化合物13aのRp
1Rp
2異性体)
LCMS:MS m/z 743.17[M+H]
+
【0203】
実施例10−−化合物15及び16の合成経路
【化86】
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【0204】
化合物A(2.63g、2.46mmol)のMeCN(26.3ml)中溶液に、tert−ブチルアミン(13.15ml、124.1mmol)を加えた。周囲温度で1時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮し、MeCNで共沸させた。残留物をMeCN(52.6ml)に溶解し、1−(ブロモメチル)−2−ニトロベンゼン(1.064g、4.925mmol)及びトリエチルアミン(0.755ml、5.42mmol)で処理した。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(66%酢酸エチル/n−ヘプタンから100%酢酸エチル)により精製して、化合物118(0.226g)を得た。単離した生成物をDMF(5mL)に溶解し、臭化アリル(0.046ml、0.528mmol)及び炭酸カリウム(0.073g、0.528mmol)を加えた。進行をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。19時間後、MTBE/EtOAcの1/1混合物(12/12mL)、飽和NH
4Cl水溶液(15ml)及び水(10mL)を加えた。有機層を分離し、ブライン(5mL)で2回洗浄し、MgSO
4で脱水し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(50%酢酸エチル/n−ヘプタンから100%酢酸エチル)により精製して、ビス−アリル化生成物37mgを得た。単離した生成物(37mg、0.027mmol)をトルエン(55mL)に溶解し、穏やかに加熱還流(油浴120〜125℃)した。ホベイダ−グラブス触媒第2世代((1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム;シグマ−アルドリッチ(登録商標)カタログ番号569755にて入手可能;CAS301224−40−8;8.5mg、0.014mmol)及びキノン(5.9mg、0.054mmol)のトルエン(10mL)中溶液を加えた。混合物を加熱還流し、反応の進行をLC/MSにより監視した。出発物が完全に消費された時点で、混合物を周囲温度に冷却し、DMSO(0.059ml、0.81mmol)で15時間処理した。得られた混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 10g、n−ヘプタン中66%酢酸エチルから100%酢酸エチル)により精製して、化合物119(2.2mg)を得た。
化合物119:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.49(s,1H)、8.12(d,J=7.8Hz,1H)、8.05〜8.02(m,1H)、8.02(s,1H)、7.82(s,1H)、7.70〜7.10(m,17H)、6.27(d,J=16.8Hz,1H)、6.15〜6.05(m,1H)、5.97(d,J=8.2Hz,1H)、5.94〜5.72(m,3H)、4.94(br s,2H)、4.86〜4.69(m,2H)、4.67〜4.60(m,1H)、4.60〜4.44(m,4H)、4.39〜4.33(m,1H)、4.31〜4.10(m,6H)、0.96(s,9H)、0.25(s,3H)、0.19(s,3H)
【0205】
化合物119を実施例1のステップGに通して処理し、続いてTEA3HFでTBSを脱保護化して、化合物15aを得た。
化合物15a:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.76(br s,1H)、8.44(br s,1H)、8.24(br s,1H)、8.07(br s,1H)、6.45〜6.19(m,2H)、6.12〜5.75(m,2H)、5.54(br d,J=51.6Hz,1H)、5.67〜5.06(m,2H)、4.66〜4.37(m,3H)、4.47〜4.37(m,1H)、4.36〜4.22(m,2H)、4.17〜3.94(m,2H)、3.94〜3.80(m,1H)3.80〜3.59(m,2H)
【0206】
化合物15に記載した手順と同様の手順により、化合物B(化合物AのRR異性体)から化合物16を得た。
化合物120(化合物119のRp
1Rp
2異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.89(s,1H)、8.10(d,J=8.2Hz,1H)、8.01(d,J=8.2Hz,1H)、7.85〜7.74(m,4H)、7.69〜7.61(m,2H)、7.58(s,1H)、7.55〜7.48(m,1H)、7.45〜7.30(m,6H)、7.22〜7.15(m,1H)、7.13〜7.04(m,3H)、6.76〜6.68(m,1H)、6.31〜6.22(m,1H)、6.22(d,J=16.0Hz,1H)、6.12〜5.99(m,2H)、5.94(d,J=8.2Hz,1H)、5.92〜5.81(m,1H)、5.67(dd,J=3.5,51.2Hz,1H)、5.08〜4.93(m,2H)、4.87〜4.77(m,1H)、4.60〜4.22(m,8H)、4.21〜4.16(m,1H)、4.11〜4.02(m,1H)、3.94(br d,J=11.7Hz,1H)、3.66(dd,J=4.7,11.3Hz,1H)、0.90(s,9H)、0.09(s,3H)、0.08(s,3H)
化合物16a:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.54(br s,1H)、8.24(br s,1H)、8.17(br s,1H)、8.08(br s,1H)、6.44〜6.23(m,2H)、6.07〜5.68(m,2H)、5.43(d,J=50.4Hz,1H)、5.31〜5.05(m,2H)、4.69〜4.26(m,6H)、4.19〜3.90(m,2H)、3.90〜3.57(m,3H)
【0207】
実施例11−−化合物アデニン/グアニン(A/G)類似体の合成経路−−化合物21、化合物22及び化合物23
出発物として化合物121及び化合物101を用い、アデニン/グアニン類似体を実施例1に記載した手順と同様の反応手順により調製した。
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0208】
化合物C、D及びEの分離の分取HPLC条件
【0209】
【表11】
[この文献は図面を表示できません]
【0210】
化合物D:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.60(s,1H)、8.27(s,1H)、8.04〜8.01(m,1H)、8.01(s,1H)、7.99〜7.95(m,1H)、7.80(s,1H)、7.63〜7.51(m,5H)、7.46〜7.41(m,1H)、7.39〜7.30(m,3H)、7.25〜7.20(m,2H)、6.96〜6.84(m,1H)、6.19〜5.99(m,4H)、5.67(dd,J=4.3,52.3Hz,1H)、5.47(dd,J=1.4,17.4Hz,1H)、5.36〜5.24(m,4H)、5.14〜5.09(m,1H)、5.08(d,J=5.5Hz,2H)、5.04〜4.98(m,2H)、4.51〜4.30(m,10H)、4.21〜4.13(m,1H)、2.83〜2.67(m,1H)、1.16(d,J=7.0Hz,3H)、1.14(d,J=6.6Hz,3H)
【0211】
化合物Dを実施例1のステップF及びGに通して処理して、化合物22を得た。
化合物22:LCMS:MS m/z 763.07[M+H]
+
化合物C:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=9.08(s,1H)、8.60(s,1H)、8.07〜8.02(m,2H)、8.02(s,1H)、7.80(s,1H)、7.55〜7.30(m,9H)、7.24〜7.19(m,2H)、6.58〜6.45(m,1H)、6.23〜5.97(m,4H)、5.97〜5.86(m,1H)、5.63〜5.57(m,1H)、5.54〜5.47(m,1H)、5.48〜5.44(m,1H)、5.35〜5.30(m,1H)、5.29〜5.22(m,1H)、5.18〜5.13(m,2H)、5.11〜5.07(m,1H)、5.02〜4.97(m,2H)、4.51〜4.22(m,9H)、4.14〜4.07(m,1H)、2.99〜2.85(m,1H)、1.20(d,J=6.6Hz,3H)、1.17(d,J=7.0Hz,3H)
【0212】
化合物Cを実施例1のステップF及びGに通して処理して、化合物21を得た。
化合物21:LCMS:MS m/z 763.13[M+H]
+
化合物E:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.99(s,1H)、8.57(s,1H)、8.02〜7.94(m,2H)、7.93(s,1H)、7.82(s,1H)、7.68〜7.63(m,1H)、7.60〜7.55(m,1H)、7.54〜7.49(m,2H)、7.45〜7.31(m,5H)、7.25〜7.21(m,2H)、6.22〜5.94(m,6H)、5.56(br dd,J=5.1,51.5Hz,1H)、5.54〜5.46(m,1H)、5.34〜5.29(m,1H)、5.29〜5.22(m,2H)、5.16〜5.08(m,3H)、5.02〜4.96(m,2H)、4.62〜4.54(m,1H)、4.52〜4.26(m,9H)、2.93〜2.81(m,1H)、1.21(d,J=2.3Hz,3H)、1.20(d,J=2.0Hz,3H)
【0213】
化合物Eを実施例1のステップF及びGに通して処理して、化合物23を得た。
化合物23:LCMS:MS m/z 763.18[M+H]
+
【0214】
実施例12−−化合物24の合成
化合物Fを用い、化合物24aを実施例1に記載した手順と同様の反応手順により調製した。
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0215】
化合物24:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.95(br s,1H)、8.29(br s,1H)、8.23(br s,1H)、8.08(br s,1H)、6.31(br d,J=12.9Hz,2H)、6.23〜6.07(m,1H)、6.04〜5.84(m,2H)、5.71(br d,J=50.8Hz,1H)、5.27〜4.32(m,7H)、4.27〜4.16(m,1H)、4.12(dd,J=5.7,11.9Hz,1H)、4.07〜3.98(m,1H)、3.78〜3.62(m,2H)、1.40(d,J=7.0Hz,3H)
【0216】
実施例13−化合物18、化合物19及び化合物20の合成
本合成経路を
図3に示す。
【化89】
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【0217】
9−((2R,3R,4R,5R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−9H−プリン−6−オール(100mg、0.37mmol)及びヒューニッヒ塩基(0.129ml、0.74mmol)のDMF(1ml)中溶液に、20℃でBOP(327mg、0.74mmol)を加えた。混合物を20℃で終夜撹拌した。UPLC−MSは反応が完結していることを示した。溶媒を高真空回転蒸発器で除去した。残留物をDCMに溶解し、Biotage(Si−ゲルカラム24g、ヘプタン中EtOAc=0〜100%、10容量、100%、10容量)を使用して精製して、BOP付加物105mgを収率73%で得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δppm 3.74〜3.84(m,1H)3.92〜4.00(m,1H)4.12〜4.19(m,1H)4.62〜4.74(m,1H)5.37〜5.57(m,1H)6.41〜6.52(m,1H)7.47〜7.55(m,1H)7.57〜7.64(m,2H)8.03〜8.14(m,1H)8.36〜8.46(m,1H)8.86(s,1H)
【0218】
【化90】
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【0219】
(2R,3R,4R,5R)−5−(6−((1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−イル)オキシ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(135mg、0.349mmol)のアリルアルコール(3ml)中溶液に、20℃で炭酸セシウム(500mg、1.535mmol)を加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した。UPLC−MSは反応が完結していることを示した。反応物を飽和NaHCO
3/ブラインで後処理し、EtOAc/Heptで抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過した。濾液中の溶媒及び揮発性有機物を回転蒸発器で除去した。残留物をBiotage(Si−ゲルカラム12g、ヘプタン中EtOAc=0〜100%、10容量、100%、10容量)を使用して精製して、所望のアリル付加物100mgを収率92%で得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δppm 8.56(s,1H)8.47(s,1H)6.29〜6.41(m,1H)6.06〜6.21(m,1H)5.33〜5.53(m,2H)5.22〜5.31(m,1H)5.02〜5.14(m,2H)4.56〜4.71(m,1H)4.10〜4.18(m,1H)3.88〜3.96(m,1H)3.70〜3.79(m,1H)
【0220】
【化91】
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【0221】
ジイソプロピルホスホルアミダイト(150mg、0.164mmol)及び(2R,3R,4R,5R)−5−(6−(アリルオキシ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−2−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−3−オール(76mg、0.246mmol)のアセトニトリル(1069μl、20.47mmol)中溶液に、20℃でモレキュラーシーブス(3A、150mg)を加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した後、1H−イミダゾール−4,5−ジカルボニトリル(38.7mg、0.328mmol)を室温で加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。UPLC−MSは反応が完結していることを示した。(E)−N,N−ジメチル−N’−(3−チオキソ−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−イル)ホルムイミドアミド(37.0mg、0.18mmol)を加えた。UPLC−MSは、硫化が30分で完結していることを示した。反応物を飽和NaHCO
3/ブラインで後処理し、EtOAc/Heptで抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過した。濾液中の溶媒及び揮発性有機物を回転蒸発器で除去した。残留物をBiotage(Si−ゲルカラム25g、ヘプタン中EtOAc=0〜100%、15容量、100%、10容量)を使用して精製した。
1H NMR(500MHz,メタノール−d
4,2つのジアステレオマー約1:1)δppm 8.62〜8.63(m,1H)8.57〜8.58(m,1H)8.48〜8.50(m,1H)8.44〜8.46(m,1H)8.40〜8.41(m,1H)8.38〜8.39(m,1H)8.33〜8.35(m,1H)8.25〜8.27(m,1H)7.22〜7.33(m,11H)7.11〜7.20(m,17H)7.05〜7.11(m,4H)6.83〜6.92(m,6H)6.65〜6.77(m,11H)6.28〜6.41(m,5H)6.23〜6.28(m,2H)6.10〜6.22(m,5H)6.00〜6.10(m,4H)5.89〜6.00(m,5H)5.52〜5.57(m,2H)5.45〜5.52(m,3H)5.41〜5.45(m,1H)5.24〜5.34(m,4H)5.13〜5.17(m,3H)5.07〜5.12(m,5H)4.93〜4.98(m,4H)4.88〜4.93(m,5H)4.73〜4.82(m,3H)4.50〜4.59(m,2H)4.36〜4.48(m,4H)4.27〜4.36(m,5H)4.16〜4.27(m,5H)3.83〜4.04(m,5H)3.73〜3.78(m,13H)3.64〜3.73(m,4H)3.52〜3.58(m,1H)3.45〜3.51(m,2H)3.35〜3.41(m,2H)3.16〜3.23(m,2H)3.08〜3.15(m,2H)2.84〜2.93(m,2H)2.79〜2.83(m,2H)2.70〜2.77(m,2H)2.61〜2.69(m,3H)
【0222】
【化92】
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【0223】
O−((2R,3R,4R,5R)−5−(6−(N−アリルベンズアミド)−9H−プリン−9−イル)−2−((ビス(4−メトキシフェニル)(フェニル)メトキシ)メチル)−4−フルオロテトラヒドロフラン−3−イル)O−(((2R,3R,4R,5R)−5−(6−(アリルオキシ)−9H−プリン−9−イル)−4−フルオロ−3−ヒドロキシテトラヒドロフラン−2−イル)メチル)O−(2−シアノエチル)ホスホロチオエート(120mg、0.104mmol)のアセトニトリル(4171μl、79.852mmol)中溶液に、20℃でモレキュラーシーブス(3A、1重量部)を加えた。混合物を20℃で1時間撹拌した後、トリピロリジノホスフィン(71.6μl、0.311mmol)を加えた。次いでACN中0.45Mテトラゾール(253μl、0.114mmol)を、2分間隔で7回に分けて加えた。TLC(EtOAc/Hept=2:1、RfSM=0.7、RfProd=0.0〜0.6)では完結していなかった。2倍のリン酸化剤及びテトラゾールを加えた。反応混合物を室温で10分間撹拌した。UPLC−MSもTLCもどちらも、出発物が残っていないことを示した。反応混合物を、アセトニトリル(20.8ml)、水(104μl、5.776mmol)及びピリジントリフルオロ酢酸塩(421mg、2.178mmol)を含むフラスコ中に移した。混合物を10分間撹拌した。UPLC−MSは、所望の生成物が生成していることを示した。反応混合物をEtOAcと混合し、HCl[0.1N]/ブラインで、次いで飽和NaHCO
3/ブラインで洗浄して、DMT脱保護化を防いだ。水層をEtOAc(1回)で逆抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、次いで濾過した。濾液中の溶媒及び揮発物を回転蒸発器で除去して粗生成物を得、これを更には精製せずに次のステップに使用した。
【0224】
【化93】
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【0225】
粗製の水素ホスホン酸塩中間体をDCM(2635μl、40.946mmol)及び水(29.5μl、1.638mmol)に溶解した後、DCM(2635μl、40.946mmol)中のジクロロ酢酸(135μl、1.638mmol)を20℃で加えた。混合物を20℃で5分間撹拌した。UPLC−MSは反応が完結していることを示した。反応物をピリジン(510μl、6.308mmol)で中和した。揮発物を回転蒸発器次いで高真空回転蒸発器で除去した。残留物をピリジンでもう1回共沸させた後、環化に使用した。
粗製のDMT脱保護化水素ホスホン酸塩(80mg、0.087mmol)をピリジン(1831μl、22.639mmol)に溶解した後、2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド(48.2mg、0.261mmol)を室温で加えた。混合物を室温で10分間撹拌した。UPLCは2.1分に出発物のピークが無いことを示した。反応を水(47.1μl、2.612mmol)を加え、続いて直ちに3H−ベンゾ[c][1,2]ジチオール−3−オン(21.97mg、0.131mmol)を加えることによりクエンチした。10分後、UPLCは出発物が残っていないことを示した。反応物を室温で1時間撹拌した。UPLC−MSでは何ら変化が見られなかった。反応混合物をEtOAcで希釈し、飽和NaHCO
3及びブラインで洗浄した。有機層をNa
2SO
4で脱水した後、濾過した。溶媒を蒸発させ、残留物をMeOHに溶解した後、NH
3−H
2Oを加えた。混合物を5分間撹拌した後、すべての溶媒及び揮発物を回転蒸発器及び高真空回転蒸発器で除去した。
【0226】
【化94】
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【0227】
CDN中間体をアセトニトリル(1484μl、28.417mmol)及び1,4−ジオキサン(496μl、5.797mmol)に溶解した後、TEA(39.6μl、0.284mmol)及び1−(ブロモメチル)−2−ニトロベンゼン(49.1mg、0.227mmol)を20℃で加えた。混合物を20℃で16時間撹拌した。UPLC−MSは、反応が完結していないことを示した。TLC(EtOAc)もHPLCもどちらも、何らo−ニトロベンジルブロミドが残っていないことを示した。1−(ブロモメチル)−2−ニトロベンゼン(49.1mg、0.227mmol)及びTEA(39.6μl、0.284mmol)を加えた。反応物を5時間撹拌した。反応物を飽和NaHCO
3/ブラインで後処理し、EtOAc/Heptで抽出した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、濾過した。濾液中の溶媒及び揮発性有機物を回転蒸発器で除去した。残留物をBiotage(Si−ゲルカラム12g、ヘプタン中EtOAc=0〜100%、15容量、100%、10容量、EtOAc中10%MeOH、6容量)を使用して精製した。所望の生成物を含むフラクションを合わせた。溶媒を蒸発させて、所望の生成物を得た。分取−TLC(EtOAc)を使用して最も極性の高い異性体を単離し、これを最終生成物である化合物18に誘導した。他の2種の異性体は、分取−TLC(EtOAc/DCM=1:1、3回操作)を使用して分離した。極性の高い方の異性体は化合物19に転換し、極性の低い方の異性体は化合物20に転換した。
【0228】
最初のp−TLC(EtOAc)からの最も極性の高い生成物は、化合物128−1と同定:
1H NMR(500MHz,クロロホルム−d)δppm 8.62(s,1H)8.55(s,1H)8.00〜8.07(m,2H)7.99(s,1H)7.96(s,1H)7.56〜7.64(m,2H)7.48〜7.56(m,3H)7.42〜7.48(m,1H)7.34〜7.42(m,2H)7.29〜7.34(m,1H)7.18〜7.25(m,2H)6.09〜6.21(m,3H)5.98〜6.09(m,2H)5.63〜5.75(m,1H)5.52〜5.63(m,1H)5.42〜5.51(m,2H)5.32(dd,J=10.27,0.98Hz,1H)5.27(dd,J=17.12,1.47Hz,1H)5.13(d,J=5.87Hz,2H)5.09〜5.12(m,1H)4.95〜5.05(m,2H)4.36〜4.54(m,7H)4.23〜4.31(m,2H)4.15〜4.21(m,1H)
2番目のp−TLC(EtOAc/DCM=1:1、3回)からのより極性の高い生成物を、化合物128−2と指定した。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δppm 8.75(s,1H)8.59(s,1H)8.43(s,1H)8.39(s,1H)8.01〜8.07(m,2H)7.38〜7.56(m,7H)7.27〜7.35(m,1H)7.15〜7.26(m,3H)6.45(d,J=19.91Hz,1H)6.38(d,J=19.52Hz,1H)5.95〜6.26(m,4H)5.83(dd,J=51.54,4.69Hz,1H)5.73(dd,J=51.54,4.69Hz,1H)5.46〜5.57(m,1H)5.28〜5.36(m,1H)5.19〜5.28(m,1H)5.16(dt,J=5.56,1.51Hz,2H)5.03〜5.10(m,1H)4.95(br d,J=5.50Hz,2H)4.41〜4.62(m,4H)4.28〜4.40(m,2H)4.12〜4.27(m,4H)
2番目のp−TLC(EtOAc/DCM=1:1、3回)からのより極性の低い生成物を、化合物128−3と指定した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 8.53(s,1H)8.36(s,1H)7.95〜8.02(m,2H)7.95(s,1H)7.89(s,1H)7.53〜7.61(m,2H)7.44〜7.53(m,4H)7.36〜7.44(m,2H)7.25〜7.31(m,1H)7.12〜7.20(m,2H)5.91〜6.18(m,4H)5.85〜5.91(m,1H)5.72〜5.79(m,1H)5.61〜5.72(m,1H)5.47〜5.57(m,1H)5.40〜5.47(m,1H)5.25〜5.32(m,1H)5.15〜5.23(m,1H)4.99〜5.14(m,3H)4.92(d,J=5.47Hz,2H)4.52〜4.60(m,2H)4.37〜4.52(m,4H)4.35(d,J=3.13Hz,1H)4.30(d,J=5.47Hz,1H)4.25(d,J=2.74Hz,1H)4.20(d,J=4.69Hz,1H)
【0229】
【化95】
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【0230】
2−ニトロベンジル保護化CDN(10mg、8.696μmol)のトルエン(20ml、187.761mmol)中還流溶液に、ホベイダ−グラブス触媒第2世代((1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム;シグマ−アルドリッチ(登録商標)カタログ番号569755にて入手可能;CAS301224−40−8;2.73mg、4.348μmol)及びベンゾキノン(2.350mg、0.022mmol)のトルエン(2ml)中溶液を加えた。得られた溶液を4時間還流させた(油浴温度120〜125℃)。TLC(EtOAc、Rf
sm=0.8、Rf
Prod=0.3)及びUPLC−MSは、反応が完結していないことを示した。Ru触媒溶液1mlを加えた。反応物を更に2時間還流させた。まだ多量の未反応出発物が残っていた。更にRu触媒溶液1mlを加えた。反応物を更に2時間還流させた。逆相HPLCで出発物は検知されなかった。反応混合物を室温に冷却し、DMSO(0.019ml、0.261mmol)でクエンチした。溶媒を蒸発させて粗生成物を得、これをSi−ゲルカラム(Si−ゲルカラム10g、50〜100%、15容量、100%、10容量の溶離)上で精製した。所望のMSを有する生成物を含むフラクションを合わせ、回転蒸発させた。残留物を分取−TLC(EtOAc)上でもう1回精製した。
1,4−ジオキサン(0.5ml、5.845mmol)中のpTLCで精製した架橋固定CDN(2.5mg、2.228μmol)(trans異性体)に、20℃でチオフェノール(0.25ml、2.428mmol)及びTEA(0.25ml、1.794mmol)を加えた。混合物を室温で3時間撹拌した。UPLCは、完全に転化していることを示した。
メタノール(1.5ml)を加え、続いてH
2O中29%NH
3(1.0ml)を加えた。得られた混合物を50℃で6時間加熱し、室温に冷却した。反応混合物の懸濁液を濾過し、水(25mL)で濯いだ。水で濯いだ後、濾液中に沈澱物が生成した。濾液を再度濾過して多少の固体を除去した。
得られた濾液をトルエン/Hepの混合物(3回、1/1、各25ml)で抽出した。水層を真空で濃縮し、次いで水(6mL)に溶解した。沈澱物をもう1回濾過した。UPLCは、所望の生成物が生成していることを示した。生成物を同様の方法を使用する逆相HPLCを用いて精製して、他の基部固定CDN類似体を精製した。
化合物18に関して、LCMS:MS m/z 748.11[M+H]
+ 746.15[M−H]
−
化合物19に関して、LCMS:MS m/z 748.06[M+H]
+ 746.17[M−H]
−
化合物20に関して、LCMS:MS m/z 748.09[M+H]
+ 746.21[M−H]
−
【0231】
実施例13−−化合物26の合成
【化96】
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【0232】
化合物151
【化97】
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【0233】
化合物150(0.70g、2.256mmol)のピリジン(10.5ml)中溶液に、0℃で4,4’−ジメトキシトリチルクロリド(0.803g、2.369mmol)を加えた。周囲温度に加温しながら、得られた溶液を終夜撹拌した。完結した時点(LCMSにより監視)で、飽和NH
4Cl溶液(10ml)及びMTBE(20mL)を加えた。層を分離し、水層をMTBE/EtOAc(3/1、12mL)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(5ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、n−ヘプタン中50%〜70%EtOAc)により精製して、化合物151(0.942g)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.47(s,1H)、8.11(s,1H)、7.43〜7.35(m,2H)、7.30〜7.26(m,4H)、7.25〜7.17(m,3H)、6.82〜6.75(m,4H)、6.28(dd,J=2.3,17.6Hz,1H)、6.22〜6.10(m,1H)、5.63(ddd,J=2.7,4.7,53.1Hz,1H)、5.47(qd,J=1.4,17.3Hz,1H)、5.31(dd,J=1.2,10.6Hz,1H)、5.13(t,J=1.4Hz,1H)、5.12(t,J=1.2Hz,1H)、4.89〜4.76(m,1H)、4.21(td,J=3.2,6.8Hz,1H)、3.78(s,6H)、3.55(dd,J=2.7,10.9Hz,1H)、3.44(dd,J=4.3,10.9Hz,1H)、2.29〜2.21(m,1H)。
【0234】
化合物152
【化98】
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【0235】
化合物151(0.942g、1.538mmol)のDMF(7.5mL)中溶液に、周囲温度で3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノ)オキシ)プロパンニトリル(0.927g、3.075mmol)、0.45M1,2,3,4−テトラゾール(2.8mL、1.2mmol)及び1−メチルイミダゾール(30μl、0.38mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で4時間撹拌した。完結した時点(LCMSにより監視)で、TEA(0.50ml、3.6mmol)、DMF(11.3mL,)及び水(1.9mL)を加えた。得られた混合物をn−ヘプタン(各回3mL)で3回抽出した。DMF層を水(4ml)で希釈し、トルエン/n−ヘプタンの混合物(1/1、10mL)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(各回3mL)で2回洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 50g、1%TEAを含むn−ヘプタン中33%〜40%EtOAc)により精製して、化合物152(1.115g、3:2ジアステレオマー混合物)を白色泡状固体として得た。
【0236】
化合物153
【化99】
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【0237】
化合物152(1.115g、1.372mmol)と化合物158(0.650g、2.095mmol)との混合物をMeCN(各回20mL)で2回共沸させた。得られた残留物に、MeCN(20.0ml)及び1H−イミダゾール−4,5−ジカルボニトリル(0.243g、2.058mmol)を加えた。反応が完結した時点(LCMSにより監視)で、反応混合物を(E)−N,N−ジメチル−N’−(3−チオキソ−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−イル)ホルムイミドアミド(0.422g、2.058mmol)で処理した。硫化が完結した時点で、飽和NaHCO
3溶液(20mL)及びMTBE(30mL)を加えた。層を分離し、水層をMTBE/EtOAcの混合物(15/15mL)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(10mL)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 50g、1%TEAを含むn−ヘプタン中33%〜100%EtOAc)により精製して、化合物153(0.88g)を得た。
LC/MS(ESI) m/z 1076.48[M+Na]
+。
【0238】
化合物154
【化100】
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【0239】
化合物153(0.880g、0.835mmol)のピリジン(8.8ml)中溶液に、周囲温度で亜リン酸ジフェニル(0.323ml、1.67mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、LCMSにより監視した。完結した時点で、内温を30℃未満に維持しながら、混合物を飽和NaHCO
3水溶液(13.2ml)と水(4.4ml)との混合物中に加え、EtOAc(8.8ml)で濯いだ。得られた混合物を周囲温度で撹拌し、加水分解をLCMSにより監視した。完結した時点で、混合物をEtOAc/MTBEの混合物(1/1、26mL)で2回抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(3ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をトルエン(各回7mL)で2回共沸させた。粗生成物をジクロロメタン(6.6ml)に溶解し、周囲温度で水(0.15ml、8.35mmol)及びジクロロメタン(6.6ml)中の6%ジクロロ酢酸(0.41ml、5.0mmol)にて処理した。DMT脱保護化が完結した時点(LCMSにより監視)で、トリエチルシラン(2.7ml、17mmol)を加えた。10分撹拌した後、得られた混合物をピリジン(4.4ml)及びTEA(1ml)で処理し、真空で濃縮した。残留物をn−ヘプタン(各回8.8ml)で3回摩砕し、MeCNで2回共沸させた。粗生成物(化合物154)を更には精製せずに次のステップに使用した。
LC/MS(ESI) m/z 814.29[M−H]
−。
【0240】
化合物155
【化101】
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【0241】
化合物154(0.681g、0.835mmol)のピリジン(68ml)中溶液に、周囲温度で2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスホリナン−2−オキシド(0.462g、2.505mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で1時間撹拌し、LCMSにより監視した。完結した時点で、水(0.45ml、25mmol)(10当量のDMOCP)及び硫黄(0.134g、4.175mmol)を加えた。硫化が完結した時点(LCMSにより監視)で、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液(13.6ml)で処理し、真空で濃縮した。残留物をEtOAc(27ml)及び水(13.6ml)で処理した。層を分離し、水層をEtOAc/MTBEの混合物(1/1、27mL)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(13.6ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、EtOAc中0%〜10%MeOH)により精製して、化合物155(0.693g、理論的収率)を得た。
LC/MS(ESI) m/z 830.23[M+H]
+。
【0242】
化合物156
【化102】
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【0243】
化合物155(0.693g、0.835mmol)のアセトニトリル(14ml)中溶液に、周囲温度でtert−ブチルアミン(14ml、131mmol)を加えた。得られた溶液を10分間撹拌し、LCMSにより監視した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、MeCNで2回共沸させた。残留物にアセトニトリル(14ml)及び2−ニトロベンジルブロミド(0.541g、2.51mmol)を加えた。終夜撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 100g、n−ヘプタン中75%〜100%EtOAc及びEtOAc中0%〜10%MeOH)により精製して、化合物156(0.103g)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.59(s,2H)、8.05(br d,J=8.2Hz,2H)、8.03(s,2H)、7.58(d,J=7.4Hz,2H)、7.48(t,J=7.4Hz,2H)、7.45〜7.37(m,2H)、6.20(br d,J=18.8Hz,2H)、6.21〜6.08(m,2H)、5.98〜5.83(m,2H)、5.69(dd,J=4.7,52.0Hz,1H)、5.47(br d,J=17.2Hz,2H)、5.31(br d,J=10.6Hz,2H)、5.14(br d,J=5.5Hz,4H)、4.54〜4.46(m,2H)、4.45〜4.40(m,2H)、4.37〜4.26(m,4H)、4.21〜4.11(m,2H)。
合成手法、NMRデータ(対称的)及びHPLC保持時間(一番遅く溶出する異性体)を基に、本出願人は化合物156がRRのリン立体化学を有していると信じている。この立体化学の配置は、X線結晶構造解析による確認に供することができる。
【0244】
化合物157
【化103】
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【0245】
化合物156(0.103g、0.098mmol)のトルエン(103ml)中溶液に、還流状態でホベイダ−グラブス触媒第2世代((1,3−ビス−(2,4,6−トリメチルフェニル)−2−イミダゾリジニリデン)ジクロロ(o−イソプロポキシフェニルメチレン)ルテニウム;シグマ−アルドリッチ(登録商標)カタログ番号569755にて入手可能;CAS301224−40−8;31mg、0.049mmol)及びキノン(32mg、0.295mmol)のトルエン(10mL)中溶液を加えた。混合物を2時間還流状態で撹拌し、更に触媒(16mg、0.025mmol)を加えた。完結した時点で、反応混合物を周囲温度に冷却し、DMSO(0.14ml、2.0mmol)で終夜処理した。得られた混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 10g、EtOAc中0%〜10%メタノール)により所望の生成物を得、これを分取TLC(EtOAc)により更に精製して、化合物157(3.6mg)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.11(dd,J=1.2,8.2Hz,2H)、8.09(s,2H)、7.68(s,2H)、7.67〜7.58(m,4H)、7.52〜7.48(m,2H)、6.26(d,J=17.6Hz,2H)、6.02〜5.97(m,2H)、5.97〜5.88(m,2H)、5.68(dd,J=3.9,50.8Hz,2H)、5.15(br d,J=10.9Hz,2H)、4.99(br d,J=10.9Hz,2H)、4.56〜4.44(m,8H)、4.25(br t,J=6.1Hz,2H)。
【0246】
化合物26
【化104】
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【0247】
化合物157(3.6mg、3.5μmol)に、1,4−ジオキサン(0.11mL)、チオフェノール(0.045mL、0.44mmol)及びTEA(0.054mL、0.39mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完全に転化した時点で、水(0.5mL)を加えた。得られた混合物をn−ヘプタン/トルエンの混合物(1/1、各回0.4mL)で3回、次いでトルエン(0.3mL)で抽出した。水層を真空で濃縮し、水(0.5mL)で処理した。得られた固体を濾別し、水(0.5mL)で濯いだ。合わせた濾液を凍結乾燥して、ビス−TEA塩の化合物26(2.0mg)を白色泡状固体として得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.67(s,2H)、8.18(s,2H)、6.41(d,J=14.8Hz,2H)、6.07〜6.01(m,2H)、5.56(dd,J=3.1,51.2Hz,2H)、5.48〜5.41(m,2H)、5.08(br d,J=12.1Hz,2H)、4.99〜4.88(m,2H)、4.52(br d,J=12.5Hz,2H)、4.40(br d,J=9.8Hz,2H)、3.98(dd,J=5.7,12.3Hz,2H)、3.14(q,J=7.4Hz,12H)、1.27(t,J=7.4Hz,18H)。
【0248】
実施例15−−化合物27の合成
図2Bに示した化合物1の経路のステージ11における副生成物である化合物159から、化合物27を調製した。
【化105】
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【0249】
化合物159(2.0g、1.75mmol)のメタノール(24ml)中溶液に、28%水酸化アンモニウム(12ml)を加えた。得られた混合物を50℃で5時間撹拌し、周囲温度に冷却した。完結した時点(LCMSにより監視)で、反応混合物を周囲温度に冷却し、水(20ml)で処理し、トルエン/EtOAcの混合物(1/1、各回24mL)で3回抽出した。水層を1.0M塩酸(3.5ml、3.5mmol)で酸性化し、周囲温度で30分間及び0℃で30分間撹拌した。得られたスラリー液を濾過し、水(20mL)で濯いだ。ケーキを真空乾燥機中35℃で終夜乾燥し、28%NH
4OH(2mL)とMeOH(20mL)との混合物で溶解した。得られた溶液を真空で濃縮し、EtOH(4ml)で処理してスラリー液を得た。得られた固体を濾取し、真空乾固した。化合物27(70mg)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=9.03(br s,1H)、8.31(br s,1H)、8.26(br s,1H)、8.13(br s,1H)、6.43〜6.24(m,2H)、5.97〜5.83(m,2H)、5.71(br d,J=51.6Hz,1H)、5.64(br d,J=50.0Hz,1H)、5.12〜4.99(m,1H)、4.96〜4.90(m,1H)、4.68〜4.32(m,6H)、4.14〜3.97(m,2H)、3.77〜3.62(m,2H)。
【0250】
実施例16−−化合物28の合成
【化106】
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【0251】
化合物27と同様の方法を使用して、
図2Bに示した化合物1の経路のステージ11における生成物である化合物160から、化合物28を調製した。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.70(br s,1H)、8.49(br s,1H)、8.24(br s,1H)、8.10(br s,1H)、6.52〜6.26(m,2H)、5.94〜5.78(m,2H)、5.69(br d,J=54.7Hz,1H)、5.48〜5.26(m,1H)、5.14(br d,J=53.1Hz,2H)、5.06〜4.94(m,1H)、4.74〜4.19(m,4H)、4.10〜3.93(m,2H)、3.76〜3.58(m,2H)
【0252】
実施例17−−化合物29の合成
【化107】
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【0253】
化合物162
【化108】
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【0254】
化合物161(5.0g、6.329mmol)及びブタ−2−イン−1,4−ジオール(1.907g、22.153mmol)をTHFで2回共沸させた。残留物をTHF(50.0ml)及びトルエン(75ml)に溶解した。トリフェニルホスフィン(2.158g、8.228mmol)を加え、得られた溶液を5℃未満に冷却した。内温を10℃未満に維持しながら、DIAD(1.60ml、8.23mmol)を滴下添加した。進行をLCMSにより監視しながら、得られた溶液を0〜5℃で撹拌した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮して、ほとんどのTHFを除去した。残留物をMTBE(50.0ml)で希釈し、30%NaCl水溶液(各回40.0ml)で2回及び水(各回25ml)で2回洗浄した。有機溶液を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 100g、1%TEAで緩衝したn−ヘプタン中50%〜70%EtOAc)により精製して、化合物162(4.671g)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.61(s,1H)、8.14(s,1H)、7.43(d,J=7.2Hz,2H)、7.33〜7.27(m,3H)、7.24〜7.18(m,8H)、7.05〜7.01(m,2H)、6.76(d,J=8.6Hz,4H)、6.20(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.59(td,J=3.1,53.1Hz,1H)、5.19(br d,J=2.3Hz,2H)、4.93〜4.83(m,1H)、4.18〜4.15(m,1H)、4.01(br d,J=6.3Hz,2H)、3.78(s,6H)、3.53(dd,J=2.7,10.9Hz,1H)、3.17(dd,J=3.7,11.1Hz,1H)、0.85(s,9H)、0.10(s,3H)、0.02(s,3H)。
【0255】
化合物164
【化109】
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【0256】
化合物162(4.671g、5.444mmol)、化合物163(3.32g、6.805mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.856g、7.077mmol)をTHF(56.1ml)に溶解し、5℃未満に冷却した。内温を10℃未満に維持しながら、得られた溶液にDIAD(1.3ml、6.8mmol)を加えた。化合物162が完全に消費された(LCMSにより監視)後、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 340g、1%TEAで緩衝したn−ヘプタン中55%〜70%EtOAc)により精製して、化合物164(3.879g)を白色泡状固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.51(s,1H)、8.45(s,1H)、8.20(s,1H)、8.05(s,1H)、7.41(d,J=7.1Hz,2H)、7.36〜7.32(m,4H)、7.28〜7.13(m,8H)、6.98(t,J=7.8Hz,2H)、6.79〜6.74(m,4H)、6.29(dd,J=2.0,16.4Hz,1H)、6.19(dd,J=2.7,17.2Hz,1H)、5.53(ddd,J=2.7,4.7,53.1Hz,1H)、5.33(ddd,J=2.0,3.9,53.1Hz,1H)、5.23〜5.21(m,1H)、5.05〜5.01(m,2H)、4.99〜4.94(m,2H)、4.81(ddd,J=4.3,6.7,16.7Hz,1H)、4.71〜4.60(m,1H)、4.21〜4.14(m,2H)、4.08〜4.03(m,1H)、3.89(dd,J=3.1,11.7Hz,1H)、3.77(s,6H)、0.91(s,9H)、0.84(s,9H)、0.09(s,3H)、0.08(s,6H)、0.00(s,3H)。
【0257】
化合物165
【化110】
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【0258】
化合物164(1.5g、1.13mmol)のピリジン(12.0ml)中溶液に、周囲温度で亜リン酸ジフェニル(0.35ml、1.8mmol)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、内温を30℃未満に維持しながら、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液(22.5ml)と水(7.5ml)との混合物中に加えた。加水分解が完結した時点(LCMSにより監視)で、得られた混合物をEtOAc/MTBEの混合物(30.0/30.0ml)で2回抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(15.0ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をトルエンで3回共沸させ、周囲温度でジクロロメタン(11ml)、水(0.20ml、11mmol)及びジクロロメタン(11ml)中6%ジクロロ酢酸(0.57ml、6.9mmol)に溶解した。DMT基を完全に除去した(LCMSにより監視)後、トリエチルシラン(1.8ml、11mmol)を加えた。10分撹拌した後、TEA(1.6ml、11mmol)を加え、得られた混合物を真空で濃縮した。残留物をEtOAc(22.5ml)に溶解し、水(3.8ml)及び飽和NaHCO
3水溶液(8%)(3.0ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をn−ヘプタン(33.8ml)及びn−ヘプタン(9.0ml)とトルエン(3.0ml)との混合物で2回摩砕した。上澄み液をデカント除去し、底に残った固体をアセトニトリルに溶解した。得られた溶液を真空で濃縮し、アセトニトリルで2回共沸させた。粗生成物、化合物165、を精製せずに次のステージに使用した(理論的収率100%と仮定)。
LC/MS(ESI) m/z 1089.74[M+H]
+。
【0259】
化合物166
【化111】
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【0260】
化合物165(1.231g、1.13mmol)のピリジン(100mL)中溶液に、周囲温度でTEA(0.47ml、3.4mmol)及びDMOCP(0.375mg、2.03mml)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、水(0.41mL、22.6mmol)次いで硫黄(0.181g、5.651mmol)を加えた。硫化が完結した時点(LCMSにより監視)で、飽和NaHCO
3水溶液(8%)(24.6ml)及び水(10mL)を加えた。得られた混合物を約50mLに真空で濃縮し、各回MTBE/EtOAcの混合物(31/31ml)で2回抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(25ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 100g、1%TEAで緩衝した酢酸エチル中0〜10%メタノール)により精製して、化合物166(0.484g)を得た。
LC/MS(ESI) m/z 1103.65[M+H]
+。
【0261】
化合物167
【化112】
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【0262】
化合物166(0.484g、0.402mmol)のピリジン(1.2ml)及びTEA(5.8ml)中溶液に、周囲温度でEt
3N 3HF(0.581ml、3.563mmol)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完全に転化した時点で、メトキシトリメチルシラン(3.9ml、28mmol)を加えた。周囲温度で20分撹拌した後、上澄み液をデカント除去した。残留物にトルエン(5mL)を加え、10分撹拌した後、トルエン層をデカント除去した。同じ操作をもう一回繰り返した。得られた粗生成物をジクロロメタン(10mL)に溶解し、飽和NH
4Cl水溶液(27重量%)(5ml)及び30%NaCl水溶液(2.4ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水した。濾過し、続いて得られた有機層を濃縮して、淡茶褐色固体0.386gを得、これをMeCNで2回共沸させた。得られた粗生成物をMeCN(4.6ml)に溶解し、周囲温度で2−ニトロベンジルブロミド(0.103g、0.475mmol)で処理した。アルキル化が完結した(LCMSにより監視)後、反応混合物を真空で濃縮し、シリカ−ゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、EtOAc中0〜5%MeOH)により精製して、化合物167(0.251g)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.42(br s,1H)、8.31(br s,1H)、8.22(br s,1H)、8.10〜8.04(m,1H)、7.93(s,1H)、7.53〜7.37(m,8H)、7.32〜7.27(m,3H)、7.24〜7.16(m,2H)、6.18(br d,J=16.8Hz,1H)、6.26〜6.14(m,1H)、5.56(d,J=53.1Hz,1H)、5.48〜5.37(m,1H)、5.31(br s,1H)、5.15(br d,J=17.6Hz,1H)、4.92(d,J=17.6Hz,1H)、4.82(d,J=17.2Hz,1H)、4.88〜4.77(m,1H)、4.76〜4.66(m,1H)、4.58〜4.33(m,3H)、4.29(br d,J=5.9Hz,1H)、4.21(br s,1H)、4.13〜4.06(m,1H)、3.93〜3.79(m,2H)。
【0263】
化合物168
【化113】
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【0264】
化合物167(0.224g、0.222mmol)及び3−(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノオキシ)プロパンニトリル(0.081ml、0.255mmol)をMeCN(5mL)に溶解し、濃縮した。同じ操作を更に2回繰り返した。得られた混合物をジクロロメタン(2.2ml)に溶解し、0℃に冷却し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(0.019g、0.111mmol)で処理した。反応混合物を終夜周囲温度にし、MeCN(2.2mL)で希釈した。得られた溶液を、シリンジポンプによりピリジントリフルオロ酢酸塩(0.129g、0.665mmol)のMeCN(18ml)中溶液中に10時間かけて加えた。更に1時間撹拌した後、MeCN(1mL)中の3−(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノオキシ)プロパンニトリル(0.04mL、0.12mmol)を4時間かけて加えた。(E)−N,N−ジメチル−N’−(3−チオキソ−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−イル)ホルムイミドアミド(0.064g、0.311mmol)を加えた。硫化が完結した時点(LCMSにより監視)で、反応混合物を真空で濃縮し、得られた残留物をMTBE(4.5ml)で溶解した。得られた有機溶液を飽和NaHCO
3水溶液(8%)(4ml)及び水(2ml)で洗浄した。合わせた水層をMTBE/EtOAcの混合物(4/4mL)で逆抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(各回2mL)で2回洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、n−ヘプタン中50%〜100%EtOAc)により精製して、化合物168(64mg)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.57(s,1H)、8.18(s,1H)、8.06〜8.01(m,1H)、7.91(s,1H)、7.62〜7.56(m,2H)、7.55〜7.50(m,2H)、7.49〜7.43(m,3H)、7.42〜7.34(m,2H)、7.30〜7.18(m,5H)、6.33(d,J=15.2Hz,1H)、6.10(d,J=20.7Hz,1H)、5.95〜5.77(m,1H)、5.54(dd,J=4.3,52.8Hz,1H)、5.46(dd,J=3.9,50.8Hz,1H)、5.32〜5.18(m,1H)、5.10(d,J=17.6Hz,1H)、4.89(d,J=17.6Hz,1H)、4.85〜4.81(m,2H)、4.78(br d,J=12.1Hz,1H)、4.64(br dd,J=4.1,9.2Hz,1H)、4.55(dd,J=2.7,12.1Hz,1H)、4.52〜4.44(m,3H)、4.38〜4.20(m,4H)、2.75(td,J=6.3,17.6Hz,1H)、2.58(td,J=5.9,17.2Hz,1H)。
【0265】
化合物29
【化114】
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【0266】
化合物168(40mg、0.035mmol)の1,4−ジオキサン(0.5mL)中溶液に、チオフェノール(0.24ml、2.3mmol)及びTEA(0.24ml、1.7mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、メタノール(0.64ml)及び28%水酸化アンモニウム(0.64ml)を加えた。得られた混合物を50℃に加熱し、5時間撹拌し、周囲温度に冷却した。脱保護化が完結した時点(LCMSにより監視)で、得られた混合物を水(0.80ml)で処理し、n−ヘプタン/トルエンの混合物(1/1、各回0.5mL)で3回、次いでトルエン(0.3ml)で抽出した。水層を真空で40〜50℃にて濃縮し、水(1mL)で処理した。得られた固体を濾別し、水(0.3ml)で濯いだ。合わせた濾液を1.0M HCl(0.07ml、0.07mmol)で処理した。得られたスラリー液を濾過し、水(1mL)で濯いだ。濾過ケーキをアンモニアのMeOH中2.0M溶液(1.0ml、2.0mmol)で溶解した。得られた溶液を真空で濃縮して0.5mLにし、EtOH(0.5ml)で処理した。同じ操作を更に2回繰り返した。得られた溶液にEtOAc(0.9mL)を滴下添加した。沈澱物が生成した。得られた固体を濾取し、EtOAc/EtOHの4/1混合物(0.4mL)で濯ぎ、周囲温度で終夜真空乾固した。化合物29(12mg)を得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.88(br s,1H)、8.50(br s,1H)、8.20(br s,1H)、8.12(br s,1H)、6.42〜6.17(m,2H)、5.84〜5.54(m,1H)、5.52(d,J=51.6Hz,1H)、5.06〜4.78(m,2H)、4.77〜4.55(m,3H)、4.49(br d,J=10.2Hz,1H)、4.42(br s,2H)、4.09〜3.77(m,4H)。
【0267】
実施例18−−化合物25の合成
【化115】
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【0268】
化合物170
【化116】
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【0269】
ホベイダ−グラブス触媒第2世代(0.996g、1.585mmol)のジクロロメタン(40.0ml)中溶液に、還流状態でプロパ−2−エン−d5−1−オール(10.0g、158mmol)を加えた。1時間後、更に1mol%のホベイダ−グラブス触媒第2世代(0.996g、1.585mmol)を加えた。得られた溶液を還流状態で終夜撹拌し、周囲温度に冷却し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 340g EtOAc中0%〜10%MeOH)により精製して、化合物170(4.2g)を茶褐色油状物として得た。
13C NMR(101MHz,メタノール−d
4)δ=130.87(t,J=23.8Hz,2C)、62.22(五重線,J=21.9Hz,2C)。
【0270】
化合物171
【化117】
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【0271】
出発物として化合物170を用い、化合物171を
図2A及び
図2B中の化合物1の合成経路に記載した手順と同様の反応手順(ステージ1〜11)により調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.59(s,1H)、8.10(s,1H)、8.02〜7.96(m,1H)、7.93(s,1H)、7.58〜7.50(m,2H)、7.48〜7.37(m,5H)、7.34〜7.27(m,2H)、7.24〜7.14(m,4H)、6.90(s,1H)、6.28(d,J=14.8Hz,1H)、6.14〜6.03(m,1H)、5.97〜5.81(m,1H)、5.49(dd,J=4.7,52.3Hz,2H)、5.43(dd,J=3.9,50.8Hz,1H)、5.30〜5.15(m,1H)、4.75(br d,J=12.1Hz,1H)、4.61(br dd,J=4.3,9.4Hz,1H)、4.53(dd,J=2.9,11.9Hz,1H)、4.47〜4.41(m,3H)、4.32〜4.18(m,4H)、2.79(td,J=7.0,17.2Hz,1H)、2.66(td,J=6.3,16.8Hz,1H)
【0272】
化合物25
【化118】
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【0273】
出発物として化合物171を用い、化合物25を
図2A及び
図2Bに記載した手順と同様の反応手順(ステージ12〜13)により調製した。
1H NMR(400MHz,CD
3OD)δ=9.03(br s,1H)、8.30(br s,1H)、8.24(br s,1H)、8.10(br s,1H)、6.44〜6.13(m,2H)、0.00(d,J=52.4Hz,1H)、0.00(d,J=51.2Hz,1H)、4.71〜4.32(m,6H)、4.09〜3.98(m,1H)、3.97〜3.87(m,1H)。
【0274】
実施例19−−化合物31(RpRp又はSpSpのいずれか)の合成
【化119】
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【0275】
化合物173
【化120】
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【0276】
(E)−ブタ−2−エン−1,4−ジオール(0.10g、1.135mmol)と化合物172(2.52g、2.55mmol)との混合物を、THFで2回共沸させ、THF(5.0ml)及びトルエン(7.5ml)に溶解した。得られた溶液にトリフェニルホスフィン(0.714g、2.724mmol)を加えた。得られた溶液を5℃未満に冷却し、内温を10℃未満に維持しながら、DIAD(0.53ml、2.72mmol)で処理した。周囲温度に加温しながら、得られた反応混合物を終夜撹拌した。反応が完結した時点(LCMSにより監視)で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン中1%TEA/EtOAc(1/1)、n−ヘプタン中50%〜66%EtOAcで予め処理したSiO
2 50g)により精製して、化合物173(2.46g)を白色泡状固体として得た。この物質を更には精製せずに次のステップに使用した。
【0277】
化合物174
【化121】
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【0278】
化合物173(2.387g、1.177mmol)のアセトニトリル(28.6ml)中溶液に、周囲温度で水(0.085ml、4.7mmol)、ピリジントリフルオロ酢酸塩(0.500g、2.589mmol)を加えた。1分後、2−アミノ−2−メチルプロパン(19.1ml、182mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、MeCNで共沸させた。残留物をジクロロメタン(24mL)に溶解し、水(0.42ml)及びジクロロメタン(24ml)中6%ジクロロ酢酸(1.2ml、14mmol)で処理した。DMTの脱保護化が完結した時点(LCMSにより監視)で、反応をピリジン(12ml)でクエンチし、反応混合物を真空で濃縮した。得られた残留物をn−ヘプタン/トルエンの混合物(15/15ml)で処理し、上層をデカント除去した。同じ操作をもう一回繰り返した。残った残留物を真空乾固して化合物174を得、これを更には精製せずに次のステップに使用した。
LC/MS(ESI) m/z 1151.64[M+H]
+。
【0279】
化合物175
【化122】
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【0280】
化合物174(1.355g、1.177mmol)のピリジン(271ml)中溶液に、周囲温度でTEA(0.98ml、7.1mmol)及び2−クロロ−5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサホスフィナン2−オキシド(0.869g、4.708mmol)を加えた。すべての出発物が消費されるまで(LCMSにより監視)、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。反応が完結した時点で、水(0.85ml、47mmol)(10当量のDMOCP)、次いで硫黄(0.377g、11.77mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。硫化が完結した時点で、反応混合物を飽和NaHCO
3水溶液(27ml)及び水(10mL)で処理し、真空で濃縮した。得られた残留物に、MTBE/EtOAcの混合物(34/34ml)、飽和NaHCO
3水溶液(27ml)及び水(20mL)を加えた。層を分離し、水層をEtOAc/MTBEの混合物(34/34mL)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(7ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 50g、1%TEAを含むEtOAc中0%〜20%MeOH)により精製して、化合物175(56mg、NMRを基に対称的;RpRp又はSpSp異性体のいずれか)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=9.09(s,2H)、8.46(s,2H)、7.56〜7.05(m,10H)、6.37(d,J=8.2Hz,2H)、6.28〜6.22(m,2H)、5.29(ddd,J=4.7,7.8,11.7Hz,2H)、5.00(br d,J=13.7Hz,2H)、4.84(d,J=4.3Hz,2H)、4.76(br d,J=13.3Hz,2H)、4.31(br s,2H)、4.28〜4.20(m,2H)、4.16〜4.08(m,2H)、3.00〜2.77(m,12H)、1.12〜0.99(m,18H)、0.96(s,18H)、0.34(s,6H)、0.25(s,6H)。
【0281】
化合物31
【化123】
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【0282】
化合物175(56mg、0.0405mmol)のメタノール(1.1mL)中溶液に、28%水酸化アンモニウム(0.22mL)を加えた。得られた混合物を50℃で5時間撹拌し、周囲温度に冷却し、真空で濃縮し、MeCNで2回共沸させた。得られた残留物に、ピリジン(0.22mL)、TEA(0.11mL)及びTEA 3HF(0.11ml、0.69mmol)を加えた。得られた混合物を50℃で5時間撹拌し、周囲温度に冷却し、メトキシトリメチルシラン(0.90mL、6.50mmol)で30分間処理した。得られた混合物を真空で濃縮し、水(5mL)に溶解した。得られた水溶液をトルエン(各回5mL)で3回抽出し、真空で濃縮した。粗生成物を水1mLに溶解し、シリンジフィルターに通して濾過し、1N HClで酸性化してpH<3にした。得られた混合物を冷凍機(5℃)中2日間維持し、得られた固体を濾取した。固体をMeOH中2M NH
3(1.5ml)に溶解し、真空で濃縮して、化合物31(2.8mg)をNH
3とTEA塩との混合物として得た。生成物をEtOH(1mL)に溶解し、TEA(0.1ml)で処理し、濃縮して0.5mLにし、冷凍機(−20℃)中で終夜維持した。上澄み液を除去し、残った固体を更に真空乾固して、ビスTEA塩の化合物31(0.8mg、NMRにより対称的;RpRp又はSpSp異性体のいずれか)を得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.26〜7.83(m,4H)、6.37(br s,2H)、5.89(br s,2H)、5.36〜5.07(m,2H)、4.95(br d,J=3.5Hz,2H)、4.58(br dd,J=6.3,10.6Hz,2H)、4.43(br s,2H)、4.12〜4.00(m,4H)、3.89〜3.70(m,2H)、3.19(q,J=7.2Hz,12H)、1.30(t,J=7.4Hz,18H)
【0283】
実施例20−−化合物32の合成
【化124】
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【0284】
化合物178
【化125】
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【0285】
化合物177(2.0g、2.532mmol)及び(+)−2,3−O−イソプロピリデン−L−トレイトール(化合物176)(1.232g、7.595mmol)のTHF(20.0ml)及びトルエン(30.0ml)中溶液に、トリフェニルホスフィン(0.930g、3.544mmol)を加えた。得られた溶液を5℃未満に冷却し、DIAD(0.64ml、3.3mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度に加温した。周囲温度で8時間撹拌した後、更にDIAD(0.64mL)及びPPh
3(0.93g)を加えた。周囲温度で終夜撹拌した後、反応混合物を40℃で2日間撹拌し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/EtOAc(1/1)中1%TEAで前処理したSiO
2 100g、n−ヘプタン中50%〜70%EtOAc)により精製して、化合物178(0.524g)を白色泡状固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.62(s,1H)、8.09(s,1H)、7.40〜7.09(m,12H)、7.01〜6.92(m,2H)、6.80〜6.73(m,4H)、6.16(dd,J=2.7,16.8Hz,1H)、5.49(ddd,J=3.1,4.3,53.1Hz,1H)、4.85〜4.75(m,2H)、4.63(dd,J=3.9,14.8Hz,1H)、4.30〜4.19(m,2H)、4.18〜4.12(m,1H)、3.94(tt,J=3.5,8.2Hz,1H)、3.84(td,J=5.5,12.1Hz,1H)、3.78(s,6H)、3.53(dd,J=2.7,10.9Hz,1H)、3.17(dd,J=3.5,10.9Hz,1H)、2.94(br t,J=5.5Hz,1H)、0.89(s,6H)、0.83(s,9H)、0.08(s,3H)、−0.01(s,3H)
【0286】
化合物180
【化126】
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【0287】
化合物178(0.409g、0.84mmol)のTHF(6mL)中溶液に、トリフェニルホスフィン(0.191g、0.728mmol)及びDIAD(0.142ml、0.728mmol)を加えた。周囲温度で40時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮し、カラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/EtOAc(1/1)中1%TEAで前処理したSiO
2 50g、n−ヘプタン中50%〜66%EtOAc)により精製して、化合物180(0.533g)を得た。
LC/MS:LRMS(ESI) m/z 1403.86[M+H]
+。
【0288】
化合物181
【化127】
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【0289】
出発物として化合物180を用い、化合物181を
図2A及び
図2Bに記載した手順と同様の反応手順(ステージ5〜11)により調製した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.72(s,1H)、8.14〜8.06(m,1H)、7.93(s,1H)、7.69(s,1H)、7.62〜7.53(m,6H)、7.53〜7.45(m,1H)、7.43〜7.33(m,2H)、7.30〜7.24(m,3H)、7.19〜7.12(m,2H)、6.11(d,J=16.8Hz,1H)、6.05(d,J=19.5Hz,1H)、5.89(dd,J=3.5,52.3Hz,1H)、5.57〜5.46(m,1H)、5.41(dd,J=3.5,53.1Hz,1H)、5.18〜5.04(m,1H)、4.83(dd,J=4.7,14.4Hz,1H)、4.78〜4.73(m,1H)、4.70(br d,J=12.1Hz,1H)、4.64〜4.48(m,4H)、4.46〜4.35(m,4H)、4.33〜4.27(m,2H)、4.16〜4.06(m,2H)、4.05〜3.96(m,1H)、2.55(t,J=6.1Hz,2H)、1.26(s,6H)。
【0290】
化合物182
【化128】
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【0291】
化合物181(3.2mg、2.629μmol)のジクロロメタン(0.5ml)中溶液に、tert−ブチルアミン(0.5ml、4.7mmol)を加えた。30分撹拌した後、反応溶液を真空で濃縮し、MeCNで2回共沸させた。残留物をアセトニトリル(1ml)に溶解し、1−(ブロモメチル)−2−ニトロベンゼン(1.7mg、7.9μmol)で処理した。アルキル化が完結した時点(LCMSにより監視)で、反応混合物を窒素パージを用いて濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 4g、n−ヘプタン中80%〜100%EtOAc)により精製して、化合物182(2mg)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.12(dd,J=1.4,8.0Hz,1H)、8.03〜8.00(m,1H)、8.00(s,1H)、7.93(s,1H)、7.70(s,1H)、7.70〜7.29(m,13H)、7.21(dt,J=2.7,7.6Hz,4H)、6.07(d,J=19.9Hz,1H)、5.94(d,J=21.1Hz,1H)、5.91〜5.77(m,1H)、5.81(dd,J=4.3,51.5Hz,1H)、5.62〜5.49(m,1H)、5.54(dd,J=3.1,52.7Hz,2H)、4.83(q,J=5.9Hz,1H)、4.72〜4.63(m,2H)、4.61〜4.28(m,13H)、1.42(s,3H)、1.28(s,3H)。
【0292】
化合物32
【化129】
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【0293】
化合物182(2.0mg、1.5μmol)に、酢酸(0.8ml)及び水(0.2ml)を加えた。得られた混合物を周囲温度で14時間及び45〜50℃で24時間撹拌し、真空で濃縮し、トルエンで2回共沸させた。残留物に1,4−ジオキサン(0.12mL)、チオフェノール(60μl)、次いでTEA(60μl)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、メタノール(160μl)及び28%水酸化アンモニウム(160μl)を加えた。脱ベンゾイル化が完結するまで(LCMSにより監視)、得られた混合物を50℃で撹拌した。完結した時点で、水(0.3ml)を加えた。得られた固体を濾別し、水(0.2mL)で濯いだ。濾液をトルエン(各回0.5mL)で2回抽出し、真空で40〜50℃にて濃縮した。残留物を水(0.5mL)で処理し、得られた固体を濾別し、水(0.1mL)で濯いだ。合わせた水層を以下に記載した条件下でHPLC精製して、化合物32(1.5mg)を得た。
LC/MS:LRMS(ESI) m/z 781.23[M+H]
+。
【0294】
化合物32の分取HPLC条件:
【0295】
【表12】
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【0296】
実施例21−−化合物33及び化合物34の合成
【化130】
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【0297】
化合物193
【化131】
[この文献は図面を表示できません]
【0298】
9−((2R,3R,4R,5R)−3−フルオロ−4−ヒドロキシ−5−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン−2−イル)−1,9−ジヒドロ−6H−プリン−6−オン、化合物183(5.00g、18.5mmol)のピリジン(75ml)中溶液に、0℃でAc
2O(7.0ml、74mmol)及びDMAP(0.565g、4.626mmol)を加えた。得られた混合物を周囲温度に加温し、反応をLCMSにより監視しながら撹拌した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、EtOAc(200mL)及び水(50ml)で処理した。沈澱物が生成した。得られた固体を濾取し、MTBEで濯いだ。40℃で終夜真空乾固して、化合物193(5.81g)を白色固体として得た。
1H NMR(400MHz,DMSO−d
6)δ=12.53(br s,1H)、8.33(s,1H)、8.15(d,J=4.3Hz,1H)、6.37(dd,J=2.7,19.1Hz,1H)、5.86(ddd,J=2.7,5.1,51.6Hz,1H)、5.62(ddd,J=5.5,7.0,16.0Hz,1H)、4.49〜4.38(m,2H)、4.26(dd,J=4.7,12.1Hz,1H)、2.19(s,3H)、2.04(s,3H)。
【0299】
化合物184
【化132】
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【0300】
化合物193のジクロロメタン(40.0ml)中溶液に、0℃でDMF(1.3ml、16.9mmol)及び塩化チオニル(1.28ml、17.5mmol)をゆっくり加えた。得られた混合物を加熱還流し、すべての出発物が消費されるまで(LCMSにより監視)、撹拌した。完結した時点で、反応混合物を周囲温度に冷却し、飽和NaHCO
3水溶液(40mL)で処理した。層を分離し、水層をジクロロメタン(各30mL)で2回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮して、化合物184(2.81g)を淡茶褐色油状物として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.79(s,1H)、8.30(s,1H)、6.29(dd,J=2.0,18.0Hz,1H)、5.79(ddd,J=1.6,4.7,51.6Hz,1H)、5.53(ddd,J=5.1,7.6,17.8Hz,1H)、4.58〜4.48(m,2H)、4.33(dd,J=3.9,12.5Hz,1H)、2.20(s,3H)、2.07(s,3H)。
【0301】
化合物194
【化133】
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【0302】
化合物184(0.22g、0.59mmol)のTHF(7.7ml)とNMP(0.77ml)との混合物中溶液に、周囲温度で鉄(III)アセチルアセトネート(0.021g、0.059mmol)及びTHF中0.5M 3−ブテニルマグネシウムブロミド(1.77ml、0.885mmol)を加えた。反応が完結した時点(LCMSにより監視)で、MTBE(10mL)及び0.1N HCl(10mL)を加えた。得られた混合物を周囲温度で10分間撹拌した。層を分離し、水層をEtOAc/MTBEの混合物(1/1、10ml)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(5mL)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、真空で濃縮した。粗生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.90(s,1H)、8.16(s,1H)、6.26(dd,J=2.0,18.4Hz,1H)、5.98〜5.85(m,1H)、5.90〜5.73(m,1H)、5.63(ddd,J=4.9,7.5,17.7Hz,1H)、5.12〜5.05(m,1H)、4.98(dd,J=1.6,10.2Hz,1H)、4.54〜4.50(m,2H)、4.31(dd,J=5.1,12.9Hz,1H)、3.30(t,J=7.4Hz,2H)、2.70〜2.64(m,2H)、2.19(s,3H)、2.05(s,3H)。
【0303】
化合物185
【化134】
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【0304】
粗生成物の化合物194(0.232g、理論では0.590mmol)をメタノール(1.5ml)に溶解し、周囲温度でMeOH中2.0Mアンモニア(1.5ml、3.0mmol)にて処理した。脱アセチル化が完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 10g、EtOAc中0%〜5%MeOH)により精製して、化合物185(0.17g)を得た。
LCMS:MS(ESI) m/z 309.20[M+H]
+
【0305】
化合物195
【化135】
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【0306】
化合物185(1.22g、2.928mmol)のピリジン(9.0ml)中溶液に、0℃で4,4’−(クロロ(フェニル)メチレン)ビス(メトキシベンゼン)(1.042g、3.075mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、反応混合物を周囲温度に加温した。完結した時点で、MTBE(18mL)及び飽和NaHCO
3水溶液(9.0ml)を加えた。10分撹拌した後、層を分離し、水層をMTBE(18.0ml)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(10ml)で洗浄し、濾過し、真空で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 50g、1%TEAを含むヘプタン中50%〜100%酢酸エチル)により精製して、化合物195(1.53g)をオレンジ色固体として得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.86〜8.78(m,1H)、8.21(s,1H)、7.40〜7.36(m,2H)、7.31〜7.18(m,7H)、6.79(d,J=8.6Hz,4H)、6.29(dd,J=2.3,17.2Hz,1H)、5.92(tdd,J=6.4,10.4,17.0Hz,1H)、5.70(ddd,J=2.7,4.7,52.8Hz,1H)、5.09(dd,J=1.6,17.2Hz,1H)、4.97(dd,J=1.6,10.2Hz,1H)、4.90〜4.77(m,1H)、4.26〜4.19(m,1H)、3.78(s,6H)、3.56(dd,J=3.1,10.9Hz,1H)、3.43(dd,J=4.3,10.9Hz,1H)、3.33〜3.28(m,2H)、2.70〜2.64(m,2H)、2.20(dd,J=2.5,7.2Hz,1H)。
【0307】
化合物186
【化136】
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【0308】
化合物195(1.530g、2.505mmol)のジクロロメタン(23ml)中溶液に、周囲温度で3−(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノオキシ)プロパンニトリル(1.20ml、3.76mmol)及びジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(0.493g、2.881mmol)を加えた。進行をLCMSにより監視しながら、反応混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 50g、1%TEAを含むn−ヘプタン中40%〜66%EtOAc)により精製して、化合物186(1.80g)を淡オレンジ色泡状固体として得た。
【0309】
化合物196及び197
【化137】
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【0310】
化合物186(1.8g、2.22mmol)及び化合物185(1.110g、2.664mmol)をアセトニトリル(21.6ml)に溶解し、真空で濃縮した。同じ操作をもう一回繰り返した。得られた混合物をアセトニトリル(21.6ml)に溶解し、周囲温度でピリジニウムトリフルオロアセテート(0.514g、2.664mmol)にて処理した。反応が完結した時点(LCMSにより監視)で、((ジメチルアミノ−メチリデン)アミノ)−3H−1,2,4−ジチアザオリン−3−チオン(0.911g、4.439mmol)を加え、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。硫化が完結した時点(LCMSにより監視)で、飽和NaHCO
3水溶液(30ml)を加え、得られた混合物をMTBE(各回30mL)で3回抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(20ml)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 100g、1%TEAを含むEtOAc中0%〜10%MeOH)により精製して、化合物196(0.481g)及び化合物197(1.315g)を得た。
化合物196:LCMS:MS(ESI) m/z 1073.25[M+Na]
+
化合物197:LCMS:MS(ESI) m/z 995.23[M−H]
−
【0311】
化合物188
【化138】
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【0312】
TEA塩である化合物197(1.315g、1.197mmol)のMeCN(20ml)中溶液に、周囲温度で2−ニトロベンジルブロミド(0.388g、1.796mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 100g、EtOAc中0%〜5%MeOH)により精製して、化合物188(0.90g)を得た。
LCMS:MS(ESI) m/z 1154.29[M+Na]
+
【0313】
化合物198
【化139】
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【0314】
化合物188(1.35g、1.192mmol)のトルエン(540ml)中溶液に、穏やかな還流状態(内温110〜112℃)でホベイダ−グラブス触媒第2世代(0.187g、0.298mmol)及びキノン(0.322g、2.981mmol))のトルエン(20mL)中溶液を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた溶液を110〜112℃の間で撹拌した。4時間後、更に触媒(0.10g、0.16mmol)を加え、還流状態で撹拌を続けた。完結した時点で、反応混合物を周囲温度に冷却し、DMSO(2.54ml、35.8mmol)で処理した。3時間撹拌した後、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 50g、EtOAc中0%〜15%MeOH)により精製して、化合物198と化合物199との混合物を得た。混合物をジクロロメタン(2mL)に溶解し、水(0.021ml、1.2mmol)及びジクロロメタン(2mL)中6%ジクロロ酢酸(0.098ml、1.2mmol)で処理した。10分後、反応をピリジン(1ml)でクエンチし、真空で濃縮した。残留物をジクロロメタン(50mL)に溶解し、30%NaCl水溶液(各回15mL)で2回洗浄し、MgSO
4で脱水した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 50g、DCM中5%〜10%MeOH)により精製して、化合物198(0.25g)を得た。
化合物199:LCMS:MS(ESI) m/z 1104.31[M+H]
+
化合物198:LCMS:MS(ESI) m/z 802.16[M+H]
+
【0315】
化合物190
【化140】
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【0316】
化合物198(0.233g、0.291mmol)及び3−(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノオキシ)プロパンニトリル(0.111ml、0.349mmol)をMeCN(10mL)に溶解し、真空で濃縮した。同様の操作を更に2回繰り返した。得られた混合物をジクロロメタン(2.3ml)に溶解し、0〜5℃に冷却し、ジイソプロピルアンモニウムテトラゾリド(0.025g、0.145mmol)で処理した。反応混合物を周囲温度に終夜加温し、次いでアセトニトリル(2.3ml)で希釈した。得られた溶液をシリンジポンプによりピリジントリフルオロ酢酸塩(0.168g、0.872mmol)のMeCN(18.6ml)中溶液中に7時間かけて加えた。次いでMeCN(2mL)中の3−(ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスフィノオキシ)プロパンニトリル(40mg、0.133mmol)を2時間かけて加えた。1時間撹拌した後、(E)−N,N−ジメチル−N’−(3−チオキソ−3H−1,2,4−ジチアゾール−5−イル)ホルムイミドアミド(0.119g、0.581mmol)を加え、硫化が完結するまで(LCMSにより監視)、反応溶液を撹拌した。完結した時点で、混合物を真空で濃縮し、MTBE(5ml)に溶解し、飽和NaHCO
3水溶液(3.50ml)及び水(1.2ml)で処理した。層を分離し、水層をMTBE/EtOAcの混合物(5/3ml)で抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(2.3ml)で2回洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、EtOAc中0%〜20%MeOH)により精製して、化合物190(119mg、早く溶出する異性体58mg及び遅く溶出する異性体61mg)を得た。
【0317】
化合物191(SpRp異性体)
【化141】
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【0318】
化合物190の早く溶出する異性体(58mg、0.062mmol)のジクロロメタン(1.8mL)中溶液に、tert−ブチルアミン(1.2ml、11mmol)を加えた。すべての出発物が消費されるまで(LCMSにより監視)、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、アセトニトリルで2回共沸させ、アセトニトリル(1.7ml)に溶解した。得られた溶液に1−(ブロモメチル)−2−ニトロベンゼン(40.3mg、0.187mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、反応混合物を周囲温度で撹拌した。アルキル化が完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 10g、EtOAc中0%〜5%MeOH)により精製して、化合物191(19mg、SpRp異性体)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.42(s,1H)、8.27(s,1H)、8.13(dd,J=1.2,8.2Hz,1H)、8.05(s,1H)、7.98(d,J=7.8Hz,1H)、7.69〜7.67(m,1H)、7.61〜7.34(m,5H)、6.33(d,J=17.2Hz,1H)、6.19(d,J=19.9Hz,1H)、6.09〜5.93(m,1H)、5.82〜5.66(m,2H)、5.67(dd,J=3.5,50.8Hz,1H)、5.35〜5.32(m,2H)、4.62〜4.29(m,11H)、3.35〜3.28(m,1H)、3.18〜3.14(m,2H)、3.01〜2.91(m,1H)、2.84〜2.78(m,1H)、2.60〜2.49(m,3H)。
【0319】
化合物192(RpRp異性体)
【化142】
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【0320】
化合物190の遅く溶出する異性体(60mg)を化合物191に記載した手順と同様の反応手順に通して処理して、化合物192(14mg)及び化合物191(7mg)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.18(s,2H)、8.10(s,2H)、8.10(dd,J=1.0,8.0Hz,2H)、7.66〜7.57(m,4H)、7.53〜7.46(m,2H)、6.31(d,J=17.6Hz,2H)、6.19〜6.05(m,2H)、5.84(dd,J=4.3,50.8Hz,2H)、5.39〜5.30(m,2H)、4.58〜4.46(m,6H)、4.45〜4.39(m,2H)、4.19(ddd,J=3.1,6.3,10.2Hz,2H)、3.32(td,J=3.5,15.6Hz,2H)、3.06(td,J=6.3,15.2Hz,2H)、2.67〜2.57(m,4H)。
化合物192から誘導された化合物34の合成手法、NMRデータ(対称的)、HPLC保持時間(一番遅く溶出する異性体)及び生物学的活性を基に、本出願人は化合物192がRRのリン立体化学を有していると信じている。この立体化学の配置は、X線結晶構造解析による確認に供することができる。
【0321】
化合物33
【化143】
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【0322】
化合物192(26mg、0.026mmol)の1,4−ジオキサン(0.52ml)中溶液に、チオフェノール(0.26ml、2.5mmol)を、次いでTEA(0.26ml、1.9mmol)を加えた。脱保護化が完結するまで(LCMSにより監視)、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、水(2mL)を加えた。得られた混合物をトルエン(各回2mL)で3回抽出した。水層を40〜50℃にて真空で濃縮し、水(2mL)に溶解した。得られた混合物をEtOAc/MTBEの混合物(各回1/1mL)で4回抽出した。水層を真空で濃縮して、化合物33のビス−TEA塩を得た。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=9.06(s,1H)、8.73(s,1H)、8.56(s,1H)、8.47(s,1H)、6.43(d,J=14.4Hz,1H)、6.38(d,J=15.2Hz,1H)、6.27(dd,J=3.5,51.1Hz,1H)、5.63(dd,J=2.7,51.5Hz,1H)、5.30〜5.14(m,2H)、5.06〜4.91(m,2H)、4.58(br d,J=12.5Hz,1H)、4.52〜4.39(m,3H)、4.07(dd,J=4.7,11.7Hz,1H)、3.98(dd,J=5.1,12.5Hz,1H)、3.43〜3.34(m,2H)、3.22(q,J=7.2Hz,12H)、2.98〜2.86(m,2H)、2.79〜2.45(m,4H)、1.32(t,J=7.4Hz,18H)
【0323】
化合物34
【化144】
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【0324】
出発物として化合物192を用い、化合物34を化合物33に記載した手順と同様の反応手順により調製した。
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.77(s,2H)、8.49(s,2H)、6.39(d,J=15.2Hz,2H)、5.71(dd,J=3.1,51.2Hz,2H)、5.24〜5.13(m,2H)、5.02(dtd,J=3.1,9.0,25.4Hz,2H)、4.54(br d,J=12.1Hz,2H)、4.42(br d,J=9.8Hz,2H)、3.99(dd,J=5.9,12.1Hz,2H)、3.20(q,J=7.3Hz,12H)、2.90(ddd,J=3.5,10.2,14.1Hz,2H)、2.81〜2.70(m,2H)、2.55〜2.43(m,2H)、1.30(t,J=7.4Hz,18H)。
【0325】
実施例22−−化合物35及び化合物36の合成
【化145】
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【0326】
化合物201
【化146】
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【0327】
化合物200のジナトリウム塩(0.10g、0.126mmol)に、2−ニトロベンジルブロミド(0.068g、0.316mmol)及びMeCN(2.0ml)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、反応混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 10g、DCM中0%〜5%MeOH)により精製して、化合物201(115mg)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.13(dd,J=0.8,8.2Hz,1H)、8.06(s,1H)、8.03(dd,J=1.0,8.0Hz,1H)、7.80(br s,1H)、7.75(s,1H)、7.70〜7.65(m,1H)、7.62〜7.54(m,2H)、7.53〜7.47(m,2H)、7.45〜7.39(m,1H)、7.34〜7.27(m,1H)、6.23(br d,J=16.8Hz,1H)、6.14(br d,J=18.8Hz,1H)、5.95(br s,2H)、5.77(td,J=5.1,15.2Hz,2H)、5.71(td,J=5.1,15.6Hz,1H)、5.63〜5.55(m,1H)、5.47(br d,J=11.7Hz,1H)、4.58〜4.27(m,11H)、4.18〜4.10(m,1H)、4.05〜3.71(m,2H)
【0328】
化合物202
【化147】
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【0329】
化合物201(77mg、0.076mmol)の2,2,2−トリフルオロエタノール(2ml)中溶液に、O−(2,4−ジニトロフェニル)ヒドロキシルアミン(36.5mg、0.183mmol)及びビス[ロジウム(α,α,α’,α’−テトラメチル−1,3−ベンゼンジプロピオン酸)](5.74mg、0.015mmol)を一度で加えた。混合物を周囲温度で終夜撹拌し、DCM(10mL)で希釈し、飽和NaHCO
3水溶液(10mL)で処理した。層を分離し、水層をDCM(各10mL)で2回抽出した。合わせた有機層をMgSO
4で脱水し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 10g、EtOAc中0%〜15%MeOH)により精製して、化合物202(3.3mg)を得た。
LCMS:MS m/z 1032.07[M+H]
+
【0330】
化合物35及び化合物36
【化148】
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【0331】
化合物202(3.3mg、3.2μmol)の1,4−ジオキサン(0.40ml)中溶液に、チオフェノール(0.2ml、1.9mmol)及びTEA(0.2ml、1.4mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点で、反応混合物を水(2mL)で処理し、トルエン(各回2mL)で3回抽出した。水層を真空で40〜50℃にて濃縮し、水(1.5ml)に溶解した。得られた固体を濾別し、水(0.5mL)で濯いだ。合わせた濾液を以下に記載した条件下でHPLC分離して、化合物35(保持時間:8.4分)及び化合物36(保持時間:8.9分)を得た。
化合物35
LCMS:MS m/z 762.08[M+H]
+
化合物36
LCMS:MS m/z 762.22[M+H]
+
【0332】
化合物35/化合物36 分取HPLC条件:
【0333】
【表13】
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【0334】
実施例23−−化合物38及び化合物39の合成
図13は、化合物38及び化合物39の合成の実施例を示す。
【0335】
ステップ1
【化149】
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【0336】
化合物203(5.82g、9.314mmol)及びアリルアルコール(0.95ml、14mmol)のTHF(50mL)中溶液に、内温を10℃未満に維持しながら、0℃でDIAD(2.4ml、11.6mmol)及びトリフェニルホスフィン(2.93g、11.2mmol)のトルエン(25ml)中溶液を加えた。得られた溶液を周囲温度に加温し、反応をLCMSにより監視しながら撹拌した。完了した時点(5時間)で、混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(100g、n−ヘプタン中20%〜60%EtOAc)により精製して、化合物204(4.56g)をピンクがかった油状物として得た。
化合物204:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.55(s,1H)、8.24(s,1H)、7.46(d,J=8.2Hz,2H)、7.31〜7.23(m,1H)、7.20〜7.10(m,2H)、6.02(d,J=5.1Hz,1H)、6.07〜5.95(m,1H)、5.21(dd,J=1.6,17.2Hz,1H)、5.05(dd,J=1.4,10.4Hz,1H)、5.00(d,J=5.5Hz,2H)、4.82(t,J=4.9Hz,1H)、4.22〜4.16(m,1H)、4.05〜4.00(m,2H)、3.82(dd,J=2.5,11.5Hz,1H)、0.95(s,9H)、0.81(s,9H)、0.14(s,3H)、0.13(s,3H)、0.00(s,3H)、−0.23(s,3H)。
【0337】
ステップ2
【化150】
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【0338】
化合物204(4.56g、6.858mmol)に酢酸(80ml)及び水(20ml)を加えた。得られた混合物を周囲温度で終夜及び35℃で1日間撹拌した。得られた混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2、50g、n−ヘプタン中33%〜60%EtOAc)により精製して、化合物205(3.22g)を白色泡状固体として得た。
化合物205:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.56(s,1H)、7.88(s,1H)、7.51〜7.47(m,2H)、7.32〜7.27(m,1H)、7.20〜7.16(m,2H)、6.06〜5.95(m,1H)、5.72(d,J=7.8Hz,1H)、5.26(dd,J=5.5,7.8Hz,1H)、5.20(dd,J=1.6,17.2Hz,1H)、5.06(dd,J=1.6,10.2Hz,1H)、5.03〜4.98(m,2H)、4.23(d,J=5.5Hz,1H)、4.14(s,1H)、3.92(dd,J=1.6,12.9Hz,1H)、3.68(br d,J=12.9Hz,1H)、0.75(s,9H)、−0.14(s,3H)、−0.62(s,3H)。
【0339】
ステップ3
【化151】
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【0340】
化合物205(3.22g、5.847mmol)のTHF(120mL)中溶液に、周囲温度で水(30ml)及びトリフェニルホスフィン(2.454g、9.355mmol)を加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完了した時点(18時間)で、反応混合物を真空で濃縮し、MeCNで3回共沸させた。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2(NH)55g、n−ヘプタン中20%〜100%EtOAc)により精製して、化合物206(4.82g、純度63%と仮定)を得た。生成物を更には精製せずに次のステップに使用した。
化合物206:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.56(s,1H)、7.92(s,1H)、7.54(qd,J=1.6,7.6Hz,2H)、7.31〜7.27(m,1H)、7.19〜7.15(m,2H)、6.07〜5.94(m,1H)、5.84(d,J=6.6Hz,1H)、5.50(br d,J=10.6Hz,1H)、5.20(dd,J=1.6,17.2Hz,1H)、5.05(dd,J=1.4,10.4Hz,1H)、5.02〜4.98(m,2H)、4.95〜4.91(m,1H)、4.16〜4.08(m,2H)、3.96(dd,J=1.6,12.9Hz,1H)、3.73(dd,J=2.0,5.5Hz,1H)、3.73〜3.67(m,1H)、0.78(s,9H)、−0.20(s,3H)、−0.46(s,3H)。
【0341】
ステップ4
【化152】
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【0342】
化合物206(4.82g、純度63%、5.72mmol)のピリジン(39.0ml)中溶液に、周囲温度でTEA(1.3ml、8.6mmol)及びトリチル−Cl(1.753g、6.289mmol)を加えた。反応が完結した時点(LC/MSにより監視した)で、飽和NaHCO
3溶液(60mL)を加えた。得られた混合物をMTBE/EtOAcの混合物(1/1、各回70mL)で3回抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(30mL)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/n−ヘプタン中1%TEAで前処理したSiO
2 50g、1%TEAを含むn−ヘプタン中20%〜100%EtOAc)により精製して、化合物207(1.484g)を白色固体として得た。
化合物207:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.49(s,1H)、8.10(s,1H)、7.50〜7.46(m,8H)、7.31〜7.22(m,7H)、7.20〜7.14(m,5H)、6.11(d,J=6.3Hz,1H)、6.07〜5.94(m,1H)、5.20(dd,J=1.2,17.2Hz,1H)、5.06(dd,J=1.4,10.4Hz,1H)、5.03〜4.98(m,2H)、4.84(dd,J=3.1,10.6Hz,1H)、4.52(t,J=5.7Hz,1H)、3.78(d,J=1.6Hz,1H)、3.64〜3.57(m,1H)、3.26〜3.16(m,3H)、0.77(s,9H)、−0.18(s,3H)、−0.63(s,3H)。
【0343】
ステップ5
【化153】
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【0344】
化合物207(0.50g、0.652mmol)のMeCN(6mL)中溶液に、周囲温度で3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)オキシ)プロパンニトリル(0.393g、1.304mmol)及びピリジニウムトリフルオロアセテート(0.113g、0.587mmol)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完結した時点(1時間)で、得られた溶液を硫化水素ガス(吹き込み)で1分間、続いてピリジニウムトリフルオロアセテート(0.252g、1.304mmol)で処理した。LCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完結した時点(1時間)で、得られた混合物をMTBE(60mL)で希釈した。得られた溶液を水(各回15mL)で2回及び30%NaCl水溶液(15ml)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、n−ヘプタン中25%〜40%EtOAc)により精製して、化合物208(0.411g、1:1Pジアステレオマー混合物)を白色泡状固体として得た。
化合物208(1:1Pジアステレオマー混合物)
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.49(s,1H)、8.49(s,1H)、8.11(s,1H)、8.06(s,1H)、7.54〜7.47(m,4H)、7.46〜7.38(m,14H)、7.32〜7.27(m,2H)、7.23〜7.04(m,20H)、6.11〜5.99(m,2H)、5.98(d,J=2.0Hz,1H)、5.91(d,J=1.6Hz,1H)、5.27(dd,J=1.6,6.3Hz,1H)、5.23(dd,J=1.6,6.3Hz,1H)、5.12(dd,J=1.6,6.3Hz,1H)、5.09(dd,J=1.2,6.3Hz,1H)、5.02(br d,J=5.5Hz,4H)、4.57〜4.45(m,2H)、4.43〜4.34(m,1H)、4.32〜4.04(m,8H)、3.23〜3.19(m,1H)、3.10(br s,2H)、3.06〜2.99(m,1H)、2.96〜2.89(m,2H)、2.73(dt,J=1.4,6.4Hz,2H)、2.65(t,J=6.3Hz,2H)、0.85(s,9H)、0.83(s,9H)、0.01(s,3H)、−0.09(s,6H)、−0.11(s,3H)。
【0345】
ステップ6
【化154】
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【0346】
化合物208(0.411g、0.457mmol)及び化合物206(0.293g、0.502mmol)のアセトニトリル(5ml)中溶液に、周囲温度でDIEA(0.16ml、0.91mmol)及びCCl
4(0.18ml、1.8mmol)を加えた。LCMSにより監視しながら、反応混合物を周囲温度で撹拌した。完結した時点(1時間)で、得られた混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、n−ヘプタン中33%〜100%EtOAc)により精製して、化合物210(0.461g、1:1Pジアステレオマー混合物)を白色泡状固体として得た。
化合物210:
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.52(s,1H)、8.51(s,1H)、8.49(s,1H)、8.49(s,1H)、8.24(s,1H)、8.19(s,1H)、8.13(s,1H)、8.01(s,1H)、7.55〜7.37(m,20H)、7.33〜6.99(m,30H)、6.09〜5.97(m,4H)、5.96(d,J=2.7Hz,1H)、5.87(d,J=1.2Hz,1H)、5.82(d,J=4.7Hz,1H)、5.80(d,J=3.9Hz,1H)、5.28〜5.17(m,4H)、5.11〜5.04(m,4H)、5.03〜4.96(m,8H)、4.75(t,J=5.1Hz,1H)、4.70(t,J=4.5Hz,1H)、4.46〜4.33(m,3H)、4.31〜4.18(m,5H)、4.12〜3.96(m,8H)、3.89(br d,J=11.7Hz,1H)、3.78〜3.67(m,3H)、3.57(dd,J=2.9,4.1Hz,1H)、3.56〜3.44(m,2H)、3.08〜3.01(m,2H)、2.99〜2.93(m,1H)、2.91(d,J=8.6Hz,1H)、2.77〜2.73(m,1H)、2.72〜2.53(m,4H)、0.84(s,9H)、0.84(s,9H)、0.84(s,9H)、0.82(s,9H)、0.00(s,3H)、−0.05(s,6H)、−0.08(s,3H)、−0.12(s,3H)、−0.15(s,3H)、−0.18(s,3H)、−0.18(s,3H)。
【0347】
ステップ7
【化155】
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【0348】
化合物210(0.461g、0.324mmol)のMeCN(5.5ml)中溶液に、周囲温度で3−((ビス(ジイソプロピルアミノ)ホスファネイル)オキシ)プロパンニトリル(0.195g、0.648mmol)及びピリジニウムトリフルオロアセテート(0.050g、0.259mmol)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完了した時点(40分)で、得られた溶液を硫化水素ガスで1分間吹き込み、次いでピリジニウムトリフルオロアセテート(0.138g、0.713mmol)で処理した。完結した時点(LCMSにより監視)で、得られた溶液をMTBE(30mL)で希釈し、水(各10mL)で2回及び30%NaCl水溶液(10ml)で洗浄し、Na
2SO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、n−ヘプタン中33%〜60%EtOAc)により精製して、化合物211(0.329g)を白色泡状固体として得た。
化合物211:LC/MS(ESI) m/z 1555.48[M+H]
+。
【0349】
ステップ8
【化156】
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【0350】
化合物211(0.329g、0.211mmol)のジクロロメタン(7.2ml)中溶液に、周囲温度で水(0.032ml、1.8mmol)及びジクロロ酢酸(0.29ml、3.6mmol)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた混合物を周囲温度で撹拌した。完了した時点(30分)で、反応混合物に飽和NaHCO
3溶液(25mL)を加えた。得られた混合物をDCM(各回30mL)で2回抽出した。合わせた有機層を30%NaCl水溶液(20mL)で洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。粗生成物の化合物212(0.278g理論的収率)を更には精製せずに次のステップに使用した。
化合物212:LC/MS(ESI) m/z 1313.40[M+H]
+。
【0351】
ステップ9
【化157】
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【0352】
化合物212(0.278g、0.212mmol)のMeCN(55.6ml)中溶液に、周囲温度でトリエチルアミン(1.0ml、7.2mmol)及びCCl
4(1.0ml、10mmol)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完了した時点(30分)で、反応混合物を真空で約20mLに濃縮し、MTBE(30mL)で希釈した。得られた混合物を水(10ml)及び30%NaCl水溶液(各10mL)で2回洗浄し、MgSO
4で脱水し、濾過し、真空で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 25g、n−ヘプタン中20%〜75%EtOAc)により精製して、化合物213(71mg、SpRp異性体)、化合物214(43mg、RpRp又はSpSp異性体のいずれか、TLC(SiO
2)での高いrf)及び化合物215(24mg、RpRp又はSpSp異性体のいずれか、TLC(SiO
2)での低いrf)を得た。
化合物213(SpRp異性体)
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.58(s,1H)、8.44(s,1H)、8.42(s,1H)、8.12(s,1H)、7.46(dd,J=7.2,15.4Hz,4H)、7.36〜7.27(m,2H)、7.18(q,J=7.6Hz,4H)、6.09(s,1H)、5.98(s,1H)、6.06〜5.95(m,2H)、5.25(d,J=11.3Hz,1H)、5.21(dd,J=1.4,10.4Hz,1H)、5.12〜5.03(m,3H)、5.00〜4.92(m,3H)、4.87(d,J=4.7Hz,1H)、4.60(br d,J=11.7Hz,1H)、4.55(d,J=3.9Hz,1H)、4.44(br d,J=11.3Hz,1H)、4.39〜4.32(m,2H)、4.26〜4.08(m,8H)、3.75(dd,J=11.3,16.0Hz,1H)、3.49(dd,J=8.2,10.6Hz,1H)、2.82〜2.72(m,3H)、2.61(td,J=5.9,17.2Hz,1H)、0.99(s,9H)、0.96(s,9H)、0.32(s,3H)、0.23(s,6H)、0.22(s,3H)。
化合物214(RpRp又はSpSp異性体のいずれか、TLC(SiO
2)での高いrf異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.60(s,2H)、8.18(s,2H)、7.50(d,J=7.0Hz,4H)、7.37〜7.31(m,2H)、7.25〜7.21(m,4H)、6.05〜5.93(m,4H)、5.22(dd,J=1.6,17.2Hz,2H)、5.09(dd,J=1.0,10.4Hz,2H)、5.00〜4.83(m,6H)、4.61(dd,J=1.2,11.7Hz,2H)、4.25(dq,J=4.3,10.8Hz,2H)、4.09(br dd,J=3.7,10.4Hz,2H)、4.04(td,J=5.5,10.9Hz,2H)、3.99〜3.88(m,4H)、3.70(dd,J=11.9,15.0Hz,2H)、2.71(td,J=5.5,17.1Hz,2H)、2.49〜2.37(m,2H)、0.98(s,18H)、0.25(s,6H)、0.24(s,6H)。
化合物215(RpRp又はSpSp異性体のいずれか、TLC(SiO
2)での低いrf異性体):
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.54(s,2H)、8.06(s,2H)、7.47〜7.44(m,4H)、7.32〜7.27(m,2H)、7.20〜7.15(m,4H)、6.06〜5.95(m,2H)、5.92(d,J=3.5Hz,2H)、5.22(dd,J=1.2,17.2Hz,2H)、5.07(dd,J=1.4,10.4Hz,2H)、5.04〜4.94(m,6H)、4.62〜4.52(m,2H)、4.46〜4.40(m,2H)、4.40〜4.22(m,8H)、3.81(dd,J=6.6,12.1Hz,2H)、2.89〜2.71(m,4H)、0.88(s,18H)、0.08(s,6H)、−0.07(s,6H)。
【0353】
ステップ10
【化158】
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【0354】
化合物213(71mg、0.054mmol)のトルエン(28.4ml)中溶液に、還流状態でホベイダ−グラブス触媒第2世代(17.0mg、0.027mmol)及びP−ベンゾキノン(11.70mg、0.108mmol)のトルエン(8mL)中溶液を加えた。混合物を加熱還流し、反応の進行をLC/MSにより監視した。3時間後、更にトルエン(2.5mL)中の触媒(8.5mg、0.0135mmol)を加え、更に2.5時間反応を続けた。冷却した後、混合物を真空で濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(SiO
2 10g、n−ヘプタン中33%〜66%酢酸エチル)により精製して、化合物216(17mg、trans/cis=5/1)を茶褐色乾燥泡状物として得た。
化合物216:
1H NMR(トランス異性体のみ,400MHz,クロロホルム−d)δ=8.37(s,1H)、8.34(s,1H)、8.24(s,1H)、8.20(s,1H)、7.41(d,J=7.1Hz,2H)、7.36〜7.27(m,3H)、7.24〜7.13(m,5H)、5.97(d,J=5.9Hz,2H)、5.75(td,J=5.5,15.2Hz,1H)、5.69(td,J=5.5,15.6Hz,1H)、5.07(d,J=3.9Hz,1H)、5.03(dd,J=5.1,15.2Hz,1H)、4.94(t,J=5.5Hz,2H)、4.85(dd,J=5.1,15.2Hz,1H)、4.74(d,J=3.9Hz,1H)、4.67(br d,J=12.1Hz,1H)、4.45(br d,J=10.2Hz,1H)、4.42〜4.34(m,2H)、4.28〜4.19(m,2H)、4.19〜4.06(m,4H)、3.96〜3.84(m,1H)、3.82〜3.68(m,1H)、3.56(br dd,J=12.1,14.5Hz,1H)、3.33(dd,J=9.0,10.9Hz,1H)、2.83〜2.78(m,2H)、2.72(td,J=5.6,16.6Hz,1H)、2.39(td,J=6.3,17.2Hz,1H)、1.00(s,18H)、0.42(s,3H)、0.40(s,3H)、0.34(s,3H)、0.30(s,3H)。
【0355】
化合物217
ステップ9から得られた化合物214を、ステップ10に通して単独に処理して、化合物217(trans/cis異性体の5/1混合物)を得た。
1H NMR(トランス異性体のみ,400MHz,クロロホルム−d)δ=8.47(s,2H)、8.14(s,2H)、7.43〜7.38(m,4H)、7.36〜7.29(m,2H)、7.22(t,J=7.0Hz,4H)、5.83(s,2H)、5.77(t,J=3.3Hz,2H)、5.17(d,J=3.5Hz,2H)、5.11〜5.04(m,2H)、4.70(br dd,J=3.5,16.4Hz,2H)、4.62(br d,J=12.1Hz,2H)、4.16〜4.08(m,6H)、3.93(br dd,J=3.7,11.9Hz,2H)、3.74〜3.64(m,2H)、3.49(t,J=12.9Hz,2H)、2.42(td,J=5.9,18.4Hz,2H)、2.13(ddd,J=5.5,7.8,16.8Hz,2H)、1.00(s,18H)、0.40(s,6H)、0.34(s,6H)。
【0356】
化合物218
ステップ9から得られた化合物215をステップ10に通して単独に処理して、化合物218を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=8.14(s,2H)、8.12(s,2H)、7.49〜7.43(m,2H)、7.36〜7.27(m,4H)、7.19〜7.12(m,4H)、5.96(s,2H)、5.67〜5.54(m,2H)、4.95〜4.82(m,4H)、4.69(d,J=4.3Hz,2H)、4.60〜4.09(m,12H)、3.63(dd,J=8.8,16.2Hz,2H)、2.93(td,J=5.9,17.2Hz,2H)、2.82〜2.72(m,2H)、0.99(s,18H)、0.30(s,6H)、0.27(s,6H)。
【0357】
ステップ11
【化159】
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【0358】
化合物216(trans/cis=5/1、17mg、0.013mmol)に、周囲温度でメチルアミン溶液(2ml)(EtOH中33%)を加えた。LCMSにより監視しながら、得られた溶液を周囲温度で撹拌した。完結した時点(1時間)で、反応混合物を真空で濃縮した。残留物にピリジン(0.9ml)、TEA(0.45ml)及びトリエチルアミン三フッ化水素酸塩(0.36ml、2.2mmol)を加えた。得られた混合物を50〜60℃で4時間撹拌し、周囲温度に冷却した。TBS脱保護化が完結した時点(LCMSにより監視)で、反応混合物をメトキシトリメチルシラン(1.5ml、12mmol)で処理し、1時間撹拌した。水(3mL)を加え、得られた混合物をトルエン(各回3ml)で2回及びEtOAc(各回2mL)で2回抽出した。水層をシリンジフィルターにより濾過し、濾液を分取HPLCに供して、化合物38(5.3mg)及び化合物220(1.1mg)を得た。
化合物38(SpRp、trans):
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=9.27(br s,1H)、8.47(br s,1H)、8.21(br s,1H)、8.09(br s,1H)、6.19〜5.96(m,2H)、5.94〜5.71(m,2H)、5.13〜4.68(m,2H)、4.55〜4.39(m,2H)、4.38〜4.23(m,1H)、4.20〜3.91(m,5H)、3.75〜3.50(m,4H)。
化合物220(SpRp、cis):
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=9.08(s,1H)、8.72(br s,1H)、8.55(s,1H)、8.24(s,1H)、8.18(s,1H)、6.22〜6.14(m,2H)、6.10(d,J=1.6Hz,2H)、5.01(d,J=3.9Hz,1H)、4.41(br d,J=9.8Hz,1H)、4.34〜4.25(m,3H)、4.24〜4.18(m,1H)、4.15(dd,J=6.1,11.5Hz,1H)、4.08〜3.99(m,4H)、3.71〜3.57(m,3H)。
【0359】
化合物39及び化合物222
化合物217をステップ11に通して単独に処理して、化合物39及び化合物222を得た。
化合物39(trans異性体):
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.83(br s,1H)、8.43(br s,1H)、8.17(br s,1H)、8.11(br s,1H)、6.17〜5.95(m,2H)、5.93〜5.63(m,2H)、5.10〜4.78(m,2H)、4.69〜4.53(m,1H)、4.52〜4.35(m,2H)、4.12〜3.92(m,5H)、3.76〜3.44(m,4H)。
化合物222(cis異性体):
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=8.71(br s,2H)、8.18(s,2H)、6.17〜6.06(m,4H)、4.37(br d,J=9.8Hz,2H)、4.33(d,J=3.9Hz,2H)、4.27(br dd,J=7.0,13.7Hz,2H)、4.06(dd,J=7.0,11.3Hz,2H)、4.19〜4.03(m,2H)、4.01(br d,J=9.8Hz,2H)、3.74(ddd,J=3.9,6.4,10.5Hz,2H)。
【0360】
化合物40
化合物218をステップ11に通して単独に処理して、化合物40を得た:
1H NMR(400MHz,メタノール−d
4)δ=9.34〜8.88(m,2H)、8.73(br s,1H)、8.34〜8.02(m,2H)、6.20〜5.96(m,2H)、5.89(br s,2H)、5.25〜4.95(m,2H)、4.76〜4.64(m,1H)、4.47〜4.22(m,2H)、4.20〜4.07(m,2H)、4.07〜3.93(m,2H)、3.82〜3.55(m,3H)、3.54〜3.38(m,2H)
【0361】
実施例24−化合物30の合成
【化160】
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【0362】
化合物2(1.1mg、1.4μmol)を周囲温度でヨードメチルイソプロピルカルボネート(13.75mg、0.056mmol)のアセトン/水(0.4/0.10ml)中溶液に加えた。反応をLCMSにより監視しながら、得られた混合物を遮光下周囲温度で撹拌した。完了した時点(2時間)で、反応混合物を水(0.4ml)で希釈し、n−ネオペンタン(各0.5mL)で3回抽出した。水層中の粗生成物を精製して、化合物30(0.5mg)を得た。
1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δ=7.92(s,2H)、7.72(br s,2H)、6.22(d,J=17.2Hz,2H)、6.19〜6.03(m,2H)、5.98(br t,J=6.3Hz,2H)、5.82〜5.77(m,2H)、5.68(dd,J=2.3,51.6Hz,1H)、5.54(dd,J=10.9,13.7Hz,2H)、5.48(dd,J=10.9,12.9Hz,2H)、4.94(五重線,J=6.2Hz,2H)、4.71〜4.63(m,2H)、4.63〜4.56(m,2H)、4.50〜4.43(m,2H)、4.22〜4.12(m,2H)、4.05〜3.90(m,2H)、1.33(d,J=4.3Hz,6H)、1.32(d,J=4.3Hz,6H)。
【0363】
実施例103−HAQ STINGアゴニスト活性レポーターアッセイ
THP1−デュアル(Dual)(商標)Cells(InvivoGen、カタログ番号thpd−nfis)をEC
50判定に適用した。THP1デュアル(Dual)(商標)Cellsは、HAQ STING遺伝子型を保持することが販売元Invivogen(Insight 201402−1)により特徴付けられている。細胞を増殖させ、製造業者により推奨される条件下で維持した。EC
50判定のため、製造業者のマニュアルに記載されているインターフェロン調節因子(IRF)経路誘導に従った。手短に言えば、細胞を播種し、37℃、5%CO
2でインキュベートしながら、異なる濃度の化合物で20時間処理した。細胞を再懸濁させ、クアンティ(QUANTI)−Luc(商標)溶液(Cat.#:rep−qlc1)を加えた。生成された光の放出を照度計(Envision、Perkin Elmer)で測定した。得られたシグナルをプロットし、GraphPadPrism7ソフトウエアでEC
50を計算した。
【0364】
EC
50値を以下の表4〜8で報告する。EC
50値は、単一のアッセイから得たもの又は複数のアッセイの平均値であってよい。各表の前にあるのは、その表の見直し用に使用される構造である。
【0365】
【表14】
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【0366】
表4に列挙したアンモニウム塩形態の各化合物を使用して、ヒトSTING EC50(μM)を測定した。
【0367】
【表15】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0368】
表5に列挙したアンモニウム塩形態の各化合物を使用して、ヒトSTING EC50(μM)を測定した。
【0369】
【表16】
[この文献は図面を表示できません]
[この文献は図面を表示できません]
【0370】
これらのすべてがビス−TEA塩として試験された、化合物26、化合物31、化合物33、及び化合物34を除いて、表6に列挙されたアンモニウム塩形態の各化合物を使用して、ヒトSTING EC50(μM)を測定した。
【0371】
【表17】
[この文献は図面を表示できません]
【0372】
表7のアンモニウム塩形態の各化合物を使用して、ヒトSTING EC50(μM)を測定した。
【0373】
【表18】
[この文献は図面を表示できません]
【0374】
表8のアンモニウム塩形態の各化合物を使用して、ヒトSTING EC50(μM)を測定した。
【0375】
実施例104−STING変異体に特異的なレポーターアッセイ
ヒトSTINGは、WT、HAQ、REF、及びAQ変異体を含めた、4つの主要な変異体を有する。R232Hとも呼ばれるREF−STINGは、例えば、ヒト集団の約14%において生じる。野生型アレルと比較して、R232Hは、細菌性の及び後生動物の環式ジヌクレオチドに対してより低い応答を有する。これらの4つの主要な変異体並びに他の稀な変異体の詳細がYi Gら,「Single nucleotide polymorphisms of human STING can affect innate immune response to cyclic dinucleotides」PLoS One 2013年;8巻:e77846頁に報告されている。STING変異体に特異的なレポーター細胞株は、THP1−デュアル(Dual)(商標)KO−STING細胞(InvivoGen、カタログ番号thpd−kostg)及び3つのSTING変異体タンパク質発現ベクターを使用することにより確立された。WT STINGに対する発現ベクターマップが
図6に示されている。他の2つの発現ベクターに対して、異なるSTING変異体配列がそのベクターにおいて使用されており、WT STINGは適当なヌクレオチド配列により置き換えられている。
【0376】
WT−STING、REF−STING、及びAQ−STINGに対するSTING変異体発現ベクターを調製し、THP1−デュアル(Dual)(商標)KO−STING細胞に安定的に形質移入して、WT−STING、REF−STING及びAQ−STINGに対するSTING変異体に特異的なレポーターアッセイをそれぞれ調製した。実施例103で上述したように、HAQ STINGアゴニスト活性レポーターアッセイに対してEC
50値を決定した。結果を以下の表9において示す。これらのSTING変異体に対して使用されているDNA配列が配列番号1(Nucleotide Sequence of WT Human STING)、配列番号2(Nucleotide Sequence of REF Human STING)、及び配列番号3(Nucleotide Sequence of AQ Human Sting)において示されている。
【0377】
WTヒトSTING:
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccggtgaccgggctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccggacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga(配列番号1)
【0378】
REFヒトSTING:
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccggtgaccatgctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccggacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga(配列番号2)
【0379】
AQヒトSTING:
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccgctgaccgagctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccagacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga(配列番号3)
【0380】
実施例105−マウスSTINGアゴニスト活性レポーターアッセイ
RAW−ルシア(Lucia)(商標)ISG Cells(InvivoGen、カタログ番号rawl−isg)をマウスSTINGアゴニストレポーターアッセイに対して使用した。実施例103で上述したように、HAQ STINGアゴニスト活性レポーターアッセイにおいてEC
50値を決定した。結果を以下の表9において示す。
【0381】
実施例106−示差走査蛍光定量法(DSF)アッセイ
DSFアッセイを利用して、化合物と組換え型STINGタンパク質との間の物理的相互作用を測定した。短縮組換え型STINGタンパク質(アミノ酸155〜341)(配列番号4)をE.coliに発現させ、後述するようにアッセイ用に単離した。アッセイマトリックスを、384−ウェルプレート内で、100mM KCl、5X SYPROオレンジ色染料及び50μM化合物(最終DMSO濃度0〜1%)を補充した、1μM組換え型STINGタンパク質(アミノ酸155〜341)(配列番号4)、100mM PBS pH7.4からなる、1ウェル当たり10μLの最終容量で調製した。25℃〜95℃の温度勾配、0.05℃/分の速度で、並びに470及び586nmでのそれぞれ励起及び発光フィルターを使用するQuantStudio 12K Flex Real−Time PCR Systemでアッセイを実施した。アプライドバイオシステム(Applied Biosystems)(登録商標)Protein Thermal Shiftソフトウエア(アルゴリズムバージョン1.3.)により割り当てられた蛍光誘導体曲線に従い、未結合及びリガンド結合した組換え型STINGタンパク質の熱的融解(Tm)、及び熱的融解における差異(dTm D)を計算した。
【0382】
一般的に、0より大きなΔTm値を有する化合物は、試験したタンパク質と物理的相互作用を有すると考えられ、ΔTmの値は化合物結合親和性と正に関連する。ここで、化合物1aは、17.6というΔTmを示し(表9)、STINGタンパク質との物理的相互作用を示す。
【0383】
【表19】
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【0384】
実施例107−Ex vivoヒトPBMC刺激アッセイ
10.0mL BD Vacutainerナトリウムヘパリンチューブ(カタログ番号367874)を使用して、5人の健康な供与体からヒト血液を採取した。SIGMA ACCUSPIN 50ml Tubes(カタログ番号A2055)及びSIGMA ACCUSPINSystem−HISTOPAQUE−1077(カタログ番号A7054)を使用し、製造業者によるプロトコルを使用して、末梢血単核細胞(PBMC)単離を行った。PBMC層を収集し、Sigmaにより示唆されている通り1×Phosphate Buffered Saline(PBS)で洗浄した。PBMCをカウントし、最後に、10%ウシ胎児血清(FBS)(Gibco カタログ番号20140.79)を補充したRPMI(corning カタログ番号10−041−CV)中に@1×10e6/mlを懸濁させた。1mlの細胞(1×10e6)を、Falcon 5mL Round Bottom Polypropylene Test Tube(カタログ番号352063)に移し、5%CO2インキュベーター内、37℃で24時間、異なる濃度(0、0.1、1、10μM)で刺激した。
【0385】
24時間のインキュベーション後、チューブを1400rpmで5分間遠心分離し、上清を採取した。上清をその後のIFNβ測定用に−80℃で保存した。Human IFN−β Base Kit(Meso Scale Diagnostics カタログ番号K151ADA)を使用してIFNβ測定を行い、製造業者により提供されたプロトコルを使用した。MESO SECTOR Imager 2400でのリーディングアッセイプレートにより、及びMSD Discovery Workbench 4.0プログラムを使用して、IFN−ベータ評価を行った。24時間後、IFNβタンパク質を分析した。結果は、化合物1aが用量依存性方式で第1次ヒトPBMC IFNβタンパク質の生成を誘発することができることを示した。
【0386】
表10に示されている結果は、5つの異なる供与体を使用して行った測定の平均を反映している。
【0387】
【表20】
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【0388】
IFNβ mRNA定量化のため、製造業者のプロトコルに従い、RNeasy Mini Kit(Qiagen、Germany)を使用して全RNAを単離した。IFNβ mRNAをqPCRアッセイで定量化した。手短に言えば、SuperScript VILO MasterMix(Life Technologies、USA)を使用して60μl反応物容量で全RNA(400ng〜1000ng)をcDNAに変換した。Applied Biosystems Taq Man発現アッセイを使用して、IFNB1(Hs01077958_s1)、及びGAPDH(Hs99999905_m1)に対するRNA特異的プライマーを使用して、得られたcDNA(10ng)を続いて増幅させた。Applied Biosystems Quantstudio 12K Flex Real−Time PCR System上で、Taq Man Fast Advanced Master Mix(Life Technologies、USA)を用いて、50℃で2分間の最初のステップ、これに続いて95℃で2秒間、95℃で1秒間及び60℃で20秒間を40サイクル行い、qPCR分析を実施した。基準遺伝子GAPDHに対する正規化後、2−ΔΔCT方法を使用して、相対的な遺伝子発現を計算した。Applied Biosystems Quantstudio 12K Flexソフトウエアv1.2.2を使用して計算を行った。IFNβ mRNAの倍変化と、ビヒクル処理した試料との対比を表11に要約した。結果は、化合物1aが、初代PBMC中のIFNβ mRNAを用量依存性方式及び時間依存性方式で誘発できることを示した。表11は、5つの異なる供与体から計算した平均値を示す。
【0389】
【表21】
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【0390】
実施例108−CT26二重腫瘍モデルに対する化合物1aの抗がん作用
マウス結腸がんモデルであるCT26二重腫瘍モデルにおいて、化合物1aをその抗がん活性について試験した。雌の週齢5〜6週のBalb/cJマウス(Jackson Labs、Bar Harbor、Maine)には、CT26腫瘍細胞を各動物の両側に、各側10
5個の細胞を皮下にインプラントした。実験Aに対して、治療は、腫瘍のインプランテーション後、5日目に平均腫瘍がおよそ100mm
3到達した時点で開始した(1.25mg/kg、2.5mg/kg及び5mg/kg)。実験Bに対して、治療は、腫瘍インプランテーション後、8日目に平均腫瘍がおよそ120mm
3に到達した時点で開始した(0.6mg/kg、及び10mg/kg)。表12及び表13に、治療スキームを記載する。
【0391】
【表22】
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【0392】
【表23】
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【0393】
実験におけるすべてのマウスは2種の皮下CT26腫瘍を有する。「治療した腫瘍」は化合物を直接投与した腫瘍を示すのに対して、「未治療の腫瘍」は化合物を直接投与していない腫瘍を示す。実験全体にわたり腫瘍容積を追跡調査した。治療の開始後、腫瘍容積を週2回測定する。腫瘍負荷は、長球面(L×W
2)/2の容積(式中、L及びWはそれぞれの直交方向の長さ及び幅の測定値(mm)である)に対する式により、キャリパ測定から計算する。
【0394】
化合物1aは、CT26二重腫瘍モデルにおける強力な及び治癒的活性を示した(
図7及び
図8)。試験した最も低い用量でも、治療した腫瘍に対して治癒速度20%が実験で検出された(
図8、0.6mg/kg用量)。同時に、最も高い用量(10mg/kg)は、実験終了時にはその腫瘍を有する動物の100%を治癒した。未治療の腫瘍に対して、用量依存性抗腫瘍作用もまた明らかであった。一番高い用量群(10mg/kg)は、80%治癒的作用を示し、すべての低用量もまた腫瘍成長阻害活性を示した。したがって、注射していない遠位の腫瘍部位での作用に基づく治療濃度域0.6mg/kg〜10mg/kgが化合物1aに対して観察され、抗腫瘍活性は唯一の局在的にばかりでなく、全身的にも見られた。結論として、結果は、化合物1aの局所投与は、局所的及び全身性(アブスコパルの)抗がん活性の両方を誘発できることを表している。
【0395】
実施例109−CT26肝臓転移性のモデルに対する化合物1aの抗がん作用
CT26肝臓転移性のモデルにおいて、化合物1aをその抗がん活性について試験した。麻酔下の雌の週齢5〜6週のBALB/cJマウス(Jackson Labs、Bar Harbor、Maine)に、ルシフェラーゼを発現するCT26腫瘍細胞(マウス1匹当たり5×10
5個の細胞)を脾臓内にインプラントした。その後の10分間の待機期間により、腫瘍細胞の動物の肝臓への循環を可能にした。次いで、脾臓を取り出し、動物を縫合し、回復させた。3日後、CT26腫瘍細胞(マウス1匹当たり10
5個の細胞)を、今度は右前肢の領域下に、再度皮下に(sc)インプラントすることによって、化合物投与のために腫瘤の発症を可能にした。脾臓内注射の9日後、化合物(10mg/kg)を腫瘍内に、単回で、sc腫瘍へ投与した。
各マウス肝臓内の増殖する腫瘤の有害な影響に基づき、ビヒクル治療した対照マウスと比較して、治療したマウスの全生存期間により化合物のアブスコパル効果を評価しながら、化合物の局所的抗がん作用をsc腫瘍に対するその作用を介して測定した。化合物1aは、局所的なsc腫瘍に対する強力な活性と、また、治療した動物10匹のうち9匹において、治癒的全身性活性の両方を示した(
図9)。これらの結果は、化合物1aの局所的投与が局所的抗がん活性と、肝臓内などの深い病変を含めた、全身性(アブスコパルの)抗がん活性の両方を誘発できることを表している。
【0396】
実施例110−GL261脳同所性モデルに対する化合物1aの抗がん作用
GL261脳同所性モデルにおいてその抗がん活性について化合物1aを試験した。GL261はネズミグリア細胞腫細胞株である。ルシフェラーゼを発現するGL261マウスグリア細胞腫細胞(2×10
4個の細胞/マウス)を、雌の週齢5〜6週のB6アルビノマウス(Jackson Labs、Bar Harbor、Maine)に頭側内にインプラントした。3〜4日後、GL261細胞を右の前肢領域下に、皮下にインプラント(10
6細胞/マウス)することによって、化合物投与のための腫瘤の発症を可能にした。頭側内腫瘍細胞インプラントの10日後、化合物(10mg/kg)を腫瘍内に、単回で、sc腫瘍へ投与した。
各マウス脳内の増殖する腫瘤の有害な影響に基づき、ビヒクル治療した対照マウスと比較して、治療したマウスの全生存期間により化合物のアブスコパル効果を評価しながら、化合物の局所的抗がん作用をsc腫瘍に対するその作用を介して測定した。化合物1aは、局所的なsc腫瘍に対する強力な活性も示し、治療した動物8匹のうち5匹における治癒的全身性活性も示した(
図10)。これらの結果は、化合物1aの局所的投与が、局所的抗がん活性と、脳内などの深い病変を含めた、全身性(アブスコパルの)抗がん活性の両方を誘発できることを表している。
【0397】
実施例111−WT STINGとの複合体を確認するX線構造
発明者らの新規化合物の標的結合機序を更に理解するために、複合体内のWT STINGのX線結晶構造を化合物で決定した。
【0398】
A.WT STING C−末端ドメイン(残基155〜341)の発現及び精製
アミノ酸155〜341由来のヒトWT STINGタンパク質をコードしているDNA配列を(配列番号4)、そのN末端でのHis−TEV−Sumoタグに従い(配列番号5)、pET21bベクターにクローニングした。pET21bの配列はaddgeneに預けており、ここから入手可能である:addgene.org/vector−database/2550/。その配列は本明細書で参照により組み込まれている。
【0399】
E.coli BL21(DE3)コドンプラス細胞をこのプラスミドを用いて変換し、組換え型タンパク質の発現を0.1mMイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発させた。Ni−NTA親和クロマトグラフィーで、細胞溶解物の可溶性画分からタンパク質を精製した。His−TEV−Sumoタグをsumoプロテアーゼにより除去し、第2のNi−NTA親和性カラムを使用して、タグを含まないWT STING 155〜341から分離した。アニオン交換及びサイズ排除クロマトグラフィーによりタンパク質を更に精製し、20mMトリス・HCl pH7.5、及び150mM NaClを35mg/ml濃度で含有する緩衝液中に貯蔵した。
【0400】
B.化合物1との複合体のWT STING C末端ドメインの結晶化及び構造判定
化合物1と共にWT STING 155〜341を共結晶化するため、貯蔵緩衝液(20mM Tris・HCl pH7.5、及び150mM NaCl)を使用して、WT STINGタンパク質を10mg/mlに希釈し、モル比1:5で化合物1(DMSO中100mMストック)と混合した。混合物を4℃で4時間インキュベートし、13,000rpmで20分間遠心分離してから結晶化した。ハンギングドロップ蒸気拡散法を18℃で使用して、結晶化スクリーニングトレイを配置した。1μLのWT STING/化合物1溶液を、100mM HEPES pH7.5、200mM CaCl2、及び15%(wt/vol)PEG8000を含有する等量のウェル溶液と混合することによって、結晶を増殖した。結晶を液体窒素内でフラッシュ凍結した際に、20%(wt/vol)PEG400を抗凍結剤試薬として使用した。SSRF BL19U1 ビームラインで、Pilatus検出器を用いて、回折データセットを収集し、HKL3000及びCCP4ソフトウエアスイート中のプログラムSCALEPACK2MTZを処理した。
【0401】
化合物1に結合したWT STING 155〜341の構造を、プログラムPHASER(Maximum Likelihood Molecular Replacement)を使用して、最初のサーチモデルとしてPDB ID 4F9Eを用いて、分子の置き換えにより決定した。WT STINGのダイマー境界面の間の化合物1の存在を、モデルフェーズで計算したFo−Fc差の分布図において確認した。Cootプログラムを用いて、モデルを手作業で構築、完成し、CCP4ソフトウエアスイート中のRefmac5プログラムでリファインした。空間群P212121において、分解能2.38Åでリファインされた最終構造が報告され、単位格子がa=33.820、b=78.110、c=132.212、α=90.00、β=90.00、γ=90.00において測定された。ダイマー境界面で、化合物1の1つの分子に結合している各非対称的単位において、2コピーのWT STING 155〜341を特定した。
【0402】
C.X線結晶構造で観察された、化合物1とWT STINGとの相互作用
図11は、化合物1との複合体におけるヒトWT STINGのX線結晶構造の画像を示す。発明者らは、化合物1との複合体内のヒトWT STINGのX線結晶構造を試験したが、これは化合物1aの試料から共結晶化したものであった。化合物は、WT STINGタンパク質のダイマーにより形成された境界面ポケットにおいて結合している。化合物のアデニン塩基の2つの面は、Tyr240及びArg238のグアニジン基とそれぞれπ−πスタッキング相互作用を形成する。transオレフィンリンカーは、Arg238の側鎖の脂肪族部分とファンデルワールス相互作用を形成する。化合物のリボース基のC2’位のフッ素置換基は、Thr263、Pro264及びTyr163により定義される疎水性正孔に入り込んでいる。化合物の負電荷チオホスフェート基は、Arg238との塩架橋並びにSer162及びThr267とのH−結合相互作用をそれぞれ形成する。加えて、チオホスフェート基はまた、Arg232のグアニジン基と静電相互作用を形成する。残基226〜243からなるWT STINGのLIDループ領域は、2つの塩基の基及びtransオレフィンリンカーの回りに巻き付いている。
【0403】
実施例112−化合物1との複合体におけるREF STINGのX線結晶構造の判定。
【0404】
A.REF STING C末端ドメイン(残基155〜341、配列番号6)の発現及び精製
アミノ酸155〜341由来のヒトREF STINGタンパク質をコードしているDNA配列を(配列番号6)、そのN末端でのHis−TEV−Sumoタグに従い(配列番号7)、pET21bベクターにクローニングした。pET21bの配列はaddgeneに預けており、ここから入手可能である:
addgene.org/vector−database/2550/;その配列は本明細書で参照により組み込まれている。
【0405】
E.coli BL21(DE3)コドンプラス細胞をこのプラスミドを用いて変換し、組換え型タンパク質の発現を0.1mMイソプロピルβ−D−1−チオガラクトピラノシド(IPTG)で誘発させた。Ni−NTA親和クロマトグラフィーで、細胞溶解物の可溶性画分からタンパク質を精製した。His−TEV−Sumoタグをsumoプロテアーゼで取り出し、第2のNi−NTA親和性カラムを使用して、タグを含まないREF STING_155〜341から分離した。アニオン交換及びサイズ排除クロマトグラフィーにより、タンパク質を更に精製し、20mMトリス・HCl pH7.5、及び150mM NaClを24mg/ml濃度で含有する緩衝液中に貯蔵した。
【0406】
B.化合物1との複合体におけるREF STING C末端ドメインの結晶化及び構造判定
化合物1と共にREF STING_155〜341を共結晶化するため、貯蔵緩衝液(20mM Tris・HCl pH7.5、及び150mM NaCl)を使用して、REF STINGタンパク質を10mg/mlに希釈し、モル比1:5で化合物1(DMSO中100mMストック)と混合した。混合物を4℃で4時間インキュベートし、13,000rpmで20分間遠心分離してから結晶化した。ハンギングドロップ蒸気拡散法を18℃で使用して、結晶化スクリーニングトレイを配置した。1μLのREF STING/化合物1溶液を、100mM HEPES pH7.5、200mM CaCl2、及び15%(wt/vol)PEG8000を含有する等量のウェル溶液と混合することによって、結晶を増殖した。結晶を液体窒素内でフラッシュ凍結した際に、20%(wt/vol)PEG 400を抗凍結剤試薬として使用した。SSRF BL18U1ビームラインでPilatus検出器を用いて、回折データセットを収集し、HKL3000及びCCP4ソフトウエアスイート中のプログラムSCALEPACK2MTZを処理した。この構造は
図12に示されている。
【0407】
以前に決定したWT STING155〜341構造(上に記載した通り)を最初のサーチモデルとして使用して、分子の置き換えプログラムPHASER(Maximum Likelihood Molecular Replacement)を使用して、化合物1に結合しているREFSTING_155〜341の構造を決定した。モデルフェーズで計算したFo−Fc差の分布図において、REF STINGのダイマー境界面の間の化合物1の存在を確認した。Cootプログラムを用いて、モデルを手作業で構築、完成し、CCP4ソフトウエアスイート中のRefmac5プログラムでリファインした。空間群P212121において、分解能2.76Åでリファインされた最終構造が報告され、単位格子がa=33.733、b=77.831、c=131.689、α=90.00、β=90.00、γ=90.00において測定された。ダイマー境界面で、化合物1の1つの分子に結合している各非対称的単位において、2コピーのREF STING 155〜341を特定した。
【0408】
C.X線結晶構造において観察された、化合物1とREF STINGとの相互作用
図12は、化合物1との複合体におけるヒトREF STINGのX線結晶構造を示し、これは、化合物1aの試料から共結晶化されたものであった。化合物は、STINGタンパク質のダイマーにより形成された境界面ポケットにおいて結合している。化合物のアデニン塩基の2つの面は、Tyr240及びArg238のグアニジン基とそれぞれπ−πスタッキング相互作用を形成する。Arg238の側鎖のグアニジン部分が外側からのHis232の側鎖のイミダゾール基とπ−πスタッキング相互作用を形成する一方で、transオレフィンリンカーはArg238の側鎖の脂肪族部分とファンデルワールス相互作用を形成する。オレフィンリンカーは、Arg238とHis232の側鎖の相互作用する対と接触している。化合物のリボース基のC2’位のフッ素置換基は、Thr263、Pro264及びTyr163により定義される疎水性の正孔に入り込んでいる。化合物の負電荷チオホスフェート基は、Arg238との塩架橋並びにSer162及びThr267とのH−結合相互作用をそれぞれ形成する。残基226〜243からなるREF STINGのLIDループ領域は、2つの塩基の基及びtransオレフィンリンカーの回りに巻き付いている。
【0409】
実施例113−比較
本発明の開示の化合物1a、天然STINGリガンド(2’3’cGAMP)、及び本明細書に参照により組み込まれているCorralesら、「Direct Activation of STING in the Tumor Microenvironment Leads to Potent and Systemic Tumor Regression and Immunity」、Cell Reports(2015年)11巻:1018〜1030頁で報告されたようなSTINGアゴニストML RR−S2 CDAとされるものを使用した直接比較において、WT STING、HAQ STING、AQ STING、及びREF STINGのヒトSTINGアッセイに対してEC50値を計算した。アッセイは、上に記載された実施例に記載した通り行った。表14に報告されたアッセイ値は、直接比較で行われるアッセイに限定されるもので、表5又は他の箇所で報告されたようなより大きな数のトライアルを通して決定される平均値を反映し得ないことに注意されたい。「2’3’ cGAMP」は、Cell Reportsの出版物で報告されているような「ML cGAMP」と同じであることに更に注意されたい。
【0410】
【表24】
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【0411】
表14はまた、等温滴定熱量測定(ITC)で測定された通り、3つの試験した化合物のそれぞれへのヒトWT STINGの結合に対する解離結合定数(Kd)を報告している。ITCは、分子間相互作用に関連する熱力学的特性を測定する微量熱量滴定技術である。これらの試験に基づき、化合物1aは、試験した化合物のWT STINGと最も強い結合を形成するように見える。
【0412】
材料
組換え型ヒト野生型STING(アミノ酸139〜379、H232R)タンパク質は、アミノ酸139〜379を含むヒトWT STINGのサイトゾルドメインをコードしているE.coliにおいて構造体を発現することにより生成された。
【0413】
試薬
この実験で使用した試薬の供給元を以下に示す:
【0414】
【表25】
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【0415】
タンパク質緩衝液の調製
STINGタンパク質は、90μL及び100μLのアリコートを、それぞれ3.0mg/mL及び20mg/mLの濃度で、それぞれ5%グリセロールを含有するPBS、pH7.5中で、−60℃で貯蔵した。分析の当日、アリコートのタンパク質を解凍し、400μLに希釈し、Amicon Ultra遠心フィルターユニット(10k MWカットオフ、0.5mL)を使用して、Eppendorf微量遠心機を用いた少なくとも4回の10分間、14000xgの遠心分離により緩衝液をPBSに交換し、次いで1X PBSで、20μM〜30μM(実験依存性)に最後的に希釈した。Nanodrop2000分光光度計及び22140(M
−1cm
−1)のタンパク質吸光係数を使用して、タンパク質濃度を決定した。
【0416】
試料の調製
化合物1a、2’3’cGAMP、及びML RR−S2CDAの200μLの1mMストック溶液を1.5mL微小遠心管により供給した。各実験の前に、試料を200uM〜500uM(実験依存性)の濃度に希釈した。
【0417】
方法
ITCクリーニングアクセサリー(TA Instruments no 601800.901)を備えたAffinity ITC unit(TA Instruments no 609003.901)でアッセイを実施した。STINGタンパク質溶液、20μM〜30μMのSTINGタンパク質を含有するおよそ400μLをピペットで取り、一部の過充填を許容して185μL熱量計セルに入れた。基準細胞は、当量のMilli−Q水を含有した。100μM〜300μM化合物を20×2.5μL注入し、25℃でインキュベーションを行った。対照ソフトウエアはITC Run Ver.3.3.0.0(TA Instruments)であり、これを使用して、各注入時の加熱速度を表す未加工の熱(μcal/秒)の複数のピークからなるサーモグラムを得た。分析ソフトウエアNano Analyze Ver.3.70(TA Instruments)を使用して、ベースライン補正、ブランク又は試料の希釈熱(飽和における)を補正し、グラフに示された「Q」値を生成する加熱速度ピークを積分した。生成した等温線を非依存性モデルにフィットして、熱力学パラメーターを導き出した。
【0418】
Kd及びn値(曲線屈曲点でのモル比)を導き出し、報告した。タンパク質及びリガンドの濃度に対する最適条件は初期実験から導き出した。
【0419】
結果
試験化合物の組換え型ヒト野生型STING(アミノ酸139〜379、H232R)への結合に対する、加熱速度サーモグラム及びこれらから生成した等温線を決定した。各化合物のSTINGへの結合は、負の加熱速度により示されたように吸熱性であり、希釈の発熱性(正の向き)加熱(化合物のタンパク質の飽和を達成後に観察)があった。2’、3’cGAMPは、様々なSTING変異体に対する同様の吸熱性応答を生成することが示されている。化合物1aは、0.04μMという最も低いKdを提供し、これに続いて、2’3’cGAMPが0.07μMのKd、次いでML RR−S2 CDAが0.40μMのKdを提供した。すべての化合物は、0.5近くのn値を提供し、これは、STINGタンパク質がダイマーとして存在し、2モルのSTING当たり1モルの化合物が結合していることを示唆する。
【0420】
実施例114−潜在的代謝物の特定
化合物1aを、CD−1マウス、Sprague Dawleyラット、ビーグル犬、カニクイザル、及びヒトの肝細胞中でインキュベートして、主要な代謝物の形成を評価した。
【0421】
材料
凍結保存し、プールした肝細胞は、ThermoFisher Scientific(Waltham、MA)、Xenotech、LLC(KansasCity、KS)及びIn Vitro ADMET Laboratories(Columbia、MD)から購入し、適当な培地はIn Vitro ADMET Laboratories(Columbia、MD)及びLife Technologies(Carlsbad、CA)から購入した。AOPI染色溶液及びリン酸緩衝液は、Corning Life Sciences(Tewksbury、MA)及びNexcelom Bioscience(Lawrence、MA)からそれぞれ入手した。分析に使用したすべての化学物質、試薬、及び溶媒は、分析用又はHPLC等級である。
【0422】
実験計画法及び手順
肝細胞インキュベーション
化合物1aを秤量し、HPLC−水を含有する0.12%ギ酸PBSに溶解して1020mmol/Lにした。次いで、溶液を個々に2.5倍に4mmol/Lまで希釈し、次いで、0.1%ヒト血清アルブミン及び2mmol/L L−グルタミンを含有するWilliams’E培地で21000倍更に希釈して、濃度20μmol/Lの作業ストック溶液を生成した。
【0423】
インキュベーション前、凍結保存した肝細胞を水槽内で、37℃で解凍した。1本のチューブの凍結保存した肝細胞を、In Vitro ADMET Laboratories(Columbia、MD)から入手した凍結保存した肝細胞回復培地(UCRM)の各50mLコニカルチューブに加えた。Beckman遠心分離(Brea、CA)内で、室温4℃で10分間、740rpmで、GH3.8ローターを用いて細胞を回転させた。上清を取り出し、細胞をカウンティング用のプレーティング培地内に再懸濁させた。細胞をプレーティング培地に再懸濁させた後、20μLの再懸濁液を移し、20μLのAOPI染色溶液と混合した。溶液を穏やかに混合し、Cellometer(Nexcelom、Lawrence、MA)を使用して細胞をカウントした。カウントした後、次いで、細胞を2mmol/L L−グルタミン(pH7.4)を含有するWilliams’E培地内で1又は2百万個の生存細胞/mLで再懸濁させた。
【0424】
肝細胞懸濁液(50μL/ウェル)を48−ウェルプレートに加えた。化合物1a(20μmol/L)を含有する50マイクロリットルの作業ストック溶液を加えて、反応を開始させた。プレートを組織培養物インキュベーター(5% CO2/95%空気を加湿した雰囲気及び37℃)内に配置し、2010ng/mL フロセミド及び0.2μmol/L (R)−プロプラノロールと共に、100%メタノール/アセトニトリル(1/1、v/v)からなる200μLの停止液を用いて、5、30、60、120、180及び240分の時点で反応を停止させた。混合物を遠心分離させ、濾過し、上清を分析用に収集した。凍結保存した肝細胞の最終濃度は1×106細胞/mLであった。化合物1aの最終インキュベーション濃度は10μmol/Lであった。
【0425】
代謝物同定のためのLC−MS/MS条件
LC−MS/MSシステムは、Shimadzu HPLC及びAB−SCIEX TripleTOF 5600ハイブリッド四重極及びTOF質量分析器(Framingham、MA)で構成された。Shimadzu HPLC(Kyoto、Japan)は、コミュニケーションバスモジュール(CBM−20A)、付随しているラックチェンジャー(Rack ChangerII)2つのポンプ(LC−30AD)を備えたオートサンプラー(SIL−30AC)、及びカラムオーブン(CTO−30A)からなった。AB−SCIEX APCIのNegative and Positive Calibration Solutions(Framingham、MA)を使用して質量分析器を較正した。肝細胞を用いたインキュベーションから得られた試料を負と正のスキャンモード下で分析した。塩基性分析法及び装置の条件を以下に要約する。分光器設定の改変は分析物の必要性に依存した。
【0426】
LC−MS/MS条件:
【0427】
【表26】
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【0428】
活性データのデータ分析
AB−Sciex Analyst TF(バージョン1.5.1;Framingham、MA)を使用して、質量分析法データを取得した。AB−Sciex PeakView(バージョン2.2.0.1;Framingham、MA)を使用して、クロマトグラム及びスペクトルを得た。抽出したイオンクロマトグラムに対する相対的ピーク領域の比較は、目的の各分析物に対する予想された正確な質量電荷比(m/z)の±0.0002Daに基づいた。
【0429】
結果
肝細胞とのインキュベーションからの代謝物は検出されなかった。提示された分析条件下で、化合物1aは、およそ7.8分間の保持時間を示した。負のスキャンモード下で、化合物1aは、脱プロトン化分子イオンm/z 745(C
24H
25F
2N
10O
8P
2S
2−)及び二重脱プロトン化分子イオンm/z 372(C
24H
24F
2N
10O
8P
2S
22−)を示した。m/z 533(C
19H
19FN
10O
4PS
−)及びm/z 186(C
9H
8N
5−)を有する主要なMS/MS生成物イオンを観察した。正のスキャンモード下で、化合物1aは、m/z 747(C
24H
27F
2N
10O
8P
2S
2+)のプロトン化分子イオン及びm/z 651(C
24H
26F
2N
10O
6PS
+)、m/z 252(C
10H
11FN
5O
2+)、及びm/z 188(C
9H
10N
5+)を有する主要MS/MS生成物イオンを示した。MS及びMS/MSデータは、化合物1aの構造に対して確証的である。
【0430】
化合物1aは、マウス、ラット、イヌ、サル、及びヒトの肝細胞とのインキュベーションにおいて安定していた。化合物1aの明らかな代謝物をこの実験において同定しなかった。肝細胞とのインキュベーションから得られた試料において、直列質量分析法(MS/MS)の断片により、化合物1aそれ自体のみを検出及び確認することができた。
【0431】
本開示で参照したすべての文献は、本明細書で参照により組み込まれているが、ただし、任意の組み込まれた文献がこの文書による明細書と矛盾した場合、この文書による明細書が優先されるものとする。当業者であれば、様々な変化及び修正を本明細書に提供されている材料に行うことができ、その材料は本開示の範囲内及び趣旨内であることを認識する。
【0432】
配列表
配列番号1(WTヒトSTING):
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccggtgaccgggctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccggacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga
配列番号2(REFヒトSTING):
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配列番号3(AQヒトSTING):
atgccccactccagcctgcatccatccatcccgtgtcccaggggtcacggggcccagaaggcagccttggttctgctgagtgcctgcctggtgaccctttgggggctaggagagccaccagagcacactctccggtacctggtgctccacctagcctccctgcagctgggactgctgttaaacggggtctgcagcctggctgaggagctgcgccacatccactccaggtaccggggcagctactggaggactgtgcgggcctgcctgggctgccccctccgccgtggggccctgttgctgctgtccatctatttctactactccctcccaaatgcggtcggcccgcccttcacttggatgcttgccctcctgggcctctcgcaggcactgaacatcctcctgggcctcaagggcctggccccagctgagatctctgcagtgtgtgaaaaagggaatttcaacgtggcccatgggctggcatggtcatattacatcggatatctgcggctgatcctgccagagctccaggcccggattcgaacttacaatcagcattacaacaacctgctacggggtgcagtgagccagcggctgtatattctcctcccattggactgtggggtgcctgataacctgagtatggctgaccccaacattcgcttcctggataaactgccccagcagaccgctgaccgagctggcatcaaggatcgggtttacagcaacagcatctatgagcttctggagaacgggcagcgggcgggcacctgtgtcctggagtacgccacccccttgcagactttgtttgccatgtcacaatacagtcaagctggctttagccgggaggataggcttgagcaggccaaactcttctgccagacacttgaggacatcctggcagatgcccctgagtctcagaacaactgccgcctcattgcctaccaggaacctgcagatgacagcagcttctcgctgtcccaggaggttctccggcacctgcggcaggaggaaaaggaagaggttactgtgggcagcttgaagacctcagcggtgcccagtacctccacgatgtcccaagagcctgagctcctcatcagtggaatggaaaagcccctccctctccgcacggatttctcttga
配列番号4(WT STING残基155〜341):
VAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDRAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV
配列番号5(His−TEV−Sumo−WT STING 155〜341)
MHHHHHHSSGVDLGTENLYFQSNAMSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGGSVAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDRAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV
配列番号6(REF STING残基155〜341):
VAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDHAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV
配列番号7(His−TEV−Sumo−REF STING 155〜341)
MHHHHHHSSGVDLGTENLYFQSNAMSDSEVNQEAKPEVKPEVKPETHINLKVSDGSSEIFFKIKKTTPLRRLMEAFAKRQGKEMDSLRFLYDGIRIQADQTPEDLDMEDNDIIEAHREQIGGGSVAHGLAWSYYIGYLRLILPELQARIRTYNQHYNNLLRGAVSQRLYILLPLDCGVPDNLSMADPNIRFLDKLPQQTGDHAGIKDRVYSNSIYELLENGQRAGTCVLEYATPLQTLFAMSQYSQAGFSREDRLEQAKLFCRTLEDILADAPESQNNCRLIAYQEPADDSSFSLSQEVLRHLRQEEKEEV